上条「おーい、インデックス。飯の準備手伝ってくれー」
禁書「今テレビがいいところだからそれは無理なんだよ!」
上条「お前昨日もそんなこと言ってたじゃないか……たまには手伝ってくれても罰は当たらないと思うぜ……」
禁書「もう!しょうがないんだから!」
禁書「で、私は何をすればいいのかな」
上条「あー、じゃあそこのホウレンソウを適当に切って器に盛ってくれ」
元スレ
禁書目録「とうまー、ごはんつくったんだよ!」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1262743176/
禁書(切る?普通にハサミでいいのかな?)
禁書「わかった!ハサミ取ってくるからちょっと待ってて!」
上条「はい?ハサミ?」
禁書「ふふーん、私のテクニックを見て腰を抜かさないようにするといいよ!」
ジョキ
上条「ああー----------!」
禁書「え、え?」
上条「お前何してんだよ!野菜切るのは包丁だろう!」
禁書「でもでも、とうまが切れって言ったからわたしは切っただけなのに……」
上条「あー、ああー」
上条「まぁ、これならどうにかなるかなぁ……」
上条「もういいや、インデックスはいつも通りテレビでも見ててくれよ……」
禁書「む、それは何かな。わたしが使いものにならないって言ってるって捉えてもいいのかな?」
上条「だってすっかり忘れてたけど、お前電子レンジも使えないじゃないか」
禁書「むー、とうまが手伝えって言ったから手伝っただけなのに」
上条「大喰らいの居候に何かを期待した俺が間違ってたんだよ」
上条「あーあ、どうせなら姫神みたいな普通の女の子が来てほしかtt……」
禁書「」
上条「あ、あれ。インデックスさーん……なぜに急に不機嫌になってるのでせうか?」
禁書「」
上条「ははは、これはもしかしていつも通りの噛みつきタイムなんですかねー……」
禁書「……とうまの」
上条「……はい?」
禁書「とうまのばかー――――――――!!!!!!!!」
上条「ぎゃああああああ、不幸だああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
禁書「ってことがあったんだよ!もう!」
小萌「なるほどー、だからシスターちゃんは朝から上条ちゃんの家を出てきて先生の家に来たんですねー」
禁書「まったく、とうまはせっかく手伝ってあげたわたしに対して意地が悪いんだよ」
小萌「うーん、シスターちゃんは上条ちゃんの家に住み始めてどれくらいになったんですー?」
禁書「えっと、かれこれもう1年近いのかな」
小萌「シスターちゃんは上条ちゃんに色々と生活のお世話になってるわけですよねー?」
禁書「う、それを言われるとつらいかも……」
小萌「上条ちゃんとしては『置いてあげてるんだから手伝ってくれてもいいじゃないか』って気持ちが少しはあると思うのですが」
禁書「わ、わたしも何度か手伝おうとしたんだけど、失敗しちゃって……」
禁書「何度も失敗してとうまに嫌われたくないし、だったら手伝わない方がいいかな、って思うようになっちゃって……」
小萌「例えばですよー?」
禁書「?」
小萌「今の上条ちゃんに料理のできる家庭的な女の子が近付いてきたらコロッと……」
禁書「!」
禁書「そんなことないもん!とうまはわたしにめろめろなんだよ!
小萌(まぁ先生もそんなことは無いと思いますがー、ここは二人の仲を進展させるためにもお灸をすえてあげないといけないと思うのですよ―)
小萌「上条ちゃんの口癖は『不幸だ』っていうのはシスターちゃんも知ってると思いますがー」
禁書「……うん」
小萌「例えば非科学的な話になりますが、その不幸を打ち消すほどの幸運の持ち主が現れたとしたら上条ちゃんはどうしますかねー?」
禁書「そ、それは……」
小萌「上条ちゃんはあれで色々と頼りないところがあるので、頼れる女性に弱いと先生はおもうのですよー」
小萌「その点シスターちゃんは」
禁書「?」
小萌「すでに一緒に住んでいるというアドバンテージがあるわけですからー」
禁書「!」
小萌「それに『家庭的』という属性を身につければ上条ちゃんはもうシスターちゃんから離れられないのではないでしょうかー?」
禁書「こもえってば頭いいんだよ!」
禁書「あ……」
小萌「どうしたんですー?」
禁書「料理なんて今まで一度もしたことないからやり方わかんないよ……」
小萌「じゃあ先生が教えてあげるですよ!」
禁書「ほんと!?」
小萌「ほんとですよー。まずはごはんの炊き方から教えてあげるですー」
姫神「そして特別講師、私」
禁書&小萌「!!!」
禁書「あいさ、いつからいたの!?」
姫神「最初から。……ふふふやっぱり私は影の薄い女……」
姫神「料理SSじゃないので工程は省く」
姫神「さすが私、省エネ魔法少女」
禁書「む、魔法少女tt(ry」
姫神「そのくだりは本編で充分やった」
小萌「とりあえずお米炊くのはなんの問題もなくできましたねー」
禁書「ふふーん、わたしには完全記憶能力があるからこんなの余裕なんだよ!」
姫神「問題はここから」
姫神「男を落とす料理第1位にランクイン、肉じゃがを作る」
禁書「……ゴクリ」
禁書「でも、レシピさえ覚えちゃえばどうにかなると思うんだよ」
小萌「甘いですよ、シスターちゃん!」
禁書「!」
小萌「料理というのはその時々の材料や、使う調味料、さらには湿度や天候によって味がかわるんですよ!」
禁書「そ、そうなの?あいさ!?」
姫神「確かに小萌の言うとおり。でm」
小萌「そういったところまで気を使わなければ上条ちゃんのハートを本当につかむことはできないのですよー!」
禁書「さ、さすがこもえ!」
姫神「でもあなたは初心者だからそこまで気を使うこt」
小萌「というわけで練習といえど手を抜くわけにはいかないのですー!」
禁書「とうま、わたし頑張るんだよ!」
上条「ヘッキシ!風邪引いたか……?」
それから
禁書「いたっ、指切ったー!」
小萌「左手は『猫の手』ですー!」
幾多の試練を乗り越え
姫神「しらたきを入れないとかあり得ない。あれは嵩増しにもなるし、おいしい」
小萌「先生は姫神ちゃんをそんな貧乏な子に育てた覚えはありませんですよ―!」
禁書「……しらたき入れるのって牛丼だと思うんだよ」
姫神&小萌(何を言っているんだ、こいつは……)
遂に……!!!!
禁書「で、できたんだよ……!」
姫神「おめでとう」
小萌「やりましたね、シスターちゃん!」
禁書「これでとうまをギャフンと言わせられるんだよ!」
姫神「目的が違っているけど……」
小萌「上条ちゃんを喜ばせたいんじゃないんですかー?」
禁書「はっ、すっかり忘れてたかも!」
小萌「とりあえず、このお金は先生からのプレゼントですー」
小萌「買い物まではまだ無理でしょうから3人で材料を買いに行くです!」
禁書「……緊張してきたんだよ」
スーパーしりげや
禁書「えーっと、じゃがいもと、ニンジンと、牛肉と」
小萌「調味料はさすがにありますよねー」
姫神「彼のことだからわからない。今頃全部ぶちまけて『不幸だあああ』って言ってるかも」
小萌「た、確かに上条ちゃんならあり得ますー……」
小萌「念のために買っておいた方がいいかもしれませんねー」
禁書「お醤油と、お砂糖と……」
上条「ふ、不幸だあああああ!!!!!!」
禁書「これで全部、かな?」
小萌「ですー。お会計に行きましょうかー」
姫神「あ」
禁書「え?」
美琴「ん?」
禁書「あれ、なんだか珍しいのがいるんだよ」
美琴「会って早々失礼にもほどがあるんだけど……」
美琴「アンタ一体こんなところでなにしてんの?」
店員A(こんなところとはなんだ!)
禁書「晩御飯のお買いものだよ」
美琴「ふーん、なんか料理するイメージなかったけど」
美琴「で、あいつは一緒にいないの?」
禁書「へぇ、そんなに短髪はとうまのことが気になるのかな?」
美琴「な、何言ってんのよ!」
小萌(一瞬にして空気になりましたね……)
姫神(しょうがない、これがサブキャラの運命)
禁書「とうまはいないよ」
美琴「へ、へー、そうなんだ」
禁書「この材料でとうまにごはん作ってあげるんだよ」
美琴「へ、へー……」
美琴「」
美琴「えっ」
姫神「えっ」
小萌「えっ」
禁書「えっ」
美琴「ええええええええええええええええ!!!!!!」
美琴「いっ、いつの間にアンタ達そこまでくぁwせdrftgyふじこlp」
禁書「もう、うるさいなあ。別にわたしととうまがどうなろうと短髪には関係のないことだと思うんだよ!」
美琴「いや、関係ないっていうか、あるようなないような感じなんだけども!」
美琴「ええー……」
(イメージ:勝ち誇った顔のインデックスさんのAA)
美琴(何この勝ち誇った顔……私はこんなちびっこに負けたって言うのか……)
こんなん
禁書「さて、お会計も終わったことだし、わたしはとうまのところに帰るんだよ」
小萌「頑張ってくださいね、シスターちゃん!」
姫神「後で結果を教えてくれると嬉しい」
禁書「うん、お話しようね、あいさ!」
禁書「じゃあ、今日は本当にありがとう、2人とも!」
小萌「気をつけるんですよー」
姫神「ばいばい」
禁書「ばいばーい!」
上条「あー、醤油と砂糖ぶちまけっちゃったし、買ってくるかなー」
ガチャ
禁書「ただいまー、とうま」
上条「おう、お帰りインデックス。ちょっと俺出かけて……ってなんだその袋」
禁書「ふふーん、聞いて驚かないでほしいかも!」
禁書「なんと!今日!わたしが!とうまに晩御飯をつくってあげるんだよ!」
上条「」
禁書「そしてこの袋はその材料なんだよ!」
上条「」
上条「あのー、インデックスさん……?」
禁書「ん?」
上条「そのギャグは舞夏にでも教えてもらったのかな?ははは……」
禁書「ギャグなんかじゃないんだよ!」
上条「!」
禁書「とうまはすぐそうやってわたしのこと馬鹿にして!」
禁書「いつもいつもわたしはとうまに迷惑かけっぱなしで」
禁書「昨日のお手伝いのことだって悪いと思ってるし」
禁書「よく考えたらスフィンクスの世話もとうまがしてるし」
禁書「そういうわけでこれはいつもお世話になってるとうまに対する恩返しなんだよ」
禁書「嫌かもしれないけど、受け取ってもらえると嬉しいな」
上条(なんてこったい)
禁書「というわけで台所借りるね!」
上条「あ、あ!でもほら!さっき俺醤油とか砂糖とかこぼしちゃったぞ!」
上条「だから何も作れないと思うんですよ、上条さんは!」
禁書「大丈夫!砂糖と醤油なら買ってきた!」
上条(/(^o^)\ナンテコッタイ)
上条「でもインデックス、包丁とかガスコンロの使い方わからないだろ!?」
禁書「さっき小萌の家で教えてもらった!」
上条(あばばばばばばwwwwwwww)
禁書「ぜーったいに覗いたり手伝ったりしないでね!お願いだよ!」
上条(まずい、これは非常にまずい事態だ)
上条(あのインデックスが一人で料理をするだと……!)
上条(一体どんなものが出てくるのか……!)
上条(想像もつかないぜ……)
上条(さっきの口ぶりだと小萌先生の家で何かしら教えてもらったようだけど)
上条(電子レンジも使えないインデックスが料理をする)
上条(この恐怖は一方通行以上のものがある!)
上条(あ、でもあいつには完全記憶能力があるから、レシピさえ覚えれば大丈夫なんじゃねえか?)
上条(いや、そんな幻想に頼っているようじゃ俺もまだまだ……)
上条(まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!)
そのころキッチン
禁書「ふぅ、包丁で指切らなくてよかった」
禁書「わたしってば結構できる女かも」
禁書「えーっと、じゃあまずは牛肉を炒めて」
禁書「ジャガイモと人参としらたきを入れて」
禁書「火が通ったらみず、みず」
禁書「その間に『小萌流:簡単味噌汁』をつくるんだよ!」
上条「大丈夫かなー(ドキドキ」
そして1時間後
禁書「3人でやるよりも数倍疲れたかも……」
禁書「なんとかできたけど、とうまはおいしいって言ってくれるのかな……」
禁書「うう、胸がドキドキしてきたんだよ……」
禁書「と、とうまー! できたよー!」
上条「お、おう。運ぶのくらいは手伝うぜ」
上条(あれ、見た目は普通、っていうかうまそう……)
上条(匂いもいい感じだし……)
禁書「えとえと、お箸と、コップと」
上条(ごはんもお粥とかカッピカピになってるわけでもないし)
上条(こりゃ疑ってかかって悪いことをしたかな)
禁書「そ、それでは召し上がれ!」
上条「ああ、いただきます」
上条「っていうかインデックスは食べないのか?」
禁書「わ、わたしは緊張してそれどころじゃないんだよ」
上条「な、なるほど(食欲魔人のこいつが……)」
上条「じゃあ改めていただきます」
上条(まずは味噌汁から……)
禁書「どうかな……おいしくなかったりしないかな……?」
上条「う」
禁書「!」
上条「うまいな、この味噌汁!」
禁書「は、はあぁー」
上条「いや、まじでうめーよ、これ!俺が作るより何倍もうまいなー!」
禁書「そ、そんなに褒められると照れるかも……えへへ」
上条「ごはんも想像してたよりおいしいし!インデックスさんやりますな!」
禁書「えへへー、それほどでもー」
禁書「肉じゃがはどうかな!?」
上条「うまー!味付けが絶妙だな!」
禁書「ほ、ほんと!?」
上条「ほんとほんと!絶対俺が作るよりもうまいって!」
上条「ごめんな、褒め言葉が浮かばなくって。でも本当にうまいんだよ!」
禁書「よかったあああぁぁ……」
禁書「これからは」
上条「ん?」
禁書「ちゃんとお手伝いするね」
上条「お、おう」
禁書「お風呂掃除もするし、スフィンクスの世話も頑張る」
禁書「いつまでもとうまに頼ってばっかりじゃ嫌われちゃうもん……」
上条「……」
禁書「だからこれからもわたしと一緒にいてくれる……?」
上条「なんだお前、そんなこと聞いて」
禁書「え?」
上条「そんな顔して、こんなことまでしてもらって、その上そんなこと聞かれたらもう上条さん的には」
上条「インデックスを嫌う要素なんて何一つとして無いに決まってるじゃないですか」
禁書「とうま……」
上条「あー、もう!こういうことは男から言い出すもんだと思ってたんだがなあ」
上条「お前の言った言葉ってまるっきりプロポーズだぜ?」
禁書「あ……」
禁書「えっと、じゃあ!」
上条「待て待て!ここからは俺のターンだ」
上条「えーっと、まぁあれだ。大変恥ずかしいですが!」
上条「俺は一目会ったときから」
禁書「……うん」
上条「インデックスの事が」
禁書「……うん!」
上条「大好きでした!!」
禁書「わたしもとうまが好き!!!」
上条「……」
禁書「……」
上条「……ははっ」
禁書「……ふふっ」
上条「じゃあ」
禁書「うん」
上条「まずは一緒に」
禁書「うん」
上条「愛情のこもった肉じゃが一緒に食べようぜ!」
禁書「は、恥ずかしいよ、とうま!」
148 : 以下、名... - 2010/01/07(木) 00:34:20.83 Gfp3kV7d0 35/35
オチが弱い気がしますがこの辺でお開きとさせていただきます!
一度長いこと放置してしまい本当に申し訳ない
インパラさんとかインフラストラクチャさんとか禁書目録の扱いがかわいそうなのでスレ立てしましたが
こんなにも支援いただけるとはおもってもなかったです