1 : 以下、名... - 2018/10/19 22:46:17.68 u9VAKemd0 1/35

聞き間違えかと思った。

すっかり秋めいた十月中旬、ある朝の執務室で――。

私は秘書官と仕事をしていた。本部に送る資料をまとめていたのだ。

その合間、お茶でも飲もうかと提案した時のことだった。

吹雪は茶菓子を用意しながら、何気ない様子で振り返ると、

「司令官ってアナル弱そうですよね?」

私に向かってそう言ったのだ。

元スレ
吹雪「司令官ってアナル弱そうですよね?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1539956777/

2 : 以下、名... - 2018/10/19 22:47:56.79 u9VAKemd0 2/35

提督「な……」

提督「何を……」

提督「どういう、意味だ……?」

吹雪「えー? 言葉通りの意味ですよー」

吹雪「司令官ってアナル弱そうだなあって思って」

吹雪「よくそう言われません?」

3 : 以下、名... - 2018/10/19 22:51:09.16 u9VAKemd0 3/35

言われるも何も、アナルという単語を聞くこと自体初めてだった。

まさかそれを口に出して言う者がいるとは――。

そしてそれが他ならぬ秘書官であることに、私は大いに狼狽していた。

吹雪「睦月ちゃんたちとよく話をするんですけど」

吹雪「みんな同じように言ってますよ?」

吹雪「司令官はアナルが弱そうだ。司令官はお尻が弱そうだって」

吹雪「自分ではそう思わないんですか?」

提督「思うわけがないだろう!」

4 : 以下、名... - 2018/10/19 22:55:57.87 u9VAKemd0 4/35

提督「なんだ、その下劣な話題は!」

提督「いつからそのような言葉を口にするようになった!」

提督「仮にも執務時間中、上官に向かって下ネタを振るだと!?」

提督「艦娘ともあろう者が……恥を知れ!」

私は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。

突如として現れた非日常、その侵食を恐れたのだろうか。

柄にもなく激昂し、激しい言葉を吹雪に叩きつけたのだが――。

5 : 以下、名... - 2018/10/19 22:58:49.57 u9VAKemd0 5/35

吹雪「…………」

吹雪「えー、でもぉー……」

吹雪「司令官って絶対にアナルが弱い」

吹雪「私、そう思うんですよね……?」

提督「~~~~~~~~っ!」

背筋におぞ気が走った。

ひょっとすると彼女なりの冗談だったのかもしれない。

場を和ませようと、そういった話題を振っただけなのかもしれない。

6 : 以下、名... - 2018/10/19 23:00:23.00 u9VAKemd0 6/35

しかし、あの目だ。妖艶にも感じられるあの目。

笑いながら私を見る、確信と優越感に満ちた吹雪の目。

そこに妖しげな光を感じ、私はたまらず執務室から飛び出していった。

吹雪「…………」

吹雪は最後まで微笑んでいた。

それが私には、なぜか無性に恐ろしかった。

7 : 以下、名... - 2018/10/19 23:05:05.98 u9VAKemd0 7/35

あの一件から数日が経過した。

吹雪を秘書官から外し、直接的な話題が続くことはなかったが――。

注意深く気にしてみると、鎮守府の雰囲気がおかしいことに気がついた。

睦月「……絶対……そうだよ……」

夕立「……弱い……っぽい……」

第一に、ささやき声が気になるようになった。

以前は気にも留めなかったのだが、それがなぜか気にかかる。

8 : 以下、名... - 2018/10/19 23:07:28.59 u9VAKemd0 8/35

こちらをうかがいながら、くすくすと楽しそうに笑いながら――。

駆逐艦たちは、一体、何を話しているのだろうか?

知るのが怖く、私はあえて気がつかないふりをしていた。

9 : 以下、名... - 2018/10/19 23:14:34.63 u9VAKemd0 9/35

また、駆逐艦たちによる接触も気になるようになった。

島風「どーん!」

提督「うおっ!?」

雪風「隙ありです!」

提督「こ、こらっ! 待ちなさい!」

後ろからぶつかり、たまにカンチョーなどをしかけるいたずらっ子たち。

彼女らの天真爛漫さには、微笑ましいものがあると思っていたが――。

10 : 以下、名... - 2018/10/19 23:16:31.90 u9VAKemd0 10/35

吹雪「ねえ、どうだった……?」

島風「うん、えっとねー……」

雪風「あれは絶対……」

吹雪「だよね……?」

島風「うん……」

クスクス……

提督「…………!」

11 : 以下、名... - 2018/10/19 23:19:20.80 u9VAKemd0 11/35

島風たちが消えた方、曲がり角の向こうで――。

やはり笑いとささやき声が聞こえていた。

それは私の何かに関する話題のようで、

提督「くっ……!」

たまらず私はその場から逃げ出していた。

12 : 以下、名... - 2018/10/19 23:25:54.64 u9VAKemd0 12/35

それからも事態が好転することはなかった。

非日常は非日常のまま、駆逐艦たちは私に好奇の視線を浴びせ続けた。

巡洋艦たちは落ち着いたものだったが、その平静さが逆に恐ろしかった。

提督(異常を異常と認識できていない……!)

精神汚染の線も十分に考えられた。

13 : 以下、名... - 2018/10/19 23:34:48.19 u9VAKemd0 13/35

不安のまま漠然と過ぎていく日々。

しかし、私は策もなしにただ待っていただけではない。

帰ってくるのだ! 主力艦隊がもうすぐここに帰ってくる。

そうなれば形勢は逆転だ。力づくでも駆逐艦を止め、メンテナンスに回すことができる。

14 : 以下、名... - 2018/10/19 23:35:56.25 u9VAKemd0 14/35

何があったのかは分からないが、それでこの問題は解決だ。

そう信じてひたすら待ち、私はついにその時を迎え――。

長門「帰還したぞ、提督」

提督「おお!」

提督「よく帰ってきてくれた!」

15 : 以下、名... - 2018/10/19 23:38:49.42 u9VAKemd0 15/35

長門「なんだ、どうした」

大和「ふふっ。そんなに私たちに会いたかったのですか?」

金剛「提督からのラブを感じまーす!」

提督「うん、うん、待ち遠しかったぞ……!」

赤城「あれ?」

加賀「何か様子がおかしいですね」

16 : 以下、名... - 2018/10/19 23:41:53.53 u9VAKemd0 16/35

赤城「何かあったのですか?」

提督「いや、実はだな」

提督「口に出すのもはばかられるが」

提督「駆逐艦たちがおかしなことを言い出して……」

~説明中~

提督「ということがあったのだよ」

赤城「はあ、それは何というか……」

長門「実に馬鹿げているな」

17 : 以下、名... - 2018/10/19 23:44:25.83 u9VAKemd0 17/35

提督「そう思うだろう? みんなもそう思うよな!?」

加賀「ええ、まあ」

大和「そ、そうですね」

提督「良かったぁ~……!」

おかしかったのは吹雪たちの方だった。

自分は何もおかしくない。自分は何も間違ってはいない。

それを確認した私は、心の底から安堵の息を吐き出して――。



大和「だって、分かり切ったことですものね?」



提督「…………え?」

18 : 以下、名... - 2018/10/19 23:48:26.26 u9VAKemd0 18/35

長門「提督のアナルが弱いだなどと、噴飯ものだな」

大和「そうですよねえ。弱いわけがありません」

金剛「提督のアナルはベリーストロングに決まっていマース!」

加賀「私たちの指揮官なのですから」

赤城「ちょっと考えれば分かることですよね?」

提督「え、え……?」

20 : 以下、名... - 2018/10/20 00:03:36.61 Rc8P5SXd0 19/35

長門「この程度、常識だと思っていたのだがな」

加賀「上官の能力を疑うなど、艦娘としてどうかと思うわ」

赤城「でも、仕方ないんじゃありませんか?」

長門「どういうことだ?」

赤城「だってあの子たちは幼いじゃないですか」

赤城「私たちの当たり前も、彼女らにとって同じとは限りません」

長門「むう……」

21 : 以下、名... - 2018/10/20 00:05:19.12 Rc8P5SXd0 20/35

長門「ならばどうする? 一から教えろと言うのか?」

赤城「いえ、それには及びませんよ」

赤城「証明すればいいのです」

赤城「提督のアナルが強いと分かれば、彼女らも落ち着きますよ」

長門「なるほど!」

22 : 以下、名... - 2018/10/20 00:07:37.37 Rc8P5SXd0 21/35

大和「一目瞭然というものですね」フフッ

金剛「ナイスアイディアデース!」

加賀「では、私がみんなを集めましょう」

赤城「あっ、加賀さん! 私も手伝いますよ!」

長門「提督は執務室でゆっくりしていてくれ」

長門「準備が整い次第、声をかけるからな?」

提督「あ……あ……あ……!?」

23 : 以下、名... - 2018/10/20 00:12:02.68 Rc8P5SXd0 22/35

狂っている!

原因は分からないが、艦娘たちは全員狂ってしまっている。

もうここに私の味方はいない。どこか別の場所に助けを呼ぶしかない。

そう決めた私は慌てて執務室に駆けこんだが――。

提督「通信機が壊されている……!?」

何もかもが、もう手遅れだったのだ。

24 : 以下、名... - 2018/10/20 00:19:23.58 Rc8P5SXd0 23/35

ワァァァァァァァ……!

長門「さあ、待たせてしまったな!」

長門「いよいよ実証の開始だ」

長門「分かり切ったことではあるが……」

長門「提督のアナルについて、これから強弱を図ろうと思う!」

長門「これから提督の尻穴に一式徹甲弾をねじ込んで」

長門「その様子を以って強いアナルの証明としたい」

ワァァァァァァァ……!

25 : 以下、名... - 2018/10/20 00:22:55.93 Rc8P5SXd0 24/35

長門「さあ、提督。準備はいいか?」

長門「すぐにも徹甲弾をねじ込んでやるぞ」

提督「待て! 長門、止めてくれ!」

提督「徹甲弾はそう使うものではないんだ!」

提督「尻穴も物を入れるようにはできていない!」

提督「今すぐこんなことは止めるんだ!」

長門「ふむ……」

26 : 以下、名... - 2018/10/20 00:25:09.09 Rc8P5SXd0 25/35

長門「何を言い出すかと思えば」

長門「そのような態度が駆逐艦たちを不安にさせていたのだな?」

提督「なっ!?」

長門「合点がいった。これは益々証明の必要性が高まった」

提督「待て! 違う! 違う!! それは!」

長門「ぐずつくな、提督」

長門「あまりそのようなことを言っては」

長門「ケツの穴が小さいと言われてしまうぞ?」ハハ

提督「あっ、あっ、ああああ~~~~~!?!?!?」

27 : 以下、名... - 2018/10/20 00:31:01.02 Rc8P5SXd0 26/35

めり込んでくる。一式徹甲弾がめり込んでくる。

割れんばかりの歓声の中、私は金属の冷たさだけを感じていた。

講堂の床が見える。四つん這いになった自分の手足が見える。

そして周りを取り囲む艦娘たちの脚。

それは密集する木々にも見えて、逃げ道はどこにもないように感じられた。

28 : 以下、名... - 2018/10/20 00:34:06.34 Rc8P5SXd0 27/35

ヌッ……。

提督「うああっ!?」

来る! いよいよ突き入れられる!

戦艦の装甲すら貫く徹甲弾、その先端が尻穴の中に入り込んでくる!

しかし、しかし、私はただの人間なのだ――!

私の尻穴は鋼鉄製ではない。柔らかな肉であり、それはわずかな刺激でも容易く出血してしまうのだ。

ましてや相手は徹甲弾、私の尻穴は悲鳴を上げて、あえなくその身を引きちぎられ――。

29 : 以下、名... - 2018/10/20 00:35:13.12 Rc8P5SXd0 28/35

ヌッ……。

ヌヌッ……。

グッ……。

グググッ……!



ブツッ……。

30 : 以下、名... - 2018/10/20 00:41:39.48 Rc8P5SXd0 29/35

長門「なっ……!?」

大和「えっ……!?」

赤城「そんなっ……!?」

聞こえたのは戸惑いの声。

それも一声、二声で終わってしまい、あとには沈黙だけが残された。

艦娘たちは私の尻穴を見ている。限界まで拡張され、すぐにも出血に至った「弱いアナル」を――。

31 : 以下、名... - 2018/10/20 00:44:26.46 Rc8P5SXd0 30/35

大和「提督……どういうことですか?」

大和「なんでこの程度で音を上げるのですか?」

提督「や、大和……」

大和「提督は私たちを騙していたのですか!?」

大和「こんな弱いアナルで! 強いアナルだと偽っていた!!」グイイッ!

提督「あああっ!?」

32 : 以下、名... - 2018/10/20 00:46:22.51 Rc8P5SXd0 31/35

大和「許しませんよ、提督……」

大和「この裏切りを許すことはできません……」

大和「かくなる上はアナルを鍛え……」

大和「私たちに相応しいアナルにしてあげます!」グイイイイッ!

提督「ひいいいっ!!」

33 : 以下、名... - 2018/10/20 00:48:09.82 Rc8P5SXd0 32/35

中途半端に潜り込んだ徹甲弾、それを揺すられ悲鳴を上げる。

しかし、そんな私を見る艦娘たちの視線は冷たい。

軽蔑、侮蔑、冷ややかな感情が彼女らの顔には浮かんでいる――。



いや、違う。それだけではない。

中には嬉しそうに、楽しそうに私を見つめる者もいた。

34 : 以下、名... - 2018/10/20 00:53:30.06 Rc8P5SXd0 33/35

吹雪「ふ、ふふふ」

吹雪「うふふふふふ……!」

吹雪「あはっ、あはぁー♪」

吹雪「ほら、司令官。私の言った通りじゃないですか!」

吹雪「司令官はアナルが弱そうだって……」

吹雪「うふ、うふふ」

吹雪「私が見抜いた通りでしたね?」

35 : 以下、名... - 2018/10/20 00:57:13.92 Rc8P5SXd0 34/35

吹雪「証明する必要なんてなかったんです」

吹雪「だって司令官はアナルが弱いんですから」

吹雪「ふふっ、ふふふっ」

吹雪「でも安心してください。私たちは軽蔑したりしませんよ」

吹雪「むしろ、守ってあげたい、尽くしてあげたいって気持ちが高まりました」

吹雪「だから、もしも強いアナルになれなくっても……」

吹雪「私たちは最後まで貴方を守りますよ」

吹雪「ね?」

吹雪「クソ雑魚アナル提督さん♪」

36 : 以下、名... - 2018/10/20 00:59:54.76 Rc8P5SXd0 35/35

戦艦たちの怒りの声。空母たちの嘆きの声。

そして吹雪の笑い声を聞きながら、私はゆっくりと気を失っていった。

これから私はどうなるのだろう。艦娘たちに一体何があったのだろう。

それさえ分からないまま、ただ尻穴に徹甲弾を突き立てたまま――。

私はまどろみの底へと沈んでいった。

~完~

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