1 : 以下、?... - 2019/02/18 03:01:19.879 6LEJwL0h0 1/31

「とか言って、週1回はここに来るよね?」

「それは俺がケガしがちだからだ」

「むしろ俺がいつ保健室に来てもお前がいる方がおかしい」

「私は保健室の妖精だからねー」

「意味わかn…いってぇ!」

女先生「ちょっとしみるよー」

「先生言うの遅いっすよ!」

「あはは」

元スレ
女「あはは、また私に会いに来たの?」男「いや違うから」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1550426479/

2 : 以下、?... - 2019/02/18 03:05:07.217 6LEJwL0h0 2/31

「今日もケガー?」

「科学の実験で試験管割ってその破片で」

「これはもう私に会いに来てるようなものだよね?」

「いいあ、そもそも保健室に行くときに女先生以外の人がいる必要ないから」

女先生「あらやだ男くんったらどういう意味ー!?」ギュウ

「いたっ!先生!そこ切ったとこだから!」

「あはは」

3 : 以下、?... - 2019/02/18 03:09:25.188 6LEJwL0h0 3/31

「今日はねんざね。1年ですべてのケガを制覇できそうだね!」

「縁起でもない」

「最近ケガの頻度上がってるけど?」

「球技大会が近いから休み時間に練習してるんだよ」

「へー、なにやるの?」

「バスケだよ」

「じゃあ突き指するところ見に行こっかなー」

「縁起でもない」

「うそうそ、私は保健室の妖精だから体育館には行けないからねー」

「その設定続くんだ」

6 : 以下、?... - 2019/02/18 03:13:24.085 6LEJwL0h0 4/31

「それにしてもお前こそいつも保健室にいるよな」

「保健室なんて遊びに行くところだよ?」

「小学生か」

「女子のたまり場になってたりするよね」

「それは中学校あるあるだろ」

「それともなに?いたら迷惑なのー?」

女先生「お邪魔は私かと思ってたけど♡」

「どっちも違うけど…」

7 : 以下、?... - 2019/02/18 03:19:55.639 6LEJwL0h0 5/31

女先生「…はい、これでよし」ペチペチ

「あああ!処置したとこしばかないでくださいよ!」

「あはは、声大きすぎ」

ガラガラ

「おいマンソー!次実験室だぞー」

「さんきゅ、今行く!」

「…待って!」

「?」

「いかないで…最後に聞かせてほしいの…」

「な、なんだよ」

「マンソーって…満身創痍って意味のあだ名?」ゲラゲラ

「うっせ!待って損したわ!」ガラガラ

女先生「男くん、学年中からマンソーって呼ばれてるのよ~」

「ぴったりですねー」

9 : 以下、?... - 2019/02/18 03:27:01.106 6LEJwL0h0 6/31

「おはようマンソーくん、今日は球技大会だね」

「おはよう保健室の妖精さん、妖精さんは何に出るの?」

「私はいつ男くんがケガしてもいいように保健室で待機してます!」

「なんだいつも通りか」

「何度でも会いに来てね♡」

「何度も来てたら死んでしまうわ」

「確かに、保健室にいる時間が長い人は死に近い人なのかも!?」

「そこまでは言わないけど…じゃ、行ってくるよ」ガラガラ

(・・・・・・)

(あれ?男くん朝からどこケガして保健室に来たんだろ)

10 : 以下、?... - 2019/02/18 03:30:55.749 6LEJwL0h0 7/31

「お前のチーム準優勝かよ、やるじゃん」

「今日は珍しく怪我せずにバスケができて楽しかったよ」

「そのおかげで保健室に行けず、女先生のお世話になれなかったな?www」

「俺は女先生に会いに保健室に行ってるわけじゃねーっての」

(そういえば、結局体育館で女を見かけなかったな…)

11 : 以下、?... - 2019/02/18 03:42:05.931 6LEJwL0h0 8/31

「一体何してたってのさ!」

「いや普通にバスケしてたんだけど…」

「私が保健室の妖精で保健室から出られないことを知ってるんだから、帰る前くらい報告に来なよ!」

「おまけに球技大会の翌日から3連休で、私はずっとさみs…」

「ずっと球技大会の結果が気になってたんだからね!?」

「友達か誰かにラインで聞けばいいだろそんなの」

「私は妖精だからラインとかしてません!!」

「どうしろっての」

「男くんがケガで保健室に来ないときはさらに重大な事故で死んじゃってる可能性もあるし、私の連絡先を教えます」カキカキ

「勝手に殺すな、人はそんな簡単に死なねーよ」

「…それはわからないよー?」カキカキ

「もしかしてこれ、メアド?」

「ガラケーなの!だからメアドで頼むよ」

「最近の妖精はメールくらい扱えるんだな、なるほど」

「ケガしなかった日は私に生存報告をすること!いいね?」

「…はいはい」

「あはは、素直素直」

13 : 以下、?... - 2019/02/18 03:48:59.482 6LEJwL0h0 9/31

「もうじき中間テストですねー」

女先生「この時期はテスト問題作るのが大変で大変で…それなのに仕事を増やしに来る生徒もいるし」

「いやっ俺は不可抗力っすから!」

「今度から私が男くんの手当てをしましょうか?」

女先生「まあ、それは助かるわ!」

「いや素人にさせちゃだめでしょ!」

「こうして男くんの手当て現場を見てると、学校で起こりうるケガの手当て方法をだいたい覚えちゃうから大丈夫!」

女先生「それは保健体育教師の名に懸けて保証するわ」

女先生「今度からケガしても私を呼ばずに保健室入っていいからね、男くん」

「はぁ…」

14 : 以下、?... - 2019/02/18 03:57:49.998 6LEJwL0h0 10/31

ピロリン

「あ、メールだ」

『そういえばあれから毎日保健室行って、メール送ってなかったから俺のメアドわからなかったと思うから』

「なんかそっけない」ムゥ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ユワッシャー!

「お、返ってきた?」

『誰からかわからないメールが来て怖いです。もしかしてマンソーくんですか?』

「くっそこいつ…わかってんじゃねーかこのやろ、っと」

「ほんっと何考えてるのかわかんないよなー。いつも保健室にいるし」

15 : 以下、?... - 2019/02/18 04:08:20.203 6LEJwL0h0 11/31

「本当に女先生呼ばずに入ってもいいのかな…」ガラガラ

「へいらっしゃい!バンドエイドにしやすか?それともハマチで?」

「…火傷なんで氷塊出してくれ」

「そこは『なぜその二択!?』とかつっこみどころがあるじゃん!」

「おう怪我人に多くを求めるな」

「あーそういえば現代文の先生がさ、女性の言う『仕事と私どっちが大切なの!?』は『数学とチャーハンはどっちが好きですか』って言ってるようなもんって語ってたなあ」

「チャーハンが何よりも好きって話?」

「比較するものじゃないって意味だと思うけど…あの先生、どのクラスでもこの話するって聞いたけど知らないの?」

「しらないよ、私いっつも授業聞いてないもん」

「ちゃんと聞かないと受験ヤバいだろ、もう今年だぞ」

「まあね~」

16 : 以下、?... - 2019/02/18 04:12:30.248 6LEJwL0h0 12/31

「それよりさ」

「?」

「今って私たち、二人っきりだよね?」

「…それが?」

「保健室。きれいなベッドのある部屋で若い男女が見つめ合う」

「バンドエイドにする?ハマチにする?それとも、わ・た・し?」

「前二つの選択肢のおかげで冷静になれたよありがとう」

「あはは、ざんねーん」

18 : 以下、?... - 2019/02/18 04:18:24.264 6LEJwL0h0 13/31

「つかベッドの布団乱れてるし明らかに人が使った形跡があってきれいとはいいがたいけど」

「何に使ったんだろね?」

「保健室からつまみ出すぞ」

「ところでさ、中間テストの勉強手伝ってよ」

「いいけど…放課後に図書室でも行くのか?」

「さっきから保健室の妖精を保健室から出そうとしない!ここでやるんだよ」

「またその設定?まあいいけど」

19 : 以下、?... - 2019/02/18 04:24:56.751 6LEJwL0h0 14/31

「マンソー最近毎日保健室行ってるけどさ…」

「あ、いや、怪我したとき以外にも絆創膏もらいに行ったりさ」

「別に女先生がどうこういわねーよw」

「ただ、このペースでケガしてたら常人なら死ぬんじゃねーのwww」

「だから、擦り傷や捻挫や火傷で人は死なねーって」

「そりゃ簡単に人は死なないけどさ、あえてこの学校で一番死に近い人間を挙げるとするなら、一番保健室にいる時間が長いお前じゃんwww」

「いや俺は一番じゃないし…」

(・・・・・・)

20 : 以下、?... - 2019/02/18 04:31:14.619 6LEJwL0h0 15/31

「みてみてー!これも満点、これも満点!これはちょっとミスったなー」

「なんで教えてた俺よりはるかに優秀なんだよ…」

「女の子は縁起が上手なんだよ?気を付けよーね♡」

「俺の自分の勉強時間を返せー!!」

「男くんが自信満々に教えてくれた公式間違ってたんだよねー、あ、テストでも間違えたままだwww」

「聞けよ」

「いつもは苦しいテスト期間、今回は楽しかったね!」

「え?…ああ、うん」

「あはは、ちょろ~」

21 : 以下、?... - 2019/02/18 04:40:41.494 6LEJwL0h0 16/31

「女先生」

女先生「マンソーどうしたの?」

「女さんって、大丈夫なんですか?」

女先生「え?…」

「いつも保健室にいて、全員参加の球技大会も出てないみたいだし、そもそも教室で授業受けてるんですか?」

女先生「あなたたちのことだから、直接話してると思ってたんだけど」

「直接聞いて、今まで通り関われなくなったらと思うと」

女先生「そうね、女さんからは誰にも口外してほしくないと言われているから、今お話しすることはできないわ」

女先生「男くんになら話してもいいって女さんも言うかもしれないけれど、それは確認しなくちゃわからない」

女先生「でもその確認をしてしまうと、今度は男くんが今まで通り関われなくなって困るかもしれないわね」

女先生「つまりどういうことか、わかる?」

「聞きたければ自分の口から…聞きます」

女先生「そうね、応援してるわよ」

22 : 以下、?... - 2019/02/18 04:48:45.729 6LEJwL0h0 17/31

「あのさー」

「うんうん、次の期末テストは何か賭けようって?望むところだよ!」

「違うけど…ちょっと聞きたいことがあって」

「81…59…えーと忘れたなあ、今から測るか」 

「ちょちょちょそういうのはいいから」

「彼氏もいません」

「あーもう、真剣な質問だったのに何だったか忘れたじゃん」

「あはは、忘れるってことは真剣じゃないんだよー」

「授業の時間になっちゃうし。じゃーなまた明日」ガラガラ

「ばいばーい!」

「…ゴホッゴホッ……ちょっとはしゃぎすぎちゃったかなあ」

「あんな真剣な顔されちゃったら怖くて困るよねぇ…」

24 : 以下、?... - 2019/02/18 05:01:13.559 6LEJwL0h0 18/31

「結局うやむやになっちゃったし…まあ俺も聞く覚悟が揺らいじゃったんだけど」

「メール…面と向かってじゃ埒が明かなそうだしな…」

『本当は今日聞こうとしたんだけど、女がどうしていつも保健室にいるのか教えてくれないかな?どこか悪いんじゃないかって心配で』

ユワッシャー!
『確かに頭は少し悪いかもねーwww でも顔はいいと思うんだけど』

「ダメだこりゃ…ん?まだ続きがある」

『ただのボッチだよw クラスに居場所がなくてこうしてる。でもなにかしてくれなくても大丈夫だからね!今年受験生だし、私は大学から頑張ります笑 男くんもこれからは私に構わず勉強に専念していいからね』

「これはこれで大変なことだけど…もっと重たいことを想像してたから拍子抜けだな」

「確かに今年辛抱すればいい話だし、余計なことはしなくてもいいか。怪我したときに行けばいいし」

25 : 以下、?... - 2019/02/18 05:10:19.677 6LEJwL0h0 19/31

「やっほ!…なによ昨日のメール」

「いやごめん…でも本当に心配してのことだからな?」

「ありがと♡」

「受け取り方が大げさな気がするけど、まあいいか」

「ところで、期末試験はなにか賭けて勝負しようよ!」

「えー、お前ガリ勉みたいだから却下だよ」

「ちぇー、じゃあ一緒に勉強するだけでいい」

「なぜお前が譲歩した形なんだ、お前は俺の彼女じゃねーだろ」

「えー!私って彼女じゃなかったの!?」

「昨日自分で彼氏いないって言ってたくせに」

「変なことは覚えてるねえ」

「あと、ここでも勉強しないよ。最近女先生と変な噂が付きまくって困ってるんだ」

「それもこれもケガもしてないのに保健室に来るのがいけないんだ。お前も大丈夫みたいだしな」

「ひとでなしー」

「やめろ」

27 : 以下、?... - 2019/02/18 05:18:44.765 6LEJwL0h0 20/31

「期末テスト期間つまんないよーめんどいよおー」

女先生「最近男くん来ないわね、前は毎日来てたのに」

「テスト期間前にどうしていつも保健室にいるのか!って聞かれて、ただのぼっちだよって言ったら来なくなっちゃいました」

女先生「そうだったのね…女さん、からげんきが過ぎるのよ?」

「夏休みに入って東京の病院に入院すれば元気になるってお医者さんは言ってたし」

女先生「私としては本当は1学期の間から入院しておくべきだったと思うけどねぇ」

「入院しようかなーって悩んでた時に、なんか面白そうな人が保健室に来たから」

女先生「そうね、東京の病院より男くんといる方が元気になりそうだしね?」

「せんせー…からかわないでくださいよぉ…」

29 : 以下、?... - 2019/02/18 05:29:26.995 6LEJwL0h0 21/31

ピロリン
『なあ、夏休みってお前予定ある日ある?』

「ひゃっ、男くんからメール…久々…」

「夏休み…予定は特にないけど、そもそも夏休みは丸々東京の病院に入院しなきゃなんだよね…」

「夏休みが終わって元気になるまでは病気のことは言いたくない…この関係が壊れるのが怖い…」

ユワッシャー!
『もう、ぼっちって言ってるのに予定を聞くとか何事!?男くんが埋めてくれるならいいんだけどさ?』

「返信遅かったな…でも、内容はすばらしい!」

30 : 以下、?... - 2019/02/18 05:35:52.965 6LEJwL0h0 22/31

(期末テスト最後の科目が終わるまであと5分…人生で最もアドレナリンが出ている時間…)

(カバンには8月に九州で行われる大きい花火大会のチラシと切符までそろえてある)

(今日は久々に保健室に寄るぞ!テスト期間は心配かけないように自分の勉強に集中したからな)

担任「男ーやけにうれしそうだなー、満点じゃないと許さないぞ?」


「え!?あ、す、すんません!」

「クスクス…」

「くっそー余計な恥をかいた…」

31 : 以下、?... - 2019/02/18 05:44:05.453 6LEJwL0h0 23/31

「女ー!テストお疲れ!」

「男くん!久しぶりだね!」

「お互い頑張ったしさ、今度一緒に遊びに行かね?」

「あー、やっぱり言った通りじゃん」

「何が?」

「君は私に会いに来てるってことだよー。今日なんか元気に保健室に飛び込んできてデートのお誘いだなんて♡」

「いや、これデートはないし…」

「実は私もね、来週近くである花火大会に誘おうかと思ってたんだよね!」

「ほんと?俺も花火大会に誘おうと思ってて…これ」ペラ

「これ、九州であるおっきいやつじゃん!」

「そうそう、もう切符とかも用意してるんだよ、有能でしょ?」

「あ…これ、8月なんだ…」

33 : 以下、?... - 2019/02/18 05:51:16.151 6LEJwL0h0 24/31

「ごめん…やっぱ来週の花火大会にしない?近くであるやつ」

「え?どうしたんだ?」

「私、近くであるやつ気になってたんだよね…日にちも終業式の日で都合は悪くないでしょ?」

「こっちの花火大会、移動の切符も用意したんだけど、こっちはなんでダメなんだ?」

「その日はちょっと都合が悪いっていうか…」

「なんだそれ、夏休みは予定ないんじゃなかったのかよ」

「それは…でも、どうしても来週のやつに男くんと行きたくて」

「どうして急にそんなわがままになったんだよ…ちょっと考えさせてくれ」ガラガラピシャリ

「・・・・・・・」

「ごめん…男くん…」

34 : 以下、?... - 2019/02/18 05:57:34.339 6LEJwL0h0 25/31

「どうしたんだよ、せっかく切手まで用意してあるのに行かない理由って何なんだよ…」

「ちょっとかっとなってきたから飛び出してきたけど、何も解決してないよな」

「俺は女と楽しく遊びに行けたらよかっただけなんだよな…冷静になったらまずかったなあ」

ユワッシャー!

「メール…女からか」

「まさか振られでもしたのかな?はは、別に付き合っても告白してもないけどな」

「…このメールを開くのはまた今度にしておこう」

「保健室の妖精も、夏休みは保健室から締め出されるだろ。その時に声をかければいつでも会える」

35 : 以下、?... - 2019/02/18 06:08:56.242 6LEJwL0h0 26/31

(…あれから三日)

(メールには返信がないし、保健室にも来ない)

(私、振られちゃったのかなぁ)

(あはは、別に付き合っても告白してもないのにね)

女先生「男くん、テスト期間からぜーんぜんこないわね」

「…いっかい、きたんですけど」

女先生「え?そうだったの!」

「夏休みに花火に誘われて、でも入院の予定だから…終業式の日の花火にしようって言ったけど、男くん色々準備してくれてて…」グズグズ

女先生「そうだったの…男くんの気持ちもわかるからこそ、女さんも苦しかったわね」

女先生「もしかして、それ以降何も話してないの?」

「いえ、その直後にこのメールを送ったんですけど…」

女先生「返信がないのね…」

女先生「二人のことは黙って見守ろうと思ってたけど、ちょっとだけ、手助けしていいかしら?」

37 : 以下、?... - 2019/02/18 06:16:11.310 6LEJwL0h0 27/31

「終業式だるかったなー!ただ、これで自由だ!」

「そういやさ、マンソー俺と一緒に花火大会行こうぜ!今日の夕方!」

「花火…ああ、今日だったな」

「悪いけど今日はパス」

「はー?さてはお前彼女と行くつもりか!?」

「俺にもし彼女がいても、知り合いの大勢いる近所の花火大会に行ったりしねーよ」

(たぶん嫌われただろうしな)

女先生「男くーん!?」

「あ、女先生」

「あ、失礼するぜ!!」

「違うったら!」

女先生「男くん!どうして保健室素通りして帰っちゃうのよ!」

「いや、だって…どこもケガしてないし」

女先生「このオタンコナス!」

38 : 以下、?... - 2019/02/18 06:20:57.114 6LEJwL0h0 28/31

「先生…地域の人が聞いてたら問題になってますよ」

女先生「男くん!そろそろ態度をはっきりさせなきゃいけないんじゃないかしら?」

女先生「男くんは女さんのこと、どう思ってるの!?」

「え…どうって…」

女先生「女さんのことを幸せにしたいって思ってるでしょ!?」

「好きとかそういう話かと思えばもう一歩踏み込むんですね」

女先生「私ね、態度をはっきりしないオトコに何度も傷つけられた経験があるの!それこそ男くんがケガするくらい!」

「あだ名されるくらいっすか…」

39 : 以下、?... - 2019/02/18 06:25:58.405 6LEJwL0h0 29/31

「俺、女さんのこと傷つけちゃったから、たぶん嫌われてるので、もう…」

女先生「そうやって勝手に決めつけない!メールは見たの?」

「いえ…」

女先生「見てみなさい?そこに書いてあるわよ」

「はい…」ポチポチ

「…!」

女先生「わかった?」

「俺、長いこと待たせちゃったんですね」

女先生「じゃあ急いで準備しましょう。年頃の男の子に着せる用の浴衣はうちにいくらでもあるから」

「先生の趣味やばくないすか」

43 : 以下、?... - 2019/02/18 06:36:12.099 6LEJwL0h0 30/31

『男くん、さっきはわがままを言ってごめんなさい。今まで通り話せなくなるのが怖くて言えなかったことがあります。
でも、それを隠しているせいで今日みたいなことになってしまうのはつらいから、本当の私を君に話したいです。
もし聞いてくれるなら、来週の花火大会の日、17時に駅前の記念碑前で浴衣を着て待ってます。


「17時ぎりぎりか…場所は…ダンディ坂野生誕300年記念碑…浴衣……いた」

「おーい!女ー!」

「男くん…!?」

「ごめん、ずっと待たせちゃって…」

「…ううん、大丈夫。時間ぴったりだよ!17時!」

「来てくれてうれしいよ。今日は楽しもう」

「それと、私の秘密、聞いてくれると嬉しいな」

「うん、幸せにしたいと思ってるから」

「すごくうれしい言葉だけど会話成立してないよ大丈夫?」

44 : 以下、?... - 2019/02/18 06:42:09.513 6LEJwL0h0 31/31

「あはは、また私に会いに来たの?」

「いや違うから」

「どうせ東京旅行のついでとか言うんでしょ?」

「ご明察、東京旅行のついでに来ただけだよ、たまたま」

「素直じゃないなあ」

「これ、お土産のりんごね。季節じゃないけど他に思いつかなかった」

「ついでにたまたまきてりんごを用意するとは大層な心構えだね」

「恋人の心配をするできた男だろ?」

「恋人に心配してもらえる可愛い女だなー私」


おわり

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