1 : 以下、名... - 2018/10/30 20:46:53.34 gAY6tPnbo 1/542

光の勇者(以下、勇者)「馬鹿な! 何を言っている!」

地の四天王(以下、地王)「頼む! お願いだ!」

勇者「やめろ! それでも魔王軍の幹部か!」

地王「お前しか! お前しか居ないのだ!」


地王「酔って、朝起きたら闇の魔王様がベッドに居たのだ!」

地王「薄らぼんやりと、ヤっちゃった記憶があるのだ!」


勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」

元スレ
地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1540900012/

2 : 以下、名... - 2018/10/30 20:50:06.71 gAY6tPnbo 2/542

地王「ええい、お前はそれでも勇者か!?」

勇者「それでもって、どれでもだ!」

地王「救いを求める手を振り払うつもりか!?」

勇者「俺に助けを求めるな!」


地王「ああ……俺は、おしまいだ!」

地王「魔王様は……初めてだった……!」


勇者「そういう事言うなってえええええ!!」

3 : 以下、名... - 2018/10/30 20:54:57.30 gAY6tPnbo 3/542

勇者「というか、何故お前がここに居る!?」

地王「今日は非番なのだ!」

勇者「そうじゃなくて! 俺に助けを求めるな!」

地王「ええい、わからんやつだ!」


地王「勇者よ、敵ながらお前は天晴なやつ!」

地王「その力を見込んで、助けを求めているのだ!」


勇者「こういう助けの求められ方ははじめてだよ!」

4 : 以下、名... - 2018/10/30 20:58:54.93 gAY6tPnbo 4/542

勇者「そもそも! どうしてそうなった!?」

地王「よくぞ聞いてくれた!」

勇者「聞きたくて聞いてるんじゃねえ!」

地王「勇者よ! 心して聞くが良い!」


地王「実は、酔ってあまり記憶が無いのだ」

地王「何となく、一緒に飲んでたなぁ、程度にしか覚えていない」


勇者「最悪だな! お前、ほんと最悪だな!」

5 : 以下、名... - 2018/10/30 21:02:24.83 gAY6tPnbo 5/542

勇者「しかし、その……なんだ……」

地王「ん? 何か、気になることでもあったか?」

勇者「……魔王が初めてだったとかは、覚えてるんだな」

地王「ああ」


地王「シーツに、血の痕が残っていてだな」

地王「歩き方に違和感があり、これはもう、となったわけだ」


勇者「これはもう、じゃねえよ!!」

6 : 以下、名... - 2018/10/30 21:08:00.67 gAY6tPnbo 6/542

地王「加えて、会議の時の魔王様の行いだ」

勇者「……様子でも違ったのか」

地王「いや、そこはいつもとは変わらなかった」

勇者「じゃあ、行いって何だよ」


地王「こう、闇の魔力で影を操ってだな?」

地王「それを伸ばし、コッソリ俺の指に絡めてきたのだ」


勇者「なんだそれ、可愛いな!?」

7 : 以下、名... - 2018/10/30 21:12:14.17 gAY6tPnbo 7/542

地王「魔王様は美しい!」

勇者「……まあ、そうだな」

地王「そして、可愛らしい面もあると知った!」

勇者「……まあ、そうだな」


地王「だが……このままでは、まずい!」

地王「水の四天王の怒りを買ってしまう!」


勇者「……ん?」

8 : 以下、名... - 2018/10/30 21:16:11.04 gAY6tPnbo 8/542

勇者「水の四天王は、女だったはずだが?」

地王「ああ、水の大精霊で、ボン・キュッ・ボンだ」

勇者「……そういう言い方やめろ?」

地王「……穏やかで、いつも微笑みを絶やさぬ美しい女だ」


地王「だが! 私以外に手を出したら許さない、と!」

地王「そう言った時の目は、笑っていなかったのだ!」


勇者「待て待て待て待て!!」

9 : 以下、名... - 2018/10/30 21:21:10.00 gAY6tPnbo 9/542

勇者「お前! 今のって……お前!?」

地王「護岸工事等で、奴とは行動を共にする機会が多くてな」

勇者「やめろ! それ以上聞かせるんじゃない!」

地王「まあ、時に酒宴もあるのだ」


地王「酒宴の翌朝、いつも隣で寝ているのだ」

地王「こう……幸せそうな寝顔でな?」


勇者「だから言うなってえええええ!!」

10 : 以下、名... - 2018/10/30 21:27:42.56 gAY6tPnbo 10/542

勇者「お前! 水の四天王と良い仲だったのか!?」

地王「悪い仲ならば、そうはならんだろう」

勇者「なのに、魔王に手を出したと!?」

地王「その通りだ!」


地王「右の指に影、左の指に水が絡んできた!」

地王「もし、その二つが重なったらどうなるか……わかるな?」


勇者「やめろ! 他人事だが怖い!」

11 : 以下、名... - 2018/10/30 21:32:07.27 gAY6tPnbo 11/542

地王「しかし、考えてもみろ勇者よ!」

勇者「何をだ!?」

地王「どちらも、酔った勢いなのだ!」

勇者「かも知れんが、お前最低だな!?」


地王「だから、な?」

地王「こう……何とかならないか?」


勇者「俺に、その状況をどうしろと!?」

12 : 以下、名... - 2018/10/30 21:37:50.25 gAY6tPnbo 12/542

地王「無論、決まっているだろう!」

勇者「……一応だが、聞いてやる」

地王「俺が死なず!」

勇者「まあ、そう言うだろうな」


地王「何事も無かったように!」

地王「二人との関係が、自然消滅する様にだ!」


勇者「難易度高すぎるだろうが!!」

13 : 以下、名... - 2018/10/30 21:42:41.22 gAY6tPnbo 13/542

地王「水の四天王だけならば、まだ何とかなったのだ!」

勇者「闇の魔王も加わり、複雑化した……と」

地王「光の勇者よ、助けてくれ!」

勇者「いや……そう言われてもだな」


地王「早急に、何とかしなくてはならんのだ!」

地王「婚約者――火の四天王にバレる前に!」


勇者「待て! 待て待て待て待て! 待て!」

14 : 以下、名... - 2018/10/30 21:47:49.78 gAY6tPnbo 14/542

勇者「婚約者!? 火の四天王が!?」

地王「幼き頃に決められたものだがな?」

勇者「お前、婚約者が居たのに……何だお前!?」

地王「バレたら、魔王領は終わり……」


地王「……いや、案外平気かも知れん」

地王「奴は、こういう時は怒らずにションボリする性格だ」


勇者「やめろ! 心が痛い!」

16 : 以下、名... - 2018/10/30 21:53:21.26 gAY6tPnbo 15/542

地王「奴の怒りの炎が魔王領を包むと思っていたが……」

勇者「……それこそ、炎のような性格をしているしな」

地王「うむ、火龍王の娘にして、最高の武人だ」

勇者「それが婚約者だとは……」


地王「あ、やはり駄目だな」

地王「父である火龍王が全てを焼き尽くす程怒り狂うだろう」


勇者「そりゃそうだろうな!!」

17 : 以下、名... - 2018/10/30 21:57:56.75 gAY6tPnbo 16/542

勇者「しかし、火の四天王にはまだ手を出してないんだな!?」

地王「無論! そうであれば、既にバレているだろう!」

勇者「! 婚約の解消をすれば良いんじゃないか!?」

地王「! その手があったか!」


地王「では、今度口づけを求められた時」

地王「その時に、婚約の解消を申し出ることにする」


勇者「お前それ最悪のタイミングだろう!?」

18 : 以下、名... - 2018/10/30 22:02:33.34 gAY6tPnbo 17/542

勇者「っていうか、キスしてるじゃねえか!」

地王「こう、軽くな? チュッとな?」

勇者「度合いは聞いてねえよ!」

地王「照れているのか、これ以上は結婚してから、と言ってな」


地王「……そんな女との婚約の解消を提案するとは!」

地王「勇者よ! お前は、やはり俺が見込んだ奴だ!」


勇者「やめろ! お前に見込まれたくない!」

20 : 以下、名... - 2018/10/30 22:11:05.38 gAY6tPnbo 18/542

地王「迷いは晴れた! なんと清々しい気分よ!」

勇者「お前、本当に婚約解消する気か!?」

地王「何と言えば、納得して貰えるだろうか?」

勇者「俺に聞くな! 頼むから!」


地王「……ふっ、まあ良い」

地王「お前には、勇気を授けられたからな」


勇者「俺のせいみたいな言い方をするな!」

21 : 以下、名... - 2018/10/30 22:18:11.12 gAY6tPnbo 19/542

地王「まず、火の四天王との婚約を解消!」

勇者「待て待て! まとめに入るな!」

地王「そして、うまく誤魔化しつつ!」

勇者「……闇の魔王、水の四天王との関係の自然消滅を狙うと?」

地王「その通りだ!」


地王「……光の勇者よ」

地王「その時は……敵であるが、頼りにしているぞ」


勇者「……地の四天王」

勇者「お前のことは、忘れな……いや、早く忘れるよ」

23 : 以下、名... - 2018/10/30 22:28:18.70 gAY6tPnbo 20/542

  ・  ・  ・

地王「――久しぶりだな、勇者よ!」

勇者「昨日会ったばかりだろうが!……何か進展したのか?」

地王「いいや、まだだ! だが、助けてもらいたい!」

勇者「!? やめろ、言うな! 俺に助けを求めるな!」


地王「酔って、朝起きたら風の四天王がベッドに居たのだ!」

地王「薄らぼんやりと、ヤっちゃった記憶があるのだ!」


勇者「だから俺に言うのはやめろってえええええ!!」



おわり

26 : 以下、名... - 2018/10/31 20:33:47.97 Ynza/GXfo 21/542

書きます


闇の魔王「祝福の聖女よ、其方に尋ねたい」

27 : 以下、名... - 2018/10/31 20:38:52.54 Ynza/GXfo 22/542

祝福の聖女(以下、聖女)「闇の魔王!? 何故、ここに!?」

闇の魔王(以下、魔王)「先程申したばかりだろう」

聖女「貴女と話す事など、何もありません!」

魔王「……ほう」


魔王「ならば、他を当たろう」

魔王「コイバナと言うのは、女ならば誰でも好むと聞いたからな」


聖女「詳しいいいいいいいっく!!」

28 : 以下、名... - 2018/10/31 20:43:09.26 Ynza/GXfo 23/542

聖女「コイバナ!? それは、恋バナですか!?」

魔王「うむ、そうだ」

聖女「闇の魔王である貴女が、恋をしたと!?」

魔王「それは、余にもわからぬ」


魔王「ただ、奴を想うと胸に痛みが走るのだ」

魔王「だが……それが不快ではなく、何とも心地良い」


聖女「ガチの恋バナじゃないですか!!」

29 : 以下、名... - 2018/10/31 20:50:01.83 Ynza/GXfo 24/542

聖女「だ、だけど! どうしてそれを私に!?」

魔王「其方達しか、余は知らぬ」

聖女「えっ?」

魔王「配下の者達には、見せられぬからな」


魔王「闇の魔王ともあろう者が、迷う様を」

魔王「恋など……余には無縁だと思っていた」


聖女「初恋ってことですか!!」

30 : 以下、名... - 2018/10/31 20:55:44.31 Ynza/GXfo 25/542

魔王「ふふ……其方からすれば、滑稽に見えるだろう」

聖女「いいえ! そんな事は、決してありません!」

魔王「……要らぬ気遣いは無用だ」

聖女「素敵じゃないですか! 初恋なんて!」


魔王「……祝福の聖女よ」

魔王「其方に、尋ねたい事があるのだ」


聖女「何でも聞いてください! ええ、何でもです!」

31 : 以下、名... - 2018/10/31 21:01:21.90 Ynza/GXfo 26/542

聖女「祝福の聖女の名に恥じぬよう、答えましょう!」

魔王「ふふっ……敵である其方を頼もしいと思う時が来ようとはな」

聖女「それは違います! 恋に、敵も味方もありません!」

魔王「……ならば、尋ねよう」


魔王「男とは、一度ヤったら興味が無くなるとは真か?」


聖女「……」

聖女「すみません、もう少しホーリーな感じの質問だと思ってました」

32 : 以下、名... - 2018/10/31 21:06:00.21 Ynza/GXfo 27/542

聖女「……ええ、と……ですね」

魔王「もし、これが真ならば……」

聖女「……ならば?」

魔王「……わからんな」


魔王「奴と、世界」

魔王「どちらを先に滅ぼすか、わからん」


聖女「世界としては良い迷惑ですよ!!」

33 : 以下、名... - 2018/10/31 21:12:45.24 Ynza/GXfo 28/542

聖女「魔王が、世界を滅ぼす理由が男で良いんですか!?」

魔王「構わぬ」

聖女「構いますよ! どうしてそこまで!?」

魔王「奴が、奪ったからだ」


魔王「余の心……そして、純潔を」

魔王「故に、滅ぼすしかあるまい?」


聖女「無いですよ! 何言ってるんですか!?」

34 : 以下、名... - 2018/10/31 21:19:39.99 Ynza/GXfo 29/542

聖女「それに、興味を失ったって決まった訳じゃないでしょう!?」

魔王「……」

聖女「貴女の勘違いかも知れないじゃないですか!」

魔王「……ならば、何故」


魔王「何故! 奴は、余に何も言って来ない!」

魔王「それが気にかかり、何も手に付かん!」


聖女「……あの、急に可愛いのやめてくれません?」

35 : 以下、名... - 2018/10/31 21:26:10.39 Ynza/GXfo 30/542

聖女「ええっと……お相手は、配下の人ですよね?」

魔王「……うむ」

聖女「相手が貴女――闇の魔王だから、恐れ多いとか……」

魔王「……あの夜、奴は言った」


魔王「――魔王様、お忘れですか?」

魔王「――俺は男で、貴女は女だ」

魔王「――そして、貴女の配下に臆病者は居ない」


魔王「……とな」


聖女「くっ……! 他人事なのに、キュンときた!」

36 : 以下、名... - 2018/10/31 21:34:38.14 Ynza/GXfo 31/542

魔王「奴は、余の金色の魔眼を真っ直ぐに見て言った」

聖女「そっ、それから!? それから!?」

魔王「力強くだが、優しく抱き寄せられ……」

聖女「からの!?」


魔王「……呪文を唱えるのをお互い封じ合った」

魔王「気づけば……余は、自ら魔眼を封じていた」


聖女「キャ――ッ!/// キャ――ッ!///」

37 : 以下、名... - 2018/10/31 21:47:15.85 Ynza/GXfo 32/542

聖女「何ですかそれ!/// っはー!/// 何なんですか!///」

魔王「あの夜の、ほんの一部だが」

聖女「これ以上は!/// これ以上は、もう!///」

魔王「……ふむ、そうか」


魔王「……祝福の聖女よ」

魔王「もう少しだけ、続きを話しても良いか?」


聖女「惚気ないでくださいよ!/// もう!///」

38 : 以下、名... - 2018/10/31 21:52:20.37 Ynza/GXfo 33/542

聖女「んー、んー、あー……ゴホンッ!」

魔王「どうした」

聖女「……大丈夫です!」

魔王「何?」


聖女「その方の、貴女に対する愛は本物です!」

聖女「この私――祝福の聖女が保証します!」


魔王「……」

39 : 以下、名... - 2018/10/31 21:57:26.63 Ynza/GXfo 34/542

魔王「……何故、奴は何も言ってこない?」

聖女「魔王、貴女は……その方には、何か?」

魔王「いや……」

聖女「……それが答えですよ」


聖女「その方も不安に……いえ、もしかしたら……」

聖女「ふふっ! 照れているのかも、知れませんよ?」


魔王「……何?」

40 : 以下、名... - 2018/10/31 22:03:55.24 Ynza/GXfo 35/542

魔王「奴が……照れている、だと?」

聖女「はい、とても情熱的な口説き文句でしたし」

魔王「馬鹿な、有り得ん」

聖女「有り得ない事が起きるのが、恋というものです」


聖女「闇の魔王よ、貴女に尋ねます」

聖女「貴女の配下に――」


聖女「主である貴女に手を出し、それを何とも思わない」


聖女「……そんな、恥知らずは居ますか?」


魔王「……!」

41 : 以下、名... - 2018/10/31 22:10:46.60 Ynza/GXfo 36/542

魔王「……ふふっ、奴め……そういう事だったか」

聖女「けれど、女性を不安にさせるものではないですけどね!」

魔王「構わん」

聖女「えっ? 良いんですか?」


魔王「奴が、余を想い悩んでいるとわかったのだ」

魔王「その悩み苦しむ姿を見るも、また一興というもの」


聖女「……うふふっ! 意地悪ですね!」

42 : 以下、名... - 2018/10/31 22:18:17.20 Ynza/GXfo 37/542

魔王「だが、徒に苦しみを与える訳にもいくまい」

聖女「それじゃあ……どうするんですか?」

魔王「闇の魔力で影を操り、奴の指を捕らえるとしよう」

聖女「えっと……それが、何か?」


魔王「余の右の小指と、奴の右の小指を繋ぎ、教えるのだ」

魔王「逃げられない運命だ、とな」


聖女「……不意打ちはやめてくださいよぉ!///」

43 : 以下、名... - 2018/10/31 22:23:15.49 Ynza/GXfo 38/542

魔王「しかし……其方には、世話になったな」

聖女「愛の女神の祝福を受けた身として、当然の事をしたまでです」

魔王「いや、それでは余の気がすまぬ」

聖女「……そうですね、でしたら――」


聖女「進展があったら、教えてくださいね?」


魔王「……ふっ、良かろう」

魔王「闇の魔王の名に於いて、約束しよう!」


聖女「……それでは」

聖女「祝福の聖女より、貴女の恋に祝福を!」

44 : 以下、名... - 2018/10/31 22:34:39.19 Ynza/GXfo 39/542

  ・  ・  ・

聖女「あぁ……良い事をした後は、本当に清々しい気分です!」

聖女「……ん?」

聖女「この、魔力は――」


水の四天王「――久しぶりですわね、祝福の聖女」


聖女「あっ、やっぱり!」

聖女「あれから、どうなったんですか?」


聖女「以前から相談されてる、同僚の方との恋の行方は!」



おわり

51 : 以下、名... - 2018/11/01 19:53:41.37 slMWXJpBo 40/542

書きます


火の四天王「剣の乙女よ、お前と話がしたい」

52 : 以下、名... - 2018/11/01 19:57:28.65 slMWXJpBo 41/542

剣の乙女(以下、乙女)「火の四天王が、話し合い?」

火の四天王(以下、火王)「お前と私は……少し、似ているからな」

乙女「そうかしら? それで、話って?」

火王「……ああ」


火王「キスしようとした時、相手が何か言いたげだったら……」

火王「……お前なら、どうする?」


乙女「……」

乙女「うん」

53 : 以下、名... - 2018/11/01 19:59:38.61 slMWXJpBo 42/542

乙女「うん、何が? 何て?」

火王「何だ、聞こえなかったか?」

乙女「ううん? 聞こえてたわよ?」

火王「……もう一度、聞く」


火王「キスする時、相手が何か考え事をしていたら……」

火王「……お前ならば、どうする?」


乙女「……」

乙女「はい」

54 : 以下、名... - 2018/11/01 20:03:14.69 slMWXJpBo 43/542

乙女「キスって……切り捨てる、略してキス?」

火王「何だ? まさか、キスを知らないか?」

乙女「いや、そうじゃないけど……」

火王「……ならば、三度聞く」


火王「キスする時、婚約者の様子が普段と違ったら……」

火王「……剣の乙女のお前ならば、どうする?」


乙女「……」

乙女「はあ、婚約者」

55 : 以下、名... - 2018/11/01 20:08:31.99 slMWXJpBo 44/542

火王「何分、剣と将の道以外には疎くてな」

乙女「なるほどね」

火王「こういった時、どうすれば良いものか、な」

乙女「はー……はー、はー、はー」


乙女「貴女は、聞こうと言うのね?」

乙女「ファーストキスもまだの私に、それを聞くのね?」


火王「……」

火王「えっ?」

56 : 以下、名... - 2018/11/01 20:12:08.48 slMWXJpBo 45/542

火王「そう……なのか?」

乙女「そうだけど?」

火王「その……す、すまん」

乙女「あらあら、まあまあ」


乙女「剣と将の道以外に疎い!?」

乙女「馬鹿にしてるの!? 婚約者が居るのに!?」


火王「す、すまん! な、何だかすまん!」

57 : 以下、名... - 2018/11/01 20:16:04.51 slMWXJpBo 46/542

乙女「ねえ、どうして私に聞いたのかしら?」

火王「お、お前は、その……女の私から見ても美しいからだ」

乙女「うん、それで?」

火王「それに……人間は、お前位の年齢ならば」


乙女「ならば、何だって言うの!? ねえ、何!?」

乙女「静の剣と、動の剣の道しか歩いて来なかったけど!?」


火王「……」

火王「せ、静の剣だけでなく……動の剣も使えるのだな!」

58 : 以下、名... - 2018/11/01 20:18:50.79 slMWXJpBo 47/542

乙女「急に来て、何? えっ、婚約者とキスしてるって自慢?」

火王「きっ、キスだけ! それも、チュッとだけだ!」

乙女「……」

火王「……」


乙女「……もし、今の言葉に偽りがあれば」

乙女「私は、私の全てを以て貴女を斬るわ」


火王「……」

59 : 以下、名... - 2018/11/01 20:23:50.77 slMWXJpBo 48/542

乙女「チュッとなら、セーフ……まだ、私達は対等……!」

火王「それ以上は、結婚してからと……な」

乙女「未婚だから、セーフ……まだ、私達は対等……!」

火王「で、では、私は帰――」


乙女「待ちなさい」

乙女「まだ、話は終わってないでしょう?」


火王「……」

60 : 以下、名... - 2018/11/01 20:27:25.96 slMWXJpBo 49/542

乙女「それで、何て言ったかしら?」

火王「こ、婚約者が……キスする時、何か言いたげでな」

乙女「今まで、チュッとしかしてこなかったのよね?」

火王「それは……結婚前ならば、当然だろう」


乙女「そんな訳ないでしょ!?」

乙女「ねえ、何!? 貴女はんんんああああああ!?」


火王「頼む! せめて! せめて、人の言葉で!」

61 : 以下、名... - 2018/11/01 20:32:18.34 slMWXJpBo 50/542

乙女「貴女は! チュッとしかさせてこなかったのよね!?」

火王「あ、ああ……そうだが」

乙女「馬鹿じゃないの!? ねえ、馬鹿じゃないの!?」

火王「なっ!? この私を愚弄するか!」


乙女「ディープなキッスをしたがってるのよ!」

乙女「貴女、そんな事もわからないの!?」


火王「でぃっ、ディープな……キッス!?///」

62 : 以下、名... - 2018/11/01 20:37:14.33 slMWXJpBo 51/542

火王「それは、お前……し、舌を……///」

乙女「絡めてくんずほぐれつさせるアレよ!」

火王「あ……ぁぅぁ///」

乙女「何照れてるの!? ぶった斬るわよ!」


火王「……そ、そうだとしても!」

火王「私には、ディープなキッスの仕方がわからん!」


乙女「私だって知らないわよ! 知りたいわよ!」

64 : 以下、名... - 2018/11/01 20:43:47.84 slMWXJpBo 52/542

乙女「むしろ、キスする時って呼吸はどうしてるの!?」

火王「えっ? チュッとだから、こう……止めている」

乙女「ディープの時は!? ねえ、どうするつもり!?」

火王「……わ、わからん!/// 私には、わからん!///」


火王「想像しただけで、全身から炎が溢れそうだ!///」

火王「……出る!(ボワッ)/// 絶対、火のブレスが出てしまう!(ボワッ)///」


乙女「想像だけで火のブレス出てるじゃないの!」

65 : 以下、名... - 2018/11/01 20:48:35.17 slMWXJpBo 53/542

火王「! だから……父上は、チュッとする以上を禁じたのか!」

乙女「貴女の父上って……火龍王よね?」

火王「ああ、そうだ……それ以上は、結婚してから、とな」

乙女「……これは、私の推測だけれど」


乙女「結婚したら――貴女と相手に加護が与えられて……」

乙女「……火のブレスが出ない、もしくは平気になるんじゃない?」


火王「!」

火王「それだ……そうに違いない!」

66 : 以下、名... - 2018/11/01 20:54:47.63 slMWXJpBo 54/542

火王「そうでなければ……ディープなキッスなど夢のまた夢!」

乙女「……ねえ」

火王「む、何だ?」

乙女「貴女の婚約者は……それを知ったんじゃないかしら」


乙女「……そうだとしたら、全てに説明がつくわ」

乙女「今までチュッで良かったのに、急に何か言いたげになったのは――」


火王「――……プロポーズ……?」


乙女火王「……」

67 : 以下、名... - 2018/11/01 21:05:19.15 slMWXJpBo 55/542

火王「いや、そんな……まさか」

乙女「違うと言い切れるかしら?」

火王「だ、だがっ!」


火王「私の顔の左側は、龍の鱗に覆われている!」

火王「幼き頃より、陰で醜いと言われているのだぞ!?」


乙女「私は、女の貴女から見ても美しいみたいね」

乙女「けれど、ファーストキスもまだよ」


火王「……」


乙女「何か言って頂戴」

68 : 以下、名... - 2018/11/01 21:12:33.10 slMWXJpBo 56/542

乙女「そもそも、貴女の婚約者はその顔について?」

火王「か……顔というか、だな?」

乙女「うん」

火王「幼き頃より、奴は……奴だけは……」


火王「か……可愛い、と///」

火王「この私をだぞ?/// か、可愛いと言うのだ……!///」


乙女「……」

乙女「うん」

69 : 以下、名... - 2018/11/01 21:19:16.03 slMWXJpBo 57/542

火王「そう言う時の笑みは、偽りなく真っ直ぐで……///」

乙女「はい」

火王「や、奴が……?(ボワッ)/// プロポーズ……?(ボワッ)///」

乙女「……っふ」


乙女「魔王軍幹部! 火の四天王ぉぉぉおおおああ!!」

乙女「剣の乙女の、この剣はぁ! んんあああああ!!」

乙女「うううううううう!! ほあああああああ!!」


火王「!? どっ、どうした!?」

70 : 以下、名... - 2018/11/01 21:29:42.62 slMWXJpBo 58/542

乙女「これ以上、好きにはさせないわ!」

火王「剣の乙女!?」

乙女「そもそも、私達は相容れぬ運命!」

火王「いや、式には招待す――」


乙女「全て、断ち切ってあげるわ!」

乙女「剣の乙女の、秘奥を以て!」


火王「……そうは行かんぞ!」

火王「火の四天王の、燃え盛る炎を消せると思うな!」

71 : 以下、名... - 2018/11/01 21:36:44.76 slMWXJpBo 59/542

  ・  ・  ・

乙女「……ちいっ! 逃したか……!」


風の四天王(以下、風王)「――おやおや、穏やかじゃないね」


乙女「あっ、貴方は……風の四天王!?」

風王「美しい顔に、そんな表情は似合わないよ」

乙女「っ!?///……な、何をしに来た!?///」


風王「僕は、君に会いに来たのさ」


乙女「……」

乙女「えっ?」

74 : 以下、名... - 2018/11/01 21:50:04.43 slMWXJpBo 60/542

乙女「わ……私に何の用かしら?///」

風王「君は、僕から見て魅力的な女性だからね」

乙女「みりょっ!?///」

風王「そんな君に、色々と教えて貰いたいんだ」

乙女「な……何を……?///」


風王「長らく、男のフリをしてきたからね」


乙女「はい///」

乙女「…………はい?」


風王「彼の……男の心を射止める秘訣を教えて欲しい」


乙女「……」

乙女「とりあえず、奥義を使うわ」



おわり

78 : 以下、名... - 2018/11/02 20:53:48.06 nIYSmejao 61/542

書きます


地の四天王「光の勇者よ! 雌雄を決する時が来た!」

79 : 以下、名... - 2018/11/02 20:59:00.52 nIYSmejao 62/542

地の四天王(以下、地王)「ふはは、覚悟は良いか!」

光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? くっ、本気なのか!?」

地王「言うまでも無い! 俺には時間がないのだ!」

勇者「待て! 一体、何があった!?」


地王「闇の魔王様、水の四天王、風の四天王……」

地王「酔ってヤっちゃった事がバレている気がする!」


勇者「それは時間が無いな!?」

80 : 以下、名... - 2018/11/02 21:02:54.41 nIYSmejao 63/542

勇者「だが、それならどうしてお前は生きてるんだ!?」

地王「皆が、力を高めているからだ!」

勇者「!? お前を殺すためにか!?」

地王「いや……そうではなくな?」


地王「今晩、俺を除く四天王の三人と魔王様でな」

地王「……女子会をやるそうなのだ」


勇者「高めてるのは女子力じゃねえか!!」

81 : 以下、名... - 2018/11/02 21:06:53.97 nIYSmejao 64/542

地王「風の四天王と酔ってヤっちゃったのは話しただろう」

勇者「……ああ、サラッと言う事じゃないけどな」

地王「それでな……奴め……!」

勇者「風の四天王が……バラしたのか」


地王「男装をやめ! なんと、スカートを履いてきたのだ!」

地王「スラリと伸びた足が、まだ目に焼き付いているわ!」


勇者「だから、どうした!?」

82 : 以下、名... - 2018/11/02 21:11:45.48 nIYSmejao 65/542

地王「どうした、だと? 無論、褒めた!」

勇者「魔王に、火と水の四天王も居た時にか!?」

地王「会議の場だ、居るに決まっているだろう」

勇者「お前、なんっ……!? 何だ!?」


地王「良いものは、キチンと良いと褒める!」

地王「それが出来ぬ程、俺は狭量では無いわ!」


勇者「時と場合ってもんがあるだろうが!!」

83 : 以下、名... - 2018/11/02 21:17:14.21 nIYSmejao 66/542

地王「まあ……ポロッと言った所は、ある」

勇者「だろうな!」

地王「だが、問題はその後なのだ」

勇者「……やめろ、聞きたくない」


地王「見ろ、右手の小指と、左手の薬指の痣を」

地王「それと、後ろ髪が少し焦げている」


勇者「だからって見せるなよなあああああ!!」

85 : 以下、名... - 2018/11/02 21:20:59.01 nIYSmejao 67/542

地王「それから、あれよあれよと盛り上がり……」

勇者「まあ……風の四天王は、今まで男の格好をしてたしな」

地王「ああ……女だけで集まって、となっても……」

勇者「……おかしくないな」


地王「その時! チラリと!」

地王「チラリと、全員が俺の事を見たのだ!」


勇者「……」

86 : 以下、名... - 2018/11/02 21:25:15.73 nIYSmejao 68/542

勇者「全員、お前との事を話すだろうな……」

地王「……バレている気がすると言っただろう?」

勇者「!……そう言えば」

地王「……最近、な」


地王「――本当の気持ちはわかっている」

地王「そんな言葉を全員に言われたのだ」


勇者「……!」

87 : 以下、名... - 2018/11/02 21:31:45.82 nIYSmejao 69/542

勇者「……待て、他人事なのに恐怖で吐きそうだ」

地王「光の勇者よ、俺の本当の気持ちとは何だ!?」

勇者「頼むから! ここで自分探しをするな!」

地王「わからん……何が、わかられているのだ!」


地王「俺は……俺は、恐ろしい!」

地王「何故! 何故、俺は酔ったらヤっちゃうのだ!」


勇者「俺はお前が酒をやめないのが恐ろしいよ!」

88 : 以下、名... - 2018/11/02 21:36:26.89 nIYSmejao 70/542

地王「……女子会で話されるのは、俺の事だろう」

勇者「バレてるにせよ、バレてないにせよ……」

地王「……俺には、地獄が待っているだろう」

勇者「まあ……当然と言えば、当然の報いだな」


地王「――時に、光の勇者よ」

地王「お前は、祝福の聖女と剣の乙女とは、どうなのだ?」


勇者「……」

勇者「はっ!?」

89 : 以下、名... - 2018/11/02 21:39:21.08 nIYSmejao 71/542

勇者「どう、って……何だよ、急に」

地王「どちらか、もしくは両方とヤっちゃってるのか?」

勇者「そんな訳があるか!」

地王「何!? それは本当か!?」


勇者「当たり前だろう!」

勇者「あの二人は、大切な旅の仲間だ!」


地王「……ふむ」

90 : 以下、名... - 2018/11/02 21:43:06.64 nIYSmejao 72/542

地王「祝福の聖女に、不満でもあるのか?」

勇者「いや……可愛いし性格も良い、守ってあげたくなる子だ」

地王「俺の見た所では、お前を慕っているぞ?」

勇者「まあ……それは、俺もわかっているが……」


勇者「……その、何だ」

勇者「宗教関係の子は……な? わかるだろ?」


地王「……ふっ、それでこそ俺の見込んだ男よ」

91 : 以下、名... - 2018/11/02 21:49:14.86 nIYSmejao 73/542

勇者「まあ、俺も男だからな……」

地王「ああ、我慢出来ぬ時もあっただろう」

勇者「でもな……あの子は、女神に最も愛されてるんだ」

地王「そうでなければ、祝福の聖女ではないしな」


勇者「良い雰囲気になった時は特に、な」

勇者「こう……俺も、視線を感じるんだ」


地王「見守っているのだなぁ」

93 : 以下、名... - 2018/11/02 21:54:40.44 nIYSmejao 74/542

地王「ならば、剣の乙女は? どこが不満だ」

勇者「まあ……綺麗だし優しいし、尊敬出来る人だ」

地王「うむ、それに強い」

勇者「……本人には、絶対に言うなよ?」


勇者「あれだけ好条件が揃ってて……キスもまだらしい」

勇者「これは、何か恐ろしい闇が潜んでいるんじゃないか、とな」


地王「……ふっ、勇気と蛮勇を履き違えぬ思慮深さだ」

94 : 以下、名... - 2018/11/02 22:03:24.39 nIYSmejao 75/542

地王「しかし、闇を払うのが光の勇者だろう」

勇者「考えてもみろ? 闇を……はい、払いました!」

地王「うむ! 天晴!」

勇者「そこで目に入るのは、俺とあの人の年齢差だ!」


勇者「今は! 10年、20年は良い!……だが! 40年、50年後!」

勇者「闇を払った未来に、希望が待ち受けているとは思えないんだ!」


地王「勇者らしからぬ言葉よなぁ」

95 : 以下、名... - 2018/11/02 22:11:47.40 nIYSmejao 76/542

地王「しかし……ならば、遠慮は要らんようだな」

勇者「……本気、みたいだな」

地王「ああ、その通りだ」


勇者「俺の命を手土産に有耶無耶にしよう……って所か」


地王「? 何を言っているのだ?」

地王「お前の首を持って行っても、俺の首が隣に並ぶだけだろう」


勇者「……」

勇者「はっ?」

96 : 以下、名... - 2018/11/02 22:17:19.54 nIYSmejao 77/542

勇者「ま……待て待て!」

地王「む? どうした?」

勇者「地の四天王、お前の目的は何だ!?」

地王「考えも見ろ、光の勇者よ」


地王「光の勇者という、リーダー」

地王「祝福の聖女という、回復後衛」

地王「剣の乙女という、物理前衛」


勇者「……おい」


地王「あと一人居たら、もっとバランスが良くなるな?」


勇者「おぉい!?」

99 : 以下、名... - 2018/11/02 22:23:59.07 nIYSmejao 78/542

勇者「お前、何言ってんの!?」

地王「安心しろ、俺の配下の者は優秀だ」

勇者「お前の領地の心配なんか微塵もしてねえよ!」

地王「ほとぼりが冷めるまでだ! な? なっ?」


地王「それに、書き置きは残してきた」

地王「俺より強いやつに会いに行く……とな」

地王「これで、俺がどこへ行ったかわかるまい!」


勇者「滅茶苦茶相手が限られてるじゃねえか!!」

100 : 以下、名... - 2018/11/02 22:29:51.31 nIYSmejao 79/542

地王「お前達三人の近くなら、聖なる力でバレにくいのだ!」

勇者「駄目だ! 絶対に駄目だ!」

地王「俺を倒した事にしても良いぞ? おっ、それが良いな!?」

勇者「魔王と四天王三人が本気で俺を殺しに来るわ!」


地王「情けないぞ、光の勇者よ!」

地王「目の前の命を救えずして、世界が救えると思っているのか!」


勇者「救われる側が言う台詞じゃねえよ!!」

101 : 以下、名... - 2018/11/02 22:37:51.16 nIYSmejao 80/542

勇者「そもそも、お前の体格なら一発でバレるわ!」

地王「確かに、この俺の肉体は鋼の様に鍛え抜かれているな!」

勇者「バレなかったとしても、二人が嫌がる!」

地王「確かに、この俺のセクシーさは色々と混乱を招くだろうな!」


地王「だからこそ! 光の勇者よ!」

地王「――雌雄を決しに来たのだ!」


勇者「……」

勇者「は?」

103 : 以下、名... - 2018/11/02 22:49:23.26 nIYSmejao 81/542

地王「この俺は、大地を――鉱物すら自在に操る!」

地王「戦いの時には、己が肉体をも鉱物と化すのだ!」

地王「――つまり!」

パァァ……


勇者「……おい……おい!!」


……ァァッ

地の四天王な美少女「――性別も、この通りなのだ!」

地の四天王な美少女「壁でも魔法後衛でも、任せて貰おう!」


勇者「……雌雄って……うん」

勇者「……」


勇者「誰でも良いから、助けてくれ!!」



おわり

109 : 以下、名... - 2018/11/03 11:23:45.83 NMxzUlwWo 82/542

書きます


水の四天王「祝福の聖女よ、お願いがありますわ」

110 : 以下、名... - 2018/11/03 11:28:00.66 NMxzUlwWo 83/542

祝福の聖女(以下、聖女)「水の四天王の貴女が……お願いですか?」

水の四天王(以下、水王)「ええ、貴女にしか頼めないのです」

聖女「……お断りします」

水王「何ですって?」


聖女「貴女のお願い事は、私の信仰が許しません!」

聖女「今の貴女は――状態異常(儚)にかかっています!」


水王(儚)「……」

111 : 以下、名... - 2018/11/03 11:31:44.55 NMxzUlwWo 84/542

水王(儚)「……あまり、私の心を覗かないでくださいまし」

聖女「落ち込んでるのが丸わかりなだけです!」

水王(儚)「ふふっ……貴女は、何でもわかってしまうのね」

聖女「誰だって、今の貴女を見ればわかります!」


水王「――ふっ!」

水王(儚)「……これで、どうかしら?」


聖女「あの……すぐ、儚い感じに戻りましたよ」

112 : 以下、名... - 2018/11/03 11:35:40.88 NMxzUlwWo 85/542

聖女「一体、何があったんですか?」

水王(儚)「……どこかへ、行ってしまわれたのです」

聖女「それって……もしかして」

水王(儚)「ええ……貴女にお話していた、彼が」


水王(儚)「――俺より強いやつに会いに行く」

水王(儚)「……そんな、書き置きを残して」


聖女「何ですか!? その、馬鹿みたいな理由は!?」

113 : 以下、名... - 2018/11/03 11:38:58.04 NMxzUlwWo 86/542

水王(儚)「……私にも、よくわかりませんわ」

聖女「私だって、全然わかりませんよ!」

水王(儚)「ただ……彼は、私の前から消えてしまった」

聖女「無責任にも程がありますよ!」


水王(儚)「だから、祝福の聖女よ……」

水王(儚)「貴女の力で……彼に関する記憶を封じて欲しいのです」


聖女「!?」

114 : 以下、名... - 2018/11/03 11:42:44.57 NMxzUlwWo 87/542

聖女「き……記憶を封じる!?」

水王(儚)「ええ、お願いしますわ」

聖女「貴女が望んでいるなら、出来ると思いますけど……」

水王(儚)「……私は、魔王軍幹部、水の四天王」


水王(儚)「果たさねばならぬ役目があります」

水王(儚)「思い悩み、立ち止まっている暇は……ありませんの」


聖女「……」

115 : 以下、名... - 2018/11/03 11:46:50.38 NMxzUlwWo 88/542

聖女「記憶を封じたら、好きだって気持ちも忘れちゃうんですよ」

水王(儚)「ええ、そうでしょうね」

聖女「貴女は、本当にそれで良いんですか?」

水王(儚)「……ほんの少しだけ、昔話をしましょうか」


水王(儚)「私は……彼をとても嫌っていたのです」

水王(儚)「それこそ、視界に入れるのも嫌でしたのよ?」


聖女「……えっ?」

116 : 以下、名... - 2018/11/03 11:54:14.76 NMxzUlwWo 89/542

聖女「そう……だったんですか?」

水王(儚)「……野蛮で粗野、優雅さの欠片も無い愚か者」

聖女「……散々な評価だったんですね」

水王(儚)「私は水の大精霊、当然でしょう?」


水王(儚)「けれど、轡を並べて事に臨んでいく内に……」

水王(儚)「ゆっくりと、ゆっくりと……それが変わっていったのです」


聖女「……」

117 : 以下、名... - 2018/11/03 12:00:47.76 NMxzUlwWo 90/542

水王(儚)「当然、何度も衝突はしましたわ」

聖女「けれど……二人は、それを乗り越えてきた」


水王(儚)「……私の案と、彼の案」

水王(儚)「その二つを合わせて、大きな成功を収めた時」


聖女「……」


水王「……――ふふっ」

水王「あの笑い合った時、私は完全に恋に落ちたのでしょうね」


聖女「――!」

118 : 以下、名... - 2018/11/03 12:07:21.61 NMxzUlwWo 91/542

水王「情緒など、露程も感じない始まりでしょう?」

聖女「……はい、そう思います」

水王「憧れていたロマンスとは、程遠いものですわ」

聖女「……」


水王(儚)「……だから」

水王(儚)「彼が姿を消した今、その記憶が消えたとしても――」


聖女「――だからこそ!」

聖女「絶対に、忘れるなんて駄目です!」


水王(儚)「……祝福の聖女?」

119 : 以下、名... - 2018/11/03 12:13:19.89 NMxzUlwWo 92/542

聖女「何なんですか!? ふざけないでください!」

水王(儚)「……何故、貴女は怒っているの?」


聖女「私は、愛の女神の加護を受けた、祝福の聖女です!」

聖女「その私に……!」


聖女「――幸せな日々の記憶を封じろなど!」

聖女「――愛する人への想いを封じろなど!」


聖女「……出来るわけがないじゃないですか!」


水王(儚)「……」

120 : 以下、名... - 2018/11/03 12:16:47.51 NMxzUlwWo 93/542

聖女「むしろ、その逆!」

水王(儚)「……逆?」

聖女「貴女の、愛を踏みにじる行為を止めます!」

水王(儚)「……」


聖女「貴女自身を敵に回そうとも!」

聖女「私は、想い人の事を語る貴女の微笑みの味方です!」


水王(儚)「っ……!」

121 : 以下、名... - 2018/11/03 12:21:26.83 NMxzUlwWo 94/542

水王(儚)「けれど……辛いのです! 苦しいのです!」

聖女「言い訳をして、考えることをやめないでください!」

水王(儚)「私に! 何を考えろと言うのですか!?」

聖女「そんなの、決まってるじゃないですか!」


聖女「――俺より強いやつに会いに行く」

聖女「……その書き置きの、意味をですよ!」


水王(儚)「あの書き置きの……意味……?」

122 : 以下、名... - 2018/11/03 12:27:32.34 NMxzUlwWo 95/542

水王(儚)「……私は――」

水王(儚)「去る時に、ただ何となくそれらしい理由を書いた」

水王(儚)「――そう、考えていたのですが……」


聖女「……自分より、強い相手に会いに行く」

聖女「そんなの……そんな理由なんて、一つだけじゃないですか」


水王(儚)「……お、教えてくださいまし!」

水王(儚)「その理由とは、何なのでしょうか!?」


聖女「……強くなるためですよ」


水王(儚)「っ――!」

124 : 以下、名... - 2018/11/03 12:34:28.96 NMxzUlwWo 96/542

水王(儚)「つ……強くなるため……?」

聖女「己の殻を破るには、それが一番ですから」

水王(儚)「そんなっ! 何故!?」

聖女「……貴女です」


聖女「水の四天王である貴女を――」

聖女「――守れる程の力を得るためです!」


水王「っ――!!」

125 : 以下、名... - 2018/11/03 12:43:21.61 NMxzUlwWo 97/542

水王「ま、まさか……そんな……」

聖女「そうでなければ、何も残さずに去るでしょう」

水王「け、けれど! 私はそれを望んではいませんわ!」

聖女「……水の四天王」


聖女「想い人が、強くなるという理由で貴女の元を去った」

聖女「……それは、確かに貴女の望みではないでしょう」

聖女「でも、貴女の今の表情は――」


聖女「それこそが、真実だと疑っていないと、私に告げています」


水王「……ふふっ」

水王「……ええ、その通りですわ」

126 : 以下、名... - 2018/11/03 12:53:23.99 NMxzUlwWo 98/542

水王「私は……彼をいつの間にか侮っていたのかも知れません」

聖女「侮っていた……ですか?」

水王「恋という名の濃霧が、見失わせてしまっていた……」


水王「彼は馬鹿……本当に、大馬鹿者ですわ」

水王「その大馬鹿者が、思い描く未来」

水王「後ろでも、隣でも無く……前に立とうとする、決意」

水王「……うふふっ、本当に……馬鹿ですわね」


聖女「――水の四天王」

聖女「私にお願いって、何ですか?」


水王「――祝福の聖女」

水王「そんなものは、忘れてしまいましたわ」

127 : 以下、名... - 2018/11/03 13:04:57.94 NMxzUlwWo 99/542

  ・  ・  ・

聖女「……本当に、男の人って馬鹿なんですから」

聖女「でも……勇者様も、そういう所があるし……」

聖女「……///」

聖女「愛の女神様、私の恋も見守っててください……!///」


闇の魔王(儚)「……ゅ……ぃ……ょ……願ぃ……」


聖女「……闇の魔王!?」

聖女「一体、何が……っていうか、声小さい!!」


聖女「あああ! 泣いてないで、私に話してみてください!!」



おわり

132 : 以下、名... - 2018/11/03 20:27:59.04 NMxzUlwWo 100/542

書きます


風の四天王「剣の乙女、君に何があった?」

133 : 以下、名... - 2018/11/03 20:31:38.14 NMxzUlwWo 101/542

剣の乙女(以下、乙女)「急に現れておいて、いきなり質問?」

風の四天王(以下、風王)「いや、そんなつもりは無かったんだが……」

乙女「あら、そんなに私が変わったように見える?」

風王「……そうだね、まるで別人だ」


乙女「……愛する人が――彼女が出来た」

乙女「私が変わったのは、それが理由よ」


風王「成る程、そういう事……」

風王「…………えっ?」

135 : 以下、名... - 2018/11/03 20:35:47.56 NMxzUlwWo 102/542

風王「今、何て言ったんだい?」

乙女「聞こえなかったのかしら」

風王「ええ、と……勇者に、彼女が出来たのかな?」

乙女「違うわ」


乙女「この私、剣の乙女に――彼女が出来たのよ」

乙女「……全く、勘違いしないで頂戴」


風王「……いや、待ってくれ」

風王「えっ? 君は女で……えっ、彼女?」

136 : 以下、名... - 2018/11/03 20:40:29.39 NMxzUlwWo 103/542

乙女「それで? 私に、何の用かしら?」

風王「いや、ちょっと……その前に」

乙女「どうしたの、不思議な顔をして」

風王「君は……恋愛対象が、女性だったのかい?」


乙女「運命の相手が、たまたま女だっただけ」

乙女「……私は、彼女に会うために生まれてきたのよ」


風王「……」

風王「そ、そう……なんだね」

138 : 以下、名... - 2018/11/03 20:45:10.94 NMxzUlwWo 104/542

乙女「彼女の事が知りたい? 良いわ、教えてあげる」

風王「口を挟む暇すら与えてくれないのかい」

乙女「私が、恋の相手に望んでいたものは、唯一つ」

風王「……」


乙女「この私よりも、強い事よ」

乙女「彼女は……新しい仲間の彼女は、本当に強いわ」


風王「……一つだけど、非常に厳しい条件だったんだね」

139 : 以下、名... - 2018/11/03 20:50:07.08 NMxzUlwWo 105/542

乙女「私の剣戟の隙間を縫うように、攻撃魔法を飛ばし……」

風王「それは……本当に、優れた使い手だね」

乙女「時に前に出て盾となり、敵に大きな隙を作り出す……」

風王「それは……敵としては、非常に厄介だね」


乙女「ええ、本当に頼もしい仲間よ」

乙女「彼女と出会えた運命に……感謝しないとね」


風王「……敵の僕としては、素直に祝福出来ないな」

141 : 以下、名... - 2018/11/03 20:56:06.11 NMxzUlwWo 106/542

乙女「けれど、突然現れても……信用出来ないでしょう?」

風王「まあ、そうだろうね」

乙女「だから、年長者としてお酒の席を設けたの」

風王「お酒が入れば、本音も出るだろうしね」


乙女「そうして、飲んでいたらね?」

乙女「――お前は、相手に恵まれていなかっただけだ」

乙女「――出会って来た男は、見る目が無かったらしい」

乙女「……ですって! ふふっ! ねえ、聞いてる?」


風王「……うん、まあ、聞いてるよ」

143 : 以下、名... - 2018/11/03 21:04:41.93 NMxzUlwWo 107/542

乙女「それでね? 彼女ったら、もうっ!」

風王「……うん」

乙女「あれよあれよと、酒場の上の宿を取ってね?」

風王「……うん」


乙女「……まあ、そんな感じで……ね?」

乙女「私は……女の喜びを知ったの」

乙女「やっ、やだもうっ!/// 何を言わせるのよ!///」


風王「君が言い出したんだけどね?」

風王「それに、言いにくいんだけど……」

風王「……君のそれは、知ったかぶりだと思うよ」

144 : 以下、名... - 2018/11/03 21:08:22.83 NMxzUlwWo 108/542

乙女「いいえ、私はそこで己の弱さを知ったわ」

風王「己の弱さ?」

乙女「ええ、そうよ……私自身ですら、知らなかったの」

風王「剣の乙女である、君が?」


乙女「この……右の鎖骨の、このライン」

乙女「ここを舌でツウッとされると、なんだか凄いのよ」


風王「ねえ、赤裸々すぎやしないかい?」

145 : 以下、名... - 2018/11/03 21:12:01.68 NMxzUlwWo 109/542

風王「けれど……それが、君が変わった理由か」

乙女「そう、愛が私を変えたのよ」

風王「……愛、か」

乙女「私は、愛を知って――強くなった」


乙女「……けれど、風の四天王」

乙女「貴女は、弱くなったわね」


風王「……はは、これは手厳しいね」

146 : 以下、名... - 2018/11/03 21:17:54.45 NMxzUlwWo 110/542

乙女「今日の貴女は、どうしてまた男装をしてるのかしら?」

風王「……女の格好をする理由が無くなっただけさ」

乙女「ふぅん? そうなの」

風王「それに、僕にはこっちの格好の方が似合うだろう?」


乙女「いいえ、むしろ滑稽だわ」

乙女「今の貴女は、女としての自分に自信が持てず……」

乙女「踏み出した一歩を引っ込めただけだもの」


風王「……君は、本当に厳しいな」

147 : 以下、名... - 2018/11/03 21:28:35.33 NMxzUlwWo 111/542

乙女「今の貴女なら、目をつぶっても勝てるわ」

風王「……へえ、試してみるかい?」

乙女「死にたければ、かかって来なさい」

風王「っ……! 言うじゃないか!」


乙女「ええ、見るに堪えないもの」

乙女「敵とは言え、何かから逃げている貴女を見るのは」

乙女「……ああ、臆病風でスカートがめくれるから、ズボンをはいてるのね?」


風王「……!」

148 : 以下、名... - 2018/11/03 21:34:24.43 NMxzUlwWo 112/542

風王「随分と……舌が回るようになったじゃないか」

乙女「彼女の舌技に比べれば、大したことは無いわ」

風王「……急に惚気ないでくれるかい?」

乙女「貴女が戦う気が無いってわかったから……つい、ね」


風王「……確かに、君の言う通りだ」

風王「今の僕は……本当に、弱い」


乙女「やっぱり、自覚はあったのね」

149 : 以下、名... - 2018/11/03 21:41:06.80 NMxzUlwWo 113/542

風王「男など……そんな風に見下していた僕がだ」

乙女「……」

風王「一人の男が居なくなってしまっただけで、ね」

乙女「違うわ」


乙女「性別なんて……関係の無いわ」

乙女「男だから? 女だから?……そんなのは、些細な事よ」

乙女「愛する、求めている人が消えてしまって、悲しい」

乙女「……それだけでしょう?」


風王「……」

150 : 以下、名... - 2018/11/03 21:46:52.82 NMxzUlwWo 114/542

風王「君は……何か、知っているのかい?」

乙女「いいえ、何も。けれど、推測は出来る」

風王「……」

乙女「フラれたの? それとも、死んだのかしら?」


風王「……忽然と、姿を消してしまったんだ」

風王「僕が、スカートをはいて行った……その夜にね」


乙女「……馬鹿馬鹿しい」

151 : 以下、名... - 2018/11/03 21:51:13.38 NMxzUlwWo 115/542

乙女「それで、また男装をするようになったの?」

風王「……言いたくないな」

乙女「じゃあ、言わせて貰うわ」

風王「……」


乙女「貴女が女の格好をして、男装をやめた事」

乙女「それが、何かのきっかけになったと思ってるでしょう?」

乙女「……そんな筈、有るわけ無いでしょう!」


風王「……」

152 : 以下、名... - 2018/11/03 21:56:15.00 NMxzUlwWo 116/542

風王「……けれど、変わった事と言えば」

乙女「それ以外に無い、とでも?」

風王「……その通りだよ」

乙女「……あのねぇ!」


乙女「自信があるのか無いのか、ハッキリしなさいよ!」

乙女「貴女が、男の格好をしたら、その男は戻ってくるの?」

乙女「……ああもう! イライラさせないで頂戴!」


風王「……」

153 : 以下、名... - 2018/11/03 22:01:56.78 NMxzUlwWo 117/542

風王「……だったら、僕はどうすれば良いんだ!」

乙女「そんなの、私が知るわけないでしょう」

風王「ああ、そうだろうね! 君は、僕の敵だから!」

乙女「ええ、だからこそ……私は知っているわ」


乙女「風の四天王」

乙女「――貴女は、探しものをするのが得意だ、って」

乙女「それこそ……私の知らない方法も知ってるわよね」


風王「っ――!!」

154 : 以下、名... - 2018/11/03 22:11:26.52 NMxzUlwWo 118/542

風王「彼を……探す……?」

乙女「何? そんな事も思いつかなかったの?」

風王「……考えもしなかった」

乙女「呆れた……貴女、それでも四天王の一人なの?」


風王「……ああ、僕は風の四天王だ」

風王「狙った獲物は――絶対に逃さないのさ」


乙女「……どうやら、調子を取り戻したみたいね」

乙女「風は、留まり続けるべきじゃないもの」


風王「感謝するよ、剣の乙女」

風王「君は、僕の女々しさを見事に断ち切ってくれた!」

155 : 以下、名... - 2018/11/03 22:19:54.98 NMxzUlwWo 119/542

  ・  ・  ・

乙女「……恋は盲目と言うけれど」

乙女「時に……己をすら、見失わせてしまうのね」

乙女「……」

乙女「私は……彼女を見失わないよう、気を付けないと」


火の四天王「剣の乙女よ! 婚約が……!」

火の四天王「パパが、婚約を解消しろと言ってきた!」


乙女「……貴女、火龍王をパパって呼んでるの?」

乙女「それより、婚約を解消って……もう、わかったから!!」


乙女「一緒に良い方法を考えるから、ブレスを吐かないで頂戴!!」



おわり

160 : 以下、名... - 2018/11/04 20:24:37.12 pzPuf0d4o 120/542

書きます


地の四天王な美少女「光の勇者よ、話とは何だ?」

161 : 以下、名... - 2018/11/04 20:28:15.82 pzPuf0d4o 121/542

光の勇者(以下、勇者)「地の四天王、心当たりは無いか?」

地の四天王な美少女(以下、地女)「おっと、その呼び方はやめて貰おうか」

勇者「良いから座れ」

地女「今は、地の四天王――改め!」


大地の魔女(以下、地女)「大地の魔女!」

地女「ふはは! ちゃん付けでも構わんぞ!」


勇者「座れって言ってんだろ!?」

162 : 以下、名... - 2018/11/04 20:32:12.18 pzPuf0d4o 122/542

地女「宿屋であまり大声を出すな……よいしょっと」

勇者「……ベッドの上でぺたんこ座りすんな」

地女「むう、何故だ?」

勇者「……唇を尖らせるのはやめろ」


地女「あれも駄目、これも駄目……」

地女「勇者よ! お前はリーダーではあるが、母親では無いぞ!」


勇者「だったら、一々言わせるんじゃねえってんだ!」

163 : 以下、名... - 2018/11/04 20:36:01.31 pzPuf0d4o 123/542

地女「まあ、お前の話とやらの心当たりはある」

勇者「まあ、そうだろうな!」

地女「いずれは話し合わねばならんと思っていたぞ」

勇者「……むしろ、遅い位だっての」


地女「確かに……もっと早く話すべきだったな」

地女「――攻撃魔法で先制してからの戦術と連携を」


勇者「そんな感じでお前が馴染みすぎだって話だよ!!」

165 : 以下、名... - 2018/11/04 20:41:33.97 pzPuf0d4o 124/542

地女「何を言っている? 旅の仲間ならば、当然だろう?」

勇者「違うだろ!? お前は、四天王の一人だろ!?」

地女「何!? まだ、仲間と認めていないのか!?」

勇者「当たり前だろうが!」


地女「ならば、どうしたら認めてくれるのだ!?」

地女「……まあ、お前に認められなくても居座るがな~」

ぽふんっ、ごろごろ~っ


勇者「ベッドの上で転がるんじゃねえええええ!!」

166 : 以下、名... - 2018/11/04 20:45:09.09 pzPuf0d4o 125/542

地女「まあ、落ち着け勇者よ」

勇者「お前のその落ち着きが腹立つんだよ」

地女「せっかく良い宿を取ったのだ、しっかり休息をとるべきだろう」

勇者「……っていうか、なんでお前と同じ部屋なんだよ」


地女「今の財布事情を考えたら、二部屋が限度」

地女「部屋割りに不満があるのなら、今から代わるか?」


勇者「……いや、良い」

167 : 以下、名... - 2018/11/04 20:50:17.09 pzPuf0d4o 126/542

勇者「本来は男のお前と……」

地女「祝福の聖女、剣の乙女を同室にするのはまずいだろうな」

勇者「……おかげで、俺があの二人に変な目で見られた」

地女「うむ、それはそうだろう」


地女「光の勇者とは言え、お前は男だ」

地女「……ふっ、まさかあの二人に心配される日が来るとは」


勇者「満更でもなさそうに微笑んでんじゃねえよ」

168 : 以下、名... - 2018/11/04 20:55:20.65 pzPuf0d4o 127/542

勇者「……っていうか、いつの間にあの二人と仲良くなったんだ」

地女「祝福の聖女は、恐らく相談に乗ったからだろうな」

勇者「相談?」

地女「うむ!」


地女「お前の――光の勇者の倒し方の相談だ!」

地女「まあ、倒し方というか……倒され方というかな?」


勇者「……待て待て待て待て!!」

169 : 以下、名... - 2018/11/04 21:00:10.11 pzPuf0d4o 128/542

勇者「お前、あの子に何を教えた!?」

地女「祝福の聖女が信仰する女神教には、『十の戒律』というものがある」

勇者「……いきなり何だよ」

地女「悲しいかな……愛を司るとは言え、所詮は女神」


地女「女神教の、『十の戒律』なぞ、大して役に立たん!」

地女「俺の、『男をオトす10のテクニック』の方が男のツボを抑えているのだ!」


勇者「そりゃあ、お前は男だからな!」

170 : 以下、名... - 2018/11/04 21:05:10.59 pzPuf0d4o 129/542

勇者「変なこと吹き込んでたら、ぶっとばすぞ!?」

地女「何を言う! 俺は、女の味方だ!」

勇者「お前程の女の敵は見たことねえよ!」

地女「ええい、ならば見せてやろう!」


地女「この、左の頬にかかった髪をかきあげる時にな――」

…スッ

地女「――こう、左手でなく……右手で、クロスさせるように」

地女「……どうだ! 色っぽさ、二割増だろう!」


勇者「滅茶苦茶小技じゃねえか!!」

171 : 以下、名... - 2018/11/04 21:11:19.27 pzPuf0d4o 130/542

地女「確かに、大技や大魔法も局面を決める上で重要だな」

勇者「そういうのは教えてないだろうな!?」

地女「馬鹿者が! 何を言っている、光の勇者よ!」

勇者「っ!?」


地女「ここぞと言う時こそ、勇者であるお前の役目だろう!」

地女「その腰に下げた聖剣は、ただの飾りか!?」


勇者「……くそっ! 一瞬でも気圧された自分に腹が立つ!」

172 : 以下、名... - 2018/11/04 21:16:03.39 pzPuf0d4o 131/542

地女「まあ、そんな訳で聖女の味方になったのだ」

勇者「……道理で、最近」

地女「おっ? グッと来たか? ん? んんっ?」

勇者「……うるせえよ」


地女「はっはっは! 光の勇者よ!」

地女「足掻いても無駄だと言っておこうか! はっはっは!」

ぺちん、ぺちん、ぺちん、ぺちん!


勇者「足の裏で拍子とってんじゃねえ!!」

173 : 以下、名... - 2018/11/04 21:20:13.27 pzPuf0d4o 132/542

地女「それで、剣の乙女とはだな」

勇者「……何があったんだよ」

地女「うむ」

勇者「……」


地女「それが、まるでわからんのだ」

地女「一緒に飲みに行ったような……行ってないような?」


勇者「……おい……おい、お前!?」

174 : 以下、名... - 2018/11/04 21:27:02.66 pzPuf0d4o 133/542

勇者「お前、おい……まさか!?」

地女「女の体だと、酒に弱くてなぁ」

勇者「男の方でも弱いじゃねえか!」

地女「……あまり言ってくれるな、光の勇者よ」


地女「地の四天王は――四天王の中でも最弱」

地女「……分かっていても、言われる方は複雑なのだ」


勇者「お前、酒向いてねえぞ!?」

175 : 以下、名... - 2018/11/04 21:31:14.17 pzPuf0d4o 134/542

地女「では……光の勇者――いや、リーダー!」

勇者「……絶対に断る」

地女「お前は敵だが、頼りにしているぞ!」

勇者「ダブルスタンダードも大概にしろよ!?」


地女「酔って、剣の乙女とヤっちゃったかどうか」

地女「こう……さりげな~く聞いといてくれ、な?」


勇者「どういう聞き方だ!?」

勇者「どう転んだって、さりげなくならねえぞ!?」

176 : 以下、名... - 2018/11/04 21:37:22.21 pzPuf0d4o 135/542

地女「……まあ! そんな感じで交流を深めたのだ!」

勇者「かつてない程の危機がパーティーを襲っている……!」

地女「案ずるな、光の勇者よ」

勇者「……あん?」


地女「もし、剣の乙女とヤっちゃっていたら……」

地女「お前も、聖女とヤっちゃえばバランスが良くなる」


勇者「お前、本当いい加減にしろよ!?」

177 : 以下、名... - 2018/11/04 21:48:28.58 pzPuf0d4o 136/542

勇者「……だが、悔しいことにお前が居ると楽だ」

地女「うむ、こちらも戦い方に幅が出来、強くなった」

勇者「……危ない場面も、助けられたな」

地女「仲間を助けるのは、当然だろう」


地女「――だが、忘れるなよ……光の勇者」

地女「大地の魔女の正体は――地の四天王」

地女「決して、頼れるだけの偉大な魔法使いでは無い」

地女「男同士の様に気楽で、いやらしい話も出来る美少女では無いのだ」

…ポリポリ


勇者「とりあえず、ベッドの上で菓子を食うのをやめろ」

178 : 以下、名... - 2018/11/04 21:59:37.20 pzPuf0d4o 137/542

  ・  ・  ・

地女「――お、お願いだっ! お願いだ、勇者!」

勇者「ええい、うるさい!」

地女「頼む! 乱暴にしないでくれ!」

勇者「だったら、大人しくしてろ!」


地女「!? こっ、拘束魔法!?」

地女「くっ……! か、解除出来ん!」


勇者「当たり前だろう!」

勇者「お前をどこへも行かせるかよ!」

179 : 以下、名... - 2018/11/04 22:06:19.07 pzPuf0d4o 138/542

地女「そんな……何故だ!?」

勇者「お前が誘ってきたからだ――」


祝福の聖女(以下、聖女)「……ゆ、勇者様……!?」

剣の乙女(以下、乙女)「なっ……何をして……!?」


勇者「……」

勇者「待ってくれ!! 二人は誤解してる!!」

勇者「コイツが、酒を飲みに行こうと――」


地女「せっ……聖剣なんぞには、決して負けぬ……!」


聖女乙女「さ――最低!!」


勇者「俺の話を聞いてくれえええええ!!」




おわり

182 : 以下、名... - 2018/11/05 21:52:14.51 JcT9AcbUo 139/542

書きます


闇の魔王「祝福の聖女よ、何かあったのか?」

183 : 以下、名... - 2018/11/05 21:55:46.67 JcT9AcbUo 140/542

祝福の聖女(以下、聖女)「……闇の魔王さん」

闇の魔王(以下、魔王)「ひどく憔悴しているようだが……」

聖女「……聞いて、貰えますか?」

魔王「敵とは言え、其方には世話になっているからな」


聖女「勇者様が……勇者様が!」

聖女「無理矢理、女性をヤっちゃおうとしてたんです!」


魔王「……」

魔王「……すまぬ、あまり力になれそうにない」

184 : 以下、名... - 2018/11/05 22:00:47.55 JcT9AcbUo 141/542

魔王「しかし、何かの間違いではないのか?」

聖女「人は、誰しも間違いを犯すものです!」

魔王「聖女よ、落ち着くのだ」

聖女「私は冷静です! ええ、冷静ですとも!」


聖女「今も、冷静に神に祈りを捧げていたんです」

聖女「貴女の与える試練は、あまりにも過酷すぎます、って」


魔王「……」

185 : 以下、名... - 2018/11/05 22:04:21.37 JcT9AcbUo 142/542

魔王「だが……英雄色を好むという言葉もある」

聖女「……魔王さん」

魔王「許すのもまた愛……そう言っていたではないか」

聖女「……」


聖女「……闇の魔王」

聖女「貴女の想い人がそうしているのを見たら、どう思いますか?」


魔王「許せ、軽はずみな発言だった」

186 : 以下、名... - 2018/11/05 22:09:38.73 JcT9AcbUo 143/542

魔王「して……勇者は、何処に居る?」

聖女「……逃げたんです」

魔王「逃げただと?」

聖女「……はい」


聖女「剣の乙女さんが、無表情で……」

聖女「その……斬り落とすと言って襲いかかったので」


魔王「……成る程な」

187 : 以下、名... - 2018/11/05 22:15:10.42 JcT9AcbUo 144/542

聖女「勇者様には光の加護があるので……」

魔王「まあ、生きては居るだろうな」

聖女「聖剣と魔法も駆使し、秘めた力も覚醒していましたからね」

魔王「余の関わらぬ所で、決戦が行われていたか」


聖女「……もし、斬り落とされて帰ってきたら」

聖女「私……ちゃんと回復させる自信がありません」


魔王「案ずるな、祝福の聖女よ」

魔王「そうだとしても、剣は振るえる」

188 : 以下、名... - 2018/11/05 22:20:54.52 JcT9AcbUo 145/542

魔王「しかし、光の勇者め……我が軍だけでなく……」

聖女「……」

魔王「…………ゅ……ゅぅ、う~……じ……んっ、んんっ!」

聖女「……魔王さん?」


魔王「……其方まで苦しめるとは!」

魔王「ふふっ……罰として、奴の故郷を滅ぼしてくれよう」


聖女「あの……同郷なので、私の故郷でもあるんです」

聖女「なので、はい……お気持ちだけ、ありがたく」

189 : 以下、名... - 2018/11/05 22:29:39.34 JcT9AcbUo 146/542

魔王「しかし……光の勇者と、剣の乙女め」

聖女「えっ? 勇者様はともかく……」

魔王「今の其方を捨て置くなど、看過出来るものではない」

聖女「あっ、いえ……私だけじゃなく――」


ガチャッ!

大地の魔女(以下、地女)「祝福の聖女よ、お菓子を持って来たぞ!」


聖女「新しい仲間の、大地の魔女さんも居ますから!」

魔王「ふむ……成る程」


地女「……」

バタンッ!


聖女「へっ?」

魔王「む?」

190 : 以下、名... - 2018/11/05 22:39:09.45 JcT9AcbUo 147/542

聖女「あっ、あの……大地の魔女さん?」

魔王「どうした……闇の魔王の、余が恐ろしいか?」

聖女「大丈夫ですよ! その……可愛い所もありますから!」

魔王「……祝福の聖女よ、それは他言無用だと言っただろう」


……しんっ


聖女魔王「……」

聖女「あれ……?」

魔王「……ふむ」

191 : 以下、名... - 2018/11/05 22:43:39.93 JcT9AcbUo 148/542

  ・  ・  ・

地女「……!」

地女(祝福の聖女と……魔王様が、裏で繋がっていただと!?)

地女(ぬうう! いかん! これは……いかん!)

地女(どこまで……どこまでバレちゃっているのだ!?)


地女「今は……今は、此処を離れねば!」


…ズブッ!


地女「しまっ!? 影に呑まれ――」


…とぷんっ!

192 : 以下、名... - 2018/11/05 22:49:17.88 JcT9AcbUo 149/542

  ・  ・  ・

聖女「――わあっ! このお菓子、美味しいですね!」

魔王「人の作った嗜好品なれど、中々のものだ」


地女「うむ!」

地女「では……歯を磨いて寝ることにするのだ」


魔王「――待て」


地女「!? な、何か……?」


魔王「……其方とは、ゆっくり話がしたい」


地女「し、しかし……その、もうねむねむなのだ、すまぬな……!」

地女(バレているのか!? ええい、どっちなのだ!?)

193 : 以下、名... - 2018/11/05 22:58:23.55 JcT9AcbUo 150/542

聖女「でも……眠いのなら、寝た方が良いですよ」

聖女「……あんな事があった後ですし」


地女「!」

地女(祝福の聖女よ、素晴らしい支援だ!)

地女(やはり、頼れるものは仲間というものよ!)


魔王「ならば、此処で眠れば良いだろう?」

魔王「剣の乙女は、勇者を追って居ないのだから」


地女「!?」

地女(……それすらも上回るか!)

地女(ぬうう! 希望を砕き、絶望を与えるとは……!)

194 : 以下、名... - 2018/11/05 23:10:48.85 JcT9AcbUo 151/542

聖女「ええ、と……どう、しますか?」

地女「いや、遠慮しておこう!」

魔王「何? 余の命に逆らうと?」

地女「っ……!?」


地女「……こればかりは、聞けぬ!」

地女「例え……誰に命じられようとも!」


聖女「えっ、は……はい……」

魔王「……」

195 : 以下、名... - 2018/11/05 23:16:44.71 JcT9AcbUo 152/542

  ・  ・  ・

地女「……」

地女(せえええええふ! 離脱に成功した!)

地女(後は、魔王様が帰ったら……姿を消すだけだな!)

地女(どこか遠く……俺の魔力を隠してくれる、聖なる……)


地女「……安息の地へ!」


「――行かさぬ」


地女「へっ――?」


…とぷんっ!

196 : 以下、名... - 2018/11/05 23:19:46.48 JcT9AcbUo 153/542

地女「――ぬうっ、おお……!?」


魔王「ようこそ、大地の魔女……」

魔王「……いや」


地女「……!」


魔王「魔王軍、四天王が一人――」

魔王「――地の四天王よ」


地女「……」


魔王「……」

197 : 以下、名... - 2018/11/05 23:23:45.61 JcT9AcbUo 154/542

魔王「……余の魔眼を欺けると思ったか?」

地女「……」

パァァ…


…ァァァ

地の四天王(以下、地王)「……」

地王「……お久しぶりです、魔王様」


魔王「……」


地王「……」

198 : 以下、名... - 2018/11/05 23:26:00.07 JcT9AcbUo 155/542

魔王「……地の四天王よ」

地王「……はっ」

魔王「……」

地王「……」


魔王「――俺より強いやつに会いに行く」

魔王「それは……光の勇者の事だったのだな」


地王「……」

地王「…………」


地王「その通りでございます!!」

199 : 以下、名... - 2018/11/05 23:33:18.62 JcT9AcbUo 156/542

魔王「確かに……前よりも、力をつけている」

地王「お褒めに預かり、恐悦至極!!」

魔王「だが……其方の勝手な振る舞いは、不快極まりない」

地王「そ、それは……!」


魔王「許してほしくば……」

魔王「……」


魔王「……――強く、抱きしめよ」


地王「っ……!」

200 : 以下、名... - 2018/11/05 23:41:23.79 JcT9AcbUo 157/542

  ・  ・  ・

地王『――というわけでな!?』

地王『引き続き、お前のパーティーに居続ける事になったぞ!』

地王『力を付け、必ず戻って来いとのご命令だ!』

地王『俺は……俺は、命の危機を乗り越えたのだ!』


地王『……だが、問題は全て解決した訳ではない』

地王『素面の状態で……影の中で、三回ヤっちゃったのだ!』


光の勇者(以下、勇者)「ゴミみてえな思念波飛ばしてくんじゃねえよ!!」

201 : 以下、名... - 2018/11/05 23:50:13.45 JcT9AcbUo 158/542

地王『仕方あるまい! 俺も……男なのだ!』

勇者「お前のせいで、俺は追われてるんだぞ!?」

地王『魔王様は、ちょこちょこ会いに来ると言っていた』

勇者「だったらお前もう帰れよおおおおお!!」


―ヒュッ!


勇者「っ、うおおおっ!?」


剣の乙女(以下、乙女)「避けるな……!」


勇者「まっ、ままっ、待て! 頼む、話し合おう!」


地王『あ、結局の所、俺は剣の乙女とヤっちゃってたか?』


乙女「女の敵め!」



勇者「――どっちも、今話し中だ!!」



おわり

206 : 以下、名... - 2018/11/06 21:48:32.89 c5E94vi1o 159/542

書きます


火の四天王「剣の乙女よ、礼を言わせてくれ」

207 : 以下、名... - 2018/11/06 21:52:40.57 c5E94vi1o 160/542

剣の乙女(以下、乙女)「礼? 何のかしら?」

火の四天王(以下、火王)「婚約に関する話だ」

乙女「……ああ、あの話ね」

火王「おかげで、婚約を解消せずに済んだぞ」


火王「――やっぱり、嫁には行かせたくない」

火王「全く……パパは、子離れが出来なくて困る」


乙女「私は、貴女が『パパ』呼びなのにも未だ戸惑ってるわ」

208 : 以下、名... - 2018/11/06 21:57:39.89 c5E94vi1o 161/542

火王「!? ち、父上! 父上だ!」

乙女「別にいいわよ、今更取り繕わなくたって」

火王「だが……私にも、体面というものがある」

乙女「ふぅん?」


乙女「――婚約を解消しろ」

乙女「そう言われて、半ベソかいてたのは誰かしら?」


火王「あわっ、わ、忘れてくれ!///」

209 : 以下、名... - 2018/11/06 22:02:37.79 c5E94vi1o 162/542

乙女「それで? どう説得したの?」

火王「お前の助言通り、マ……母上に協力を仰いだ」

乙女「大喧嘩にでもなった?」

火王「いや、そんな事はない」


火王「――今の、私の様な幸せをこの子にも」

火王「そう母上が言ったら、娘の前だと言うのに……全く!」


乙女「……熱々じゃないの」

210 : 以下、名... - 2018/11/06 22:07:31.10 c5E94vi1o 163/542

乙女「でも、貴女の婚約者は行方知れずなのよね」

火王「ああ、だが……奴なら必ず戻ってくる」

乙女「ねえ、どうしてそこまで信じられるの?」

火王「? 何を言っている」


火王「――信じる力の強さ」

火王「それをよく知っているのは、お前達だろう」


乙女「……呆れる位、真っ直ぐなのね」

211 : 以下、名... - 2018/11/06 22:13:39.33 c5E94vi1o 164/542

火王「奴も、私を信じてくれている」

乙女「でなきゃ、書き置きだけ残して居なくならない、か」

火王「ああ、そうだとも!」

乙女「とっても素敵な人なのね」


火王「うん!!(ボワッ)」


乙女「熱い!」

乙女「盛り上がるのは良いけど、ブレスはやめて頂戴!」

212 : 以下、名... - 2018/11/06 22:18:11.05 c5E94vi1o 165/542

乙女「でも……そんなに素敵な人なら、心配ね」

火王「? 何がだ?」

乙女「浮気しないか、よ」

火王「……」


火王「……!」プルプル

火王「……!」ジワァ…


乙女「じょっ、冗談よ!」

乙女「あああ、泣かないで頂戴! 冗談だから!」

213 : 以下、名... - 2018/11/06 22:25:33.94 c5E94vi1o 166/542

火王「……すまない、想像したら悲しくなった」

乙女「その人の事、本当に好きなのね」

火王「……ああ! 勿論だ!」

乙女「他に、良い人が居るかも知れないのに?」


火王「……私の顔が、今よりも鱗に覆われていた幼き頃」

火王「火龍王の娘だからと、誰もが愛想笑いを向ける中……」

火王「……奴だけが、私に言った」


火王「――ブス」


火王「……とな」ニコッ


乙女「……笑える台詞じゃないと思うけれどね」

214 : 以下、名... - 2018/11/06 22:34:36.86 c5E94vi1o 167/542

乙女「周囲の者達が、黙ってなかったでしょうに」

火王「当然、怒り狂ったぞ! 尤も、内心ではどうか知らんが!」

乙女「火龍王は?」

火王「なんと、あまりの怒りにひっくり返ってな! ははは!」


火王「それがおかしくて、思わず笑ってしまった私を見て……」

火王「……奴は――」


火王「――可愛い!」


火王「……と、言ったんだ!(ボワッ)///」


乙女「……物凄い手のひら返しよね」

215 : 以下、名... - 2018/11/06 22:41:50.22 c5E94vi1o 168/542

火王「……本当に、単純な奴なんだ」

乙女「ねえ、この話もう何度も聞いてるんだけど」

火王「それでな!(ボワッ)/// それでな!(ボワッ)///」

乙女「……続けるのね」


火王「――この子の可愛さを引き出すとは、さすが火龍王!」

火王「――俺にも、そのひっくり返り方を教えて欲しいのだ!」

火王「……なんてな?(ボワッ)/// なんてな?(ボワッ)///」


乙女「……火龍王が親馬鹿で助かったのよね」

216 : 以下、名... - 2018/11/06 22:49:36.49 c5E94vi1o 169/542

火王「……奴のこの馬鹿さは、年月を重ねても変わらなかった」

乙女「それを信じ続ける貴女も、馬鹿だと思うけどね」

火王「む」

乙女「でも、まあ……嫌いじゃないわよ、そういうの」


火王「おっと、私に手を出そうとするなよ?」

火王「確かに、お前は良き友人ではある」

火王「だが、私は浮気は絶対にしない」


乙女「……あのね、私の事を何だと思ってるわけ?」

217 : 以下、名... - 2018/11/06 22:55:41.26 c5E94vi1o 170/542

乙女「私は、運命の相手が女性だっただけよ」

火王「運命か……なら、私と奴も運命で結ばれている」

乙女「随分と自信ありげじゃない」

火王「私は、案外ロマンチストなんだ」


ガチャッ!

大地の魔女(以下、地女)「剣の乙女よ、飲みに行くのだ!」


乙女火王「ん」


地女「……」

バタンッ!


乙女火王「……」

218 : 以下、名... - 2018/11/06 23:03:22.55 c5E94vi1o 171/542

  ・  ・  ・

地女「……!」

地女(ぬうう! 何ということだ!)

地女(剣の乙女と、火の四天王が裏が繋がっていたとは!)

地女(勇者と聖女が二人で話すから……と)

地女(気を利かせて、飲みに出ようと思ったのが間違いであったか!)


地女「今は……今は、此処を離れねば!」


乙女「の……飲みに行くって……その///」モジモジ


地女「!? いつの間に背後に!?」


乙女「あ……あ、愛の力で///」

219 : 以下、名... - 2018/11/06 23:10:15.71 c5E94vi1o 172/542

  ・  ・  ・

乙女「――紹介するわ、この子が……」

地女「……大地の魔女なのだ」

火王「私は、魔王軍幹部の一人、火の四天王」

乙女「……どう? 私の、運命の相手は///」


火王「そうだな……」

火王「見た所、かなりの使い手の様だ」

火王「私達、四天王にも勝るとも劣らない魔力を秘めている」


地女「そ……そんなでもないぞ」

地女(せええええふ! せふせふせええええふ!!)

地女(魔王様と違い、魔眼が無いのでバレてはいない!)

220 : 以下、名... - 2018/11/06 23:17:04.33 c5E94vi1o 173/542

地女「……」

地女(だが、いずれはボロが出るかも知れん!)

地女(俺が、地の四天王だと知られる前に……離脱せねば!)

地女(ええい! これが、運命の悪戯というやつか!)


地女「……それじゃ、あとは二人で」


「「二人で?」」


地女「むう?」


乙女「二人になるのは……三人で飲んでからでも、ね?///」モジモジ

火王「……あまり、見せつけてくれるなよ?」


地女「……むおお!?」

221 : 以下、名... - 2018/11/06 23:24:34.31 c5E94vi1o 174/542

  ・  ・  ・

ダダダダッ、ガチャッ!

地女「――光の勇者よ、まずい事になった!」

光の勇者(以下、勇者)「っ!? な、何だ!?」

地女「あ、ファーストキスおめでとうと言っておこう」

勇者「……お前、何で知ってんの!?」


地女「酔って、朝起きたら火の四天王と剣の乙女がベッドに居たのだ!」

地女「恐らくだが、二人まとめてヤっちゃったのだ!」


勇者「お前、何やってんの!?」

222 : 以下、名... - 2018/11/06 23:32:10.14 c5E94vi1o 175/542

地女「そりゃあお前、夜で人気が無いとは言え、なぁ」

勇者「お前、広場の噴水の前……通ってたのか!?」

地女「うむ! あそこがムードが良いと、助言したのは俺だ!」

勇者「お前……なんっ、どこまで見てたんだ!?」


地女「だが、光の勇者よ! 見損なったぞ!」

地女「祝福の聖女が、不意打ちとは言えチュッとしてきたのだ!」

地女「男ならば、ガバッと抱きしめブチュッとすべきだろうが!」


勇者「ほぼほぼ見てんじゃねえかあああああ!!」

223 : 以下、名... - 2018/11/06 23:43:09.18 c5E94vi1o 176/542

地女「不意打ちに対処出来なければ、この先はもっと危険だぞ」

勇者「この野郎……!」

地女「ふはは、既に歯車は動き始めた!」

勇者「手を……手を出さないようにしてたのに!」


地女「ふはは! 無駄だが、気をつける事だな!」

地女「ふははははっ! はっははははは!」

地女「……だが、突然キスされたとはいえな?」

地女「呆けるだけというのは、さすがにいかんと思うぞ」


勇者「……頼む、言うな」

224 : 以下、名... - 2018/11/06 23:47:24.91 c5E94vi1o 177/542

地女「……まあ、説教はこの位にするとしてだ!」

勇者「そ、そうだ! お前、二人まとめてって……」

地女「だが……不幸中の幸いだったぞ」

勇者「……何がだよ」


地女「二人は、まだ起きていなかったからな?」

地女「こう……俺が居た形跡を消し、コッソリ抜け出してきたのだ」



勇者「……」

勇者「……いや、お前それ――」

225 : 以下、名... - 2018/11/06 23:51:31.01 c5E94vi1o 178/542

  ・  ・  ・

火王「……ん……む……朝か」

火王「此処は、一体……それに……裸?」

火王「痛っ!? 飲みすぎて、何も覚えて――」


乙女「ん……う~ん」


火王「……」

火王「!?」


乙女「激し……むにゃむにゃ」


火王「!!!???」

226 : 以下、名... - 2018/11/07 00:01:56.81 eXgVFMmJo 179/542

火王「つ……剣の乙女?」

乙女「……ん~?」

火王「お、起きろ! 起きてくれ!」

乙女「…………おはよう」


火王「ではなく! 昨晩、一体何があった!?」

火王「わ、わた……お前と!?」


乙女「……まあ、良いわよ」

乙女「運命って言うのは、どう転ぶかわからないものね」クスリ


火王「さすがに爛れすぎだろう!」



おわり

229 : 以下、名... - 2018/11/07 21:17:51.01 eXgVFMmJo 180/542

書きます


大地の魔女「光の勇者よ、状況を整理しよう」

230 : 以下、名... - 2018/11/07 21:21:22.66 eXgVFMmJo 181/542

光の勇者(以下、勇者)「……まあ、そうだな」

大地の魔女(以下、地女)「どうした、嫌そうな顔をして」

勇者「お前な……楽しい話じゃないだろ」

地女「では、早速だが!」


地女「大地の魔女という美少女は仮の姿!」

地女「この俺は、魔王軍四天王が一人――地の四天王なのだ!」


勇者「楽しそうに話すんじゃねえってんだよ!!」

231 : 以下、名... - 2018/11/07 21:26:26.05 eXgVFMmJo 182/542

地女「本来の姿は、鍛え上げられた鋼の肉体を持つ男の中の男!」

勇者「女の敵の間違いだろうが」

地女「何を言う、光の勇者よ」

勇者「……あん?」


地女「俺は、ただ酔ってヤっちゃっただけなのだ」

地女「あまり人聞きの悪い表現はやめて貰おう」


勇者「どう聞いても人聞きが悪いわ!!」

232 : 以下、名... - 2018/11/07 21:29:48.11 eXgVFMmJo 183/542

勇者「酔って色々と手を出して逃げて来た奴が、よくもまあ……」

地女「まあ、何とかなるだろう!」

勇者「お前、どうしてそんなに前向きなんだよ!?」

地女「知れたことよ」


地女「……光の勇者」

地女「敵とは言え、頼りにしているぞ」


勇者「お前の、その俺への信頼は何なの!?」

233 : 以下、名... - 2018/11/07 21:34:35.98 eXgVFMmJo 184/542

勇者「姿を変えてるとは言え、魔王にはバレたんだろ?」

地女「ああ、魔王様の魔眼は欺けなかったのだ」

勇者「……お前、よく殺されなかったな」

地女「バレて影に引きずり込まれた時は、肝を冷やしたぞ!」


地女「だがまあ、今後はちょこちょこ会いに来るそうなのだ」

地女「――余とお前、二人だけの秘密だな」

地女「……と、嬉しそうに笑っていた」

地女「魔王様もお喜びのようで、俺も鼻が高いわ!」


勇者「勇者パーティーと魔王城で遠距離恋愛すんじゃねえよ!!」

234 : 以下、名... - 2018/11/07 21:40:23.38 eXgVFMmJo 185/542

勇者「っていうか、剣の乙女と火の四天王はどうするんだ!」

地女「どう、とは?」

勇者「なんでキョトンとしてるんだよ!?」

地女「何を言っている」


地女「酔っていて、俺もほとんど覚えていないのだ」

地女「それに、どちらもヤっちゃった時、俺は女の姿だった」

地女「加えて、俺が地の四天王だとは気付かれていない」

地女「まあ……女同士なら、セーフだろう! うむ、セーフ!」


勇者「放ったらかしにしとくつもりかよ!?」

235 : 以下、名... - 2018/11/07 21:45:38.21 eXgVFMmJo 186/542

勇者「それに、他にもまだ居るだろう!」

地女「ああ、だが……水の四天王ならば心配ないぞ」

勇者「いや、お前……この状況を知ったら怒り狂いそうだって」

地女「まず、間違い無く俺の命を狙ってくるだろう」


地女「――だが、案ずるな! 光の勇者よ!」

地女「お前の聖剣と光の加護!」

地女「祝福の聖女の支援と回復!」

地女「剣の乙女の圧倒的な剣技!」

地女「そこに! この俺が加われば……恐るるに足りん!」


勇者「お前、その発言最悪すぎるぞ!!」

236 : 以下、名... - 2018/11/07 21:51:17.79 eXgVFMmJo 187/542

地女「地は水に有利とは言え、万が一もあるからな!」

勇者「絶対に手は貸さないからな!?」

地女「何!? 仲間を見捨てるというのか!?」

勇者「そもそも、属性の有利不利なら風の四天王はどうするんだよ!」


地女「……あー……風の四天王か」

地女「奴はなぁ……うむむ、どうするか……」


勇者「……ん?」

237 : 以下、名... - 2018/11/07 22:01:53.07 eXgVFMmJo 188/542

勇者「なんだ、妙に歯切れが悪いじゃないか」

地女「風の四天王は、男の格好をしていただろう?」

勇者「まあ……俺達は男だと思ってたんだけどな」

地女「それでな……少し、悪いと思っているのだ」


地女「風の四天王は……体は女、心は男だったのかも知れん」

地女「だが、酔った勢いでヤっちゃってだな?」

地女「体は女、心は男……しかし、目覚めさせてしまったのだろう」

地女「この責任は……どう取るべきか……!」


勇者「お前、気遣う所おかしいぞ」

238 : 以下、名... - 2018/11/07 22:05:53.77 eXgVFMmJo 189/542

地女「おかしくはないぞ、光の勇者よ!」

勇者「いや、おかしいっての!」

地女「ええい、わからんのか!?」

勇者「わかんねえっつってんだろうが!」


地女「酔った勢いで、お前が今の俺をヤっちゃってだな」

地女「俺が、目覚めてしまったとしたら……どう思う?」


勇者「それは……なんか申し訳なくなるな」

勇者「……」

勇者「いやお前、変な想像させんじゃねえよ!!」

239 : 以下、名... - 2018/11/07 22:13:12.40 eXgVFMmJo 190/542

地女「だが、俺の言いたい事はわかっただろう」

勇者「……まあ、何となく」

地女「勇者よ……もしそうなった時、お前ならばどうする?」

勇者「……一つ、無かったことに」


「――出来ると思うかい?」


勇者地女「!?」


風の四天王(以下、風王)「やあ、御機嫌よう」


勇者地女「!!?」

240 : 以下、名... - 2018/11/07 22:18:03.87 eXgVFMmJo 191/542

勇者「か、風の四天王!?」

地女「ど、どうして此処に!?」


風王「僕は、捜し物が得意でね」

風王「君を見つけた方法は……教えられないな」

風王「だって……また、逃げた時に困るだろう?」

風王「そうは思わないかい?」

風王「――地の四天王」


地女「くっ……勇者よ、どうする!?」

勇者「ここで俺に振るんじゃねえよ!!」

241 : 以下、名... - 2018/11/07 22:25:13.72 eXgVFMmJo 192/542

風王「それと、勘違いを訂正しておくよ」

風王「僕は、元々身も心も女さ」

風王「男の格好をしていたのは……ちょっとした趣味かな」

風王「だから……ふふっ、君が気に病む必要なないよ」


地女「おおっ、そうだったのか!」

地女「ならば、良し!」

地女「感謝するぞ、風の四天王よ! 心が軽くなった!」


風王「……」


勇者「空気が重くなってんだよおおおおお!!」

242 : 以下、名... - 2018/11/07 22:31:52.35 eXgVFMmJo 193/542

風王「……地の四天王」

風王「このまま、僕と一緒に戻ろう」


地女「すまんが、それは出来ん」


風王「どっ、どうしてだい?」

風王「何か、理由でもあるのかい!?」


地女「それは……」チラッ

勇者「……」

地女「すまんが、それは言えん」


風王「っ……!」ギロッ!


勇者「……えっ?」

243 : 以下、名... - 2018/11/07 22:38:28.92 eXgVFMmJo 194/542

風王「そうか……君が、地の四天王を……!」ギロッ!


勇者「いや! いやいや待て待て! はっ!?」

地女「違う! 光の勇者は、悪くないのだ!」


風王「っ!? ゆ、勇者を庇うのかい……!?」


地女「そうではないのだ、風の四天王よ!」

勇者「そっ、そうだ! 風の四天王、勘違いはよせ!」


風王「……ふ……ふふふ」

風王「君たち……随分と、仲が良いじゃないか!」


地女「うむ、仲は良いな」

勇者「お前ちょっと黙っててくんない!?」

244 : 以下、名... - 2018/11/07 22:45:40.31 eXgVFMmJo 195/542

風王「……もう一度だけ聞くよ」

風王「地の四天王、僕と一緒に戻ろう」


地女「俺の答えは変わらん」

勇者「いやもう、帰れって! 頼むから!」


風王「ふふ……あははははっ!」

風王「こんな屈辱、生まれて初めてだよ!」

風王「……!」ギロッ!


勇者「ほらああああ!! 俺を睨んでるじゃねえかあああ!!」

245 : 以下、名... - 2018/11/07 22:52:11.31 eXgVFMmJo 196/542

風王「そうか……地の四天王、君は……」

風王「……女の、僕よりも――」


勇者「おいコラ、テメエ! 早く誤解を解け! 早ーく!!」


風王「――そこの……男の、光の勇者を選ぶんだね」


地女「む? いやいや、何を言っているのだ?」

地女「そういう意味で選ぶなら、女のお前を選ぶぞ?」

地女「それに、お前は美人だしな!」


風王「……」

風王「えっ? はっ……えっ?」

246 : 以下、名... - 2018/11/07 23:03:02.26 eXgVFMmJo 197/542

  ・  ・  ・

地女「――ふはは! 光の勇者よ、風の四天王を退けたな!」

勇者「呑気に笑ってんじゃねえよ!!」

地女「……ふっ、慌てるな」

勇者「あん?」


地女「奴は、引き際に言っていた」

地女「――君が此処に居る事は、僕の胸の中に閉まっておこう」

地女「……とな! ふっはははは!!」


勇者「お前がしでかした事がバレる心配はしてねえ!!」

247 : 以下、名... - 2018/11/07 23:11:57.50 eXgVFMmJo 198/542

地女「やはり、お前を頼って正解だったぞ!」

勇者「……腹が立つ位、お前に都合良く行ってるな」

地女「お前のお陰だ、光の勇者よ」

勇者「ぶっとばすぞ?」


地女「光の加護は、仲間をも災いから守る」

地女「……言い伝えは、やはり真実だった」


勇者「……は?」


地女「でなければ、とっくに俺の首は飛んでいるだろうからな!」


勇者「……ま、待て待て! 待て!」

勇者「この状況は、マジで俺のせいでもあるのか!?」

248 : 以下、名... - 2018/11/07 23:24:20.94 eXgVFMmJo 199/542

地女「頼りにしているぞ、光の勇者!」

勇者「やめろ! 今、俺をそう呼ぶな!」

地女「リーダー!」

勇者「! お前をパーティーから外せば――」


地女「ふはは! そうはさせんぞ!」

地女「……状況が良い感じになるまで!」

地女「この、地の四天王!」

地女「お前を道連れにしてくれるわ!!」


勇者「お前を殺――したら……俺が恨まれるもんな!!」


地女「うむ! だから、これからも――」


パァァ……ァァァ


地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」



おわり


続き
地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」【後編】


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