キョン「長門、朝倉。入るぞ?」
ガチャ
朝倉「ああっキョン君、助けて!」
キョン「・・・すぐ来てくれって言うからには何かあったとは思ったが」
ズビシッ ズバシッ
キョン「・・・説明を頼む」
朝倉「な、長門さんが・・・」
長門「ローキックが止まらない」
元スレ
長門「ローキックが止まらない」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1249211290/
キョン「それで・・・そのローキックか?何故止まらないんだ」
長門「私の中に蓄積したエラーが、運動プログラムにバグを生み出した」
ズビシッ ズバシッ
長門「現在、私の意志に関係なくローキックが繰り出される状態」
朝倉「今日家に帰ってからずっとこの調子なのよ・・・痛ッ!」
キョン「(朝倉のふくらはぎが真っ赤っか・・・)」
キョン「で、俺は何をすればいいんだ」
朝倉「取りあえず交代よ!」
キョン「は?」
ズビシッ ズバシッ
キョン「いっ痛え!やめろ長門!!」
長門「不可能、私の意志ではこの黄金の左足を止められない」
朝倉「はぁはぁ・・・私のふくらはぎも限界だったのよ」
朝倉「誰かに変わってもらわないと、ふくらはぎローキックされ過ぎ死するところだったわ」
キョン「そんな死因があるか・・・てゆーか、蹴りが予想以上に重いんだがッ」
ズバンッ ビシッ
長門「これでも情報操作で威力を最小限に弱めている」
長門「ノーセーブ状態では21バット程の威力」
キョン「何だ、その単位は」
長門「木製バット21本一撃で折れる程度」
キョン「殺す気か」
長門「誤解ナリ」
朝倉「長門さん、コロスケじゃないわよ」
キョン「でッ・・・解決策は?」
朝倉「うん、すでに手は打ってあるんだけどね」
長門「ぬんっ!」
朝倉「統合思念体に修正用のプログラムを申請したんだけど・・・」
長門「ふっ!はっ!」
朝倉「プログラムの構成に24時間掛かるらしいのよ」
キョン「24時間だと!?この状態で丸一日待てって事かよ!」
朝倉「そうなるわね・・・」
長門「ほっ!やっ!」
キョン「長門、掛け声はやめなさい。ワザとに見える」
長門「・・・すまない」
キョン「長門には申し訳ないが、一日家に閉じこもってもらうしか」
朝倉「それがダメなのよ」
長門「ローキックの対象がいなくなると、自動的に次の対象を探すシステムになっている」
キョン「一般人を巻き込む危険性があるな・・・」
ズビシッ バキッ
キョン「・・・すまん朝倉、俺も限界だ。交代してくれ」
朝倉「うん、私のふくらはぎも少しは修復できたわ」
ズビシッ ズドッ
朝倉「・・・なんか威力上がってない?」
長門「そろそろこなれてきた、私の左が」
朝倉「ッ長門さんのコンディションはどうでもいいけど、もう少し抑えられない?」
長門「これでも全力で抑制している」
キョン「明日学校だろ・・・どうするんだ」
朝倉「こッ今夜と授業中は私が耐えるわ」
朝倉「昼休みと放課後は、申し訳ないけどSOS団の皆に説明して変わってもらいましょう」
キョン「それしかないか・・・」
バキッ ズガッ
朝倉「ああもう痛ーい!!」
~翌日・昼休み~
古泉「これはこれは・・・」
みくる「ふぇぇ・・・」
ズバンッ バシッ
キョン「と、言うわけなんだがッ」
長門「・・・・・・ッ・・・・・ッ」
古泉「つまり、長門さんのバグが修正されるまで我々がローキックを受け続けるという事ですか」
朝倉「そうなのよ、お願い」
キョン「ッ!ハルヒには長門の具合が悪いから、今日の活動はナシにしてくれと頼んでおく」
長門「他の一般人に危害を加える訳にはいかない、貴方達だけが頼り」
古泉「長門さんにそこまで頼られては断れませんね」
みくる「わ、私も受けるんですか~?」
キョン「すまん、取りあえず古泉交代!」
古泉「え」
ズバンッ バキッ
古泉「うぁっ!!ぐっ!!」
古泉「なんと重い蹴り・・・これはマズイですね」
長門「めんご」
キョン「痛っててて・・・」
みくる「キョン君の足が真っ赤っかです・・・冷やしましょう」
キョン「すみません、朝比奈さん」
古泉「このローキックをあれだけ受けられたのなら仕方のな」
バキッ
古泉「もっふ!?・・・い、今のは良いのを貰いましたよ・・・」
長門「古泉一樹の足が危険・・・朝比奈みくるも変わるべき」
みくる「ややややっぱり私もですか!?」
長門「可能な限り威力は抑える」
古泉「すみません、痛ッ・・・朝比奈さん交代で」
みくる「ふぇぇ・・・わ、わかりました・・・」
長門「よしきた」
ドゴッ ガスッ
みくる「にゃがっ!?いだぁぁ!!」
ドガッ バキッ
みくる「痛いです痛いです!!!長門さん本気じゃないんですかぁ!?」
長門「そ(こ)ん(の)な(デ)事(カ)は(乳)な(が)い」
古泉「それどうやって発音してるんですか?」
みくる「ひぎぃっ!!た、立ってられないですぅ・・・」
がくっ
朝倉「朝比奈さん、かがんじゃダメよ!」
みくる「ふぇ」
ズガッ
みくる「おぶっ!?」
キョン「朝比奈さん!!」
古泉「・・・成る程、絶えずローキックを放つ長門さんの前にかがむ」
古泉「すなわちボディへのキックを受けてしまうという事ですね」
朝倉「冷静ね古泉君」
ズガッ ドガッ
みくる「ひぃ!うごっ・・・」
キョン「く、長門こっちだ!交代だ!」
長門「・・・そう(チッ)」
ドガッ
キョン「あぐっ」
みくる「き、キョンくん・・・」
ドガッ ガスッ
キョン「・・・痛くない痛くない痛くない痛くない・・・」
みくる「キョンくん大丈夫ですか?」
キョン「ははは、意識が肉体を凌駕すれば痛みなど感じないはずですYO」
古泉「んっふ、あなたも相当キてますね」
朝倉「キョン君、無理しないで・・・足が青黒いわ」
バキッ ズガッ
キョン「・・・・うぐっ・・・ひっぐ」
朝倉「・・・そろそろ授業よ、午後は私に任せて」
みくる「朝倉さん、大丈夫ですか?」
朝倉「情報操作で誤魔化しながら耐えるわよ」
キョン「すまない朝倉・・・古泉、肩貸して。教室まで送ってくれよ」
古泉「はい、教室では涼宮さんにバレないようポーカーフェイスでお願いします」
長門「がんばって」
ドスッ ドゴッ
ハルヒ「アンタどこいってたの?」
キョン「ちょっと野暮用だ」
ハルヒ「ふぅん、ねぇ今日の団活は何しようかしらね?」
キョン「今日は長門が体調悪いそうなんだ、ナシにできないか?」
ハルヒ「有希が?・・・風邪流行ってるのかしら、涼子も休みみたいだし・・・」
キョン「俺も・・・少し体調が悪いんでな、頼むよハルヒ」
ハルヒ「アンタ何、泣いてんの?・・・分かったわ、今日は休みにするわ」
キョン「(いたいよ・・・いたいよ・・・)」ジンジン
~放課後~
古泉「足がまだジンジンしますね」
みくる「うう・・・早く部室へ行きましょう」
キョン「朝倉、大丈夫か!?」
ガチャ
キョン「!」
朝倉「き、キョン君・・・がはっ」
ドガッ ボゴッ
長門「朝倉涼子を退けて、危険」
キョン「朝倉!しっかりしろ!」
朝倉「くふっ・・・良いのが入っちゃって、バランス失って倒れたらこのザマよ」
古泉「くっ、ここは僕が!」
朝倉「ご、ごめんね・・・」
ドガッ ズガッ
古泉「ぐっ・・・神人狩りよりキツイですね・・・」
キョン「そういえば朝倉、修正プログラムとやらが完成するまで後どれくらいなんだ」
朝倉「・・・17時半には完成するわ」
キョン「それまでもつか・・・」
みくる「こそこそ・・・」
バキッ ドゴッ
古泉「んっふ!・・・足の感覚が・・・」
長門「ほんまごめん」
長門「!」
長門「(・・・朝比奈みくるがいない)」
古泉「・・・すみません、限界のようです」
キョン「古泉!」
古泉「あっはは、足に力が入らなくなりました・・・これまでですね」
朝倉「ニヤケ面で言う事じゃないわよ!」
ドサッ
ドガッ ゴスッ
キョン「古泉ぃ!!俺が代わる、朝倉は早く古泉を!」
ドガッ ゴッ
キョン「あがぁ!?な、長門・・・逆の足にしてくれないか?」
長門「ローキックは左足に限定されている、不可能」
キョン「同じ足ばっかり蹴られると・・・流石にキツいぜ・・・」
朝倉「き、キョン君が逆を向くとか!」
キョン「!」
キョン「朝倉、ナイスだ!愛してるぞ!」
くるっ
古泉「・・・だ、駄目です・・・後ろは・・・」
長門「見えた」
ズバシッ
キョン「うぐぉう!?」
かくん
朝倉「ひ、膝裏!?ごめんキョン君!!」
長門「これはまずい」
ドガッ バキッ
キョン「ぐはっ!アバラが持っていかれッ!」
朝倉「キョン君ー!!」
キョン「す、すまん・・・」
がくり
朝倉「くっ、後は私と・・・朝比奈さん・・・」
朝倉「って、あれ!?朝比奈さんいないじゃない!」
長門「朝比奈みくるはさっき逃げた」
ドガッ ズガッ
朝倉「あんの未来牛め・・・痛ッ!」
ガタガタ・・・
みくる「はぁ・・・はぁ・・・」
みくる「こ、これなら・・・」
みくる「皆、待ってて下さい!」
タッタッタッタッ・・・
ドガッ バキッ
朝倉「痛ッ・・・プ、プログラム完成まで後30分・・・」
朝倉「長門さん、終わったら覚えてなさいよ」
長門「私の意志ではない、不可抗力」
朝倉「だけど2人を失ったわ・・・」
長門「すまない・・・」
ズガッ ゴキッ
朝倉「うぐっ・・・ああ・・・」
ドサ
バンッ
みくる「み、皆さん!体育倉庫から空手部のインステップガードを持ってきました、コレで・・・」
ドガッ バキッ
朝倉「うう・・・」
古泉・キョン「・・・・・・」
長門「・・・一足遅かった」
みくる「ひぃぃ!!死屍累々!!?」
長門「後はあなただけ・・・後27分、耐えて」
みくる「・・・ここからが本当の地獄・・・」
ごくり
長門「あなたが頼り・・・がんばって」
みくる「・・・こ、こいやぁぁ!」
バスンッ バシンッ
みくる「ッ・・・痛いけど、さっきよりはマシです・・・」
長門「これは期待」
みくる「いつも足手まといで・・・肝心な時役に立たない私ですけど」
みくる「今日だけは、耐え切って見せます!!」
キョン「うう・・・はっ!?」
キョン「お、俺は一体・・・ッ足が動かん・・・」
キョン「朝倉・・・古泉・・・」
キョン「そ、そうだ長門は・・・!?」
ドバシッ ゴガッ
みくる「未来人なめんなぁ!!!」
長門「セイッ!セイッ!」
キョン「あ、朝比奈さん・・・!?」
ズバンッ ガスッ
長門「残り3分・・・ラストスパート」
キョン「朝比奈さん、その防具は!?」
みくる「キョンくん見てて、みくるがキョンくんを・・・ッ皆を守る所を!」
キョン「朝比奈さん・・・素敵だ・・・」
長門「・・・」イラッ
ズドガッ ボゴッ
みくる「ひぃぃ!!い、威力が!?」
キョン「あ、あと1分・・・朝比奈さん、耐えてください!」
長門「破ッ!破ッ!」
ドガッ ドゴッ
みくる「(もう防具も役に立たない・・・ここが正念場よみくる!)」
みくる「うああぁぁぁああぁぁ!!」
長門「凄い気迫・・・(正直引く)」
キョン「残り30秒・・・ッ」
ガスッ ドゴッ
みくる「ひぎっ!・・・流石にこれ以上は・・・」
キョン「朝比奈さん・・・あ、あと10、9、8、7、6・・・」
長門「オラッ!オラッ!」
みくる「や、野郎・・・後で覚えてやがれ・・・」
キョン「3、2、1・・・」
長門「!」
長門「バグ修正プログラム完成を確認、ダウンロード」
長門「・・・・・」
キョン「・・・ロ、ローキックが止まった・・・」
みくる「ふぇぇ・・・」
長門「バグは問題なく修正された」
長門「有難う、貴方達のおかげ」
キョン「よ、良かった・・・」
長門「今回の件ではとても迷惑を掛けた・・・許して欲しい」
キョン「・・・エラーなら仕方ないだろ?」
キョン「それに、いつも長門には助けてもらってるんだ」
キョン「たまには俺達が長門を助けないとな」
長門「・・・そう」
みくる「ひぇぇ・・・」
がくり
キョン「あっ朝比奈さん!!」
みくる「安心したら力が・・・キョンくん・・・私、皆を守れたよ・・・」
キョン「ああ、そうですよ!朝比奈さん貴女が守ったんです!」
みくる「私、いつも事件が起こっても皆の力になれなかった・・・」
みくる「私の立場が弱いから、禁則だから何もできずに・・・」
みくる「でも今日は、役に立てて良かったです・・・」
キョン「朝比奈さん・・・」
みくる「・・・大好きなキョンくんを守れて良かった・・・」
キョン「!」
長門「!」
キョン「朝比奈さん、俺も貴女の事が・・・」
長門「!?」
長門「・・・・・・」イライラ
バーン
ハルヒ「やっほー、やっぱり皆いるんじゃない!」
ハルヒ「やる事ないから校内をぶらついてたら部室から凄まじい叫び声が聞こえたわ!」
ハルヒ「って、有希!あんた体調は大丈夫なの?」
ハルヒ「それに、皆倒れてどうし」
スパァンッ
ハルヒ「へぶっ!?」
グラ・・・ドサリ
長門「・・・・・・」
ハルヒ「・・・・・」
キョン「・・・長門さん?」
シュシュッ シュッ
長門「新たなバグが発生」
みくる「・・・・・・」
キョン「・・・マジかよ」
シュッ シュッ
長門「ジャブが止まらない」
終わり
246 : ◆QT2.oaXcZk - 2009/08/03(月) 01:14:22.25 +HUX80mM0 42/42
終わりです。支援してくれた人サンクスです!
色々と無茶苦茶ですけど、楽しんでもらえたら幸いだぜ!
因みに長門のジャブは高速の顎ジャブです