1 : 以下、名... - 2018/07/25 21:13:20.50 HfQ+yNW40 1/21

めぐみんばかり贔屓してはいけないと義憤に駆られ、今作はダクネス視点での物語となります。
そうした作風や卑猥な表現が苦手な方は、くれぐれもご注意ください。

それでは以下、本編です。

元スレ
ダクネス「せ、せめて、胸を揉むとか……」カズマ「おかまいなく」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1532520800/




※汚い表現があるため、閲覧注意です



2 : 以下、名... - 2018/07/25 21:14:55.64 HfQ+yNW40 3/21

私の名は、ダクネス。
クルセイダーを生業としている者だ。
防御には自信はあるが、攻撃はからきし。
どれだけ剣を振るおうが、全く当たらん。
それ故に、いつも仲間に苦労をかけていた。

カズマ「ちょっとは攻撃を当てろよ!」

ダクネス「す、すまない……次こそは、必ず」

カズマ「次も何も当たった試しがないだろ!」

ダクネス「うぅ……何でもするから許してくれ」

クエストの帰り、私は叱られていた。
叱っているこの男は、サトウカズマ。
私のパーティのリーダーで、黒髪の青年だ。
攻撃が当たらないせいで、戦闘は大苦戦。
その尻拭いをするのは、いつも彼だった。
そんなカズマは私の謝罪を受けて、不意に。

カズマ「ん? 今、何でもするって言ったか?」

その、まるでつい今しがた名案を閃いたかのような口調で確認され、私は迂闊だったと悟る。
こんな時だけは、本当に耳ざとい奴だ。
しかも、自らの欲望に忠実でタチが悪い。
どうせあられもないことを要求するのだろう。
それが、この男の駄目なところであり。
同時に、私好みのタイプであるとも言えた。

ダクネス「くっ……! やむを得ん……何でも言ってみろ! どんな要求でも、私は飲んでやる!」

するとカズマは、私にこんな要求をしてきた。

3 : 以下、名... - 2018/07/25 21:17:30.97 HfQ+yNW40 4/21

ダクネス「なあ、カズマ」

カズマ「なんだよ、ダクネス」

場面は変わって、ここは私の部屋だ。
戦闘での不手際の責任を取らされている。
ではどのように責任を取らされたかというと。

ダクネス「ほ、本当に、これ以上何もしないのか? それはそれで、かなり辛いんだが……」

カズマ「しないよ」

ダクネス「しかし、抱きつくだけなんて……」

私は今、カズマに抱かれていた。
しかも、ベッドの上で、だ。服は着たまま。
カズマが上で私が下だ。彼が覆い被さる格好。
仰向けで、股の間にカズマの腰を挟んでいる。
カズマはうつ伏せで、私を抱きしめていた。
それはいろいろと、たまらない体勢だった。
しかし、カズマはさっきから微動だにしない。

ダクネス「せ、せめて、胸を揉むとか……」

カズマ「おかまいなく」

ダクネス「キス、するとか……」

カズマ「間に合ってます」

さっきからずっとこんな調子なのだ。
私の胸に顔を埋めて、抱きしめるだけ。
それ以上は一切、何もしてこない。
クエストの帰りに告げられた要求が、これだ。

『気が済むまで、抱かせろ』

その要求に胸を高鳴らせた私は、愚かだった。

4 : 以下、名... - 2018/07/25 21:20:42.09 HfQ+yNW40 5/21

彼に抱かれながら、窓の外を眺める。
今日は晴天で、澄んだ青空が眩しい。
天空を舞う渡り鳥の群れが美しかった。
時間はゆっくりと流れて、ドキドキしている。

白状すると、私はカズマのことが好きだ。

しかし、その気持ちは封印している。
他にもこいつを好きな者がいるからだ。
それはよりにもよって、仲間のめぐみん。
爆裂魔法しか習得していない変わり者のアーク・ウィザードだが、小柄で顔立ちは可愛らしく、何より愛嬌があって魅力的な美少女だった。

それに比べて、私ときたら。

ダクネス「はあ……」

思わず、ため息が溢れた。
私はちっとも愛嬌がない。
おまけに背が高く、庇護欲も唆らない。
だからきっと、駄目なのだろう。
だからきっと、彼は何もしてくれないのだ。

ダクネス「可愛く、なりたいな……」

思わず呟いてから、しまったと我に返る。
油断した。聞かれてしまっただろうか。
もし聞かれていたら、絶対に馬鹿にされる。
もうひとりの仲間である宴会芸が得意なアーク・プリーストのアクアや、先程紹介しためぐみんにすぐさま言いふらされてしまうだろう。

ダクネス「い、今のは、その……」

なんとか誤魔化そうと必死に言い訳を考えていたのだが、どうやらその心配は杞憂だった。

ダクネス「なんだ、寝てしまったのか」

すやすやと、規則正しい彼の寝息が聞こえて。
どっと、疲れた。緊張した私が馬鹿みたいだ。
こっちはこんなにも、ドキドキしているのに。

やはり私には、魅力が全くないらしい。

6 : 以下、名... - 2018/07/25 21:25:42.97 HfQ+yNW40 6/21

すっかり熟睡しているカズマの髪を撫でる。
直毛の黒髪は、少々ごわついていた。
たまには櫛のひとつでも入れたらいいのに。
とは思うが、こいつはこれでいいのだろう。

なにせ彼は冒険者だ。身なりなど頓着しない。
聞けば、どこか遠い地からやってきたという。
目的は、嘘か真かはわからないが、魔王討伐。
まるで、英雄譚の勇者のようなプロフィール。

とはいえ、彼は弱かった。とても弱い。
職業はそのまま冒険者であり、最弱職。
武器や装備はどれも貧相で量産品である。
特別な魔法が扱えるわけでもなく、ステータスも貧弱で、おまけに容姿も至って普通だった。
これでは魔王討伐など、夢のまた夢だろう。

それでも、何故か魔王軍の幹部を数々倒した。

最弱職の冒険者でありながら。
自らの出来る範囲で知恵をこらし。
真っ当とはとても言えぬ手段で勝利した。

時には目も当てられないような戦法も使う。
その様は、とても英雄とは呼べない、無様。
それでも私の目には輝いて映ったのが事実。

ダクネス「本当にお前は、おかしな男だよ」

そんな男に惚れた私も充分おかしな女だろう。

5 : 以下、名... - 2018/07/25 21:23:25.64 HfQ+yNW40 7/21

ふと、カーテンを揺らすそよ風に乗って、カズマの匂いが鼻腔をついた。男の子の匂いだ。
その香りに、より一層胸が高鳴るのがわかる。

そこで不意に、やっぱり好きだと思った。
好きだなと思い、好きだと改めて実感する。
私は今、自分の好きな男を、抱いていた。

それを自覚すると、もうどうにもならなくて。
彼の背に手を回して、恐る恐る抱きしめた。
ゴツゴツと骨張っていて意外と筋肉質な感触。
冒険者となる前は、アクアと2人で肉体労働に勤しんで日銭を稼いでいたらしいので、その際に鍛えられたのだろうか。意外な一面だった。

ダクネス「これが、男の子か……」

思わず呟いて、自らの経験の少なさを恥じる。

実は私は、名門ダスティネス家の一人娘だ。
本名は、ダスティネス・フォード・ララティーナというのだが、この名前は好きではない。
無闇に権力を振りかざすつもりはないし、なによりララティーナの響きが自分には合わない。
可愛い名前と、可愛くない自分が一致しない。
だからもっぱらダクネスという偽名で通した。

そんなわけで、要するに私は貴族の娘であり。
同時に世間知らずな『箱入り娘』でもあった。
故に、これまで男の子と接する機会は少なく。
初めてと言ってもいいその感触に夢中だった。

ダクネス「……幸せとは、このことか」

このまま時が止まってしまえばいいと思った。

7 : 以下、名... - 2018/07/25 21:28:32.76 HfQ+yNW40 8/21

ダクネス「んっ……ふぅっ」

はしたないのは承知の上だ。だけど少しだけ。
このくらいなら問題ないだろうと勝手に判断。
ふとももで、カズマの腰を、ぎゅっと挟んだ。
すると身体の奥がむずむずした。気持ちいい。
思わず、嬌声が漏れる程の快感に、我を失う。

もういっそのこと、寝込みを襲おうか。
今ならば、一発で妊娠する自信があった。
既成事実さえ作れば、こっちのものだ。
あとはこの男を婿として迎え入れるだけ。

我がダスティネス家は金持ちではないけれど。
それでもこいつひとりくらいなら私が養おう。
私が稼いだ金で、服を着せて、飯を食わせる。
そして私は次々と子供を産み、大家族を作る。
そうすればダスティネス家はひとまず安泰だ。
誰にも文句は言わせない。この男は私だけの。

その時、ズドンッ! と、爆発音が轟いた。

衝撃波によって、ビリビリと窓が震える。
それを受け私は現実に引き戻され、我に返る。
今のは間違いなく、めぐみんの爆裂魔法だ。
いつものように被害を出さぬよう、アクアを連れて街はずれまで出向いてぶっ放したようだ。
そうだ、めぐみんがいる。それに、アクアも。

ダクネス「私はなんて、自分勝手な女だろう」

冷静さを取り戻して、愚かさを悔やんだ。
カズマを攫うような真似は、してはいけない。
私にとっても他の2人にとっても大切な存在だ。
それを独占することは、断じて罷り通らない。

だけど、それでも、今だけは。

ダクネス「今だけは……お前は私のものだ」

そんな考えを抱くのは、許されないだろうか?

8 : 以下、名... - 2018/07/25 21:35:31.14 HfQ+yNW40 9/21

ダクネス「そろそろ、2人が帰ってくるな」

爆発音が聞こえてから、30分程が経過した。
今頃、爆裂魔法を放ち、消耗して動けなくなっためぐみんをアクアがおんぶして、屋敷を目指して歩いているだろう。夢の時間は終わりだ。

ダクネス「ほら、カズマ。いい加減に起きろ」

名残惜しいが、2人に目撃されたら大変だ。
カズマを起こさないと、めぐみんに叱られる。
しかし、なかなか起きる気配がなく、困った。
あまり乱暴なことはしたくないが、仕方ない。
意を決して、大声で呼びかける、その直前に。

カズマ「……母さん」

ダクネス「だ、誰が母さんだっ!?」

おかしな寝言についムキになってしまった。
私は母親と間違われるような年齢ではない。
本当に失礼な奴だと憤慨してから、ふと思う。

そう言えば、こいつの故郷は遠く離れている。

こっちに来てから、一度も帰った様子はない。
そう考えると、先程の寝言にも納得がいった。
カズマは怒鳴られたというのにまだ寝ている。
その寝顔は、私の母性を刺激するものだった。

ダクネス「はあ……今日だけは特別、だからな」

ため息をひとつ吐いて、頭を撫でてやる。
カズマにはこれまで散々世話になっていた。
特に、私の結婚騒動の際は、苦労をかけた。
だから今だけは母親の代わりを務めてやろう。

ダクネス「とはいえ、息子とは思えないが」

苦笑しつつも、起こすことは諦めた。
なに、どうにでもなるさと、楽観してみる。
なんとなく、鼻歌を口ずさんでみたりして。
そこで自分の機嫌が良いことを、自覚した。

不意に、結婚騒動の懐かしい記憶が蘇る。
彼に半ば攫われる形で婚姻をご破算にされた。
思えば、あの時に私は自らの恋心に気づいた。

ダクネス「必ず責任は取って貰うからな」

この行き場のない恋心を、彼はどうするのか。
それを想像すると、気分が高揚した。
早く気持ちを伝えられる日を夢見ながら。

私は鼻歌を口ずさみ、思い人の髪を撫でた。

9 : 以下、名... - 2018/07/25 21:39:18.39 HfQ+yNW40 10/21

めぐみん「聞いてくださいダクネス!」

それからほどなくして、2人が帰ってきた。
どうやら道中で問題が発生したらしい。
部屋に駆け込んできためぐみんが説明した。

めぐみん「我が爆裂魔法のあまりの威力に驚いたジャイアント・トードが群れをなして押し寄せて、危うく食べられてしまうところでした! ぬるぬるになってしまったので、お風呂に入ろうと思うのですが、ダクネスも一緒に入りませんか? ……って、どうしてカズマがここに?」

ダクネス「こ、これは、その……!」

ひと息に事の次第を語り終えて、気づかれた。
キョトンとした顔のめぐみんが、寄ってくる。
なんとか誤魔化そうと思ったが、もう無理だ。

めぐみん「お楽しみだったのですか?」

ダクネス「ち、違う! 別にやましいことは何もしていない! 本当だ! 信じてくれっ!!」

めぐみん「ふむ、たしかに着衣に乱れはありませんね。カズマもぐっすり寝ているようです」

しげしげと私たちを冷静に観察するめぐみん。
事ここに至っても、カズマは起きなかった。
すると、めぐみんがおもむろに、カエルの唾液でべたついた手を彼のマントで拭おうとして。

めぐみん「むっ?」

さっと、マントが逃げたように見えた。

めぐみん「ほほう。なるほど……まあ、いいでしょう。今日のところは、大目に見てあげます。それではダクネス、お風呂に行きましょう」

ダクネス「ま、待ってくれ。まだカズマが寝ていて、私は動けない。だから、もう少し……」

めぐみん「いいから行きますよ! 既にお風呂場でアクアがお待ちかねです。その男は恐らく当分起きませんので、その辺に寝転がしておけば平気です! さあ、早くしてください!」

そうして、半ば無理矢理引きずられるように。
私はカズマから、べりっと、引き剥がされた。
身体に残った彼の感触と匂いが、切なかった。

10 : 以下、名... - 2018/07/25 21:42:21.24 HfQ+yNW40 11/21

めぐみん「ダクネス、髪を洗ってください」

ダクネス「ああ、わかった」

強制連行された風呂場にて。
シャンプーを片手にめぐみんが寄ってきた。
彼女の申し出を承諾して、髪を洗ってやる。

ダクネス「痒いところはないか?」

めぐみん「平気です。それよりも、ダクネス」

ダクネス「ん? どうかしたのか?」

めぐみん「本当に何もなかったのですか?」

彼女らしいストレートな問いかけ。
それは先程の光景についてだろう。
務めて冷静にその質問に返答する。

ダクネス「ああ、本当に何もなかったよ」

めぐみん「でも下着はぐっしょりでしたよ?」

ダクネス「頼むからそれは言わないでくれ!」

めぐみん「お尻までびっしょりだったので、もしや、お漏らしをしたのかと思ったのですが」

ダクネス「そ、そんなわけないだろう!? あれはただの汗だっ!! ほら、泡を流すぞ!!」

我ながら、苦しい言い訳だったとは思う。
しかし、下着を身に着けていたのが証拠だ。
どんな状態であれ、脱いでないならセーフ。
たとえ、お尻までびっしょりだとしても、だ。

めぐみん「ま、そういうことにしておきます」

やけにあっさりと、めぐみんは引き下がった。

11 : 以下、名... - 2018/07/25 21:45:21.79 HfQ+yNW40 12/21

ダクネス「なあ、アクア」

アクア「ん? なによダクネス、どうかした?」

ダクネス「カズマの故郷についてだが……」

アクア「カズマさんの故郷?」

湯船に浸かりながら、アクアに聞いてみる。

ダクネス「帰れるような場所ではないのか?」

アクア「難しいわね。なにせ別の世界だから」

あっけらかんと、アクアはそう宣いた。
それは俄には信じがたい所在地。異世界。
前に、そのような話を聞いたことはあった。
しかし、どうにも現実味がない話だった。

ダクネス「その設定は本当なのか?」

アクア「嘘をつく理由なんてないでしょう? ちなみに、何を隠そうこの私は水を司る女神……」

めぐみん「たぶん、本当だと思いますよ」

アクア「ちょっと! どうして私の正体に興味を持ってくれないのよ!? もっと注目してよ!」

話に加わっためぐみんが肯定した。
ひとまずアクアはスルーすることにして。
まずはめぐみんにその根拠を聞いてみる。

ダクネス「どうして本当だとわかる?」

めぐみん「それがどうやら、私のご先祖様を作った人がなんとカズマと同郷らしいのですよ」

ダクネス「ほう? 紅魔族を作り上げた人物か」

それはなかなか興味深い事実だった。
紅魔族は魔法の扱いに秀でた種族である。
その力は、魔王軍の精鋭に匹敵するほど。
しかしながらその生態や進化の過程は不明瞭。
それが異世界人の仕業ならば、説明はつく。

ダクネス「となると、奴は本当に異世界人か」

アクア「さっきからそう言ってるでしょ!!」

アクアの喚き声を聞き流しながら思案に耽る。

12 : 以下、名... - 2018/07/25 21:48:29.94 HfQ+yNW40 13/21

めぐみん「何を考えているのですか?」

ダクネス「ん? ああ、実はあいつの母親について、ちょっと思うところがあってな……」

めぐみんの問いかけに答えると、アクアがキョトンと首を傾げて、質問を重ねてきた。

アクア「カズマのお母さんがどうかしたの?」

ダクネス「それが、寝言で母を呼んでいて……」

アクア「なにそれ、ぷーくすくす! なによカズマさんったらマザコンなの? キモすぎてウケるんですけど! ヒキニートでマザコンとか!!」

めぐみん「アクアは少し黙っていてください」

爆笑するアクアをぴしゃりと窘めためぐみん。
優しい彼女は、物憂げな表情を浮かべていた。
カズマが心配なのだろう。私も同じ気持ちだ。

ダクネス「母に会えないのは、さぞ辛かろう」

めぐみん「ダクネス……」

私の母もまた、既に他界して故人だった。
カズマの母親は亡くなったわけではない。
それでも、会えないのならば、同じだ。

ダクネス「なんとか元気付けたいのだが……」

アクア「はい! 私に名案がありますっ!!」

元気に手を挙げたのはアクア。不安しかない。

13 : 以下、名... - 2018/07/25 21:51:56.11 HfQ+yNW40 14/21

ダクネス「名案とはどんなものだ?」

アクア「母乳を飲ませればいいと思います!」

やっぱり駄目だった。いつものアクアだ。

ダクネス「母乳など出るわけないだろう!?」

アクア「えっ? 出ないの?」

ダクネス「当たり前だっ!!」

子供を産んでいないのに出るわけがない。
どれだけ育っていても、出ないものは出ない。
そんなことは誰もが知っている常識なのに。
アクアは不思議そうに私を見つめ、ぽつりと。

アクア「私なら出せるわよ?」

衝撃的事実を、口走った。

めぐみん「だ、出せるのですかっ!?」

即座に食いついためぐみんに、アクアは頷き。

アクア「ええ、もちろん。ほら、花鳥風月!」

ぷしゃっ! っと、噴水のように母乳を出した。

めぐみん「うわっぷ! 止めてくださいっ!」

アクア「あ、ごめんね。はい、おしまい」

モロに顔面に浴びためぐみんが溺れかけて。
テヘペロと謝罪したアクアが母乳を止めた。
するとめぐみんが顔に付いた母乳を舐めて。

めぐみん「ただの白い水ではないですか」

アクア「そんなの当たり前じゃない。なんたって、私は水を司る女神、アクアなんだから!」

要するに、ただの水芸でしかないようだった。

14 : 以下、名... - 2018/07/25 21:54:25.51 HfQ+yNW40 15/21

アクア「いい? 母乳ってのは、母の愛を放出するイメージが大切なの。我が子を思いやる気持ちと、慈しみの心を持って気合いと根性で出すの。わかった? わかったなら、やってみて!」

めぐみん「こうですか? 花鳥風月!」

アクア「全然違うわ! こうよ! 花鳥風月!」

アクアなりにコツを授けているらしい。
めぐみんはすっかり乗り気で悪戦苦闘。
私の見解では、それは絶対に無駄な努力だ。
そもそも何なんだ、気合いと根性って。
冷めた気持ちでやり取りを眺めていると。

めぐみん「どうやら、私には難しいようです」

ようやく諦めたらしいめぐみんを、労う。

ダクネス「めぐみんはカズマの為となると、いつも全力で一生懸命だな。あいつは果報者だ」

すると、めぐみんは誇らしげに薄い胸を張り。

めぐみん「そのうちいくらでも出せるようになって、カズマにお腹いっぱい飲ませてあげます。そうすれば、我が家は牛乳いらずです!」

15 : 以下、名... - 2018/07/25 21:56:57.59 HfQ+yNW40 16/21

なんという浅はかな目標だろう。
母乳はいくらでも出せるものではない。
しかしながら、その健気さが微笑ましかった。
こうした可愛げを、私も見習うべきだろう。
改めて、めぐみんの可愛さに感心していると。

めぐみん「ですが、今の私には力不足です」

自分の発展途上の胸をつねり、ため息ひとつ。

めぐみん「なので、今回は任せましたよ?」

にやりと笑いながら、私の胸を突いてきた。

ダクネス「大きくても出せるものではない」

めぐみん「ですが、大は小を兼ねるとも言いますし、案外なんとかなるのではないですか?」

大は小を兼ねるの使いどころを間違っている。
この場合、大きさは関係ないのに。それでも。
めぐみんは、すっかり私を信じ切った様子で。

めぐみん「ダクネスならきっとあの男を元気付けてあげられる筈です。この私が保証します」

どこからその根拠が生まれるのか。とはいえ。
そこまで自信満々に言い切られると、なんとも不思議なもので、なんだって出来る気がした。

ダクネス「ああ! 私に任せろ!」

めぐみんのその期待に必ずや応えてみせよう。

16 : 以下、名... - 2018/07/25 21:59:17.22 HfQ+yNW40 17/21

ダクネス「カズマ、起きてるか?」

風呂から上がり、部屋に戻った。
めぐみんはアクアにもう少し習うとのこと。
たぶん、邪魔が入らないように時間を稼いでくれるつもりだろう。本当に頭が下がる思いだ。
このせっかくの好機を、無駄にはしない。
カズマはまだ、私のベッドで寝ていた。
先程から動いた形跡はない。ぐっすりだ。
呼びかけても、起きる気配はなかった。
ならば、よし。あとはこちらの思うまま。

ダクネス「大丈夫、私なら出来る!」

覚悟を決めて、服を脱ぎ捨てた。

とはいえ、パンツは脱がない。
流石に全裸は恥ずかしかった。
そんなヘタレな私をめぐみんは叱るだろう。

だけどこれが、今の私の限界だった。
なにせこれから、カズマを膝枕するのだ。
後生だから、パンツくらい穿かせてくれ。

ダクネス「これでよし。あとは……」

カズマの頭を膝に乗せて準備完了。
えっ? この状況で何をするかって?
そんなことはわかりきっている。授乳だ。

出るわけはないが、形だけでも。
母親の雰囲気を感じて欲しかった。
だからその為に、私の胸を口元に近づけて。

ダクネス「ほ、ほら、カズマ。ご飯でちゅよ」

カズマ「バインドッ!!」

ダクネス「ふぇっ!?」

前触れなく、突如跳ね起きたカズマ。
腰に束ねたロープを用いてスキル発動。
瞬く間に、私は半裸のまま拘束された。

17 : 以下、名... - 2018/07/25 22:02:21.64 HfQ+yNW40 18/21

ダクネス「な、何をするんだっ!?」

カズマ「それはこっちの台詞だ! この変態!」

なんという言い草。よもや変態とは。
恩知らずにも程がある。絶対に許せん。
私がどれほど恥を忍んで授乳しようとしたか。
それなのに、この仕打ち。正直、最高だ。

ダクネス「くっ……私は決して屈しないぞ!」

カズマ「ほう? それならば、試してやろう」

にやりと口角を釣り上げ、カズマが囁く。

カズマ「ご飯でちゅよ~」

ダクネス「やめてくれっ!?」

さっきの自分を消し去りたい。
しかし、プレイとしては文句なし。
悔しいけど、ついつい感じてしまう。

カズマ「まったく、何をやってんだか」

ダクネス「うぅ……私は、お前の為にと思って」

カズマ「お前は俺の母親じゃないだろ?」

ダクネス「しかし、雰囲気だけでもと……」

カズマ「どこの世界に息子を興奮させる母親がいるんだよ。そんなんじゃあ、バブみもなにもあったもんじゃないだろうが。たとえここが異世界だろうと、俺はそんな母親を認めないぞ」

心底呆れたように私は叱りつけるカズマ。
『バブみ』とやらが何かは知らないが。
とりあえず、わかることがひとつだけ。

ダクネス「興奮、してくれたのか……?」

カズマ「当たり前だろ。乳丸出しなんだから」

ダクネス「そうか……それなら、いい」

カズマ「はあ? なんだよ、変な奴だな」

女として見て貰えただけで、私は満足だった。

18 : 以下、名... - 2018/07/25 22:06:19.61 HfQ+yNW40 19/21

カズマ「もう二度とこんな真似すんなよ?」

ダクネス「わ、わかったから解いてくれ!」

カズマ「よし、解いてやろう。その前に」

説教が終わり、ロープを解く、その間際。

カズマ「あのな、ダクネス」

ダクネス「ん? どうかしたのか?」

カズマ「お前は充分、可愛いよ」

ダクネス「んなっ!?」

囁かれたその言葉には、思い当たる節がある。
どうやらこの男は狸寝入りをしていたらしい。
よりによって、あの呟きを聞かれていたとは。

何たる辱め。過去最高だろう。
しかも、可愛いとか言われた。
カズマが、私のことを、可愛いって。
嬉しい。嬉しすぎる。夢みたいだ。
あまりに嬉しすぎて、おしっこ漏れそう。
全身にゾクゾクと、快感が巡る。
気を抜くと、いろいろと大変なことなる。

そんな私に、最後のトドメと言わんばかりに。

カズマ「色々とありがとな……ララティーナ」

ダクネス「そ、その名前で呼ぶなぁーっ!?」

羞恥心が絶頂に達した、その瞬間。
バインドを解かれて、私は解放された。
すると、せき止められていた水路が開通した。

ダクネス「んあっ!?」

カズマの前で、盛大に、おしっこを漏らした。

19 : 以下、名... - 2018/07/25 22:10:31.45 HfQ+yNW40 20/21

カズマ「うわっ! 何やってんだお前!?」

ダクネス「うぅ……見るな……いや、見てくれ」

カズマ「どっちだよ!? 事ここに及んでもブレないなお前は! 本当に度し難い変態だよ!!」

度し難い変態。なんて素敵な響きだろう。
ビクンビクンと痙攣しながら、悶絶。
このままでは、おしっこが止まらない。

それなのに、この男ときたら、容赦なく。

カズマ「なあ、ダクネス」

ダクネス「な、なんだ……?」

カズマ「今のってもしかして、『嬉ション』か? 『嬉ション』なんだな? そうなんだな?」

『嬉ション』とは何かは、定かではないが。
なんとなく、語感で伝わった。間違いない。
嬉しすぎて小便を漏らすという意味だろう。
それがどうやら、カズマ好みだったらしく。

カズマ「フハッ!」

もはや我慢の限界とばかりに、愉悦を漏らす。

カズマ「フハハハハハハハハハハッ!!!!」

ダクネス「わ、笑うなぁぁあああっ!!!!」

カズマ「フハハハハハハハハハハッ!!!!」

盛大に哄笑されて、私は快感に包まれた。
こちらも絶叫しているが、掻き消された。
カズマの嗤い声の方が、大きかったのだ。

耳障りで、頭に響く嗤い声。ガンガンする。
ガンガンして、ジンジンして、ガクガクだ。
ひとしきり嗤い、カズマは満足げな表情で。
ポンポンと、私の頭を優しく撫でてくれた。

カズマ「元気が出たよ。だから、心配すんな」

それは、大変ようございましたね、ご主人様。

20 : 以下、名... - 2018/07/25 22:13:12.04 HfQ+yNW40 21/21

カズマ「さてと、後片付けだな。とりあえず、ベッドのシーツを干す前にアクアを呼んで浄化して貰うから、ダクネスはそこで休んでろ」

ダクネス「はい、ご主人様」

カズマ「身分は貴族のお前の方が上だろうが」

ダクネス「私はもう、人ではありませんので」

身分なんてもはや意味をなさない。
ダスティネス家はお家取り潰しだ。
なにせ跡取りが漏らしてしまった。
次期当主はお漏らしの罪で人権を失ったのだ。

カズマ「なんでそんなに嬉しそうなんだ?」

ダクネス「ご主人様の家畜だからです」

カズマ「ほう? 家畜か」

ダクネス「何でも言うことを聞きます」

カズマ「なら、これからは『ララ』と呼ぼう」

ダクネス「それだけはやめてくれっ!?」

最後の最後まで、鞭を振るってくれる。
こんな男は他にはいない。こいつだけだ。
カズマは本当に、私の理想のご主人様だった。
この先何があろうとも、ずっと共に過ごそう。

この素晴らしいご主人様と共に、末永く。


【この素晴らしいお嬢様に嬉ションを!】


FIN

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