ハルヒ「! そ、そ、そ、そう」
キョン「相談に乗ってくれよ」
ハルヒ「え……な、なんであたしが」
キョン「団長だろ?」
ハルヒ「そんな仕事、含まれてないわ」
キョン「団員が悩んでるのに団長は相談にすら乗ってくれないのか」
ハルヒ「!!」
元スレ
キョン「ハルヒ。俺、好きな子がいるんだ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1554526117/
ハルヒ「……わかったわよ!あたしからのアドバイスならさっさと告白しなさい!以上!」
キョン「なんだそりゃ。相談ですらねーじゃねえか」
ハルヒ「はぁ。キョン、ヘタレてんじゃないわよ。告白しないと恋なんてなーんにも始まらないの」
キョン「だからっていきなりそんなこと言われたら相手も驚くだろ……もし振られたらどうすんだよ。俺死ぬぞ」
ハルヒ「振られたっていいじゃない!別に告白には回数制限があるわけじゃないんだし。一度意識させた方がいいわよ」
キョン「そうかい。でもしつこい男は嫌われるんじゃないか?」
ハルヒ「嫌われたら諦めつくでしょ」
キョン「つかん。絶対に無理だ」
ハルヒ「そ、そう……そこまで好きなんだ……」
キョン「大好きだぞ」
ハルヒ「あたしに言っても仕方ないでしょ」
キョン「……」
ハルヒ「っていうか肝心なこと聞き忘れてたわ。関係性は?」
キョン「……難しいな」
ハルヒ「はぁ? 同じ学校とかいろいろあるでしょ!」
キョン「ふむ、相手は同じ学校だ」
ハルヒ「ふぅん。で、仲良いの?」
キョン「仲良いといえば良いのかもな、お前はどう思う?」
ハルヒ「知らないわよそんなの!」
ハルヒ「もっと具体的なエピソードをちょうだいよ」
キョン「そうだな……そいつは、俺によく話しかけてくれるし笑ってくれる」
ハルヒ「ふぅん。社交的な子なの?」
キョン「いいや、まあ積極的ではあるがね」
ハルヒ「うーん。それだけの情報じゃキョンの一方的な勘違いの可能性も否めないわね」
キョン「そうか……」
ハルヒ「やだ、落ち込まないでよ。わたしは聞いた話からそう推測しただけ。他にもっとこう、なんかないわけ?」
キョン「俺に勉強を教えてくれたりするな。あと手繋いできたりする。事あるごとに引っ張り回してきて、迷惑かけられて……でも嫌じゃねえんだ」
ハルヒ「へえ……」
キョン「どうした?」
ハルヒ「あてられちゃったの。そんな愛おしそうな顔で語られちゃったらね」
キョン「まあ実際愛おしいからな」
ハルヒ「うげっ。キョンがそんなこと言うなんて鳥肌が立つわ」
キョン「ひどいな」
ハルヒ「……相手に恋人は?」
キョン「いない」
ハルヒ「ならさっさと告白してきなさいよ。満更でもなさそうじゃないの、その子」
キョン「そうか?」
ハルヒ「そうよ。手を繋いでくれるなんて少なからず好意があることの証よ」
キョン「好きだ」
ハルヒ「は!? だからあたしじゃなくて……ああ、もう、告白の練習ってこと? そんなことまであたしにやらせないでよね」
キョン「すごい解釈をする女だな」
ハルヒ「?」
ハルヒ「で、その子はモテるの?」
キョン「ああ、聞いた話だがかなりモテるタイプであるな」
ハルヒ「じゃあ告白され慣れてるってことだから……そんな普通の告白じゃ全然だめね!」
キョン「ほう、お前はどんな告白の仕方がいいんだ?」
ハルヒ「ん? そうねー、あたしなら……うーん、とりあえず対面じゃないとダメね」
キョン「それは前に聞いたな」
ハルヒ「あとはやっぱりインパクトが欲しいわよね。実は宇宙人です、とか」
キョン「残念ながら俺は普通の人間だ」
ハルヒ「知ってるわよそんなの」
ハルヒ「まあキョンの考えつくことなんてどーせありきたりだし、正統派の告白の方がいいかもね」
キョン「さっきと言ってることが大違いだな」
ハルヒ「いいの!重要なのはあたしの気持ちじゃなくてその子の気持ちでしょ?」
ハルヒ「ほら、帰っちゃうかもしれないからさっさと行ってきなさい!学校中駆け回って探してきなさい!居なかったら家まで押しかけるの!思い立ったが吉日ってやつよ!」
キョン「……」
キョン「ハルヒはいいのか?」
ハルヒ「はぁ?」
キョン「俺が告白して、うまくいったとして」
キョン「ハルヒはそれでいいのか?」
ハルヒ「……SOS団のこと? それなら、」
キョン「ちげえよ」
ハルヒ「!」
ハルヒ「だ、だって、別に、あたしに止める権利なんてないでしょ」
キョン「ハルヒは俺が別の女と付き合ってもいいのかよ」
ハルヒ「そ、あたしは……」
キョン「……わかった、すまんな。くだらないこと聞いちまって」
ハルヒ「キョン……」
キョン「ハルヒ、好きだ」
ハルヒ「もう!だからなんであたしに」
キョン「俺はお前が好きだ」
ハルヒ「……へっ?」
キョン「ハルヒが大好きだ」
ハルヒ「え? え? だって」
キョン「」ぐいっ
チュッ
ハルヒ「!!!??」
ドンッ
ハルヒ「なにすんの!なにすんの!しんっじらんない!!」
キョン「インパクトってやつだ」
ハルヒ「はぁ!? ばっかじゃないの!? バカ!バカ!バカキョン!」
キョン「嫌だったか?」
ハルヒ「そ……なんでよ!!なんであたしにキスなんかすんの!!」
キョン「まさかお前まだ分かってないのかよ」
ハルヒ「!」
ハルヒ「あ、あたし……?」
キョン「そうだ。俺が好きなのはお前だ」
ハルヒ「だ、だって」
キョン「なんならもう1回キスしてやろうか?」
ハルヒ「しなくていいわよ!」
キョン「そうかい」
ハルヒ「え、だって、えぇ……」
ハルヒ「あんた、あたしのこと、あんな……」
ハルヒ「……」プシュー
キョン「好きだ」
ハルヒ「!」
ハルヒ「も、もう分かったわよ!分かったから!言わなくていいから!」
キョン「お前が言ったんだろ。回数制限なんてないって。意識させろって」
ハルヒ「あ、う……」
キョン「好きだ、大好きだ、ハルヒ」
ハルヒ「だからもういいの!意識ならもうしてるからっ」
キョン「!」
ハルヒ「あ……」
ハルヒ「ち、違……」
キョン「ん?何が違うんだ?」
ハルヒ「だ、だからぁ……あんな風に言われたら意識しちゃうのも仕方ないでしょ!勘違いしないでよね!」
キョン「意識してるのは事実なんだな」
ハルヒ「なっ、バカ!バカキョン!」
ポカポカポカポカ
キョン「痛ぇ。痛ぇって」
パシッ
ハルヒ「あっ」
ぎゅっ
ハルヒ「ひゃっ!キョン、離し……」
ぎゅーっ
ハルヒ「はぅ……」
キョン「……ハルヒ、好きだ。俺と付き合ってくれ」
ハルヒ「い、イヤ」
キョン「!?」
キョン「待て。なぜだ」
ハルヒ「なぜって、あんたって結構図々しいわね」
キョン「流れ的にOKのはずだろ!?」
ハルヒ「流れって何よ!」
キョン「今こうやって俺に抱きしめられてても抵抗する気配がねえし!」
ハルヒ「あんたの力が強いから抵抗できないだけよ!何勘違いしてるわけ!?」
キョン「……」
キョン「悪かったよ、困らせて」
ハルヒ「待ってよ。別にダメなんて言ってないじゃない!」
キョン「……イヤとダメの違いはなんですか、ハルヒ先生」
ハルヒ「だからイヤなの。流れでOK出しちゃうのは。考えさせて」
ハルヒ「あたし、恋愛は一時の気の迷いだと思ってるし。SOS団のこともあるし」
ハルヒ「そんなすぐOKなんて出せないわよ」
キョン「そうか」
ハルヒ「そうなの」
キョン「いつ頃返事が返ってくるんだ?」
ハルヒ「そんなのわかんないわよ」
キョン「……それまで待っておけ、と?」
ハルヒ「あたしのこと好きなんでしょ?それくらいしなさいよ」
キョン「もし返事がこなくて諦めた俺がお前以外の女と付き合い始めたらどう思う?」
ハルヒ「そんなの絶対嫌」
キョン「それは……俺のことを好きってことなんじゃないのか?」
ハルヒ「う……ま、まだわかんないの!」
キョン「はぁー……」
ハルヒ「だ、ダメ……?」
キョン「ダメじゃねえよ。というか、もうどうしようもねーよ。お前以外なんざ考えられんのだからな」
ハルヒ「!」キュン
キョン「今ときめいたな?」
ハルヒ「ばっか!そんなわけ……」
ハルヒ「……あるかも」
キョン「よしよし」
ハルヒ「ところであたしたちいつまで抱き合って会話してるのかしら!?」
キョン「お、おう、そうだな」
スッ
ハルヒ「ふぅ……」
ハルヒ「初めてだったのに……」
キョン「ん?」
ハルヒ「キス」
キョン「悪かった」
キョン「正直絶対OK貰えると思ってたからな」
ハルヒ「ふん。調子に乗らないでよ!そう簡単にあたしを手に入れられてたまるもんですか!」
キョン「ハルヒ」
チュッ
ハルヒ「ちょ、あんたねぇ!」
キョン「ほっぺくらいならいいだろ?俺がすることはお前をひたすら意識させることだからな」
キョン「好きだ、ハルヒ」
ハルヒ「ばか……」
ハルヒ「ねえ」
キョン「ん?」
ハルヒ「あたしたち、今日1日で抱き合って、キスして、これで付き合ってないってなんなのかしらね」
キョン「お前が言うのか」
ハルヒ「ま、これも普通じゃなくて面白いかもね!」
キョン「俺は面白くないぞ。早くお前と付き合いたい」
ハルヒ「……ん」
キョン「ん?」
ハルヒ「手」
キョン「手?」
ハルヒ「繋ぎたい」
キョン「お手手繋いで下校か。ますますなんで付き合ってないか怪しくなってきたな」
ハルヒ「……」
キョン「すまん」
ハルヒ「いいわよ。あたしの方が無茶苦茶言ってる自覚あるし」
キョン「ハルヒ、好きだ」
ハルヒ「……」
キョン「大好きだ」
ハルヒ「うん……」
キョン「……」
ハルヒ「……」
チュッ
ハルヒ「今日1日で3回もキスしちゃった」
キョン「そうだな、その内1つはほっぺだけどな」
ハルヒ「キョンとキスするの、好きかも」
キョン「お前なぁ」
ハルヒ「なによ」
キョン「はぁ。まあこういう女であることが分かってて告白したんだしな」
ハルヒ「ふふっ」
キョン「好きだぞ」
ハルヒ「それは今日で何回目?」
キョン「さぁな。どうせ明日からもっとたくさんするんだ。今数えても意味ないさ」
ハルヒ「キョン」
キョン「ん?」
ハルヒ「あたしのこと落としてみなさいよ」
キョン「おう、覚悟しておけ」
完