男「好きだ」
田舎娘「う、嬉しい……」
田舎娘「だけど、あたしなんかでいいの……?」
男「君ほど可愛い女性は他にいないよ」
田舎娘「やんだ~、そんなこといわれたら照れちまうだよ~」ドロッ…
男「あっ、鉛が出てるよ」
田舎娘「いっげねえ!」
元スレ
田舎娘「そんなこといわれたら照れちまうだよ~」男「鉛が出てるよ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1540743843/
田舎娘「あたしとしたことが、ま~た体から鉛が出ちまっただ!」ドロドロ…
田舎娘「抑えなきゃ……」
男「いや……抑える必要なんてないよ」
田舎娘「えっ……」
男「出るんなら、どんどん出すといい」ニッコリ
田舎娘「嬉しいよぉ……」
不良「ヒューヒュー!」
DQN「見せつけてくれんじゃねーかよ」
男「!」
田舎娘「!」
不良「こちとら、ナンパがうまくいかなくてイラついてたとこなんだ」
DQN「イチャつき罪で、一発ブン殴ってやるよ!」
男「……くっ!」
田舎娘「やめるだよ!」
不良「あ?」
DQN「てめえにゃ用はねえよ! 引っ込んでな!」
田舎娘「この人に手を出すってんなら、あたし戦うだ!」ドロドロ…
不良「えっ、体から鉛を……!?」
DQN「どうなってやがる!」
田舎娘「むん!」カチーン
男「全身が鉛に覆われた!?」
田舎娘「さあ、殴ってみろだ!」
不良「やってやろうじゃねえか!」バキッ
DQN「女だからって容赦しねえぞ!」ガツンッ
田舎娘「全然痛くねえだ!」
不良「かってぇ……!」ビリビリ…
DQN「いだだだだ……!」ジンジン…
不良「ちっくしょう! 引き上げんぞ!」タタタタタッ
DQN「覚えてやがれ!」タタタタタッ
男「すごいな……まさに鉛人間だ」
田舎娘「えへへ……照れちまうだ」
男「手……つなごっか」
田舎娘「うん……」
ギュッ…
田舎娘「あっ……また鉛が出てきちまうだ」ドロドロ…
男「いいんだよ、どんどん出してくれていいんだよ」
田舎娘「うん……」
男「いいムードだね……」
田舎娘「んだ……」
男「キス……しよう」
田舎娘「あれぇ~、そんなことされたらますます鉛が出てきちまうだよ」
男「いいんだよ」
チュッ…
田舎娘「あ~、やっぱりぃ~」ドロドロ…
男「だったらこの鉛を……飲んでやる」ゴクゴク…
男「いい味だ……」ゴクゴク…
田舎娘「んっ……」
…………
……
男「じゃあ、今夜はこれで……」
田舎娘「またね!」
男(ようし、近いうち必ずプロポーズしてやるぞ!)
男(しかし、この幸せな日々は長くは続かなかった……)
ある日――
男「ハァ、ハァ、ハァ……」
男(なんか……このところ体調が悪いんだよな……。体がだるくて、思うように動かない……)
男「うっ……!?」クラッ…
男(すっげえめまいがしたぞ……)
男(ちょっと……病院に行ってみるか……)
―病院―
医者「あなたの体から、通常では考えられない量の鉛が検出されました」
医者「典型的な鉛中毒ですな」
男「鉛中毒……!」
男(そんなのがあったなんて……)
男「あの……治るんでしょうか?」
医者「大丈夫です。まだ何とかなる段階でしたので」
医者「しかし、気になるのはなぜこれほどの鉛を摂取してしまったか、です」
医者「何か心当たりは?」
男「実は……」
医者「それはいかん!」
医者「あなたの恋人は……ナマリー病です」
男「ナマリー病!?」
医者「体が勝手にどんどん鉛を生み出してしまうという難病です」
医者「今後あなたは健康のために、彼女との接触を避けなければなりません」
医者「それどころか、彼女は今すぐ施設に隔離しなければならない!」
医者「あなたのような鉛中毒者を増やしてしまいますからね」
男「そ、そんな……!」
男「すまない、俺のせいで……」
田舎娘「ううん、いいだよ……」
田舎娘「こっちこそ、あたしのせいで体悪くさせちゃってごめんな……」
男「待ってて!」
田舎娘「!」
男「俺、必ず君を迎えに行くから!」
田舎娘「……ありがとう」
男(それからというもの――)
男(俺は猛勉強をした!)
男「……」カリカリカリカリカリ
男(全ては彼女を救うため、全ては彼女と再会するため――)
男(そして――)
男(俺は医者になった)
男「こんにちは」ザッ…
医者「君は……!」
男「こちらの施設にいる、ナマリー病の女性を治療させて頂きましょう」
医者「わ、分かった……彼女はこちらにいる。ついてきてくれ」
ザッザッ…
男「お久しぶり」
田舎娘「あなたは……」
男「さっそく君をオペさせてもらうよ」
田舎娘「オペ? ってことは――」
男「ああ、君をナマリー病から救ってみせる! 俺はそのために医者になったんだ!」
田舎娘「うん……お願いするだ……」
男「さぁ、この患者(クランケ)を手術室に運んで下さい!」
男「私は独自の研究で、ナマリー病の原因を発見しました」
男「彼女の体内には生まれつき、ものすごく小さい“鉛臓”という臓器ができてしまっているのです」
男「この鉛臓が無尽蔵に鉛を生み出していたのです」
医者「そうだったのか……!」
医者「つまり、それを取り除けば――」
男「ええ、ですがこの臓器はとてもデリケートで、むやみに取り除こうとすれば」
男「きっと彼女はショック反応を起こし、死んでしまうでしょう」
医者「な、なんだって!?」
医者「それじゃあ、手術なんて無理じゃないか!」
男「いえ……私なら可能です」
男「私なら、彼女に刺激を与えずに“鉛臓”を取り除ける!」スッスッ…
医者(おおっ、なんという繊細なメスさばき!)
医者(まるで手術というより……芸術作品を見ているようだ!)
男「……」スッスッ…
男「ふうっ……」
医者「どうだね!?」
男「手術……成功です。ちなみにこれがその“鉛臓”です」ポトッ
医者「なんと小さい……! 長年原因が分からなかったわけだ……!」
男「さぁ、あとは患者が目覚めるのを待ちましょう」
田舎娘「ん……」
田舎娘「あたしは……」
男「やぁ」
田舎娘「あっ……!」
男「すみずみまで身体検査したが、君の体はもう完治したよ」
男「二度と君の体から鉛が出ることはないだろう」
田舎娘「ありがとう……」
男「これで……長年伝えられなかったことを、やっと伝えられる」
田舎娘「?」
男「結婚しよう」
田舎娘「……!」
田舎娘「はいぃ……」
田舎娘「こんなこといわれたら、あたし嬉しすぎておかしくなっちまうだよ~!」
田舎娘「あっ、訛りが出ちまっただ! みっともねえだ!」
男「いいんだよ。鉛は出ちゃダメだけど、訛りは出ていいんだよ」ニッコリ
おわり