幼女「……だぇ?」
男(名前聞いてんのか?)「俺は男。君は?」
幼女「…ようじょ」
男「幼女ちゃんか。よろしく…ね?」
幼女 ジー
男「え、えっと…ここ、座る?」
幼女「…」
男「…ま、まあ、気が向いたら…ね?」
幼女「…」
男(なんか…気まずい…人見知りしてんのかな?)
元スレ
男「…へ?」 幼女「だかぁね」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302278970/
チュンチュン ピチチチ…
男「…ヒマだな…ゲームで時間つぶそう」
ピコピコピコ
幼女 ジー
男「?」
幼女「!」プイッ
男「…」
ピコピコピコ
幼女 ニジニジ…
男 チラッ
幼女 ビクッ
男「…見たい?」
幼女 コクッ
男「じゃあ隣に座りなよ」
幼女「…」
男「見たくないんならいいんだよ?慣れたら貸してあげようかと思ったんだけどな~」
幼女「…かして!?」
男「しょうがないなぁ~、仕舞っちゃおっかな~」
幼女「…………みせて!」
トテトテトテ ストン
男「よしよし、いい子だ♪」ナデナデ
幼女「!?」ビクッ
男「あっ、頭撫でるのはダメ?」
幼女「ダメ…けど…わかんない…」
男「?…よくわかんないけど、まずはお手本ね」
幼女「うん!」
男「あはは、じゃあいくよ~」
ピコピコピコ
男「ほら!クリアー!」
幼女「うわぁ!すごーい!!」
男「じゃ、やって見る?ほらここ。このキーを押すと始まるから」
幼女「はいっ!」
男「うん、いい返事♪」ナデナデ
幼女 ビクッ
男「…やっぱり撫でられるのは嫌?」
幼女「…あんまぃ、ないかぁ…」
男(ん?ああ、あんまり撫でられたことないのか…)
ピコピコ
幼女「♪~」
男(俺にもたれて…楽しそうにしてるなぁ)
幼女「あ…」
男「ん?ああ、終わったんだ。ちょっと貸して?」
幼女「はい」
ピコピコピコ
男「じゃーん!これで続きからできるぞ!」
幼女「うわあ」
男「ほら、落とさないようにね」
幼女「うん!」
男(俺、一人っ子だけど・・・妹がいたらこんな感じだったのかな?)
ピコピコ
男(かわいいよな…)ナデナデ
幼女「あ…あたま…」
男「あ、ゴメンゴメン。無意識に撫でてた」
幼女「…おとこのて、あったかいね」
男「そう?」
幼女「うん。…あのね、もいっかい…」
男「こう?」ナデナデ
幼女「ん!……へーきみたい…」
男「そっか」
幼女「うん。つづきすぅ!」
ピコピコ
男(…妹…か)
ガラガラガラ
母・叔父・叔母達「「「――!――!!――。」」」
男(あ、でてきたけど…雰囲気悪いな。こっちにいたほうが良さそう…)
男「お、幼女ちゃん、大分進んだねぇ」
幼女「うん!」
ピコピコ
母「…」ムスッ
男「…すんげえ不機嫌そうな顔だな」
母「ほっとけ!すぅ~~~はぁ~~~…よし!幼女ちゃん、おばちゃんちの子になる?」ニコッ
幼女「…こんどはおばさんのおうち?」
男「!?」
母「…そうね。おばさんのおうちに来てくれるかな?」
幼女 ジー
母「…今ならもれなく男もついてくるんだけどなぁ~」
幼女「…おとこもいっしょ?」
男「おいおい…」
母「そうだよ。男はおばさんの子供だから、うちにきたら男は幼女ちゃんのお兄ちゃんになるんだよ?」
幼女「おとこが…おにいちゃん?」
男「そうだな。幼女ちゃん、俺の妹になるか?」
幼女「…なぅ」
母「そう!おばさんの子供になってくれるの!!」
幼女「はい…よぉしくおねがいします」ペコリ
男「あはは、もう家族になったんだよ?そんなに畏まらなくたっていいって」
母「そうよ、幼女ちゃん。今からあたしは幼女ちゃんのお母さんだからね」ニコッ
男「よーし、俺は幼女ちゃんのお兄ちゃんだぞ!今から“幼女”って呼ぶぞ!!」
ヒョイ
幼女「あっ!」
男「肩車だー♪」
幼女「た、たかいよぉ」
母「…なんであんないい子が…」グスッ
~車の中~
幼女 ジー…
男(幼女、ずっと外見てるな)
男「幼女、外になんかあるのかな?」
幼女「…おそとみてないと、きもちわぅくなぅかぁ」
男「あー、そう言うことか。おしっことかしたくなったら言うんだぞ?」
幼女「はい…」
母「…男、あとでさ…」
男「ん、わかった」
母「うん…」
~家~
ガチャガチャ カチャ
母「ただいま~」
男「ただいま」
幼女「…こ、こんばんは」
男「はは、ただいまでいいよ」
幼女「…ただいま」
男「よしよし」ナデナデ
幼女「…えへっ」
母「…父さんに電話したら晩御飯の準備するわ。店屋物並べるだけなんだけどね」
男「じゃあ俺は風呂の準備するわ」
幼女「…ようじょは?」
男「荷物の中から自分の着替えだして、お風呂に入る準備しててくれるか?」
幼女「はーい」
母(おーおー、いっちょ前に“お兄ちゃん”してるじゃないの)
~晩飯~
母・男「「いただきます」」
幼女「…いただき…ます」チラッ
男「そういえば親父、なんだって?」
母「娘ができたー!って大ハシャギよ」
男「…なにそれ?」
母「喜んでるんじゃない?」
男「いやそりゃそうだけど…じゃあ何で母さんは不貞腐れてんだ?」
母「だってさ!せっかく電話したのに、あたしのことは何にも言わないんだよ!?」
母「一言ぐらいあってもいいじゃないのさ…」グスン
男「ま、まあまあ。親父も単身赴任で大変なんだから。な?」
母「だって…今週は爺ちゃんちに行ってて電話できなかったし…せめて一言ぐらい…」
プルプルプル プルプルプル…
男「母さん、電w」
パシッ
母「もしもし!父さん?…うん、今晩御飯…うん…ううん、大丈夫だって。細かいことは…うん、じゃあ、あとでまた電話するから」
母「うん、ありがと。…大丈夫、明日からまた仕事でしょ?今夜は早く寝ないと…うん、あたしも…じゃあ」Pi
男「親父、なんだって?」
母「今日はご苦労様だって」ニヨニヨ
男「ふーん。ま、飯食おうよ。幼女、さっきからずっと食べずに待ってるし」
グ~キュルキュル…
幼女「あっ…//」
母「あら、ごめんなさい。さ、食べよ♪」
幼女「はい…//」
男「遠慮せずに、しっかり食えよ。な?」
幼女「…うん」パクッ
男(周りを気にしながら少しずつ食べてるな…)
・
・
・
男「ごちそうさん」
母「お粗末さま。さ、幼女ちゃん。一緒にお風呂にはいろっか?」
キュッ
男「ん?手掴んでどうした?」
幼女 ジー
母「あら、男といっしょに入るの?」
男「そうなのか?」
幼女 コクン
男「…わかった。先にトイレ行ってくるから、ちょっと待っててな」
幼女「うん」
ジャーゴボゴボ…
男「……ふぅ。よし、お風呂に入ろう」
幼女「うん」
~お風呂~
ワシャワシャ
男「かゆいところはございませんかー?」
幼女 ジー
男「よし、頭にお湯掛けるから、目、つぶって」
幼女「ん」
ザバァ
男「大丈夫か?」
幼女「うん」
男「よしよし、えらいぞ。じゃ、お湯に入ろう」
チャプン チャプ…
幼女「…おとこ、け、ないね」
男「ん?なにが?」
幼女 ジー
男「ま、まあ、まだ中2だし?そろそろ生えてくるはずだし?」
幼女「…おとこはこども?」
男「え?うーん…ま、そうだな」
幼女「そっか…」
幼女「…ようじょ、おとな、きらい」
男「そうなん?」
幼女「…うそ…つくもん」
男「そっかー。でも、そんな大人ばっかりじゃないと思うぞ?」
幼女「…おかーさんもおとーさんも…うそつきだもん…」
男(幼女の両親か?なにがあったんだ…)
男「…そっか。じゃあそう思うのも仕方ないか。けどさ、うちの親はそうじゃないと思うぞ?」
幼女「そーかな?」
男「たぶんな?」
男(周りを気にしたり撫でられるのに慣れてなかったり…今までどんなことがあったんだ?)
男「よし、20まで数えて上がるぞ。いーち、にーい、さーん…」
幼女「よーん、ごーお、ぉーく…」
男(ラ行がちゃんと言えてないのもかわいい!)
~リビング~
幼女 ウツラウツラ…
男「…幼女?」
幼女 ビクッ!
男「…眠いのか?」
幼女 トテトテトテ ギュッ
男「幼女?」
母「幼女ちゃん、男と一緒に寝るの?」
幼女 コクン
母「だってさ。男のベッドで一緒に寝たら?」
男「…えっ?」
幼女 コクン
男「…じゃ、行くか」
~男の部屋~
幼女 モゾモゾ
男「幼女、もうちょっとそっち行って…ん、おっけー」
幼女 ジー
男「ん?眠いんじゃないのか?」
幼女「…おとこ、いなくなぁない?」
男「ん?ああ、ここ俺のベッドだし」
幼女「…ずっといてくぇる?」
男「うん。でも、トイレぐらいは行くぞ?」
幼女「ん、それはいいの…」モゾモゾ
男(…不安なのか?ま、初日だしな。しょーがないか)ナデナデ
幼女「ん…」ゴロン ギューッ
男(ぐえっ!俺は抱き枕じゃねえ!しかも幼女の髪の毛がくすぐったい!!)
幼女「…スー…スー…」
男(早!もう寝たのか…おやすみ、幼女)
~リビング~
ガチャ
母「幼女ちゃん、寝たの?」
男「ああ、しがみ付いてきたんで抜け出すのに苦労したけどな」
母「そう…」
男「で?これからどうするんだよ?」
母「うーん、どうしよっか?」
男「おいおい…」
母「だってさー、あのくそったれどもの態度に腹が立ってさぁ」
男「ちょ、くそったれって…自分の親戚でしょーが」
母「いいのよ、くそったれで。…まあね、お爺さんが入院したから面倒見れなくなったってのは分かるよ?」
母「けどさ、みんな幼女ちゃんに同情するフリするだけでさ、邪魔者扱いしてるしさ」
母「幼女ちゃんの父親…あたしの従弟なんだけど借金取りに追われててさ、幼女ちゃんをお爺さんのところにおいて逃げ出して、いまだに失踪したままだし…このままだったら幼女ちゃん、行くところがなくなりそうだったからね」
男「その従弟の親は?幼女の祖父母だろ?」
母「とっくに縁を切ったからって、今回の呼び出しにも来てなかったわよ、くそったれが!」
男「幼女の母親は?」
母「さあ?お爺さんちに来る前に家出したらしいから、どっかで生きてるんじゃない?」
男「なんかだんだん腹が立ってきた…施設とかは?」
母「施設に入れるにも身内が健在ならお金がかかるのよ?雀の涙の年金暮らしのお爺さんたちにそんな余裕があると思う?」
男「そっか…それで幼女を引き取ったのか…」
母「腹が立った勢いでさ、『あの子はあたしが育てる!あんたらとは縁を切る!!』って啖呵きっちゃった」テヘッ
男「ちょっ、そこまで言ったのか、まったく…で、俺のやることは?」
母「あら?協力的だねぇ。母さん、嬉しくなるわ♪」
男「まあ、今の聞いて腹が立ったし?母さんの気持ちも分かるし?幼女はかわいいし?ってことでさ」
男「それにさ…母さんがうちに来るかって言った時の幼女の台詞…自分のことでみんなが集まってるって知ってたみたいだな」
母「お婆ちゃんが幼女ちゃんに説明してたみたいね」
男「…あんな小さいのにさ、大人の都合で振り回されてさ…せめて俺達だけは幼女を家族として…さ」
母「…そっか。ありがと、男」
男「やめろって、幼女は俺の妹なんだし。で、何したらいい?」
母「まずは幼稚園だね。休み明けの2、3日で手続きしてくるわ。戸籍とかもお爺さんのとこから移さなきゃいけないしね」
男「で、俺は幼稚園への送り迎えかな?」
母「…頼める?」
男「幼稚園は中学の隣だし、大丈夫だと思う。部活があるときは早くには迎えに行けないけど。それから市民センターの空手教室があるときは連れて行ってもいいよな?」
母「幼稚園は確か6時ごろまでに迎えに行けばよかったはずよ?市民センターは…そうしてもらえる?」
男「だったら大丈夫かな?顧問にも言っとく。幼稚園は6時までに迎えに行くようにするわ」
母「ダメそうだったら連絡ちょうだい。あたしが会社早退して迎えに行くから」
男「ん、了解」
ガチャ
母・男「「!?」」
幼女 ボー…
男「どうした?」
幼女 トテトテトテ ギュッ
幼女「…おしっこ」
男「ああ、トイレな。こっちこっち」トタトタトタ…
母(幼女ちゃんが男に懐いてるのがせめてもの救いだわ…)
~朝・男の部屋~
PiPiPiPi PiPiPiPi…
男「…ん…ん?」カチッ
男「…朝か…ふぁあぁぁ…ん?」
幼女「スー…スー…」
男「…えーっとぉ…」
男(…そうか、昨日からうちで一緒に住んでるんだった…)
幼女「ん…」コロン
男(よく寝てるな…起こさないように抜け出して…よし)
ジャーゴボゴボ…
男「……ふぅ。幼女が起きるまで部屋にいるか」
・
・
・
幼女「…スー…ん?」ボー…
男「お、起きたか?」
幼女「…おとこぉ?」
男「おはよう、幼女。まだ眠いか?だったら寝てていいんだぞ?」
幼女「…んん、おきぅ…きゃっ!」ドテッ
男「お、おい。大丈夫か?ベッドからモロに落ちたぞ?」
幼女「…だいじょうぶ。おめめさめた。おはよー、おとこ」
男「ん。じゃ、顔洗って朝飯な」
幼女「うん」
~リビング~
母「幼女ちゃん、今日はお買い物にいこっか?」
幼女「…おかいもの?」
母「そう。お洋服とかパンツとか靴とか遊び道具とか、必要なものや欲しいもの、買いに行こうね♪」
幼女「…ほしいもの…ないかぁ…」
男「そうなのか?でも買わなきゃいけないものもあるから、一緒に行こうな」
幼女「…うん」
母「…」
男「あ、そうだ」
母「ん?なに?」
男「ついでにさ、幼稚園の下見にいかね?」
母「あ、そうね。そうしましょ」
男「幼女も自分が通う幼稚園、見てみたいだろ?」
幼女「…うん」
男「じゃ、決まりだな」
~幼稚園~
母「ここが幼稚園よ」
幼女「…きぇい」
男「最近建て替えたばっかりだしな」
母「もうすぐ幼女ちゃんもここに通うのよ」
幼女「…ようじょ…ここに?」
男「そうそう。俺が朝夕の送り迎えをするから」
幼女「おとこがきてくぇぅの?だいじょーぶ?」
男「俺の中学はこの先にあるから、俺はいつもここを通ってるし、大丈夫だよ」
幼女「そっか…えへへ」
~ショッピングモール~
男 キョドキョド
母「…男、キョロキョロしてると不審者に見えるわよ?」
男「いやだってさ、婦人下着のコーナーなんて恥ずかしいって!」
男「てか、なんで“婦人”下着なんだよ!幼女のサイズじゃないだろ!」
母「まあまあ、いいじゃない♪」
男「よくない!」
幼女「おとこ…」クイクイ
男「ん?なんだ?」
幼女「おしっこ…」
男「あ、トイレか。母さん、幼女と一緒にトイレ行ってくるから」
母「はーい、ちゃんと戻ってくるのよ」
男「はいはい」
・
・
・
幼女 キョロキョロ
男「あ、こっちこっち」
幼女「あ」トテトテ
男「さて、じゃあブラブラしながら戻るか」
幼女「うん」
男(しかし、幼女はホントに欲しがらないな…妙に遠慮してるって言うか…)
幼女「あっ」トテトテトテ
男(ん?ぬいぐるみの前に行ったぞ。何か欲しいのか?)
幼女 ジー…
男(見てるだけで手を出さないなぁ…よし!)
男「お、かわいいぬいぐるみだな」ヒョイ
幼女「あっ」
男「“こんにちは。ぼくあざらしのあざちゃん”」
幼女「ちがうよぉ。ごまちゃんだよ」
男「そっか、幼女はこのぬいぐるみの名前、知ってるんだ」
幼女「うん!」
男「よし、ごまちゃんの攻撃!とりゃあ!!」
幼女「だめぇ!ごまちゃんはいいこなの!!けんかしないの!!」
男「そっか。じゃあ幼女に擦り寄るごまちゃん!」スリスリ
幼女「こそばゆいよぉ♪」
男「あははは。よし、ごまちゃん買っちゃおう」
幼女「…え?」
男「遠慮すんなって。ごまちゃん好きなんだろ?」
幼女「…いぁない」
男「え?」
幼女「いぁないの!」トテトテトテ
男「あ、おい!幼女!!」
・
・
・
母「これで大体のものはそろったわね」
男「ああ…」
母「ん?どうしたの?」
男「あ、いや。なんでもない…」
幼女「…」
男「…幼女、ちょっと」
幼女「?」
男「じゃーん!ごまちゃんだぞー!!」
幼女「!?」
男「もう買っちまったからな?俺から幼女にプレゼントだ」ニコッ
幼女「え?」
男「“ヨロシクね、幼女ちゃん♪”」
幼女「え、えーっとぉ…」
母「あら、よかったじゃない。幼女ちゃん♪」
幼女「…もぁっても…いいの?」
男「うん。というか、貰ってください」
幼女「…うん!あぃがと、おとこ♪」
~週明け・車の中~
幼女 ジー
母(相変わらず外見てるのね)
キー
母「着いたわよ」
幼女「うん」
ガラララ
母「こんにちはー」
曾婆「あらあら、いらっしゃい」
母 ペコリ
幼女「おばーちゃん!」
曾婆「あらあら、幼女ちゃんも。どう?今の家は楽しい?」
幼女「うん」
曾婆「そう…母、ちゃんと面倒見てるのね」
母「そりゃあ、みんなの前であんな啖呵きっちゃったからには…」
曾婆「…幼女ちゃんのこと、よろしく頼みます」フカブカ
母「ちょっとお婆ちゃん、やめてよ!あたしも幼女ちゃんが来てくれてうれしいんだし」
曾婆「それでも…ありがとう」
幼女「おばーちゃん、こんどのいえ、みんなやさしーんだよ!」
曾婆「そうかいそうかい」
幼女「ほぁ!ごまちゃんかってくぇたんだよ!!」
曾婆「よかったねぇ。あ、そういえば…ちょっとまっててね」
曾婆「…あったあった。これ、持って行きなさい」
幼女「あ…おもちゃ」
母「うわぁ…なつかしいなぁ。お手玉に竹トンボに…」
曾婆「幼女ちゃんがうちにいるときに遊んでたおもちゃだよ」
ギュー
曾婆「幼女ちゃん?どうしたのかねぇ、婆ちゃんにしがみついて」
幼女「うっ…うぇっ…あぃがと…」
曾婆「幼女ちゃん…」
幼女「…おばーちゃん、おじーちゃんは?」
曾婆「…今は病院にいるよ」
母「…幼女ちゃん、あとでお見舞いに行こうね」ニコッ
幼女「…うん、ヒック」
曾婆「…あ、そうそう。幼女ちゃんの戸籍だったね。ほら、署名しておいたから役場に持っていくといいよ」
母「はい。お手数掛けてすみませんでした」
幼女「?」
母「これで幼女ちゃんは正式にうちの子になるのよ」ニコッ
幼女「…」
ギュッ
幼女「!?」
母「うちの子になってくれて、ありがとう」
幼女「…うん」
~病院~
幼女「おじーちゃん!」
曾爺「おお、幼女か。よく来たな」
母 ペコリ
曾爺「…すまんな、母。幼女を引き取ってくれたんだってな」
母「はい、うちは子供は男一人だけだったし、女の子も欲しかったから…」
曾爺「他の親戚どもに啖呵きったって?」
母「そんなことまで…腹が立ったのでつい…」
曾爺「ははは。母はまっすぐな性格だからなぁ。まあ、母が幼女の面倒をみてくれるんなら安心して成仏できるな」
幼女「…おじーちゃん、しんじゃうの?」
曾爺「…人はいつか死ぬんだよ。だからそれまでにやりたいことをやらないとな」
幼女「…おじーちゃんはやぃたいこと、ないの?」
曾爺「そうだなぁ、もうやりたいこともないなぁ」
幼女 ギュー
曾爺「…大丈夫だ。まだ死なんよ」
幼女「ほんと?」
曾爺「ああ、本当だ」
母「幼女ちゃん、お爺さんは足をちょっと怪我しただけだから大丈夫よ」
幼女「…うん」
曾爺「爺ちゃんが退院したら、また遊ぼうな?」
幼女「うん」
母「じゃ、そろそろ行きましょう。幼女ちゃん」
幼女「…じゃあ、またね。おじーちゃん」ノシ
曾爺「ああ、またな」ノシ
~翌日~
母「…じゃあ、入園手続きに行こっか?」
幼女 コクン
母「ここね…失礼します。お電話で連絡していた入園希望のものですが…」
若保母「あ、はい。お話は伺ってます。どうぞこちらでお待ちになってください」
母「すみません。幼女ちゃん、こっちに来て」
幼女「…うん」
若保母「初めまして。私は若保母って言うの。お嬢ちゃんのお名前を教えてくれるかな?」
幼女「…ようじょです…」
若保母「幼女ちゃんかぁ。年長さんだったよね?これからヨロシクね」ニコッ
幼女「うん…」
園長「お待たせしました」
保母「若保母さん、ちょっとの間、私の教室の子供達を見ててくれる?」
若保母「はい、行ってきます。じゃあ、また後でね。幼女ちゃん」ノシ
幼女 ノシ
園長「では、入園手続きですが…」
・
・
・
保母「…これで手続きは終りですね。園児服や帽子、お道具セットは正門前のお店で売ってますので、そちらで準備されるといいでしょう」
母「はい、ありがとうございます」
保母「他に何かありませんか?」
母「あ、幼稚園への送り迎えなんですが、中学生の長男がすることになりますが…」
保母「あ、はい。それは問題ありませんが、子供の安全のためにもですね、一度こちらに来ていただいたほうがありがたいのですが…」
母「ごもっともです。長男は3時半ぐらいに幼稚園の正門にくるので、それでよろしいでしょうか?」
保母「はい、問題ありません。…では、まだ時間がありますが、3時半までどうされます?」
母「買い物をしようかと思っていますが…幼女ちゃん、教室を見せてもらう?」
幼女「…うん」
母「では、買い物の前に、この子の教室を見せていただいてもよろしいでしょうか?」
保母「はい。じゃあ行きましょうか」
幼女「…」コクン
~夜・家~
幼女「…つかぇた…」
母「もうちょっとだから、我慢してね♪」
男「幼女、大丈夫か?」
幼女「…うん」
母「次はこの椅子に座ってこっち向いてくれる?」
幼女「…こう?」
母「あ!いい!!いいわよ、幼女ちゃん!!」カシャッ カシャッ
男「なあ、幼女も疲れてるみたいだし、もういいだろ?」
母「何言ってるのよ!こんなにかわいい子の写真を撮らなくてどうするのよ!!」
母「やっぱり女の子はいいわぁ♪こんなに幼稚園の制服が似合うなんて!」
男「はぁ…ダメだこりゃ」
幼女「うぅ…」
~翌日~
母「じゃあ、頼むわね、男」
男「ああ、いってきまーす」
幼女「…いって、きます…」
男(緊張してるみたいだな)
男「手、繋いでいくか?」
幼女「うん」
トテトテトテ…
男「おはようございます。よろしくお願いします」
若保母「はい、おはようございます。おはよー、幼女ちゃん」
幼女「おはよーございます」
男「今日は部活があるので、5時半頃に迎えに来ます」
若保母「はい、わかりました。じゃあ、教室に行こうか?」
幼女「うん」
~男の教室~
男「おーっす」
男友「おーっす」
友カノ「おはよー」
男友「今日から幼稚園経由だって?このロリコン野郎」ニヤニヤ
男「誰がロリコンだ誰が」
友カノ「え?男君ってば噂のひとつも無いと思ったら、ソッチ方面の人だったの?」
男「だから違うって!」
男友「じゃ、あれか。若い保母さん狙いとか?」
男「若保母さんはかわいいと思うけど…って、歳上過ぎるわ!」
友カノ「つまり容姿はロリで中身は年上のオンナが好きなの?かなりマニアックだわ…」ゴクリ
男「あのな…」
友カノ「…って、なんでこんな話になったんだっけ?」
男友「ああ、今日から男、学校の行き帰りに幼稚園に寄るんだ」
友カノ「へ?なんで?」
男「妹が幼稚園に通うんでな」
友カノ「うっそだー!男君って一人っ子でしょ!!あたし達去年も同じクラスだったし、そんな嘘カンタンに見抜いちゃうよ?」
男「いや、それが嘘じゃないんだ」
友カノ「なになに?なんか複雑な事情があるの?」
男「まあ…な」
友カノ「うわぉ!なんかおもしろそー♪聞きたーい!」
ゴンッ
友カノ「いった~い…何すんのよ!」
男友「いい加減にしろ友カノ!男の顔見りゃ言いたくないことだってのがすぐに分かるだろーが!!」
男「…すまんな、男友」
男友「いいって。ほら、お前も男に謝って」
友カノ「うぅ…ごめんなさい」
男友「俺もゴメンな。ゲンコツしたりして」ナデナデ
男「…結局イチャつくのかよ…」
~幼稚園・17:30頃~
男「遅くなってすみません、幼女を迎えに来ました」
幼女「!?」
トテテテテ ギュッ
男「幼女?どうしたんだ?」
若保母「幼女ちゃん、お兄さんが来るのをずっと待ってたんです」
男「え?でも今日は遅くなるって言ってたろ?」
幼女「…とけい、わかんないもん…」
男「あ、そうか。時計の見方が分からないのか」
幼女 コクン
男「ごめんごめん。それは気がつかなかった俺が悪いな」
若保母「私も気がつきませんでした。すみません…」
男「あ、いや。俺が幼女に教えてなかったから…」
幼女「…こわかった…」
男「!?」
幼女「…おとこ、こないかもっておもったの…」
男「そんなことないよ。今朝、家をでるときに遅くなるからって言っただろ?」
幼女「うん…でも…」
男「幼女は時計の見方、知らなかったんだよな。ゴメンな」
幼女 ギューッ
男(いたいいたい!食い込んでる!!幼女、指に力入れすぎ!)
男「帰ったら時計の見方、お勉強しような」
幼女「…ん」
~帰り道~
トテトテトテ
男(幼女、さっきから一言も喋らない…これはまずいな)
男「幼女、初めての幼稚園はどうだった?」
幼女「…うたったぃ…おえかきしたぃ…」
男「そっか。楽しかったか?」
幼女「…」
男(愚問だったな。そりゃ初日だし、楽しいとか考えてる余裕なんて無いよな。あ、コンビニ)
男「幼女、ちょっとコンビニによってこうか?」
幼女「…みちくさしたぁだめなんだよ?」
男「ちょっとだけだから。な?」
幼女「もー…」
・
・
・
店員「あーっした」
幼女「…ちょこぇーと、かってた」
男「ああ、家に帰ったら一緒に食べような♪」
幼女「…ごはんのまえにたべたぁ、おこぁぇぅよ?」
男「平気平気。母さんが帰ってくる前に食べちまえばいいんだしさ。それに…」
幼女「?」
男「幼女も食べたいだろ?」ニカッ
幼女「え?…えっとぉ…」
男「食べたくないの?」
幼女「…たべたい」
男「よっし決まり!早く帰って食べようぜ♪」
幼女「…うん!」
~家~
幼女・男「「…」」セイザー
母「で?ご飯の前にお菓子を食べちゃダメって言う約束を破った理由は?」
男「お腹が空いたので…はい」
母「幼女ちゃんは?」
幼女「あの、えっと、えっと」
男「チクられないように、共犯にしました」
母「そうなの?幼女ちゃん」
幼女「…おいしそーだったかぁ…わけてもぁいました…」
母「そうなのね。じゃあ二人ともゲンコツ!」 ゴンッ! コンッ
男「いって~…あははっ」チラッ
幼女「う~…えへへ」
幼女(おこぁぇたけど、おとこといっしょ。おそぉいだぁ♪)
~十数日後・幼稚園の入口~
幼女「いってきまーす」ノシ
男「おう、今日は部活が休みだから早く迎えに来るぞーって、もう聞こえてないか」
保母「おはようございます」
男「あ、おはようございます」
保母「…幼女ちゃんの御家族の方ですね?」
男「はい、そうです…あの、何か問題でも?」
保母「いえ、行儀もいいし大人びてますし、友達とも仲良くやってますし、とってもいい子です。…ですが…」
保母「人見知りなんですかね…あまり近づいてくれないんです…」
男「あー…」
保母「…ちょっと気になったので、お耳に入れておこうかと思いまして…」
男「分かりました。わざわざありがとうございます」ペコッ
保母「いえいえ。それじゃ、失礼します」
男(今の保母さん、見た目がきつそうだから怖がってんのかな?)
~帰り道~
トテトテトテ
男「…幼女、幼稚園、楽しいか?」
幼女「うん!あのねあのね、いつもいっしょにあそんでくぇるこがいぅの!幼友ちゃんっていうの!!」
男「そっか、友達できたのか。よかったな」
幼女「うん!とってもかわいくていいこなの!!」
男「そっか、よかったな。で、今日はどんなことしたんだ?」
キュッ
男「ん?」
幼女「おーてーてー つーないでー♪」
男「のーみーちーをーゆーけーば♪ってお遊戯か」
幼女「うん!えへへ♪」ニパッ
男(今もこうして俺の手を握ってくるし…やっぱあの保母さんがきついんじゃね?にしても…かわいいぞコンチクショウ!)
~家~
幼女・男「「ただいまー」」
男「手、洗っておいで」
幼女「はーい」トテトテトテ
プルルルル プルルルル…
男「お、電話。…よっと、もしもし?」
母『あ、男?帰ってたんだ』
男「今帰ってきたトコだって」
母『ごっめーん、今日さ、残業で遅くなりそうだから、晩御飯、どこかで食べててくれる?』
男「え?いや、俺、金ないし」
母『食器棚の2段目の引き出しの奥にお父さんのヘソクリがあるから、それで』
男「ちょっ、なんで親父のヘソクリのあるトコ知ってんだよ!」
母『あの人、あたしにワザと見つかるところに隠すのよねぇ。で、あたしがそれで何か欲しいものを買うのを待ってんのよ』
母『前にそこにあるの、見つけてたんだけどさ、欲しいものが無いからそのまま放置してるの』
男「ちょっとまって……………いま中見たけど2万入ってんぞ」
母『じゃ、そのうちの1万で晩御飯とさ、幼女ちゃんが欲しいもの買ってやってくんない?あたしが聞いてもさ、なんにも言ってくれないんだもん。あんただったら教えてくれるんじゃない?』
男「いや、それはどうかな?幼女、周りに気を使ってるから、聞き出すのは難しいと思うぞ?」
母『そっかー…ま、いいや。とにかく、そういうことで』
男「はいよ、じゃあな」ガチャン
男「さて…聞きだすったってなぁ…どうするか…」ポリポリ
幼女 ジー
幼女「…おとこ、こまってぅ?」
男(うわっ!そこに居たのか!!…そんな首を傾げて心配そうな顔しないでくれ!!)
幼女「…ようじょのせい?」
ドキン!
男「いやいや、困ってるのは晩飯のことだから!」
幼女「ホント?」
男「ホントホント」
幼女「そっか」ニコッ
男(はぁ…いきなり何を言うやら…でも今ので分かった。またいつ捨てられるか分からないって思ってるんだ…)
ピンポーン
男「はーい、どなた?」
男友『俺俺、俺だよ男友だよ』
男「あー、今開けるわ」
ガチャ
男友「おじゃまー」
友カノ「やっほー♪」
男「友カノも一緒か?ま、上がれよ」
友カノ「はいはーい、お邪魔しまー…す!?」
男友「お?この子が例の子か?」
男「ああ」
幼女「こ、こんにちわ」ペコリ
友カノ「あ、はい。こんにちは」ペコリ
男「お、よく出来ました」ナデナデ
幼女「えへへ」
男友「お、ちゃんと挨拶できてえらいねぇ」ナデ
サッ
男「幼女?」
幼女 コソコソ
男友「嫌われてんのかな、俺…」(´・ω・`)
男「本能で危ない奴を見分けてんじゃね?」
男友「こんなに紳士な俺のどこが危ないってんだ?」
友カノ「オンナに見境が無いとこかな?」
男友「おまえなぁ…」
友カノ「あんたいつもいろんなオンナに色目使ってんじゃん」
男「幼女、大丈夫だよ。男友には近寄らないように言うから。な?」
幼女「…うん」
男友「扱いひでーな…」
友カノ「かわいいなぁ♪ねえねえ、この子、ホントは男君の子供でしょ?」
男「ちげーよ!まだ童貞だっつーの!!」
友カノ「あはは。冗談だって。お嬢ちゃん、いくつ?」
幼女「ごさい!」
友カノ「お、元気よく答えられたねぇ。えらいえらい」ナデ
サッ
友カノ「ええー!なんで!?」
幼女 コソコソ
男「ごめんな、こいつ、頭を撫でられるのに慣れてないみたいなんだ」
男友「やーい、お前も嫌われてやんの」
友カノ「うるさーい!!でもさ、さっき男君、幼女ちゃんの頭撫でてたよね?」
男「ああ、俺は平気らしい」
友カノ「うー、なんかショックだわ…」
男友「お前も俺と同じグループだな」
友カノ「余計落ち込むわ…」ズーン
男友「まあまあ、同じ嫌われ者同士、傷の舐め合いでも♪」
友カノ「あたしは傷なんてないわよ?」
男友「そうかぁ?お股のところがパックリと割れt」
ドスッベキッズドン!
友カノ「ふーっ!ふーっ!」
男「…お前ら、もうそこまで進んでんのか?」
友カノ「違うし!まだ処女だし!!」
男「おまっ、そんなこと大声で言うなって…」
幼女「…あのおねえちゃん、こわい…」コソコソ
友カノ「あ、あのね!今のは男友がへんなことを言うからお仕置きしたの!」
幼女「おしおき?」
友カノ「そ、そう!悪いことしたらメッ!しなきゃね!」
幼女「…そっか」
男「はは。で、なんだっけか?」
男友「うぅ…いってぇー…うちのお袋からお前の母ちゃんに。旅行の土産だってさ」
男「おー、さんきゅーな」
男友「これで用事もすんだし、そろそろ行くか?」
友カノ「えー?もう行くの?」
男友「服買いに行くんだろ?」
友カノ「そうだね…うん、じゃあね!」ノシ
男「おう」ノシ
幼女「…おかいもの?」
男「ん?なんか欲しいもんでもあるのか?」
幼女「あ、あのね!あのね!ようじょね!」ハッ
男「ん?」
幼女「…ほしいもの…ない…」
男(あー、やっぱり一筋縄ではいかないか…じゃあ)
男「俺は欲しいものがあるから、一緒に行こう。な?」
幼女「おとこが?…だったぁ…うん…」
~ショッピングモール~
男(さて…)
男「幼女」
幼女「なぁに?」
男「俺の欲しいもの、売ってるとこ探して来るからさ、幼女はどこかで待っててくれるかな?」
幼女「うん…」
男「じゃあさ、どこで待ってる?」
幼女「どこでもいいの?」
男「うん、どこでもいいよ」
幼女「…あのね、ようじょね…あそこのおみせ…」
男(ファンシーショップか…)
男「うん、じゃあ、あのお店で待っててくれるかな?」
幼女「うん…」
男「じゃあ、すぐ戻ってくるから」ノシ
幼女 ノシ
男(さてっと…)コソコソ
幼女 トテトテトテ
男(お?文房具か?)
幼女 トテトテトテ
男(今度はアクセサリー)
幼女 トテトテトテ
男(…ぬいぐるみか?)
幼女 ニコニコ ダキッ
男(…あのぬいぐるみだな?)
友カノ「…なにやってんの?」
男友「ロリの上に変質者だったとは…」
男「お、ちょうどいいところに!」
友カノ「へ?」
男友「てか、俺はスルー?」
・
・
・
友カノ「あら、幼女ちゃん?」
幼女「あ、おねえちゃん」
友カノ「んー?ミッフィーちゃん、好きなの?」
幼女「うん!」
幼女「あのね、おともだちの幼友ちゃんね、ばっぐにミッフィーちゃんのぬいぐるみつけてぅの!かわいいの!」
幼女「そぇでね、おうちにもおっきーの、もってぅんだって」
友カノ「そうなんだ」
幼女「そえでね、ようじょももってぅって…いっちゃったの…」
友カノ「そっかー…ところで幼女ちゃん、今、ひとり?」
幼女「あのね、おとこね、おかいものしてぅ」
友カノ「そうなんだ。幼女ちゃんはここで待っててって言われたの?」
幼女「うん」
友カノ「それでミッフィーちゃんと遊んでるのかぁ」
幼女「あのね…おとこには、ないしょね」
友カノ「ん?なんでかな?」
幼女「…ようじょ、うそついたかぁ…いえないもん…」
友カノ(あー…男が言ってた“難しい”って言うのはこのことだったのね。それであたしの出番かぁ)
友カノ「じゃあさ、お姉ちゃんが買ってあげるよ」
幼女「え?」
友カノ「お姉ちゃんね、今日はいっぱいお金持ってきたから。ね?」
幼女「…いいの?」
友カノ「いいの♪」ニコッ
幼女「…あぃがとー!おねーちゃん!!」
・
・
・
友カノ「ふふふ」
幼女「えへへ♪」ギュー
男「お、幼女。どうしたんだ、そのぬいぐるみは?(棒)」
幼女「あのね!あのね!おねえちゃんがね、かってくぇたの!」
男「そうか、ありがとうな、友カノ(棒)」
友カノ「いえいえ、どうしたしまして」
幼女「♪~」
友カノ(はい、おつり)コソッ
男(さんきゅー)
男「あ、ちなみに男友はあそこな」
友カノ「あー…またクレーンやってる…」ブツブツ
男友「おーい!やっと取れたぞ!!」
友カノ「まったく何を…キティのバッグ?」
男友「はい、幼女ちゃん」
幼女「え?」
男「良かったな、幼女」
幼女「…いいの?」
男「ちゃんとお礼、言うんだぞ?」
幼女「うん、あぃがとー!」
男友「いえいえ、どういたしまして」
友カノ「へぇー、男友もいいとこあるじゃん♪」
男友「へへっ、たまにはな」
男「…ありがとな、二人とも」
~ファミレス~
幼女・男「「いただきます」」
幼女「えへへー♪」
男「幼女。ぬいぐるみさ、ご飯がこぼれたら汚れるから、とりあえずこっちの椅子に置いとこうな?」
幼女「はーい」トテトテ ドサッ
幼女「まっててね」ナデナデ
男(…撫でてるときの顔もかわいい!)
男「幼女、そのぬいぐるみ、好きか?」
幼女「うん!」
男「そうか。買ってもらってよかったな」
幼女「あのね、ようじょね、あのおねーちゃん、すき!」ニパッ
男「男友は?」
幼女「うーん…ちょっとすき?」
男(だからその首を傾げて見上げるようなその顔!仕草!!かわいすぎるって!!)
~数日後・夕食後~
幼女 ジー
カチャカチャ ジャージャバジャバ
幼女「…」トタトタトタ…
カチャカチャ
母「ん?どうしたの、幼女ちゃん?」
幼女「おてつだい…すぅ」
母「そうなの?ありがとー♪」
幼女「えへへ」
・
・
・
幼女「こぇでおわぃ」カチャン
母「助かったわ、幼女ちゃん。これからもよろしくね♪」
幼女「うん!」
幼女(ようじょ、おてつだいできた!!)ニパッ
~夜・男の部屋~
コンコン ガチャ
母「男、ちょっといい?」
男「ん?母さん?今幼女が寝たとこだから静かにな」
幼女「…スー…スー…」
母「うん、幼女ちゃんのことだけどさ…男はどう思う?」
男「どう、とは?」
母「そのままの意味よ」
男「…かわいい妹だよ」ナデナデ
幼女「ん…スー…スー…」
母「そっか、それならいいんだけど…」
男「ん?なんかあるのか?」
母「いえ、男ってその…ロリコン?って言うのじゃないよね?」
男「んな!」
母「しーっ!声が大きい!!」
男「…あのなあ、確かに幼女はかわいいけどさ、俺は普通におっぱいがある女の子のほうが好きなの!」
母「それならいいのよ、あははは…」
男「まったく…それより幼女、ラリルレロが言えないだろ?ちょっと気になるんだけど…」
母「ああ、それはきっと小舌帯が短いんだと思うわ」
男「なにそれ?」
母「男もそうだったんだけど、舌の裏の襞が短くて、小学校の時に歯医者さんで切ってもらったのよ」
母「男もそれまでは言葉をちゃんと発音できなかったでしょ?」
男「そうだったかな?忘れたよ」
母「そうだったのよ。だから幼女ちゃんも、もうちょっと大きくなったら歯医者さんで見てもらおうかなって思ってるの」
男「ま、そういうことなら気にしない事にするよ。話はそれだけ?」
母「うん、じゃ、おやすみ、男」
男「ああ、おやすみ」
~週末の夜・家~
ガチャ
父「たっだいまー!」
母「おかえりなさーい♪」
父「ただいま、母さん」チュッ
母「もう、子供たちが見てるでしょ!」ペチン
父「あた!男もただいま!」
男「あ、おかえり。今度はどれぐらい居られる?」
父「1週間後にまたあっちに行く。で?うちの娘はいずこに?」キョロキョロ
幼女 コソコソ
父「おー!そこにいたか!!」ダッ
幼女「ひっ!」ビクッ
男「親父!ストーップ!!」ガシッ
父「…娘に挨拶したいだけなのに、何で邪魔する?」
男 チョイチョイ
父「ん?」
男『幼女、大人が嫌いなんだ。いきなり近づいたりしたら嫌われるぞ?』
父「そうなのか?」
男「そう。だからもっと慣れてからにして欲しいんだけど?」
父「うぅー、そういうことなら仕方が無い、今は引き下がろう。その分母さんを抱っこするか!」
母「やだもう!お父さんたら♪」ペシッ
~夕食中~
幼女 ジー
父「んー!久しぶりの母さんのご飯!!最高!!!」
母「うふふふ。お父さんったら子供みたいだわ」
父「母さん、御代わり!」
母「はいはい。ふふっ」
幼女 ジー
クイクイ
男「ん?なんだ?」
幼女「あぇ…」
男「ん?親父か?いつもあんな感じだぞ?」
幼女「…へんなの」
男「はは、その変なのが幼女のお父さんなんだぞ?」
幼女「…そっか。じゃあへんじゃない」
男「まあ、変でもいいんじゃないか?俺はあの親父結構好きだよ?」
父「うまうま♪」
幼女「…やっぱぃへん…」
・
・
・
父「ごちそうさまー!」
男「あ、親父、先に風呂に入るか?」
父「ん?ちょっと一息ついてからにするわ」
男「じゃあ、幼女先に入れてもいいか?幼女、俺たちより早く寝るからさ」
父「ああ、いいよ」
母「じゃあ幼女ちゃん、今日はお母さんと男、どっちと入る?」
父「あ、いいなぁ、二人とも。って言うか、俺も一緒じゃダメ?水鉄砲もつけるからさ…」
男「さあ?どうする、幼女?」
幼女 ジー
幼女「……おとこといっしょなぁ…いい」
父「ありがとー!幼女ちゃん!!」
男「ストーップ!」ガシッ
幼女 コソコソ
男「まったく…じゃあトイレ行ってくるわ」
父「あ、俺も」
~風呂~
ワシワシ
男「おっし、じゃ、頭流すぞー」
幼女「ん」
ザッパァァン
幼女「ん!」
男「よし、風呂の中に入っといで」
幼女「え~?」
父「あー、お父さんと一緒じゃ嫌?」
男「しょうがないな。親父、俺と幼女が入るから」
父「ちぇーっ」
パシャン チャプン
男「…幼女、これ使って」
幼女「…みずてっぽう?」
男「俺はこっちでやるから」ニヤッ
幼女「?」
男「それ!」ピュー!
父「うわっ!」
男「それっそりゃっ!幼女もやって!」
幼女「う、うん」ぴゅろろろ…
父「くっ!連合を組むとは卑怯な!シャワーで反撃だ!!」しゃあああ
幼女・男「「わっ!」」
男「つめてー!」
父「わははは!みたか!シャワーの威力!!」
幼女「つめたーい!きゃははは!!」
男(!?幼女が笑った!?)
幼女「えいっ!えーいっ!きゃはははは!」ぴゅるるる
父「なんのぉ!そりゃ!とりゃあ!!わはははは!!」しゃあああ
ガチャ
母「なんの騒…きゃあ!」
幼女「きゃはははは!ごめんなさぁい!!」
母「幼女ちゃん!?」
父「母さんも早く!こっちが劣勢なんだ!!」
母「は、はい!…………母、いきまーす!!」バッシャーン!
男「くっ!洗面器とは卑怯な!!幼女、集中攻撃だ!親父を狙え!!」ピュー
幼女「きゃははは!はいっ!!」ぴゅるるる
父「なんの!広域攻撃!!わはははは」しゃわわー
幼女「きゃははは!きゃはははは!!」
・
・
・
男「幼女、すぐに寝たよ」
母「ご苦労様」
男「…よかったな」
母「そうだね、幼女ちゃんが大声で笑ったの、初めてだもんね」
父「そうなのか?」
男「ああ、俺たちがどんなにがんばっても、こんなこと無かったのにな」
母「そうそう」
父「あー、それじゃあダメだろうな」
母・男「「え?」」
父「俺は何も特別なことはしてないぞ?」
男「そういえば…」
父「俺はただ、何も考えずに幼女ちゃんと一緒に思いっきり本気で遊んだだけだ」
父「あの子、普段から大人の顔色伺ってるだろ。だから大人の浅はかな考えなんて見抜くと思うぞ?」
母「あー、そっか。あたし、あの子の目線に立たなきゃって思ってるくせに、出来てなかったわ」
男「俺も幼女のためにって言いながら、自分の考えを押し付けてたのかも…」
父「…まあ、そうだろうな。俺だっていろいろ考えたんだぞ?」
母「いろいろ?」
父「最初は少しずつ間合いを詰めながら、幼女ちゃんに少しずつ意識させるようにするにはどうしたらいいか?とかさ」
男「あ…」
~~~~~~~~
男『…見たい?』
幼女 コクッ
男『じゃあ隣に座りなよ』
~~~~~~~~
男「おれ、最初に幼女に会った時にそれやってたわ」
母「それで最初から男に懐いてたのね…」
父「で、近づいてきたらちゃんと向き合って、相手のペースに合わせて自分も一緒に楽しむつもりで遊ぼうとか」
男「それで親父は風呂であんなにはしゃいでたのか…」
父「まあ、そういうこった。幼女ちゃんは今まで大人の都合で振り回されてきたんだし、大人に不信感を持ってるみたいだろ?信用を得るためには少しずつ、焦らずに接していかないとな」
母・男「「肝に銘じます」」
男「でもまあ、今日ので大分打ち解けたんじゃないか?」
父「いや、明日になるとまた少し距離をおくんじゃないか?」
母「そういうものなの?」
父「ああ、3歩進んで2歩下がる、ぐらいで考えてた方がいいだろうな」
~幼女の夢~
~~~~~~~~~
幼女父『今日は何でも食べたい物食べていいぞ!』
幼女『ほんと?』
幼女父『ああ、ホントだ。何が食べたい?』
幼女『えっとね、えっとね…はんばーぐ!』
幼女父『よしよし…』
おとーさん…
曾爺『…お前は誰だ?』
幼女『あの…えっと…こ、こぇ!』
曾爺『手紙?』カサカサ
曾爺『…おまえ、誰と一緒に来た?』
幼女『おとーさん』
曾爺『どこにいる?』
幼女『おともだちのいえにいくって、あっちにいっちゃった』
曾爺『急いで追いかけろ!そして父親を見つけたら二度とここにくるな!!』
幼女『ひっ!』トテテテテ…
おじーちゃん…
曾婆『幼女ちゃん。これで遊んでみる?』
幼女『…なにこぇ』
曾婆『お手玉って言うんだよ。こっちはお爺さんが作った竹トンボ』
幼女『?』マジマジ
曾婆『これはこうやって遊ぶんだよ。ひーとめ、ふーため…』
おばーちゃん…
男『…』
ピコピコピコ
…あれ、なんだぉ?
男 チラッ
あ、みつかった!
男『…見たい?』
うん!みたい!!…けど…
男『じゃあ隣に座りなよ』
…やなこと、しない?
男『見たくないんならいいんだよ?慣れたら貸してあげようかと思ったんだけどな~』
え?かしてくれぅの?ほんと?
男『しょうがないなぁ~、仕舞っちゃおかな~』
いや!みたい!!かしてほしい!!
男『よしよし、いい子だ♪』ナデナデ
あ、あたま!…なでてぅの?
男『あっ、頭撫でるのはダメ?』
…なでぅの…こそばい…
男『?…よくわかんないけど、まずはお手本ね』
うん、はやくみせて!
おとこ…
~~~~~~~~~
幼女「んー……おとこぉ?」ボー…
男「zzz…」
ギュー…
幼女(あったかい…)
幼女「…おとこぉ…」
男「…」
幼女「…スー…スー…」
男「…まったく…かわいいやつめ」
~朝~
ガチャッ
幼女「…」トテトテ
父「お、幼女ちゃん、おはよう♪」
幼女「…あ、おはよーございます」
母「あ、おはよう♪ご飯食べる?」
幼女「…うん」
母「じゃあ、準備するから、男起こしてきて」
幼女「はーい」
~男の部屋~
幼女「おとこー、あさだよー。おきてー」ユサユサ
男「んー…zzz…」ゴロン
幼女「おとこー、おとこ…?」
フッジサーン
幼女(なにこぇ?)チョン
男「ん?…zzz…」ピクッ
幼女(うごいた!なででみよう…)
ナデナデ…
男「ん、ふふーん…zzz…」ピクピク
幼女「あはは♪おもしぉーい♪」ナデナデ
ジワァ…
幼女(あ、あれ?さきっぽがぬぇてきた…おもぁし?)
幼女「おとこー!たいへんだよー!!」ユサユサ
幼女「おきてー!おもぁしちゃうよー!!」ユサユサ
男「ん?んー…zzz…」
幼女「もう!」ダーイブ!グキッ!
男「はうあ!」ガバッ!
男(お、折れた!今絶対折れた!!)
幼女「おとこー、おきた?といぇいかなきゃ、おもぁししちゃうよ?」
男「うぅ…お漏らし?」
幼女「うん、ここ」
男「…」
男「あ、いやこれはお漏らしなんかじゃなくてね所謂そのガマンじrゲフンゲフンいやまあ男の子なら一度は通る道で」
幼女「…おとこのいってぅこと、むずかしい…はやくといぇにいって?」
男「は、はい。いってきます…」
~朝食中~
男(…まだちょっと痛い…)モゾモゾ
父「ん?男、どうした?」
幼女「まだいたい?」
男(そうやって心配そうに下から見上げられると…かわいいから許しちゃう!)
男「はは、大丈夫だって」
母「どうしたの?」
幼女「あのね、おとこ、おきなかったかぁ、とびのったの。そしたぁ、おっきーとこがぐきってなったの」
母・父「「…」」
母「…で、でも、起きなかった男が悪いんだし?」
父「…そ、そうだな、あははは」
男(うぅ…もうちょっと労わってくれよ)
幼女「?」
父「それより!今日はお出かけするぞ!!」
幼女「おでかけ?」
母「そう。幼女ちゃん、水族館って知ってる?」
幼女「すいぞっかん?」
男「いーっぱいお魚がいるんだぞー!」
幼女「おさかな…」
父「それにアシカやペンギンもな!」
幼女「ぺんぎんさん?」
母「そうよ。行きたい?」
幼女「でも…」
男「俺、イルカ見たいな~」
幼女「いるかさん!」キラキラ
男「な、幼女、行こうよ!」
幼女「…おとこといるか、みぅ!」
父「よーし、じゃあ行くぞー!」
男「おー!」
幼女「…おー!」ニパッ
~水族館~
幼女「ひと、いっぱいいるね」
男「そうだな。幼女、手、繋いで」
幼女「うん」キュッ
父「入場券買ってきたぞー」
母「じゃあ、行きましょうか♪」
幼女「うん!」
・
・
・
幼女「うわあ、きぇいなおさかな!」
男「はは、ほんとだな」
幼女「いっぱいいぅね!」
母「いろんな色の魚がいるね」
幼女「うん!」
父「あっちに大きい魚がいるぞ」
幼女「おとこ、いこ!」トテトテトテ
男「あ、おい、引っ張るなって」
母「慌てなくてもお魚さんは逃げないわよ」
幼女「おとこー、はやくー!」
・
・
・
幼女「…」ギュッ
男「ん?どうした?」
幼女「こわい…」
男「あー、確かにこのカニ、でかくて不気味だもんな」
幼女「…つぎ、いく」
男「はいはい」
・
・
・
幼女「…うわあ」キラキラ
男「水中トンネルか。すごいな」
幼女「おさかな、とんでぅ…」
男「そうだな…」
父「この先に休憩できるとこがあるらしいぞ」
母「じゃあ、お弁当にしましょうか」
幼女「うん!」
~休憩所~
パカッ
幼女「あー、たこさん!」
母「うさリンゴもあるわよ♪」
父「うまそうだな」
男「幼女、ほら、お手拭き」
幼女「はーい」フキフキ
男「それじゃ」
一同「「「「いただきまーす」」」」
・
・
・
幼女「ごちそーさま。おなかいっぱーい」
母「ふふふ。よかったわ」
父「さて、次は…」
ピンポンパンポーン
『間もなくイルカショーが始まります。ご観覧の方は…』
男「イルカショーだって」
幼女「いくー!」
父「じゃあ、みんなで行くか」
幼女「やった!」
・
・
・
幼女「いぅかさん、すごかったー!」
男「ははは、ハイテンションだな」
幼女「いぅかさん、すごいね!とんでたね!!」
男「そうだな。すっげー高いとこまで飛んでたな」
幼女「すごいなぁ」キラキラ
男「落ちたときの水しぶきで濡れちまったけどな」
幼女「あはは、いーの!」
父「じゃあ、そろそろお土産買って帰ろうか?」
幼女「え~?」
母「だってもうすぐ閉館時間だから、早くしないとお土産買えなくなっちゃうわよ?」
幼女「は~い」
・
・
・
幼女「おみやげ、なにかうの?」
男「ん、男友と友カノにシャチのクッキーでも買って帰るかな?」
幼女「ようじょは…」
男「幼女は幼友ちゃんに買ってあげるんだろ?」
幼女「おかね…ないかぁ…」
母「あら、忘れてたわ。はいこれ、幼女ちゃんのお小遣い♪」
幼女「…え?」
母「まだちょっと早いかもしれないけど、幼女ちゃん、おうちのお手伝いしてくれてるし、少ないけど…ね」
幼女「…あぃがとー!」
・
・
・
男「幼女、決まったか?」
幼女「えっと…えっと…おとこ、こぇ、かえぅ?」
男「あー、買えるよ。それにする?」
父「慌てなくていいからね、ゆっくり選んでいいよ」
男「ってか親父、その巨大なイルカのぬいぐるみ、どうすんだよ!?車にのらねーぞ?」
幼女「うわあ…すごい…」
父「ん?これか?抱き枕の代わりにしようと思ってな、宅急便で赴任先に送ってもらうんだ♪」
母「お父さんったら子供みたい。ふふっ」
男「…まあいいけど。幼女、もう決まったか?他の店もあるぞ?」
幼女「じゃあ、あっちのおみせもみぅ!」
男「はいはい」
・
・
・
男(幼女は小さいイルカのマスコットをお土産に買ったか…じゃあ)
男「幼女、一緒にこれ着けようぜ。今日の記念にさ」
幼女「え?」
男「ほら、イルカのぬいぐるみストラップ。幼女の幼稚園バッグにつけてさ」
幼女「えっ…でも…」
男「お金なら大丈夫。俺も鞄につけるからさ」
父「あ、俺も俺も」
母「お母さんも混ぜてよ」
男「じゃあさ、みんなでおんなじヤツつけね?親父の奢りで」
父「なぬ!?…あ、1個300円ほど?じゃあいいぞ」
男「値段見て態度変えんなよ、親父。セコイぞ」
父「まあまあ♪」
~帰りの車の中~
男「zzz…」
幼女 ジー
父「幼女ちゃん、何かあったらすぐに言うんだぞ?」
幼女「うん」
母(幼女ちゃん、車に乗ると、ずっと外を見てるのね)クスッ
幼女(きょう、たのしかったなあ)
幼女(すいぞっかん、またいきたいなあ)
幼女(おとこと、おとこのおかーさんおとーさんと、おべんとさんも)
幼女(みんなといっしょ…いっしょがたのしい)
幼女(いっしょがたのしいのは…はじめて)
幼女(だいじょーぶ…だよね?うそ、つかないよね?)チラッ
男「zzz…」
幼女(おとこがいぅかぁ、だいじょーぶ)ギュッ
~男の学校・昼休み~
男「ホレ、土産」
友カノ「ありがとー♪」
男友「お、サンキュー。で、幼女ちゃんの様子はどうよ?」
男「ああ、大分打解けたみたいだな」
友カノ「じゃあさ、頭撫でられるのは?」
男「うちの家族ならもう平気みたいだぞ?昨日の夜は親父や母さんも撫でてたし」
友カノ「あ、いいなぁ…」
男「なんでそこにこだわる?」
友カノ「だってさ、あたしは結構子供に人気があるって自負してたんだよ?それがさぁ…」
男友「こいつ、ちょっと自信なくしてんだ」
男「あー…そりゃご愁傷様」
友カノ「うぅ…男が冷たい…」シクシク
男友「よしよし」ナデナデ
男「…勝手にやってろ」
~放課後・幼稚園~
男(あれ?いつもは保母さんが園庭で待ってくれてるんだけどな?)
男「こんにちはー!誰かいませんかー?」
若保母「あ!すみません、こちらに来てください!!」
男(なんだ?幼女の教室か?)
ガラッ
男子「うゎぁああああん!えっえっえぐっ」
男(なんだ?この状況は?…っと、幼女は?)
幼女 ギュッ
幼友「ようじょちゃん、だいじょーぶ?」サスサス
男(おでこにガーゼ?怪我したのか?それに床にへたり込んで俯いたまま…何か握ってるし…)
若保母「幼女ちゃん、男子君と諍いがあって、押し倒して泣かせちゃったんです」
幼友「さきにしてきたのはだんしくんのほうだよ!ようじょちゃん、わるくないよ!!」
保母「静かにしなさい!」
男『あー、あの人が責任者ですか?』コソコソ
若保母『はい、男子君は保母さんのお気に入りでもあります』コソコソ
男(うーん、ちょっと厄介かもな…)
保母「あ、お母様には連絡を取らしていただきました。すぐに来るらしいです」
男「幼女、大丈夫か?」
幼女「…」
男「…何を握ってるんだ?」
幼女「…こぇ…」
男(水族館で買ったぬいぐるみのアクセサリー?紐が切れてるけど…)
幼女「…ようじょの…たかぁもの…」
男「…鞄につけてたやつだな。なんで持ってるんだ?」
幼友「あのね、だんしくんがひっぱってとったの!」
男「なんだ?それで幼女が怒ったのか?」
幼友「ようじょちゃん、おこらなかったよ!だんしくんがそれ、ふんだから、どかそうとしておしたんだよ!」
男「じゃあ幼女は悪くないじゃん!保母さん、さっきの話じゃ」
保母「余計なこと言わないの!」ジロッ
幼女・幼友「「ひっ!」」
男「何が余計なことなんですか!さっきのあなたの言い様じゃ、幼女が一方的に男子君を突き飛ばしたみたいだったじゃないですか!!」
保母「そんなこと、一言も言ってませんが?」フンッ
保母「それに、子供なんて自分の都合のいいように話をしますからねぇ」
男「…なんでこんなのが保母やってんだよ…」
幼女「…」
男「幼女、大丈夫だ。俺は信じてるから。な?」ナデナデ
幼女(おとこ…)
保母「…ふん」
母(…これ使ったほうがいいみたいね)カチッ
ガラッ
母「遅くなりました」ペコッ
保母「お母さん、早速ですが簡単に状況を説明しますと、男子君が幼女ちゃんに突き飛ばされて泣かされました」
若保母「簡単すぎます!」
保母「うるさいですよ?今は幼女ちゃんのお母さんと話してるんです。静かにしてください」
母「…うちの子、額にガーゼが貼ってありますが、あれは?」
若保母「あれh
保母「今回のこととは関係ありません!」
幼友「うそだー!だんしくんがようじょちゃんをつきとばして、けがさせt」
保母「静かに!!!」
母「保母さん、貴女こそ静かにしててくれませんか?情報が錯綜しますから」
保母「何をおっしゃっているのか、さっぱり意味が分かりませんが?」
母「私は今来たところなので、何があったのか分かっていません。だからそれを知りたいのです。貴女は今回のことが起こったとき、どこにいましたか?」
保母「私は…園庭に居ました」
若保母「私は子供達と一緒にこの部屋に居ました」
母「では若保母さん、何があったか教えてくれませんか?」
保母「その必要はありm」
母「静かにしてください」ジロッ
若保母「…始めのほうはよく分からないのですが…」
幼友「ようじょちゃんがあたしにおみやげくれたの!そしたらだんしくんが、おれにもくれってきたの!!」
保母「…子供の言うことなんて信じられないわぁ」フンッ
男(なんだこのクソババア!いい加減にしろよ!!)
母「…それで?」
幼友「ようじょちゃんがもうないっていったら、だんしくんがようじょちゃんをつきとばして、ようじょちゃんがけがをしたの!」
保母「男子君がそんなことするわけ無いでしょ?うそをつくのは悪い子よ?」ジロッ
母「…幼友ちゃん、続けて」ニッコリ
幼友「…それでだんしくんが、ようじょちゃんのばっぐのぬいぐるみをちぎったの!」
若保母「そこからは私も見てました。私が幼女ちゃんの血を拭くためにハンカチを出そうと目を離した隙に、幼女ちゃんが男子君を押し倒したんです」
母「幼女ちゃん、なんでかな?」
幼友「だんしくんがそれふんでたから、ようじょちゃんがだんしくんをどかそうとしたの!」
幼女「…こぇは…たかぁものなの…みんなと…いっしょなの…だかぁ…だれにも…あげないの!」ポロッ
母・男「「!」」
保母「ふん、みんなでよってたかって男子君を悪者にしたいのね!?いいわよ?PTA総会や教育委員会にこんな自分勝手なことを言う親が居ますって報告してやるから!」
母「…それは脅しと取りますよ?」
保母「あら?私がいつ脅しました?事実を言っただけですけど?」フフン
母「…弁護士に相談します」
保母「証拠も無しで、弁護士が取り合ってくれるかしらねぇ?」
母「…あら?ポケットの中にマイクロカセットレコーダが?あら?録音ボタンが押されてるわ(棒)」
保母「!」
母「会議の記録が消えちゃったかも~。どうしましょう?(棒)」
男「とりあえず、ちょっと巻き戻して確認してみれば?」
母「そうね」
カチャ キュルキュル カチャ
保母『あら?私がいつ脅しました?事実を言っただけですけど?』
保母「…」
母「さっきの会話で上書きされちゃってるわ。どうしよう?(棒)」
男「ま、やっちまったもんはしょうがねーじゃん?最初から聞きなおしてみたら?無事なトコもあるかもしれないし」
母「それは後でするとして…保母さん?」
保母「…」ギリッ
母「…他のみんなも聞いてね。幼女ちゃんのぬいぐるみを取ろうとした男子君が幼女ちゃんを突き飛ばして怪我をさせた。ここまではいい?」
幼友・若保母・モブ園児「「「はーい!」」」
母「それで、ぬいぐるみを取った男子君を幼女ちゃんが押し倒して泣かした。これでいい?」
幼友・若保母・モブ園児「「「はーい!」」」
母「で、保母さん、どうされます?」
保母「…くっ!」
ガタン
若保母「もういいじゃありませんか」
男「…若保母さん?」
若保母「いつもは厳しいけど公平な保母さんが、こんなことで評判を落とすなんてもったいないですよ?」
若保母「幼女ちゃんのお母さんがさっきのテープを持って弁護士さんに相談に行ったら、只ではすまないことはあなたもわかってるはずです」
若保母「…それに、男子君のためにもなりませんよ?」
保母「…わかったわよ。ごめんね、幼女ちゃん。ほら!あんたも謝るの!!」グイッ
男子「うぇえええ、ごべんなざいぃぃ」
幼女 コクリ
母「…幼女ちゃんはうちの大切な娘です。これからもよろしくお願いしますね」ペコッ
若保母「はい、責任を持ってお預かりします」ペコッ
幼女「…ようじょ、よーちえんにきていいの?」
男「当たり前だろ?」ニコッ
母「…幼女ちゃん」スッ
幼女 ビクッ
母「よくガマンしたわね、幼女ちゃん」ナデナデ
幼女「…え?」
男「偉かったな」
幼女「…おこぁないの?」
男「あー、うん。男子君を押し倒したのはよくないことだぞ?男子君は先に謝ってるし、幼女もそれは謝らないとな」
幼女「…だんしくん、ごめんなさい」ペコッ
男「よし!いい子だ」ナデナデ
幼女「…えへへ」
母「じゃあ、帰ろっか」
幼女「…ようじょも…いっしょ?」
母「もちろんよ!当たり前じゃない!!」ニコッ
幼女「うぅ…うえぇぇ…」
男「泣かなくてもいいんだって」ナデナデ
幼女「うえぇぇ…うぇ…えぇぇん…」
男「…そういえば母さん、仕事は?」
母「ああ、もうやる気ナッシングよ。その代わり、晩御飯は気合入れるわよ♪」
男「お、いいねぇ。んじゃ幼女、何か食べたいもの、あるか?」
幼女「えぐっ…はんばーぐ…」
母「よーし!お母さん、腕によりをかけて作っちゃうわよ!期待してなさい!!」
男「じゃあ、俺たちはポテサラでも作ろうか?」
幼女「…うん!」
幼女(…みんな、だいすき!)
~晩御飯の準備中~
母「で、ジャガイモに火が通ったらいったんお湯を捨てて、空煎りして水分を飛ばすの。男、お願い」
男「ほいっと」ザー
幼女「おいしそー」
母「ちょっと待ってね。水分を飛ばして…男、小皿だして」
男「ほい。ちょっと塩をかけて…ふーっ、ふーっ…はい」
幼女「あちっはふっほっ…おいひー!」
男「はは。残りはボールに入れて荒熱を取って…と」
幼女 ジー
男「…もう一個だけだぞ?」
幼女「やたっ!」
父「ただいまー」
幼女・男・母「「「おかえりなさーい」」」
父「お、今日は幼女ちゃんも手伝ってるのか」
幼女「うん!ぽてとさぁだだよ!!」
父「ははは、そうかそうか。こりゃ楽しみだ♪」
幼女「えへへ」
父「ジャガイモいただき♪」ヒョイ
幼女「あー!だめだよ!!」
父「ごめんごめん」
男「親父のポテサラ、ちょっと減らすぞ」
父「え~!」
幼女「あははは。ようじょの、ちょっとあげぅからだいじょうぶ!」
父「ありがとー!幼女ちゃん!!」
~晩御飯中~
父「んー!このポテサラ、実にうまい!!」
幼女「はんばーぐ、おいしーよ!」
母「…幼女ちゃんだけよ、褒めてくれるのは」ホロリ
父「い、いや!幼女ちゃんが作ったポテサラが思いのほか美味くって…母さんの料理が美味いのは知ってるから!!」
母「いいのよ、そんな取ってつけたような言い訳なんて…」
男「あーあ、母さん拗ねちゃった」
父「で、でもな!ホントに美味いんだって、このポテサラ!!」
母「そんなこと、つまみ食いしたから知ってるわよ…」イジイジ
幼女「…どうしたの?」
男「母さんが甘えてるだけだから気にしなくていいぞ」
幼女「ふーん、なかよしなの?」
男「そ、仲良しなの」
父「そ、それより!今日は幼稚園で一悶着あったんだって?」
男「あ、でも幼女は何も悪くないぞ?むしろ被害者でさ」
母「でも、幼稚園から電話があったときは正直肝を冷やしたわよ。男のときはしょっちゅう問題起こしてたからね」
男「俺を引き合いに出さなくてもいいじゃんよ…」
母「でもね、今日のは幼女ちゃん、悪くないわよ?むしろよく我慢したわ」
父「そうなのか?最初に聞いたときはびっくりしたけど、何事もなくてよかったよ」
男「そうだな。俺だったらキレて暴れてさ、母さんが頭下げに来てたんじゃないか?」
父「そうだろうな。あはははは」
幼女「…きょうはごめんなさい…おかーさん、おとーさん」
母・父・男「「「!?」」」
母「幼女ちゃん!今お母さんって!!」
父「ああ!お父さんって言ったぞ!!」
母「…ありがとう」ホロリ
父「もう一回!もう一回呼んで!」
幼女「…おかーさん、おとーさん」テレッ
父「…幼女ちゃん、ありがとう!」ナデナデ
幼女「えへへ。…そぇからね」
トテトテトテ
幼女「ほっぺ」
男「…へ?」
幼女「だかぁね」
チュッ
幼女「おにーちゃん、だーいすき♪」
【エピローグ】
~数ヶ月後~
父「もうちょっと右!そうそこ!」
男「早く撮ろうぜ。恥ずかしい…」
父「何が恥ずかしいんだ!お前はかわいい妹の入学式が大事じゃないのか!!」
男「そりゃ大事だけどさぁ…」
母「うふふふ。でも、早くしないと入学式に間に合わなくなるわよ?」
幼女「おかーさん、まだまにあうかな?」
母「まだ大丈夫よ。記念写真が終わったらみんなでクラス表を見に行って、そのあと体育館で入学式よ」ニコッ
父「よーし!撮るぞー!!タイマーセット!」
ジー カシャッ
男「もういいか?」
父「もう一枚!」
男「もう…早くしろよな」
~入学式の後~
父 ニコニコニコニ
男「…親父、その顔…は、恥ずい…」
母「ほらほら、ちょっとは落ち着きなさいよ」
幼女「おとーさん、すごくへん…だいじょーぶかな?」
父「幼女ちゃんの入学式、よかったよ~♪」
男「だからってそんなに浮かれなくても…俺は体育館に入れなかったから分かんないけど、そんなに良かったのか?」
母「普通だったわよ?ビデオ見たら分かるけどね」
男「そうなのか…親父が変なだけなんだな…」
幼女「おにーちゃんもみぇたぁよかったのにね♪」ニコッ
男(おおう!その笑顔、破壊力が上がってきたぞ!!俺がロリじゃない、ロリじゃない、ロリじゃ…)
幼女「…おかーさん、おにーちゃんがぶつぶついってぅ…」
母「…おとこぉ?」
男「へ?」
幼女・母 ジー…
男「…いやいやいや、なんでもないし!考え事してただけだし!!」
幼女・母 ジトー…
男「うぅ…二人の視線が痛い…」
父「よーし!今日は俺の奢りだ!!幼女ちゃん、何が食べたい?」
幼女「え?なんでもいいの?」
父「ああ、なんでもいいよ」
幼女「えっと、えっとねぇ」
男『やーきーにく!やーきーにく!』
幼女「!?えっとねぇ、やきにくたべたい!」
父「よーし、焼肉食べに行こう!」
幼女・男「「やったぁ!」」
父「車まわしてくるから、ここで待ってなさい」
幼女・母・男「「「はーい」」」
幼女「…おかーさん」
――大人はつめたかった
母「ん?なあに?」
――怖かった
幼女「えへへ、よんでみただけ♪」
――嘘つきだった
幼女「…おとーさん」
――寂しかった
父「はいはいはい!お父さんでーす!!」
――けれど
幼女「…ちょっと…うぅさい…」
――違う大人もいた
父「ええー!?」
――暖かかった
母「幼女ちゃんの言うとおりね」クスッ
――楽しかった
父「そ、そんなぁ!静かにするから嫌わないでぇー!!」
――話を聞いてくれた
男「それがうるさいってーの!なあ、幼女?」
――ときどき叱られた
幼女「うーん、そうだね」クスッ
――でも、いつも優しかった
父「うぅ…みんな冷たいよぅ…」グスン
――ここにはわたしの居場所がある
幼女「あははは。…ねえ、おにーちゃん」
――この人たちを信じてみよう
男「ん?」
――だから…
幼女「みんながかぞくでよかった♪」ニコッ
~END~
466 : 以下、名... - 2011/04/10(日) 04:16:26.39 InuHr5F/0 121/122
これで終わりです
支援・保守・レスくれたすべての方に感謝!
このような駄文に最後まで付き合っていただき、ありがとうございました!!
473 : 以下、名... - 2011/04/10(日) 04:18:18.51 WV3VRkR60 122/122
乙。続編期待