1 : 以下、\... - 2016/04/19 14:25:41.036 BpTp+/TU0 1/43

「はぁ……」

 私立ニルバーナ学院ッ!
 そこは超能力者の養成・育成を目的とした学校であるッ!

生徒「おい、どけよFランッ!」ドン!

「痛ッ!」

「はぁ……」

 入学した生徒は予め実施された試験によりランク分け(クラス分け)されるッ!
 そして、そう――この男は最低のFクラス、その一人だったのだ! 

「やっぱり俺には向いてないのかなぁ……」

元スレ
不良女「調子に乗ってんじゃあぁねえええぞッ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1461043541/

5 : 以下、\... - 2016/04/19 14:32:10.223 BpTp+/TU0 2/43

(このクラスは……はっきり言って異常だ)

 ワイワイ ガヤガヤ

(俺も人のことは言えないけど――)

クラスメイト「この漫画おもしれぇんだよ!」

(何の意欲もなく)

クラスメイト「ねぇー、今度の試験まじダルいんだけど」

(向上心もなく)

クラスメイト「ってか、ぶっちゃけ俺たちって無理なんじゃね?」

(怠惰で溢れかえっている)

(そしてそんな潮流に呑まれる俺自身も――)

「はぁ……」

不良女「――ッ」ガラッ

「あ、女さん……」

(今日も一段と怖いなぁ)

不良女「んだよ」

「ひっ……!」

「お、おはよう……」

不良女「……」

不良女「ああ」

6 : 以下、\... - 2016/04/19 14:39:44.278 BpTp+/TU0 3/43

(そんな最低クラス、通称『Fラン』の中で、異彩を放つ人間が一人いる)

不良女「……」

(それがこの女さんだ)

(異彩というか――ただならぬオーラというか)

(何故こんな最低クラスにいるのだろうか)

(そんな疑問が自然と沸いてきたほどだ)

(本人は『適当にやった』らしく、その結果こんなクラスに振り分けられたとか)

(もしくは『アタシの能力は地味だからな』とも言っていた)

(超能力というと魔法のような人智を超えた力を想像する者が多い中で、女さんの能力は地味なタイプだから――)

(という理由だとも言っていたけれど)

(しかし、この女さんはただならぬオーラを纏っていて)

(出来そこないの俺には、とても恰好よく見えた)

8 : 以下、\... - 2016/04/19 14:46:34.480 BpTp+/TU0 4/43

(誰しも少なからず持っている『自分は他の人間とは違う』という自負心)

(例に漏れず、もちろん俺も持っていた)

(しかし、それはただの『井の中の蛙』だったわけだ――)

(海という存在を知らぬまま、大海原に漂流した有象無象の一人)

(世間一般で言う『愚か者』というわけだ)

風紀委員「持ち物検査ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

風紀委員「持ち物検査の時間だよおおおおおおおおおおおん!!!!」

(そして――愚か者や弱者は、いつの時代も搾取や使役、隷属の対象となる)

11 : 以下、\... - 2016/04/19 14:55:51.351 BpTp+/TU0 5/43

風紀委員「さーて、お前ら一列に並べッ!」

クラスメイト「やべぇよ……。やべぇよ……」

風紀委員「さぁて――おっ、『ワ○ピース』最新刊じゃねぇかッ!」

風紀委員「こんなの持ち込んでいいと思ってるのかなァ?」

クラスメイト「だ、だって――○○先輩もッ!」

風紀委員「うるせぇえええええええええええんだよぉッ!!!!」ドスッ!

クラスメイト「カハッ――」

風紀委員「○○先輩だぁ!? そいつぁ確かCランクだよなぁ!?」

(この学院は能力値によってクラスが分かれる)

風紀委員「お前らFランに自由なんてもんはねぇええええええええええええんだよおおおおおお!!!!」

(そう――この学院は競争主義であり)

(ランクが下がるごとに、蔑みの対象となる)

(こと、Fランクに至っては……)

風紀委員「お前らには『だって』も『だけど』もねぇええええええええええんだよお!!!!」

風紀委員「フリーダムもリバティも存在しねえッ!」

(Fランクに至っては、このように人権すらも危ういのだ)

12 : 以下、\... - 2016/04/19 15:02:04.006 BpTp+/TU0 6/43

風紀委員「というわけでぇっ、こいつは俺がボッシューするぜぇっ!」

クラスメイト「そ、そんなっ――」

(そんな超競争社会の学院)

(教師陣もそんな『弱肉強食』を指針としているため、これらの行為を半ば黙認している状態である)

(弱肉強食……。いつの時代も変わらないこの世の理)

(日常のように繰り返される惨状)

風紀委員「さーて、そんじゃ次はァ――」

不良女「おい」

「――ッ!?」

13 : 以下、\... - 2016/04/19 15:11:46.968 BpTp+/TU0 7/43

「お、女さん!?」

風紀委員「なんだァ!?」

風紀委員「なんか聞こえたなァ?」

不良女「そこの刈り上げデブ」

風紀委員「……」

風紀委員「てめぇ、まさかこの俺を、風紀委員のこの俺を侮辱したのかァ……?」

不良女「いつもより早めに登校してみたらこのザマとは」

不良女「朝っぱらからうるせぇえええええええんだよッ」

「お、女さんまずいって……!!」

(この人たちは風紀委員なんだよ!?)

(いわば憲兵や秘密警察と同じような恐るべき存在ッ!!)

(そんな人たちに逆らったら――)

不良女「……」

不良女「アタシはうるせぇ奴が嫌いなんだよ」

不良女「失せろ」

風紀委員「……ッ!!」

風紀委員「この俺に、風紀委員に逆らうとはなァ!!」

風紀委員「Fランクの分際でッ!!」

不良女「ランクもクソも関係ねぇッ!!」

不良女「ぶーぶーぶーぶーうるせぇんだよ豚野郎ォッ!!」

不良女「ここは養豚場じゃあぁねぇッ!」

風紀委員「な、なん……だと……!!」

(や、ヤバイッ!!)

風紀委員「て、でめぇ……!!」

風紀委員「殺す――」

(まずいッ!!)

15 : 以下、\... - 2016/04/19 15:21:29.750 BpTp+/TU0 8/43

風紀委員「死ねえええええええええええええええええッ!!」

不良女「……」

(くそッ!)

 バキッ!!

風紀委員「なッ……!?」

不良女「――ッ!?」

「くっ……!」

風紀委員(この男)

不良女(アタシの身代わりになった!?)

「お、女の人に手を上げるなんて……!!」

風紀委員「てめぇ……」

(こ、怖ッ!!)

「ど、どうかこの俺で勘弁して下さいッ!!」

不良女「お、お前ッ!?」

風紀委員「分かったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 ドスンッ!!

「――ぐふっ」

風紀委員「この掃き溜めのクズどもがぁッ!」

風紀委員「そこのクソ女――てめーの顔はしっかり覚えたぜ」

風紀委員「今日はそこのヒョロヒョロ男の謝罪に免じて許してやる」

風紀委員「次、何かあったら――そのときはたっぷり可愛がってやるからなぁッ!」

 キーンコーンカーン

風紀委員「ちっ……! それじゃ行くかァ……。覚えてろよ」

16 : 以下、\... - 2016/04/19 15:32:27.148 BpTp+/TU0 9/43

[保健室]

不良女「おい」

「あはは……。ごめんね女さん」

「手当てまでしてもらって――ありがとう」

「だけど、もう本当に大丈夫だから……」

不良女「おい」

「……?」

不良女「どうしてアタシを庇った?」

「……」

不良女「アタシだったらあんな豚野郎――」

「ただ、そうしたかっただけさ」

不良女「……ッ!?」

「俺も、風紀委員のやり方がずっと気に入らなかった」

「でも、抵抗できずにいる」

「そんな、弱い人間だ」

不良女「――ッ」

「だから……。こうやって精一杯耐えることしかできない」

「耐えることが抵抗になると……そう信じることしかできない」

「弱い男なんだ」

不良女「……」

「不幸中の幸いっていうか……俺は普通の人間より丈夫なんだ」

「それが、この俺の能力だ」

「超スピードで回復するとか、そういう立派なものでもないんだけどね……。はは……」

不良女「切れてる」

「え?」

不良女「絆創膏貼ってやるよ――こっちこい」

「……」

「ありがとう」

17 : 以下、\... - 2016/04/19 15:44:44.048 BpTp+/TU0 10/43

(超能力――一般的には『ニルヴァーナ』と呼ばれている)

(ニルヴァーナとは涅槃のことであり、涅槃とは仏教用語で云々……)

(つまり、おおざっぱに言うならば悟りを開いた状態。ある境地に達した状態)

(その『境地』こそが超能力であり、そんな由来があって人は超能力を『ニルヴァーナ』と言う)

(ニルヴァーナには大小様々なものがあり……)

(傷の治癒、瞬間移動や身体能力の強化、炎や水の使役、空間操作などなど)

(そして俺のニルヴァーナは身体能力の強化にあたるもので)

(体が頑丈なだけ――そう、頑丈なだけだ)

(頑丈なだけであり、傷はできる)

(そして、瞬間的に治癒するわけでもないので限度があり)

(攻撃を受け続ければもちろんお陀仏だ)

(そんな、使えない能力なのである)

不良女「これでよし――」

「あ、ありがとう……」

不良女「あの……」

「……?」

不良女「その……。す、すまなかったな」

不良女「アタシなんかのために……」

不良女「ありがとう」

「そ、そんな……」

不良女「それに――アタシのことを『女』だなんて」ゴニョゴニョ

「えっ?」

不良女「な、なんでもねぇよ難聴野郎ォッ!」ドン!

「グハッ……」チーン

不良女「あっ――す、すまねぇ!」

20 : 以下、\... - 2016/04/19 15:54:20.266 BpTp+/TU0 11/43

不良女「それにしても、あいつらマジで許せねぇな」

「……」

不良女「ぶっ飛ばして――」

「駄目だよ」

不良女「どうしてだ!?」

不良女「おめぇ……。男ッ!!」

不良女「やられっ放しでいいのかよ!! おめぇ男だろうがッ!!」

不良女「キ○タマついてんのかよォッ!!」

「……」

「泣く子も黙る風紀委員」

不良女「……ッ!?」

「風紀委員の上には『悪魔も逃げ出す生徒会』があるッ……!」

「そんな奴らに逆らったら……」

「例え俺たちが絶対的に正しかったとしてもッ!」

「俺たちが『悪』とされてッ」

「裁かれてしまうんだッ!!」

「どんなに強い人間だろうと……。狩りを熟知した狼の群れには敵わない」

「残念ながら……俺たちは耐えるしかないんだ」

「もしくは、自分が上のクラスへ上がるしかない」

23 : 以下、\... - 2016/04/19 16:05:38.678 BpTp+/TU0 12/43

不良女「わかんねぇよ」

「――ッ!?」

不良女「耐えること――だと?」

不良女「それでてめぇの自由が縛られたら元も子もねぇじゃねぇかッ!!」

不良女「てめぇは何のために生まれてきたんだよ」

「――ッ!!」

「……」

「女さん――それは余裕がある人間の思考だよ」

不良女「……ッ!!」

不良女「んだとコラァ!」

「それは力を持っていて余裕がある人間だけが言える文句だよ」

「狩られる動物は所詮狩られる動物のままだ……」

不良女「ちげぇよ……。違うッ!」

不良女「群れてなきゃ生きていけねぇんなら、それが強さって言うなら」

不良女「アタシは群れからはぐれた狼――一匹狼を目指す」

不良女「てめぇには幻滅した」

不良女「骨のある男だと思ったのに……」ガララ

「お、女さんっ――」

「……」

24 : 以下、\... - 2016/04/19 16:13:52.889 BpTp+/TU0 13/43

(女さんとは席が隣だけど)

(あれからは口を聞いてくれなかった……)

(これまでは盛んに会話していた――というわけでもないんだけどね)

(はぁ……。俺って間違ってるのかなぁ)

 キーンコーン

(放課後――帰るか)

(そりゃ、俺だって強力な能力を持っていたら)

(女さんの言うように、自由の為に戦ったかもしれない)

(だけどこの能力じゃ――)

(自分で言うのもなんだけど、自分でできる限りは努力しているつもりだ)

(つもり……。つもりの時点で努力が足りないってことは分かってるさ)

(だけど……どうすりゃいいんだよ)

風紀委員「おい」

「ひっ――」

風紀委員「ちょいとツラ貸せやァ」

「あ……」

(これは――まずいっ!!)

26 : 以下、\... - 2016/04/19 16:23:52.744 BpTp+/TU0 14/43

「……」

「いてぇ――」

「あーあ」

「面倒なことになった」ボロボロ

「こんなはずじゃなかったのに――」

 [男の回想]

風紀委員「おめぇ――気に入ったぜ!」

「え!?」

風紀委員「俺の舎弟にしてやってもいいぜぇ? 女を庇うとはなかなか骨のある男だ」

「あ、あの……」

風紀委員「お前にとっちゃ美味しい話だと思うけどなァ?」

風紀委員「持ち物検査とか、おめぇの不正を見逃してやってもいいぜぇ?」

「そ、それは……」

風紀委員「ちなみに――おめぇに拒否権はねぇかんな」

「えっ」

風紀委員「ちょっとおめぇの金でコーラ買ってこいよ。ここじゃなくて新宿のコーラな」

「え……」

「そ、それは流石に――」

風紀委員「んだとォッ!?」

 ドゴッ! バキッ!

風紀委員「てめぇに拒否権はねぇッ!!」

 ドカッ!

28 : 以下、\... - 2016/04/19 16:32:52.846 BpTp+/TU0 15/43

風紀委員「はぁ……。分かったか?」

風紀委員「今日からお前は俺の舎弟だ」

風紀委員「明日1万円持ってこい」

風紀委員「それで今日の分は許してやるよ」

風紀委員「ちなみに――誰かにチクっても無駄だかんな」

風紀委員「てめぇみたいなFランクのクズがどんな悲鳴を上げようとも」

風紀委員「だれも聞いちゃくれねぇんだからよぉおおおおおおおおッ!!」

風紀委員「ひゃっはあああああああああああああ!!!!」

風紀委員「それじゃー頼んだぜ舎弟くぅんっ!」

 [回想終わり]

「……」

「うっ……。ううっ……」

「凄く――凄く惨めな気分だッ!」

???「あの……。大丈夫ぅ?」

「――ッ!?」

「き、君は……」

「君は、同じクラスの……」

金髪女「私は『金髪』よぉ」

「金髪さん……。どうして……」

金髪女「あなたが倒れていたから」

金髪女「あらあら……。怪我しているじゃない……」

金髪女「ちょっと見せて?」

「あっ……」

30 : 以下、\... - 2016/04/19 16:40:06.600 BpTp+/TU0 16/43

(金髪さん――)

(俺と同じFクラスで、長くて鮮やかで綺麗な金髪を持つ女の子だ)

(全てを優しく包みこむような、うっとりとした魅力を持ち)

(スタイルは良く、男子からはもちろん女子からも人気がある)

(みんなの姉のような人――そんな印象)

金髪女「これで良し――っと」

「ごめん……。また手当てしてもらっちゃって」

金髪女「また?」

「いや……! なんでもないごめんっ!」

(そうだ、俺――今日は厄日だなぁ)

金髪女「あの……。男くん、もしかして」

金髪女「先輩や誰かにやられたの……?」

「そ、そんなことはないよッ!!」

「そ、それじゃ……。じゃーねっ!」

金髪女「あ、男くんっ!」

32 : 以下、\... - 2016/04/19 16:47:44.436 BpTp+/TU0 17/43

 [翌日]

風紀委員「よーしいい子だ。ちゃんと持ってきたんだなァ?」

「……」

「あの、それが……。今月は仕送りが少なくて……。結構カツカツなんですよ……」

風紀委員「……」

風紀委員「あんだぁとぉ!?」

(あー……。終わった)

風紀委員「てめぇに拒否権はねーって言っただろうがァ!」

 バキッ

風紀委員「てめぇはッ!」

 ドゴォッ

風紀委員「俺の言いなりに」

 ドンッ

風紀委員「なってりゃいいんだよォッ!!」

 ドカッ

「う゛……。がは……」

風紀委員「ちっ! 異常なまでに丈夫な奴だぜっ!」

風紀委員「明日は必ず持ってこい! いいなァッ!?」

「はぁ……。今日のところはこれで終わり……かな」

34 : 以下、\... - 2016/04/19 16:59:55.296 BpTp+/TU0 18/43

 [教室]

「……」ボロボロ

不良女「……ッ!?」

不良女「お、男……!?」

不良女「おめぇ、またっ――」

金髪女「男くぅんっ!!」

「あ、金髪さん……」

金髪女「どうしてこんな……!」

金髪女「保健室、行くよ?」

不良女「お、おいッ!」

不良女「ちょっと待てっ――」

 [保健室]

金髪女「保健医の先生、いないね……」

金髪女「見せて?」

「ほんとにごめん……」

不良女「おい、お前」

「……」

不良女「もしかして、あの豚野郎にやられたのか」

「い、いや――」

不良女「なるほどな」

不良女「ぶっ飛ばしてやるぜ」

「それは駄目だッ!!」

不良女「お前……」

「駄目だ……。あの人たちに逆らったら」

「女さんの身も危ないッ!」

37 : 以下、\... - 2016/04/19 17:08:28.608 BpTp+/TU0 19/43

不良女「そんなこと言ってられるかッ!」

不良女「てめぇには借りがある!」

不良女「そして、アタシはあいつらが気に食わないッ!」

不良女「今度こそは許さ――」

「いいんだ!」

不良女「……」

「いいんだ……。俺は……」

「この通り、体だけは無駄に丈夫だからさっ! ははっ……」

不良女「男……」

「あの人もその内飽きるだろうし、大丈夫だよ」

「それまで耐えれば……」

不良女「耐える耐えるって……。てめぇはドMかよ……」

金髪女「――少しジッとしててね?」

不良女「……ッ!!」

不良女「金髪、てめぇ……」

不良女「治癒能力……。それがてめぇのニルヴァーナか」

金髪女「ええ……」

(この前もそうだったけど――徐々に傷が治っていく)

金髪女「Fランクだからぁ、治癒速度は遅いけど……」

金髪女「でも、ないよりはマシでしょ?」

「本当に……本当にありがとう」

不良女「……」

金髪女「でも――このままじゃまずいわ」

金髪女「なんとかしないと……男くんが……」

「そ、それは……」

不良女「そうだ、アタシがぶっ飛ばしてくる」

不良女「それで全部解決するじゃねぇかっ!」

40 : 以下、\... - 2016/04/19 17:19:40.420 BpTp+/TU0 20/43

「だから、それだけは駄目だって……」

不良女「どうしてだよッ!?」

不良女「アタシの力が信用できねぇのかッ?」

「そういうわけじゃない」

(まあ、それも多少はあるけど)

「もしこれで女さんが目をつけられたら」

不良女「またぶっ飛ばすだけだッ」

「あの人も言っていた――Fランクの俺たちの悲鳴は上の人間には聞こえないって」

「もし上の人間に事実を曲げられて、俺たちが『悪』だとされてしまったなら」

「最悪、この学院を辞めさせられるかもしれない」

不良女「でも……!」

金髪女「それじゃ、先生に――」

「それも同じだ」

「自分のことは自分でなんとかしろ」

「それが教師陣共通の理念だ」

「つまり……。勝てば官軍負ければ賊軍」

「この世の摂理と同じ」

金髪女「じゃあ……男くんは……」

「俺は……」

「大丈夫だよ。さっきも言ったけど」

「その内飽きると思うし」

「いつも迷惑かけてごめんね――それじゃ、ありがとう」

不良女「お、おいッ!」

43 : 以下、\... - 2016/04/19 17:31:14.738 BpTp+/TU0 21/43

 [翌日]

「……」

風紀委員「連れてきました」

???「おう、ご苦労だ」

(何だ? 今日はまだ殴られないぞ……?)

「あの、あなたたちは……」

アニキ「俺の名前は『風紀委員のカマイタチ』こと、『アニキ』だ」

「そして僕は『カマイタチの弟分』こと、『弟』だっ」

アニキ「「二人合わせて」」

アニキ「「カマイタチブラザーズだッ!!」」

「お……。あ、はい……」

アニキ「それで、あいつから『おもしれぇ奴がいる』って聞いてな」

「連れてきてもらったわけ」

「は、はい……」

(どういう目的だ?)

アニキ「それで、君の能力は何だ?」

「あ、あの……。身体能力の強化ですかね」

「具体的には?」

「体が……ちょこっと丈夫になるだけです」

アニキ「ぷ」

「アッハッハッハッ!」

45 : 以下、\... - 2016/04/19 17:39:24.307 BpTp+/TU0 22/43

アニキ「こりゃー愉快だっ!」

「確かに面白いっ!」

「……」

アニキ「分かった分かった」

「それじゃ、帰っていいよ?」

「――ッ!?」

(どういうことだ!?)

風紀委員「あ、アニキッ!?」

風紀委員「こ、こいつはさっき申し上げた通り……生意気な奴でして……!」

アニキ「……」

「まぁまぁ」

アニキ「君、うちの部下が迷惑かけたね」

「……!?」

風紀委員「あ、アニキッ!?」

アニキ「今後、もしこいつが君に手を出したら――すぐに俺か弟へ言ってくれ」

「うん」

風紀委員「えっ――えっ!?」

アニキ「もう君に迷惑をかけない……。すまなかった」

「それじゃ、帰っていいよー。ごめんねー」

「は……はい」

(どういうことだッ!?)

アニキ「気を付けて帰れよぉー」

「気を付けて……ねっ。ふふっ」

46 : 以下、\... - 2016/04/19 17:47:55.649 BpTp+/TU0 23/43

(あれから数日――俺は風紀委員の先輩から嫌がらせを受けることはなくなった)

(どういうわけか知らないが……。やはり耐えるしかないのだ)

(それが俺の能力なのだから……)

「あ、女さん――おはよう」

不良女「……」

「女さん?」

不良女「ん?」

不良女「あ、ああ……」

(どうしたんだ?)

不良女「お前、もう大丈夫なのか?」

「……?」

「う、うん……。もう大丈夫だよ」

不良女「そうか……。そりゃー良かった」

不良女「ところで――」

「……?」

不良女「あの巨乳女、今日は休みか?」

「きょ、巨乳っ!?」

不良女「金髪女のことだよ」

「お、おう……」

「そういえば……。いつもはもう来ている時間だけど」

「金髪さん……。まだ来てないね」

 ピロン♪

「――ッ!?」

48 : 以下、\... - 2016/04/19 17:57:18.955 BpTp+/TU0 24/43

(俺のスマホ――何だ!?)

「金髪さんから……?」

不良女「巨乳女からだって……!?」

「い、いやいや違うっ!! 何でもないっ!!」

(そ、そんな馬鹿な……!!)

「や、やべぇ腹痛ぇ! 俺トイレ行ってくるわッ!」

不良女「お、おいッ!」

(大変だ)

(確かに金髪さんからのメール)

(だけど――○○公園で待っているよ。風紀委員より)

(という文面ッ)

(どうして金髪さんがッ!!)

(嫌な予感しかしないッ!)

(行かなくちゃ――)

不良女「あの野郎……。ク○くらい家出る前にしとけってんだ」

不良女「……ッ」

不良女「バレバレだっつーの――せめて抜け出すなら」

不良女「正門じゃなくて裏門から出ろっつーの」

不良女「男、こっから丸見えだぞお前……」

50 : 以下、\... - 2016/04/19 18:07:03.133 BpTp+/TU0 25/43

 [とある公園]

「はぁ……はぁ……」

アニキ「おー、やっぱ来たなぁ」

「待ってたよー、男くん」

金髪女「男くん……!!」

「こ、これは一体……!!」

風紀委員「ひゃっはぁあああああああ!!!!」

風紀委員「飛んで火に入るなんとやらだなぁっ!!」

「……ッ!!」

アニキ「まぁー、簡単な話だ」

「君の能力が面白そうだったんで、ちょっと実験がしたくなってねぇ」

「じ、実験……?」

アニキ「俺の能力、その技術を磨くための実験さ」

「単刀直入に言えば、新しい技の実験台になって欲しいってこと」

「……!!」

「それならどうして金髪さんがッ!!」

アニキ「まぁ、それは『余興』ってやつだ」

「はっはっはっはっ!!!!」

風紀委員「こりゃー必見だッ! アニキたちの華麗な技が見れるッ!」

風紀委員「さすがカマイタチブラザーズだぜぇッ! くぅうううううううううッ!」

「そ、そんな……!!」

金髪女「男くん……! 逃げてッ!」

54 : 以下、\... - 2016/04/19 18:24:51.372 BpTp+/TU0 26/43

アニキ「まぁーありきたりな展開ってやつだ」

「ここで逃げたら――分かるね」スッ

金髪女「くっ……!」

風紀委員「この女ァでけぇ乳してんなぁッ! 揉みてぇなァッ!」

(確かに俺も揉みた――じゃねぇ!)

アニキ「さぁ、どうする?」

「俺はッ……!」

「と言っても」

アニキ「君に選択肢はないんだけどねぇ――!」

「――ッ!?」

 スパッ!

「こ……れ……は……ッ」

アニキ「さぁて、どこまで耐えられるかなァ?」

「僕たちの『神速』に――」

 スパァッ!

「ぐぅう゛ッ!!」

(姿を捉えられないッ!!)

アニキ「何が起きたか分かんねぇ――そんなツラしてるなァッ!!」

「僕たちは親切だから教えてあげようッ!」

アニキ「神速――それが俺たちのニルヴァーナッ!」

「己の移動スピードを極限まで上昇させるッ!」

58 : 以下、\... - 2016/04/19 18:39:31.692 bryHYOG00 27/43

アニキ「一見あまり役に立たねぇと思うだろッ!?」

「だけどッ――」

 スパッ!

アニキ「こうやって刃物でちょっとだけなぞってやるだけでも」

「速度を伴った必殺の一撃に早変わりッ!

アニキ「そう、これがカマイタチの由来ッ!」

「君の体がいくら頑丈でもッ」

アニキ「極限のスピードを伴った神速の斬撃にどこまで耐えられるかなァッ!!」

 ズバァッ!

「う゛ッ……!」

アニキ「逃げろよォッ! どうしたァッ!」

「といっても、このスピードからは逃れられないかなァッ!?」

アニキ「Fラン風情が無理だよなァッ!?」

 ズバッ!

「ア゛ッ……!!」

金髪女「男くんッ!!」

アニキ「なかなか頑丈だなァッ!!」

「これはやりがいがあるねぇッ!!」

(クソッ……!!)

(速いとかそんな生易しい次元じゃねぇッ)

(これは――まるで刹那の刻)

(いや、刹那よりも短い空間に閉じ込められているッ)

(速すぎて――止まっているみたいだッ)

(ここには止まった事実しかないッ! 俺が切り刻まれているという事実があるのみッ!!)

63 : 以下、\... - 2016/04/19 18:51:11.668 bryHYOG00 28/43

「グハァッ!!」

アニキ「俺たちが疲れて止まるか」

「君が出血多量で死ぬか」

アニキ「根競べと行こうじゃねぇかァッ!!」

(根競べ――そこまでもてばいい方か)

(打撃ならともかく……いくら丈夫でも斬撃とくりゃ)

(もう――俺は)

金髪女「もう……もうやめてぇッ!!」

風紀委員「女は黙っとれい!!」

金髪女「きゃっ……!!」ポヨン

「――ッ!!」

(女さん……!!)

「俺が耐えれば――」

アニキ「ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらァッ!!」

「まだまだまだァッ!!」

「ぐああああああッ!!」

「俺が……耐えれば……」

 (てめぇは何のために生まれてきたんだよッ!!)

「俺が……」

風紀委員「ひゃっはあああああああああああああああッ!!」

「おれ……が……」

 (やられっ放しでいいのかよッ!)

「おれ……は……」

「おれ……だって……」

「やられっ放しじゃ――終われねぇよおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」

アニキ「死ねえええええええええええええええええええええええええッ!!!!」

68 : 以下、\... - 2016/04/19 19:00:41.279 bryHYOG00 29/43

アニキ「攻撃は最大の防御になるがァッ」

「防御だけじゃ勝てないんだよォッ!!」

アニキ「攻撃があって初めて防御は成立するゥ!!」

「って言っても」

アニキ「てめーは防御すらできてねぇがなッ!!」

アニキ「そろそろ死ねええええええええええええええええッ!!」

「――ッ」

 スッ

アニキ「――ッ」

「――ッ!?」

「確かに、俺は防御すらできていなかった」

「だけど、言うだろ?」

「ノーガード戦法ってね」

「ま、あれは防御を捨てて回避に特化させたスタイルだから」

「こんなに被弾している時点で失敗だが」

「ともかく、根競べだっけか」

「俺の勝ちでしたねェ、先輩」ニヤッ

アニキ「なっ――」

「んだとッ……!!」

金髪女「男くんがッ」

風紀委員「神速のカマイタチブラザーズを捕まえただとォッ!?」

アニキ「そ、そんな――」

「は、離せぇッ!!」

「神のスピード、捕らえたぜッ」ニヤリ

73 : 以下、\... - 2016/04/19 19:12:53.931 bryHYOG00 30/43

アニキ「ど、どうしてッ……!!」

「僕たちの神速が捕まるはずがないッ!!」

「何が起こったか分かんねぇ――そんなツラしてるみたいなんで、教えてあげますよ」

「俺は親切なんで」

アニキ「て、てめぇッ!!」

「まず一つ」

「慣れですよ」

「慣れ……だと……?」

「人間ってのは不思議な生き物だ」

「未知の領域に遭遇しても、ある程度回数を重ねれば慣れてしまう」

アニキ「だが――例え慣れても反応できるかは別だッ!!」

「その通り」

「二つ目はタイミング」

「タイミング……だと……?」

「そう、先輩たちの攻撃のタイミングですよ」

「一撃目は必ずアニキさん、二撃目は弟さん。その間のタイミング――」

アニキ「慣れてもタイミングを掴んでも、目にもとまらぬ速さの前には意味がないはずだッ!!」

「そう、だから――三つ目はパターンだッ」

「ぱ、パターン……!?」

76 : 以下、\... - 2016/04/19 19:23:10.307 bryHYOG00 31/43

「一撃目は必ずアニキさん、二撃目は弟さん」

「そのローテーション、三回目、六回目、九回目――三の倍数で必ず強い一撃を入れる」

「その一撃の間、力をためるせいで大幅に速度は落ちる」

「更に、先輩たちは『神のスピード』で移動してますから」

「その速度でお互いに衝突したら大変だ」

「だから、お互いを気遣って『パターン』や『コンビネーション』を大事にする」

「例えば――一回目は胴体、二回目は右腕、三回目は左腕というふうに。それの繰り返しだ」

アニキ「……ッ!!」

「そして、いずれも正面からしか攻撃してこない」

「――ッ!!」

79 : 以下、\... - 2016/04/19 19:31:41.281 bryHYOG00 32/43

「あと四つ目は――運かな」

アニキ「運……だと……?」

「ええ」

「慣れ、タイミング、パターン」

「それを全部読んだ上で、あとは運頼みです」

「どうやら幸運の女神は振り向いてくれたようだ」

「確かに先輩たちの能力は優秀なものかもしれない」

「だけど、能力に溺れて……能力に呑まれてしまいましたねッ」

アニキ「――ッ!!」

「能力は使いこなせて初めて能力となりうる」

「先輩たちは能力を使っていたのではなく」

「能力に使われていたということですね」

アニキ「なん……だとォ……!!」

「俺だけにちょっかい出すならまだ良かった」

「だが……。こんな出来そこないの俺でもッ!!」

「人質を取るような卑怯な奴らにッ!」

「負けたくねぇッ!」

「俺は耐えるッ!」

「耐えて生き抜き」

「勝利を掴むッ!!」

「認めるさッ! 俺だってやられっ放しじゃ終われねェッ!!」

82 : 以下、\... - 2016/04/19 19:40:47.479 bryHYOG00 33/43

アニキ「……」

アニキ「ハッハッハッ!!」

「……」

アニキ「それがどうしたァッ!!」

「勝ったと思ったら大間違いだぜぇッ!?」

アニキ「お前が不利な状況には変わりないんだぜ?」

「……ッ」

「こんなヒョロヒョロな体のどこにそんな力があるのか知らないけど」

アニキ「しかも、切り刻まれた状態で」

「だけど――君は両手を埋めてしまっている」

アニキ「俺たちを精一杯掴んでいるその両手」

「離せば、すなわち死が待っている」

アニキ「そして、離さなくても――」

「僕たちの両手は空いている」

アニキ「拘束したのはいいが」

アニキ「俺たちのこの刃物でグサリとやられたら」

「君の体はどこまで耐えられるかなぁッ!?」

「――ッ!!」

83 : 以下、\... - 2016/04/19 19:51:32.392 bryHYOG00 34/43

アニキ「かえって手間が省けたなァ!!」

「君が僕たちを捕まえたんじゃない」

アニキ「てめーが俺たちに捕まったのさァッ!!」

「……ッ!!」

アニキ「今度こそ死ねえええええええええええええええええええ!!!!」

(それでも俺は――この手を離さないッ!!)

(耐えて生き抜く)

(それがこの俺の能力……生き方だッ!!)

(どんなにボロボロになろうと)

(最後に立っていた者が勝ちなのだァッ!!)

「死ねッ! このアホゥがぁッ!!」

 グサリッ

「――ッ!!」

アニキ「どこまで耐えられるかなァッ!?」

「ほらほらほらァッ!!」

 グリグリ

「ぐあああああああjふぁs:jfwjffgjw」gfj@g」

金髪女「嫌ぁああああああああああああああああああああッ!!」

風紀委員「残酷だァッ!! 残酷すぎるゥッ!! さすがカマイタチブラザーズだぜェッ!!」

「た゛え゛て゛……!」

「い゛き゛ぬ゛く゛……!!」

「グハッ……!!」

アニキ「しぶとい奴めぇッ!!」

「いい加減死ねェッ!!」

???「よく言った――男」

85 : 以下、\... - 2016/04/19 20:04:39.721 bryHYOG00 35/43

アニキ「――ッ!?」

「なッ……!?」

不良女「てめぇのやり方は気に食わねぇけど――それでもてめぇは漢(おとこ)だ」

「お、遅すぎグフゥッ!! カハッ!!」

金髪女「嫌ぁあああああああああああああああああああ!!」

風紀委員「女は黙っとれい!!」ポヨン

(あの乳に誓ってッ!! まだ死ぬわけにはァッ!!)

不良女「てめぇが行先告げずに出て行くからだマヌケがッ」

不良女「でも……遅れて悪かったな」

不良女「だいぶやられてるみてぇだが」

不良女「死んだら許さねぇ」

「そんな……無茶な……」

不良女「まだ借りを返してねぇーからなぁッ」ポキポキ

アニキ「ひっ――」

「は、離せぇッ!!」

「何があっても離しませんよッ……」

「俺に深く突き刺したのが運の尽きでしたね」

(だが――いくら俺でもそろそろ)

「へへッ、地獄で会いましょう」

不良女「てめぇらに見せてやる」

不良女「アタシのニルヴァーナも身体能力の強化だ」

不良女「超スピードでもなんでもねぇ、たった一つのシンプルな能力さ」

アニキ「シンプルだとォッ……!?」

不良女「そうだ」

不良女「この拳でてめぇーらをぶちのめす」

不良女「シンプルな能力さッ!!」

不良女「男、よく頑張ったな――遅れてすまん」

88 : 以下、\... - 2016/04/19 20:17:28.035 bryHYOG00 36/43

不良女「まずはそいつを離せ」

「あ、あぁ……」パッ

アニキ「ひ、に、逃げ――」

不良女「オラァッ!!」

 ズドォオオオオオオオンッ!!

アニキ「ひでぶッ!!」

不良女「能力ってのは、己の性格によって決まる部分もあるとか――」

不良女「感謝しねーとな」

不良女「アタシの拳(のうりょく)で」

不良女「てめぇをぶちのめせることにッ!!」

不良女「いくぜえええええええええええええええええええええっ!!!!」

不良女「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラУраaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

ズガガガガガガガガッガガガガガガガガッガガガガガガガガガガガガガ

アニキ「ぎぱwjgwjgw」jo@gj@wgkwgk@kgkgッ!!!!」

不良女「次は――てめぇだな」

「ひいいいいいいいいいいいいいいいいッ!!!! ゆ、許して何でもするからァッ!!」

不良女「調子に乗るんじゃあぁねぇえええぞッ!!」

不良女「行くぜええええええええええええええええええええええ」

89 : 以下、\... - 2016/04/19 20:25:56.947 bryHYOG00 37/43

不良女「うおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああッ!!」

不良女「ウラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!

「gjわpj:gfwjkg@kw@」kgw@kgxtuッ!?」

不良女「さてと――」

風紀委員「や、こ、こいつがどうなってもいいのかよォッ!!」

金髪女「きゃあッ!!」ポヨン

不良女「男、生きてるか?」

「なんとか……な……」

不良女「お前は、もっと自分を大切にしろ」

不良女「お前のやり方は」

不良女「お前が傷つくだけじゃあぁねぇ」

「……?」

不良女「お前にとって大切な人とか、お前のことを大切に思ってる人間も傷つけちまう」

「……」

「あ、ああ……」

不良女「ま、さっさとお前をどうにかしないと死んじまう」

不良女「だから、早いとここいつを片付けちまわねーと」

風紀委員「ひ、ひいいいいッ!!」

風紀委員「お、俺は見逃して――」

不良女「調子に乗るんじゃあぁねぇええッ!!」

不良女「自分だけ助かろうってか? アタシはてめーみてーな奴が一番嫌いなんだ」

不良女「さぁて――」

「待ってくれ……」

不良女「……?」

「この人は――俺にやらせてくれ」

不良女「……!!」

不良女「ああッ」

90 : 以下、\... - 2016/04/19 20:32:54.520 bryHYOG00 38/43

風紀委員「だ、だからこいつがどうなっても――」

不良女「しゃらくせえええええええええええええええええええええッ!!!!」

不良女「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラッ!!」

不良女「ウラアアアアアアアアアアッ!!」

 ズゴゴゴゴゴゴゴッ

風紀委員「ぐはぁッ……! バベポッ! エグチッ! チキチーッ!」

「耐えて生き抜け」

「最後に、リングに立っていた奴が勝者だ」

「俺は――勝者になるッ!!!!」

「ウラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!

風紀委員「wfがhjfgjうぃpjgfwpjギガマックッッッッッッ!!!!」チーン

94 : 以下、\... - 2016/04/19 20:43:58.420 bryHYOG00 39/43

「はぁ……はぁ……」

「やった……ぜ……」

「俺でも……勝てた……ぜ……」

「俺……でも……」

 バタンッ

不良女「お、男ォッ!!」

不良女「おい巨乳ッ!!」

金髪女「巨乳ゥッ!?」

不良女「こいつを早く治癒しろッ!!」

金髪女「は、はい――」ポワアアアアアアアアン

金髪女「ひ、酷いッ……!!」

不良女「どうだ? 治りそうかッ!?」

金髪女「ふ、普通の人だったらとっくに死んでますぅッ!!」

金髪女「きゅ、救急車を呼んで下さいッ!!」

金髪女「私だけじゃ無理ですッ!!」

金髪女「止血と多少の治癒でなんとか死なないようにすることしかできませんっ!」

金髪女「ですから救急車をッ!!」

不良女「お、おうッ!!」

金髪女「救急車が来るまで……!! お願い!!」

金髪女「死なないで男さんッ!!」

「お……おっぱいが……目の前……」

「大きなおっぱい……幸せ……」

金髪女「生きて帰って来られたらいくらでも揉み揉みしていいからぁッ!! 頑張ってぇ!!」

「もみ……もみ……からあげおいしくつくるなら……もみもみぃ……」

不良女「てめぇ巨乳好きかよッ!?」

不良女「巨乳○ねッ!!」

金髪女「何でぇッ!?」

 ウウウウウウウウウウウウウウウ ピーポーピーポー

98 : 以下、\... - 2016/04/19 20:54:44.569 bryHYOG00 40/43

 [それから――]

風紀委員長「本当に、申し訳ございません――私の部下が」

生徒会長「まあ、いいよー」

生徒会長「うちに弱い人間はいらないからねー」

生徒会長「その代わり悪いけど君の部下には退学ってことでー。よろしくちゃん」

風紀委員長「はっ――!!」

生徒会長「それにしても――面白いねぇ」

風紀委員長「面白い……ですか?」

生徒会長「うん。例のFクラスの」

風紀委員長「男と女という生徒ですね……?」

生徒会長「うん。まあ君のその部下も所詮はCクラスの人間だったけど……カマイタチだっけ」

風紀委員長「……」

生徒会長「FクラスがCクラスを倒しちゃうなんてねぇ」

生徒会長「何でFクラスなんだろぉー。なんちゃって」

生徒会長「ま、学内対抗戦が楽しみだねぇ」

風紀委員長「ええ……」

102 : 以下、\... - 2016/04/19 21:03:07.901 bryHYOG00 41/43

生徒「おい、邪魔だFラン」

「……ッ」

「はぁ……」

(あれから――俺は回復した。結構なスピードで)

(金髪さんの能力と、俺のやけにしぶとい体と、病院での集中治療のおかげで)

(一時は『大事件が起こった』とか騒然となったらしいけど)

(学院の能力なのか、誰かの能力によるものなのか)

(あの騒動は火消しされ、もみ消され、なかったものになったらしい)

(それと引き換えに、学院は騒動を起こしたあの人たちを退学処分にしたり、俺の治療費とか全部負担してくれたり)

(Fランのこの俺なんかのために――そこがまた怖いところだが)

(ともかく……生きて帰ってこられたのだから、これ以上の喜びはない)

(生きて帰ってこられたら――あれ? なんか重要なことを忘れているような)

「まぁ、いいかっ」

不良女「おう、男」

「あっ」

「お、おはよう女さん」

不良女「うっす」

金髪女「おはよう男くん」

「おはよう金髪さん」

106 : 以下、\... - 2016/04/19 21:11:03.787 bryHYOG00 42/43

不良女「男、今日は放課後あそこ行くぞッ!」

「あそこ?」

不良女「だからッ! 前言っただろォッ!?」

「ごめん何だっけ……」

不良女「ほら……ツァスタバで新メニューのフラペチーノだかアルパチーノを飲むって!」

「ああ……。ってかツァスタバとか物騒な名前のカフェだな」

金髪女「あら女さん、ツァスタバ行くのぉ?」

不良女「ん、な、なんだよわりーかよ」

金髪女「女さんもボーイッシュな見た目とは裏腹に、かわいいところあるのねぇ♪」

不良女「か、かわ、かわわわ……かわいい……だとッ!?」

金髪女「ええ♪」

金髪女「ねぇ? 男くん?」

「あ、お、おう……」

不良女「う、う、うるせえええええええッ!! くぅあわいいとか言うなッ!!」

不良女「この牛乳ッ!! ホルスタインッ!! 乳牛ッ!!」

金髪女「えぇッ!? 酷いッ!!」

110 : 以下、\... - 2016/04/19 21:21:10.646 bryHYOG00 43/43

不良女「ったく……」

 キーンコーン

不良女「はぁー、授業だりー」

「……」

(このクラスは、はっきり言って異常だ)

(意欲も向上心も情熱も何もかも――怠惰しか存在しない)

(だけど――このクラスには狼が一匹存在している)

(己の正義を貫き、何者にも流されない一匹狼)

不良女「んだよ」

(しかし――別の言い方をすれば、群れからはぐれた狼)

(彼女曰く『群れないと生きていけないなら、一匹狼の方が良い』ということだが)

(狼は本来群れを成して生活する動物であり、一匹で生きていくのは困難だ)

(だから……そんな危うい彼女を)

(ささやかに、ちょっぴり……見守っていけたらと勝手に思っている)

不良女「チラチラ見てんじゃあねえぞッ」

 ドゴッ!

「た、耐えて……」

「俺は、耐えて生き抜くぞ……」







 終

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