放課後、部室前
キョン「…」トントン
シーン
キョン「ん?」
キョン「朝比奈さんまだなのか…」
キョン「……」ガチャ
キョン「あれ…珍しいな、誰もいない…」バタン
キョン「ん?」
キョン「机の上に何かあるな…」
テクテク
キョン「こ、これは…」
キョン「ブラジャー!!」
元スレ
キョン「こんなところにブラジャーが…!」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1292583549/
キョン「しかも黒…!」
キョン「なぜこんなところにブラジャーが…?」
キョン「……」ゴクリ
キョン「まだ誰も来ないよな……」キョロキョロ
キョン「誰のか知らないが……失礼します!!」クンカクンカ
キョン「むっふー!!」
キョン「これは実に汗臭い…!!」
キョン「……だが、それがいい……」
キョン「はぁ…これはくせになる…」クンカクンカ
キョン「うーん…」
キョン「……」ハァハァ
キョン「さて、たっぷり堪能したところで…」
キョン「……せっかくのチャンスなんだ…」
キョン「つけてみても……いいよね?」
ヌギヌギ
キョン「ふぅ……俺も結構汗かいてるな……」
キョン「俺の汗と、このブラをつけてた子の汗が混ざる訳か……」ムラムラ
キョン「うーん、エロス!!」
キョン「……えーと、まず腕を通して……」スルスル
キョン「ホックをつけるのか?」
キョン「よっと」スカッ
キョン「ん?うまく引っ掛かんないな…」
キョン「はっ!ほっ!てやっ!」スカッ スカスカッ
キョン「くっ…ダメだ……後ろが見えないから填められない…」
キョン「仕方ない、最初からホックをはめといて、上から被る作戦で行こう」
キョン「ふんっ!」バッ
キョン「よいしょっ……おぉー着れたぞ」
キョン「うん、黒だとなんかかっこよくていいな」
キョン「ブラジャー戦隊!エロスマン!!」シュバッ
キョン「ふっ……決まった……」
キョン「なるほど、こんなものを女子の皆さんは着けているわけか…」サワサワ
キョン「これはこれで、なかなか…」
ガチャ
キョン「!!…やべっシャツを…!」バッ
長門「……」
キョン「お、おぅ!長門か!」ゴソゴソ
長門「…着替え中?」
キョン「あ、ああもう着たから別に入って平気だぞ」
長門「そう」バタン
キョン「……」
キョン「ど、どこ行ってたんだ?」
長門「コンピ研」
キョン「そ、そうか」
長門「……」ペラッ
キョン(ふぅ、なんとか見られずにすんだな)
キョン(それにしても、このブラジャーは誰のなんだろう…)
キョン(この部室にあったんだから、SOS団の誰か…)
キョン(そして、俺が着てるってことは…その持ち主はいまノーブラなわけだ…!)ムラムラ
キョン(一体…誰が……!)ゴクリ
キョン(黒か……バニーの色的にはハルヒが似合いそうだな)
キョン(だが朝比奈さんが黒というのも小悪魔っぽくていいな…!)
キョン(長門は…)
キョン(そもそもブラジャーしてるのか?)
バァン
ハルヒ「やっほー!!」
みくる「こんにちはー」
キョン「ど、ども…」
みくる「あ、すぐお茶入れますね」
ハルヒ「みくるちゃん、お茶の前に着替えしなきゃ!」
キョン(着替え…!)
みくる「あ、はぁい」
キョン(これは朝比奈さんのブラジャーの有無を確認するチャンス!)
キョン「……」ジーッ
みくる「…あ、あの、キョンくん?着替えたいんだけど…」
キョン「あ、俺のことはお構い無く」ジーッ
みくる「え、えっと……」
ハルヒ「ちょっとキョン!ふざけてないでさっさと廊下に出なさいよ!」
キョン「ふざけてなんかないぞ。俺は朝比奈さんのブラジャー姿が見たいだけだ!!」ドーン
ハルヒ「なっ……!」
みくる「ひっ……」プルプル
みくる「……で、出てってぇぇぇー!!」バキッ
キョン「うぉっ!!」ドサッ
バタン ガチャリ
みくる「うぅぅぅ…」シクシク
ハルヒ「キョンの奴ホントに最低ね!!」
みくる「うぅ…キョンくんがあんなこと言うなんて……信じてたのに…」
ハルヒ「はぁ…みくるちゃん分かってないわね…」
みくる「ふぇ?」
ハルヒ「男はエロいことばっか考えてるもんよ?」
みくる「え…?」
ハルヒ「昔の人が言ってたじゃない…」
ハルヒ「男は狼なのよ!!」
みくる「ええっ!!キョンくんもですか!?」
ハルヒ「そう!だから、みくるちゃんも気をつけなさい!」
みくる「わ、わかりましたぁ……」
みくる(キョンくんが狼さん……食べられないように気をつけなきゃ…)
廊下
キョン「いてて……」
キョン(このエロスマンブラックを一撃で廊下までふっ飛ばすとは…)
キョン(朝比奈さん、一体何者…?)
キョン「……こほん」
キョン(そ、そんなことより今は朝比奈さんのブラジャーだ…)
キョン(どれどれ…)コソコソ
ハルヒ『さ、落ち着いた所で着替えしましょ』
みくる『はぁい』
キョン(いよいよだ…)ゴクリ
みくる『よいしょっ…』ヌギヌギ
ハルヒ『!!…み、みくるちゃん…!!』
キョン(やっぱり朝比奈さんか…!!)
みくる『はい?』
ハルヒ『ちょっと……太った?』
キョン(そっちかよ!!)
みくる『あ…バレちゃいました?』
ハルヒ『あたしも最近食べ過ぎちゃってやばいのよー』
みくる『涼宮さんもですかぁー』
ハルヒ『ほら、なんとかの秋って言うじゃない?あたしは断然、食欲ね!』
みくる『あたしもですよー。スイーツがおいしくて、つい食べちゃいます』
ハルヒ『有希はやっぱ読書?』
長門『そう…でも食欲も捨てがたい…』
みくる『ふふ、みんな一緒ですねっ』
キョン(え?何この超展開)
ハルヒ『そうだ、今度3人でバイキング行きましょう!』
みくる『あ、行きたいですー!』
長門『バイキング…?』
みくる『一定の料金で、好きなだけ食べられるお店ですよ』
ハルヒ『制限時間のある所もあるけど、有希なら余裕で元取れるわ!』
長門『了解した。そういうことなら任せて』
ハルヒ『決まりねっ!』
キョン(なんか、すごく普通の女子高生の会話だ…)
みくる『あ、着替え終わりましたぁ』
ハルヒ『はぁ…じゃあ仕方ないけどキョン入れるわね…』
キョン(ひどい…)
ガチャ
ハルヒ「入っていいわよー」
キョン「お、おう…」
みくる「…」ジーッ
キョン「あ、朝比奈さん?」
みくる「あ、いえ…いつ変身するのかなぁって…」
キョン「え…?」
みくる「あっ、気にしないで下さい!」
キョン(まさか…俺がエロスマンブラックということがバレたのか…!?)
………………
キョン(さて、朝比奈さんは白だったようだ)
キョン(あ、ブラジャーの色じゃないぞ)
キョン(さすがにノーブラだったら着替えを見ているハルヒが気づくはずだもんな)
キョン(ハルヒか長門…どっちなんだ…!)
キョン(…よし、ここは単刀直入に聞いてみよう!)
キョン「あー…もう9月なのにまだまだ暑いよなー」
ハルヒ「何よいきなり」
キョン「世間話くらいいいだろ」
みくる「あ、お茶どうぞ」
キョン「どうも」ズズッ
キョン「ふぅ…こんなに暑いと脱ぎたくなるよな」
ハルヒ「脱げば?」
キョン「…」
キョン「えーと、女子は脱ぎたくならないのか?」
ハルヒ「見たいの?」
キョン「もちろ…いやそうじゃないけどさ!」
みくる(キョンくん…)
ハルヒ「何が言いたいのかはっきりしなさいよ!!」
キョン「……」
キョン「こ、こんな暑い日にはブラジャーを脱ぎたくならないか!?」
ハルヒ・みくる・長門「…」
ハルヒ「はぁ…男子って本当バカね…」
キョン「バカで結構コケコッコー!」
ハルヒ「…」
ハルヒ「外をノーブラで出歩くようなバカな女はまずいないわ。特に薄着になる夏はね」
ハルヒ「ずっとつけてると窮屈だし暑いから、家では外して過ごすことはあるけど……」
ハルヒ「公の場では、どんなに暑くても下着は身につけるものよ。全く、常識的に考えなさいよ!」
キョン「ハルヒの口から常識なんて言葉が出るとは…」
ハルヒ「はぁ…あんまりバカらしくて真面目に答えちゃったじゃないの…」
キョン「…ということは、今ハルヒはブラジャーしてるんだよな?」
ハルヒ「当たり前でしょ!!あんた、ちゃんと人の話聞いてたの!?」グッ
キョン「き、聞いてたとも!ネクタイ引っ張るな…ぐるじい…」
ハルヒ「はぁ…なんかすっごく疲れたわ…」
……………
キョン(ハルヒも白だった、ということは長門か…?)
キョン(長門には人間の常識なんて関係なさそうだしな…)
キョン(だが、この黒いブラジャーが昨日脱いだものなら、ハルヒや朝比奈さんの可能性も出てくるし…)
キョン(うーん…)
キョン(待てよ、そもそも長門が普段ブラジャーをしているのかを確認しないと…!!)
キョン(よし、これを使う時が来た!)バッ
キョン「なぁ長門」
長門「何?」
キョン「この本やるよ」スッ
長門「……」
『はじめてのブラ☆―買い方から脱がされ方まで―』
キョン「いやー、実は妹にあげようとしたら投げつけられて返されてしまってなー」
キョン「処分に困ってたんだ。長門にはいつも助けられてるからさ、そのお礼だと思って受け取ってくれ」
長門「…私には必要ない」
キョン「なっ…!」
キョン(やはり……ブラジャーなど必要ないというのか…!)
長門「同じものを持っている」
キョン「へ?」
長門「私も着用すべきだと言われ、消滅前の朝倉涼子にもらった」
キョン「あ…そう、なんだ…」
長門「そして読んでブラジャーについて学び、購入した」
長門「ティーンズブラはフロントホックのものもあるが、やはり通常のバックタイプの方が色気があるとその本に書いてあったので、そうした」
長門「ちなみに色は…」
キョン「うわああもういいです!!」
長門「…そう」
キョン(まさか長門がブラジャーをつけてるなんて…)
キョン(ティーンズだけど)
キョン(ということは、長門も白だな)
キョン(このブラジャーはティーンズものじゃない)
キョン(こっそり妹のを見たことがあるから断言できる!!)キリッ
キョン(うーん…じゃあこれは一体誰のなんだ?)
キョン(やっぱハルヒか朝比奈さんか…)
キョン(あ、鶴屋さんの可能性もあるな)
キョン(SOS団名誉顧問だし、部室にブラジャーを置いておく権利ぐらい十分にあるだろう)
キョン(また振り出しに戻っちまったな…)
………………
キョン(それにしても、このブラジャーの着け心地は抜群だな!)
キョン(最初は違和感あったが、今じゃつけてないくらいの一体感があって、とてもフィットしている)
キョン(……ん?フィット…?)
キョン「……!!」ガタッ ダッ バタン
みくる「キョンくん?」
ハルヒ「ほっといていいわよ、あんな奴。どうせ我慢出来なくて処理にでも行ったんでしょ。これだから男は…」
みくる「?」
廊下
キョン(はぁはぁ…そうだ、そもそも女子がつけるものを俺がしてるのがおかしいんだ…)
キョン(特にSOS団の女子は小柄な人ばっかだから、全然体格が違う俺がつけてフィットするわけがない)
キョン(部室にあったからって団員のものだと思い込んだのがいけなかったんだ…)
キョン(これは誰のだ?…俺がつけられるくらい体格のいい…いや、デブ女のものなんじゃないか!?)
キョン(……)ゾワッ
キョン(とにかく、早く脱ごう…!!)ヌギヌギ
キョン(くそっ…汗で張り付いて…)
ドサッ
キョン「!!だ、誰だっ!!」
古泉「……」
キョン「こ、古泉…!!」
古泉「これは、一体……」
キョン「ま、待て!まず聞いてくれ!!俺はブラジャーを盗んだりしたわけじゃないからな!これは何でか知らんが部室にあったもので…」
古泉「部室にあったからつけたんですか…?」
キョン「その、興味本位で、つい…」
古泉「興味、ですか…」
キョン「お、男ならお前も分かるだろ?ロマンというかその」
古泉「あなたも男性用ブラジャーに興味があったのですか!!」
キョン「あ?男性用?」
古泉「いやー僕は新川さんに勧められてつけ始めたんですが、すっかりハマってしまいましてね」
古泉「あなたも興味があるようでしたら、いい通販の店をご紹介しま」
キョン「ちょっと待った!!これ、男性用って言ったか?」
古泉「ええ」
キョン「ということは…もしやこれは古泉の…?」
古泉「そうです。ですが、今日はあまりの暑さに耐えられず、部室で脱いで置いておいたのですよ」
古泉「それをまさかあなたがつけているとはね…いやー驚きましたよ」
キョン「……なんで…」
古泉「はい?」
キョン「なんで、お前のなんだよ!!」
古泉「なんでと言われましても…男性用だと分かってつけていたのではないんですか?」
キョン「ブラジャーに男ものがあるなんて知るか!!」
古泉「では、女性のものをつけてみようと?」
キョン「そうだ!!」
古泉「それは…あなたは変態だったんですね…」
キョン「男のくせにブラジャーなんてしてるお前に言われたくない!!」
古泉「男性用ブラをバカにしないで下さいよ!!機関の抗争の際には弾丸をワイヤーの部分で防ぐことも出来る優れものなんですよ?」
ギャーギャー
ハルヒ「ちょっと!うるさいわよ!!」ガチャ
キョン・古泉「!!」
ハルヒ「キョン……!」
みくる「どうしたんです…ひゃっ!!キョンくん!?」
長門「…ユニーク」
キョン「終わった…」
古泉「違うんです!!これは男性用ブラであって、彼は決して女性のものを盗んだわけではないんです!!」
キョン「バカ!!どっちにしろ変態じゃねえか!!」
ハルヒ「キョン……」
キョン「うぅ…」シクシク
ハルヒ「……やばい…すごく、かっこいい……」
キョン・古泉・みくる「え?」
…………………
翌朝
キョン「あちー…」
谷口「よっ、キョン!」
国木田「おはようキョン」
キョン「おう。今日も暑いなあ」
国木田「しばらくこの調子らしいよー」
谷口「マジかよ!やってらんねーぜ…」
キョン「ああ…下着が張り付いて気持ち悪い…」
国木田「暑いときのブラは蒸れるからキツいよね」
谷口「俺思ったんだけどよ、いっそ夏は全員ノーブラ登校すればいいんじゃね?もちろん女子も…」ニヤニヤ
国木田「一人でやってれば?」スタスタ
キョン「ああ、そんなことをするのはお前くらいだ」スタスタ
谷口「な、なーんてな、冗談だって!って、あれ?おい待ってくれよ!」
放課後、部室
…………
キョン「……なぁ古泉、今日ブラ何色だ?」
古泉「…セクハラですか?」
キョン「おいおい、男同士なんだからそれくらいいいだろ?」
古泉「んっふ、冗談ですよ。今日は黄色の向日葵柄です。あなたは?」
キョン「向日葵か、可愛いな。俺は水色の水玉模様だ」
古泉「ほう、涼しげでいいですね」
キョン「まぁ気分だけでもな。でも、そろそろ秋物が欲しいんだよな…」
古泉「僕もです。秋の新作が気になっていまして」
キョン「ん?だったら今度一緒に買いに行くか?」
古泉「いいですね!是非ご一緒しましょう」
キョン「決まりだな。じゃあ今週の…」
ハルヒ「ちょっと待ちなさーい!!」
キョン・古泉「!」
ハルヒ「さっきから話を聞いてれば…ずるいわよあんたたち!」
みくる「そうです、ずるいですぅ」
長門「ずるい」
キョン「いや、別にそういうつもりじゃ…」
ハルヒ「問答無用!!……あたしたちも行くからね!!」
キョン「やれやれ……ああ、みんなで行くか!」
古泉「んっふ、楽しくなりそうですね」
ハルヒ「じゃ、今週末の市内探索パトロールは、みんなでブラを買いに行きましょう!あたしがみんなに似合うのを選んであげるから楽しみにしててっ!」
みくる「わあ…嬉しいですぅ」
古泉「ほう、それはそれは……では逆に僕らが涼宮さんのを選んで差し上げるというのはどうでしょう?」
ハルヒ「それいいわね!あたしが一番気に入ったのを選んだ人は…キョンが喫茶店で何でも奢ってくれるわ!」
キョン「おい!いつもと変わらないじゃねーか!」
長門「何でも……ジュル。負けない」
キョン「長門!?」
ハルヒ「秋物ブラ欲しかったのよねー!どんなのがあるかしら?」
古泉「秋は落ち着いた色の大人っぽいものが多そうですね」
ハルヒ「あ、古泉くん紫とかすごく似合いそう!」
みくる「色っぽいですぅ」
古泉「んっふ、ありがとうございます」
ハルヒ「で、キョンはカボチャが似合うと思うわ」
キョン「おい!古泉との差は何だ」
古泉「いいじゃないですか、カボチャ」
キョン「じゃあお前が着ろ」
ハルヒ「それからみくるちゃんは……」
キョン「全く、カボチャ柄じゃハロウィンくらいしか着れないだろ…」
長門「……黒」
キョン「?」
長門「あなたは……黒いブラジャーがよく似合う」
END
50 : 以下、名... - 2010/12/17(金) 21:36:51.71 ZpX/3Br20 27/27
支援&読んで下さってありがとうございました
こんな世界も悪くないかな、と思ったり