1 : 以下、?... - 2018/12/26 21:45:34.629 2iuI0Lqp0 1/67

「いやぁー、ダメ元でナンパしてみるもんだね」

「まさかデートしてくれるなんて……」

「私もちょうどヒマだったし、あなたハンサムだから」

「…………」ゴクッ

「ところで、そのマフラー……よく似合ってるね」

「これ毒蛇よ」

「え」

元スレ
男「そのマフラー……よく似合ってるね」女「これ毒蛇よ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1545828334/

5 : 以下、?... - 2018/12/26 21:49:21.021 2iuI0Lqp0 2/67

「ほら」

毒蛇「シャーッ!」

「な……!」

「君はいったい……!?」

「私、ヘビ使いやってるの」

「ヘビ使い……!?」

「これでも自分の事務所を持ってて、本場インドで修行した本格派よ」

「へ、へえ~……」

9 : 以下、?... - 2018/12/26 21:54:09.306 2iuI0Lqp0 3/67

<自宅兼事務所>

「なんでフラれたのかしら」

毒蛇「なんで分かんねえんだよ」

「なんで?」

毒蛇「どこの世界に、毒蛇首に巻いてる女と付き合いたい男がいるんだよ!?」

毒蛇「せっかくの出会いだったのに……もう出歩く時、俺を首に巻くのやめろよ!」

「だって寒いんだもの。首回りは特に」

毒蛇「マフラーって優秀な防寒具があんだろ!」

「マフラーって首がチクチクするから苦手なの」

毒蛇「安物買うからだよ! お前はいつも肝心なところでケチるからな!」

「あんたはいつも毒舌よねえ」

毒蛇「なんたって毒蛇だからな!」

「猛毒すぎて、自分の脳まで異常をきたして、人の言葉を喋れるようになるくらいにね」

毒蛇「うっせえ! 好きで喋れるようになったんじゃねえや!」シャーッ

13 : 以下、?... - 2018/12/26 21:57:24.418 2iuI0Lqp0 4/67

「きっと私の魅力が足りなかったのよ。もっとシェイプアップしなくちゃ」

「ってわけで、縄跳びやるから縄になって」

毒蛇「絶対嫌だよ! 縄買ってこいよ!」

「爬虫類ショップで、“ヘビ用ビーフジャーキー”買ってあげるから」

毒蛇「しゃーねーなー……やるよ、やりますよ!」

「いち、に、さん」ピョンピョンピョン

14 : 以下、?... - 2018/12/26 22:00:21.428 2iuI0Lqp0 5/67

<爬虫類ショップ>

店長「いらっしゃい!」

「こんにちは」

毒蛇「ちわーっす!」シャーッ

店長「おお、二人とも相変わらず元気だね」

毒蛇「この店は相変わらず流行ってねえな」

店長「今日も毒吐くね~」

毒蛇「なにせ俺は毒蛇だからな」

「“ヘビ用ビーフジャーキー”ちょうだい」

店長「毎度!」

15 : 以下、?... - 2018/12/26 22:03:20.214 2iuI0Lqp0 6/67

(さて、帰ろうっと)

「……ん」ドンッ

銀髪「おっと、失礼」

白蛇「シュルルルル…」

「…………」

「あの男の人、白蛇を首に巻いてたわ」

毒蛇「ああ、アルビノってやつか?」

「只者じゃないわね」

毒蛇「蛇を首に巻いて外うろついてる時点で只者じゃねえよ。悪い意味で」

16 : 以下、?... - 2018/12/26 22:07:14.944 2iuI0Lqp0 7/67

ある日――

<古い民家>

チューチュー… ドタバタ…

家主「ご覧のように、ネズミが大量に住み着いてしまって……」

「分かりました。すぐに駆除します」

「頼んだわよ」

毒蛇「おう、任せとけ!」

17 : 以下、?... - 2018/12/26 22:09:25.672 2iuI0Lqp0 8/67

毒蛇「いたいた……ネズミどもが」ニョロニョロ

ネズミ「チュッ!?」

毒蛇「お前ら全員……俺の毒牙の餌食だぜ!」シャーッ


チュウゥゥゥゥ… シャァァァァァ…



ドタンバタン! ドタンバタン! ドタンバタン!

…………

……

18 : 以下、?... - 2018/12/26 22:12:28.176 2iuI0Lqp0 9/67

毒蛇「ほらよ、こいつでラスト」ペッ

毒蛇「一匹残らず仕留めてやったぜ」ニュルニュル…

「ご苦労様」

家主「ありがとうございます!」

家主「悪質な駆除業者に任せると、ネズミを退治するふりをして」

家主「またネズミが増えるよう、わざと残すケースもあるらしいのですが」

家主「あなたたちに頼んでよかった!」

毒蛇「へへへ、毎度~」

「…………」

毒蛇「どうした?」

「その手があったか」

毒蛇「オイ」

21 : 以下、?... - 2018/12/26 22:16:40.191 2iuI0Lqp0 10/67

帰り道――

「あら?」

毒蛇「悪そうなヤツが女の子に絡んでるな」



チンピラ「な? そこのカフェで一緒にコーヒー飲んでくれるだけでいいからよォ~」

女子高生「この後、用事あるんで……!」

チンピラ「お、断るの? 心が傷ついたわぁ~」

チンピラ「だったら慰謝料でコーヒー代くらいよこせや! ほら、財布出しな!」

女子高生「お金なんて持ってません!」

チンピラ「今時の女子高生が金持ってねえわけねーだろ! オラ、出しやがれぇ!」

22 : 以下、?... - 2018/12/26 22:19:23.744 2iuI0Lqp0 11/67

「やめなさいな」

毒蛇「シャーッ!」

女子高生「えっ」

チンピラ「なんだてめえ!?」

チンピラ「薄気味悪い女だ……邪魔するんなら……」ガシッ

「やっちゃいなさい」

毒蛇「シャーッ!」ガブッ

チンピラ「ぐわっ!?」

24 : 以下、?... - 2018/12/26 22:22:25.550 2iuI0Lqp0 12/67

ドサッ…

チンピラ「か、体が……痺れて……」ピクピク…

「加減はしておいたから、一時間もすれば動けるようになるわ」

「ただ……また悪さしてるとこ見かけたら、今度は命の保証はないけど」

チンピラ「…………」ゾクッ

女子高生「あ、あの……ありがとうございました!」

「気にしないで。気をつけて帰りなさい」

女子高生「は、はいっ!」

25 : 以下、?... - 2018/12/26 22:26:21.894 2iuI0Lqp0 13/67

……

<民家>

ニュルニュルニュル…

毒蛇「お、あったあった!」

毒蛇「ほれ、排水溝に流しちまったカギを取ってきたぜ!」ペッ

依頼人「ありがとうございますぅ!」

依頼人「これは替えがきかないカギでして、本当に助かりました!」

「またご依頼があれば、私の事務所までお気軽にどうぞ」

「今日は頑張ってくれたから、“ヘビ用ペディグリーチャム”買ってあげる」

毒蛇「ヒャッホウ!」

26 : 以下、?... - 2018/12/26 22:29:09.045 2iuI0Lqp0 14/67

<爬虫類ショップ>

「よかった、あと一つだけ残ってるわ」サッ

銀髪「ラスト一個が残ってたか」サッ

「あっ」

銀髪「あっ」

「あなたも……“ヘビ用ペディグリーチャム”が欲しいのね?」

銀髪「ええ、ウチの白蛇の大好物なもので」

27 : 以下、?... - 2018/12/26 22:32:18.224 2iuI0Lqp0 15/67

「悪いけど、これは譲れないわ」

銀髪「ボクもです」

「お互い引く気はないってわけね」

銀髪「だったら≪ガラガラ勝負≫で決めませんか?」

「望むところよ」



≪ガラガラ勝負≫とは――

どちらがよりガラガラヘビのようにガラガラできるか競う、ヘビ使いの決闘法の一つである。

28 : 以下、?... - 2018/12/26 22:36:06.699 2iuI0Lqp0 16/67

銀髪「勝負!!!」

「ガラガラガラガラガラ…」

銀髪「ガラガラガラガラガラ…」

「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」

銀髪「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…」

「……ぐっ!」ガクッ

銀髪「どうやら……ボクの勝ちですね。“ヘビ用ペディグリーチャム”はいただきますよ」

「生まれて初めて……ガラガラ勝負で負けた……」

白蛇「シュルルルルル…」ニヤッ

毒蛇「!」

毒蛇「あ、あのクソ蛇! 俺を笑いやがった! ちくしょう!」

29 : 以下、?... - 2018/12/26 22:39:33.708 2iuI0Lqp0 17/67

店長「いい勝負だったけど、惜しかったね」

「あの人は何者なの?」

店長「うちに来るようになったのは最近なんだけど、新進気鋭のヘビ使いらしい」

「同業者か……」

毒蛇「ってことはいずれ商売がかち合うかもしれねーな!」

毒蛇「そん時はあの白蛇、ボッコボコにしてやるぜ!」

「いつになく殺気立ってるわね。あんたらしくもない」

毒蛇「だって、ペディグリーチャム食べたかったんだもん……」ニョロ…

「おお、よしよし」ナデナデ

毒蛇「ううう……」

34 : 以下、?... - 2018/12/26 22:44:30.637 2iuI0Lqp0 18/67

<自宅兼事務所>

「今日のスケジュールは?」

毒蛇「えぇっと……まず午前中は爬虫類愛好家への公演」

毒蛇「午後はスーパーマーケットのネズミ退治、夜はマムシ酒の品評会があるぜ」

「今日も忙しいわね」

「忙しいのはいいことだけど……さすがにもっと人手が欲しいわ」

毒蛇「たしかにな。このところあまり寝れてねえだろ」

「……そうだ、バイトでも雇おうかしら」

毒蛇「バイトォ~? こんなとこで働きたい奴なんていねえだろ!」

「分かんないわよ。もしかしたら、いるかもしれない」

毒蛇「絶対いねえよ!」

35 : 以下、?... - 2018/12/26 22:47:21.847 2iuI0Lqp0 19/67

……

「…………」

「二人も応募が来たわ」

毒蛇「マジで!?」シャーッ

毒蛇「世の中好景気なのか不景気なのかよく分かんねえけど、不景気ってことだなぁ」

毒蛇「景気よかったら、ぜってえこんな魔境で働こうとは思わねえもん」

「コラコラ、あまり毒吐かないの」

毒蛇「で、どうすんだ? 採用すんのか?」

「とりあえず、二人とも面接してみることにするわ」

37 : 以下、?... - 2018/12/26 22:50:24.573 2iuI0Lqp0 20/67

後日――

女子高生「こんにちは!」

チンピラ「ちわっす!」

(あら……?)

毒蛇(どっかで見たことあるような二人組だな……)

女子高生「なんだあんたが!?」

チンピラ「なんでテメェが!?」

「コラコラ、喧嘩しない。さっそく面接を始めさせてもらうわ」

39 : 以下、?... - 2018/12/26 22:54:05.365 2iuI0Lqp0 21/67

女子高生「私、以前あなたに助けていただいた女子高生です!」

女子高生「それであなたに憧れて、ずっと捜してて、バイト募集をしていたので……」

「なるほどね」

「だけど、うちはヘビ使いの事務所なのよ。ヘビは大丈夫?」

女子高生「はいっ、私ハブを飼ってますから! ほら!」

ハブ「シューッ!」ニュルニュル

「あら、いいじゃない。採用よ」

女子高生「やった!」

毒蛇(俺も、ヘビ語で面接してみるか)

毒蛇『ハブ……お前はなんかできるのか? ネズミ退治とか……』

ハブ『将棋が得意ですね。奨励会の人にも勝ったことあります』

毒蛇『流石ハブ……』

41 : 以下、?... - 2018/12/26 22:57:57.928 2iuI0Lqp0 22/67

チンピラ「俺、あんた……いえ、あなたに睨みつけられた時……」

チンピラ「これが“ヘビに睨まれたカエル状態”なんだって、分かったんす!」

チンピラ「俺はあなたのカエルになりたい! ここでパシリとして使って下さい!」

「ヘビを扱ったことは?」

チンピラ「ない……っす」

女子高生「それじゃここで働くなんて無理よ! さっさと帰りなさい、このヒキガエル!」

チンピラ「ぐうう……!」

「他になにか特技は?」

チンピラ「うーん……あ、簿記の資格持ってます。数字には強いっす」

毒蛇「どういうチンピラだよ!?」

「経理要員も欲しかったのよね……うん、あなたも採用にするわ」

チンピラ「あざーっす!」

42 : 以下、?... - 2018/12/26 23:01:07.384 2iuI0Lqp0 23/67

女子高生「それじゃ、ハブを連れて老人ホームの人達と将棋指してきます!」

ハブ「シューッ!」

「適度に勝ったり負けたりするのがコツよ」

毒蛇「いずれ、あの羽生さんとも対局することになったりしてな」



「今月の収支はどう?」

チンピラ「バッチリ黒字っす! だけど、毒蛇さんの食費がちょっとかさんでますね……」

「じゃあ、来月は食わせないことにするわ」

毒蛇「スト起こすぞてめえ!」シャーッ



「二人ともよく働いてくれてるわ」

毒蛇「ああ、正直いってここまで使えるとは思わなかった」

「私たちも負けられないわね」

毒蛇「おう!」

45 : 以下、?... - 2018/12/26 23:04:07.713 2iuI0Lqp0 24/67

ある日――

<自宅兼事務所>

「いらっしゃいませ」

紳士「こんにちは」

金髪「こ、こんにちは……」

(どういうコンビかしら? 親子ってわけじゃなさそうだけど……)

46 : 以下、?... - 2018/12/26 23:07:57.279 2iuI0Lqp0 25/67

「本日はどのようなご用件でしょう?」

紳士「その前に、私どもの事情をお話しさせてもらってもよろしいでしょうか」

「ええ、かまいません」

紳士「実は、日本有数のある大富豪が、自分の財産について遺言を残そうということになりまして」

紳士「当然、ご子息たちに分配することになるわけですが……」

紳士「そんな中、その大富豪様には私生児、いわゆる“隠し子”がいることが明らかになりまして」

紳士「当然、その方にも財産を分与しようということになったのですが……」

「大富豪がお父さんだったなんて羨ましい話ね」

毒蛇「おめーのオヤジはただのサラリーマンだしな」

47 : 以下、?... - 2018/12/26 23:11:12.476 2iuI0Lqp0 26/67

紳士「これで面白くないのが、他のご子息の方々です」

「そりゃそうよね。取り分が減っちゃうんだから」

紳士「それで、どうしたかというと……」

紳士「なんと、彼らのうちの誰かが、殺し屋を雇ったことが分かったのです」

「えっ、殺し屋?」

「あの……ひょっとして、その“隠し子”って……」

紳士「はい、隣に座っているこのお方です」

金髪「…………」

紳士「あなたには、この方を狙う殺し屋を退治して欲しいのです!」

48 : 以下、?... - 2018/12/26 23:15:51.547 2iuI0Lqp0 27/67

「ちょっと待ってちょうだい。そんな話は警察に任せた方が……」

紳士「我が財閥は、警察関係にも大きく根を張っており、うかつに警察にも頼れないのです」

「だからって、なんで私に?」

紳士「なぜなら……相手の殺し屋もまた、“ヘビ使い”だからです」

「ヘビ使い……!」

紳士「こちらの写真をご覧ください。この方のボディガードの写真です」サッ

「みんな、蛇に急所を噛まれてやられてるわね……。死んではいないようだけど」

紳士「ええ、なんとかこの方を守れていますが、このままでは時間の問題です」

紳士「ですから、有名なヘビ使いのあなたに、ヘビを使う殺し屋を倒して欲しいのです!」

「蛇の道はヘビ……ってわけね」

49 : 以下、?... - 2018/12/26 23:18:26.456 2iuI0Lqp0 28/67

「分かりました」

「同じヘビ使いとして、ヘビを悪用する輩を放っておけないし」

「その殺し屋を何とかしてみせるわ」

紳士「引き受けて頂けますか!」

金髪「ありがとうございます!」

「ただし、私は殺し屋じゃないから、その殺し屋の命を奪うようなことはしないわよ」

紳士「もちろんです!」

紳士「私どもとしては、この方が穏便に財産を相続できればそれでよいのです」

毒蛇(こりゃあ、大仕事になりそうだな……)

50 : 以下、?... - 2018/12/26 23:22:44.671 2iuI0Lqp0 29/67

「……というわけなの」

女子高生「すごい依頼が舞い込んできましたね! まるで漫画みたい!」

チンピラ「金のために悪事を働くとは……許せねえ!」

「…………」

女子高生「…………」

毒蛇「…………」

チンピラ「え、何か?」

「それで、私一人じゃちょっと大変そうだから……あなたたちにも協力を頼みたいの」

女子高生「喜んで協力しますよ!」

チンピラ「俺らのボスはあなたなんですから!」

51 : 以下、?... - 2018/12/26 23:25:18.281 2iuI0Lqp0 30/67

チンピラ「しかし、その殺し屋が今どこにいるかってのは分かってるんですかい?」

「そこはさすがに財閥だけあって、居場所はつかんでるらしいわ」

「今はあるホテルに滞在してるみたい」

女子高生「いかにも殺し屋って感じですね!」

チンピラ「よーし、そうと決まれば話は早い!」

チンピラ「俺らでホテル向かって、その殺し屋をブチのめしましょうや!」

「くれぐれも慎重にね」

52 : 以下、?... - 2018/12/26 23:30:29.254 2iuI0Lqp0 31/67

<ホテル>

「あの部屋にいるみたい……」

毒蛇「出てくるまで待つか」

女子高生「寒いわね……缶コーヒー飲む?」

チンピラ「おっ、サンキュー!」

「……出てきたわ」


ガチャッ…

銀髪「…………」スッ

白蛇「シュルルルル…」


毒蛇「!?」

(あの人は……!)

毒蛇(あの白蛇は……!)

53 : 以下、?... - 2018/12/26 23:33:36.044 2iuI0Lqp0 32/67

チンピラ「あの野郎が殺し屋っすね? よーし、荒事は俺に任せて下せえ!」ダッ

「あ、ちょっと」

チンピラ「うおおおおおおおおおっ! 往生しやがれええええええっ!」

銀髪「! ……またか!」

チンピラ「くたばれぇっ!」

銀髪「ハッ!」シュバッ

ビシッ!

チンピラ「ぎゃんっ!」



「あれは……中国拳法の蛇拳!」

毒蛇「ジャッキー・チェンの映画にもなった拳法か!」

「ええ、やはり彼、只者じゃなかったわね」

54 : 以下、?... - 2018/12/26 23:36:40.505 2iuI0Lqp0 33/67

チンピラ「ま、まだだ……!」

チンピラ「俺だって、カエルの意地、見せてやるぜぇ!」

銀髪「!」

チンピラ「とおりゃあああああっ!」ピョーンッ

ゴンッ!

チンピラ「あうっ!」ドサッ

チンピラ「と、跳びすぎ、た……」ガクッ



毒蛇「なにやってんだあのバカ……」

女子高生「だったら次は私が相手よ! チンピラの仇は取ってやる!」

56 : 以下、?... - 2018/12/26 23:39:17.297 2iuI0Lqp0 34/67

女子高生「いっけーっ、ハブ! 王手喰らわせちゃいなさい!」

ハブ「シューッ!」

銀髪「…………」

銀髪「キーキーッ!」

ハブ「!?」ビクッ

女子高生「どうしたのハブ!?」

57 : 以下、?... - 2018/12/26 23:41:21.016 2iuI0Lqp0 35/67

「あれは……マングースの鳴き声!」

毒蛇「あの野郎、ヘビの弱点を知り尽くしてやがる!」



女子高生「どうしちゃったの!?」

ハブ「…………」ガタガタ…

銀髪「キーキーッ!」

ハブ『と、投了します……』

女子高生「どうしちゃったのよー!」

58 : 以下、?... - 2018/12/26 23:44:16.271 2iuI0Lqp0 36/67

「ウチのバイト二人をあっさり倒してくれちゃって……やるわね」

銀髪「あなたとはいつか、ヘビ使い同士戦う時が来ると思ってました」

銀髪「しかし、こんな形では戦いたくなかった」

「私もよ」

毒蛇『ブッ潰してやる、白蛇野郎!』シャーッ

白蛇『…………』シュルルル…

銀髪「勝負!!!」

「いきなさい」

毒蛇「シャァァァァァッ!」

銀髪「噛みつけ」

白蛇「シュルルルルル…」

59 : 以下、?... - 2018/12/26 23:46:57.285 2iuI0Lqp0 37/67

毒蛇「シャーッ!」ガブッ

白蛇「シュルルルルル…」ガブッ

グルグルグルグルグル…



「これは、全く互角のヘビ同士でしか起こらないといわれる――」

銀髪「二匹のヘビが互いの尾を噛み合う、ウロボロス状態!」

(やはり、私の毒蛇と彼の白蛇はほぼ互角なのね)

銀髪(こうなると、一瞬の油断が勝敗を分ける!)

60 : 以下、?... - 2018/12/26 23:48:44.314 2iuI0Lqp0 38/67

グルグルグル…

毒蛇(ちっ、ウロボロス状態は苦手だ! 先に離すか!)パッ

白蛇「シュルルルルル…」パッ

毒蛇「…………」ジリ…

白蛇「…………」ジリ…

毒蛇「シャッ!」

白蛇『きゃっ!』ビクッ

毒蛇(え、こいつ! ……メスなのか!? 分かんなかった!)

白蛇『バカねえ』ニヤッ

61 : 以下、?... - 2018/12/26 23:50:51.161 2iuI0Lqp0 39/67

白蛇『もらったわ!』ガブッ

毒蛇『ぐあああああっ……!』

「しまった!」

銀髪「よし!」

銀髪「白蛇、そのまま飼い主である彼女にも攻撃しろ!」

白蛇『分かったわ!』シュルルルル…

毒蛇(ぐ……俺としたことが!)

62 : 以下、?... - 2018/12/26 23:53:42.681 2iuI0Lqp0 40/67

白蛇『銀髪君は私が守るわ……いくわよぉ!』シュバッ

「…………」

白蛇(え、全く動かない!?)

銀髪「……ストップ!」

白蛇「…………」ピタッ

銀髪「なぜかわそうともしない?」

「あっ」

「よく手入れされてる美しいヘビだから、つい見とれちゃって……戦ってるのを忘れてたわ」

毒蛇「アホか……」

「うるさい」

銀髪「…………」

銀髪「あなたは……殺し屋じゃないな?」

「え?」

銀髪「ボクを殺しにきた人間が、そんなこというとは到底思えない」

「ちょっと待って。私が殺し屋? どういうこと?」

銀髪「実は……ボクは命を狙われているんです」

63 : 以下、?... - 2018/12/26 23:56:19.676 2iuI0Lqp0 41/67

チンピラ「なにいいいいいい!?」

女子高生「あなたが大富豪の隠し子なの!?」

銀髪「ああ、どうやらそうらしくて、ボクとしても戸惑ってたんだけど」

銀髪「そうこうするうち、何度もボクを狙う刺客が現れて」

銀髪「なんとかボクの蛇拳と白蛇で撃退していたんだ」

銀髪「おかげでこのところはホテル暮らしを余儀なくされているよ」

チンピラ「マジかよ……」

女子高生「先生、これはどういうことでしょう?」

「どうやら、あの依頼人たちにしてやられたわね」

「彼らが見せてくれたやられたボディガードの写真は、みんな殺し屋だったんだわ」

毒蛇「ああ……あいつらこそが“隠し子を狙ってる側”だったんだ!」

64 : 以下、?... - 2018/12/26 23:59:10.580 2iuI0Lqp0 42/67

銀髪「君のヘビは人間の言葉をしゃべるのか。すごいね」

毒蛇「へへっ、照れるぜ」

「勉強したからじゃなくて、自分の毒で脳みそがおかしくなったからなんだけどね」

白蛇『なーんだ。あなたってホントバカねえ!』シュルルルル…

毒蛇『うるせえブス!』シャーッ

白蛇『なんですって!? また噛んでやりましょうか!』

銀髪「まあ、ヘビ語はだいたい分かるけどね」

「私もよ。この二匹、痴話喧嘩してるわ」

女子高生「うぐぐ……まだまだ二人の域には遠いわ……」

ハブ『そのうち、私の言葉も分かるようになりますよ』シューッ

チンピラ「あ、あのっ! ヘビ談義してる場合じゃないと思うんすけど!」

「そうね、とりあえず私の事務所に行きましょうか」

65 : 以下、?... - 2018/12/27 00:04:06.116 0Z3g/FR40 43/67

<自宅兼事務所>

銀髪「これからボクはどうすれば……」ハァ…

チンピラ「サツにもうかつに頼れねえしなぁ」

「しばらく、ここにいればいいわ」

「今は私が依頼を受けてる状態だから、新しい刺客を送り込んでくることもないでしょ」

毒蛇「そうだな。二、三日ゆっくり作戦会議でもしようぜ」

銀髪「ありがとう……」

ハブ「シュー…」

毒蛇『どうした、ハブ?』

ハブ『私の“読み”がたしかなら、我々はもう王手されている!』

毒蛇『なにっ!?』

66 : 以下、?... - 2018/12/27 00:07:23.025 0Z3g/FR40 44/67

――ドガァンッ!

タタタタタッ タタタタタッ

殺し屋「ククク……標的はそこの銀髪の青年か」

手下A「てめえらぁ!」

手下B「無駄な抵抗すんじゃねえぞ!」



「まぁっ……」

毒蛇「こいつらドア壊しやがって!」

銀髪「ボクらが意気投合したことは、すでにバレていたのか!」

67 : 以下、?... - 2018/12/27 00:09:39.915 0Z3g/FR40 45/67

「窓から逃げましょう」

女子高生「だけどここ二階ですよ!?」

「自分の蛇をロープにして逃げるのよ」シュルルルル…

女子高生「なるほど!」シュルルルル…

銀髪「白蛇、頼むよ」シュルルルル…

チンピラ「あのっ、俺はどうしましょ!?」

「自力で頑張って」

チンピラ「はーいっ!」ピョーンッ

タタタタタッ… タタタタタッ…

68 : 以下、?... - 2018/12/27 00:13:29.925 0Z3g/FR40 46/67

紳士「どうだったかね? アナコンダ君」

金髪「…………」オドオド…

殺し屋「惜しくも逃げられました。襲撃は読まれていたようです」

紳士「なかなか勘が鋭いようだな」

紳士「しかし、ヘビ使い女め……あの隠し子と和解した上に真実も知ってしまった」

紳士「こうなれば、銀髪だけでなく、この事務所の連中も皆殺しにしてくれ!」

紳士「むろん、その分金は払う!」

殺し屋「お任せ下さい」

殺し屋「この私が“アナコンダ”の異名を持つ理由、奴らにとくと思い知らせてやりましょう」

紳士「あんなヘビ女なんぞに頼らず、最初から君に依頼すべきだったよ」

70 : 以下、?... - 2018/12/27 00:17:08.218 0Z3g/FR40 47/67

<爬虫類ショップ>

「……というわけで、かくまって欲しいの」

店長「いいとも!」

店長「ここは爬虫類を愛する者のオアシスだからね。いくらでもいてくれよ!」

「ありがとう」



「いつまでもいることはできないけど、これで時間が稼げるはずよ」

毒蛇「今のうちにこれからどうするか決めねえとな!」

銀髪「みんな、ボクのせいですまない……」

女子高生「なにいってるの! あなたはなにも悪くないじゃん!」

チンピラ「ああ、むしろこっちから仕掛けたんだしな!」

71 : 以下、?... - 2018/12/27 00:20:22.589 0Z3g/FR40 48/67

コツッ… コツッ…

店長「……ん?」

殺し屋「この店にヘビ使いどもがいるだろう。出してもらおう」

店長「ヘビ使い? はて、なんのことやら……」

バキッ!

店長「ぐわっ!」

殺し屋「とぼけるな……この店にいるのは分かってるんだ」



「どうやら、もうバレちゃったようね」

毒蛇「くそったれ、出て行くしかねえぜ!」シャーッ

72 : 以下、?... - 2018/12/27 00:23:22.019 0Z3g/FR40 49/67

「店長さん、大丈夫?」

店長「あ、ああ……役に立てずすまない……」

銀髪「くっ、もう見つけられるなんて……」

殺し屋「我らの情報網を甘く見たな」

殺し屋「追加オーダーがあってな。お前たちは全員死んでもらうことになった。やれ」

手下A「へっへっへ……」パキポキ…

手下B「覚悟しやがれ!」

「もう、やるしかないようね」

毒蛇「おう、ここで決着だ!」

73 : 以下、?... - 2018/12/27 00:27:27.774 0Z3g/FR40 50/67

チンピラ「だったら、俺がいきやす!」

チンピラ「どおりゃああああああっ!」ピョーンッ

手下A「うおっ!? なんてジャンプ力だ!」

ドカッ!

手下A「ぐああっ!」


女子高生「ハブ、あいつの首絞めちゃって!」

ハブ「シューッ!」ギュッ

手下B「ぐえっ、ぐるじ……!」


チンピラ「ザコは俺らに任せて下せえ!」

毒蛇「頼むぜ、ザコ専!」

チンピラ「ザコ専はキツイっすよ……毒蛇さん……」

75 : 以下、?... - 2018/12/27 00:30:20.443 0Z3g/FR40 51/67

「じゃあ、殺し屋は私が――」

銀髪「待った、そこまで世話になるわけにはいかない」

銀髪「こいつとはボクがケリをつける!」

殺し屋「勇ましいな。それでこそ殺しがいがある」

銀髪「いくぞ!」シュバババッ

殺し屋「ほう、拳法使いか」バババッ

銀髪(かわされた!?)

殺し屋「もらった!」ガシッ

銀髪「ぐっ!?」

76 : 以下、?... - 2018/12/27 00:34:20.461 0Z3g/FR40 52/67

殺し屋「俺は裏社会じゃ“アナコンダ”って呼ばれてるんだが」グググッ…

銀髪「あ、が……!」

殺し屋「なぜ“アナコンダ”と呼ばれてるか教えてやろう」グググッ…

殺し屋「この太い腕で、標的を絞め殺すからだよォ!」グググッ…

殺し屋「特に仕留めた相手の全身の骨をバキボキ折るのが楽しくてなァ!」グググッ…

銀髪「が、あああああ……!」メキメキ…

白蛇『コラッ、離れなさいよ!』ガブッ

殺し屋「俺の肉体に、こんな噛みつきが通用するか」バシッ

白蛇『きゃっ!』

77 : 以下、?... - 2018/12/27 00:37:20.533 0Z3g/FR40 53/67

「毒蛇、助けてあげて」

毒蛇「おう! よくも白蛇を殴りやがったな!」

毒蛇「シャーッ!」ガブッ

殺し屋「……む」

「終わったわ」

毒蛇「毒をたっぷりと注入してやった……もう動けねえぞ!」

殺し屋「それはどうかな?」

毒蛇「なに?」

80 : 以下、?... - 2018/12/27 00:41:32.141 0Z3g/FR40 54/67

殺し屋「どおりゃあっ!」ブオンッ

バキッ!

毒蛇「ぐおあっ!」

毒蛇「こいつ、毒が効かねえ……!」

「なんて奴なの……!」

殺し屋「これが“アナコンダ”のもう一つの理由よ!」

殺し屋「俺は長年の訓練で、そんじょそこらの毒なんざ効かない体質なのさ!」

殺し屋「いくら毒を喰らっても、アナコンダのように獰猛に暴れ回る!」

銀髪「ぐ……逃げ、ろ……」

殺し屋「まだ口がきけたか! とっとと首をヘシ折ってやる!」グググッ…

銀髪「ぐ、あ、ぁぁ……」

白蛇『いやぁぁぁっ!!!』

81 : 以下、?... - 2018/12/27 00:44:42.639 0Z3g/FR40 55/67

「なるほど、毒が効かないとは驚きだわ」

毒蛇「ああ」

「だったら、あまり気が進まないけど、“あれ”をやるしかないわね」

毒蛇「……やんのか。あれはやりたくねえなぁ……」

「あんただって、白蛇ちゃんを助けたいでしょ?」

毒蛇「まぁな。メスは見捨てない主義でな」

「じゃ、やるわよ」

毒蛇「おう!」

殺し屋「今さら何をするつもりだ!? 何やったって、俺には通用しねえ!」

82 : 以下、?... - 2018/12/27 00:47:48.142 0Z3g/FR40 56/67

「行くわよ」ガシッ

ヒュルンッ! ヒュンヒュンッ! ヒュルルンッ!

銀髪(毒蛇の尻尾を持って……鞭のように……!)

殺し屋「なにが切り札かと思いきや、そんなのがこの俺に通用するかよ!」

「だったら試してみるといいわ」ヒュンッ


バチィンッ!!!


殺し屋「…………」

殺し屋「……い」

殺し屋「いっでぇぇぇええぇぇぇぇええ!!!」

83 : 以下、?... - 2018/12/27 00:52:21.356 0Z3g/FR40 57/67

「毒蛇は、私に振るわれることで最高の“毒”になるの」ヒュンッヒュンッ

「もういっちょいくわよ」ヒュルルンッ

殺し屋「ちょ、ちょっと待っ……!」

ベチィッ!

殺し屋「あぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

バチィンッ!

殺し屋「うごおおぉぉぉぉぉお!!!」

殺し屋(なんて鞭……いや蛇さばき! しかもウロコのせいでクッソ痛えええええ!!!)

殺し屋(痛しゅぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)



銀髪「す、すごい……!」

銀髪(毒蛇には極力ダメージがないようにしつつ、強力な鞭として扱っている……!)

銀髪(二人の呼吸が合い、なおかつ絶対の信頼関係がなければ、これほどのことはできない!)

85 : 以下、?... - 2018/12/27 00:55:21.879 0Z3g/FR40 58/67

ビシィッ!

殺し屋「ひぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

殺し屋「なんなのお前……SM嬢か、なんかか……?」

「SM嬢……か。たしかに私はSM嬢だわ」パシィンッ

「ただし、SM(スネークマスター)だけどね」ヒュンッ


バチィン!!!


殺し屋「おふうぅぅぅぅぅ……」ガクッ

86 : 以下、?... - 2018/12/27 00:59:19.578 0Z3g/FR40 59/67

「ふぅ……やっと倒れてくれたわね」

毒蛇「おう、ざまあねえぜ!」

チンピラ「すげえっす! まさにお二人ならではの技っす!」

女子高生「さすが先生……うっとりしました……!」

「今の蛇さばき、ユーチューブに流したらウケるかしら?」

毒蛇「多分炎上すると思うよ……」

「さて、後は……奥でコソコソしてるあなたたちだけね」チラッ



紳士「ひっ!」ビクッ

金髪「ひえっ!」

87 : 以下、?... - 2018/12/27 01:02:20.702 0Z3g/FR40 60/67

金髪「ボ、ボクは“隠し子のふりをしろ”って雇われただけで……大富豪の息子はこの人の方なんです!」

紳士「き、貴様ァ!」

「なるほど、財産の取り分を増やそうとした黒幕はあなただったわけね」

紳士「ひ、ひいい……」

「あなた……すみやかに警察に行って、あなたの息がかかってない人に全て話しなさい」

「でないと……今殺し屋にやったように、ヘビ喰らわすわよ」

紳士「い、行きます! 行きますぅぅぅ!」

紳士「あんたみたいなヘビ女、絶対敵に回したくないっ……!」

88 : 以下、?... - 2018/12/27 01:05:28.958 0Z3g/FR40 61/67

銀髪「すっかり助けられてしまって……どうもありがとう」

「どういたしまして。こちらこそ迷惑かけちゃって」

銀髪「ボクは自分が大富豪の息子だと分かってからも、のらりくらりとやり過ごしてきたけれど」

銀髪「ちゃんと父に会って、決着をつけることにするよ」

「うん、それがいいわ」

白蛇『ふんっ、いっとくけど礼はいわないからね』シュルルル…

毒蛇『別にいらねーよ!』

白蛇『だけど……』チュッ

毒蛇『!』

「なに赤くなってるの。ヘビのくせに」

毒蛇「な、なってねーよ!」

90 : 以下、?... - 2018/12/27 01:08:56.280 0Z3g/FR40 62/67

女子高生「じゃあ皆さん、事件解決祝いにハブ酒でも飲みましょー!」

ハブ『私の味が染み込んだ、最高の一品ですよ』

チンピラ「おっ、いいねえ!」

銀髪「ボクもハブ酒には目がないんだ」

店長「いやぁ、嬉しいねえ」

「あ、だけど……」

「あなた飲んじゃダメでしょ。未成年じゃない」

女子高生「も、もちろん! 先生たちだけで飲んでっていう話ですよー!」

毒蛇(さてはこいつ、普段飲んでやがるな……)

…………

……

91 : 以下、?... - 2018/12/27 01:13:26.381 0Z3g/FR40 63/67

しばらくして――

<自宅兼事務所>

「…………」ボケーッ

毒蛇「どうした? ボケーッとして」

「ああ、あの殺し屋と戦った事件を思い出してたの」

毒蛇「ああ、あれか。俺もよく覚えてるぜ」

「結局、銀髪の彼はどうなったのかしら?」

毒蛇「そりゃあ、大富豪と和解して、正式に息子になったんだろ」

「ヘビ使いはやめちゃったのかしら」

毒蛇「まあ……職業としてのヘビ使いはやめちまっただろうな。続ける意味ねえし」

「そうよね。せっかく同業と知り合えたと思ったのに、残念だわ」

92 : 以下、?... - 2018/12/27 01:16:14.786 0Z3g/FR40 64/67

「あれから、女子高生ちゃんは女子大生になって――」

「ここで稼いだお金で沖縄にハブ修行に行っちゃって、しばらく会えないだろうし」

毒蛇「チンピラはあいつが描いたカエルの絵本がなぜか大ヒットして」

毒蛇「絵本作家になって、今や出版社に出入りする日々……」

「それでも、ウチの会計の仕事は続けてくれてるから助かるけどね」

「結局変わらないのは、私たちだけか」

毒蛇「俺を巻き込むんじゃねえよ。俺はこないだ脱皮したぜ」

「そうだったわね」

93 : 以下、?... - 2018/12/27 01:19:05.925 0Z3g/FR40 65/67

「とはいえ仕事は忙しいし……今度は正式な従業員を雇おうかしら」

毒蛇「お、正社員ってやつか?」

「うん、できればヘビ使いをね」

毒蛇「いるわけねえって――」


ガチャッ…

銀髪「だったらボクなんかどうだい?」

白蛇「シュルルルル…」


「あっ」

毒蛇「あっ」

94 : 以下、?... - 2018/12/27 01:23:13.897 0Z3g/FR40 66/67

「あなた……大富豪の息子として生きるんじゃなかったの?」

銀髪「逆だよ。ボクはヘビ使いとして生きる決心をした」

銀髪「財産相続の話も正式に断ってきたよ」

「そうだったの……」

毒蛇「あーあ、もったいねえ! ぜってえ後悔するよ!」

白蛇『うるさいわね! 私たちには私たちの生き方ってもんがあんのよ!』

毒蛇『そりゃあ悪うございましたね!』

「あなたたち、夫婦喧嘩はやめなさい」

毒蛇「まだ夫婦じゃねえ!」シャーッ

白蛇『まだ夫婦じゃないわよ!』シュルルルル…

「まだっていっちゃってるじゃない」

銀髪「アハハ……」

95 : 以下、?... - 2018/12/27 01:27:06.551 0Z3g/FR40 67/67

銀髪「……というわけで、このフリーのヘビ使い……雇ってもらえるかな?」

「ええ、もちろんOKよ」

白蛇『縁起のいい私もついてくるわよ!』

毒蛇「あーあ、こりゃますますこの事務所も忙しくなっちまいそうだぜ!」







おわり

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