1 : 以下、?... - 2019/02/14 00:35:32.498 lE1HzQ4G0 1/29

(オシャレしようと一念発起して通販でダメージジーンズを買ったぞ!)

「どんなのだろう……」バサッ

「うわ、ホントに穴だらけだ! ヒザのあたりスースーしそう!」

ジーンズ「いだだだだだだっ!」

「!?」

ジーンズ「いでぇぇぇ! いでぇよォォォォォ!!!」

「なんだ!? なんだこれ!?」

元スレ
男「ダメージジーンズ買ったぞ!」ダメージジーンズ「いでぇぇぇ!いでぇよォォォォォ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1550072132/

4 : 以下、?... - 2019/02/14 00:38:27.455 lE1HzQ4G0 2/29

ジーンズ「いだいいだいいだいいだいいだいいだい!」

ジーンズ「いでぇよ、いでぇよぉぉぉぉぉ!!!」

「えぇ……?」

ジーンズ「いだいよぉ、いだいよぉぉぉぉぉぉ!!!」

「痛がってる……」

ジーンズ「いでぇぇぇぇぇ! いでぇぇよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「こんな不気味なジーンズ履けないよ……返品しよう」

6 : 以下、?... - 2019/02/14 00:40:03.990 lE1HzQ4G0 3/29

ジーンズ「いだいいだいいだい! 痛いよぉぉぉぉぉっ!!!」





「……」

9 : 以下、?... - 2019/02/14 00:42:51.494 lE1HzQ4G0 4/29

「仕方ないな……縫ってあげるよ」

「穴あいてるところを縫えばいいんだろ?」スッスッ

ジーンズ「……!」

「……」スッスッ

ジーンズ「お前……裁縫うまいんだな」

「子供の頃からの趣味だからね」

13 : 以下、?... - 2019/02/14 00:45:55.762 lE1HzQ4G0 5/29

「できた!」

ジーンズ「……ありがとよ。おかげで痛みが引いたぜ」

「どういたしまして」

(これでもう返品はできなくなったけど……まぁいいか)

ジーンズ「お礼といっちゃなんだが、俺のことを履いてくれねえか?」

「いや、いいよ。もし穴があいたら、また痛いだろ?」

(そもそも喋るジーンズなんて気味悪くて絶対履きたくない)

ジーンズ「頼むっ! 絶対損はさせねえから!」

「だから平気だって――」

ジーンズ「履いてくれッ! 履いてもらわなきゃジーンズがすたる!」

「わ、分かった! 分かったよ!」

23 : 以下、?... - 2019/02/14 00:48:59.742 lE1HzQ4G0 6/29

「……あれ? 男君がジーンズ履くなんて珍しいね。ていうか初めて見た」

「どうかな?」

「よく似合ってるよ! 足がスラッとして見えて、今時の男の子って感じ!」

「ホント? よかったぁ……」ホッ

「だけど、ところどころ穴を塞いだ跡があるけど、どうしたの?」

「……あ、これ?」

27 : 以下、?... - 2019/02/14 00:50:50.911 lE1HzQ4G0 7/29

「実はこれ、最初はダメージジーンズだったんだけど」

「やっぱり穴があいてるのは可哀想だと思って、穴を縫っちゃったんだ」

「……」

「……ぷっ」

「アハハハハハハッ! なにそれ? おっかしー!」

(……だよな。笑われるに決まってる)

「……優しいんだね」

「え」

「あたし、男君のそういうとこ、気に入ってるよ」

「! あ、ありがとう!」

32 : 以下、?... - 2019/02/14 00:53:52.648 lE1HzQ4G0 8/29

ジーンズ「なかなか可愛い子だったじゃねえか」

「うん、同じ大学の友達なんだ」

ジーンズ「お前……あの子のこと好きなのか?」

「!」ドキッ

「なにいってんだい! 好きなわけないだろ!」

「あの子は大学でも人気があって、いってみればアイドルみたいなもんなんだから」

ジーンズ「ふうん……」

35 : 以下、?... - 2019/02/14 00:56:07.443 lE1HzQ4G0 9/29

「ヤッホー」

「やぁ」

「今日もそのジーンズ履いてるんだ?」

「う、うん。やっぱり変かな?」

「ううん、似合ってるよ。この前よりあなたとジーンズが一体化してる感じすらするもん」

「あ、ありがとう」

ジーンズ「……」

36 : 以下、?... - 2019/02/14 00:58:26.227 lE1HzQ4G0 10/29

コロコロ…

「あ」

「サッカーボールだ」

スイマセーン ケッテクダサーイ

「だってさ。かっ飛ばしちゃって!」

「あっちまで届くといいけど……」スッ

ジーンズ「……」

「えいっ!」

ドシュッ!!!

「え!?」

38 : 以下、?... - 2019/02/14 01:01:20.351 lE1HzQ4G0 11/29

スゲーシュート! アリガトウゴザイマシター

「ええっ……!?」

「すっごいシュート! プロみたいだったよ! 男君サッカーやってたの?」

「いや、特にやってないけど……」

(おかしい、運動音痴の僕にあんなシュート打てるわけないのに……)

ジーンズ「……」

イケメン「やぁ、女ちゃん」スッ

「あ、イケメン君」

46 : 以下、?... - 2019/02/14 01:04:25.430 lE1HzQ4G0 12/29

イケメン「もうご飯食べた? よかったら一緒に食べない?」

「あたしはもう食べたから……」

イケメン「だったらカフェでも行こうよ。いい店知ってるんだ」

「でも……」

「あ、僕のことは気にしないでいいよ。行ってらっしゃい」

イケメン「ほら、連れもああ言ってるしさ」ニコッ

「うん……」

「……」

54 : 以下、?... - 2019/02/14 01:08:09.134 lE1HzQ4G0 13/29

ジーンズ「なっさけねえ!」

ジーンズ「なんなんだ、さっきのは! みすみす女の子連れてかれやがって!」

「だって、どう見てもイケメンの方が釣り合ってるし……」

ジーンズ「関係ねえよ! 好きなんだろ!?」

「そりゃあ僕だって、彼女に言ってみたい台詞の一つくらいあるさ……」

ジーンズ「だろ!? コクっちまえよ!」

「できないよ……もし、フラれちゃったらと思うと……」

ジーンズ「傷つくのを恐れてどうすんだ! ダメージを恐れるんじゃねえ!」

「散々ダメージを痛がってた君に言われたくないよ!」

ジーンズ「うぐ……。お前……大人しいわりに痛いところ突くじゃねえか……」

57 : 以下、?... - 2019/02/14 01:12:06.127 lE1HzQ4G0 14/29

「こないだは、イケメンと楽しかった?」

「うん、まあね。だけど早めに切り上げちゃった」

「そう、なんだ」ホッ

「あ、もしかしてホッとしてる? ホッとしてくれてる?」

「いや、そんな……」

ジーンズ(相変わらず、まどろっこしい野郎だ。よぉーし、ちょいとアシストしてやるか)

ジーンズ「お前、イケメンと付き合ってるのか?」

「え!?」

58 : 以下、?... - 2019/02/14 01:15:07.753 lE1HzQ4G0 15/29

「どうして……そんなこと聞くの?」

「あ、いや、今のは僕がいったんじゃなくて……」

「他に人いないじゃない」

「そう、なんだけど……えぇっと……(余計なことを!)」

「……どうして?」

ジーンズ(言え! 言っちまえ! ダメージを恐れるな!)

「僕は君のこと――」

60 : 以下、?... - 2019/02/14 01:18:15.050 lE1HzQ4G0 16/29

イケメン「女ちゃん」ニコッ

「あっ」

「イケメン君!」

イケメン「今ちょうど最後の授業が終わったとこなんだ。これからご飯でもどう?」

「あ、でも……」

イケメン「いいじゃないか、行こうよ!」

「……行ってらっしゃい」

イケメン「ほら、友達もこういってるしさ」

「……バカ」

64 : 以下、?... - 2019/02/14 01:21:15.707 lE1HzQ4G0 17/29

ジーンズ「……」

「……」

ジーンズ「まーたやらかしやがって! お前は惚れた女を他の男に持ってかれるのが趣味か!? マゾか!?」

「だって……」

ジーンズ「いいか、一つだけアドバイスしといてやる」

ジーンズ「あのイケメンとかいう奴のツラ見たか? ありゃ今日は絶対モノにするっていうツラだった」

ジーンズ「以前は爽やか好青年の皮を被ってたが、今日はどんな手段に出るか分からんぜ!」

「……!」

「僕……やっぱり追いかけるよ!」

ジーンズ「そうこなくちゃな!」

65 : 以下、?... - 2019/02/14 01:23:19.259 lE1HzQ4G0 18/29

ジーンズ「お前も気づいてるかもしれねえが、俺を履いたら脚力がぐんと上がる」

「やっぱり……! あの時のシュートも君の仕業だったのか!」

ジーンズ「ああ、お前にいいとこ見させてやろうと思ってな」

ジーンズ「全力で走れば、まだ追いつくはずだ! 急げ!」

「うん!」

ドヒュンッ!

「は、速ッ!」

ドドドドド…

66 : 以下、?... - 2019/02/14 01:26:06.409 lE1HzQ4G0 19/29

「どうしたの、イケメン君? こんな人気のないところに連れ込んで……怖いよ」

イケメン「一度壁ドンってやつをやってみたくてね」ニコッ

ドンッ

「!」

イケメン「好きだ」

イケメン「俺と付き合ってくれ」

「……!」

71 : 以下、?... - 2019/02/14 01:28:42.370 lE1HzQ4G0 20/29

「ごめんなさい」

イケメン「!」

「あたし、他に好きな人が……」

イケメン「そうか……だったら仕方ないな」

「ごめんなさい……」

イケメン「だったら……ムリヤリ俺のもんにするしかねぇなァ!!!」

「!」

イケメン「初めてだよ! 俺がこんだけアプローチかけてもなびかない女なんてよォ!」

イケメン「今夜はこの屈辱、とことん晴らさせてもらうぜェ!」

「ひっ! やめてぇっ!」

73 : 以下、?... - 2019/02/14 01:32:13.203 lE1HzQ4G0 21/29

「やめろーっ!!!」ピョーンッ

スタッ

イケメン「……ッ!?」

「男君!」

イケメン「お前はいつもの……! どこから跳んできやがった!?」

「女さんに手を出すな……。出すんなら……僕が相手をする!」

イケメン「おいおい、お前みたいな激ダサジーンズ履いてるような奴が俺に勝てると思うか?」

ジーンズ「……」ピクッ

「勝てる!」

イケメン「おもしれえ……! だったら女の前でボコしてさらにダサくしてやるよ……!」

74 : 以下、?... - 2019/02/14 01:35:26.660 lE1HzQ4G0 22/29

ジーンズ(よーし、こういうクソ野郎は思い切り蹴飛ばしてやれ!)

(うん!)

「でやぁぁぁっ!」

バキィッ!

イケメン「ぐはぁっ!?」ドザァッ

ジーンズ(へっ、人を激ダサ呼ばわりした報いだぜ!)

「ものすごい蹴り……!」

「大丈夫かい?」

「うん、あたしは何とも……」

イケメン「……」ピクッ

75 : 以下、?... - 2019/02/14 01:38:10.625 lE1HzQ4G0 23/29

イケメン「やりやがったな……!」ムクッ

「きゃっ!」

「まだ立てるのか!」

イケメン「こんなとこにいいもんが落ちてたぜぇ……」ニヤ…

「鉄パイプ……!」

イケメン「よくも蹴り飛ばしてくれたな……お返しにその足砕いてやるよぉ!」ブオンッ

ガンッ!

「ぐあっ……!」

「……?」

(あれ、痛くない?)

76 : 以下、?... - 2019/02/14 01:40:36.140 lE1HzQ4G0 24/29

イケメン「このっ! このっ! このぉっ!!!」

ガンッ! バキッ! ガツッ!

(足をこんだけ殴られてるのに……全然痛くない!)

ジーンズ「……!」

(ハッ! もしかして――)

(……ダメージを全部引き受けてくれてるのか! ジーンズ!)

ジーンズ(痛くねえ……痛くねえぜこの程度!)

78 : 以下、?... - 2019/02/14 01:43:24.730 lE1HzQ4G0 25/29

(ジーンズの頑張りを無駄にはしない!)

「だあっ!」ブオッ

イケメン「おおっと! 二度も喰らうかよ!」サッ

「!」

イケメン「そのジーンズ、やたら頑丈な素材でできてるみたいだな……」

イケメン「だったら……頭を狙う!」ブオンッ

ガッ!

「ぐあっ!」

「きゃあっ!」

ジーンズ「や、やべえ!」

80 : 以下、?... - 2019/02/14 01:46:13.214 lE1HzQ4G0 26/29

「……」グッ

イケメン「な、なに……!?」

「こんなのジーンズや女さんが受けたダメージに比べれば、どうってことない……」

イケメン「てめえ! もう一撃……」

「だあぁぁぁぁぁっ!」バッ

イケメン「と、跳ん――」

ドゴォッ!!!

イケメン「ぐはぁぁぁ……っ!」

ドザァッ…

81 : 以下、?... - 2019/02/14 01:49:52.627 lE1HzQ4G0 27/29

「もう大丈夫だよ」

「男君こそ……大丈夫!? 頭殴られたでしょ!?」

「うん、鉄パイプはかすめただけだったから……平気」

「よかった……」

「でも男君……どうしてあたしのこと、追いかけてきてくれたの?」

「……!」

「それはもちろん……君のことが好きだからだよ」

「男君っ……! やっと言ってくれたね……」

ジーンズ「へっ、世話の焼ける奴だ!」

「わっ!?」

82 : 以下、?... - 2019/02/14 01:52:33.006 lE1HzQ4G0 28/29

「今のは聞き間違いじゃなかった……ジーンズが喋ったよね?」

ジーンズ「……おう! 俺は喋るジーンズなんだ!」

「えーと、最初はダメージジーンズだったんだけど、僕が穴を縫ったら相棒になっちゃったんだ」

「わぁっ、すごーい! ますます男君のこと気に入っちゃった!」

「これからもっともっと仲良くしてね、男君、ジーンズ君!」

ジーンズ「へへへ、よろしく!」

(いいムードだ……!)

(よーし、ここでずっと心に秘めていた決め台詞をいうぞ!)

「……女さん!」

「なに?」

84 : 以下、?... - 2019/02/14 01:55:32.913 lE1HzQ4G0 29/29

「僕がハートの左側、君がハートの右側をそれぞれ持っているとしよう」

「二人の赤い糸で、その欠けたハート同士を縫い合わせて、一つの赤いハートにしよう……!」

「? う、うん、そうしよう!」

(あれ? もしかして滑ったか?)

ジーンズ「今のは、今まで受けたダメージの中で一番痛々しかったぜ……」

「ふふっ」

「トホホ……」






おわり

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