1 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:04:01.54 awf4bEIj0 1/28


2/23 夜

浪人生「ついに、国立の前期かぁ……。」

浪人生「不安だ……。経済的に二浪はできないし……。」

浪人生「去年の悪夢がフラッシュバックする……。」

浪人生「……。」

浪人生「……いや、大丈夫、大丈夫。今日のために一年間がんばったんだ!」

浪人生「ゲーム、友達との遊び、いろんな誘惑を耐え抜いてきた!」

浪人生「周りの浪人生が付き合ったり、酒飲んだりしてる間に、必死に勉強してきたんだ。自分を信じて……ん?」


浪人生「>>4からメールだ!」

内容 >>8



元スレ
浪人生「大丈夫、大丈夫。」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361793841/

4 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:06:47.93 gdT+RFCt0 2/28


ばあちゃん


8 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:08:54.12 q/1MYEjST 3/28


私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です


10 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:15:52.62 awf4bEIj0 4/28


浪人生「ばあちゃんからだ……。応援かな?」

浪人生「今年は本当にお世話になったな……。ぜひ合格して恩返ししなくちゃ!」

浪人生「迷惑かけたぶん、いいところに就職して安心させてあげたいなぁ。」

浪人生「……みてみよう。」


タイトル:孫へ

本文:私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です


浪人生「え……。」

浪人生「……。」

浪人生「……えっ!?」


11 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:27:12.31 awf4bEIj0 5/28


浪人生「そんな……。」

幼い頃に両親を亡くした俺は、ばぁちゃんに育てられた。

ただでさえ少ない年金の額。
それなのに、部活も、高校も、予備校さえも通わせてくれた。

なんでこんなババァと暮らさなきゃいけないいだ!
そんな風に反発した時も会った。

だけど、ばぁちゃんはいつでも笑顔で
俺のことを受け止めてくれて……。

浪人生「いきなりどうしたんだろう……。」

浪人生「どうしよう……。」

浪人生「今からでも行きたいけど、受験できなくなっちゃう。」

浪人生「でも、ばぁちゃんが……。」

どうする?>>14

1.ばぁちゃんに会いにいく
2.メールで心配する
3.邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁとメールする
4.無視する
5.その他


14 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:38:42.70 mzjh5ODi0 6/28


3


16 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:45:39.54 awf4bEIj0 7/28


浪人生「……いや、やっぱりやめとこう。」

浪人生「明日のために、すべてをかけてきたんだ。」

浪人生「てか、それぐらい、ばぁちゃんもわかってるはずだろ!」

浪人生「……なんか腹たってきた。」

浪人生「こうなったら……。」


タイトル:うるせぇ!

本文:邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁ!

浪人生「……ったく、ばばぁのメンヘラなんて需要無いだろ……。」

結果は>>19

1.返信きた(内容も)
2.音沙汰なし
3.そのた


19 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:51:14.61 hL0FF13S0 8/28


実は浪人生を試すための神からのメールだった


21 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 21:59:16.92 awf4bEIj0 9/28


浪人生「……ん?返信か?全くいい加減にしてくれよ……。」

浪人生「えっと、開封で……って、うわぁ!?」

開封をおした刹那。
俺のiphoneが光り始めた。
目もくらむ様な閃光の中、意識が遠のいていく……。

気がつくと、一様に白な神々しい世界。

浪人生「いたた……って、ここは?」

???「受験を戦い抜く戦士よ……。我を刮目せよ!」


23 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:09:50.19 awf4bEIj0 10/28


浪人生「誰だ!?お前がこんなとこに連れてきたのか!?早く返せ!!」

???「落ち着いて話を聞くのだ、若者よ。」

???「その早計な貴様の性格が、去年の悪夢を生み出したのは理解しているはずだ。」

???「冷静になれば、計算ミスなどしなかったものの……。」

???「sin^2θとsin2θを読み間違えるとは・・・。」

浪人生「お前には関係ないだろ!って、なんでそんなことを……?」

浪人生「一体、何者だ!?」

???「我は受験を司る神。すべての受験生を監視し、その適性を見定める“天空の面接官”だ。」

浪人生「なんだって!?」

「先ほどのメールは、貴様を試させてもらった。」

「受験の神として、貴様に“合格者”の素質があるのかをな……。」

「そして、その結果は>>26だ!(理由も)」


26 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:17:51.86 UgzvliFF0 11/28


不合格
顔がタイプじゃない


28 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:24:48.48 awf4bEIj0 12/28


「そして、その結果は不合格だっ……!!」

「残念だったな、貴様には十分な素質がない。」

受験生「……くっ!」

受験生「そんなの納得できねぇ!!」

受験生「俺はこの一年間、誰よりも勉強してきた自信がある!!」

受験生「チャートもやりこんだし、ターゲットもボロボロになるまで暗記した!!」

受験生「理由を……納得できる理由をくれ……。このままじゃ……。」

「顔だよ」
受験生「え?」

「だから、顔。」

「タイプじゃないんだよ、貴様。」


29 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:33:38.59 awf4bEIj0 13/28


浪人生「……。」

「顔を直して出直せ、若者」

「顔。顔。顔だよ、顔。」

浪人生「……ざけんな。」

「あ?」

浪人生「ふざけんなって言ってんだよ!!」

浪人生「いくら神だからって、そんな横暴許されるかよ!」

浪人生「確かに、俺の顔はお世辞にもかっこいいとは言えねぇ……。」

浪人生「でも……だからこそっ!」

浪人生「受験ってのは、容姿が足りなくても、運動ができなくても!」

浪人生「勉強という努力は、誰にだってできる!!」

浪人生「自分のチカラでつかみ取れる!!」

浪人生「どんな奴にだって与えられる、最後のチャンスなんじゃないかよ!!」

浪人生「答えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


30 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:40:32.65 awf4bEIj0 14/28


「……。」

浪人生「それとも何だよ……。」

浪人生「生まれた時に、すべてが決まってるってか?」

浪人生「全ては運ですってか!!」

「……。」

浪人生「……確かに、そういう部分はある」

浪人生「人生、自分だけじゃ何もできないことも多い。」

浪人生「俺だって、現役の時に講習や予備校に行けていたら……って、思うときもあったよ……。」

浪人生「両親が生きてたら……、こんなババァに育てられなければって……。」

浪人生「でも、全部仮定の話だ。」

浪人生「幻想だ。言い訳だ。」


31 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:45:34.23 awf4bEIj0 15/28


浪人生「所詮、俺たちは無力だ。なんて諦めても。」

浪人生「今あるものの中で生きていかなきゃならねぇ。」

浪人生「それでも、どんなに貧しくても。」

浪人生「俺はここまで来られた。」

浪人生「先生、友人、ばぁちゃん。天国の両親。」

浪人生「みんなの支えがあってここまで来れた……。」

浪人生「だから、俺は証明しなくちゃなんねぇ!」

浪人生「こんな俺でも合格できるっ!!」

浪人生「自分のために、みんなのために。」


32 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 22:52:52.78 awf4bEIj0 16/28


浪人生「だから、俺の前に立ちはだかる者は」

浪人生「軍隊だろうと、悪魔だろうと!」

浪人生「たとえ、神だろうと容赦なく叩き潰す!!」

「……。」

「……。」

「……ふっ。」

浪人生「……なっ!?」

「……ふふっ…ははは……っ…………ははははははははは!!」

「あははははははははははははははははははははは!!!!」

浪人生「何がおかしい!俺は『 「いい顔してるじゃねぇか。」 』…え?」

「顔だよ、顔。」

「今のお前の顔、タイプだよ。」


35 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:04:19.63 awf4bEIj0 17/28


「くくっ……大人しそうな顔して、貴様、なかなか言うではないか!!」

「よかろう……。気に入った!」

浪人生「ホントか!?じゃぁ……!!」

「ただし、あくまでもチャンスだ。」

「すぐに合格というわけにはいかない。」

「ただし……」

「貴様の言うとおり、誰にも負けない努力をしたなら。」

「それだけの力があるなら。」

「きっと、手に入れられるだろうよ。」

「サクラはサクはずだ。」


36 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:12:40.68 awf4bEIj0 18/28


「それでもいいなら……」

「元の世界に戻してやる。」

「どうだ?」

浪人生「……。」

浪人生「……。」

浪人生「……わかった。」

浪人生「必ず証明してやるよ。」

浪人生「このチャンス無駄にはしねぇ。」

浪人生「自分を信じて、掴み取ってみせる。」

浪人生「だからさ……。」

浪人生「合格発表、ちゃんとみてろよな!!」

「…はははは…あはははははははっ」

「くくっ……生意気な。」

「まぁ、いい。楽しみにしてるぞ。」

「せいぜい足掻くことだ。」


38 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:19:02.69 awf4bEIj0 19/28


「さてさて……。」

「そろそろ……時間だな。行くぞ、若者よ。」

浪人生「……。」コクッ。

受験の神の右手が、不思議なオーラをまとい始める。
それは徐々に大きくなり、周囲の空間を取り込んでいく。

「それでは!!さらば!!」

再び、光に包まれ視界が霞んでゆく。
薄れゆく意識の中で、誰かが微笑んでるのが見えた。

暖かくて、心地よい温もり……。

……。



「必ず、できるはずだよ。大丈夫、大丈夫。」



……。

気がつくと、もとの世界に戻っていた。
確認してみたが、
メールは友達の応援だけで、あのメールは届いていなかった。


41 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:32:29.28 awf4bEIj0 20/28


光はやがて霧散し、空気に溶け込む。

「これでよかったのですか?」

浪人生が消え去った不思議な世界に、
受験の神がポツリと、溜息とともに漏らす。

???「えぇ、あの子ならきっと大丈夫です。」

「こんな試すような前をしなくても……。」
「一言、声をかけてあげるだけでも違ったのでは……?」

???「信じていましたから。それに……。」

「それに……?」

???「……いや、なんでもないですよ。」

???「さて、本来の世界に戻りましょうか。」

???「向こうで待っているだけなのも可愛そうですから。」

「しかし……。」

???「神様?エスコートお願いしますね。」

「……喜んで。」

そういって、手を取り二人も、希薄な大気の中に溶け込んでいった。


42 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:38:41.24 awf4bEIj0 21/28


2/25 朝

今日は、ついに受験だ。

やっと……ここまでたどり着いた。

あの不可思議な体験が現実だったのか、夢だったのか。
確かめる術は、ない。

でも、あの出来事のおかげで
迷いを断ち切ることができた。

もう、どんなことがあっても揺らぎはしないだろう。

受験会場に着くと、皆そわそわしていた。
無理もない。たった一度の試験で人生が変わるのだ。


45 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:45:17.38 awf4bEIj0 22/28


友人と話している受験生も目立つ。
後ろのグループでも知り合い同士なのだろうか。
会話の内容がちらほら聞こえる。


現役生A「ぜってー、浪人なんてしたくねぇよなwww。」

現役生B「わかるわwww。人生最大の汚点だろwwwwww。よくまたここまで来れるよなww。」

現役生C「てか、浪人するくらいならこんなカス大学受けねぇわwww。」

現役生A「浪人生(笑)」


46 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:51:06.83 awf4bEIj0 23/28


以前の自分なら、どうだっただろうか?

怒りに身を悶えながら、
歯を食いしばっていたかもしれない。

羞恥心から、固まってしまっていたかもしれない。

でも、今は違う。
確固たる信念があり、夢があり、理想がある。
全く気にならないわけではないが
心は不思議と平穏だった。

それに、彼らの気持ちも痛いほどわかるから。


47 : 以下、名... - 2013/02/25(月) 23:57:23.03 awf4bEIj0 24/28


みんな不安なのだ。

人生で初めて、たった一人。
乗り越えなくてはいけない、最初の試練。
それは、かつて経験したものでも、
いや、だからこそ
足が震え、動揺し、恐れおののく。

そんな不安をかき消したくて、
自分を維持したくて
周りを中傷する。

決して褒められることじゃないが、自然な反応。
人間の防御本能。

それが痛いほどわかるから、
俺は傷つかない。


48 : 以下、名... - 2013/02/26(火) 00:00:35.63 Ba9cN/fR0 25/28


浪人生「それに、俺は一人じゃないもんな。」

心の中でつぶやく。

試験官「よーい、始め。」

運命の時が来た。

俺は微笑み、ひと呼吸して、問題用紙をめくった。


51 : 以下、名... - 2013/02/26(火) 00:08:48.24 Ba9cN/fR0 26/28


4/? 入学式

学長「えー、我が大学は伝統と……。」

新入生「……ふぅ。話が長いのは大学でも変わんないのか。」

新入生「ばぁちゃん、寝ちゃいそうだなぁ……。」

新入生「……。」

新入生「……もし、一緒に来られてればなぁ。」

新入生「向こうに行くのは、もう少し待って欲しかったぜ。」

新入生「……畜生。」

俺が不可思議な体験をしたあの日。
ばぁちゃんは亡くなった。


54 : 以下、名... - 2013/02/26(火) 00:14:53.08 Ba9cN/fR0 27/28


だいぶガタが来ていたらしい。

俺が出発したあとすぐに入院したみたいだ。
叔父さんたちが俺に知らせようとしたのを
ばぁちゃんは必死で止めた。

あの子の邪魔はしたくない。
せめて最後くらいは、邪魔したくない、と。

新入生「一緒に、入学式行こうって言ったじゃねぇか……。」

新入生「俺の夢を……邪魔すんじゃねぇよ、……ばばぁ。」


57 : 以下、名... - 2013/02/26(火) 00:23:42.78 Ba9cN/fR0 28/28


新入生「……。」

新入生「なぁ、天国から見てるか?」

新入生「もしかしたら、母ちゃん、父ちゃんと一緒にいるのかな?」

新入生「まさか、受験の神様とも会ってたり…なんて。はは。」

新入生「……。」

新入生「安心して眠ってくれ。」

新入生「こっちの方は任せろ。」

新入生「だって、ばぁちゃんの自慢の孫だからなっ!!」」

新入生「それに……
―――――――――――――――――――――――――

「それに……心の中で生きていますから。

……これから、どんなに辛いことがあっても

大丈夫、大丈夫。」

―――――――――――――――――――――――――


おわり


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