男「うう……ここは……?」
女「どこかの部屋みたいね……」
男「みんなは……無事か?」
女「私たちのクラス全員、ここにいるみたい……」
主催者『お目覚めかね、諸君』ザザッ…
男「お前は!?」
主催者『君たち全員をその部屋に閉じ込めた張本人だ。別の部屋から君たちを監視している』
主催者『これから君たちには“ですゲーム”をしてもらう』
男「なんだって!?」
元スレ
主催者「これから君たちには“ですゲーム”をしてもらう」クラスのみんな「なんだって!?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1545130806/
優等生「いったいどんなゲームなんだ……!?」
主催者『その部屋にいる者は、“ある条件”を満たすと死ぬようになっている』
主催者『ゲームは48時間、果たして何人生き残れるか……楽しみにしているよ』
不良「死ぬだとぉ!?」
キモオタ「ある条件ってなんなのさぁ!?」
主催者『それを教えたらゲームにならないだろう?』
主催者『さあ、ゲームスタートだ!』
教師「ふざけるな!」
教師「罪のない生徒たちを閉じ込めて、死のゲームをさせる……」
教師「こんなこと、断じて許されるものではない!」
教師「今すぐ皆をここから出すのです!」
主催者『あーあ、満たしちゃったね』
教師「えっ、なにを――」
教師「ぐはぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「な……!」
女「先生が……!」
女委員長「いやぁぁぁ!」
不良「マジかよ……! 死んじまった!」
細身「い、いやだ……!」
男「おい、落ち着け!」
細身「僕は死にたくない! 死にたくなぁぁぁぁぁい!」
細身「ここから出して! 出してぇぇぇ!」
主催者『48時間経過しなければ出すことはできない』
主催者『死なない方法は、“ある条件”を満たさないことだけだ』
細身「お願いですからぁぁぁ!」
主催者『やれやれ、これで二人目だ』
細身「ごぼぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「また死んだ!」
優等生「みんな落ち着こう」
男「!」
優等生「このゲームは、最後の一人まで殺し合うってわけじゃない……」
優等生「死の法則性を見極めることができれば、犠牲者はあの二人だけで済むはずだ!」
優等生「もうこれ以上犠牲が出ないよう、みんなで知恵を絞るんだ!」
男「おお……!」
女「さすが優等生君! 混乱をすぐに鎮めたわ!」
女委員長「優等生君の言う通り……」
男「委員長!」
女委員長「なんとしてもみんなで生き残って、あの主催者に罰を下しましょう!」
女「あら委員長、頼もしいこというじゃない!」
女委員長「ふふっ、私もいう時はいうんです!」
女委員長「がはぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「い、委員長ーっ!!!」
不良「くっそー、ふざけやがって!」
不良「“ある条件”なんてありゃしねえんだ! あの野郎はきっと皆殺しにするつもりなんだ!」
不良「俺はこんなクソゲーに付き合うつもりはねえ!」
不良「それどころか、外から援軍呼んで、このクソゲーをぶっ壊してやる!」
手下A「おおっ!」
手下B「さすがっす!」
不良「もしもし、○×組ですか……ってあれ、電話つながらねえ!」
不良「ぐおぉぉぉぉぉ!」ゲボォォォォォ
手下A「うわっ!?」
手下B「兄貴ーっ!」
手下A「兄貴がっ、兄貴がぁっ!」
手下B「しっかりしてくれえ!」
手下A「兄貴が死んだら、俺らどうしたらいいんですか!」ユサユサ
手下B「傷は浅いです! 目を開けてくだせえ!」ユサユサ
手下A「ごぶぅぅぅぅぅ!」ゲボォォォォォ
手下B「ぐわぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「くそっ……まだ開始5分だぞ!?」
女「もう6人も死んじゃったわ……」
優等生「……」
男「優等生?」
女「なにを考え込んでるの?」
優等生「ようやく分かった……死の法則性が!」
男「マジかよ!」
優等生「今までに死んだ人達は、みんな興奮していた……」
優等生「つまり、アドレナリンの分泌量が密接に関係している可能性が高い」
優等生「だから冷静にしていれば、死なずに済むはずです!」
男「おおっ、なるほど!」
女「48時間興奮せず、大人しくしてればいいのね!」
優等生「がはぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「って死んだぁ!」
キモオタ「うっ、うっ……」
男「キモオタ?」
キモオタ「どうせ死ぬなら……」
キモオタ「せめて大好きなフィギュアを抱きしめながら死にたい……」
男「おい、諦めるなよ!」
キモオタ「愛してます……天国でもずっと一緒ですよ……」ギュッ
キモオタ「ごぼっ!」ゲボォォォォォ
男「キモオタァァァ!!!」
男「ちくしょう……死の法則性が見つからねえ……!」
女「眼鏡の二人なら、頭いいから推理できるんじゃない?」
眼鏡「いえ、見当もつかないです」クイッ
眼鏡「ぐわぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
眼鏡女「せめてヒントがあればいいのですが……」クイッ
眼鏡女「がはぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
女「二人とも死んじゃったわ!」
文学少女「やっと分かりました!」
男「えっ!」
女「分かったの!?」
文学少女「このゲームは“ある言葉”を発すると死ぬようになってます!」
男「おおっ! なんとなく正解っぽい!」
女「その言葉は?」
文学少女「おそらく……“煉獄”です!」
文学少女「きゃあぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
スポーツマン「なんて恐ろしいゲームだ……このままじゃ全滅する!」ワナワナ…
スポーツマン「みんなで逃げるんです!」ダッ
スポーツマン「どばぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
男「走りながら死んだぁ!」
男子A「どうすればいいんですか!?」
男子A「ぎゃばぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
女子A「お母さん……もう一度会いたかったです……」
女子A「ぐべぇぇぇぇぇ!」ゲボォォォォォ
男子B「こりゃあかん。このままじゃクラス全滅ですわ」
男子B「せやかてぇぇぇぇぇ!」ゲボォォォォォ
女子B「死にたくないですー!」
女子B「あぴゃぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
……
……
男「……」
女「……」
男「結局、俺たちだけ生き残っちゃったな」
女「うん……まさか、こんなことになるなんて……」
男「どうしてだと思う?」
女「きっと神様が……生き残らせてくれたんだと思う」
男「たしかに……そうかもしれない」
女「私たち、精一杯生きましょう! 死んだみんなの分まで!」
男「そうだな!」
男「神様……!」
女「私たちを生き残らせてくれてありがとう……!」
男「俺たち二人は、このクラスのアダムとイブなんですよね!」
女「二人でいっぱい子供を作って……幸せになりたいです!」
男「ぎゃはぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
女「げばぁぁぁぁぁ!」ゲボォォォォォ
バタッ…
シーン…
主催者『……』
部下A『……』
部下B『……』
主催者「念のため直接見に来たが……全滅してるな」
部下A「ええ」
部下B「見事に全員死んでますね」
主催者「30分足らずで全滅とは、このクラスはバカばかりなのか?」
主催者「こんなバタバタ死なれては、極限の死のゲームを見たい変態どもは満足せんぞ」
部下A「この映像を見せても、あの方々は喜ばないでしょうね……」
部下B「いかがいたしましょう?」
主催者「仕方ない……もう一度やるしかないだろうな」
主催者「それにしてもなぜ気づかんのか……」
主催者「この部屋の中で“です”って言ったら死ぬってことに」
部下AB「まったくですな」
三人「あっ」
― 終 ―