ガヴリール(え……? えっ? え???)
ヴィーネ「……すー……すー」
ガヴリール(なにが起きてんだこれ、全然記憶ないぞ、なんで私の部屋にヴィーネが裸で寝てんの?)
ガヴリール(落ち着け落ち着け。まだ夢の中って可能性もある。ひとまず水でも飲んで目を覚まそう) モゾ…
グイ
ガヴリール(? なんか起き上がれな……)
ガヴリール(──────、)
サターニャ「……ぅん……がゔりーるー……」ギュー
ガヴリール(どうして全裸のサターニャが私に絡みついているんだ)
元スレ
ガヴリール「起きたら隣に全裸のヴィーネが寝てた」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1552828266/
ガヴリール(いやいやいや、いやいやいやいや)
ガヴリール(たまたまだろ。たまたまなんか全員服を脱いで寝るタイプの奴らだったってだけだろ。……私は着て寝る派だけど)
ガヴリール(まったく悪魔ってへんな癖持ってるよな。風邪引いたらどうすんだよ。ははは)
ヴィーネ「ん、んん……」モゾ
ガヴリール「へ」
ヴィーネ「あ、がゔ……」
ヴィーネ「…………おはよ」ニコ
ガヴリール(おいおいおいなんでそんな幸せそうな顔してこっち見てくるんだよお前全裸だぞ気づけよ)
ヴィーネ「……あ、やだ、ごめん。すごい跡残っちゃってるどうしよ」サワ
ガヴリール「え、な、なに?」ビク
ヴィーネ「冷やしたら薄くなるかしら。ちょっと目立つわよね、これ」
ガヴリール「なんのこと…………ぶっふっ!」
ガヴリール(わたしの身体、めっちゃ点々と赤いのが付いてるんだけど!?)
ヴィーネ「ガヴの身体、柔らかくてすべすべモチモチだからついつい付けすぎちゃったわね」テレ
ヴィーネ「んー……んん、さすがにちょっと身体だるいわね」
ヴィーネ「どうするガヴ? 朝ごはんにする? それとも軽く何か飲む? コーヒー淹れるわよ」
ガヴリール「いや、え、え? あのヴィーネ……」
ヴィーネ「あ、それとも」
ヴィーネ「……一回だけ、ここでしちゃう?」ズイ
ガヴリール「いやいやいやいいいってなに言ってんのちょっと!?」ズリズリズリ
ヴィーネ「あ、こら逃げるな」
ガヴリール「うわっと」
サターニャ「あだっ」ボトン
ヴィーネ「あ、ほらサターニャベッドから落ちちゃったじゃない。ただでさえ3人じゃ狭いのに」
サターニャ「ん、んん~……なんなのよもう」 フアァ
サターニャ「私まだ眠いのよ…………もう一回寝るっ」ガバ
ガヴリール「おいばか寝ぼけてのしかかってくんな!?」
サターニャ「んー? 寝ぼけてないわよ。あんたを抱き枕にして寝るんだから」ギュー
ガヴリール「は!?」
サターニャ「ガヴリール……ん、ちゅ…ちゅっちゅっ」
ガヴリール「はぁ、ぁ……っ、なにして……! 吸いつくな……っ」
ヴィーネ「ちょっとちょっとサターニャ、服で隠れないところは見えちゃうわよっ?」
サターニャ「別にいいじゃない。こいつが私の所有物ってしるしになるでしょ?」
サターニャ「大悪魔様が直々に証を付けてあげるのよ。嬉しいでしょガヴリール?」ニヤニヤ
ヴィーネ「……なるほど」
ヴィーネ「じゃあ私もそうしよっかな」
ガヴリール「ヴィーネ!? あぁんっ」
ヴィーネ「ぺろ……ちゅ、ちゅぷ」
ガヴリール「あ、あっ……ぁ……ま、」
ガヴリール「まって! ほんとちょっとタンマ! ストップ!!」
サターニャ「あむ、ん……れろ」
ガヴリール「待てって言ってんだろバカ悪魔!」ゲシ
サターニャ「ふぎゃっ!?」
ガヴリール「あのね、本当に記憶がないの。もし私が何かしたならそれなりに責任取るつもりだからとりあえず説明が欲しいの」
サターニャ「ガヴリールが私のものになるって宣言したのよ」
ガヴリール「いや絶対嘘だろ私がそんなこと言うはずないじゃん。常識的に考えろよバカーニャ」
ヴィーネ「いや本当なのよ。あなたの所有物になりますって内容で悪魔の契約書までサインしてるもの。私とサターニャの分」ペラ
ガヴリール「やめてよ記憶がない奴にそういう物的証拠持ち出しても恐怖心を煽るだけだろ」
ヴィーネ「何か思い出すかなって」
ガヴリール「取り返しのつかない過ちの大きさが膨れ上がっていくだけだよ」
ヴィーネ「まあ、ガヴの意思を確認した上で契約はしたけど……確かにちょっとずるかったかもしれないわね」
サターニャ「え、話すの? ヴィネット」
ヴィーネ「このままじゃガヴも納得できないでしょ? 一応悪魔としては契約にかかる事はちゃんと説明しなきゃ」
サターニャ「う、そうね……」
ガヴリール「なんだよ……なんか聞くのが怖いんだけど」
サターニャ「昨夜、私たちがガヴリールの家に来たとこまでは覚えてる?」
ガヴリール「……」
ガヴリール「うっすら」
サターニャ「話はそこまで遡るわ」
【昨夜・ガヴリール宅】
ヴィーネ「お願いします!!」
ガヴリール「……ウチに来て早々土下座とかなんなのヴィーネ」
ヴィーネ「何も言わずに黙ってハイと言ってください」
ガヴリール「黙るのか喋るのかどっちだよ」
サターニャ「無駄よヴィネット。ガヴリールは人が頼めば頼むほどつけあがって調子に乗るタイプよ?」
サターニャ「きっと交換条件として無理難題な要求をふっかけてくるに違いないわ!」
ガヴリール「お前には言われたくねーよ」
ガヴリール「……顔を上げてよヴィーネ」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「ヴィーネがそんなに必死になって私にお願いしてくるって事は何かあるんでしょ?」
ガヴリール「サターニャはともかく、ヴィーネの事ならなんでも聞くからさ」
ヴィーネ「ガヴ……」
サターニャ「なんで私をともかくるのよ!」
ガヴリール「私にできることなら何でもするから言ってよ」
ヴィーネ「あ、ありがとう……!」
ヴィーネ「実はね、私たち魔界から定期的に課題が出されるんだけど」
ガヴリール「あー、私もたまに天界から出される」
ヴィーネ「それがその、今回の課題は悪魔だけではどうにもならないものでね? その……えっと……」
ガヴリール「? うん」
サターニャ「今回の課題は、色欲よ」
ガヴリール「は?」
サターニャ「私たち悪魔は人間の欲に漬け込んで悪の道へ引きずりこむのよ」
サターニャ「さまざまな欲求があるけれど、その中でもひときわ高度で特殊なテクニックを要するもの……」
サターニャ「……それが色欲」ギンッ
サターニャ「大悪魔様であるとはいえ、私達はまだ修行中の身。魔界からきた指令はきちんとこなさなければならないわ」
サターニャ「まあ、ナイスバディを備えた私にかかればこんなもの糠に釘を刺すぐらい簡単だけどね! んなーっはっはっはぁ!」
ガヴリール「へー」
ガヴリール「……」
ガヴリール「え、で? なんでそれで私のところに来たの?」
ヴィーネ「お願いします!!」バッ
ガヴリール「いやいやいや意味わかんないよちょっと!? 土下座をやめろ!!」
ヴィーネ「もうほんとガヴしか頼る人がいないの!! 私こんな課題きてどうしたらいいか分からないのよ!」
ガヴリール「か、課題一つぐらい落としたって……」
ヴィーネ「必修だから取れなければ留年しちゃうの……」グス
ガヴリール「だ、大丈夫だよ、そんな課題どうせみんな落としてるでしょ」
ヴィーネ「これまで落ちた生徒は誰一人いないって……」
ガヴリール(魔界どうなってんだよ)
ガヴリール「いや、えー……じゃああれか、私が恋の矢を人間に撃ってヴィーネに惚れさせて、それで済ませちゃえば……」
ヴィーネ「やっ……やだやだ! ぜったい嫌!」
ヴィーネ「私知らない男の人となんかそんなことできないもの!」
ガヴリール「……グラサンとか」
ヴィーネ「もっと嫌よ!」
ヴィーネ「……ガヴは、私が男の人と、その……しても良いって思ってるの……?」
ガヴリール「……」モヤ
ガヴリール「……ちょっとヤダ」
ガヴリール「つっても、どうすれば良いんだよ」
ヴィーネ「……ガヴがいい」
ガヴリール「へっ?」
ヴィーネ「私、ガヴリールとがいい……」
ガヴリール「いやいやいやそれこそ人選はミスってるでしょ!? 女だよ私!!?」
サターニャ「別に性別は指定されてないわよ?」
ガヴリール「お前は黙っとけよ!」
ヴィーネ「そもそもここに来たのだってガヴにお願いしにきたんだもん! ガヴ以外考えられないもん!」
ヴィーネ「ガヴとじゃないと嫌だもん!」
ガヴリール「なんでちょっとだだっ子になってんだよ」
ヴィーネ「なんでもしてくれるって言った!」
ガヴリール「私にできることならね!?」
ガヴリール「あ、じゃあサターニャは? サターニャと同じようにすればいいじゃん」
サターニャ「え? 私もガヴリールで済ませようと思ってるけど」
ガヴリール「お前もかよ!」
サターニャ「だ、だって普通に誰かに身体見せるとか恥ずかしいじゃない……///」
ヴィーネ「あんまり恥じらいとか気にしなそうだと思ったけど割とピュアね……」
サターニャ「そ、それにあんたは私のライバルなのよ! どうせやるなら最も高いハードルを飛んでこそでしょ!」
サターニャ「んっふっふ、色欲の課題ならば色欲で戦えばいいのよ。その気じゃないならその気にさせればいいだけだわ」
サターニャ「さあガヴリール、私のおっぱい揉んでもいいわよ!」フフーン
ガヴリール「……」イラ
ガヴリール「ふんっ」グニ
サターニャ「あだだだだだ!?」
ヴィーネ「どうしても、だめ……?」
ガヴリール「えぇー……」
サターニャ「なかなか手強いわねガヴリール……これは奥の手を使うしかないわね」ゴソゴソ
ガヴリール「なに奥の手って」
サターニャ「見なさい。これは胡桃沢洋菓子店の新作ケーキ、一日40個限定の激レアスイーツよ」
ガヴリール「激レアの説得力のなさ」
サターニャ「これをあげるから何卒よろしくお願いします」
ガヴリール「単純な賄賂じゃねーか」
ガヴリール「まあとりあえず食うけど」
ガヴリール「ヴィーネ、紅茶はミルク入れてー」
サターニャ「わたしもー」
ヴィーネ「はいはい」
ヴィーネ「はぁ、結局ガヴの家でケーキを食べる会になっちゃったわね……」
ガヴリール「ていうかそもそも無理な話でしょ。仮にOKでもその後自然に接する自信がないし」
サターニャ「……別に、私は今まで通りでも、それ以上でもいいけど」
ヴィーネ「私達それなりに考えた結果なんだけどなぁ……」
ガヴリール「ぶふっ……ちょっとやめてよ///」
ヴィーネ「どうしよサターニャ、私たち本当に留年しちゃう」
サターニャ「こうなったら力づくでガヴリールを……」
バタン
ヴィーネ「へ?」
ガヴリール「」
サターニャ「ん?」
ヴィーネ「ちょっとガヴ!?」
ガヴリール「」
ヴィーネ「サターニャ、ケーキになに入れたの!?」
サターニャ「わ、わわわたしは何も」
サターニャ「あ、これブランデーケーキって書いてあるわね」
ヴィーネ「えっ」
ガヴリール「うへへへへ、はっぴーにゅーいやー!」
ガヴリール「あっ、ゔぃーねとさたーにゃだ! 二人ともすきすきー!」ウヒャー
ガヴリール「かまってかまってー」ギュー
ヴィーネ「……サターニャ」
サターニャ「……ええ、ヴィネット」
ヴィーネ「ねえガヴ、私たちのこと好き?」
ガヴリール「うん、すきー」
サターニャ「大好き?」
ガヴリール「いつもはずかしくて言えないけどサターニャのこと大好きだよー」ギュー
サターニャ「……んぐふ///」プルプル
ヴィーネ「あのね、私たちもガヴの事とっても好きなのよ」
ガヴリール「ほんと? うれしいなっ」
ヴィーネ「私のものにしたいぐらいなの」
ガヴリール「そうなの? いいよー」
ヴィーネ「ほんとにいい?」
ガヴリール「いいよー」
ヴィーネ「ほんとにほんとに?」
ガヴリール「? うん」
ヴィーネ「……確認、したからね?」
ガヴリール「いいよー」
…………
サターニャ「……と、言うわけで。ガヴリールとは所有の契約を結んで好き放題させてもらったわ」
ヴィーネ「素直に好きって言ってくれるガヴ、すっごく可愛かった……」
ガヴリール「犯罪だろこれ!!?」
サターニャ「んっふっふ、これであんたは私のものよ。天使を手に入れるなんてSSS級行為……さすが大悪魔様ね! んなーっはっはっは!!」
ヴィーネ「ちょっとサターニャ、半分は私のものなんだからね!」
サターニャ「ほら私の抱き枕になりなさーい」ギュー
ガヴリール「うわわっ押し倒すな!」
サターニャ「ふふ、ガヴリールやわらかーい」スリスリ
ガヴリール「やめろこら! 契約破棄! クーリングオフ!」
ヴィーネ「ごめんそういうの受け付けてないから」
ヴィーネ「安心してガヴ。今まで以上にお世話もするし、大事にするからっ」ニコニコ
サターニャ「たっぷり可愛がってあげるわ。ガヴリール」
サターニャ「ふふ、所有物の証を付けるわよ……ちゅ、んぷ……」
ガヴリール「ぅく……」ピクン
ヴィーネ「ガヴ、愛してる……」チュ
ガヴリール「……ぁ、あぁ……」
ガヴリール(悪魔って、こわい)
完