1 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:04:54.52 DBhGpJ7RP 1/75


「あーずにゃ~ん!」

「わっ、や、やめて下さいよ!」

「梓はホント猫耳似合うなー」

「律先輩まで…」

「そうだ!写真でも撮るか?」

「おお、いいねぇ」

「い、嫌ですっ!好きで付けてるわけじゃないのに…」

「うふふ、似合ってるわよ梓ちゃん」

「…………」



元スレ
唯「私、この二日間…ほんとに楽しかったんだ」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1279947894/

3 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:10:08.52 dDVRl1s9O 2/75


澪は最近、何か不思議なものを感じていた。それが何なのかは分からないが、胸の中に霧が立ち込めるような「モヤモヤ」とした違和感がある。
同じ部の友達と他愛もない話したり、大好きなベースの練習をしたり。そんな事をしても心の不思議なモヤが取れる事はなかった。
どうしてだろう?何かに不満があるわけじゃないのに。

「…お…ちゃ…」

「澪ちゃんっ?」

「!! へっ?な、何?」

「さっきから呼んでたんだよ~、もう」

「ご、ごめん」

「何だ~?もしかして澪…今日はアレか?」

「ちち違うっ!」

「も~りっちゃんてば~」

「あらあら」




5 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:13:37.36 dDVRl1s9O 3/75


「ところで、いつ練習するんだ?」

「私は今すぐにでもしたいです!」

「えーーいいじゃん後でー」

「そうだよ~後にしようよぅ」

「今はお菓子を食べるのに精一杯だよなぁ、唯~」

「うん!この時間は捨てられないよねっ!」

「まったく…唯に律、そうやって毎日サボってばっかで…!」

「かたい事言うなって、ちゃんと練習はするからさぁ」

「とか言って昨日も一昨日も練習しなかっただろっ!」

「まぁまぁ澪ちゃん、今日はレモンチーズシフォンカスタードパイなんだよ!」

「違う違う、チーズレモネードアップルパイだろ?」

「あれっ?そうだっけ?」


7 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:17:32.73 dDVRl1s9O 4/75


「ふふ。チーズレモンカスタードシフォンパイ、よ。」

「そう、それを言おうと思ってたんだ」

「律先輩、思いっきり間違ってましたよ」

「…チーズ…シフォン…」

「ねっ、美味しそうでしょ?」

「……う、うん…///」

「なんだ、澪もやっぱり食べたかったんだな~」

「そ、そういうわけじゃ…」

「とっても美味しいのよ。澪ちゃんも気に入ってくれると思うな」

「いつもありがとうな、ムギ」

「いえいえ♪」

そうだ、不満は何一つない。こうやって皆でお茶をしながら話す時間は、嫌いじゃない。むしろ皆にとって、とても有意義な時間だ。
それは澪も同じで、態度や口には出さないだけで大切な時間だと感じていた。
だから何だかんだ言いつつも最終的には皆と一緒に紅茶を飲み、こうやって菓子を食べているのだろう。

(どうしてモヤモヤしたんだろ…気のせい、かな)


10 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:19:41.76 dDVRl1s9O 5/75


「そういえば先輩たちは明日から修学旅行なんですよね」

「そうだぞー、ハワイに二泊三日だ!」

「京都だろ、京都!」

「梓ちゃん、しばらくお留守番よろしくね」

「はい、任せて下さい」

「私たちが居なくて寂しいからって、泣いたりするなよー?」

「なっ!泣きませんよ!」

「それはどうだろうなぁ?」

「だ、大体、他の先輩方はともかく、律先輩は少しくらい居ないほうが静かでゆっくり出来ます!」

「何をぉぉ~!?」

「あははっ。でもお土産買ってくるからね、あずにゃん」

「うん。だから少しの間、良い子で待っててくれ」

「……はい!楽しんできて下さいね、皆さん」

「こらー、梓!さっきの取り消せー!」


11 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:23:04.56 dDVRl1s9O 6/75


~修学旅行~

ザワザワ

先生「そろそろ点呼とるぞー」

「唯ちゃん、来ないわねぇ…」

「あっ、来た」

「おーいっ!皆~!」

「あはは、やっと来たか」

「ふふ、間に合って良かったわ」

「おはよう。まったく、寝坊かと思ったぞ」

「おはよ~。大丈夫!余裕のよっちゃん!」

「あはは、遅刻ギリギリだっつーの」

「実は昨日、楽しみすぎて眠れなくて…」

「子供かっ!」


13 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:25:31.20 dDVRl1s9O 7/75


~新幹線~

「おおーっ!すげぇ!唯、見てみろっ」

「綺麗ー!綺麗だねぇ、りっちゃん!」

「あっ、あの変な看板なんだ?…火の始末だらしねぇな…?変な男が描いてあるぞ」

「見て見てっ、海がすっごく綺麗~!」

「またさっきの看板かよ!?どんだけあの看板好きなんだよこの町!」

「ネッシーとかいないかな!ネッシー!」

(まるで会話が噛み合ってないぞ、あの二人…)

「景色より私達の席のほうが注目されているわねぇ」

ざわ…ざわ…

「うう…恥ずかしいぃ…」


14 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:31:41.83 dDVRl1s9O 8/75


「おい二人とも、ちょっと静かに…!」

「ねぇねぇ澪ちゃんも見てみなよ~」

「わ、私はいいよ」

「そんなこと言わずにっ」

「わわっ!?ひ、引っ張るなっ」

「でも本当に綺麗よ、景色」

「うん!ちゃんと見たほうがいいよ~」

「う、うん」

「………!海が綺麗…」

「………フジツボ」

「!!!」ガツン

「い…いったーっ!」

「お、思い出させるなっ!」



15 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:33:58.48 dDVRl1s9O 9/75


「!あっ…」

「わわ、何やってるんだ」

「膝にお菓子置いてたのに立ち上がるからだぞ」

「は、早く拾わないとっ」

「まったく、しょうがないなぁ…」

「ありがとう、澪ちゃ……」

「「いたっ!??」」

お菓子を拾おうと同時に屈んでしまい、唯と額がぶつかってしまった。よくある事なのだろうけど、正直、かなり痛い。
澪が少し涙目になって額を擦っていると、目の前で同じく痛そうに額を撫でる唯が「へへっ」とはにかんだ笑顔を浮かべ、どこか楽しそうに見えた気がした。
すぐに立ち上がれずにいると、律と紬が笑いながらお菓子を拾うのを手伝ってくれた。

律に「二人ともドジだなぁ」なんて茶々を入れられて、紬に優しく見守られて、唯のドジをフォローして。
どうしてか、そんな当たり前の事がとても嬉しく思える。
この時の私には、その理由が分からなかった。


17 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:45:09.99 dDVRl1s9O 10/75


~金閣寺~

「おー、すげぇ…じゃない、すごいなぁ!」

「き、金ぴかやわーっ」

(二人とも無理してるな)

「金閣寺めっちゃ光っとるでぇ!」

「りっちゃんのデコも光っとるでぇ!」

「は?」

「ねぇねぇ、あれって本当に全部金なのかなぁ?」

「どうだろうな」

「全部剥がして売ったらすごい金持ちになるかも!!」

「金持ちになるまえに牢屋行きだぞ、絶対」

「安心しろ、金は山分けしてやるって」

「そういう問題じゃないだろ」


18 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:49:29.09 dDVRl1s9O 11/75


~北野天満宮~

「北野天満宮?」

「何なんだろう?有名なのかな?」

「あーっ!!」

「ど、どしたの!?」

「絵馬だ!みんな書こうぜーっ」

「大学の受験のこと…とか?」

「違う違う、軽音部として」

「楽しそう!私、一度書いてみたかったの」

「ほら、ムギもこう言ってるしさ」

「あ!じゃあさーみんなで一つの絵馬に書こうよ!」

「わぁ…それ良いわね、何だか団結って感じで!」

(……団結……)


「……うん。みんなで書こっか」


19 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 14:57:22.81 dDVRl1s9O 12/75


「できたーっ!」

「わー、すごい!」

「はは、律の字おおきすぎ」

「やっぱり部長だからな!」

「こういうのって、何かイイねぇ」

「置いていくのがもったいないくらいだな!」

「そっか…これ、持って帰れないんだったね」

こうして四人それぞれの思いが描かれた絵馬が完成した。少し雑な字、綺麗に整った字、可愛らしい字など様々だ。
「めざすは武道館!!」「これからも五人揃ってバンドする!」などそれぞれ勝手なことが書かれていたが、そのどれもが輝いており、生き生きとした目標だった。


「もう絵馬ともお別れかぁ」

「うん…」

「寂しくなるわね…」

「よし、目立つよう飾ってやるからな」

全員で絵馬を飾り付け、別れを惜しむように眺めている。誰もが持って帰って部室に飾りたいと思っている事だろう。
しばらくして皆がゆっくりと歩き出した頃、澪はまだ絵馬の前から離れられずにいた。


21 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 15:03:23.30 dDVRl1s9O 13/75



(皆は……あと数ヶ月経ったら。あと数年経ったら)

(この絵馬の事…忘れちゃうのかな)

(皆いつかは…忘れちゃうのかな)

いつまでも大事に覚えているのは自分だけで、浮かれているのは自分だけで、皆いつかは忘れてしまうのではないか。澪はそんな不安にかられていた。
もうこの絵馬が見られないなんて嫌だ。

この絵馬が皆から忘れられるなんて嫌だ――


「みーおー。何やってんだ、行くぞー」

「…あっ、うん…」

「どうしたの?」

「ううん…何でも」

「絵馬が、気になる?」

「!」


22 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 15:09:04.83 dDVRl1s9O 14/75


「ははっ、どうせ澪の事だから風で飛ばされたりしないか心配なんだろ~」

「あはは、澪ちゃん心配性だねぇ」

「えっと…」

「でも大丈夫だよ」

「??」

「またいつでも見に来ればいいんだから!」

「そうだぞ。また皆でここに来ればいいんだよ、絵馬を見るためにさ」

「えぇ、また遊びに来ましょう。だからそんな残念そうな顔をしないで。ねっ?」

「みんな……」

「………そうだな!」


澪はようやく歩き出す事が出来た。少し前までは踏み出せなかった足が、不思議と今では晴れ晴れとした気分で踏み出す事が出来る。
一度だけ振り返り、遠くから絵馬を眺めている澪の視線は、さっきよりも、ずっと嬉しそうだった。

「澪~、置いてくぞーっ」

「あ……今行くーっ」


("また"な、私達の絵馬)


24 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 15:37:43.88 dDVRl1s9O 15/75


~宿~

「ふう~、疲れたぁ~」

「今日は色々あったわね」

「うんうん。…お、みんな布団敷き終わったか」

「さ、そろそろ寝るぞ」

「……」そーっ

「え~っ?もう寝ちゃう……のっ!?」ボスッ

「え……むっ、ムギ!?」

「うふふ♪」

「なんだなんだ?戦争開始k」ゴッスゥッ

「♪」わくわく

「むむ、ムギー!?」



26 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 15:52:39.83 dDVRl1s9O 16/75


「ほほう……なるほどなるほど。そういう事か、ムギ」

「よぉーっし!私だって――ぶっ!?」ボスッ

「ちっちっちっ、よそ見はいけないぜ。ここはもう戦場なんだよ、お嬢ちゃん!」

「こ、こらっ、先生来ちゃうだろ!」

「あいたたた、りっちゃん酷い~」

「枕投げ……一度やってみたかった、の!」ヒュッ

「おい、騒ぐなって!ちょ、ちょっと……ねぇ…」

「レディー、ファイッ!!」

「うおりゃーー!」

「っしゃああああああああああ!!」

「おらああああああ!来いやあああああ!!」

「ちょ、やめろって!こらっ、みん――」ボスゥッ

キャッキャ アハハ

「……………」


「ぜったい……絶対、負けないからなっ!!」


28 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:09:32.03 dDVRl1s9O 17/75


~修学旅行、二日目~


「あー……ねむ…」

「うう~…まだ寝たい…」

「二人とも遅くまで起きてるからだぞ」

「おはよう♪」テカテカ

「おはよう、ムギは眠くなさそうだな」

「えぇ、とてもスッキリした気持ちで寝たから!」テカテカ

「そりゃ、あんだけ大はしゃぎすればな…」ゲッソリ

「枕投げで一番暴れたの、ムギちゃんだったもんね…」

「普段のムギからは想像もつかないくらい鬼だった」

「すさまじいムギ無双だったな」

「枕とは思えないダメージだったよねあれ」

「私は何度かデコにクリティカルヒットしたぞ」

「それは的にされてるんじゃ…」

「どういう意味だコラ!」


29 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:16:46.47 dDVRl1s9O 18/75


「いや~澪の暴れっぷりも凄まじかったぞ」

「!」

「あ!確かに」

「最初は乗り気じゃなかったのに、何だかんだで騒いでたよなぁ」

「怒濤の攻撃だったね!枕を同時に五個投げてきた時はさすがに死ぬかと思ったよ」

「最後のほうなんて般若に見えたぜ…」

「そういや別荘で合宿した時も一番遊んでたの、澪ちゃんだったもんね」

「さ、さぁ、早く用意するぞ!」

「ん~?どうした慌てて?」

「慌ててないっ!いいから皆、早く用意する!!」

「は~い♪」テカテカ


30 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:20:20.60 dDVRl1s9O 19/75


「よっしゃー自由行動だー!」

「今日は二日目だもんね!」

「やっぱ良いよな~自由行動は!決められた時間に縛られずに、ゆっくり自由に動けるじゃん!」

「お前らは昨日も十分自由すぎただろ」

「ふふ、じゃあ今日も楽しめると良いわね」

「うん!」

「それじゃあ、めざすは嵐山!」

「しゅっぱーつ!」


31 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:30:02.67 dDVRl1s9O 20/75


「おはよー」

「おはよう梓ちゃん」

「どうしたの?そわそわしながら携帯見て…」

「うん…お姉ちゃん、朝ちゃんと起きれてるかなって…」

「あー、なるほど」

「歯磨きしたかとか、荷物用のカバンから持ち運び用のカバンにタオルとティッシュ入れ直したかとか!」

「そんなに気になるなら連絡すればいいのに」

「でも…皆さんと遊んでる時に邪魔したら悪いし…」

「そっか…唯先輩なら大丈夫だよ。澪先輩たちも一緒なんだし」

「そっか…そうだよね」

(よくできた妹だなぁ…)

「ねぇ梓ちゃん」

「え?」

「ここから京都までどれくらいかかるかな!?」

「いや行っちゃ駄目だからね?」


33 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:46:02.28 dDVRl1s9O 21/75


「じ、じゃあさ!宅配なら何日で届くかな!?」

「何する気!?」

「私が段ボールに入って、こう…お姉ちゃんにパカッて開けてもらったら、こんにちは~って顔を出して…」ホクホク

(あの憂がオーバーリアクションで馬鹿なこと話してる!?)

「ねぇ梓ちゃん、どうかな!」

「普通に駄目だと思う…」

「そっか…やっぱ生物はクール宅急便じゃないと駄目か」

「違う!違うんだよ憂!」


35 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 16:56:48.01 dDVRl1s9O 22/75


(だめだ……過保護すぎるあまりに憂が変になってる…)

「あっぶなー!ギリギリセーフ!」ガラッ

「あっ、おはよう純ちゃん」

「純!おはよう。また遅刻ギリギリじゃない」

「おはよ~。いやぁ寝坊しちゃってね。この黄金の両足がなかったら危なかったよ」

「!」ブルルッブルルッ

「なに、メール?」

「うん……あ!お姉ちゃんからだ!なになに……今から嵐山、だって!」

「へぇ~。唯先輩、大丈夫そうで良かったね。憂」

「うん!あ、『昨日の夜の写真です』だって!」

「見せて見せて!」


全員「………」

「戦争……?」

「これ……何?」

「枕なげ……の写真じゃないかな。きっと」


36 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 17:07:16.45 dDVRl1s9O 23/75


~嵐山~

「お猿さんが触れるんだ!」

「ほーれ餌だぞ~」

「……」ドキドキ

「どうしたの?」

「うん…可愛いんだけど…。引っ掻かれたりしないかな…」

「大丈夫だよ!ほら、餌あげてみてっ」

「本当に…?なにもしない…?」

「うん、大丈夫っ!」

「……」そーっ

子猿「キキッ」パクパク

「……!」パァア

「平気だった…怖くなかった!」

「ふふっ、良かったね~♪」


37 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 17:10:10.86 dDVRl1s9O 24/75


「………」

子猿「??」スッ

「っ!!」ビクッ

「わ~澪ちゃんすごい!お猿さんに好かれてる~いいなぁ」

「ゆ、唯……」

「あれ?触ってあげないの?」

「わ、私はいいよっ、見るだけで」

「でもこの子、澪ちゃんに触ってほしそうだよ?」

子猿「……」じー

「う、うう……」

「大丈夫だよ!全然怖くないよ。ほら見て、すごく可愛い顔してるし」

「ほ……ほんとに…?か、噛んだりしない?」

「うん!ムギちゃんも最初は怖がってたけど、触れるようになったよ!」


38 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 17:21:15.69 dDVRl1s9O 25/75


「………」ドキドキ

「……よ、よし…よし」なでなで

子猿「♪♪」

「ねっ!怖くないでしょ?」

「うん……可愛い、な」

「……♪」なでなで

「えへへ」


「そうだ!写真撮っとこう」ポチポチ

「憂ちゃんに送るのか?」

「うん!せっかくだからお猿さんと一緒に撮ろうかな~」



39 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 17:26:45.09 dDVRl1s9O 26/75


「ふう~お猿さん可愛かった!」

「可愛かった~♪」

「う、うん。そうだな」

「でも生意気だったなー」

「りっちゃん、一匹の猿に餌を根こそぎ持っていかれたものね」

「そうそう、あれはさすがの私も久々にキレちまったよ…」

「あははっ、見たかったなぁ」

「あ、もうこんな時間…」

「結構時間かかるし、そろそろ宿に戻らなきゃ」

「よーし!じゃあ皆、私に着いて来ーい!」

「おおーっ!」

「おお~っ♪」

(乗らなきゃ駄目…なのか?これ)

「…お、おお~っ…」


40 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 17:43:42.75 dDVRl1s9O 27/75


「お姉ちゃん、大丈夫かな…」
「まったくも~、憂は心配性だなぁ」

「本当、よくできた妹だよ」

「そ、そんなことないよ」

「純も少しは見習ったほうが良いかもね」クスクス

「なんだとー!」

「あっ、また写真だ!」ブルルッブルルッ

「どれどれー?」

「今度は変なのじゃなかったらいいけど……」

「あっ!猿だ!」

「唯先輩、子猿と一緒に撮ったんだね。わぁ…小さくて可愛い」

「可愛いね~。憂もそう思うよね?」

「うん。可愛い!!すっごく可愛いね!!」ハァハァ

「憂どこ見て言ってる?」

(ていうか鼻息荒っ)


42 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 18:12:44.48 dDVRl1s9O 28/75


~帰り道~

「えーと…駅はあっち…今はここで…地図はこうだから…ぶつぶつ……こっちだな!」

「さすがりっちゃん隊員!頼もしい!」

(不安だ……)

「この辺りは広いから気をつけないとね」

「なぁ律…やっぱり地図係、私がやろうか?」

「大丈夫だって、部長の私にお任せだっ」フフン

(だから不安なんだが…)

「それじゃあ、りっちゃんにお任せしましょう♪」

「わかった……そのかわり、迷いそうになったらすぐに言うんだぞ」

「おう!」


43 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 18:24:34.98 dDVRl1s9O 29/75



「えーっと…まずは、こっち!」

「京都は碁盤の目みたいに建物が並んでるんだって」

「次は…こっち!」

「へー、ムギは物知りだなぁ」

「次…は…あっち!」

「修学旅行先がどんな所か気になって、少し下調べしたの」

「次はー…、あっち!」

「碁盤の目ってことは、丸いカーブとかないってこと?直角だけ?」

「次は……うん、あっち!」

「いや、それは違うと思う」

「え?次……こっち!」

「えぇ~、絶対に合ってるよ。きっと直角だらけで事故が多いんだよ、京都は!」

「ひいっ事故!?本当にその情報は合ってるのか!?」

「ん?あ、あぁ、大丈夫だ任せろ!」


44 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:00:26.64 dDVRl1s9O 30/75


「迷いました」

「えっ!?」

「迷いました」

「分かったから!というか何で迷ったんだ!」

「道が複雑で分かりませんでした。ごめんなさい。すみません。ごめんなさい」

「さっきから何なんだそのキャラは!」

「だ、だってさぁ!いくら進んでも同じ所に出ちゃうんだよ!怖すぎだろ!サイレントヒルに迷い込んだんじゃないか!?」

「三角頭とか出てくるのね!?」キラキラ

「ひっ!こ、怖い話はやめろーっ!」

「でもさっきから同じとこグルグル回ってるし」

「なら何でもっと早く言わないんだー!」

「今気付いた」

「うう……唯も何とか言ってやってく…」チラッ

「お~よしよし、可愛いワンちゃんだね~」ナデナデ

「お前はまず話に加わろうな!」


45 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:04:31.00 dDVRl1s9O 31/75


「う~ん、どうしようかしら」

「そうだなぁ……あっ!」

「和!??」

「あれ、皆もこの辺りに来てたんだ」

「やっほ~和ちゃん!」

「ちょうど私達も帰ろうと思ってたんだけど…」

「た、助かったぁ…!救世主だ!!」ウルウル

「迷ってたところだったのよね」

「えっ」

「えっ」

「和ちゃんも!?すご~い偶然!」

「せ、せっかくの希望が…」

「う~ん、でも人数は多いほうが心強いわよね♪」

「そ、そうだよな…はは…」

(何かいけないこと言っちゃったかしら…?)


46 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:11:44.04 dDVRl1s9O 32/75


「なんだ、唯たちも迷ってたのね」

「お恥ずかしい」テレテレ

「でも人数は多いほうが良いものね。暗くならないうちに帰りましょ」

「おー!」

「えーっと…今はここだから…」

「和ちゃんの班に着いて行けば楽勝だね!」

「それで、ここを右に…」

「そうだな!和なら安心して任せられる!」

「二回曲がって…」

「やっぱり和は頼りになるなっ」

「ここを……左…」

「うん、無事に帰れそうね」

「ここは…右……」

「頼りにしてるぞ!和!」

「ごめん、迷ったみたい」


49 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:22:02.88 dDVRl1s9O 33/75


全員「えぇーー!??」

「この辺り、ちょっと複雑みたいで…さっきから地図も見てるんだけど…」

「の、和ぁ…」

「そんな…今は和だけが頼りだったのに…!」

「地図を見直してみる?」

澪は徐々に不安に思い始めていた。いや、澪だけではない。この場に居る全員が不安を抱いている事だろう。
もし帰れなかったら?もしこのまま、時間に間に合わなかったら――。
もともと真面目な性格の澪は、見知らぬ土地で迷子になった事、そしてタイムリミットが近付いている事からプレッシャーを感じていた。

(どうしよう。ちゃんと…帰れるのかな…)

(あれ?そういえば唯は…?)

ふと気付いた。さっきからずっと唯の声がしない。喋っていなかっただけかもしれないが、あの唯の事だからそれは考えにくい。
澪は周りを見渡してみた。律、和、ムギ、…………。

(唯が居ない――!)


51 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:32:32.42 dDVRl1s9O 34/75


「ちょっと澪、どこ行くの?」

「唯が…唯が居ないんだ!」

「えっ!?」

「何ですって…!」

「唯が!?」

「探して来る!」

「あっオイ、澪!待て、一人じゃ……澪ー!」

「澪ちゃん!」

「私達も手分けして探しましょう!ただでさえ複雑な所なのに、暗くなってきたから危険よ」

「そうだな!」

「あなた達はここに居て」

生徒「う、うん」

「いい?あまり遠くへは行ったら駄目よ?私は向こうを探すわ」

「じゃあ私、こっち!」タタッ

「ったく、あいつは…!」ダッ


52 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:39:38.27 dDVRl1s9O 35/75


澪は走った。唯がどこに居るかなんて分からないし見当もつかないが、大事な友達の一人が行方不明なのだ。
どんなに自分に落ち着けと言い聞かせても、走る足が止まる事はなかった。
あちこちを見渡し、名前を呼ぶが見当たらない。肩で呼吸していた澪は、苦しさを感じ、一度深く深呼吸した。

「……唯、どこ行ったんだろ…」

ハッ、と我に返る。そういえば随分と走ってしまった。必死に唯を探すあまり、周りが見えなくなってしまっていたのだ。
周りを見渡すと、入り組んだ道の真ん中に自分がポツンと立っているだけだった。暗い闇の真ん中に、一人だけ。
澪は今更になって不安がどんどん沸いてくる。緊張から小さく震える体を必死に止めようと力を入れるが、なかなか止まらない。

「…ここ、どこ…?」


53 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:50:09.85 dDVRl1s9O 36/75


(駄目だな、私…せっかく友達を探しに来たのに、自分が迷うなんて…)

暗く見知らぬ場所でたった一人という心細さから、ついに澪は地面へ座り込んでしまう。
どうしよう。早く唯を見つけて、皆の所へ帰らなきゃいけないのに。

(暗くてよく見えない…怖い…)

(誰か……!)



「……澪ちゃん…?」

「!!!」

「おーい!良かった~、誰か見つかって。あれ?澪ちゃん一人?」

「……ゆ……」

「??」

「唯ぃぃっ……」

「ど、どうしたの!?」


56 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:00:31.16 dDVRl1s9O 37/75


唯は澪を見つけた途端、すぐに笑顔で駆け寄ってきた。
へたれこむ澪に合わせて唯も地面に座ったが、不安の絶頂の中でようやく人が見つかり安心した澪は安心し、脱力するように唯の両腕を掴んでいた。

「良かったぁ…」

「澪ちゃん大丈夫?」

へなへなと全身の力が抜け、唯の腕に寄りかかる澪を慌てて支え、不思議そうに声をかける。
しかし緊張の糸が切れたのか、頭を下げ俯いたまま、顔を上げようとしない。
よほど怖く、不安だったのだろう。澪は唯の服を、ぎゅっと掴んだまま離さなかった。

普段から大人っぽく落ち着いた澪がここまで寂しさを表すのは驚いたが、唯は何も言わずに背中を優しく撫で、ただただ澪の気持ちが落ち着くまで待った。


54 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 19:54:04.62 dDVRl1s9O 38/75


「澪ちゃん…大丈夫?落ち着いた?」

「……うん…」

「良かった…」

「澪ちゃん、どうして一人だったの?」

「…唯を…探しに…」

「私?もしかして…探しに来てくれたの?」

「………」

澪はコクンと小さく頷いた。唯は軽音部で一番怖がりの澪がまさか一人だけで探しに来るとは思っておらず、驚きを隠せなかった。
けれどそれ以上に嬉しかった。あんなに臆病で、怖い事が苦手な澪が、たった一人で自分を探しに来てくれたのだから。

きっと凄く不安だったに違いない。とても心細かった事だろう。
でも澪は、唯のために勇気を振り絞ってくれた。それは唯にとって、「嬉しい」という言葉だけでは表しきれないほどだった。


57 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:05:32.36 dDVRl1s9O 39/75


「澪ちゃん…大丈夫?落ち着いた?」

「…うん…」

「良かった…」

「澪ちゃん、どうして一人だったの?」

「…唯を…探しに…」

「私?もしかして…探しに来てくれたの?」

「………」

澪はコクンと小さく頷いた。唯は軽音部で一番怖がりの澪がまさか一人だけで探しに来るとは思っておらず、驚きを隠せなかった。
けれどそれ以上に嬉しかった。あんなに臆病で、怖い事が苦手な澪が、たった一人で自分を探しに来てくれたのだから。

きっと凄く不安だったに違いない。とても心細かった事だろう。
でも澪は、唯のために勇気を振り絞ってくれた。その事実が唯にとって、「嬉しい」という言葉だけでは表しきれないほどだった。


59 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:14:34.57 dDVRl1s9O 40/75



「澪ちゃん、私達の誰よりも怖がりさんなのに…来てくれたんだね」

「……」

「すごく、すごく頑張ってくれたんだね」

「……」

「本当に、ありがとう。澪ちゃん」

「べ…別に私は…。迷っただけで、結局何もできな…」

「!?」

「いいんだよ。澪ちゃんは頑張ってくれたんだから」

唯は澪の頭へ手を伸ばした。頑張ってくれた澪を褒めるように、何度も撫でる。
その手付きはとても優しく、普段の落ち着きがない唯からは考えられないほど穏やかで、安心できるものだった。

普段の澪なら絶対に恥ずかしがる事なのだが、今はとても心地よく、不安で冷えていた心が、ぽかぽかと温かくなっていった。


61 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:27:05.29 dDVRl1s9O 41/75


「もう怖くない?」

「う、うん」

「良かったぁ」

唯は撫でる手を止め、頭から離そうとした。顔を上げた澪は自分から離れていく手を見つめる。
その目は物足りないような、どこか寂しいような、複雑な感情が込められていた。

「あ…あのさ…」

「?」

「えっと…その…」

「…?」

「……手…」

「手?」

言葉より早く、唯の手を握った。澪は緊張する自分の手を叱咤するように握る力を強め、口をぱくぱくと小さく動かした。
言いたい言葉が上手く出ない。きょとんとする唯から目を逸らし、喉から無理矢理に声を押し出した。


62 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:29:10.02 dDVRl1s9O 42/75


「…もう少しだけ、撫でてほしい…」

まさか自分の口からこんな恥ずかしすぎる台詞が出るとは思いもせず、文字通り顔から火が出そうだ。
恥ずかしさから素直に甘える事が苦手な澪にとって、とても度胸がいる一言だろう。

その言葉を聞いた唯は、嬉しそうな笑顔で澪の頭を撫で続けた。
今度はさっきよりも長く。


(……もう少し、こうやっていたいなぁ……)

(!!)

(…なっ、何考えてるんだろ、私)


63 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:34:59.57 dDVRl1s9O 43/75


「唯……その、ありがとう。もう大丈夫」

「本当に?」

「うん」

「ふふ~、今日は澪ちゃんの可愛い姿が見れたなぁ」

「あ、あれはっ…!」

「うん、すっごく可愛かったよ!」

「……い、今の事は皆には内緒だからなっ!軽音部の皆にも言ったらダメだ!」

「え~?」

「いいか、絶対の絶対!特に律に知られるわけには…」

「じゃあ秘密!」

「へっ?」

「私と澪ちゃん、二人だけの秘密って事で。……ねっ!」

「…や、約束…だからなっ」

「うん。約束!」


64 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:36:42.27 dDVRl1s9O 44/75


「よーし、そろそろ戻らなきゃ心配かけちゃうね」

「もうとっくに心配されてるよ」

「あはは、でも大丈夫!澪ちゃんも居るし!」

「そ、そう?」

「うん!」

「……じゃあ戻れるよう頑張ろうか!」

「えっと…まずは道の確認だな。」

「こっちは今来た道だし……残るは二個か…」

「ただ闇雲に歩くのも危険だ。ちゃんと確認しながら行こう」

「そうだ!マッピングしたほうが良いかな」

「唯はどう思………え、唯?」

「いないっ…唯?唯!?」


「お~よしよし、可愛いわんちゃんだね~」

「くうん」

「だから話を聞け!!」


65 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:42:37.22 dDVRl1s9O 45/75


「えへへ~ごめんごめん」

「まったくもう…」

「澪ちゃんも触ればいいのにー」

「え、わ、私は良いよ」

「ほほー…怖い?」

「そういうわけじゃっ……というかニヤニヤするな!」

「大体、唯は危機感が足りないぞ。もう少し真剣に…」

「ごめんごめん~。でも焦っても、皆のところに戻れるってわけじゃないし…」

この家の飼い犬であろう、大きくて金色の毛並みが綺麗な――犬種はゴールデンレトリバーだろうか。その犬を触りながら、唯は笑顔のまま答えた。
こんな状況で、暗闇のなか知らない土地で迷子になったという状況で笑っていられるのが澪は不思議でならなかった。
こんなにも自分は危機感を抱いていると言うのに。


66 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:44:34.39 dDVRl1s9O 46/75


「そ…それはそうだけど、もう少し今置かれている状況を」

「大丈夫!きっと何とかなるよ。だからそんなに不安にならないで、一緒に頑張ろ!」

「唯……」

「今は焦っても仕方ないよ。絶対に和ちゃん達は、私達を見付けてくれるから」

「……」

「絶対、大丈夫だよ」

「……そうだな」

澪は焦っていた気持ちが、少しずつ落ち着いていくのを感じた。
何でだろう?今まで焦っていたのに。こんな状況でも全く変わらず、いつも通りで、マイペースな唯を見ていたら、固まる心がほぐれていくように自然と落ち着いていた。

このマイペースな笑顔を見ていると、不思議にも「大丈夫だろう」と思えてくるのだ。


67 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:50:45.82 dDVRl1s9O 47/75


「私…ちょっと焦ってた。ごめん」

「ううん、謝らないで」

「頑張って皆の所に戻ろう!」

「うん!」


「……あ!居た!唯~澪~っ」

「あ!和ちゃん!」

「和!!」

二人を見つけた和が、遠くから走って来ていた。よほど心配していたのだろう。

「まさか本当に見つけてくれるなんて…」

「……ねっ、言った通りでしょ!」

「…まったく、たまたま運が良かったんだよ」

「ぶー」

「行こう、みんな待ってるよ」

無事に合流できた唯と澪は、軽口を叩きながらも和のもとへ走り出していた。


68 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:52:40.58 dDVRl1s9O 48/75


~お風呂~

「まーったく、二人とも迷子になるなんて思わなかったよ」

「ご心配おかけしてスミマセン…」

「わ、私は迷子じゃ…」

「唯を探しに行ったは良いものの、迷ったんだろ?澪も」

「うう……ごめん」

「まぁまぁ。りっちゃん、あんなに二人を心配してたじゃない」

「えっ」

「こ、こらムギ!」アセアセ

「こうは言ってるけど、とても心配していたのよ。すごく必死に探し回っていたし」

「律…」

「そうだったんだ…」

「…あー、もう!とにかく!あまり心配かけさせないでくれよなっ」

「うんっ!」

「うふふ」


69 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:55:22.46 dDVRl1s9O 49/75


「澪ちゃんの髪、綺麗ねぇ」

「えっ?そ、そう…かな…」

「うん!大和撫子みたいで綺麗だと思うな」

「そ、そんな大袈裟な。言い過ぎだよ」

「ムギだって綺麗じゃないか。良い色だし…」

「なになに、何の話~?」

「ムギの髪は綺麗だよな、って」

「そ、そうかしら?私は天然パーマだから、ストレートも羨ましいな」

「えー、ふわふわしてて可愛いのに!羨ましいよ」

「天然パーマには天然パーマにしか分からない悩みがあるのよ…」

「な、なんか達観してるな、ムギ」

「色々あるのよ色々…」


「………」

「……髪伸ばそうかな」


71 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 20:58:12.48 dDVRl1s9O 50/75


~寝る前~

「ふぁー……今日は疲れたなぁ…」

「ものすごく迷ったもんな…」

「歩き疲れたねぇ…」

「うん…それに昨日あまり寝てなかったから、余計に…」

「寝る時間遅かったもんねぇ…」

「今日は早めに寝るかぁ…」

「……寝ちゃうの?」

「ん?何か言ったか?澪」

「ううん!な、なんでもない」

「修学旅行、楽しかったね」

「あぁ!本当に楽しかった」

「一生の思い出になったわ」

「それじゃあ……おやすみ!」

「おやすみ…」


72 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:04:37.49 dDVRl1s9O 51/75



「ふう…」

(色々なことがあったな。この二日間)


部屋の電気は暗くされ、静かな部屋中を薄暗いオレンジ色が照らしている。
布団に入った澪は修学旅行の出来事を思い返す。この二日間、色々な事があった。
唯が失敗をした時に手助けをしたり、律の悪ふざけを止めたり、紬と和やかな話をしたり。

すごく、楽しかった。そして、懐かしかった。……どうしてだろう?軽音部の皆とは、毎日一緒に居るはずなのに。
いつも一緒に居るのに、どうして「懐かしい」だなんて思ったのだろうか。


73 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:11:41.66 dDVRl1s9O 52/75



~一年生の頃~

「みーおちゃんっ!」

「うわわっ!ゆ、唯!?」

「えへへ~♪」

「ひ、引っ付くなっ恥ずかしい///」

「だって澪ちゃん、可愛いんだもん~ついつい…」

「か、可愛くないって!」

「あれあれぇ?秋山さん照れてるんですか?」

「違うっ!」

「え~?ムギはどう思う?」

「私も照れてると思うなぁ、うふふ」


74 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:14:00.71 dDVRl1s9O 53/75


「む、ムギまで…!なぁムギ、二人に何とか言ってやってよ」

「照れてる澪ちゃんも可愛い~」

「だから、からかうなっ///」

「ごめんごめん!澪ちゃんって、からかいたくなっちゃうんだよねぇ」

「だよなぁ~分かる!」

「うふふ」

「…むう…」

「怒った顔も可愛いぜ(キリッ」

「バカ律!」ゴスン

「いったぁあぁー!?」

「あはははっ」


(皆して、いつもからかって……)


(でも………嫌いじゃない)


75 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:19:12.70 dDVRl1s9O 54/75


~現在~

「あ、唯」

「よーっす」

「ごめ~ん皆、遅くなっちゃった」

「それはいいけど、ところで」

「あ~ずにゃ~ん!」

「きゃっ!や…やめて下さいよっ」

「だって~小さいから抱きつきやすくって」

「ははは、言えてるな」

「ち…小さくないです!」

「どう見ても小さいだろー」ケラケラ

「律先輩には言われたくないです!」

「見て見てっ、新しいネコミミ!」

「わぁ、可愛い!」


76 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:21:42.18 dDVRl1s9O 55/75


「あずにゃん、付けてみなよ~」

「嫌ですっ!どうして私が…」

「だって似合うもんなぁ?」

「そうだよ~、えいっ!」

「!」

「わ~、可愛い~♪」

「おお~っ、似合う」

「とっても似合うわよ、梓ちゃん」

「ムギ先輩までっ!見てないで助けて下さいー!」

「……………」


77 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:24:13.04 dDVRl1s9O 56/75


そうだ。梓が入部してから、皆は自然と…梓を特に構うようになっていった。
梓はとても可愛い後輩だし、皆が構いたくなる気持ちは十分わかる。部の仲が良いのは、良い事ではないか。なのに、どうしてまたモヤモヤするのか澪には不思議でならなかった。

みんな、梓が大好きなんだと思う。唯は梓を構い、律は梓をからかい、紬はそんな梓達を見守り―――


「……??」

この言い方だと、まるで……。


そこまで考えて、ふと、澪は我に返った。ここ最近モヤモヤしていた理由に、やっと気付くことが出来たからだ。
どうして気付けなかったんだろう。…いや、気付きたくなかったのかもしれない。


「そっか……私」


「……寂しかったんだ……」




78 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:28:45.40 dDVRl1s9O 57/75


澪は梓が嫌いな訳ではない。大事な軽音部の仲間で、可愛い後輩だ。
ただ、寂しかったのだ。梓が可愛がられ、皆が前ほど自分を見てくれなくなったような気がした。あまり話しかけてくれなくなった気がした。

前までは話を振られることも多かった。もちろん澪にとって恥ずかしい内容や、茶化される内容は多かったが、それでも澪は満足していた。
――自分が必要とされているようで、嬉しかった。

でも今は…梓が入部してきたから、もう私は必要ないと思われているんじゃないか、と馬鹿な考えをしてしまう。
そんな風に皆を疑ってしまう自分が何より腹立たしく、嫌だった。

(こんなふうに考えてしまうなんて…バカだな…私)

「……はぁ…」


80 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:34:10.25 dDVRl1s9O 58/75



「……澪ちゃん?」

「!!……唯?」

「やっぱり、澪ちゃんだ」

近くの布団から、声が聞こえてきた。顔は見えないが、声で唯だということはすぐに分かる。
澪は慌てて腕で目をゴシゴシと擦り、泣きそうになっていたことを悟られないよう懸命に平常心を持とうとした。

寂しがり屋ではあるが、泣くところを人に見られるのは、やっぱり恥ずかしいと思ってしまうのだろう。


「寝てたんじゃ…?」

「ううん。ちょっと寝つけなくて…」

「そっか…珍しいな」

「修学旅行、楽しかったから興奮が冷めなくて…」

「やっぱり唯らしいや」

「えへへ…」


84 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:42:53.36 dDVRl1s9O 59/75


「澪ちゃん…どうかしたの?」

「な、何でもない」

(………)

「明日も早いんだからさ、唯も早く寝なよ」

「…じ、じゃあ、おやす」

「ねぇ澪ちゃん」

「えっ?」

「修学旅行……もう終わっちゃうんだね」

「今から寝て、目が覚めたら…もう帰らなきゃいけない時間になって、修学旅行は終わっちゃう」

「だからかな。まだまだ寝たくないし、まだまだ起きていたい」

「……」


85 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:44:31.39 dDVRl1s9O 60/75


「学校や部活だって、毎日楽しいよ。でも…この二日間は、何ていうのかな…いつもとは違った楽しさがあったの」

「……うん」

「この四人だけで遊んだり、話したりするのも…すごく久々だなぁって」

「……うん」

「一年生の時を思い出して、何か懐かしくなっちゃった。皆とは毎日一緒に居るはずなのに。えへへ、変だよね」

「……うん…」

「私、この二日間、ほんとに…ほんとに楽しかったんだ」


「だからね。この時間が終わっちゃうのは、すごく寂しい」

「澪ちゃんは?……この二日間…。楽しかった?」



「………うんっ…!」

澪は、唯も自分と同じ事を考えていたなんて知らなかった。この二日間が懐かしく感じたなんて、過去を振り返っていたなんて、自分だけだと思っていたからだ。


87 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:48:11.76 dDVRl1s9O 61/75


深く深呼吸し、澪は決意を固めた。ずっと今までモヤモヤしていたこと。そしてその理由。
今言わなければ、もう二度と言えない気がした。


「……私」

「うん?」

「今まで、寂しかったんだ」

「梓が入部してから、みんなが梓を構うようになって、私は…前より話しかけられなくなって」

「分かってるんだ。みんな悪気なんて無いし、無意識だってことくらい」

「こんなの…私の考えすぎだってことも、分かる」

「でも、前より私の居場所がなくなってしまったような気がして」

「ちょっとだけ…寂しかったんだ」

「梓は何も悪くないのに。後輩に嫉妬するなんて……最低だな。私」

「先輩失格だ…」


89 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 21:57:47.73 dDVRl1s9O 62/75


澪は自分を強く責めていた。梓に合わす顔がない。これじゃあ先輩として最低だ。
頭の中がぐちゃぐちゃに絡まって、何が何だか分からない。無性に悔し涙が込み上げてくるだけだった。


「そんな事ないよ」

「唯…?」

「澪ちゃんは最低なんかじゃない」

「で、でも私が考えすぎてるだけで…。ごめん、変なこと言って」

「謝るのは私のほうだよ……ごめんね。澪ちゃん」

「な…なんで唯が謝るんだ!?」

「だって、三年間も一緒にいたのに……澪ちゃんがそんな風に思ってること、全然気付けなかった」

「この二年間、ずっと悩んでたんだよね?」

「それは…」


92 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:00:38.98 dDVRl1s9O 63/75


「私、みんなや澪ちゃんの事を分かったつもりでいたけど、ちゃんと分かってなかったんだ」

「いつも一緒に過ごしてたはずなのに……二年間も悩んでることに気付いてあげられなくて、ごめんね」


澪は信じられなかった。自分の勝手な思い違いを、こんなにも親身に答えてくれるなんて。
馬鹿だな、そんなのお前の勘違いだって笑い飛ばされると思ってた。笑われるのが怖くて、そうやって勘違いだと切り捨てられるのが怖くて今まで言い出せなかったから。

でも唯は笑わずに、最後まで真剣に聞いてくれた。それだけで十分、救われた気がした。

「唯……ありがとう、話を聞いてくれて」

「ううん。私こそ、話してくれてありがとう」


93 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:07:17.41 dDVRl1s9O 64/75


感謝の気持ちから、澪は涙を堪えて精一杯の笑顔を作った。

その時――どこからか、鼻を啜る音が聞こえた、ような気がした。



「……ったく。お前って奴はさぁ…」

「もう、澪ちゃんてば…」

「!??律、ムギっ!? い、いつから…!?」

「ずっと前からだよ。あんだけ話してて、寝れるわけないだろ」

「ご、ごめん。うるさかったよな…」

「そうじゃなくて!ほっといて寝れるわけないだろってことだ!」

「へ…?」

「水くさいわよ、澪ちゃん」


94 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:10:59.13 dDVRl1s9O 65/75



「そうだぜ、澪。私らはお前にとって何だ?」

「ただのクラスメート?」

「ちがっ…!」

「私たちに言いにくいことも有るかもしれない。でも、それが私たちに関係することなら、なおさら言ってほしいの」

「だって私は、みんなや澪ちゃんの仲間なんだもの」

「ムギ……」

「私らは全員、軽音部の仲間であり友達だ。誰かに嬉しい事があったら一緒に喜ぶし、悩み事があるなら一緒にとことん悩んでやる」

「そんで悩み事なんか、すぐに一緒に解決してやる」

「それが友達ってやつだ。いいか、忘れるなよ」

「律……」


「ほらね、澪ちゃん。みんな澪ちゃんのこと、すごく心配してるんだよ」

「だから、居場所がないなんて言わないで。ここは、軽音部は澪ちゃんが必要なんだから」

「唯……」


95 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:18:04.63 dDVRl1s9O 66/75



「でもな……私たちも、ほんっとーに悪かった!澪が不安に思ってたの、気付けなかったし…ごめん!」

「私も。無意識のうちに傷付けてしまってたのよね……」

「…私…、ここが、居場所だと思って…いいんだよな…? 梓がいるから、もう必要ないわけじゃ…ないんだよな…?」

「当たり前だろっ!澪は澪、梓は梓だ。梓がいるから必要ないとか、そもそも間違ってるんだよ」

「誰かの代わりになんて、なれないのよ」

「ねっ?みんな、澪ちゃんが大好きなんだから!」

「みんな…」


「だから……澪の居場所は、ここにちゃんとある。私たち軽音部にな!」




96 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:19:51.94 dDVRl1s9O 67/75


「…………」

「み…澪?どうした?」

「う……ううっ…」

「澪ちゃん?」

「ううっ……ひぐっ、うっ……えぐっ……う…うわぁぁあぁぁん!」

「みみ、澪ちゃんー!?どうしたのっ!?」

「お、落ち着いて!」

「わわわ、私、なにか駄目なこと言ったか!?」

「違う……違うんだ…」

「本当に、馬鹿だ…私。こんなに心配してくれる友達がいるのに……なんにも気付けてないのは、私のほうだよ」

澪が二年間、ずっと一人で心に隠してきた悩みが、たった一日で消えた。
笑われることを恐れずに、きちんと逃げずに伝えていれば、もっと早くこうなっていたのだろうか。
きっかけは、一つの勇気をもらえたから。その勇気があったから、澪は逃げずに皆と向き合うことが出来た。

あんなに悩んでいた自分が嘘のように、今では心からの笑顔でみんなと笑い合うことが出来る。
その笑顔はとても輝いていて、幸せそうだった。

(……ありがとう……みんな)


97 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:24:49.64 dDVRl1s9O 68/75



~新幹線~

「終わっちゃったなー、修学旅行」

「うん…楽しかったね!」

「長いようで短かった、よな」

「でも、充実した三日間だったわ」

「この三日間の思い出、絶対に忘れないよ!」

「うん。私も忘れない」

「私……も…」ぐううーきゅるる…

「……」

「……」

「……」

「え…えっと…」

「…ぷっ!そうだよ、まだ修学旅行は終わってない。遠足は家に帰るまでが遠足っていうしな!
よーっし、最後の最後まで満喫しようぜ!」

「うんっ!そうだね!」


98 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:26:09.64 dDVRl1s9O 69/75


「何かやりたいわね♪」

「じゃあ澪ちゅわんはお腹が空いてるみたいだし?みんなでお菓子を賭けてゲームだぁ!」

「えぇっ!?」

「お菓子!?やる気出てきたよ~っ!」

「私も頑張る!」

「お前たちは疲れってことを知らないのか!?これ本当に三日目のテンション!?」

「なーに言ってんだ、私たち軽音部はいつでも元気!がモットーだぞ!」

「そうじゃなきゃ、軽音部らしくないわね♪」

「ほらっ、澪ちゃんも早く!最後まで楽しもっ!」

「そう…だな。最後まで楽しまなきゃな」

「……よしっ、絶対に負けないからなっ!」


帰りの新幹線、どこの座席もみんなが疲れ果てて眠っている。
けれど軽音部の席だけは、賑やかな声が途切れることなく、誰もが最高の笑顔で笑い合っていた。


おしまい!



106 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:45:50.24 dDVRl1s9O 70/75



~おまけ!~

「皆さん、おかえりなさい!」

「たっただいま~、あずにゃん!」

「ただいま!」

「ただいまー。おう梓、先輩たちが居ない間は寂しくなかったかぁ?」

「さ、寂しくなかったですよ全然。純や憂と一緒に居ましたし…」

「本当かな~?」

「ううう、うるさいです!本当に本当ですから!」

「あっはっは、怒るな怒るな!」

ギャイ ギャイ

「あはは、またやってる~」

「まったく、律は…」

「でもいつもの軽音部、って感じね!」

「そうだなぁ」



107 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:49:12.44 dDVRl1s9O 71/75



「そうだ!ちゃんとお土産買ってきたんだよ~」

「あ……忘れてなかったんですね」ホッ

「?」

「い、いえ、何でもありません」

「お土産は……これだ」

「いけぶおん…? おんぶけい…?」

「!!……けいおんぶ…?」

「そう!私たち軽音部らしい土産だろ?」

「みんなで一つずつなんだよ!」

「五人揃って、初めて文字になるんだ」

「気に入ってくれた?梓ちゃん」

「はい…。……素敵、ですね///」


109 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 22:53:59.42 dDVRl1s9O 72/75



今日も天気が良く、いつもと同じ軽音部。同じだけど、前とは一つだけ変わったところがある。

その「変化」は、もしかしたら誰も気付かないほどに、とても些細なことだけれど。
その些細な変化は、確実に良い方向へと表れていた。


ガチャン

「遅れてごめんねー!」

「おう、掃除当番か?」

「うんっ、あと先生に呼び出し…」

「ふふ。唯らしいな」

「えへへ」

「おーっす!」

「おっす!りっちゃん」

「こんにちは、先輩」

「あずにゃーん、今日も可愛いね~!」

「や、やめて下さいー!」


111 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 23:02:16.09 dDVRl1s9O 73/75


「あはは、元気だなぁ」

「みーおちゃん♪」

「え?」

「えいっ!やっぱり澪ちゃんは可愛いね~♪」

「へっ!?わ、わわわ!? いきなり抱きつくなぁっ!」

「あれれ?澪ちゃん照れてる~?」

「て、照れてない!///」

「おりゃー私も混ぜろー!引っ付いてやるー!」ドンッ

「いたっ!?お前のはタックルだっ!!」

「照れてる澪ちゃんも可愛いね~」

「澪ちゅわんてば照れちゃって~」ニヤニヤ

「だ、だから、照れてない!」

(澪先輩、可愛いなぁ)

「お茶の準備が出来たわよ~♪」

「あ、はーいっ!」


112 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 23:07:44.95 dDVRl1s9O 74/75



「あれ?今日のお菓子、前にも見たよな?確か、シフォンメロンチーズ…なんとかだっけ?」

「違いますよ。チーフォンカスタードレフォンパイです」

「チーズレモンカスタードシフォンパイ、だよ」

「あぁ!そうそう……って、澪!興味なさそうなフリしてちゃんと覚えてたんだな!」

「さすが澪先輩です!」

「澪ちゃんすごーい!」

「えと、印象的な名前だし……美味しかったから、かな。」

「ふふ、良かったぁ」

「それじゃあ今日も…」

全員「いただきます!」


修学旅行に行く前にも食べた、同じお菓子。
全く同じ味のはずなのに。何故だか今日の味のほうが、澪にとって、とても美味しく感じた。

いつもと変わらないメンバー、変わらない毎日。
その中で彼女たちは、見落としそうなほどに他愛もなく、小さな幸せを見つけている。


おまけ おしまい!


114 : 以下、名... - 2010/07/24(土) 23:15:29.18 dDVRl1s9O 75/75



澪は梓が入部してから影薄くなって寂しそうだなぁと考えてたらこんな事になった

最後まで読んでくれた人、保守してくれた人、本当にありがとう!では!


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