エリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」【1】

265 : 以下、名... - 2016/10/27 00:35:08.91 Q0Ja0iCPo 174/872


アンチョビ「それにしても……」

アンチョビ「そちらから呼び出してくれるなんてな」

アンチョビ「顔を売るために練習試合の後の打ち上げで名刺配りしてよかったあ~」

まほ「……」

まほ「私はそういう活動はしたことないな」

アンチョビ「まあ、西住のところはなあ」

アンチョビ「既に名前が売れてるし、練習試合の申込みとかも困らないだろ」

まほ「……いや、そうでもない」

まほ「打倒黒森峰を真剣にかかげる所は、奥の手の温存のため大会が近づくとこちらとコンタクトを取らなくなる」

まほ「更にあまり戦車道に力を入れてないところでは予算の都合でそうそう練習試合も組めない」

まほ「……全車要修理にされかねないうちとの試合は断られることが大半だ」

まほ「4強でも、いつでもホイホイ試合を受けてくれるのはサンダースくらいだしな」

アンチョビ「ふーん、王者は王者で大変なんだなあ」

まほ「……もう王者ではないがな」

アンチョビ「あ、いや、その……」 アタフタ

まほ「まあ何にせよ、紅白戦だけではマンネリする」

まほ「受けてもらえるのは有り難い」

まほ「軽戦車だらけのチームとは練習の機会も少ないしな」

アンチョビ「紅白戦をぶん回せる規模なのが凄いな……」

まほ「そこにあの戦車の数で挑んでくるアンツィオも、十二分に凄いさ」

アンチョビ「やる度ボコボコにされるけど、うちの連中は巨大な敵との試合になると楽しそうにノリ出すからなあ」

アンチョビ「……そのエネルギーが変に真っ直ぐにしか向かわないせいで、まだ一矢も報いれてないけど」

266 : 以下、名... - 2016/10/27 00:59:36.47 Q0Ja0iCPo 175/872


アンチョビ「まあでも実際助かってるよ」

アンチョビ「さすが名門、ゆとりがあるというかなんというか……」

アンチョビ「屋台が驚くほど売上を叩き出す」

まほ「今日イチの真顔だな」

アンチョビ「そりゃあもう、驚くくらい売れるんだよ」

アンチョビ「これでも黒森峰産のウインナーやポテトを使った黒森峰限定ピッツァ作ったりと、黒森峰にも貢献はしているんだぞっ」

アンチョビ「やっぱり黒森峰のはピザにも合うんだよな」

アンチョビ「いや、むしろ我々アンツィオのピザが何にでも合うんだッ!」

アンチョビ「どうだ、いっそのこと黒森峰ピザを各学園艦に売りにいかないか!?」

アンチョビ「戦車道の資金も入り、練習試合も出来て、一石二鳥では効かないぞっ!」

アンチョビ「1+1が2どころじゃなく200になれるやつだぞ!」

アンチョビ「一石二百鳥だ!」

まほ(二百兆?)

アンチョビ「10倍だぞ10倍!」

まほ「そうかよかったな」

アンチョビ「どうだ、黒森峰ピザで本当に天下を取りにいかないか!?」

まほ「いや、うちは色々間に合っているから……」

まほ「それに全国大会間際にそこまで色々歩き回る時間もないし、受けてくれるところなんてほぼ皆無だろう」

アンチョビ「まあ、そうだよな……」

アンチョビ「この土壇場にもう少し費用がないとヤバイのって、うちくらいだろうしなあ」

まほ「安心しろ、継続高校も費用がなくてプラウダで盗みを働いたと聞く」

アンチョビ「全然安心できないし、盗人と一緒にはされたくないぞ!?」

268 : 以下、名... - 2016/10/27 01:15:49.72 Q0Ja0iCPo 176/872


アンチョビ「しかしまあ、そこまで困ってないっていうのに、何でわざわざアンツィオを呼び出したんだ?」

アンチョビ「こっちとしては売上がガンガン入ってありがたいし、皆も楽しそうだからいいが……」

まほ「……」

まほ「こちらも、大会でのレギュラー構想の参考に出来て助かった」

アンチョビ「……」

アンチョビ「まあ、本当にそれだけって言うなら、深くは聞かないぞ」

アンチョビ「アンツィオとしては弱みの一個ぐらい見せてもらった方が嬉しかったけどな」 ハハハ

まほ「……」

まほ「弱み、か」

まほ「そうだな」

アンチョビ「ん?」

まほ「散々付き合ってもらった礼だ、弱みを一つ教えておこう」

アンチョビ「お、おいおい、いいのか?」

アンチョビ「もしぶつかったら容赦なくそこを攻めちゃうぞ?」

まほ「ああ」

アンチョビ「本当に後悔しないんだな?」

まほ「承知の上だ」

アンチョビ「本っ当~~~~~にいいんだな?」

まほ「ああ」

アンチョビ「後からやっぱりなしって言っても無理だからな?」

まほ「分かっている」

アンチョビ「そこを攻めて卑怯者呼ばわりとか無しだからな!?」

まほ「くどい」

アンチョビ「そ、それじゃあマジで聞いちゃうからな!?」

まほ「データを消される間際のスーファミソフトかお前は」

269 : 以下、名... - 2016/10/27 01:31:19.52 Q0Ja0iCPo 177/872


アンチョビ「で、実際何なんだ」

アンチョビ「……別に、ただボーナスで教えてやろうって話じゃあないんだろ?」

まほ「……ああ」

まほ「……」

まほ「安斎」

アンチョビ「アンチョビ」

まほ「安斎は、口がかたい方か?」

アンチョビ「まあ、そりゃ約束とかは守る方だと思っているが……」

まほ「……」

まほ「一つ、聞きたいことが――」

まほ「というより、相談したいことがあるんだが」

まほ「口外しないと約束してくれるか?」

アンチョビ「あ、ああ、かまわないぞ」

まほ「その……なんというんだろうな」

まほ「副隊長のことなんだが……」

アンチョビ「副隊長……」

アンチョビ「ああ、あの『馬鹿な!?』みたいなセリフが似合う感じのあの子か」

まほ「多分それで合っているが結構酷いな」

270 : 以下、名... - 2016/10/27 02:12:35.25 Q0Ja0iCPo 178/872


アンチョビ「どうした、喧嘩でもしたのか?」

アンチョビ「それとも何か問題でも?」

まほ「……」

まほ「いや、喧嘩したわけではないが……」

アンチョビ「ってことは、何か問題があるのか?」

まほ「問題と言えば問題なんだが……」

まほ「まあ、それは私にどこうできるレベルの問題じゃないというかだな」

アンチョビ「?」

まほ「とにかく、今エリカは精神的に大変な時期なんだと思っている」

まほ「だから、その、私はどうしたらいいのか分からないというかだな……」

まほ「私にはどうしようもないのだが、それでも何かしてやりたいし、でもそれが却って迷惑なのではないかと思ってな」

まほ「私が下手に首を突っ込むことで、エリカの自尊心を傷つけたりしまいかと不安なんだ」

まほ「大会も近いし、何だかんだでエリカも多感な女の子……何がきっかけで、私と口も聞かずに去ってしまうかわからない」

まほ「それだけは避けたいが……しかし放っておいていいものか」

まほ「いっそノータッチを貫くべきだったのだろうが、こちらからアレコレ首を突っ込んでしまったことはバレているからな」

まほ「ここで下手に距離を取って、私が引いただの見捨てただの思われても困るんだ……」

まほ「一度しっかり話し合うべきなのだろうが、どうも少々気まずくてな」

まほ「上手く話題を切り出すこともできないし、一体どうしたものかと……」

アンチョビ「思春期になったばかりの娘を持ったパパか」

271 : 以下、名... - 2016/10/27 02:34:51.20 Q0Ja0iCPo 179/872


アンチョビ「まあ、要するに……」

アンチョビ「上手くやりたい相手がいて、でも今は上手くいってるとまでは言えず……」

アンチョビ「破局しないで今後上手くやるにはどうしたらいいか、ってことだな」

まほ「ああ」

まほ「……割りと荒くれ者集団だったアンツィオを単身まとめ、慕われるようになった

まほ「そんな安斎にだから聞きたいんだ」

アンチョビ「アンチョビだ!」

アンチョビ「……まあ、とはいえ相手の子が分からないからなんとも言えないが……」

アンチョビ「基本は、相手の子の気持ちになること、かなあ」

まほ「相手の……」

アンチョビ「こちらが一方的にしたいことや聞きたいことを攻め込んでも、向こうは困っちゃうだろうしな」

アンチョビ「相手の気持ちになって、共感する」

アンチョビ「そこから始めたら、少しは選択肢とかが見えてくるんじゃないか?」

まほ「なるほど……」

アンチョビ「まあ、本当にふわっとしたアドバイスで役に立つのかは分からないが……」

まほ「いや、助かる。何もないより、全然いい」

アンチョビ「それはよかった」

アンチョビ「何なら練習するか?」

アンチョビ「私の気持ちになってみろ!」

まほ「……」

まほ「す、スパゲッティが食べたいんだな」

アンチョビ「アドバイスもらっておいて小馬鹿にしてないか?」

まほ「気のせいだ」

まほ「……で、結局スパゲッティが食べたい気持ちなのか?」

アンチョビ「……」

アンチョビ「それは、まぁ」

273 : 以下、名... - 2016/10/27 02:54:23.06 Q0Ja0iCPo 180/872


アンチョビ「まあ、何にせよ相手の気持ちを理解しようとするところからだな」

アンチョビ「理解出来ないと思ったら、理解するために色々してみることだ」

アンチョビ「例えば実際に自分も同じようなことをしてみるとかな」

アンチョビ「そうすると、また色々な発見があるものだ」

まほ「なるほど……」

ワーワー

アンチョビ「ん?」

アンチョビ「騒がしいな……」

アンチョビ「うちの連中がまた何かやったのk――」

エリカ「ブロロロロロロロロロ」 ブロロロロ

アンチョビ「」

小梅「待って逸見さん!!」

アンチョビ「なんだ今の……」

まほ「今の上半身下着だけでブリッジ体勢で微振動しながら水平移動をしていたのが、副隊長の逸見エリカだ」

アンチョビ「!?」

まほ「確かに、私はエリカをきちんと理解しようとしていなかったのかもしれないな」

アンチョビ「うんごめん、謝るからさっきまでの発言全部忘れてもらっていいかな」

まほ「同じことをし、同じ目線に立つことで、見えてくるものもある、か――」

アンチョビ「やめろ!!」

アンチョビ「そんな悟ったような目で脱ぎ出すな!!!」

274 : 以下、名... - 2016/10/27 03:01:26.86 Q0Ja0iCPo 181/872


エリカ「……ふぅん、やっぱり弱小校ね」

エリカ「演習もお遊びみたいなものじゃない」

エリカ「黒森峰はあらゆる実戦を想定して練習してるわよ」

エリカ「ただ漫然とするのでなく、あらゆるケースを想定してきちんとシチュエーションに入り込む」

エリカ「そうして密度の濃い練習に没入するのよ」

エリカ「きっと今頃は黒森峰で激しい大会前の追い込み中だっていうのに……」

エリカ「まったく、何で私はこんなところで戦車なんてやってるのかしら」

エリカ「……」

エリカ「ほら、ノロノロ追いかけっこしてないで、ちゃんと狙いなさいよ!」

エリカ「……」

エリカ「戦車としてあんこうチームとかいうふざけたチームの一員になりつつあるの、本当によくないわ……」

エリカ「私は誇り高き黒森峰の一員なんだから、大会が始まったらきちんとしないと……」

275 : 以下、名... - 2016/10/27 03:06:51.73 Q0Ja0iCPo 182/872


ペパロニ「あれ、ドゥーチェ、どうしたんですか?」

アンチョビ「ああペパロニ」

アンチョビ「こっちに半裸でブリッジしながら高速水平移動をする変な女が来なかったか?」

ペパロニ「頭どうかしちゃったんすか……?」

アンチョビ「その真顔やめろせめて笑え」

まほ「こちらには来てないようだな」

ペパロニ「あ、いらっしゃ――」

ペパロニ「何で半裸?」

ペパロニ「いやもう暑くて女子校だけど、さすがにそれは……」

まほ「……一人に非難や責任が集中すると、如何にしたたかに見える者も心が折れてしまう」

まほ「それを、私は学んだからな」

ペパロニ「はあ……」

276 : 以下、名... - 2016/10/27 03:10:21.35 Q0Ja0iCPo 183/872


ペパロニ「しっかし、さすが黒森峰は余裕っすねえ」

ペパロニ「大会前だっていうのに、練習しなくていいんすか?」

アンチョビ「ナポリタン作りながら言うセリフじゃないけどな……」 ハハ・・・

まほ「問題ない」

まほ「練習は量より質だ」

まほ「それにこの無駄にした時間の分は自主練で補う」

まほ「今はエリカの捜索が先だ」

まほ「……下手に練習場に乱入されても困るしな」

ペパロニ「……?」

アンチョビ「本当にやばくなったら病院とかも頼らなきゃ駄目だぞ……?」

277 : 以下、名... - 2016/10/27 03:11:09.17 Q0Ja0iCPo 184/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 

278 : 以下、名... - 2016/10/27 03:17:43.74 Q0Ja0iCPo 185/872


エリカ「ん……」

エリカ「……」

エリカ「体が痛い……」

エリカ「筋肉痛かしら……」

エリカ「……」

エリカ「最近ここまで酷い筋肉痛なんてなかったし、っていうか普段とは違う部分が痛い……」

エリカ「……」

エリカ「赤星」

小梅「あ、おはよう逸見さん……」

エリカ「……その顔……」

エリカ「ひょっとして、また……」

小梅「……強く生きてね?」

小梅「死んじゃったら、なんにもならないよ……」

エリカ「え、やだ死ぬかもしれないレベルのことしたの私」

279 : 以下、名... - 2016/10/27 03:20:36.28 Q0Ja0iCPo 186/872


エリカ「今回はブラでイグニッション入らないようにしてあったでしょう!?」

エリカ「前回までもそうだけど、もしかして、あんたら余計なボディタッチを――」

小梅「こ、今回は違うよ!」

エリカ「……」

エリカ「今回“は”?」

小梅「……」

エリカ「……」

小梅「とにかく違うよ!」

小梅「これ以上奇行をさせられないから、ちゃんと誰にも触れさせなかったもん!」

エリカ「分かっちゃいたけど改めて奇行って言われると少し傷つくわね……」

280 : 以下、名... - 2016/10/27 03:27:49.70 Q0Ja0iCPo 187/872


小梅「隊長達と追いかけっこして何とか捕まえて調査したんだけど……」

小梅「どうやら、ブラで乳首を保護したことが原因みたい」

エリカ「は……?」

小梅「こう、ブラで乳首が押されっぱなしになってたらしくて……」

小梅「あと逸見さん、意外と寄せて上げるタイプなんだね……」

小梅「そこでおっぱいが変形してブラに収められてたみたいでさ……」

小梅「まるでおっぱいハンドルが操縦されているかのように、それはもう逸見さんがブインブインと縦横無尽に」

エリカ「普通に生きてたらおよそ聞かないフレーズばんばん飛び出してきてて正直理解が追いつかない」

小梅「ザックリ言うと、ブラしてると不味いことになるし、今回もまた大変でアンツィオの人達に手伝ってもらったんだよ」

エリカ「……は?」

エリカ「アンツィオ???」

小梅「アンツィオの屋台の方に突っ込んでいったみたいだから……」

エリカ「なるほど今確かにちょっと死にたい気分」

290 : 以下、名... - 2016/10/28 00:02:55.05 PAGEGcTzo 188/872


エリカ「あー……死にたい……」

エリカ「休みたいわ学校……」

小梅「事情が事情だし、別に休んでもいいとは思うけど……」

小梅「でもそうすると、明日が行きづらくなるんじゃ……」

エリカ「……?」

小梅「ほら、何だかんだで、まだ1年の頃からポストについてた逸見さんにいい顔しない先輩っているし……」

小梅「練習は出ないのに明日行ったりしたら、またチクチク言われるんじゃないかな遭って」

エリカ「……ああ」

エリカ「そういえば、明日だったわね」

エリカ「大会の、組み合わせ抽選会……」

291 : 以下、名... - 2016/10/28 00:36:47.97 PAGEGcTzo 189/872


エリカ「はあ……出るしかない、わね……」

小梅「……」

エリカ「何よ、その顔」

小梅「いや、参ってる逸見さんって新鮮だなーって」

エリカ「はあ?」

小梅「いつでも余裕ぶって上から目線というかなんというか……」

小梅「怒ってるか驕ってるか、みたいなところあるじゃない」

エリカ「最近私に辛辣じゃない?」

小梅「そんなことないよ」

小梅「ただ、逸見さんの色々な側面をしれて、こういうことが言えるようになっただけ」

エリカ「……それはどう受け取ればいいのかしら」

小梅「いいことだと思うな、私は」

小梅「特に一年生の時なんて、弱みを見せずに強がって背伸びしてたけどさ」

小梅「人気のない体育倉庫裏でハンバーグ弁当食べてるような弱い部分も、私は好きだし」

エリカ「え、ちょ、何で知ってるのよ」

小梅「あの時ハンバーグを一口食べただけで落として、マジ凹みからのマジ泣きしてたのが、私が最後に見た参ってる逸見さんかも」

エリカ「わ、忘れなさいよそんなことは!!!」

小梅「散々悔やんで、悩んで、最終的に地面についてない上半分を削って食べちゃうような可愛い所をもっと前面に出した方が」

エリカ「忘れろ!!!!!!!!!!!」


292 : 以下、名... - 2016/10/28 00:46:31.60 PAGEGcTzo 190/872


小梅「……でも、本当に、逸見さんの色々な面が見られたのはよかったかな」

小梅「最初は、いつもカリカリしてるし、上昇志向が強いんだろうけど怖い人だなーって思ってたし」

エリカ「なによそれ」

小梅「まあ、今でもその印象は変わってないんだけどね」 フフ

エリカ「ほんと、なによそれ」 フフ

小梅「それでも、それだけじゃなくなったっていうかさ」

小梅「人間って、色んな面があって、素敵だなあって」

小梅「同じ側面を見ても、他の側面を知ったあとだと、見方も変わるし」

エリカ「……私も、あんたはただオドオドしてるだけの奴かと思ってたわ」

小梅「それは今もだよ」

小梅「結局まだ――去年のお礼も言えてないし」

エリカ「……」

エリカ(あの子、今、大洗にいるのよね……)

エリカ(でも、教えようがないし……)

293 : 以下、名... - 2016/10/28 00:50:59.85 PAGEGcTzo 191/872


小梅「そーいうのもあって、今では結構、逸見さん、人気あるんだよ」

エリカ「はぁ!?」

小梅「みほさんに突っかかるだけのまほ隊長の犬じゃないんだなーって」 クス

エリカ「絶対バカにしてるでしょ」

小梅「そんなことないよ」

小梅「逸見さんなりに、譲れないものがあって、そーなってるんだなーって」

小梅「でもそういうの、話さないと分からないし」

エリカ「いいわよそういうの」

エリカ「馴れ合いとかキャラじゃないし……」

小梅「そう言わないで」

小梅「隊長も、逸見さんのこと、少し知りたいって思ってるよ」

エリカ「ええ!? 嘘でしょ?」

小梅「本当だよー」

小梅「最近変な行動よく取ってるし、気になるのも普通じゃないかな」

エリカ「パワーボム並に持ち上げてからエグい角度で落としてきたわね」

294 : 以下、名... - 2016/10/28 01:23:38.33 PAGEGcTzo 192/872


小梅「それで、皆で逸見さんと仲良くなろうって話になったんだ」

小梅「よく分からない病気的なので大変だろうし」

エリカ「皆で仲良くやりましょうとか、誰かの提案でわざわざやるものじゃないでしょ……」

エリカ「小学校の帰りの会みたいで、なんか、こう……」

小梅「まあ、確かに、逸見さんは居心地悪く感じちゃうかもしれないけど……」

小梅「でも、今回のは、本当に逸見さんと仲良くなろうって思ってる人だけだから、強制的な仲良しごっことかとは違うから!」

エリカ「……で、その仲良くなろうって人達は何をしてるのよ」

小梅「えっとね、とりあえず、逸見さんのためのライングループを作ったの」

小梅「逸見さんの気持ちになったり、あの症状が出たらフォローできるようにしたり……」

エリカ「……前者はともかく、後者はちょっと有り難いわね」

小梅「逸見さんはスマホにしないの?」

エリカ「そんなお金ないわよ……戦車道、ただでさえお金かかるのに」

小梅「西住隊長もそう言ってたんだよね……」

エリカ「特に隊長レベルだとガンガン戦車を動かすから、試合の度にスマホ割れそうだしね」

小梅「だから代わりに私が運営してるんだ、ライングループ『逸見の森』」

エリカ「ネーミングセンス」


296 : 以下、名... - 2016/10/28 23:56:29.50 PAGEGcTzo 193/872


エリカ「クソみたいな名前はともかく……」

エリカ「ラインって、どーやるのよ」

小梅「あ、興味あるの?」

エリカ「……」

エリカ「一応、後学のためにね」

エリカ(大洗の連中もやってたし、もしかしたらあの子も……)

エリカ「……」

エリカ(いや! 関係ないけどあの子は!!!!!)

小梅「えっとね、ここで発言するの」

小梅「見てて」

逸見エリカ { 逸見エリカさんがスタンプを送信しました

小梅「こうやってスタンプで会話するのが主流なんだー」

小梅「ほら、皆もおはようスタンプ送ってきてる」

逸見工リカ { 逸見工リカさんがスタンプを送信しました

逸見エリ力 { 逸見エリ力さんがスタンプを送信しました

逸見えりか { 逸見えりかさんがスタンプを送信しました

小梅「スタンプにはいっぱい種類があってね、中には有料のも」

エリカ「うん待って、まず聞きたいのはそこじゃない」

298 : 以下、名... - 2016/10/29 00:35:55.95 BXqfpmsNo 194/872


小梅「どうかしたの?」

小梅「あ、フリック入力理解できない?」

エリカ「そこじゃない」

小梅「ああ、これはスマートフォンって言ってね」

エリカ「そこまで馬鹿じゃないわよ!!」

エリカ「何で発言者全員が逸見エリカを名乗ってるのかってことよ!」

小梅「よく見て逸見さん、イツミクリカさんとかイツミエリチカラさんとかだよ」

エリカ「ああなるほどでもそこは全然本質じゃない」

小梅「ああ、ラインは自分で好きな名前を決められるんだよ」

エリカ「へえそう、で、何で全員揃って私の名前なのよ」

小梅「……?」

小梅「逸見さんの気持ちになるための逸見の森なんだから、逸見さんになるに決まってると思うけど……」

エリカ「今日イチのマジかこいつフェイスやめなさい」



299 : 以下、名... - 2016/10/29 01:00:12.69 BXqfpmsNo 195/872


エリカ「っていうかアイコンも全員余すところなく私の写真だし、こんなの撮らせた覚えないんだけど!?」

小梅「意外と人気あるから皆写メ持ってるんだよ」

小梅「もしくは逸見さんがテレビカメラを見かけた中学生ばりに写りたがりなのかのどっちかだよ」

エリカ「別に写りたがりじゃないわよ!!」

小梅「でもこの前隊長のインタビューで逸見さん喋らないのに、静止画で無意味に後ろに写り込んでたよね」

エリカ「この話やめましょうか」

小梅「本当に意味なく斜めの角度でバッチリ後ろに」

エリカ「やめましょうか」

300 : 以下、名... - 2016/10/29 01:31:22.28 BXqfpmsNo 196/872


小梅「でも、わずか1日でここまでになるって、すごいんだよ」

エリカ「そりゃそうかもだけど、その凄さが腹立つ方向に特化しすぎなのよ」

小梅「でも皆で一生懸命逸見さんらしさを追求したんだよ」

小梅「発言も逸見さんっぽくなるようにしたり……」

エリカ「うわログきもっ」

小梅「こうやって皆が逸見さんを理解することで、きっと連携もスムーズにいくようになるよ」

小梅「来年逸見さんが隊長になったときとかも、ね」

エリカ「……」

エリカ「いや一瞬いい気分になりかけたけど、隊長になったときまで続けさせないわよこの森

小梅「えー」

小梅「皆でワイワイ挨拶とかも考えたのにー」

エリカ「挨拶ぅ?」

小梅「うん、帰ってきたら『ただいまほ隊長』って言って、他の皆は『おかエリカ』って言ったり」

エリカ「私を理解云々の名目どこ行ったの」

小梅「眠るときは『おやすみほ』って」

エリカ「ねぇひょっとしてアンタ達の中の私はそんな脳味噌茹だったような発言しそうなイメージなの?」

301 : 以下、名... - 2016/10/29 01:50:28.20 BXqfpmsNo 197/872


小梅「でも、こうしてみると、なんていうか、ちょっと親しまれるようになってきたよ逸見さん」

エリカ「嬉しくないわよ……」

小梅「まぁまぁ」

小梅「あ、それよりそろそろ準備しないと、遅れちゃう」

エリカ「うわ、こんな時間じゃないの!」

エリカ「……っと」 カクン

エリカ(入れ替わった翌日、意味の分からない筋肉痛がやってくるわねえ……)

小梅「っと、皆にラインしておかなくちゃ」

小梅「いってきまほーっと」

エリカ「私の名前でそういう頭のネジが全部はずれて代わりに米粒で頭とめましたみたいな発言やめてほしいんだけど」



302 : 以下、名... - 2016/10/29 02:01:07.73 BXqfpmsNo 198/872


<放課後>

エリカ「どっと疲れたわ……」

エリカ(やっぱり入れ替わりって負担大きいわね……)

小梅「お疲れ様」

エリカ「ええ疲れたわ、半分くらいはアンタのせいで」

小梅「?」

エリカ「キョトンとしないでよ……」 ハァ

エリカ「まあいいわ」

エリカ「私はこれから大会抽選のため隊長と飛行船で移動するから」

エリカ(はあ、久々に隊長と二人っきり……)

エリカ(入れ替わらないと信じて精一杯楽しまないと……) ウフフ

小梅「うん、ちゃんと私も荷造りしてあるよ」

エリカ「戸締まりしとけっつってんのよ何しれっとついてこようとしてるのよ」

303 : 以下、名... - 2016/10/29 02:37:47.95 BXqfpmsNo 199/872


小梅「?」

小梅「今回は私達もついていくんだよ?」

エリカ「はあ!?」

エリカ「私と隊長の二人っきりじゃ……」

小梅「あ、もしかして二人っきりがよかったの……?」 アラアラウフフ

小梅「悪いことしちゃったかなあ」

エリカ「そ、そーいうわけじゃないけど……!」

エリカ「……」

エリカ「ん?」

エリカ「私、達……?」

小梅「うん、私のとこのチームメンバーが一緒に行くんだ」

エリカ「何でまた」

小梅「……去年色々あって、まだその影響が消えたわけじゃないから、気を使ってくれたのかも」

エリカ「……なるほど」

ペパロニ「へえ、そんなことがあったんっすねー」

ペパロニ「名門校も大変だ」

エリカ「誰!?」

アンチョビ「おいおい、ペパロニ。ちゃんと自己紹介はしておけよー」

アンチョビ「来年は隊長同士として会うことになるかもしれないんだから」

エリカ「あ、あんた……」

エリカ(の、そのクソ邪魔そうなツインテール)

エリカ「……は、確かアンツィオの!」

ペパロニ「お邪魔しまーす」

アンチョビ「私達も一緒に乗せてもらうことになっててな」

エリカ「はぁ!?」

アンチョビ「いやー、これで経費浮かせればギリ二回戦には間に合いそうっすねえ!」

アンチョビ「ああ!」

アンチョビ「詳細は、さすがに口には出せないがな!」

小梅「大会直前の仕上げに付き合ってくれたお礼に、ついでだから送っていくんだって」

エリカ(二人っきりの旅路が……) ゲッソリ

304 : 以下、名... - 2016/10/29 03:07:38.37 BXqfpmsNo 200/872


アンチョビ「と、いうわけで、我々アンツィオ一同も世話になるぞ」

エリカ「想定の10倍位の大所帯」

ペパロニ「何せ屋台4つ分の人員っすからねえ~」

アンチョビ「道中の食事なら任せておけ!」

小梅「向こうでもよろしくお願いしますね」

アンチョビ「ああ!」

アンチョビ「向こうで黒森峰ピザを売れれば、ついに念願の……」

アンチョビ「っと、ここから先は秘密だったな」

エリカ「大会抽選直前だって言うのに、緊張感のない連中ねえ……」

まほ「いいんじゃないか」

まほ「大会が始まれば、嫌でも緊張の連続になるんだ」

まほ「たまにはゆっくりしても許されるだろう」

エリカ「まあ、隊長がそうおっしゃるなら……」

305 : 以下、名... - 2016/10/29 03:30:10.64 BXqfpmsNo 201/872


エリカ「しっかし、アンタらの所、色々雑すぎない?」

ペパロニ「えー、そーっすかあ?」

小梅「結局どこにいっても戦車道の話になっちゃうんだなあ」 フフ

アンチョビ「まあ、その代わりウチは勢いがあるからな!」

エリカ「勢いだけの戦車が多すぎるのよ」

エリカ「同じようなアホのペアとか多いんじゃないの?」

エリカ「二人乗りなんだから、もうちょっと視野が広がるような組み合わせとかさあ」

カルパッチョ「でも、船頭を多くすると船が登山しちゃうんじゃあ」

エリカ「そりゃ4人とか5人とかが全然違うタイプだったらそーだろうけど……」

エリカ「2人くらいならすり合わせも簡単じゃない」

アンチョビ「まあ、そうかもしれないが……」

アンチョビ「今更ペアを変えるわけにもなあ」

エリカ「そりゃそーだろうけど」

エリカ「次の新入生からはペア決め吟味した方がいいんじゃあないの?」

アンチョビ「うーん、そうかもなあ」

アンチョビ「適当に二人組作らせたもんなあ、うち」

エリカ「建て直しする気があるとは思えない方法来た」

ペパロニ「そこでペアが作れずノリについてこれない子をふるい落とす効果はあったんすよ!」

アンチョビ「何組か決まった後揉めるところもあって、途中からトランプで決めたりもしたよな」

カルパッチョ「来年はねるとんパーティー形式とか」

小梅「それ面白そう!」

エリカ(エンタメばっかり追求してるからいつまで経っても弱いんじゃないかしらこいつら)

306 : 以下、名... - 2016/10/29 03:43:51.40 BXqfpmsNo 202/872


エリカ「ちゃんと得意分野とか苦手分野とか考慮して、戦略上有用な組み合わせを考えなさいよ……」

エリカ(適当に仲良し同士で組みっぱなしの大洗と言い、ナメてるのかしら……)

アンチョビ「まあ、ウチはそういうの出来るほど経験者豊富じゃないからなあ」

まほ「それに、黒森峰だって、そういうのは一部しかやれてないからな」

エリカ「え!?」

まほ「エリカを含め、一部の成績上位者のチームだけだ、そうやって決めてたのは」

アンチョビ「まあ、そりゃああれだけ人数いればなあ」

ペパロニ「やーばいっすよねあの人数。さすが名門」

小梅「厳しさに耐えかねて選択科目変える娘も少なくないですもんねえ」

エリカ「知らなかった……」

エリカ「てっきり全チームそうやって真剣に決めてたのかと……」

小梅「そんなことないよー」

小梅「私のとこだって、名前に星がついてる連中集めとけって感じで組まれたらしいし」

エリカ「知らなかったし知りたくなかった」

小梅「私が車長なのも、皆と話し合ったらやっぱりリーダーは赤色だよねってなったからだし」

エリカ「本当に知りたくなかったし、夢が壊れていく音がする」

308 : 以下、名... - 2016/10/29 04:13:01.85 BXqfpmsNo 203/872


まほ「エリカはうちに幻想を見ているようだからな」

アンチョビ「理想を持つ――いいことだとは思うけどな」

まほ「ああ」

まほ「だが、いずれ黒森峰を背負ってもらうんだ、ある程度現実というのも知っておいてもらわねば」

エリカ「うう……」

まほ「大事なのは、現実を受け入れて、それからどこをどう改善するか考えることだからな」

エリカ「はい……」

まほ「それに、それだけ適当なアンツィオだって、かなりの成長を遂げたんだ」

まほ「何かヒントを掴んで帰れるといいな……二人共・・・・…」

アンチョビ「私もバンバン何かをつかむ気でいるからな、遠慮なく盗んでくれ!」

まほ「……安斎は私にはないものを持っているから、私個人としても盗みたいものはいっぱいあるしな」

アンチョビ「そう言ってもらえると嬉しいね」

アンチョビ「よーし、野郎ども、オトナのぶどうジュースを用意だ!」

ペパロニ「さっすが姉さん話がわかるう!」

アンチョビ「よーし、まずは皆でコイツを――」

アンチョビ「あれ?」

アンチョビ「そういえば、さっき言ってた赤星車のチームは……?」

アンチョビ「明日黒森峰ピザを売るときも世話になるし、挨拶したかったんだが……」

アンチョビ「見る限り、ウチの連中以外は西住達三人しかいないような……」

小梅「あ、他の子達なら今飛行船操縦してるけど……」

小梅「呼んでこようか?」

エリカ「呼んできて、代わりの運転どうするのよ」

カルパッチョ「あ、よければ私が」

エリカ「……出来るっていうわけ?」

ペパロニ「あ、疑ってやがんな!」

ペパロニ「カルパッチョはなァ、うちで一番スターフォックスが上手いんだぞ!」

カルパッチョ「得意なのは宙返り」

エリカ「振りでもなんでもなく宙返りしたら殺すわよ」

309 : 以下、名... - 2016/10/29 04:20:01.67 BXqfpmsNo 204/872


小梅「パンター星組のメンバーを連れてきたよ」

エリカ「あー……だから俗称星組……あー……」

アンチョビ「合点がいったわりには信じたくなさそうな浮かない顔だな」

エリカ「……っていうか操縦は?」

小梅「えーっと、名前知らないんだけど、ラインのHNがSi子ってなってる子が変わってくれた」

アンチョビ「ああ、彼女なら普通に任せて大丈夫だろうな」

エリカ「……」

まほ「ふっ、まあ大丈夫だ」

まほ「そうそうおかしなことにはならないようになっているし、万が一そうなったら私が責任を持って軌道修正しよう」

エリカ「まあ、隊長がそうおっしゃるなら……」

小梅「逸見さん、隊長にはすこぶる甘いの」

ペパロニ「へえ、うちと一緒っすねえ」

アンチョビ「わ、私は別に甘やかされてはいないぞ!?」

カルパッチョ「皆ドゥーチェが大好きってことですよ」 ウフフ

310 : 以下、名... - 2016/10/29 04:26:59.91 BXqfpmsNo 205/872


小梅「そんなわけで、改めてパンター星組のメンバーを連れてきたよ」

アンチョビ「よろしくなー」

小梅「砲撃の専門家、白星」

白星「うっす、よろしく」

アンチョビ「おー、無骨な感じだな。まさに名門って感じだ」

ペパロニ「うちに欲しい人材っすねえ」

カルパッチョ「でも白ってつくわりに悪役っぽい雰囲気なような」

ペパロニ「黒森峰自体ヒールっぽいし?」

エリカ「ちょっと」

小梅「装填の専門家、黒星」

黒星「がんばります、よろしく」

ペパロニ「戦隊っぽく緑とかじゃないんっすねえ」

アンチョビ「カクレンジャーは白と黒だったぞ」

ペパロニ「カクレンジャー?」

カルパッチョ「あ、ケイン・コスギですよね」

小梅「ドリフト、急停止など操縦の専門家、どどめ色星」

どどめ色星「よっす、どうもー」

アンチョビ「ほう、パンターでドリフトするのか」

ペパロニ「そのドライビングについて聞いておくべきっすかねえ」

エリカ「待ってもっと触れるべきっていうかツッコむべき所がある」

小梅「手刀の専門家、ブロッケンJr」

ブロッケンJr「やるっつぇブロッケン」

エリカ「もっとツッコむ所が多いやつが来た!!!!」

311 : 以下、名... - 2016/10/29 04:30:22.17 BXqfpmsNo 206/872


アンチョビ「そっかー、皆星なんだなー」

ペパロニ「星だけで五人揃うなんて、やっぱり黒森峰は巨大っすねえ~~~」

エリカ「いやいやいやいやいや!!!」

エリカ「明らかにおかしいやつが一人いるでしょうが!」

ブロッケンJr「確かに白がヒールっぽい性格で黒が真面目っぽいというのはアベコベに見えるかもな」

エリカ「アンタよアンタ!」

エリカ「何かもうどどめ色とかいうやつがまともに思えるくらい星でもなんでもないじゃないの!!」

アンチョビ「……!」

ペパロニ「た、確かに……!」

エリカ「何でそんな世紀の大発見みたいな衝撃顔晒してるのよ!!」

まほ「…………!」

エリカ「隊長!?」

エリカ「嘘か冗談ですよね隊長!?」

312 : 以下、名... - 2016/10/29 04:38:03.83 BXqfpmsNo 207/872


小梅「確かにジュニアちゃんに直接星の要素はないかもしれない」

エリカ(ジュニアちゃんて……)

小梅「でもね、これには理由があるの」

小梅「このチームが決められたのは、最初の授業でいきなり実戦テストさせられた、その結果を参考にチーム分けをしてた時なんだって」

まほ「当時の三年が、主にチームを振り分けていてな」

エリカ「あ、隊長がしていたわけではないのですね」

エリカ(少しホッとした……)

まほ「ああ……」

まほ「隊長であったとはいえ、まだ二年生だったからな」

まほ「色々なしがらみもあって、そういった部分は上級生に一任することになっていたんだ」

小梅「で、その最初の試験のときに、ジュニアちゃんは方に大きなスターエンブレムをつけてたから……」

ブロッケンJr「フッ……サンダースに通う俺の仲間が、いい結果を残すためのお守りだって言って寄越してくれてな」

ペパロニ「うう、いい話っすねえ!」

エリカ「正気で言ってるのか」

313 : 以下、名... - 2016/10/29 04:48:01.73 BXqfpmsNo 208/872


エリカ「っていうか何か自然に受け入れられてるけど絶対おかしいでしょうよ!」

エリカ「いやドドメ色も本当ならツッコミたいけど、それをさせないくらいおかしいって!」

まほ「どうしたエリカ、人を指しておかしいなんて言うものじゃないぞ」

エリカ「うっ、そ、そうかもしれませんけど……」

小梅「でもそれが逸見さんの平常運転って感じがするよね」 フフ

エリカ「フフじゃないから。私を何だと思ってるのよ」

白星「酸素を吸って嫌味を吐き出す新人類かなにかかと」

エリカ「初対面よね? 仮に副隊長って立場で殴らないとしても私達って初対面よね???」

黒星「確かに仲良しならジュニアちゃんでなくブロッケンちゃんと呼ぶべきかもしれない」

エリカ「そこじゃないしどうでもいいわ!」

ドドメ色「でも三年生にブロッケン先輩がいるから、それだとややこしいでガンス」

エリカ「おかしなキャラ付けをこれ以上増やすな!!!!」

まほ「彼女には世話になった……当時新入生で隊長となった私への反発は大きかったからな……」

エリカ「わぁそうなんですね超感動出来ればこいつら居ない所でじっくりゆっくり聞きたいんですが」

ブロッケンJr「ふっ……アネキはもう戦車道は引退してラーメン屋になっちまったからな……」

まほ「惜しい人物を亡くしたものだ……今まであそこまで苦戦した相手はいなかったというのに……」

エリカ「ええ!? 隊長を……!? コレの姉が!?」

まほ「ああ」

まほ「戦車道で戦う機会がなかったので一度タンカスロンをしたのだが、彼女の毒ガス攻撃にはそれはもう苦しめられた」

エリカ「バーリトゥードにも程がありますねそいつ」

小梅「もう、さっきから否定ばかりはよくないよ逸見さん」

小梅「大体おかしい度合いで行けばここ数日の逸見さんが頭一つ抜けてるんだからね」

エリカ「そういう反論不能で一撃死するポイントを的確に突くのはやめて」

314 : 以下、名... - 2016/10/29 04:48:33.68 BXqfpmsNo 209/872

言い忘れてましたが、人数足りないし黒森峰のモブはオリキャラがまじりますので、オリキャラ駄目な人はごめんなさい

320 : 以下、名... - 2016/10/30 00:37:55.93 UFeasvGSo 210/872


アンチョビ「しっかし……」

アンチョビ「結構名門になると、そーいうのあるんだなー」

小梅「毒ガス攻撃はそうそうないと思いますけど……」

アンチョビ「いや、そこじゃなくて」

アンチョビ「派閥争いというか、そーいうのが」

まほ「ああ……」

まほ「そこは大人数の所だとどうしてもな」

黒星「うち、比較的縦社会で年功序列の側面もありましたからね」

まほ「どうしても一年が突然出てくると揉め事が起きるからな」

小梅「マジノでも革命が起きたって噂ですからねえ」

アンチョビ「え、そーなのか?」

ブロッケンJr「ああ」

ブロッケンJr「戦車道からラーメン道に選択科目を変更したアネキが、マジノでそういう情報を仕入れてきたからな」

アンチョビ「うーん、ウチも移動屋台をもうちょっと情報収集で有効活用してみるか……」




321 : 以下、名... - 2016/10/30 01:34:30.59 UFeasvGSo 211/872


まほ「当時は七光と呼ばれたし、反発し離反した者も少なくはなかったよ」

アンチョビ「大変だったんだなあ……」

エリカ「ふん、隊長の実力も見抜けないなんて」

エリカ「おかげで今は結束もバッチリよ」

小梅「でも去年は逸見さんが結構みほさんに突っかかってたよね」

エリカ「うぐっ……」

ペパロニ「サンダースとかピザが売れるからたまに行くけど、あそこはそんなに闇っぽくなかったけどなあ~」

エリカ「あそこの連中全員バカだから」

まほ「まあ、巨大な派閥が勝利したあと、みたいなところあるからなあそこは」

まほ「そもそもあのノリに馴染めない人間は最初からあそこを選ばない」

カルパッチョ「なるほど」

白星「プラウダもアンチの鎮圧に余念がないよなあ」

小梅「派閥が複数しっかり残ってるの、四強だと聖グロくらいかも」

アンチョビ「そ、そうなのか?」

アンチョビ「雰囲気的にあんまり屋台を置いてくれないからあんまり行けてないんだが……」

アンチョビ「そんな殺伐としたイメージなかったけどなあ」

まほ「まあ、殺伐とはしていないな」

まほ「ダージリンのアレを真剣に格好いいと思っている派閥とギャグとして好きな派閥との争いだしな」

小梅「紅茶以外にもお菓子のあだ名も欲しい派閥と保守派の争いもあるとか聞きましたよ、ラインで」

白星「幹部になりたいけどあだ名は勘弁派も少数ながらいるとか」

アンチョビ「平和だなー聖グロ……」

ペパロニ「っていうか、あだ名嫌な人もいるんすねえ」

ペパロニ「うちなんて自己申告制だから色々いすぎて統一感すら最近なくなってきたのに」

アンチョビ「本当にある日突然カルパッチョになったもんなあ」

カルパッチョ「最近増えたのはピザポテトと輪切りのソルベでしたっけ」

アンチョビ「そうそう、それに合わせてエビピラフのやつがジェラートに変わりたいって言ってきて、ジェラートが2人になったんだよ」

アンチョビ「元ジェラートはジェラートは自分だって言うし、よく分からないことで揉めるんだよなーウチの連中」

ペパロニ「あれマジどーすりゃ丸く収まるんすかねえ」

エリカ「無秩序すぎて意味分からなくなってるじゃない」

322 : 以下、名... - 2016/10/30 01:47:54.99 UFeasvGSo 212/872


アンチョビ「どこも苦労はあるんだなあ」

まほ「揉め事のタネを根絶やしにしようとしても、きりなんてないしな」

小梅「ある程度アンチが居なくなって安定したって点じゃ、うちも同じようなものですけど、それでも火種は0じゃないですからねえ」

ペパロニ「まあ半裸ブリッジで全力疾走する奴もいるくらいじゃあなあ~~」

エリカ「それはともかく!!」

エリカ「隊長の凄さが理解できず無意味な反発をした連中が消えて、黒森峰は盤石よ」

エリカ「今年は優勝頂きだわ」

まほ「あまり過大評価してくれるな」

まほ「……連覇を逃したのは事実だ」

まほ「伝統を残しつつ、何かを変えねば奪還は出来まい」

アンチョビ「真面目だなー……」

ペパロニ「すごいっすねえ」

まほ「もう王者でなく挑戦者だからな」

アンチョビ「私達もその姿勢、見習わないとな!」

ペパロニ「確かに、あそこで屋台出すの初めてっすもんねえ~」

アンチョビ「初心に戻って価格でも見直すか?」

エリカ「戦車道が完全にオマケみたいになってるけど大丈夫なのアンタら」

323 : 以下、名... - 2016/10/30 02:05:07.87 UFeasvGSo 213/872


ペパロニ「あとはライバル企業を知る、とかっすね」

アンチョビ「ああ、黒森峰ラーメンな」

ペパロニ「意外とどこでもありますからねえ」

エリカ「え、そんな有名なの?」

小梅「うん」

小梅「実は私達最初六人組だったんだけど、一人辞めちゃって……」

小梅「その虹星さんもラーメン道に行ったんだって」

アンチョビ「レインボシ……」

ペパロニ「およそ現代日本とは思えない名前っすねえ」

エリカ「……」

小梅(あ、ツッコんでいいかちょっと悩んでる……)


324 : 以下、名... - 2016/10/30 02:06:28.79 UFeasvGSo 214/872


小梅「でもブロッケンさんと2人で作ってるラーメンは本当に美味しいんだって」

アンチョビ「なんでも虹が見えるラーメンという噂は聞いたな」

エリカ「はあ?」

エリカ「ラーメン食べてそんなことになるわけないでしょ」

小梅「あと食べたら衝撃で全裸になったって報告も」

エリカ「馬鹿馬鹿しい」

エリカ「でもそこまで美味しいなら食べてみたいですよね隊長」

まほ「目がちょっと怖いぞエリカ」

325 : 以下、名... - 2016/10/30 02:36:49.06 UFeasvGSo 215/872


まほ「とりあえず、もうそろそろ眠るか」

まほ「明日も早いしな」

小梅「私達は交代で運転しておきます」

まほ「すまないな」

エリカ「……」

エリカ(他校の情報、最低限の戦車道関係は抑えていたけど……)

エリカ(意外と、知らないことがあったわね……)

エリカ(……隊長を補佐するためにも、必要な情報はもっと集めていかないと……)

アンチョビ「……」

小梅「それじゃあ皆さん、おやすみほ~」

エリカ「ちょ」

まほ「?」

アンチョビ「何だ今の挨拶」

小梅「あ、これはオリジナルの挨拶で……」

エリカ「赤星」

小梅「逸見の森では皆寝る前にこの言葉を」

エリカ「赤星!!!!!!!!!!」

326 : 以下、名... - 2016/10/30 03:07:26.71 UFeasvGSo 216/872


<翌朝>

アンチョビ「うー……眠い……」

カルパッチョ「はしゃぎすぎましたね……」 クァァ

まほ「大丈夫か?」

アンチョビ「ああ……」

アンチョビ「一緒に来ててよかったよ」

アンチョビ「じゃなきゃ多分寝過ごしてたしな……」

アンチョビ「っと、起きろペパロニ!」

アンチョビ「私達は行くし、そっちも仕込みがあるだろ!」

エリカ「大変ね、アンツィオのトップも……」

まほ「ああ……」

まほ「うちにはない苦労だ」

エリカ「なくていいですよ、あんな苦労」

まほ「そうだな」

まほ「だが――」

まほ「あの姿勢は、少し、見習いたいな」

まほ「ああやって世話を焼くことも、皆を引っ張り鼓舞することも、私には出来ない」

エリカ「隊長……」

まほ「……いや、すまない、忘れてくれ」

まほ「早朝で、少し、寝ぼけたんだ」

327 : 以下、名... - 2016/10/30 03:21:14.24 UFeasvGSo 217/872


<移動中>

エリカ「……」 スタスタ

アンチョビ「なあ」 コソ

エリカ「?」

アンチョビ「……チームメイト、あんまり覚えてないんだな」

エリカ「……ああ、昨日のことですか」

エリカ「そりゃ、ウチは名門で練習厳しいのもあって、どんどん人がやめますから」

エリカ「それに、やらなきゃいけないことが多すぎて、そこまで覚えていられないんですよ」

アンチョビ「まあそうだよな」

アンチョビ「それが普通だと思うよ」

エリカ「……」

エリカ「何か言いたそうな顔ですね」

アンチョビ「なに、普通じゃない黒森峰の隊長様は、それでも全員覚えてるんだよなって思ってさ」

エリカ「……!?」

アンチョビ「……立場もあるし、ゆとりがあるほど完璧じゃないのが当然だし、全員をケアするなんて無理だろうけどさ」

アンチョビ「でもアンタのとこの隊長は、別に下を無碍にしてるわけじゃあないんだ」

エリカ「……」

アンチョビ「……上を見るのはいいことだし、ゆとりがないのはしょうがないことだけどさ」

アンチョビ「もうちょっと、足元の存在をしっかり見てやっても、バチは当たらないんじゃないか?」

エリカ「……」

エリカ「肝に銘じておきます」

エリカ(それでも……私が隊長の横にいようとしたら、辞めるかもしれないレギュラーになるかもわからない子達と馴れ合う暇なんて……)

328 : 以下、名... - 2016/10/30 03:31:00.45 UFeasvGSo 218/872


エリカ「……」

エリカ(こんな考えだから……あの子は、ここを去ったのかしら……)

エリカ(大洗、大会なんて出られないだろうけど、それでも、メンバーの距離は近そうだったし)

エリカ「……」

エリカ(あのお遊戯みたいな空間が、あの子の理想、だったっていうの……?) ギリッ

アンチョビ「ま、最上学年になるまでは、大いに悩むがいいさ」

アンチョビ「何かあったら相談に乗るぞ?」

アンチョビ「自分のとこの連中に言いづらいことを相談し合う仲って大事だしな」

エリカ「……何でそんなこと」

アンチョビ「まぁまぁ」

アンチョビ「来年以降ペパロニ達が世話になるしな」

アンチョビ「恩を売っておこうかなって」 ハハハ

アンチョビ「ほら、これ、私のメアドだ」

アンチョビ「何かあったら連絡してくれ」

エリカ「……一応、ありがたく受け取っておきます」

アンチョビ「あとこれがラインのID」

アンチョビ「こっちが逸見の森用に昨日フェイスブックで作ったサブ垢の方」

エリカ「ちょ、なんでそれ……」

小梅「私が教えといたんだ」 ニュッ

エリカ「うわっ……びっくりした……」

エリカ「っていうか、何広めてるのよ赤星!!!」

小梅「森をどんどん大きくしようと思って……おいでよ!逸見の森!」

エリカ「焼き払えそんな森」

小梅「あ、じゃあ私達屋台班はこっちだから!」

エリカ「逃げたわね……」

329 : 以下、名... - 2016/10/30 03:34:23.34 UFeasvGSo 219/872


アンチョビ「そんじゃ、私達も一旦分かれるか」

まほ「別に一緒に入ってもいいんじゃあ」

アンチョビ「いや、やめておくよ」

アンチョビ「ここから先は、ライバルだしな」

まほ「……そうか」

アンチョビ「それに抽選の結果にビクビクするとこ見られたくないしな」 アハハ

エリカ「まったく……」

エリカ「どんな抽選結果であろうとドンと構えているのが王者」

エリカ「私達は例え相手がどこであろうと動じないっていうのに」

ペパロニ「プラウダや聖グロと初戦でも?」

エリカ「当然よ」

エリカ「もし私が抽選会で動揺するようなことがあったら、虹が見えるラーメンとやらを右の鼻の穴から食べて左の穴からハイブリッドレインボウ出してあげるわよ」 ハン

330 : 以下、名... - 2016/10/30 03:35:48.10 UFeasvGSo 220/872







司会『続いて、大洗女子――――』

エリカ「!?!?!?!?!?!?!?」

まほ「みほ……?」

エリカ「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

アンチョビ「ペパロニが屋台班でよかったなー多分マジでラーメンやらされてたくらいに凄い顔しているぞ今」

335 : 以下、名... - 2016/11/03 00:05:11.51 /6Fply3xo 221/872


カルパッチョ「彼女は……」

アンチョビ「西住みほ」

アンチョビ「……あの黒森峰隊長様の妹君だよ」

カルパッチョ「と、いうことは西住流の……」

まほ「……」

アンチョビ「しかし、あんな子だったんだなー」

カルパッチョ「ドゥーチェはご存知なかったんですか?」

アンチョビ「まあ、去年はうちの戦力もガタガタで向こうは強すぎるわで顔見る前に負けたからなー」

アンチョビ「何回か試合してもらったけど、一度もツラを拝めてなかった」

まほ「色々とあって、挨拶は私と三年生で行っていたからな」

エリカ「……」

エリカ(何で……何でここに……!?)

エリカ(大会とは無縁だけど戦車でのんびりやる、優雅な隠居ドロップアウト生活を送っていたんじゃあないの……!?)

336 : 完全に意識が飛んでいた申し訳ない - 2016/11/03 03:38:34.73 /6Fply3xo 222/872


エリカ「……」

アンチョビ「な、なあ、お前ンとこの副隊長とんでもない顔してるけど大丈夫なのか?」

まほ「ああ」

まほ「みほが絡むと大体ああだ、気にしなくていい」

アンチョビ「いや、あれが平常運転なのもどうかと思うが……」

アンチョビ「まあ、いいか」

アンチョビ「気にはなるが、私は私でペパロニ達の所に行かなきゃならないしな」

カルパッチョ「今回はありがとうございました」 ペコリ

アンチョビ「おかげで大会に向けた資金が少し稼げたよ」

まほ「そうか、それはよかった」

まほ「……もっとも、大会で当たれば容赦はしないし、再び資金難になる程度には叩き潰させてもらうがな」 フッ

アンチョビ「ぐう……上等だ!」

アンチョビ「黒森峰だろうがアンツィオはただで負けはしない……いや、勝つ!」

まほ「……エリカ」

エリカ「……はい」

まほ「相手は今後も付き合うことになるであろう学校の隊長格だ」

まほ「副隊長として、挨拶だけはきちんとしなくちゃいけない」

エリカ「……申し訳ありません」

アンチョビ「まあ、なんだ」

アンチョビ「昔の仲間が敵になるって、複雑だと思うが……」

カルパッチョ「まるで漫画か映画みたい……」 ウフフ

アンチョビ「確かに、黒森峰が主人公だとしたら、完全に漫画の展開だ」

アンチョビ「だがしかーし! そうはならない!」

アンチョビ「何せ西住みほは、一回戦がサンダース!」

アンチョビ「更に二回戦はこのアンツィオ高校が相手なんだ」

アンチョビ「悪いが大洗と黒森峰が戦うことはない!」 キリッ

エリカ「……」

エリカ「まあ、そうよね」

エリカ「戦車道はそんなに甘くはない」

エリカ「順当に考えれば、決勝でぶつかるのはプラウダかサンダースだわ」

エリカ「他はさほど苦戦しそうな学校ばかりだし」

アンチョビ「おーい、目の前目の前」

337 : 寝ぼけてアンチョビがアンツィオになってる、申し訳ない - 2016/11/03 04:02:42.32 /6Fply3xo 223/872


アンチョビ「あまり見くびるなよ?」

アンチョビ「序盤から大物であるマジノと当たり、2回戦はサンダース校を撃破」

アンチョビ「そしてプラウダときて、黒森峰か聖グロ……」

アンチョビ「どうだ、私達こそまさにザ・主人公だろう!」

エリカ「なっ、私達黒森峰が聖グロに遅れを取るとでも!?」

アンチョビ「はは、去年も接戦だったんだ、今年はどうなるかわからないぞ」

エリカ「どうかしてたまるもんですかっ」

エリカ「あんな練習試合のあと、大洗なんかには贈り物するのに私には何もくれないような連中なんかにッ」

アンチョビ「突然私怨を前面打ち出してきたな」

まほ「まあだが、聖グロは厳しい審査基準を越えた相手にしか贈らないという有名な話もある」

アンチョビ「自分の腕を見直せってことか……」

エリカ「あいつら、面白かったとか、そういう部分で判断してるよの!?」

エリカ「勝った試合の方が負けた試合より面白いに決まってるんだから、そりゃ貰えないでしょうよ!」

エリカ「大洗との練習試合のあと、私達より面白いみたいなこと言ってたの、聞いてるんだから……!」 ギリィ

エリカ「今度こそ絶対、隊長の好敵手に相応しい人物は誰か決着をつけてやるわ……!」

アンチョビ(この子も大概スイッチ入ると周りを置いて話し出すよなあ)

まほ(聞いたって、いつどこで誰に聞いたんだろう)

338 : 以下、名... - 2016/11/03 04:12:14.44 /6Fply3xo 224/872


アンチョビ「ま、いずれにせよ互いに決勝まで行かなきゃ戦えないんだ」

アンチョビ「お互い頑張ろう」

まほ「ああ」

アンチョビ「それじゃ、決勝戦で会おう!」

エリカ「また分かりやすくフラグ立てたわね……」

カルパッチョ「さすがにそれは……」

アンチョビ「なに、フラグ!? どこかに恋愛の切っ掛けが――」

エリカ「いや、そーいうのじゃなくて……」

エリカ「如何にも強敵の噛ませ犬になりそうなポジションだなあって」

アンチョビ「何をぅ!?」

まほ「サンダースやマジノの噛ませ犬と言うには戦力差が……」

エリカ「確かに順当すぎますし、アンツィオを破ってもボス感は出ませんよね」

まほ「2回戦あたりで戦う敵に初戦で負けてくれるなら、次の敵の強さが引き立つのだが……」

エリカ「その場合でも2回戦の相手はあまり強そうに見えないんじゃないですか」

エリカ「あまりに戦車がアレなうえにほぼ一芸ですし……」

まほ「噛ませ犬もできないとすると……」

エリカ「強くはないけど何かインパクトに残る枠じゃないですか?」

エリカ「戦車道界のワッパツヨシ的な……」

アンチョビ「お前らなー!」

アンチョビ「切り札見て絶ッッッ対ビビらせてやるかんなー!!」

339 : 以下、名... - 2016/11/03 04:13:53.56 /6Fply3xo 225/872


アンチョビ「おぼえてろよー!」

アンチョビ「行くぞカルパッチョ!」 トテトテトテ

カルパッチョ「おしおきだべー」 トテトテトテ

エリカ「……それはまた別ジャンルじゃない?」

まほ「……最後までコミカルな連中だったな」

エリカ「ええ……」

まほ「……」

まほ「よかったよ、アンツィオと一緒に来て」

エリカ「え?」

まほ「……私と2人だったら、みほを見て以降、ずっと張り詰めた表情でギクシャクしただろうしな」

エリカ「うっ……」

340 : 以下、名... - 2016/11/03 04:19:24.69 /6Fply3xo 226/872


まほ「……っと、赤星からか」 ブルルルル

まほ「どうやら、屋台が繁盛していてしばらく離れられないらしい」

エリカ「はあ?」

エリカ「何やってんのよあの馬k――」 ブルルルル

メール『夕方まで二人っきりにしてあげるから、ファイト(^_-)-☆』

エリカ「……」

エリカ(何の気遣いよこれ……っ)

まほ「ふむ……」

まほ「ならばどこかで少々時間でも潰すか……」

まほ「まるで不慣れなのに手伝いに行くと、むしろ邪魔をしかねないからな」

エリカ「ですよねえ……」

エリカ「……」

エリカ「あ、あの……」

まほ「?」

エリカ「よ、よければなんですけど、その……」

エリカ「戦車喫茶、行ってみませんか!?」

エリカ「ネットで話題で、行ってみたかったんです……!」

エリカ「……だめ、でしょうか」

まほ「……ふっ」

まほ「駄目な理由が見当たらないな」

まほ「息抜きも大事だ。そこに行って楽しもう」

エリカ「…………!」 パァァァァ

エリカ「はいっ!」

347 : 以下、名... - 2016/11/09 01:51:49.85 eVOC45zqo 227/872


エリカ「ここです!」

まほ「ほう、なかなか洒落た外観じゃないか」

エリカ「いつもは長蛇の列ですが、今日は時間が時間なので比較的すぐ入れそうですね」

まほ「いつもはもっと混んでいるのか……」

エリカ「そうなんですよ」

エリカ「それこそ、あそこの細い路地まで列が続くくらい――」

???「ねっ、ここには新鮮で美味なスイーツがたくさん置いてあるのさ」

???「おお……た、確かにほとんど手がつけられてないものまである……」

???「で、でもゴミ箱の中のって汚いんじゃ……」

???「ここのポリバケツは毎日新鮮な袋に変えられている」

???「それに袋と接していない上部のケーキならば――」

???「確かに、たらふく食べてもいい気がしてくる……」

???「ええ、でも人としてどうなの……?」

???「人としての尊厳――それはそんなに大切なことなのかな?」

???「多分無視しすぎると色んな人が怒り出す程度には大切だと思うけど」

エリカ「……」

まほ「どうしたエリカ」

エリカ「いえ、ちょっと路地裏に見ちゃいけないものが……」

まほ「?」

エリカ「なんでもないです、方々から怒られる前に早く入りましょう……」

まほ「?」

348 : 以下、名... - 2016/11/09 02:22:38.04 eVOC45zqo 228/872


まほ「なかなか凝っているな……」

エリカ「ディテールの凄さに関しては全国屈指だそうです」

エリカ「戦車道Walkerにも載ってましたし」

まほ「アンツィオの連中も、ここを見ておけばよかったのにな」

エリカ「う、まあ、商売のうえではそうかもしれませんね……」

エリカ(折角隊長と2人っきりだってーのに、邪魔させるなんて絶対御免……!)

ドーーーーン

まほ「この音は……」

エリカ「ああ、ここは呼び鈴の音も凝っていて――」

「ケーキセットで、チョコレートケーキ2つといちごタルト、レモンパイと、ニューヨークチーズケーキを1つずつお願いします」

エリカ「」

店員さん「承りました、少々お待ち下さい」 バッ

エリカ(気のせいじゃなければ知ってる顔がいる……)

「あ、今のは私用ですので……他の皆さんはどうされます?」

店員「!?」

エリカ(知らない顔を覗かせてるけど、あれって、あれって――――!)


349 : 以下、名... - 2016/11/09 02:42:56.24 eVOC45zqo 229/872


沙織「このボタン、主砲の音になってるんだ」

優花里「この音は、九丸式ですね」

エリカ(ぐうっ……)

エリカ(分かっちゃあいたけど、Ⅳ号戦車になってるときに見かける顔ぶれそのまんまっ……!)

エリカ(やっぱりただの夢じゃなくて入れ替わってたッ……)

エリカ(出来ることなら、遠くの席に座って、顔を合わせず――)

まほ「どうした、エリカ」

まほ「そっちに何かあるのか?」

エリカ「うっ、いえ、そんなことは――」

ブロロロロロロ

まほ「ほう……」

まほ「ドラゴンワゴンか、凝っているな」

エリカ「あっ」

まほ「?」

エリカ(そ、そっちに視線を持っていかれると――――)

まほ「あれは……」

エリカ(不味い不味い不味い)

エリカ(ええい、こうなったら、下手に絡んで変な空気になる前に、いっそのこと――)

350 : 以下、名... - 2016/11/09 03:30:42.61 eVOC45zqo 230/872


エリカ「副隊長?」

エリカ(こちらから絡むっ――)

エリカ(これなら予期せぬ話題とかで変なことを答える心配はないっ……)

エリカ(さすがに入れ替わりで得た情報を漏らしでもしたら、変態ストーカー扱いは免れないもの……)

エリカ(なんとしても早々に切り上げるっ!)

エリカ「……ああ、元でしたね」 ハン

まほ「お姉ちゃん……」

沙織「この人が、みぽりんの……」 ゴクリ

みほ「あ、その、そっちの人じゃなくて……」

エリカ「姉が妹をうっかり副隊長なんて言うわけないでしょ頭使いなさいよ」

沙織「うう、そこまで言わなくても……」

「ということは、こちらの方が、元お姉さん――!」

みほ「ええと、そっちに関しては元じゃなくて……」

まほ「現役だ」

エリカ(こーいう所があるから絡みたくないのよコイツら……!)


351 : 以下、名... - 2016/11/09 03:43:36.91 eVOC45zqo 231/872


まほ「まだ戦車道をやっているとは思わなかった」

みほ「……」

エリカ(うっ……)

エリカ(隊長が、割りと怒っていらっしゃる……)

エリカ(無理もない……)

エリカ(目をかけていた妹が、黒森峰を捨て逃げるように学園艦を降りた……)

エリカ(その時、あの子の側に密かにつき、転校できるよう方々に頭を下げたと聞く……)

エリカ(隊長自身、辛い想いだっただろうに、あの子の幸せを思って、送り出したのに……)

エリカ(この子はのうのうと、他校でまた戦車道をしている……)

エリカ(やっぱり……隊長のためにも、私はこの子を許すわけにはいかないっ……!)

まほ(戦車道始めたならメールで教えてくれてもいいのに……(´・ω・`)サミシイ)

352 : 以下、名... - 2016/11/09 03:57:39.92 eVOC45zqo 232/872


優花里「お言葉ですが、あの試合でのみほさんの判断は、間違ってませんでした――!」 ガタッ

みほ「……っ」

エリカ「……部外者が口を出さないでほしいわね」

優花里「すみません……」

まほ「……行こう」

エリカ「はい、隊長」

エリカ「……一回戦はサンダース付属と戦うんでしょう?」

エリカ「無様な戦い方をして、西住流の名を汚さないことね」

みほ「……」

エリカ(そして私のボディも色々と汚さないで欲しいから入れ替わってないタイミングでさっさと負けなさいよホント……!)

353 : 以下、名... - 2016/11/09 04:05:26.37 eVOC45zqo 233/872


沙織「何よその言い方!」

「あまりにも失礼じゃ……!」

エリカ「貴女達こそ戦車道に対して失礼じゃない?」

エリカ(まあ大洗の連中の中じゃマシな方ではあるけども)

エリカ(でもあのカラーリングといい、絶対おかしいわよコイツら)

エリカ「……無名校のくせに」

「……っ」

エリカ「……この大会はねェ」

エリカ「戦車道のイメージダウンになるような学校は、参加しないのが暗黙のルールよ」

エリカ(そこに入るために、皆がどれほど苦労してきたか……)

エリカ(後追いだったアンツィオんとこの連中が、どれだけ努力と練習を積み重ねて舞台に参加出来るようになったか……)

エリカ(私だって、あんたの背中に追いつくために、どれだけっ……!)

エリカ(それなのに、気軽に遊び半分で、アンタたちは……っ!)

354 : 以下、名... - 2016/11/09 04:12:28.26 eVOC45zqo 234/872



麻子「強豪校が有利になるよう示し合わせて作った暗黙のルールとやらで負けたら恥ずかしいな」

エリカ「……っ!」

沙織「もし、アンタ達と戦ったら、絶対負けないから……!」

エリカ「ふん、頑張ってね」

エリカ(当たるとしたら決勝、そこまで来るなんてありえないわよ)

エリカ(戦車道をなめるんじゃないわよ) チッ

沙織「べーーーっ」

「嫌な感じですわ」

麻子「女の腐ったようなやつだったな」

優花里「羊水が腐っている、というやつでしょうか」

沙織「絶対彼氏いないよアレ」

「まるで生理中みたいでしたし、腐っているとはいえある意味女性の体現者なのかもしれませんね、悪い意味で」

エリカ「聞こえてるわよクソ弱小」

「クソだなんてお下品な……」 ヒソヒソ

沙織「自分こそ、金魚のクソなのにね」 ヒソヒソ

麻子「女の要素にクソを加えて『うん子』か、最悪だな」 ヒソヒソ

優花里「少々引きますね……」 ヒソヒソ

エリカ(Uターンして今すぐドロップキックしてきちゃ駄目かしら)

355 : 以下、名... - 2016/11/09 04:27:11.61 eVOC45zqo 235/872


まほ「……」

エリカ「ええと、注文どうしますか?」

まほ「……エリカに任せよう」

エリカ「そ、そうですか……」

エリカ「ええと、では、ケーキセットのガトーショコラを2つ……」

店員さん「承りました、少々お待ち下さい!」 ババッ

エリカ「……隊長……」

まほ「……」

まほ「みほは……」

まほ「まだ、戦車道を続けていたんだな」

エリカ「……」

エリカ(私ですら、あれだけショックだったんだもの……)

エリカ(隊長は、もっとショックのはず……)

エリカ(ましてや私は戦車道をしてること知った後、大会参加を知ったのに対し――)

エリカ(隊長は、いきなり戦車道を続けていることを知った上大会参加というサプライズまで受けている……)

エリカ(ショックじゃないはずがない、わよね……)

356 : 以下、名... - 2016/11/09 04:30:32.06 eVOC45zqo 236/872


まほ「……」

まほ「エリカは……」

まほ「みほが戦車道を続けていると知って、どう思った?」

エリカ「え……」

エリカ「……」

エリカ「私は……」

まほ「……」

まほ「正直な気持ちを、聞かせてくれ」

エリカ「……」

エリカ「ショックでした」

エリカ「あの子が逃げたときでも、裏切られたような気持ちになって、失望したっていうのに……」

エリカ「戦車道から逃げ出して、そのくせ喉元過ぎた熱さを忘れて、のうのうと戦車道を続けている……」

エリカ「そんなに戦車道が好きなら、黒森峰で去年のことを挽回すればよかったじゃないっ……」

エリカ「なのに、あの子は――っ!」

357 : 以下、名... - 2016/11/09 04:35:37.77 eVOC45zqo 237/872


エリカ「だから……だから私は!」

エリカ「あの子を認めたくないっ」

エリカ「黒森峰から逃げ出したあの子を!」

エリカ「私は……」

エリカ「あそこからでも、這い上がって来てほしかったのに……っ」 ギリッ

まほ「エリカ……」

まほ(そう、だよな)

まほ(お前は――みほの、一番の、友人だったものな……)

まほ(エリカは否定するだろうし、みほも素直に首を縦には振らないだろうが――)

まほ(それでも私は、お前達を親友だと思っていたし、そうであってほしかった)

まほ(黒森峰を支える、二本の柱であってほしかったよ……)

358 : 以下、名... - 2016/11/09 04:52:09.06 eVOC45zqo 238/872


まほ(……私は……)

まほ(あの子のために、色々してきたつもりだった……)

まほ(あの子のため、西住流のため、黒森峰のため――)

まほ(色々なもののため、尽くしてきたつもりだった――)

まほ(だが――)

まほ「……」

『何よその言い方!』

『あまりにも失礼じゃ……!』

まほ(守るものが、多くなりすぎていたんだな……)

まほ(自分では、上手く立ち回っていたつもりだったし、失敗したとも思っていないが――)

まほ(それでも……)

まほ(いつしか私は、みほのため、感情のままに怒り何かに立ち向かうことができなくなっていたんだ……)

359 : 以下、名... - 2016/11/09 04:55:29.31 eVOC45zqo 239/872


まほ「エリカ」

エリカ「……はい」

まほ「……」

店員さん「おまたせしました~、ケーキセットでございます!」

まほ「……ありがとう」

まほ「……」

まほ「食べよう」

まほ「この息抜きが終わったら――大会に向けて、本腰を入れなくてはならない」

エリカ「はいっ!」

まほ(……お前は、みほに対して真っ直ぐでいてやってくれ)

まほ(お前も私も、黒森峰や西住流、戦車道に縛られてしまっているが――)

まほ(私と違って、お前はそのしがらみから抜け出せる)

まほ(私の分まで、どうか――)

360 : 以下、名... - 2016/11/09 05:00:38.32 eVOC45zqo 240/872


エリカ「勝ちましょう、隊長」

エリカ「ここを出たら、赤星達を回収して、特訓しましょう」

エリカ「今年こそ、王座を奪還しましょう、絶対っ……!」

まほ「ああ」

まほ「……でもあまり食べながら喋らない方がいいと思うぞ」

エリカ「……失礼しました」 ゴックン

エリカ「こほん。まあ、あの子達と直接対決はないでしょうが……」

エリカ「あの子たちは、どうせサンダースに叩き潰されるでしょうし」

エリカ「でも、圧倒的強さで優勝して、あの戦車道をナメきった連中に、私達黒森峰の凄さを教えてやりましょう!!」

エリカ(そうよ、あのヌルい連中がサンダースに勝てるわけないじゃない!)

エリカ(私の見てないところで早々に負ければいいのよ!)

エリカ(黒森峰の試合や練習に集中するから他校の試合分析はベンチの連中に任せてるから、どんな戦いぶりかは分からないけど……)

エリカ(どうせ負けるんだもの、関係ないわ)

エリカ(せいぜい、私の預かり知らぬところで無様な敗北を喫するといいわっ)

361 : 以下、名... - 2016/11/09 05:01:25.08 eVOC45zqo 241/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 

362 : 以下、名... - 2016/11/09 05:06:38.60 eVOC45zqo 242/872


「整備終わったかーーーー!?」

うさぎさん「「「「はーーーーい」」」」

カエサル「準備完了」

典子「私達もです」

みほ「Ⅳ号も完了です」

エリカ「」

「じゃ、試合開始まで待機!」

エリカ「ああああああああ預かり知る所になってるううううううううう」

368 : 以下、名... - 2016/11/11 01:33:43.14 hHCZMmXHo 243/872


エリカ「最悪だわ……」

エリカ「よりにもよってサンダース戦で……」

エリカ「絶対あのいけ好かないファイアフライにキッツイのもらうじゃない……!」

???「のんきなものね」

???「それでよくノコノコ全国大会に出てこれたわね」

エリカ「まったく同感――って、噂をすれば……」

「貴様ら何しにきた!」

ナオミ「試合前の交流も兼ねて、食事でもどうかと思いまして」

エリカ「戦車の中じゃあクールぶってるくせに、こうやって煽りに来るあたり性格悪いわね……」

エリカ「嫌味を言うためだけにご足労とは大したものだわ」

エリカ「こまめに毒を吐かないと落ち着かない病気なのかしら、人間性を疑うわね」 ハン

麻子「……」

沙織「どうしたの?」

麻子「いや、なんだか無性に突っ込みをいれないといけないような気がしてな……」

沙織「?」

沙織「寝ぼけてるんじゃないの?」

369 : 以下、名... - 2016/11/11 02:05:21.06 hHCZMmXHo 244/872


沙織「すごっ……!」

優花里「救護車にシャワー車、それにヘアサロン車まで……!」

エリカ「全然戦車道関係ないし、ヘアサロンとか使う人間いるのかしら……」

エリカ「選手ならヘアサロン行ってる場合じゃないし、客も試合見ないでヘアサロンとか行かないでしょうに……」

「本当にリッチな学校なんですね……」

エリカ「ふん、いけ好かない金持ちなだけよ」

エリカ「戦車保有台数しか売りがないようじゃ、私達黒森峰の敵じゃないわ」

エリカ「それに料理も大きいだけで味は大味、スイーツも人口甘味料や着色料の塊」

エリカ「これなら有料でもアンツィオの屋台の方が数倍マシだわ」

沙織「わあ、熱々ハンバーグがある……!」

「本場アメリカンのサイズで、とてもジューシーそうですね」

優花里「鉄板でジュウジュウ言われると、お腹が空いてきますよねえ」

エリカ「はあ!?」

エリカ「ちょ、ずるいわよ、ウチとやるときはハンバーグ屋なんてなかったじゃない!!!!」

370 : 以下、名... - 2016/11/11 02:19:59.52 hHCZMmXHo 245/872


ケイ「アンジー!」

エリカ「出たわね、能天気女……」

エリカ「下手したらダージリン以上に理解できないのよね、この女は……」

ケイ「なんでも好きなもの食べて行って」

エリカ「そういうのは!!人間フォルムのときに!!!ハンバーグ屋引き連れていいなさいよ!!」 ムッキー!

「オーケイオーケイ」

「おケイだけに」

ケイ「HAHAHAHAHA!!」

エリカ「ほんっと、四強はどいつもこいつも四強の自覚がないようなやつが多すぎるわ……!」

エリカ「人間性は底辺だけど、プラウダの連中がマシに思えるわ……」

エリカ「全く隊長を見習ってほしいものね」

エリカ「代表格の言動一つで学校の印象が決まるっていう自覚はないのかしら」

麻子「……」

優花里「どうかしたんですか?」

麻子「いや、今日はエンジン音がどことなく蹴飛ばしたくなる感じでな……」

優花里「……あー」

沙織「分かるんだ!?」

371 : 以下、名... - 2016/11/11 02:34:32.50 hHCZMmXHo 246/872


まほ「……始まったな」

まほ「……」

まほ「いつもなら、エリカの方から『始まりましたね』なんて言って、私は静かに試合を見守るのにな」

まほ「……」

まほ「前日に移動なんてしてくるんじゃなかったな……」

まほ「この症状、おそらく――」

ポチ

エリカ「ドゥルンドルルルルルルル」

まほ「ああ……乳首でエンジンがかかっている……」

まほ「どうしよう……」 ズーン

373 : 以下、名... - 2016/11/11 03:35:08.95 hHCZMmXHo 247/872


みほ「3輌……囲まれたッ!」

エリカ「ふん、早くもバッタバタしてるわね」

エリカ「ま、5台しかない素人集団じゃ当然の結果かしら」

エリカ「このまま現実を思い知って、(私が)痛い目に遭う前にさっさとフラッグ車が落とされればいいのよ」 フン

優花里「北東から6輌……南南西から3輌……」

優花里「すごい、全10輌中9輌この森に投入ですか!」

「随分大胆な戦術ですね」

エリカ「こいつら、たまに何考えてるんだか王道を外してギャンブルに出ることがあるのよね」

エリカ「スポーツマンシップなのかエンターテイメントなのか知らないけど……」

エリカ「ま、所詮は小手先だけの奇策、大したことはないわ」

エリカ「黒森峰なら真っ向から普段通りの連携で叩き潰してるところよ」 フン

374 : 以下、名... - 2016/11/11 03:43:40.85 hHCZMmXHo 248/872


エリカ「ま、ここは黒森峰じゃなくて大洗」

エリカ「残念ながらアンタたちの全国大会はこれで終わり――」

みほ「このまま全力で進んで下さい」

みほ「敵戦車と混ざって!」

エリカ「はあ!?」

典子「リベロ並のフットワークで……」

エリカ「そんな無茶な……」

エリカ「……」

エリカ「少なくとも、黒森峰の重戦車部隊でやるようなものじゃないわよね……」

エリカ「まあうちならそもそもこんな事態に陥らないわけだけど」

エリカ「……」

エリカ「慣れない事態に、変な指揮でも始めたの?」

エリカ「それとも……」

エリカ「そこまで日も経っていないのに、今の保有戦車の特徴を把握しきって、有効な戦術を編み出したとでも……?」

375 : 以下、名... - 2016/11/11 03:56:37.09 hHCZMmXHo 249/872


みほ「ふう……」

「危なかったですね……」

エリカ「……」

エリカ「相変わらず、ドライビングテクニックだけは異常に高いわね……」

みほ「うん……」

みほ「まるで私達を待ち構えていたみたい……」

エリカ「偶然に決まってるでしょ」

エリカ「サンダースの隊長は確かに隊長としての能力が高いけど、最近は後進育成のためか、作戦指揮を2年にさせてるみたいだし」

エリカ「相手の幸運に一々動揺しているようじゃあ、まだまだね」 フフン

みほ「はっ……!」

みほ「……」 ガチャン

エリカ「何よ、急に身を乗り出して」

「みほさん? どうしたんですか?」

みほ「通信傍受機が打ち上げられてる……」

エリカ「はあ!?」

エリカ「何よソレ、反則じゃないの!」

エリカ「いや、その、あれよ、気が付かなかったのは、私自身の意思じゃ動けないしアンタらの味方をする気もないから気を張ってなかったからで……」

エリカ「こ、これが黒森峰との試合だったら当然そんな狡っ辛い手、すぐに気付いていたわよ!!」

376 : 以下、名... - 2016/11/11 04:03:46.46 hHCZMmXHo 250/872


優花里「確かに……」

優花里「ルールブックには傍受機を打ち上げちゃいけない、なんて書いてないですね」

沙織「酷い!」

エリカ「本当よ!」

エリカ「戦車道の品位を落とすような行為だわ!」

エリカ「大体ルールブックに記載がなければ問題ないなら、うちらは毒ガスをぶち込んでるわよ!!」

沙織「いくらお金があるからって……!」

「抗議しましょう!」

エリカ「そうよ、こうなったら徹底的に叩いて2ちゃんにもスレを立ててやればいいんだわ!」

エリカ「ついでにあの傍受機を写メっておいてTwitterにあげれば炎上間違いなしよ!」

エリカ「そうなったら持ってるアカウント総動員してRTしてやるんだから……!」

377 : 以下、名... - 2016/11/11 04:14:38.65 hHCZMmXHo 251/872


エリカ「いや、でもこれが黒森峰ならそんな格好悪いことは出来ないわよね……」

エリカ「まあ大洗は恥も外聞もなく抗議して失格に追い込めばいいと思うけども」

エリカ「それが無理でもあれの撤回ぐらい求めないとどうにもならないわよ」

エリカ「黒森峰だとしても、通信傍受機が相手じゃ苦しい戦いを余儀なくされるのよ?」

エリカ「それでも冷静に、いつもどおりの戦いで押しつぶすしかないのだけど……」

エリカ「我らが黒森峰や西住流に、後退の文字はないもの」

エリカ「まあ、西住流から逃げ出したアンタなら、平気で逃げるでしょうけど」

みほ「……だったら……」

みほ「前者、0985の道路を南進!」

みほ「ジャンクションまで移動して!」

みほ「敵はジャンクションを北上してくるはずなので、通り過ぎた所を左右から狙って!」

エリカ「はあ!?」

エリカ「相手に作戦は筒抜けになってるのよ!?」

エリカ「一体何を――――」

378 : 以下、名... - 2016/11/11 04:18:56.34 hHCZMmXHo 252/872


沙織「無線じゃなくてケータイで連絡してたんだもーん♪」

優花里「やったあ、作戦成功です!」

エリカ「大洗女子が1輌撃破……それもサンダースより先に……」

エリカ「相手の通信傍受を逆手に取った戦略で……」

エリカ(もし、私が通信傍受をされたとして――)

エリカ(こんな作戦を取ることができた……?)

エリカ(いや――)

エリカ(隊長だとしても、おそらくはこんな策戦は……)

エリカ(勿論、こんな作戦を取らずとも真っ向から叩き潰せるからだけど、でも――)

エリカ「腹立たしいほど、隊長としての資質は衰えてないみたいね……!」 ギリッ

379 : 以下、名... - 2016/11/11 04:22:03.54 hHCZMmXHo 253/872


まほ「……」

まほ「もし、エリカが奇病に侵されていなければ……」

まほ「大洗女子が1輌撃破!?なんて驚いていたんだろうな」

まほ「……」

まほ「もしそうなら、そのようだな、なんて応えたのだろうが……」

エリカ「ドルルルルルルルル」

まほ「会話にならないからな、今……」

まほ「次からは他の奴も連れてきておくか……」

まほ「とりあえず、アイドリングストップしておくか……」 チクビポチー

380 : 以下、名... - 2016/11/11 04:34:55.65 hHCZMmXHo 254/872


アリサ「いい気になるなよ……!」 ギリギリ

みほ『戦車、128高知に集合して下さい』

みほ『ファイアフライが居る限り、こちらに勝ち目はありません』

エリカ『戦力差が分かる程度の脳味噌はあるみたいね』

エリカ『でも勝ち目がない理由はファイアフライ以外にもあると思うのだけど』

エリカ『大体5輌って何よ5輌って』

エリカ『1輌倒してもまだ5対9よ』

エリカ『バスケチームで野球チームに挑むくらいのバランスの悪さよ、分かってるわけ?』

アリサ「……」

みほ『危険ではありますが、128高知に陣取って、上からファイアフライを一気に叩きます!』

アリサ「くくく……」

アリサ「あーーーーっはっはっは、捨て身の作戦に出たわねェ!」

エリカ『無能片眼鏡の射撃とかあてにならないけど、大丈夫なんでしょうね』

エリカ『基本的にこのチーム、コスプレ色物集団と私しか攻撃面でまともな戦力にならない状態なのよ?』

エリカ『バカ食いロン毛の腕は信用できるんでしょうね?』

アリサ「……」

アリサ「どことなく他人事で五月蝿いだけのやつが乗ってるみたいね……」

アリサ「わざわざ通信で文句を言ってるみたいだけど、無視されてるし哀れだわ」 ククククク

アリサ「その点私は信頼を得ているッ……!」

アリサ「多少不自然でも隊長は私の提案に従ってくれる……」

アリサ「くく、このまま大勝利の立役者になってやるわ!」

381 : 以下、名... - 2016/11/11 04:38:55.56 hHCZMmXHo 255/872


エリカ「……認めたくはないけど……」

エリカ「多少は頭が冴えてるじゃない」

エリカ「ま、相手が威張り散らしてデカイ態度を取るしか出来ない無能というのも大きいでしょうけど!」

エリカ「有能ぶって大きな口を叩くやつに限って、思惑が外れたら脆いものなのよね」 フン

麻子「…………」

沙織「どうしたの?」

麻子「いや、なんだろうな、無性に戦車の中を蹴飛ばしたく――」

沙織「もう、集中しなよお!」

沙織「ほら、来るよ――!」

エリカ「クク、囮につられて間抜けなフラッグ車が来たようね」

エリカ「ある意味予想通りの展開――」

エリカ「このまま追い回してやるわ!!」


382 : 以下、名... - 2016/11/11 04:45:01.21 hHCZMmXHo 256/872


エリカ「……」

エリカ「策がハマって相手を叩き潰す――」

エリカ「やっぱり、勝つと気持ちいいものね」

エリカ「それも、策がピタリとハマると」

エリカ「……」

エリカ「黒森峰のときから、アンタはそうだったわよね……」

エリカ「隊長の指揮に忠実でいながら、臨機応変に指示を出し、ハプニングに対処する」

エリカ「……」

エリカ「アンタのそーいう所が、なんか気に入らなかったけど……」

エリカ「同じチームで、隊長の背中を追いかける同士だと思っていたから、少し、尊敬していたのに……」

エリカ「……」

エリカ「まさか、こんな形で、アンタの指揮で気持ちよく相手を追い込む日が来るなんてね……」

「なにか、喚きながら逃げてます……」

エリカ「ふん」

エリカ「予想外のことに取り乱して叫び始めるのは二流の証ね」

麻子「……折角追い風が吹いているのに、今日のエンジン音は本当に蹴ってやりたくなるな……」

383 : 以下、名... - 2016/11/11 04:51:18.74 hHCZMmXHo 257/872


ズドオオオオオオオン

エリカ「!?」

みほ「今のは――」

優花里「ファイアフライ、17ポンド砲です……!」

沙織「なんか、凄い音だったよ……!?」

エリカ「こ、こんなの体に喰らったら死ぬ、死ぬわよ!?」

みほ「……」

みほ「4輌だけ……?」

優花里「距離、約5000メートル!」

みほ「ファイアフライの有効射程は3000メートル……」

みほ「まだ大丈夫です!」

エリカ「ちょ、大丈夫じゃあないわよ!」

エリカ「こっちは掠るだけでも大激痛待ったなしなのよ1?」

エリカ「っていうか、案の定さっぱり砲撃が当たらないし、このままだと時間の問題じゃない!」

エリカ「どうするつもりなのよ!?」

384 : 以下、名... - 2016/11/11 04:56:11.39 hHCZMmXHo 258/872


みほ「うさぎさん、アヒルさんは後方をお願いします」

みほ「カバさんと我々あんこうチームは、引き続きフラッグ車を攻撃します!」

「今度は、逃げないから……!」

うさぎさんチーム「「「「「うん!」」」」」

エリカ「……」

エリカ「素人集団ではあるけど……」

エリカ「少しだけ、マシになっている……?」

エリカ「……まあ、マイナスがゼロに近づいただけではあるけど……」

エリカ「この短期間で、車体の色を普通にしただけでなく、本当に基礎の部分と心構えは修正してきたってことかしら……」

みほ「アヒルチーム、怪我人は!?」

典子「大丈夫です!」

エリカ「……ま、変わってないところも、あるいたいだけど」

385 : 以下、名... - 2016/11/11 04:59:38.06 hHCZMmXHo 259/872


エリカ「M3もファイアフライにやられたか……」

エリカ「もう時間の問題ね」

エリカ「……」

エリカ「諦めムードも漂っている」

エリカ「諦めた者に勝利など無い」

エリカ「さりとて、戦車道にまぐれなし」

エリカ「確かにちょっと健闘したのは褒めてあげてもいいけど、現実は厳しいのよ」

エリカ「……」

エリカ「だからさっさとやられなさいフラッグ車!!」

エリカ「あんなのにぶち当てられたら絶対ヤバイから!」

エリカ「車内で出火するレベルの砲撃とか受けるわけにはいかないんだからね!!」

386 : 以下、名... - 2016/11/11 05:01:42.79 hHCZMmXHo 260/872


まほ「……」

まほ「エリカなら……」

まほ「もう時間の問題だなんて思うかもしれないな……」

エリカ「……」

ヒソヒソ

アノコ、ドウコウヒライテナイ?

ヒソヒソ

ッテイウカ、サッキ、オッパイモンデタワヨ

ヒソヒソ

まほ「……」

まほ(色んな意味で、この観戦ももう時間の問題だな……)

まほ(無用なトラブルになる前に、試合が終わればいいのだが……)

387 : 以下、名... - 2016/11/11 05:07:05.36 hHCZMmXHo 261/872


みほ「みんな落ち着いて!」

みほ「落ち着いて攻撃を続けて下さい!」

みほ「敵も走りながら撃ってきますから、当たる確率は低いです!」

みほ「フラッグ車を叩くことに集中して下さい!」

エリカ「そうよ、とにかく先に撃墜するしかないわよ!」

エリカ「何せ相手はあのファイアフライのナオミよ!?」

エリカ「っていうかさっきから立て続けに2輌撃破されてるのよ!?」

エリカ「楽観視してたら私の体がバラバラに吹き飛ぶんだからね!」

みほ「今がチャンスなんです!」

みほ「当てさえすれば勝てるんです……!」

エルヴィン「諦めたら……」

柚子「負け……」

「いやもう駄目だよ柚子ちゃあん」 ビエーン

エリカ「ちっ、指揮を下げるようなネガティブな発言なんてするもんじゃないわよ」

麻子「……」 ガイン

エリカ「え、ちょ、今何!? 蹴った!? 今蹴った!?!?」

388 : 以下、名... - 2016/11/11 05:14:28.37 hHCZMmXHo 262/872


優花里「西住殿の言うとおりです!」

沙織「そうだよね……諦めたら負けなんだよね……!」

麻子「うん……」

沙織「華!」

沙織「撃って撃って撃ちまくって!」

エリカ「そうよ、それしかないわ!」

沙織「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって!」

エリカ「そうよ、いいこと言ったわ!」

エリカ「下手な鉄砲が当たらなきゃ、私は終わりなんだから!!」

沙織「恋愛だってそうだもん!」

「……いいえ、一発でいいはずです」

エリカ「そりゃあ当たればそうだけども……やれるわけ?」

「冷泉さん、丘の上へ」

エリカ「待って」

「上から狙います」

エリカ「待ちなさい」

みほ「稜線射撃は危険だけど、有利に立てる……」

エリカ「聞こえてないのを承知で言うけどホント待って」

みほ「賭けてみましょう」

「はい」

エリカ「被弾可能性アホほど上がるからホント待ってお願い待って!!!!!」

389 : 以下、名... - 2016/11/11 05:22:22.56 hHCZMmXHo 263/872


エリカ「ああああ、ほら!」

エリカ「こっち狙ってるわよ!!」

エリカ「そりゃそうなるわよ!」

エリカ「ちょっと聞いてるの!?」

みほ「――っ!」

みほ「停車!!」

エリカ「こっちは最初からそうやって体を動かしてるつもりよっ!」

キキーーーーッ

ズドオオオオオオオン

エリカ「っぶな……」

エリカ「急停止できるよう出来る限り体を動かしてなければ死んでたわね……」

みほ「ファイアフライが次の弾を撃ってくるまでが勝負!」

エリカ「その通り、車長の言うことは絶対よ!」

エリカ「なんとしても早急にフラッグ車を撃破しなさい!」

「わかりました……!」

390 : 以下、名... - 2016/11/11 05:23:58.47 hHCZMmXHo 264/872


「花を活けるときのように集中して……」

エリカ「ちょ、集中は大事だけど早くしなさいよ!」

エリカ「つ、次が来るわよ!?」

みほ「華さん、お願い――!」

「発射――!」

エリカ「よし行k――」

ズドオオオオオオオン

エリカ「ひぎいいいいいいいいいい!?」

391 : 以下、名... - 2016/11/11 05:27:13.94 hHCZMmXHo 265/872


『大洗女子学園の勝利!』

エリカ「おぎゃぐおぅえあぐ」

エリカ「お尻が……お尻がああああああああ!!」

エリカ「自由にのたうちまわれないのがこんなにつらいなんてええええええ……!」

エリカ「いっそ気絶してええええええええええ……!」

エリカ「ああああ……」

エリカ「いい話風に青春してやがるぅ……」

エリカ「何泣ける話みたいなことしてンのよ畜生!」

エリカ「こちとら裂ける穴痔みたいなことになりそうよ!」

エリカ「あああああああ……お嫁にいけない……」

392 : 以下、名... - 2016/11/11 05:32:02.06 hHCZMmXHo 266/872


ケイ「エキサイティーーーーング!」

ケイ「こんな試合が出来るなんて思わなかったわ!」 ガバッ

みほ「あ、あの……」

ケイ「なに?」

みほ「4輌しか来なかったのは……」

ケイ「貴方達と同じ車輌数だけ使ったの」

エリカ「じゃあ撃破された分差し引いて3輌で来なさいよ!」

エリカ「っていうかファイアフライさえいなければ! いなければ……!」

エリカ「ああああ……お尻が2つどころかアスタリスクの形に割れそうっ……!」 ヒギィ

みほ「どうして……」

ケイ「ザッツ戦車道!」

ケイ「これは戦争じゃない」

ケイ「道を外れたら戦車が泣くでしょ」

エリカ「……」

エリカ「戦車道は戦争じゃない、か……」

エリカ「分かってるし、だからこそ、卑怯な手なんて使わないわよ……」

エリカ「……」

エリカ(何でだろう……胸が少し痛いのは……)

エリカ(勝つために落下した仲間を見捨てる行為を、暗に責められている気がしたから……?)

エリカ(それとも――単にファイアフライ浣腸アタックの余波……?)

393 : 以下、名... - 2016/11/11 05:38:33.02 hHCZMmXHo 267/872


アリサ「うう……」

アリサ(とりあえず、運営本部にアレコレ言われるとまずいだろうし、傍受機の回収だけしておかないと……)

ガガー

ピピピ

エリカ『甘っちょろいこと言って……』

アリサ「!?」

アリサ「え……」

アリサ「もう誰も通信してないはずなのに……」

アリサ「誰かが通信をONにしっぱなしに……?」

アリサ「いや、だとしても戦車にもう人はいないはずだし、目に見える範囲でそんな発言してるやつは――」

エリカ『そんなことだから初戦で消えるのよ、ったく……』

エリカ『それにしても五体バラバラになりそうで最悪の気分だわ……』

エリカ『慣れたのか防御力が向上したのか知らないけど、いっそ意識を奪ってくれたらよかったのに』

アリサ「……」

アリサ「そういえば、向こうの隊長車、この声の人間いなかったような……」

アリサ「っていうか、今思うと、傍受機で聞こえた声の数と人数が合わな――」

アリサ「え?」

アリサ「ええええええ!?」

エリカ『絶対許さないし、恨み続けてやるわ……』

エリカ『ファイアフライの弾を直撃させてくれたことは……!』

アリサ「ゆ、ゆゆゆゆゆ」

アリサ「幽霊……!?」 ヘナヘナヘナ

394 : 以下、名... - 2016/11/11 05:40:25.46 hHCZMmXHo 268/872


アリサ「ば、バチが当たったの……?」

アリサ「ぼ、傍受なんてしたから……」 チョロチョロチョロ

ナオミ「?」

ナオミ「どうしたの、そんなトイレの花子さんを見た立野広みたいな顔して」

アリサ「」 ジョロジョロジョロ

ナオミ「……ウップス」

ケイ「反省会するから」

アリサ「ひぃっ」

ケイ「……」

ケイ「……想定より顔面蒼白だけど、何かあったの?」

ナオミ「さあ……」

アリサ「」 ガタガタ

403 : 以下、名... - 2016/11/14 04:29:31.50 g0yKF7oRo 269/872


エリカ「……」

エリカ「全身痛い……」

エリカ「でも意識飛ばせないって最悪ね……」

エリカ「しかも私達は一足先に回収されて壁見るしか出来なくなるし……」

エリカ「はあ……」

ガラガラガラ

エリカ「……ああ、整備部隊が来たのね」

エリカ「まあ、これだけボロボロなのだから当然――」

ピクン

エリカ「んっ……」

エリカ「な、なんてこと……」

エリカ「痛みが和らぎ、むしろ心地のよさすら感じてくるっ……」

エリカ「こ、これが戦車視点の整備……」

エリカ「まるで至高のマッサージと最新医療技術による怪我の治療を同時に受けているような感覚だわっ!」

エリカ「……」

エリカ「……たまには、整備の連中のこともねぎらってやろうかしら」

404 : 以下、名... - 2016/11/14 04:46:42.51 g0yKF7oRo 270/872


麻子「……おばあが倒れて、病院に……」

あんこうチーム「「「「ええ!?」」」」

沙織「麻子、大丈夫!?」

「早く病院へ――」

沙織「でも、大洗までどうやって……」

みほ「学園艦に寄港してもらうしか……」

優花里「撤収まで時間がかかります……!」

麻子「……っ!」 ヌギヌギ

みほ「麻子さん!?」

沙織「何やってるのよ麻子!?」

麻子「泳いで行く……!」

あんこうチーム「「「「ええええええ!?」」」」

「待って下さい冷泉さん!」

まほ「話は聞かせてもらった、人類は滅亡する」

みほ「お姉ちゃん!?」

沙織「何やってるのよこの人!?」

まほ「すまない、ヒートアップしているときは小粋なジョークを混ぜてクールダウンを図るよう、最近読んだ自己啓発書に書いてあってな」

まほ「それより、大洗なら私達が乗ってきたヘリを使って」

エリカ「ドゥルン!? ドゥルルルルルルルン」

沙織(いや、それよりも何であの嫌味な人におんぶされながらおっぱい揉んでるかの方が気になるんだけど……)

(何であの人瞳孔開いてあんな微振動しているんでしょう……)

みほ(お姉ちゃん、相変わらず理想の上司になる方法とか慕われる先輩になるとかそういう本読んでるんだ……)

優花里(色々他にツッコミたいところはあるんですが……)

あんこうチーム((((まともな申し出された直後でツッコミを入れられない……))))

405 : 以下、名... - 2016/11/14 04:59:28.27 g0yKF7oRo 271/872


まほ「急いで」

まほ「ぼんやりしている暇はないはずよ」

みほ「え、あ、うん……」

沙織「そ、そーだよね!」

優花里「でも、一体どうして……」

まほ「……」

まほ「隊長、こんな子達にヘリを貸すなんて……!」

まほ「――なんてことを、エリカなら言うのかもしれないな」

まほ「だが、これもまた戦車道だ」

まほ「施しでもなければ、見返りを求めているものでもない」

まほ「何の気兼ねもなく、ヘリに乗っていけばいい」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「……私とて、救いたいという気持ちがないわけじゃないんだ」 ポソ

みほ「いやお姉ちゃん、何か如何にも逸見さん不在みたいな顔して発言してるけど今まさに乳弄られて振動してるの逸見さん本人だよね?」

沙織(あ、ツッコんだ……)

優花里(我慢出来なかったんですね……)

406 : 以下、名... - 2016/11/14 05:18:46.58 g0yKF7oRo 272/872


まほ「……まあ、そうなんだが、今のエリカはエリカであってエリカじゃないというか……」

まほ「赤星たちのデータによると……」

まほ「この状態の逸見は乳首でイグニッションを入れ操縦することで――」

まほ「ペースをほとんど落とさず、人を抱えて長距離移動が可能だという」

まほ「エリカをここまで連れてきたことにも何か意味がないと色々とキツかったからな、その辺を確かめるべく少しドライブをしていたんだ」

「ど、ドライブですか……」

優花里「自分の副官にまたがることをドライブとは言わないのでは……」

まほ「今のエリカがどうなっているかを教えて、何ならみほのアドバイスが欲しいところだったが――」

まほ「やめておこう」

まほ「今はそれどころではないし、それに多分今は何を言ってもみほがまともに聞いてくれるとは思えないからな」

みほ「お姉ちゃん疲れてるなら親身になってくれる心療内科の先生紹介しようか……?」

優花里(何で紹介できるんでしょう……)

(親身になってくれるとか、外部から分かるようなものなんでしょうか……?)

沙織(しれっと聞いちゃいけない実体験を聞いちゃった気がする…・…)

407 : 以下、名... - 2016/11/14 05:33:27.00 g0yKF7oRo 273/872


まほ「ところで……」

まほ「君達の中で、ヘリを運転出来る者は――」 チラ

沙織「ええ!? 無理無理無理無理無理!!」

「私もさっぱり……」

みほ「私も、いつもお姉ちゃんにやってもらっちゃってたから全然……」

優花里「ヘリの操縦はヘリの操縦で求められるスキルっていうのがありますもんねえ」

沙織「麻子だって出来ないよねえ!?」

麻子「え、あ、ああ」

まほ「だよな……」

まほ「いつもなら、ここでエリカに操縦をさせるんだが……」

まほ「さすがにこの状況でヘリの操縦を任せるのはな・……」

エリカ「ドゥルルルルルルルン」

沙織(なんだろう、確かにヘリを任せちゃいけないような顔してる……)

409 : 以下、名... - 2016/11/14 05:45:34.42 g0yKF7oRo 274/872


まほ「乗員制限もあるし、エリカは置いていこうと思う」

まほ「……他に付き添いの子はいないな?」

沙織「あっ、私行く……!」

まほ「それがいいだろう」

まほ「……みほ」

まほ「そんな風になっていても、エリカはエリカだ」

まほ「しばしの間、エリカを預けるぞ」

まほ「それじゃあ、出発――!」

みほ「お姉ちゃん……」

みほ「……」

みほ(完全に道具扱いだったけど、この状況の逸見さんを預けられてもただただ気まずいよお姉ちゃん……)

410 : 以下、名... - 2016/11/14 05:58:54.23 g0yKF7oRo 275/872


優花里「行ってしまいましたね……」

「色々強烈な方でしたね……」

優花里「でもヘリを出してくれるあたり、いい人かもしれませんね」

「言われて思い出してみれば、嫌味を言っていたのは主に……」 チラリ

エリカ「ドゥルルルルルルルン」

「……なのに、倒すべき相手として、ついお姉さんの名前をあげてしまってましたんですよね私達……」

みほ「しょうがないよ……多分、そういうものだもん……」

優花里「どうしても、強いやらかしを誰かがやると、集団全体がそのやらかしが代名詞みたくなっちゃいますからねえ」

「確かに、戦車喫茶の一件で、黒森峰自体に少しよくない印象がつきましたね」

優花里「更に、西住殿のお姉さんというインパクトが強いせいで、ついついその集団の代表として名前挙げちゃうんですよね」

優花里「結果として、ご本人は違うのに、逸見?殿がこしらえた悪いイメージを押し付けられる形になったと……」

「確かに、今回物凄く感謝はしているのに、変な微振動する少女に跨って胸を揉んでた印象ばかり残りそうで……」

優花里「ちょっとこの微振動のインパクトが強すぎるんですよねえ……何か胸を揉むと操縦できるとか言ってましたし……」

「今度は変態のレッテルを黒森峰全体に貼り付けて、危うくお姉さんまで変態扱いしてしまうところでしたね……」

みほ「……」

実際乳は揉んでたし、エリカの印象に引きずられるまでもなく変態認定でいいとは思うのだが、

それはそれとしてそんな変態と血が繋がってるというのも恥ずかしい話なので、みほはただ曖昧な笑みを浮かべるしかできなかった。

416 : 以下、名... - 2016/11/15 02:03:24.86 fmH9cnVVo 276/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 

417 : 以下、名... - 2016/11/15 02:07:27.19 fmH9cnVVo 277/872


エリカ「――――――はっ!」

エリカ「……」 モゾモゾ

エリカ「……」 モゾモゾ

エリカ「……よし、漏れてない……」 ホッ

小梅「なにが?」

エリカ「うわああああああああああっ!」

エリカ「ちょ、ま、驚かせるんじゃないわよ!」

小梅「そんな、音もなく背後に立っただけなのに……」

エリカ「それを驚かせるって言うのよバカ

エリカ「……」

エリカ「?」

小梅「どうかしたの?」

エリカ「珍しいわね……」

エリカ「いつもなら、この時間まだパジャマなのに」

小梅「」

エリカ「?」

エリカ「何よその顔」

小梅「あ、ううん」

小梅「そーいうの、覚えててくれたのが驚きで」

小梅「逸見さん、てっきり私のことになんて興味ないものかと……」

エリカ「……興味はないわよ」

エリカ「ただ――」

エリカ「ただ、なんとなく、最近になって、覚えただけよ」

418 : 以下、名... - 2016/11/15 02:14:10.60 fmH9cnVVo 278/872


小梅「……!」 パァァァァ

小梅「嬉しいっ……ついにそこまで心を開いてくれたんだ……!」

エリカ「はあ!?」

エリカ「何勘違いしてンのよ!」

エリカ「そーいうわけじゃあ――」

小梅「早速森の仲間達にも報告しなくちゃ!」 シュッシュッシュッ

エリカ「はあ? 森?」

エリカ「……ラインのアレかぁぁぁぁぁ!」

ガバッ

小梅「ひゃあ!?」

エリカ「あんな大規模に私が心開いたなんていう意味分からないこと言わせるわけにはいかないわよ!」

ドタンバタン

コンコン

ドタンバタン

小梅「残念もう送っちゃいましたー!」

まほ「赤星、エリカは今日も無事に目を覚まs――――」

小梅「」

エリカ「」

まほ「……」

まほ「朝から元気なのはいいことだが、あまり音を立てると直下も困るだろうから静かにしてやれ」

エリカ「ち、違います! そーいう行為をしていたわけじゃあないですからね隊長!?」

419 : 以下、名... - 2016/11/15 02:24:36.59 fmH9cnVVo 279/872


小梅「すみません、逸見の森のことでちょっと揉めちゃって……」

まほ「何をやっているんだ……」

まほ「仲良くやるためのツールで仲違いしてどうする」

小梅「すみません……」

まほ「……だが、いい傾向かもな」

エリカ「へ?」

まほ「仲良く喧嘩する、というのも、友人間では必要なことなのだろう」

まほ「……そういうのが、みほは誰ともできなかったし、私も、そういう相手はいないからな」

エリカ「隊長……」

エリカ「でもそれはそれとして逸見の森は黒森峰の沽券に関わるから潰すべきだと思うのですが……」

420 : 以下、名... - 2016/11/15 02:30:00.78 fmH9cnVVo 280/872


小梅「えー……」

小梅「でも正直逸見さんももう慣れてきたでしょ、逸見の森があることに」

エリカ「ええそうね、そのクソフレーズを何の躊躇いもなく口にできた自分にちょっと引いてるくらいにね」

エリカ「だからこそ今すぐ叩き潰してゴルフ場にでもしたい気分よ」

小梅「でも、もうゲストさんだって来てるんだよ?」 スッ

アンチョ見エリカ { おおーっ、本当に逸見ばかりなんだな!

逸見エリ力 { いらっしゃいまほー

逸見工リカ { いらっしゃいまほー

It's me エリカ { こんにちわにー

いつみえりか { いらっしゃいまほ隊長ー

まほ「ほう、私の名前が挨拶に使われているのか」

エリカ「怒っていいですよ隊長」

まほ「……まあ、そうすることで隊員達の距離が近付くなら、いいとしよう」

エリカ「ええ!?」

421 : 以下、名... - 2016/11/15 02:51:24.39 fmH9cnVVo 281/872


小梅「さすが隊長話がわかりますね!」

まほ「このアンチョ見というのは……」

小梅「はい、アンチョビさんです」

まほ「ほう」

小梅「ゆくゆくは逸見の森とアンツィオ屋台でキャラコラボとかありかなーって話もしました」

まほ「なるほど」

エリカ「待って」

小梅「今は逸見さんの2Dキャラでラインスタンプの申請してるんですよ」

エリカ「待てって言ってるでしょ」

422 : 以下、名... - 2016/11/15 03:12:31.87 fmH9cnVVo 282/872


まほ「ああ、エリカの言うとおり、一旦待ってもいいかもな」

まほ「このままでは、エリカに関する情報が全て出ていってしまう」

エリカ「肖像権もあったもんじゃないですよホント」

まほ「そうなると、情報漏えいになり、色々と不利になるかもしれない」

小梅「確かに、逸見さんの人間性という大きな弱点が露見するかもしれませんが……」

エリカ「おい赤星」

小梅「でもそれはもう周知の事実なのでは?」

エリカ「赤星」

423 : 以下、名... - 2016/11/15 03:31:18.03 fmH9cnVVo 283/872


小梅「じゃあ、アンチョビさんとペパロニさんとカルパッチョさんはゲストということで……」

小梅「一日で部屋から退室させて、入りたいって連絡があったら入れる方式で……」

まほ「それなら、まあ」

エリカ「隊長!?」

エリカ「っていうか、三人全員この意味の分からない森に招待したわけ?」

小梅「そうだよー」

小梅「ほら」

逸見エリカルパッチョ { 逸見エリカルパッチョさんがスタンプを送信しました

逸見☆ハンバーグ☆エリカ { 逸見☆ハンバーグ☆エリカさんがスタンプを送信しました

逸見えりか { ようこそいらっしゃいまほ、アンツィオの皆さん!

林家ペーパー { うへえ、本当に同じ人間の顔写真まみれっすねェ~~

逸見エリ力 { それが自慢……(ニッコリ

小梅「ねっ」

小梅「初めての逸見の森に戸惑ってるから、皆で優しく歓迎してあげてるんだよ」

エリカ「いや、っていうか今しれっと私でもなんでもないやついたわよ」

424 : 以下、名... - 2016/11/15 04:04:57.21 fmH9cnVVo 284/872


小梅「そもそもこの逸見の森は、逸見さんを招待したくて作ったの」

エリカ「はあ?」

小梅「皆で逸見さんを知ろうっていうのが目的だけど、やっぱりそれには本物の逸見さんと触れ合うのが一番だから」

小梅「でも、いきなり本物を前にするとお互い色々気まずいかもなーって」

小梅「そこで皆、名前を匿名で逸見さんにすることにしたの」

エリカ「最後一言で数段飛ばしで理論が飛躍したわね」

小梅「それに、逸見さんも本物の逸見さんってバレてるよりも、誰が本物か分からない中での方が、自由に発言出来るかなあって」

小梅「木を隠すなら森の中、ってね」

エリカ「死体を隠すために大量殺人で死体を増やすくらいに無茶な理屈を押し通そうとしてくるわね……」

小梅「それで逸見の森って名前なんだけど、まあ木が多ければいいかってことで林もオーケーにしたの」

小梅「この場合木の葉=逸見さんだし、林=逸見さんの集合体だから、林を名乗れば実質逸見さんを名乗ることになるし」

エリカ「へえ、すごいわね。バカじゃないの」

425 : 以下、名... - 2016/11/15 04:43:25.59 fmH9cnVVo 285/872


小梅「あ、でもちゃんと外部から人を呼んだのにも意味はあるんだよ!?」

エリカ「ほーう、言ってみなさい」

小梅「逸見さんに関する外部から見た意見が必要かなって」

エリカ「それが必要になる日なんて永久に来ないしなんで必要だと思ったのよ」

小梅「それが、この前逸見さんの解釈について森の仲間達が揉めちゃって……」

エリカ「森の仲間達」

小梅「解釈違いで揉めた以上、相手陣営の言うことは冷静に聞けないだろうし……」

エリカ「解釈違い」

小梅「ここは中立の立場から意見を貰おうかなって!」

エリカ「争わせたまま滅びるまで好きにやったら?」

エリカ「そしてそのまま両者滅んで」

小梅「駄目だよぉ!」

小梅「逸見の森は皆で仲良くするためのものだもん、バトルロワイアルなんて絶対駄目!」

小梅「孤独だけに蠱毒とか、そういうネタはいらないから!」

エリカ「なっ、別にそういうのじゃないわよ!」

まほ(孤独は否定しないのか……)

426 : 以下、名... - 2016/11/15 05:21:26.34 fmH9cnVVo 286/872


小梅「だから、平和的解決をしようとしてるの!」

小梅「逸見の森はシルバニアファミリーが住めるくらい平和で友好的な森にしたいから!」

エリカ「知らないわよ!」

エリカ「……っていうか、外部に恥晒すくらいなら、私に聞けば答えるわよ」

小梅「え、いいの?」

小梅「てっきり一蹴されるかと……」

エリカ「一蹴したいわよ」

エリカ「……でもま、それはそれで面倒臭いことになるし」

エリカ「病気の時の借りは返さなくちゃいけないもの」 テレッ

小梅「逸見さん……」

小梅「じゃあ近いうちに、逸見さんに聞いた情報を共有するためのイベント開くね!」

まほ(すっかり蚊帳の外になってしまったな)

まほ(だが、後輩に慕われる理想の上司とは、建設的な意見をきちんと言う人らしいし、何か言っておくか……)

まほ「それならば、深く皆の記憶に残るよう、エリカにまつわる情報はクイズ大会という形で提供してみるのはどうだろう」

小梅「なるほど」

エリカ「なるほどじゃない」

427 : 以下、名... - 2016/11/15 05:29:45.71 fmH9cnVVo 287/872


エリカ「大会前なんだから、そんな無駄に手間隙かかることは辞めときなさい」

小梅「うー……」

小梅「絶対おもしろいのになあ、クイズ逸見リオネア……」

エリカ「面白くないわよ」

小梅「絶対おもしろいよ!」

小梅「私、頑張って正解を引っ張る司会者・逸見のもんたになるよ!」

エリカ「ならんでいい!」

まほ「……ふふ」

エリカ「た、隊長……?」

まほ「ああ、すまない」

まほ「……エリカがそうやって友人とふざけあっている姿を見れたのが、少しうれしくてな」

エリカ「え……?」

まほ「……」

まほ「いや、なんでもないさ」

まほ「それより、大会前だし気合を入れないといけないのは事実だ」

まほ「……赤星も、朝から自主練習してくれていたようだが……」

まほ「今日の放課後は、早起きして練習した者だろうと無関係にしごいていくからな!」

小梅「はい!」

エリカ「はい!」

428 : 以下、名... - 2016/11/15 05:37:46.88 fmH9cnVVo 288/872


<数日後>

まほ「エリカ」

エリカ「はい」

まほ「明日は試合を観戦に行きたいと思う」

エリカ「かしこまりました」

エリカ「副隊長として、ヘリの操縦手として、是非お供させて下さい!」

エリカ(隊長と2人でお出かけ……)

エリカ(前回はちょっと嫌な気分になったりしたし、今度こそ楽しく……!)

まほ「もとよりそのつもりだ」

まほ「エリカには黒森峰の未来を任せるつもりだ」

まほ「……逸見の森以外でも、外部とつながりを持ち、外の情報を仕入れる必要はあるだろう」

エリカ「そうですよねただその森でも別に私は外部と繋がってませんけど」

429 : 以下、名... - 2016/11/15 05:41:25.81 fmH9cnVVo 289/872


まほ「……エリカのいいところは、真面目でストイックなところだ」

まほ「自信が努力に裏打ちされているところもだな」

エリカ「な、なんですか急に///」 アワアワ

まほ「……しかしだからこそ、自信より弱いとみなした相手を侮りがちだ」

まほ「努力不足と断じてしまうことも多い」

エリカ「そ、そんなことは……」

まほ「……」

まほ「今大会の日程、他校がいつどこで試合をするか、覚えているか?」

エリカ「え、あ、えーっと、その……」

まほ「……目の前に集中するのは悪いことではない」

まほ「向こうのブロックに至っては、当たるのはどうせ一校だし、無駄に全てを完璧に把握しようとまではしなくていい」

まほ「だが――」

まほ「何も知ろうとしなくては、足元をすくわれる」

まほ「捲土重来のためにも――その可能性は減らさなくてはならないと、思ったんだ」

430 : 以下、名... - 2016/11/15 05:48:38.22 fmH9cnVVo 290/872


まほ「ま、いずれ分かるさ」

まほ「とりあえず今夜は交互に操縦しよう」

エリカ「はい!」

エリカ「では、先に運転させていただきますので、隊長はおやすみください!」

まほ「……ではお言葉に甘えるとしよう」

エリカ「はい!」

エリカ「……」

エリカ(確かに、誰であろうと変わらず叩き潰すってなってるせいで、他所の所の情報全然仕入れてなかったわね…・・)

エリカ(偵察とかは、試合に出られない子達がよくやってくれてたし、これまでは必要なかったけど……)

エリカ(来年までには、そのへんも把握できるようにしなくちゃ)

エリカ「……ま、今年は焦らなくても大丈夫でしょう。隊長もいずれとおっしゃっていたし」

エリカ「それにもう、向こうのブロックがサンダースに負け姿を消した」

エリカ「どうせプラウダに決まってるわ、そうなったら」

エリカ「アンツィオの作戦が通用するタイプでもないし、決まりでしょ」

エリカ「……」

エリカ(大洗は……ありえないわね)

エリカ(あのアホ高校こそ、アンツィオの策に引っかかるはず)

エリカ「何にせよ、憂いはほとんどなくなったわね」

エリカ「装備的にもアンツィオに勝てそうにないし、終わりを見届けてはあげられないけれど、さよならよ、大洗ッ――!」

431 : 以下、名... - 2016/11/15 05:49:39.61 fmH9cnVVo 291/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 

432 : 以下、名... - 2016/11/15 05:51:26.83 fmH9cnVVo 292/872


ツチヤ「うん、こんなもんかな」

エリカ「」

「どうだ、整備の方は」

「順調か?」

エリカ「」

「とうとう今日は二回戦だ」

「絶対に勝つぞ!」

エリカ「またなのおおおおおおおお!?」

438 : 以下、名... - 2016/11/17 03:27:25.27 ajZahSFso 293/872


エリカ「最悪だわ……」

エリカ「ヘリ、墜落してないでしょうね……」

エリカ「……」

エリカ「……ハン!」

エリカ「一瞬、決勝でぶつかったときに入れ替わったらどうしよう、なんて思っちゃったけど……」

エリカ「奇跡はそうそう起こらない」

エリカ「大体この貧弱な戦車で勝ち上がろうって方がおこがましいのよ」

エリカ「変なところで真っ向勝負をしたがるサンダースならともかく――」

エリカ「抜け目のないアンツィオや、どうせ勝ち上がってくる圧倒的戦力を誇るプラウダに勝てるわけないじゃない」

エリカ「心配しなくても、あいつらの大会は今日で終わりだわ」

439 : 以下、名... - 2016/11/17 03:39:39.75 ajZahSFso 294/872


エリカ「まあ戦力だけならアンツィオも大概だけど……」

エリカ「戦術に関しては、そこそこ評価されてるようだし、さすがにアンツィオでしょう」

エリカ「隊長と同世代でさえなければ、黒森峰に入っていたかもしれないという逸材車長――」

エリカ「練習時代、この私や黒森峰の戦車チームですら何度も騙されそうになったものよ」

エリカ「私たちには冷静な隊長がいたし、奇襲を真っ向から受けきって反撃できるだけの武力もある」

エリカ「でもあの子達には武力もなければ知識も経験もないッ」

エリカ「精々奇襲に慌てふためき、浮足立つといいわ」

エリカ「予想外の事態を前に、まともに思考することも出来ず、大騒ぎしたまま自滅していく姿を見ることができそうね」

エリカ「まっ、精々西住流の名を地に落とさないような負け方をすることね……!」

440 : 以下、名... - 2016/11/17 04:00:37.36 ajZahSFso 295/872


エリカ「それにしても、相手が貧弱装備のアンツィオで助かったわ」

エリカ「これなら撃破されるにしてもファイアフライほど痛くはないでしょ」

エリカ「痛みのあまり漏らす心配ももうないとはいえ、あの痛みはもう御免よ……」

エリカ「五体バラバラになるかと思ったし、整備で癒やされても痛みはちょっと尾を引くのがね……」

エリカ「結局昨日までなんとなく体が痛い気がして筋肉痛みたいに体が上手く動かせなかったし」

エリカ「特にファイアフライのやつ、お尻ばかり必要に打ってきたせいで、お尻の穴がずっとヒリヒリしてたのよね……」

エリカ「トイレで大きい方する時地獄のような痛みが襲ってきたし……」

エリカ「おかげで痔とかいう噂が広まったの思い出して腹立ってきたわ」

エリカ「そういう噂の存在に気がついて否定できるって点じゃ、逸見の森も役には立つのよね……」

エリカ「……」

エリカ「いやそれでも認められないけどねあの森の存在は」

エリカ「頭もキレるしケツも切れてるしまさに黒森峰のキレ芸人だぜHAHAHAHAHAとか抜かしやがったヤツもいるし」

エリカ「……」

エリカ「あれマジ誰だったのかしら一遍マジでグーで殴りたい……」

441 : 以下、名... - 2016/11/17 04:11:10.21 ajZahSFso 296/872


エリカ「まあ問題は秘密兵器とやらだけど……」

エリカ「ま、なんとかなるでしょ」

エリカ「少なくともファイアフライにお尻を狙われるよりやばくなることはないでしょうし」

エリカ「……勢い重視のアンツィオが万が一プラウダに勝った時のことも考えると、ここでじっくり見ておきたいわね」

エリカ「っと、ようやく来たわね」

麻子「眠い……寝ていいか」

沙織「まぁまぁ」

みほ「あはは……」

エリカ「ま、どうせ言わずとも無様な負け方するでしょうから、毒は吐かないでおいてあげるわ」

エリカ「せめて私が秘密兵器とやらを見て理解することが出来るくらいは持ちなさいよね!」

エリカ「ほら、行くわよ!」

エリカ「パンツァー――――」

みほ「――フォー!」

442 : 以下、名... - 2016/11/17 04:15:12.41 ajZahSFso 297/872

1507565485-442


443 : 以下、名... - 2016/11/17 04:17:25.74 ajZahSFso 298/872


ズドォォォォォォォン

キュポッ

エリカ「ん?」

ワァァァァァァァァァ

審判『大洗女子学園の、勝利ッ!』

エリカ「んんんんんんん??????」

エリカ「早くないかしら?????????????」

453 : 以下、名... - 2016/11/19 02:08:41.80 pMGHW4g4o 299/872


エリカ「何だったのかしらこの試合……」

エリカ「まあでも、アンツィオの秘密兵器が分かったのは収穫、かしら……」

エリカ「練習試合とはいえ、黒森峰は遅れを取れないものね」

エリカ「今後、アンツィオとの試合の際はP40対策を徹底させなくちゃ」

アンチョビ(修理費すごいことになりそうだなあ……)

アンチョビ(また屋台で稼がないとだが……)

アンチョビ「今日は豪勢に食べるぞーーーーっ!」

アンチョビ「当然! アンツィオ持ちだぁ!」

ワァァァァァァァァァ

エリカ「相変わらずこの馬鹿騒ぎはやるのね……」

エリカ「……」

エリカ「うちでやるより楽しそうにしてるじゃないの」 ムッ

エリカ「まあそりゃ、厳格な黒森峰としては、あまり馬鹿騒ぎをさせるわけにはいかないけども」

454 : 以下、名... - 2016/11/19 02:36:34.77 pMGHW4g4o 300/872


アンチョビ「お、食べてるか~?」

みほ「はい!」

「本当に美味しいですねえ~」

アンチョビ「お、おお、すごい食べっぷりだな……」

エリカ「バカなのよそいつ、胃も頭も」

エリカ「……」

みほ「えへへ……」

エリカ「……」

エリカ「楽しそうに笑っちゃって……」

エリカ「……所詮戦車は輪の外」

エリカ「あの子が遠いわね」

エリカ「……」

エリカ「ああ、でも……」

エリカ「隣に居たはずなのに、あの時と、遠さは変わらない、わね……」

455 : 以下、名... - 2016/11/19 03:15:23.53 pMGHW4g4o 301/872


ペパロニ「お嬢ちゃん、いい食いっぷりだねえ!」

ペパロニ「もっと茹でちゃうよお~?」

沙織「ええ!?」

沙織「さすがに華もお腹いっぱいじゃ……」

「もちろん頂きます」

沙織「ええ!?」

麻子「まるでブラックホールだな……」

ペパロニ「山ほどあるぞお!」

麻子「予算もないのにか」

ペパロニ「ケチケチしたら負けなんだよ!」

ペパロニ「ほーら、アラビアータにゴルゴンゾーラ、更にはトマトと生ハムのペンネパスタだ!」

優花里「おお、本当に山盛り……」

沙織「パット見色んなのが混ざってて綺麗だけど、食べ進めると融合してグロくなりそう……」

ペパロニ「この山盛りのペンペンペンネを食べきれるかなァ!?」

「ええ」

「どか食いは淑女らしからぬと、顔をしかめられてきましたが――」

「私は力強い女性でありたい」

沙織「真顔で何言ってんの!?」

「もう迷いません……また1から食べはじめます」

沙織「前菜から!?」

「むしろ0から、胃袋という宇宙を始めてみます」

ペパロニ「くっ……こりゃあ一口食べたら宇宙を見ながら脱衣するレベルのモンを作らなきゃ勝てないかもな」

沙織「これなに!? ねえなんなのこれ!?」

みほ「あはは……」

アンチョビ「ノリと勢いは暴走するとこうなるという見本だな」

アンチョビ「……それより……」

アンチョビ「ちょっといいか?」

みほ「え?」

アンチョビ「いや、ちょっとした、与太話をしようと思ってな」

456 : 以下、名... - 2016/11/19 03:19:50.53 pMGHW4g4o 302/872


エリカ「……」

エリカ「ん、なによあの2人、近付いてくるわね」

みほ「ええと、与太話って……」

アンチョビ「あー……」

アンチョビ「いや、本当に与太話さ」

アンチョビ「大事なシリアスな話なんかじゃないよ」

みほ「はあ……」

アンチョビ「……いや、そーいうのも大事かなって、思うんだ」

アンチョビ「黒森峰だと、こういうの、なかっただろう?」

みほ「……っ!」

アンチョビ「杏のやつ、あれでいて、ちょっぴり強引なところとかあるからなあ」

アンチョビ「やりたくないのに戦車道をさせられてるなら、力くらい貸そうかと思っていたが……」

みほ「アンチョビさん……」

みほ「……」

457 : 以下、名... - 2016/11/19 03:22:54.26 pMGHW4g4o 303/872


みほ「お気遣い、ありがとうございます」

みほ「でも――大丈夫です」

みほ「私、今は、戦車道が楽しいですから」 ニコ

エリカ「……」

アンチョビ「……そっか」

アンチョビ「そんな感じの顔してたけど、それが聞けてよかったよ」

アンチョビ「アレでいて、お前の姉も気にはしているだろうからな」

みほ「ええ、そうですか?」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「あいつもアレでいて大変なんだよ、立場とか」

アンチョビ「戦車道を嫌になって転校したなら自分が連絡しない方がいいだろうって言ってたしな」

みほ「お姉ちゃん……」

エリカ「……ふん」

エリカ「そこまで心配されて愛されてたのに裏切って大洗で戦車道してるんだから、大したタマよアンタは」

アンチョビ「たまには連絡くらいしてやってくれ」

アンチョビ「メアドは変わってないし、知ってるだろ?」

みほ「はい」

アンチョビ「あとこれがラインIDで、こっちが逸見の森のIDだ」

エリカ「おいちょっと待ちなさいおいコラおい」

458 : 以下、名... - 2016/11/19 03:36:01.35 pMGHW4g4o 304/872


アンチョビ「なんだ、スマホじゃないのか」

みほ「あ、はい」

みほ「転校で一人暮らしまでさせてもらってるから……」

アンチョビ「そりゃそうか……」

アンチョビ「高いもんなあ、スマホ……」

アンチョビ「私も屋台の宣伝やらで使うから安いの持ってるけど、負担すごいもんなー」

みほ「黒森峰の人は、結構持ってましたけど」

アンチョビ「あいつら金持ってるもんなー」

アンチョビ「森作れる程度には」

みほ「森……?」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「西住流マニアの集まる森だし、私たちは『しほマニアファミリー森の雑貨屋さん』みたいな扱いしてる」

エリカ「野郎」

463 : 以下、名... - 2016/11/20 01:48:55.24 KUDNzFeio 305/872


アンチョビ「ああ、それと――」

アンチョビ「ほら、これ」

みほ「?」

みほ「なんですか、これ……?」

アンチョビ「いや、詳細は教えてもらえなかったんだが……」

アンチョビ「サンダースの娘で、一人やたらとⅣ号に怯えてる子がいるらしくてな」

みほ「ふえ?」

アンチョビ「よほどのトラウマがあるのか、その、名誉に関わるから秘匿って言われるような状態になっているらしい」

みほ「はあ……」

アンチョビ「なんでも、幽霊の声が聞こえたとか」

みほ「幽霊……?」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「何でも、通信を傍受していたら、ファイアフライに撃たれて痛い~~って声が入ったんだとか」

エリカ「!?」

464 : 以下、名... - 2016/11/20 02:31:23.41 KUDNzFeio 306/872


みほ「それって……」

アンチョビ「まあ、イタズラか、何かの影響で違う所の音声が入っただけだとは思うんだけどさ」

アンチョビ「一応、渡しておこうかと思ってな」

みほ「ふえ?」

アンチョビ「その傍受機」

アンチョビ「それを介せば戦車の声が聞けるかもしれないぞ?」

みほ「あ、それはちょっとロマンチックかも……」

エリカ「そお? あんた趣味どうかしてるんじゃないの」

アンチョビ「こってり絞られて傍受なんてしないって誓わされたうえに、呪われた傍受機なんて要らないんだってさ」

アンチョビ「確かに渡したからな」

アンチョビ「まあ、それをくれた奴を安心させてあげるためにも、それを使って愛車と会話しているといいさ」

アンチョビ「……ツモる話もあるだろうから、私はパスタでも茹でてくるし」

アンチョビ「好きに話しなよ」

みほ「あ、えっと……」

みほ「ありがとうございます!」

アンチョビ「いいっていいって」

アンチョビ「……戦車道を1から立て直すのって、辛いもんな」

アンチョビ「たまには愛車にくらい」

アンチョビ「そんでもって、気がついたら仲間に」

アンチョビ「それも無理なら、他校の人間にくらい、愚痴っちゃってもいいんだからな!」

みほ「……」

みほ「本当に、ありがとうございます……!」

467 : 以下、名... - 2016/11/20 03:24:33.63 KUDNzFeio 307/872


みほ「……」

みほ「いい人だったなあ……」

エリカ「そう?」

エリカ「甘ちゃんなだけよ」

みほ「……」

みほ「これ、どうしよう……」

みほ「……」

スッ

みほ「あー……」

みほ「あーあー」

みほ「聞こえますかー、なんちゃって……」

みほ「……」

エリカ「いや、通信機じゃなくて傍受機なんだから、ヘッドホンに向けて喋っても意味ないでしょ」

みほ「え!?」

みほ「い、今の声……」

エリカ(しまった――――っ!)

481 : 以下、名... - 2016/11/22 22:29:27.71 beN5jngFO 308/872


みほ(なんだろう……)

みほ(エンジン音のようだったけど、でも、言葉になっていた……)

みほ(エンジン音をつなぎ合わせて歌わせるMADみたいな感じではあるけど――)

みほ(でもそもそも、今はエンジンは切っているはず)

みほ(それに、傍受機越しにしか、その音は聞こえなかった)

みほ(つまり――――)

みほ「本当に……」

みほ「貴女は、Ⅳ号戦車なんですか?」

482 : 以下、名... - 2016/11/22 23:21:45.28 beN5jngFO 309/872


エリカ「……」

みほ「……」

エリカ「……」

みほ「……」

みほ「そう、だよね……」

みほ「返事なんて、あるわけ、ない、よね……」

エリカ「……」

エリカ(仕方ないじゃない……)

エリカ(普通、戦車なんてしゃべらないのよ)

エリカ(私が喋っちゃうことで、どうにかなっても困るし……)

エリカ(意識ある時バラされたら最悪だし)

エリカ(喋るわけにはいかないわ)

エリカ(それに、普通戦車なんて喋らないんだもの)

エリカ(すぐに納得するでしょ)

みほ「Ⅳ号、なんて呼び方失礼だよね」

みほ「初対面の人に、貴女人間ですかって言うようなものだし」

みほ「ごめんね、なんて呼べばいいのかな。あんこうさん?Ⅳちゃん?」

みほ「それとも、お母さん戦車につけられた名前でもあるのかな」

エリカ「そういうことじゃないわよ天然なのあんた!?」

みほ「……!」 パァァァァ

エリカ(しまった……!)

484 : 以下、名... - 2016/11/22 23:55:08.77 beN5jngFO 310/872


みほ「やっぱり、偶然じゃない……!?」

みほ「こんなことって……」

エリカ「……」

エリカ(ああああああ……)

エリカ(どうする、どうするのよ私!?)

エリカ(続きはウェブに回せないわよ!?)

エリカ(どうすれば……)

みほ「嬉しい……」

みほ「小さい頃、ずっと戦車が友達だったから……」

みほ「嫌なことがあったら、いつも戦車に逃げ込んで……」

みほ「お家の中で、いつでも味方してくれた戦車に、命があるなんて……」

エリカ(無いわよ!)

エリカ(……いや、まあ、私がこんなことになってるし、絶対ないとは確かに言い切れないけども!!)

みほ「いっぱい、お話したいな……」

みほ「お友達なんだし、私のことは『みほ』って呼んで!」

みほ「その、私は、なんて呼んだらいいかな?」

みほ「教えて?」

みほ「貴女の名は?」

492 : 以下、名... - 2016/11/30 02:12:27.00 E1XdlUn0o 311/872


エリカ「……」

エリカ(名前、か……)

エリカ(そういえば――)

エリカ(自己紹介、したこと、なかったっけ……)

エリカ(初めて会話したときにはもう、私は隊長の右腕候補として知られていて……)

エリカ(同時に、あの子もそうだったから……)

エリカ「……」

エリカ(いや、でもさすがに今『はじめまして逸見エリカです』なんて言うわけにはいかないわよねえ……)

みほ「……」

みほ「あ、もしかして……」

みほ「日本語じゃなくて、外国語じゃないと伝わらないのかな……」

みほ「私、英語くらいしか出来ないけど……」

みほ「えっと、わっちゅあねーむ?」

エリカ「そーいう問題じゃないしさっきまで日本語で喋ってたでしょうが!!」

みほ「……!」 パァァァァ

エリカ「しまった……」

エリカ(うう、だめだ、今の状態のこの子相手だと調子が狂う……!)

493 : 以下、名... - 2016/11/30 02:54:21.96 E1XdlUn0o 312/872


みほ「……」 ドキドキ

エリカ「……」 ドキドキ

みほ「……」 ドキドキ

エリカ(……この子の期待に満ちたソレとは違う意味でドキドキするし心臓に悪いわね……)

みほ「名前は……教えてもらえないんだね……」

エリカ「……」

エリカ(なによ、そんな顔して……)

エリカ(戦車が名乗らないなんて、普通じゃない……)

みほ「じゃあ、ちょっと、お話、しない?」

エリカ「……は?」

みほ「私、ね」

みほ「その、ちょっと、変わったお家で育ったっていうのもあって、お友達の作り方、よくわからなくて……」

みほ「今までだったら、こうやって拒まれちゃうと、その、迷惑だったかなって、怖くて距離を取っちゃってたけど……」

みほ「……」

みほ「でもね、こんな私にも、友達ができたんだ……」

みほ「一人オドオドしてた私に、優しく声をかけてくれたんだ……」

みほ「それで、思ったの」

みほ「私、こうなりたかったんだなあって」

みほ「……こんな風に誰かと接することが出来る女の子になって、きっと、皆と仲良くしたかったんだなあ、なんて」

エリカ「……」

494 : 以下、名... - 2016/11/30 04:14:38.67 E1XdlUn0o 313/872


みほ「だから……」

みほ「今更、遅いかもしれないけど……」

みほ「私からも、少し、踏み出してみようかな、なんて」 エヘヘ

みほ「……そうやって、思えたから」

みほ「この学校に来て、そういう風に変われたから」

みほ「戦車さんが、ちょっと、心を閉ざしても――」

みほ「友達になりたい私から、少しづつ、歩み寄らなくちゃ」

エリカ「……」

エリカ(ほんと、変わったわね……)

エリカ(……)

エリカ(あの連中が、あんたを変えた、か――)


495 : 以下、名... - 2016/11/30 04:19:13.36 E1XdlUn0o 314/872


みほ「だから、その」

みほ「仲良くなるには、まず自分を見せることだって聞いたから……」

みほ「私のこと、お話しようかなって」

みほ「それで――」

みほ「もし、友達になろうって思ってくれたら、その……」

みほ「私のことを『みほ』って呼んでほしいなって」

みほ「その、下の名前で呼ぶのって、お友達ーって感じがするから……」 エヘヘ

みほ「それに、そのときは、お名前、教えてくださいね!」

エリカ「……」

エリカ(なによ)

エリカ(名前くらい――何度だって、呼んであげたのに)

エリカ(そりゃあ、厳しい環境だったし、私もライバルを求めていたから、アンタの望む環境じゃなかったかも、しれないけどさ……)

496 : 以下、名... - 2016/11/30 04:37:52.03 E1XdlUn0o 315/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 

497 : 以下、名... - 2016/11/30 04:42:46.44 E1XdlUn0o 316/872


エリカ「……」 パチ

エリカ「……」

あの後、2人でダラダラと喋った。

勿論、こっちはほとんど口を開かなかったけど……。

それでも、時折、思わず声を漏らしてしまった。

エリカ(……どうして、こんなに、もやもやするのかしら)

戦車であるからこそ、あの空気を共に出来たことは分かっている。

でも、あの時見せた、私の知らないあの子の顔が、愛おしくて、それ故に憎くて。

あの関係に心地よさを感じていた自分も含めて、如何ともし難い苛立ちを覚えた。

エリカ(……)

エリカ「って、どこよここ……」

エリカ「あの子の顔は知ってる要素があるにはあったけど、この天井120%知らない要素しかないんだけど……」

498 : 以下、名... - 2016/11/30 04:47:16.55 E1XdlUn0o 317/872


小梅「あ、起きた?」 カパッ

エリカ「わ゙ーーーーーーーーーーーっ!」

小梅「あはは、逸見さんでもそんなコミカルな悲鳴あげられるんだね」

エリカ「いや、アハハじゃないわよ!!」

エリカ「何急にゼロ距離で――」

エリカ「って、ちょぉわああああああああ!?」

小梅「もー、二度目はしつこいよー?」

小梅「そこまで取り乱す姿、確かに貴重だけども」 パシャコーン

エリカ「ちょ、何撮ってンのよ!」

エリカ「っていうか、なんでアンタ天井隅から生えてンのよ!?」

小梅「人間は天井からは生えないよ?」

エリカ「わかったうえでだから何なのって聞いてるのよ。マジトーンでアホを見るような視線やめろ」

499 : 以下、名... - 2016/11/30 05:09:27.34 E1XdlUn0o 318/872


小梅「ここ、通気口になってるの」

小梅「だからこうして忍び込めたんだ」

エリカ「ああそ……忍び? え?」

小梅「大変だったんだよー」

小梅「逸見さん、とうとうおまわりさんの前でも暴れたらしくって」

エリカ「!?」

小梅「なんでもおまわりさん相手にハンバーグを射出したとか……」

エリカ「な、なななななな……!」

小梅「その後偶然居合わせた人が乳首のイグニッションを切ってくれたみたいだけど……」

小梅「大騒ぎになって、でもなんとか収集がついて、こうして病室で寝かされてたんだよ」

小梅「その一報を受けて、こうして駆けつけてきたんだから」

エリカ「そ、そう……そこはありがとう……」

エリカ「でも今の話を聞いても、通気口からわざわざ来た理由がわからないのだけど……」

500 : 以下、名... - 2016/11/30 05:16:54.77 E1XdlUn0o 319/872


小梅「ああ、それ?」

小梅「最近勉強した忍道を使ってみたくて……」

エリカ「居ても立ってもいられなくて入り口以外から入るのやめなさい」

エリカ「っていうか、変な学校かマンモス校くらいしか扱ってないそんな変な選択科目をなんでまた」

小梅「なんで、って――」

小梅「10連覇未達の戦犯として居場所を失って戦車道やめようか迷ってたことがあったから」

エリカ(ふ、触れづらッッ)

エリカ(ただでさえ滅茶苦茶デリケートな話題なのに、そんなハイライトのない瞳で言われたら触れられないわよっ)

501 : 以下、名... - 2016/11/30 05:22:34.78 E1XdlUn0o 320/872


小梅「それにほら、日本有数のニンジャの土地じゃない、黒森峰」

エリカ「え?」

小梅「今でこそ履修者少なくてほとんど潰れてるけど、やっぱり地元の伝統は絶やしたくないなーって」

エリカ「ちょっと何言ってるか分からないんだけど」

小梅「こう、ドイツといえばゲルマンニンジャみたいなところあるし……」

小梅「特産品は畳返しに使えるい草だし」

小梅「あんころ餅みたいなの売ってるだけの忍者の里よりよっぽど忍者の系譜だよ黒森峰」

エリカ「伊賀と甲賀と熊本県に謝りなさいよ……あとドイツにも……」

502 : 以下、名... - 2016/11/30 05:28:29.15 E1XdlUn0o 321/872


小梅「それはさておき……」

小梅「本当に心配したんだよ?」

小梅「偵察にいって、持病で倒れたんだもん」

小梅「持病のせいでギャグっぽいけどさ……」

エリカ「……」

エリカ「悪かったわ」

小梅「……」

エリカ「なによその顔」

小梅「いや、その……」

小梅「やっぱり最近、逸見さん丸くなったよなーって」

エリカ「はァ?」

小梅「うん。上手く言葉に出来ないけど……」

エリカ「……」

エリカ「別に、変わらないわよ」

エリカ「何か劇的なことがあったわけじゃあるまいし」

509 : 以下、名... - 2016/12/02 03:32:00.58 KSpP30yjo 322/872


エリカ「それより……」

エリカ「隊長は?」

エリカ「……確か、隊長と偵察に出てたはずなんだけど」

小梅「詳しいことは分からないんだけど、何かトラブルがあったらしくて……」

小梅「個別で帰還するから、私達は私達で帰れってさ」

エリカ「そう……」

小梅「残念?」

エリカ「別に、そーいうわけじゃ……!」

小梅「うふふふふ」

エリカ「何よその笑みは」

小梅「なんでもー」

エリカ「ムカつくわね……」

小梅「なんでもないよ」 パシャコーン

エリカ「だから撮らないでよ」

小梅「でも逸見の森にあげないと……」

エリカ「ゴルフ場にでもしろっての」

510 : 以下、名... - 2016/12/02 05:01:51.62 KSpP30yjo 323/872


小梅「でもほら、皆で逸見さんのことを知るためにはやっぱり不可欠だよ」

エリカ「いや要らないわよ」

小梅「最近では逸見さんらしさの判定のための評議会も出来たし……」

小梅「このまま集合知で逸見さんを分析して」

エリカ「しなくていいし、何組織だってやろうとしてるのよ」

小梅「ちゃんと最終ジャッジを下すエリ神さまの席は用意してるんだよ」

小梅「ちなみに問題を起こしてエリ神さまのクビがはねられると、でーだらぼっちになるの」

小梅「クビでぼっち……まるで私やみほさんみたいだよね」

エリカ「ツッコミ辛いわっ」

小梅「皆が逸見さんを理解する時まで、逸見の森は続くんだよ!」

エリカ「焼き払いなさいよ!」

エリカ「毎回毎回言ってるけど、無許可で顔写真アイコンとか普通に訴えたら勝てるやつよ!?」

小梅「えー」

小梅「じゃあこの動く逸見さんスタンプも……?」

エリカ「ダメっていうか何技術的にちょっと進化したことやってんのよ」

エリカ「普通そういうのは本人に許可とってから販売するものでしょうが!」

小梅「でも許可貰おうとしたら絶対くれないし……」

エリカ「わかってるなら売るなって言ってンのよ」

ミカ「許可――それは本当に必要なことなのかな?」 ポロローン

エリカ「」

ミカ「権利主義には賛同しかねるね」

エリカ「え、なにこの人……」 ヒソヒソ

エリカ「隣のベッドの患者さん? 頭の」 ヒソヒソ

511 : 以下、名... - 2016/12/02 05:12:46.94 KSpP30yjo 324/872


小梅「ああ、この人は、継続高校のミカさん」

小梅「逸見さんのバタバタの際、乳首のイグニッションを切ってくれた人なの」

エリカ「え、あ、ああ、ありがとうございました……」

ミカ「なに、お礼を言われるようなことじゃないよ」

ミカ「ただ、風に呼ばれるがままに動いただけさ……」 ポロローン

エリカ「ねえ、この人なんだかよくわからないけど大丈夫?」 ヒソヒソ

小梅「初対面の人間の乳首をいきなり触ったってことだし、ヤバイ人だとは思う」 ヒソヒソ

512 : 以下、名... - 2016/12/02 05:17:06.35 KSpP30yjo 325/872


ミカ「でも、よかったよ」

ミカ「わざわざ来て正解だったかもしれないね」

エリカ「はあ……」

ミカ「試合でも面白いものが見れたし、何より――」

ミカ「人生観を変えられたよ」 ポロローン

エリカ「はあ……」

ミカ「あの理解不能な振動と、未来を捨ててなくては出来ぬ警察官へのハンバーグ砲撃」

ミカ「常識という檻に縛られていた私の心を解き放てくれたよ」

ミカ「常識という檻は、決して人生にとって大切なものじゃない」

ミカ「本当に大切なものは何か――それを考えるいい機会を貰ったと言ってもいいんじゃないかな」 ポロローン

小梅「…………」

エリカ「な、何よ!? この面倒くさそうな変な奴を作ったのは私だって言うの!?」

513 : 以下、名... - 2016/12/02 05:24:22.20 KSpP30yjo 326/872


小梅「……」

エリカ「その白い目やめなさいよ!」

小梅「はぁ……」

エリカ「露骨にため息を吐――」

小梅「……」 チッ

エリカ「チッ!? チッって言った!? 今舌打ちしたでしょ!? ねえ!?」

小梅「気のせいか空耳かシャブでもやってるんじゃないですか?」

エリカ「やってないわよ! つーかその白い目を辞めろって言ってるでしょ!」

エリカ「こじらせてる時の佐藤寿也じゃないんだから!!」

ミカ「どんな瞳の色をしていても『白い目』、か――」 フフ

ミカ「不思議だよね」 ポロローン

エリカ「だから何よ」

ミカ「実にふざけた言葉と言えるんじゃないかな」

ミカ「超ムカつく、というやつかもしれないね」 クソックソッ

小梅「突然キレ始めた……」

エリカ「何アンタそれ始めたばかりでキャラまだ固まってないの?」

514 : 以下、名... - 2016/12/02 05:28:32.53 KSpP30yjo 327/872


ミカ「とはいえ、目に見えるものが全てとは限らないんじゃないかな?」

エリカ「はあ……」

ミカ「それに、知ってるかい?」

ミカ「ルビーとサファイアは、同じ材料で作られているんだよ」 キリッ

エリカ「……」

小梅「……」

ミカ「……」

エリカ「え!? 終わり!?」

小梅「完全に宴会でも滑るタイプのよく分からない雑学だったね……」

515 : 以下、名... - 2016/12/02 05:30:38.57 KSpP30yjo 328/872


ミカ「まあ、何にせよ――」

ミカ「今日は改めて挨拶を、と思ってね」 ポロローン

エリカ「はあ……」

小梅「ご丁寧にまた……」

エリカ「っと、まあ、お礼はこちらから言いにいかなきゃいけなかったとは思うけど……」

ミカ「いや、そのことはもういいよ」

ミカ「私が言う挨拶とは、戦車道のことさ」

エリカ「!」

小梅「!」

ミカ「継続高校代表・ミカ」

ミカ「今度2回戦で見えるね」 ポロローン

エリカ(そうか、こいつが……!)

516 : 以下、名... - 2016/12/02 05:43:52.70 KSpP30yjo 329/872


エリカ(去年、継続には練習試合で苦しめられた……)

エリカ(タイミング的に、西住姉妹に全権が与えられた直後だったのもある)

エリカ(不満に思った当時の3年がボイコットし、違う選択科目に移ったりと、大混乱があったタイミング)

エリカ(こちらの戦力は、未熟な1・2年中心だったというのはある)

エリカ(それでも黒森峰の、そんじょそこらの3年生よりよっぽど強いッ)

エリカ(継続の連中は、間違いなく強かった……)

エリカ(辛勝とはいえ、あの試合に勝ったことが、西住姉妹への信頼に繋がったくらいだもの)

エリカ(継続高校は、そのくらいの力がある)

エリカ「……」

エリカ「継続高校……」

エリカ「去年の練習試合ぶり、ね……」

エリカ(その継続高校に、挑む……)

エリカ(半数近いメンバーが、去年の練習試合と同じ)

エリカ(……それでいて、あの子がいない)

エリカ(あの子という右腕が、私に差し替わっている)

エリカ「……悪いけど、貴女たちには絶対に負けないわ」

エリカ(……負けるわけにはいかない)

エリカ(他のメンバーは、1年の練習で練度が上がっているんだもの)

エリカ(あの子がやったより、迅速に少ない被害で倒さないと、あの子に負けたことになるっ……!)

517 : 以下、名... - 2016/12/02 05:45:32.14 KSpP30yjo 330/872


ミカ「絶対か。そんなもの、本当にあるのかな」 ポロローン

ミカ「それに、そこまで恨まれる理由もないと思うけど」

エリカ「……そうね」

エリカ「別に恨みなんかじゃないわ」

エリカ「ただ、個人的に、絶対負けられないってだけよ」

エリカ(継続高校、じゃあない)

エリカ(あの子にだけは――――)

ミカ「……いいね」

ミカ「その眼は別の存在を映してそうだけど」

ミカ「全力でお相手するよ」

518 : 以下、名... - 2016/12/02 05:47:36.19 KSpP30yjo 331/872


ミカ「今日は挨拶にきてよかったよ」

ミカ「試合を楽しみにしてるよ」

ブロロロロロロロロ

ミカ「迎えが来たようだね」

ミカ「それじゃあ――今度は、戦場で」

ミカー!

ハヤクノレー!

エリカ「…………」 ギリッ

小梅「賑やかな人……ううん、人達だったね」

エリカ「……そうね」

小梅「……」

小梅「あっ、御見舞のメロン盗られた!」

エリカ「……いいわよ別に」

小梅「一緒にハンバーグも入れてあったのに……」

エリカ「何その組み合わs――ばか! さっさと追うわよ!」

小梅「もう見えないよ……?」

519 : 以下、名... - 2016/12/02 05:49:29.29 KSpP30yjo 332/872


エリカ「ちっ……ハンバーグの恨みも、試合で晴らさなくちゃ……」

小梅「……」

小梅「逸見さん、継続高校には、負けたくないんだ」

エリカ「当然よ」

エリカ「黒森峰は、もう負けることは許されないわ」

エリカ「……」

エリカ「ううん」

エリカ「それだけじゃない」

エリカ「認めるわ、私は個人的な事情で、継続には絶対勝ちたい」

エリカ「逸見の森とかいうふざけた森も、今だけは見逃してあげるわ」

エリカ「共有してもいいわよ」

エリカ「逸見エリカは、継続高校に勝ちたがってる」

エリカ「何が何でも絶対勝て――――ってね」 ギリッ

520 : 以下、名... - 2016/12/02 05:51:01.46 KSpP30yjo 333/872


エリカ「ほら、そうと決まれば、さっさと帰るわよ!」

小梅「ええー」

小梅「観光……」

エリカ「いつでも出来るでしょう!?」

エリカ「いつでも飛行船で連れてきてあげるわよ!」

小梅「……本当?」 パァァァァ

エリカ「ええ」

エリカ「だから、帰って特訓するわよ」

エリカ「もう二度と、不運な敗北は許されないわっ」

エリカ(そして――証明するのよ)

エリカ(あの子より、私の方が、優れているって――――!)

521 : 以下、名... - 2016/12/02 05:53:21.43 KSpP30yjo 334/872

 





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





 


522 : 以下、名... - 2016/12/02 05:55:14.87 KSpP30yjo 335/872


小梅「ついに待ちに待った継続戦だね逸見さん!」

小梅「今日の日のために特訓した成果、見せてあげようね!」

エリカ「」

小梅「…………」

小梅「逸見さん?」

エリカ「」

小梅「…………」

小梅「ま、まさか……」 チクビポチー

エリカ「どぅるん」

エリカ「ドゥルルルルルルルル」

小梅「うわぁ……ここで……」


続き
エリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」【3】

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