古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
ドアの外
みくる(何か凄まじい緊迫感が……!)
元スレ
長門「…ゴッホが咳をした」古泉「………」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293764372/
長門「ふとんが」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(ふとんが!? ふとんが何!? ふっとばないの!?)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「子猫が」
長門「可愛い」
ドアの外
みくる(確かに可愛いですけれど!)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「……ゴッホが」
長門「言わせない」
古泉「…………」
長門「…………」
ドアの外
みくる(…………ごくり)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………ゴッ」
古泉「!」バァン!
長門「!?」
古泉「…………」
長門「…………」
ドアの外
みくる(心臓飛び出るかと思った)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(…………)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(…………! 今なら部室に入れるんじゃ……)
みくる(よし、タイミングを見計らって)
長門「和尚が二人で」
古泉「失恋旅行」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(ぴゃああああああっぶなあああああ!!)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………サバが威張った」
古泉「…………ギョギョ!?」
長門「!」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(さかなクンさん……だと……!?)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………ゴッ」
長門「!」ガァン!
古泉「…………」
ドアの外
みくる(私の豊満な胸の奥で鼓動している心臓が停止するかと!)
長門「!」ゴシカァン!
みくる(ぴゃあああああ!)
長門「…………」
古泉「?」
長門「……今のは腹話術」
古泉「……? はあ……」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(長門さん怖あああああ)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「パンが2つで」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(…………古泉君女の子に向かって下ネタとか……)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「隣の家に塀が出来た」
古泉「…………長門さんのお宅はマンションですよね」
長門「…………うかつ」
ドアの外
みくる(古泉君冷静すぎ)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………内蔵が」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(なっ、内蔵が!?)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「ハエが」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(そろそろ寒くなってきたなあ……)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(…………ゴッホ)
長門「!」
古泉「!」
長門「古泉一樹」
古泉「長門さん」
みくる(ひっ……!)
椅子から立ち上がった二人はゆっくりとドアへ歩を進める。
その目に宿るのは狂気だろうか。
もはや二人の中でその単語は特別な意味を持ち、誰であろうと口にすることはおろか、思い浮かべることさえ許されない。
このドアの向こう側にその禁を破った愚か者がいる。二人の怒りはピークに達しようとしていた。
みくる(ひ……っ!)
みくるにはもう鍵穴から部室の中を覗き見る余裕などない。
ただただ怯え、震えるのみ。
今、長門有希の可憐な手がドアノブへと……
谷口『内容がないよう! なんつってな! ガハハ!』
国木田『小学生じゃないんだからさ』
その時校舎の外から聞こえてきた会話はみくるにとって神の助けだったのだろう。
長門有希、古泉一樹両名が一瞬にして椅子へと戻り、先ほどまでの形容し難い勝負と呼べるのかどうかわからないものを再開したのだから。
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「アルミ缶の上に」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(…………あ……少し漏らしちゃった……)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
みくる(おトイレ行かなきゃ……)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
キョン(なんだこの緊迫感は……)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………カッターを」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
キョン(カッターがどうしたあああああああ!?)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「………電話に誰も」
古泉「…………」
ドアの外
キョン(まさか……ダジャレか!? ダジャレなのか長門!)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「………………………………ゴッホの絵まで五歩」
長門「!」
ドアの外
キョン(な……長門がいきなり立ち上がって……)
長門「キャオラッ!!」ゴシカァン!
キョン(古泉を殴ったああああああ!?)
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ドアの外
キョン(何も無かったかのように……!?)
キョン(しかしこいつらは一体何をしているんだ……)
キョン(無言で向かい合っているかと思えば意味不明なダジャレを中途半端に)
キョン(しかもあの長門が……まさかまたエラーが……)
キョン(それとも、ダジャレに何らかの秘められたキーワードがあるのか?)
キョン(そう言えばさっき古泉が殴られたダジャレは)
キョン「…………ゴッホ」
ガタァァァァァン!!
みくる「最初は何が起きたのか分かりませんでした」
みくる「私はその時、そのぉ……おトイレから戻ってくるところだったんですが、部室の方から轟音が響いてきたんです」
みくる「どんな音だったか、ですか……いえあれはなんと表現すればよいのか……」
みくる「そうですね、チェーンソーとドリルの切削音を足して2を掛けたような、そんな感じですね」
みくる「その後、ガラスが割れる音がして……何かが外に放り投げられるのを見ました」
みくる「今思えば、あれがキョン君だったんでしゅね……」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「クッションの上でクシャミをした」
古泉「…………」
ドア「ガチャ」
ハルヒ「遅れてごめーん!」
ハルヒ「ってあら? 有希と古泉君だけ? キョンとみくるちゃんは?」
ハルヒ「あら? なんか窓ガラスが割れてるけどどうしたの?」
ハルヒ「破片が内側に無い……ペロ、これは青酸カリ! なんちゃって! てへ」
ハルヒ「まあ普通に考えたら内側から外側に向かって何かが投げつけられた……だから破片が無いってことよね! ハルヒ推理によると!」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「問題は何が投げつけられたかって事よね」
ハルヒ「とりあえず窓の下を確認してみようかしら! ハルヒアイ!」
ハルヒ「説明しよう! ハルヒアイとは視力0.7なのである!」
ハルヒ「なーんちゃって! てへへ」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「0.7とか普通よね! むしろちょっと悪い方だったり? ハルヒミステイク!」
ハルヒ「まあいいわ! 細かい事は気にしないのがハルにゃんのいいところにゃん!」
ハルヒ「早速窓の外をチェックしちゃうにゃん! にゃんにゃん!」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「えーっと……y=1/2gt^2から考えると……ってこれは自然落下の式だったにゃん!」
ハルヒ「どのみち初速がわからないから意味ない式よね……氏にたい……」
ハルヒ「はあ……何よにゃんって……馬鹿じゃないの……」
ハルヒ「しかも何で自分のこと名前で呼んでるのよ……ガキじゃないんだから……」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「まあとりあえず外見てくるわ……」
ハルヒ「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「ダジャレを言うのは」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「……ジンと言えばイギリス」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………タバコ吸いません」
長門「…………」
古泉「…………」
ガチャ「ドア」
ハルヒ「ハルにゃん復活!」
みくる「み、み、みくるんるん!」
長門「…………」
古泉「…………」
みくる(ちょ、涼宮さんどうするんですか、この空気!)
ハルヒ(こいつ直接脳内に……!?)
みくる「何言ってるんでしゅかあ!」
ハルヒ「ちょ、声が大きいわよみくるちゃん!」
ハルヒ(ほら、みくるちゃん行きなさいよ!)
みくる(ハルにゃんこそ!)
ハルヒ「……ねえ、もう一回、言ってくれる?」
みくる「何をですか?」
ハルヒ「…………」
みくる「ねえ、何を言ってほしいのかしら?」
ハルヒ「……ハルにゃん」
みくる「…………」
ハルヒ「ハルにゃんって! ハルにゃんって呼んで下さい!」
みくる「ふふ……ハルにゃん」
ハルヒ「にゃんにゃん!」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「にゃんにゃん!」
ハルヒ「にゃんにゃん」
ハルヒ「にゃん……」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ(ちょ、本格的にどうするのよこの空気!)
みくる(知りませんよぉ……涼宮さん何か考えがあったんじゃないんですかぁ)
ハルヒ「無いにゃん!」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「……綺羅星!」
みくる「綺羅星! はっ!?」
ハルヒ「まさかみくるちゃん……」
みくる「涼宮さんも……!?」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………校長先生がぜっ」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
ハルヒ(え? 何今の!)
みくる(分かりませんよお……)
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
長門「…………」
古泉「……コンドルのパンツが」
ハルヒ(ねえ本当に何これどうしたらいいの?)
みくる(私も分からないにゃん)
ハルヒ「…………」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………」
みくる「…………」
ハルヒ「そ、そう言えばキョンはどうしたのかしらね!」
みくる「ほ、本当でしゅねえ」
ハルヒ「みくるちゃん、キョンが休むとか聞いてる?」
みくる「聞いてませぇん」
ハルヒ「まったく、何やってるのかしら! あのバカキョンは!」
ハルヒ「そうね、遅れた罰は……キョンにはダジャレでも言ってもらおうかしら!」
長門「!」
古泉「!」
みくる(ああ、なんて――莫迦。こいつはただただひたすら死へと続く道をそれとは気付かず爆走していくただの莫迦なのだろう)
ハルヒ「そうね、いきなりオチがくるようなのはダメね! 例えば……」
みくる(さらば、涼宮ハルヒ……)
ハルヒ「ゴッホが咳をした、ゴッホゴッホなんて感じのヤツね!」
長泉「「!」」ガタタァァァン!
ハルヒ「え? な、何? どうしたの有希?」
ハルヒ「古泉君……顔が怖いわよ……?」
ハルヒ「あ……あはは……」
長門「…………」
古泉「…………」
ハルヒ「…………にゃんにゃん」
終わり
99 : パイナポゥ - 2010/12/31(金) 17:39:44.60 9/Q5H1iwO 47/78
夢喰いメリー単行本5巻絶賛発売中とか夢喰いメリーアニメ1月から放映開始とか
消失の朝倉さん可愛すぎBD買って良かったとか驚愕発売日決定とか
実家帰ってきた途端お腹痛くなって大変だったとか
色々言いたい事はありますが、今日言いたい事は一つだけ
おいお前ら6時からNHK教育でアルフ最終回やるぞ! こんな事してる場合じゃねえぞ!
朝倉涼子は俺の嫁
またね
長門「ッコホ…ッ…」
古泉「おや、長門さん風邪ですか?」
長門「ゴッホが咳をした。ゴッホゴッホ…」
古泉「だじゃれを言っても駄目ですよ。咳が出るんですか?」
長門「喉にタンがつまっているだけ、風邪などひいていない…コホッ」
古泉「隠せてない、隠せてないですよ長門さん」
古泉「最近は寒くなってきましたからねぇ。というか、宇宙人も風邪をひくんですか」
長門「風邪ではないと言っている」
古泉「…どれ」ピタッ
長門「!」
古泉「おでこ、少し熱くなってます。熱があるのではないでしょうか」
長門「…そう」
古泉「今日はもう帰られたほうがいいです。悪化しては大変ですし…」
長門「……」
古泉「皆さんには僕から伝えておきますよ」
長門「……」
古泉「長門さん?」
長門「……」
古泉「…帰りたくないんですか?」
長門「……」コクリ
古泉「…困ったものです。治るものも治りませんよ?」
長門「……帰りたくない」
古泉「治らなくてもいいと?」
長門「……そう」
古泉「…どうなっても知りませんよ?」
長門「……」
古泉「……」
長門「……コホッ…」
古泉「!……」
長門「……」
古泉「……」ゴソゴソ
長門「……?」
古泉「あの…これ、よろしければ」
長門「風邪薬…」
古泉「はい。気休め程度ですが…あ、あとこれも…」
長門「…カイロ」
古泉「極力、暖かくしてください。あ、ストーブも近くに持ってきますね」
長門「…ありがとう」
古泉「いえいえ。それにしても何故帰りたくないんですか?」
長門「……鬼嫁」
古泉「え?」
長門「家には鬼嫁がいるから」
古泉「鬼嫁、ですか…?」
古泉(長門さんは一人暮らしのはず…)
長門「古泉一樹」
古泉「あ、はい?」
長門「来てほしい」
古泉「…え?」
長門「家に、来てほしい」
古泉「え、あ、長門さんの家にですか?僕が?」
長門「…だめ?」
古泉「駄目、ではないですが…」
古泉(鬼嫁って何ですか…)
長門「そう。帰る支度をする。涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、彼には私から連絡を入れておく」ピポパポピ
キョン『なんだ?長門から電話なんて珍s』
長門「今日は部活を休む。古泉一樹も休む。あなたから二人に伝えておいて」
キョン『は?ちょっ…』ブチッ
長門「何をしてるの、早く帰る準備を」スタスタ
古泉「は、はい…」
長門「……」スタスタ
古泉「……」スタスタ
古泉(長門さんと下校なんて初めてだな…さっきの饒舌には驚いたけど…)
長門「……ゴホ」
古泉(風邪もひいているようだから、放ってはおけないし…)
古泉(はたして家にまで押し掛けていいものだろうか…)
長門「着いた」
古泉「あ…着いちゃった」
長門「ようこそ」ガチャ
古泉「おじゃまします」
長門「気をつけて…」ボソ
古泉「え?」
朝倉「あ、長門さん!おかえりなさ…い…」
古泉「!!」
朝倉「?!」
古泉「あなたは…」
古泉(機関から聞いた通りなら、情報統合思念体過激派の…朝倉涼子…!長門さんに情報解除され消えたはず…)
朝倉「……長門さんが…」
古泉「……?」
長門「……」
朝倉「長門さんが…っ私の長門さんが男を連れて帰ってきたああああ?!」バシュッ
古泉「うわぁ?!」
古泉(な、ナイフ?!斬りかかってきた?!)
朝倉「なんでぇ!なんでよ長門さぁん!」ブンブンッ
古泉「お、落ち着いて…落ち着いてください!」
朝倉「入るなぁ!私と長門さんの愛の巣に入るなぁ!」
古泉「す、すいません!」
朝倉「帰れ!かえれ!さっさと帰れ!」
古泉「は、はい!帰りますから…っ」
長門「待って」ギュッ
古泉「!」
長門「朝倉涼子…」
朝倉「ん?なあに?長門さんっ!」
長門「…また消されたいの?」ギロッ
朝倉「ひゃんっ……ご、ごめんなさい…」
長門「……コホコホッ」
古泉「だ、大丈夫ですか?」
朝倉「?!…長門さん、どうしたの?」オロオロ
古泉「風邪をひいているんですよ」
朝倉「な、なんですってー?!」
朝倉「ちょ、ちょ、な、長門さん!はやくお布団!冷えピタ!湯タンポ!」グイグイ
長門「あなたはまず落ち着くべき」ズルズルグイグイ
古泉(これが鬼嫁、か……というか、長門さんが袖を掴んでいるから僕まで引き摺られる形に…)ズルズル
朝倉「ふぅ、とりあえず長門さんには横になってもらったわ…」
古泉「それはよかったです」
朝倉「…で?」
古泉「はい?」
朝倉「あなた、長門さんのなんなの?」
古泉「何、ですか。SOS団の仲間だと僕は思ってますが」
朝倉「仲間、ねぇ…」
古泉「?」
朝倉「……」
古泉「……」
古泉(会話が無い…沈黙が重い…)
朝倉「……なの…」
古泉「え?」
朝倉「だから、あなた長門さんの事が好きなの?」
古泉「…はい?」
朝倉「ちなみに長門さんに白紙の入部届けを押し返したり長門さんに銃を向けたり長門さんを泣かせたり悲しませたりしたら許さないわよ?」
古泉「??」
朝倉「あーなんかイライラしてきたわ。ちょっと待ってて…」
古泉「はぁ…」
朝倉「……」ピポパポピ
キョン『はい、もしも…』
朝倉「死ね。氏ねじゃなくて死ね。死んで詫びろ」
キョン『な?!おまえは朝k…』ガチャ
朝倉「ふぅ、スッキリした」
古泉「彼も罪な方ですね…」
朝倉「うんっと重い罪と罰を与えたいけど長門さんがねぇ…許してくれないの」
朝倉「あいつはそれだけのことをしたのに」
古泉「…それには同意しかねます。もしあなたが彼に危害を与えるのであれば、僕を始め機関が全力で止めにかかりましょう」
朝倉「あら、あなた彼が好きなの?」クスクス
古泉「…どうしたらそのような見解になるかはわかりませんが、嫌いではありませんよ?」
朝倉「そう……」ササッ
古泉「冗談です。冗談ですからそんなに後退りしないで…逃げないでくださいよ!」
朝倉「ふふ、冗談よ」
古泉「あ、はは…」
朝倉「……長門さん、可哀想だわ…長門さんには幸せになってほしいの…」
古泉「朝倉さん…」
朝倉「だからあなたも長門さんを裏切るようなら…」ユラリ
古泉「あ、朝倉さん…?」
朝倉「許さない…」スッ
古泉「ナイフ!ナイフ出てます!」
長門「そこまで、朝倉涼子」ズルズル
朝倉「長門さん!寝てなきゃだめじゃない!」
長門「平気…。…古泉一樹」
古泉「はい、なんでしょうか」
長門「……」
古泉「……?」
長門「……」バタッ
古泉「な、長門さん?!」
朝倉「なななな長門さんッ?!いやああああ長門さんいやああああ死んじゃいやあああ」
長門「煩い…」
朝倉「あ、生きてた!よかったぁ!」
古泉「とにかく布団まで運びましょう、よいしょっ」
朝倉「…古泉一樹くん、あなた何をしているのかしら」
古泉「?ですから布団まで長門さんを運ぼうと…」
朝倉「ええ、ええそうね。でもあなた今、長門さんをお姫様抱っこしてるという自覚はあるのかしら」
朝倉「確かに長門さんは可愛いわ。その可愛さに魅了され消されたけど勝手に復活できちゃうくらいに!」
朝倉「だからこそお風呂も床も無理矢理だけど一緒に入った私だけど!お風呂用品やお揃いのマフラーだってチェック購入済みの私だけど!」
朝倉「お姫様だっこはしたことなかったわ、ヤバイわ涼子マジでヤバい。これは非常事態よ」
朝倉「憎いあいつが長門さんの手を握ったり名字じゃなくて名前を呼んだときだって本当は後ろからブスッと刺してやろうと…」ブツブツ
長門「…古泉一樹」
古泉「はい」
長門「大事な話がある」
古泉「…はい」
古泉「やはり風邪が悪化してますね」
長門「そう…」
古泉(長門さん、辛そうだ…)
古泉(でも僕は何もできない…いつだってそうなんだ、僕は…)
古泉(長門さんだって、本当は僕ではなく彼に傍にいてほしいんだ…)
古泉(だから僕は、何も期待しない…期待するだけ無駄だってわかってるから…)
長門「古泉一樹…」
古泉「はい」
長門「わたしはあなたに謝らなければならない」
古泉「…はい」
長門「わたしの中に蓄積されたエラーがバクを起こし、世界を改変した事があった。わたしにはそのエラーが何なのかわからなかった」
長門「彼によって世界は元に戻ったが、私の中で再び未知のエラーが蓄積されつつある。それが、今」
長門「これが何なのか、未だに私にはわからない」
古泉(僕にはわかりますよ、長門さん…彼にだってきっとわかっていたんでしょうね)
古泉(涼宮さんがクリスマスパーティーを企画した時、彼と廊下で話したんですよ)
古泉(僕も涼宮さんも朝比奈さんも彼も…そして長門さん、あなたも少しずつですが変化しつつあると…)
古泉(世界改変するまで長門さんが辛かっただなんて知らなかった、知ろうとすらしなかった)
古泉(謝らなければならないのは僕の方だ…)
古泉「長門さん…ごめんなさい…」
長門「…何故あなたが謝るの」
古泉「ふふ…なぜでしょうね」
長門「謝るべきはわたし。あなたの気持ちを無視して、ここまで無理に引っ張ってきてしまった。ごめんなさい」
古泉「謝らないでくださいよ。それに僕は、無理に来たつもりは…」
長門「強がらなくてもいい。…あなたが彼を好きだとは知らなかった」
古泉「……え?」
長門「先程朝倉涼子との会話を盗み聞きしてしまった」
長門「わたしは同性愛に偏見は無い。朝倉涼子からも普段普遍的なアプローチも受けている、あなたとは似た者同士」
古泉「ち、ちが、なが…長門さん!誤解です、誤解です!」
長門「隠さなくてもいい。昨日のコミックマーケット79でもあなたと彼が絡み合っている同人誌というものをたくさん…」
古泉「わあああだめ!ダメですよ長門さん!違いますから!」
長門「そう…では、あなたが好きなのは誰?」
古泉「ふぇ…え?あ、いや…」
長門「彼ではないのなら、誰?」
長門「涼宮ハルヒ?朝比奈みくる?それとも…」グイッ
古泉「わっ…な、長門さ…!」
長門「それとも、わたし?」
古泉「…な、長門さん…僕は…」
長門「……」
古泉「僕は…っ…」
長門「ッゴホ…コホコホッ…!」
古泉「!だ、大丈夫ですか…?!」
長門「平気…、それより続きを…ッ」ギュッ
古泉「っ…長門さん…」
長門「聞かせて…」
古泉「…ごめんなさい、長門さん。今の気持ちでは、僕は何も言えない…」
長門「……そう」
古泉「……だから、今はこれで許してください…」
長門「……んっ」
古泉「ん……」
長門「………」
古泉「…お、怒りました?」
長門「…少し憤りを感じてはいる」
古泉「ごめんなさい」
長門「許さない」
古泉「えー…」
長門「責任とって」
古泉「は、はい…!」
古泉「ゴホッゴホッ…」
キョン「おーっす、古泉…って風邪か?」
古泉「あ、どうも…いやはや、熱は無いんですが喉をやられたようで…コホッ」
キョン「おいおい、移すなよ?」
古泉「風邪は移してなんぼと言いますからね…ふふ」
キョン「顔を近づけるな息を吹きかけるな気持ち悪いんだy」ピピピ
キョン「ん?誰だ?もしもーし」
朝倉『死ね!刺しにいくわよ?!あ、長門さんも言う?』
長門『私の古泉一樹を侮辱しないで。さもなくばあなたの情報結合を解除する』ガチャ
キョン「ぎゃああああ!!!」
古泉「あっははは!」
おわり
160 : 以下、名... - 2010/12/31(金) 22:35:13.48 4wuhhWhXO 78/78
保守ありがとうございました。
消失長門が可哀想すぎて幸せになってほしくて朝倉さんに自己投影しながら書いちゃいました。パイナポゥさんのSS後に失礼しました。支援までいただいて恐縮っすw
最近は古泉変態SSばっかり見てきたので時にはこんな古泉も…ねw
来年も素敵なSSが読めますように、みなさまよいお年を。