※2018年7月17日(火)の22時頃まで公開していた記事にミスがありチャプター2および3が正しくまとめられていませんでした。申し訳ございませんでした。現在は修正されております。

関連
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」『ダンガンロンパV3』(ch.1)
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」(ch.2)
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」(ch.3-1)
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」(ch.3-2)
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」(ch.4-1)

332 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:19:13.27 McLTKALh0 1174/2029

夢野(モノクマの殺人行為禁止宣言により、王馬と真宮寺は武器を下ろした)

夢野(死体発見アナウンスはゲーム世界にも流れたようでゲーム世界からログアウトしてきたみんなと真宮寺の部屋の前に置いてきた百田もコンピュータールームに集まる)

夢野(そうして生き残っている生徒全員が集まった前でモノクマは上機嫌に語り出した)



モノクマ「うぷぷっ、今回もようやくこの時が来たね!!」

モノタロウ「オイラたちが調整頑張ったかいがあって良かったよ」

モノスケ「あれは地獄の作業だったで……」

モノキッド「思い出すだけで頭痛が……」

モノファニー「私なんて思い出すだけで……デロデロデロデロ」

モノダム「オイラモ……頭ガ……」

333 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:19:43.32 McLTKALh0 1175/2029

モノクマ「よし、それじゃあ早速――」

天海「その前にちょっと聞いてもいいっすか?」

モノクマ「ああうん、いいよいいよ。何かな、天海クン?」

夢野(上機嫌のモノクマは自分の言葉を遮られても気にしていない)



天海「捜査と裁判も重要っすけど……望みを叶えるゲームの結果ってどうなったんすかね?」

夢野「っ、そういえば……」

夢野(ウチらからボールを奪っていったはずのアンジーがボールを持っていそうに無かったが…………)





モノクマ「それなら昨夜の内にモノクマボール七つ集めた人が出たから、その人に一つだけ何でも望みを叶える『権利』を与えたよ」






334 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:20:12.47 McLTKALh0 1176/2029


夢野「……やはり集めた者がいるのか」

天海「それは誰っすか? 何の望みを叶えたんっすか?」

モノクマ「うぷぷっ、それは生徒のプライバシーに関わるから教えられないよ」



王馬「ねえ。権利って初めて聞いたけど、それって望みを言わないまま保持することが可能ってこと?」

モノクマ「そうだね」

王馬「なら、まだ望みを叶えていないって可能性もあるんだよね」

モノクマ「可能性だけで言えばそれもあるね」

王馬「その人がもしクロで……指摘されておしおきされるって時になって『コロシアイを終わらせろ』って望んだらどうなるの?」

モノクマ「仮にそうしたとしたらその時点でコロシアイは終了だよ。おしおきもされない」

王馬「ふーん……なるほどね」


335 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:20:42.48 McLTKALh0 1177/2029


夢野「どういうことじゃ、王馬。望みを叶える権利はクロが持ったままだと思っているのか?」

王馬「モノクマじゃないけど、可能性だけで言えばそれもあるでしょ?」

王馬「もちろんクロじゃない人が持っている可能性だってあるし、誰かが既に望みを叶えている可能性だってある」

王馬「あらゆる可能性を考慮しないとね」

王馬「言うまでもなく、今回の事件にこの何でも望みを叶えるって動機は大きく関わっているだろうから」



夢野「それもそうじゃな」

夢野(殺された場所、ゲーム世界は望みを叶えるゲームの舞台じゃったし)

夢野(アンジーはウチらから奪ったモノクマボールを持っていたはずじゃ)

夢野(単純に考えるなら、そのモノクマボールを奪うためにアンジーを殺したという可能性が一番高い)


336 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:21:35.65 McLTKALh0 1178/2029


王馬「あともう一ついいかな」

王馬「今回の死体発見アナウンスもクロ以外の三人が死体を発見した場合に鳴らしたんだよね?」

モノクマ「……うーん、正直ね。毎回言っている気がするけど」

モノクマ「死体発見アナウンスは君たちの推理を補助するためにあるものじゃないんだよ?」

王馬「だとしても実際は補助になっているじゃん。ほら、さっさと質問に答えて」

モノクマ「しょうがないなあ……うん、その通りだよ。今回のアナウンスもクロ以外の三人が発見したときに鳴らしました」



王馬「なるほど。で、ここからが本題なんだけどその発見した時ってさ、死体が視界に入ったときなの? それとも死体だと認識したときなの?」

夢野「ん? どういう意味じゃ、王馬?」

王馬「今回のアンジーちゃんって、座ったまま自然な状態で死んでいたでしょ?」

王馬「だから死亡時刻次第では、このコンピュータールームを出入りする時に、死体だと思わずにアンジーちゃんを見た人がいるかもしれないじゃん」

夢野「なるほど。ウチら三人以外が無自覚に死体を見た可能性があるとうまくクロを絞れなくなるな」

王馬「そういうこと。それでどうなの、モノクマ?」



モノクマ「……ああもう、これも答えないと駄目なんだろうね」

モノクマ「答えは死体だと認識した場合だよ。大体、ちらっと目に入ったのかどうかを確認することは出来ないしね」



夢野(モノクマが答える……つまり無意識の目撃者はいないということで、やはりウチと王馬と真宮寺はシロの可能性が高いというわけか)


337 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:22:01.36 McLTKALh0 1179/2029


モノクマ「質問は終わり?」

モノクマ「じゃあ先に進めるよ。ということで……」

モノクマ「毎度おなじみモノクマファイル~~!!」

夢野(モノクマはウチらに一つずつモノクマファイルを渡していく)



モノクマ「じゃあ捜査頑張ってね!!」

夢野(そしてモノクマは姿を消して)



モノクマーズ「「「「「ばーいくまー!!」」」」」

夢野(モノクマーズも姿を消した)





夢野「………………」

夢野(これより始まるは捜査時間)

夢野(ここでクロの手がかりを見つけて、学級裁判で指摘せねばならない)

夢野(コロシアイを防ぐことが出来ず、不本意ながらお馴染みとなったことではあるが)

夢野(それでもこの瞬間は緊張して……前に進むためとウチは覚悟を決めた)


338 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:22:28.88 McLTKALh0 1180/2029


<捜査時間開始!!>

天海「それではモノクマファイルを見る前に、死体発見アナウンスがどうなったか聞いていいっすかね?」

夢野「そうじゃったな、まだ言ってなかったか」

百田「死体発見アナウンス? どういうことだ?」

茶柱「あ、そうでしたね。真宮寺さんの監視をしていたから百田さんは話を聞いてないんですか」

「百田には俺から説明しておく。夢野は実際どうなったか言ってもらえるか」

夢野「分かったぞ」



夢野(そしてウチは先ほどログアウトしてから起きた出来事を説明した)


339 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:22:57.52 McLTKALh0 1181/2029


キーボ「そうですか……三人が見た際にアナウンスが鳴ったということは、三人ともシロでしょうね」

天海「それより……迂闊だったっす。アナウンスが鳴った瞬間に真宮寺君が殺しに来る……その可能性に気づけないなんて」

茶柱「夢野さん、大丈夫だったですか!? 殺されてないですよね!?」

夢野「死んでたらこうやってここに立ってないわい」

百田「なるほどな……正直死体を前に何してるんだとも思うが……」

「裁判に勝つ可能性を少しでも上げるためだ。受け入れてくれ」

百田「そうか……生き残るためには仕方ないか」


340 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:23:25.75 McLTKALh0 1182/2029






真宮寺「ということで僕は完全にシロってわけ」





夢野たち「「「………………」」」

真宮寺「あれ、反応が鈍いネ?」

夢野「クロを確かめるためにしたことで、図らずもお主が完全にシロであることが論理的に証明されたが……」

「本当にシロなのか?」

天海「シロだとしても、まだ赤松さんみたいに誰かをクロにしたって可能性もあるっすよね?」

茶柱「それにアナウンスの時に夢野さんを殺そうとしたんですよね? その時点で転子的にはクロです」

真宮寺「酷い言われようだなァ……」

夢野「今までを考えれば当然じゃ」



夢野(納得はいかんが……まあ起きた出来事はまとめておかんとな)

夢野(ウチと王馬と真宮寺が死体を見てアナウンスが鳴った。モノクマの証言から、死体を意識せずに見た可能性も排除されたため、ウチと王馬はほぼシロ、真宮寺は確定でシロである……っと)



コトダマ『死体発見アナウンス』ゲット!!


341 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:23:54.09 McLTKALh0 1183/2029


夢野「次はモノクマファイルを見てみるぞ」

夢野(ウチは率先として、モノクマファイルを起動する)

夢野(そこに書いてある情報は以下の通りじゃった)




『モノクマファイル4』

『被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー』

『死体発見場所はコンピュータールーム』

『右手に小さな傷がある』




342 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:24:20.80 McLTKALh0 1184/2029


夢野「すっかりお馴染みになったが……今回も情報が少ないぞ」

夢野(ゴン太の時や、最原の時のように死因と死亡時刻が書いていない)



百田「右手の小さな傷ってなんだ? 包帯を巻いてるけどそれか?」

天海「昨夜の料理のときに失敗して出来た傷っすね。そんなに小さくは無いっすけど」

百田「大きな傷だとしたら……じゃあそこから血が流れ続けて死んだんじゃねえか?」

天海「いえ俺がきちんと止血したんで、それが原因で死んだとは思えないっす」



「死体に関するこの情報の少なさは……ゲーム世界でアバターに起きた出来事は書かれないからってことか?」

夢野「なるほど、ゲーム世界が今回の事件の主な舞台そうじゃな……」



コトダマ『モノクマファイル4』ゲット!!


343 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:24:54.85 McLTKALh0 1185/2029


「となると、さっさとログインして調べないとな」

夢野「よし、ではみんなゲーム世界に行くぞっ!!」

夢野(ウチの言葉に反対はなく、九人とも席に着いて装置を身に付けた)




<ゲーム世界・教会前>

夢野「やはり最初に調べるべきなのはアンジーの死体があった教会じゃろう」

天海「そうっすね、まだ本格的な捜査はしてないっすから」

夢野(ウチら九人は館の隣にある教会に向かった)

夢野(そして扉を開けて……再び凄惨たる光景を目の当たりにする)



百田「っ……どうしてこんなことに……」

真宮寺「教会で磔ネ……神を信じていたアンジーさんにとってこの死に方はどうだったのかナ?」



夢野「……そうか、二人はまだこの現場を見ていなかったな」

夢野(ゲーム世界に入っていなかった二人はショックを受けて……いや、真宮寺はそうでもないか)

夢野(改めて見るウチにも衝撃は強い)


344 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:25:23.84 McLTKALh0 1186/2029


「磔にされたままじゃ調べにくい。まずは降ろした方がいいだろうな」

天海「そうっすね、手伝うっす」

夢野(星と天海が教会の隅にあった脚立を使ってアンジーの死体を降ろしにかかる)

夢野(しかし脚立がどうしてこんなところに? ……あ、クロもこれを使ってアンジーを磔にしたということじゃろうか?)



「ふう……ようやくだな」

天海「にしても……これは……」

夢野(少しして星と天海が作業を終える。ウチらの前に横たわるアンジーの死体)

夢野(正確に言えばゲーム世界におけるアバターなのじゃが……作り物とは思えん質感じゃな)

夢野(まあウチらも生身と変わらぬ姿で動いている以上今さらなのじゃが)


345 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:25:50.76 McLTKALh0 1187/2029


王馬「じゃあ春川ちゃん、アンジーちゃんの死体を検分してもらえる?」

夢野「そうじゃな、ウチからも頼むぞ」

春川「………………」

夢野「ハルマキ?」

春川「え……あ、私?」

茶柱「今は捜査時間中です。命がかかっていますから、集中してもらえると」

春川「そうだね……ごめん」



夢野「………………」

夢野(やはりハルマキの様子はおかしい)

夢野(百田の病気が治っているような素振りといい……もしかして……)


346 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:26:22.84 McLTKALh0 1188/2029


春川「それで……夜長の死体の検分だったね」

夢野「ああ、そうじゃ。頼めるか?」

春川「………………」

夢野「ハルマキ?」



春川「ごめん……ちょっとその死体と向き合うことが出来ない……」



夢野「んあっ……!?」


347 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:26:48.80 McLTKALh0 1189/2029


王馬「ふーん……それってどういうこと?」

王馬「今まで死体なんて平気で見ていたのに……」

王馬「まさか自分が殺したから罪悪感で見れないからとかそういうこと?」

茶柱「ちょっと、そこの男死!! 何を言っているんですか!!」

王馬「えーだって、十分に考えられる可能性だよ!」

王馬「それに春川ちゃんってアンジーちゃんの死体が見つかった今朝からずっと様子がおかしいじゃん」

茶柱「っ……それは」



夢野(王馬の発言を非難する転子じゃが黙ってしまう。王馬の言い分に理があるのを認めたのだ)

夢野(ウチもその言葉には頷けるところがあった)

夢野(今のハルマキの様子は、この二周を通して見たことが無い)


348 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:27:20.80 McLTKALh0 1190/2029


夢野(ハルマキに対して疑惑の眼差しが集まる中、声を上げる者がいた)



百田「そういう時ぐらいあるだろーよ」



夢野「百田……?」

王馬「どういう意味かな?」

百田「超高校級の暗殺者なんて呼ばれているが、ハルマキだって一人の女の子なんだぞ」

百田「どんな理由があるのかは知らねーが、死体を見るのが辛いって時もあるだろーよ」

百田「そんなときこそ俺たち仲間が支えないといけないじゃねえか」

春川「百田……」

百田「つうか大体死体の検分なんて重要な仕事を毎回毎回ハルマキ一人に任せている方がおかしいんだ」

百田「ハルマキが出来ないなら、俺たちが代わりにすればいい」

百田「だから……後は任せろ」

春川「……うん。ありがと」


349 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:27:50.28 McLTKALh0 1191/2029


夢野(百田が庇うことで一応の収まりを迎える)



王馬「だからその理由ってのが気になるんだけど……」

王馬「まあいっか、ここで言い争っても時間を無駄にするだけだしね。議論は学級裁判でしようか」



夢野(渋々ではあるが王馬も引き下がった)

夢野(ウチもハルマキの不調の理由は気になるが……今は捜査を優先じゃな)


350 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:28:16.99 McLTKALh0 1192/2029


王馬「じゃあ春川ちゃん以外でアンジーちゃんの死体を見ていくよ」

夢野「そうじゃな」

夢野(ということでウチらは手分けしてアンジーの死体を見ていく)

夢野(じゃが、死体について詳しくないウチらにとって分かることは表面的なことでしか無く……)



天海「まとめると……アンジーさんの死体は胸に矢が刺さっていて、頭には何かで打った痕が残っている……どちらも致命傷になってもおかしくないくらい深い傷である……これくらいっすね」

夢野「死亡時刻や、どちらが直接の死因になったのかも分からんな……」



コトダマ『アンジーのアバターの状況』ゲット!!


351 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:28:43.00 McLTKALh0 1193/2029


王馬「死亡時刻に関しては目撃情報から絞るしかないね」

王馬「アンジーちゃんを最後に見たと思う人は挙手して」

夢野「ん、それならウチらかもな」

茶柱「そうですね、モノクマボールを囮にして捕まえようとしたところを逃げる姿を見ました」

王馬「それって大体何時くらい?」

夢野「えっと……夜の0時くらいじゃったか」

茶柱「ですね」

天海「それ以降にアンジーさんの姿を見たって人はいないっすか?」

夢野(天海の言葉に反応する者はいない)



王馬「じゃあもう一つ質問、第一発見者の夢野ちゃんがアンジーちゃんの死体を見つけたのはいつごろ?」

夢野「あれは……朝の6時くらいか」

王馬「6時……ね。じゃあアンジーちゃんは0時から6時の間に殺されたってわけか」



コトダマ『アンジーの目撃情報』ゲット!!


352 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:29:10.21 McLTKALh0 1194/2029


王馬「じゃあ死亡時刻の範囲も分かったところで、アリバイを調査しておこうかな」

王馬「0時から6時の間でアリバイを主張できる人はいる?」

シーン……。

夢野(王馬の呼びかけに応える者はいない)



王馬「あら、アリバイゼロ? まあ夜も遅いし、望みを叶えるゲーム中だったからしょうがないけど……夢野ちゃんと茶柱ちゃんは一緒に行動していたんじゃないの?」

夢野「いや、ちょうどアンジーの行方を探すために二手に別れておったからな。アリバイは無い」

茶柱「そうですね」



百田「アリバイじゃねーが、その間真宮寺の監視はきっちり行っていたぜ」

百田「昨日は寝落ちしてしまったが、今朝は体調もバッチリでずっと起きてたからな!!」

天海「なら真宮寺君は死亡時刻範囲で動けなかったと……でも真宮寺君から百田君を見えたわけではないので、百田君にアリバイがあるってことでは無いっすね」

真宮寺「そうだネ。部屋の外の監視は僕も見れないから、もし百田君が嘘を吐いてどこかに行っていたとしても分からないヨ」

王馬「そもそも真宮寺ちゃんは完全にシロって話だし……うーん手がかりにはならないか」



コトダマ『全員のアリバイ』ゲット!!


353 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:29:37.75 McLTKALh0 1195/2029


夢野「死体も見終わったし、これからは各々気になるところを捜査ということでいいか?」

王馬「あ、その前にちょっといいかな?」

夢野「何じゃ、王馬?」

王馬「今回の事件に大きく関わると思われる……モノクマボールについてみんなに聞いておきたいんだよ」



夢野「モノクマボール……」

夢野「そうか……誰が誰に奪われたのかを全部辿れば、誰が望みを叶える権利を得たのか分かるしな」

王馬「うん。だからこうやってみんな集まっている内に聞いておこうってわけ」

夢野「よし、ではみんな証言するんじゃ」


354 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:30:05.21 McLTKALh0 1196/2029


夢野「まずウチと転子じゃな。ウチらは二人で同じ望みを持っていたため組んでいた。それでモノクマボールを一つ持っていたんじゃガ、それをアンジーに奪われたというところじゃな」

茶柱「転子は夢野さんの言う通りです」

王馬「オレはもう言った人もいるけど、昨日の昼の内にモノクマボール一つを奪われて、昨夜はどうにか奪えないかなーってゲーム世界にログインしていたけど、どうにもならなかったよ」

天海「俺も同じ感じっすね。春川さんに昨日一つ奪われて、その後は獲得できずっす」



「俺は一つモノクマボールを持っていたが、昨夜限界が来てな。隠してからログアウトして、食事やトイレをしてすぐに戻ったが、そのときには奪われていた」

春川「私は天海から奪ったモノクマボールと合わせて二つ持っていたけど、レーダーを奪うためにボールを隠して行動していたら、その隠していたボールを奪われた」



キーボ「もうみなさんご存知かもしれませんが……ボクはアンジーさんの望み『自分の信じる神をみんなにも信じてもらう』に賛同して二人で組んでいました」

キーボ「そして初日に運良くモノクマレーダーを見つけ、それを使い王馬クンから奪った物を合わせて三つのモノクマボールを所持していました」

キーボ「ですが、昨夜は疲れてアンジーさんにレーダーとボール三つを渡した後、部屋に帰って寝たのでその後のことは分かりません」

キーボ「今朝ゲーム世界にいたのはアンジーさんと交代するためにログインした直後だったからというところです」



百田「一応証言しておくが、俺は最初の説明の時以来ゲーム世界に行ってないぞ」

真宮寺「ボクも右に同じだヨ」


355 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:30:32.38 McLTKALh0 1197/2029


夢野「なるほど。まとめると昨夜の時点でモノクマボールは……」

<モノクマボール内訳>
夢野茶柱:1
春川:2
星:1
アンジーキーボ:3

天海王馬百田真宮寺:0


夢野「と、持っていたわけなんじゃな」

夢野「それで証言からすると……やはりみんなレーダーを持っていたアンジーにボールを奪われたというところか」

夢野「よし、ではアンジーが望みを叶える権利をゲットしたと……」



王馬「そんな簡単な話じゃないよ。誰かが嘘を吐いている可能性があるからね」



夢野「嘘? ……どうしてそんなことを?」

王馬「どうしてってモノクマボールを集めた人がアンジーちゃんを殺したかもしれないからだよ」

夢野「……?」



夢野(王馬の言葉は……まあいい、今は捜査に集中するべきじゃな)

コトダマ『モノクマボールの状況』ゲット!!


356 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:30:59.17 McLTKALh0 1198/2029


夢野「よし、では見回りじゃが……この現場の監視も誰か置かないといけんな」

王馬「そうだね、いつも通り三人くらい欲しいけど……」



真宮寺「くくっ、だったら僕がその一人になるヨ」



夢野「真宮寺が監視……?」

天海「いいんじゃないっすか? 一応完全なシロで、何より自由に動かれるのも怖いっすから」

茶柱「ですが、自分から言い出したというのが怪しいですね」

真宮寺「もはや何をしても怪しまれるネ。だからこそ大人しくしておこうって提案しているのに」

夢野「……胸の内は分からんがまあいい。監視をしてくれるというならありがたい」


357 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:31:27.57 McLTKALh0 1199/2029


春川「なら私も監視に残るよ」

夢野「ハルマキ?」

春川「前回と同じで、真宮寺が何かしでかしたときに物理的に抑える役割は必要でしょ?」

夢野「そうじゃが……」

夢野(ハルマキの言い分はもっともじゃが……)

夢野(積極的に捜査に協力する気になれない……という一面もあるのかもしれん)



百田「よーし、なら三人目は俺がするぜ」

夢野「百田……頼んだぞ」

夢野(百田が言い出したのはハルマキの近くにいるためじゃろう)

夢野(変調を感じ取ってというところか)


358 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:31:55.04 McLTKALh0 1200/2029


天海「後はいつも通り二人一組で動くべきっすね。クロを一人にして証拠を隠滅させないように」

王馬「そうだね。あ、天海ちゃん一緒に捜査できる?」

天海「いいっすよ」



夢野「ならウチは……転子一緒に来てくれるか?」

茶柱「もちろんですっ! 頑張ってクロを突き止めましょう!!」



「キーボ頼めるか」

キーボ「大丈夫です。行きましょう、星クン」


359 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:32:22.89 McLTKALh0 1201/2029


夢野(そうして監視の者をその場に残し、それぞれ気になるところを捜査しに向かった)

夢野(ウチらはというと、まだ見落とした物が無いか教会を探している)



夢野「アンジーに残っていた傷は二つ。頭を打った痕と胸の矢じゃ」

夢野「ここには武器がたくさん置いてある」

夢野「もしかしたらその中にはアンジーを傷つけた凶器があるかもしれん……が」

夢野「うーむ……血痕の残っておるものが見当たらないな……」



茶柱「あ、夢野さん。ちょっとこっちに来てください!」

夢野「何じゃ、転子?」


360 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:33:53.07 McLTKALh0 1202/2029


茶柱「教会の入り口付近にあったこの矢が番えられていないクロスボウ」

茶柱「これからアンジーさんに刺さっていた矢は射られたんじゃないでしょうか?」

茶柱「確かめてみたところサイズが一致していましたし」

夢野「なるほどな。でかしたぞ、転子」

茶柱「ありがとうございます!!」



夢野(これで一つ凶器が分かったが……どうしてクロはそれを教会に残したままに……)

夢野(と、考えているとその答えになるのかは分からんが、転子が気になることを付け加えた)



茶柱「このクロスボウ入り口付近の壁に固定されてたんですけど……どうやら引き金に紐がかかっていて、教会の入り口の扉と繋がっているんです」

茶柱「その扉を少し開けるくらいなら大丈夫なんですが、思いっきり開くと引き金が引かれると……そういう仕組みになっていますね」



夢野「ふむ……どういうことじゃろうか?」

コトダマ『クロスボウの仕掛け』ゲット!!


361 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:34:21.60 McLTKALh0 1203/2029


夢野(教会をざっと見たウチらは外に出た)


夢野「さて、次は外じゃが…………といってもこのゲーム世界も広いし、全部は見て回れんな」

茶柱「逆にクロもこの世界全体を使っているとは思えないですし、とりあえず現場の教会の付近だけでも見て回りましょう」



夢野(というわけで近場から何か無いか探していく)

夢野(と、教会近くの広場にさしかかったときに転子が口を開いた)



<ゲーム世界・教会近くの広場>

茶柱「そういえば昨夜この付近で春川さんを見ましたね」

夢野「ハルマキか? いつじゃ?」

茶柱「アンジーさんの行方を見失って、二手に別れて捜索していたときです」

夢野「ハルマキからボールを奪おうと仕掛けたのか?」

茶柱「そうですね、珍しく茫然自失で立ち尽くしていたので仕掛けるか迷いましたが……」

茶柱「アンジーさんのレーダーの方が優先だと思いその場を離れました」

茶柱「そのとき春川さんはモノクマボールを隠して動いていたって話ですし無駄な争いを避けられて良かったですね」

夢野「そうじゃが……茫然自失で立ち尽くしていた、か」

夢野(何があったんじゃろうか?)



コトダマ『茶柱の証言』ゲット!!


362 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:34:59.37 McLTKALh0 1204/2029


夢野「うーん……もしかしたら、春川の変調の原因がここらにあるのかもしれん」

夢野「ちょっと重点的に探すぞ」

茶柱「分かりました!!」



夢野(というわけでウチらはその教会近くの広場を探す……と)



夢野「あったぞ!!」
茶柱「ありました!!」


夢野「地面に埋まっているこの大きな岩に血痕が付いておる!!」
茶柱「この機械……おそらくモノクマレーダーです!! そこの茂みに落ちていました!!」



夢野(ウチらは同時に証拠を見つけた)

夢野「……って、モノクマレーダーじゃと!?」

茶柱「だと思います。この一面がモニターになっている丸い機械、マンガの物にそっくりです」

茶柱「まあ今はモノクマボールが七つ集められたせいか、電源を付けても何の反応もありませんが」

夢野「ふむ、そうじゃが……どうしてこんな場所に……?」



コトダマ『岩の血痕』ゲット!!

コトダマ『モノクマレーダー』ゲット!!


363 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:35:27.05 McLTKALh0 1205/2029


夢野(ウチらは他にも何か見つけられないか広場を探したが成果はなかった)



茶柱「どうしますか、これから?」

夢野「ゲーム世界がメインといっても、現実世界でも分かることはあるかもしれん。ログアウトするか」

茶柱「そうですね」



夢野(と、二人で館に向かう最中、教会の前で星に呼び止められた)



「ちょうど良かった。ちょっと中に入ってもらえるか?」

夢野「……? 教会にか?」

茶柱「もしかして何か新たなものを見つけたとかですか?」

「そんなところだ」


364 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:35:53.40 McLTKALh0 1206/2029


<ゲーム世界・教会>

「こっちだ」

夢野(ウチらは星に連れられるまま教会の片隅にやってきた)



王馬「何々、面白いもの見つけたの?」

キーボ「はい。星クンと手分けして教会を調べていたところにこれを見つけて」

天海「うーん、こんなところまでは調べてなかったっすね」

真宮寺「僕も死体周辺を探っていたし」

春川「私はその真宮寺を見張っていたから」

百田「俺もその近くにいたぞ」



茶柱「あ、みんな集まっているんですね」

夢野「そうじゃな……にしても何が見つかったのか……」

夢野(はっきりしないため、ウチらはさらに近づく)


365 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:36:19.37 McLTKALh0 1207/2029


キーボ「あ、夢野さんたちも来ましたか」

夢野「うむ。それで……一体何が見つかったんじゃ?」



キーボ「見つかったのは爆弾です」



夢野「爆弾じゃと……!?」

キーボ「はい。元々この教会に用意されていた武器の一つで、リモコン式での起爆に、衝撃関知での起爆どちらも出来るタイプですね」

夢野「そ、そうか…………ん? モノクマが用意したってだけなら、今回の事件には関わらないのではないか?」

キーボ「いえ、どうやら誰かの作為が加わっていて……これです」

夢野「……って何じゃこれ?」

夢野(キーボから受け取ったのは……箱?)

キーボ「開けてみれば分かります」

夢野(言われるままに開けると――)


366 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:36:46.54 McLTKALh0 1208/2029




夢野(箱には爆弾がギッシリと詰まっていた)



夢野「んあっ……!?」



王馬「どうやらスイッチも入っていて、刺激か指令があればすぐ起爆するようになっているね」

百田「誰かが知らずに箱を蹴ってでもいたら……ドカン!! だったってことか」

天海「その量の爆弾が一気に爆発したとすると、規模もすごいことになりそうっすね」

夢野「た、大変ではないか!? 一体誰がこんなことを……」

真宮寺「普通に考えてみると、クロか他に殺人計画を立てていた人ってことになりそうだよネ」

真宮寺「……ああ、僕はもちろん違うヨ。この教会に入ったのは今日が初めてだし、入ってからもずっと監視されているからネ」

茶柱「真宮寺さんが違うとなると……まあ、その言葉を信じるならですが……やはりクロが仕掛けた罠ってことでしょうか?」


367 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:37:25.39 McLTKALh0 1209/2029


夢野(みんながそれぞれ推測するが……)

夢野(その件の爆弾は今もウチの手の中にある)

夢野(そ、そんな恐ろしいものだと思うと……手が震えてきたんじゃが……) ガタガタ



王馬「でも、トラップだとしたらこんな場所に仕掛けるかな?」

百田「こんな人も来ない片隅に置いたりはしねえよな」

天海「気を引くような物も……見当たらないっすね」

真宮寺「だったら他の目的で仕掛けていたとか?」

キーボ「とにかく、このままでは危なくて捜査も続けられません。ボクがモノクマに撤去してもらえないか聞いてきます」

茶柱「……って、夢野さん大丈夫ですか!? 箱を持つ手が震えてますよ!?」

夢野「も、もう限界じゃ。転子、受け取ってくれんか? ゆ、ゆっくりじゃぞ? 刺激を与えたら爆発するらしいからな?」

茶柱「分かりました!!」



夢野(ウチは了解してくれた転子に爆弾の詰まった箱を渡そうとして――)



スルッ!!



夢野(先ほどから緊張によってかいていた汗で手を滑らせた)



全員「あっ」




368 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:37:51.20 McLTKALh0 1210/2029





ドッッッッカァァァァァァァァァンッッ――――――!!!!!!!!!






耳をつんざくような爆発音が鳴り響き、生徒全員が至近距離で起きた大爆発に巻き込まれる。





ガラガラガラガラガラガラガラ………ッ!!!!




その爆発に耐えられなかった死体発見現場の教会が大轟音と共に崩落する。





まるでテロでも起きたかのような光景に夢野たちは――――。




369 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:38:17.06 McLTKALh0 1211/2029




夢野「…………生きているぞ? どうしてじゃ?」



夢野(目の前で大爆発が起きたのに、死んでいないどころか痛み一つ無い)

夢野(それは生徒みんな同じようで不思議そうにしている)

夢野(一体これは……?)



モノクマ「ああもうっ、何!? 何が起きたの!?」

王馬「ちょっと夢野ちゃんがドジしちゃってね」

夢野「そ、それはウチが悪いが……じゃが、そんな爆弾をウチに渡していたことが問題じゃろう!!」



天海「爆発に巻き込まれたのに生きてるんすけど……モノクマ、これは一体どういうことっすか?」

モノクマ「それなら今現在みんなのアバターから現実世界の身体へのフィードバックを切っているからだよ」

夢野「フィードバックを? どうしてじゃ?」


370 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:38:43.41 McLTKALh0 1212/2029


モノクマ「さっき殺人行為禁止を宣言したからだよ」

モノクマ「だってあれはエグイサルを使ってでも殺人行為を止めるって話だったけど、このゲーム世界にはエグイサルは来れないでしょ?」

モノクマ「だからゲーム世界での殺人行為を止めるために、この捜査時間中はフィードバックを切っているんだ」

モノクマ「全くもう、感謝してよね。ボクがいなかったらみんな死んでてもおかしくなかったんだからさ」

夢野(モノクマはそれを伝えたかったのか言うと姿を消した)



王馬「どうやら間一髪だったみたいだね」

百田「こればかりはモノクマに感謝だな」

キーボ「しかし……綺麗に吹き飛びましたね。教会が跡形も無いですよ」

天海「アンジーさんのアバターの残骸も、その他の証拠も……全部瓦礫の下っすか」

「もしかしてこれがクロの狙いなのか……?」

真宮寺「うーん、それにしては……」

茶柱「夢野さん……ごめんなさいっ!! 転子がしっかり受け取っていればこんなことには……」

夢野「いや、滑らせたのはウチじゃ。転子は悪くない」



夢野(モノクマのおかげで事なきを得たが……)

夢野(結局どうしてあんな爆弾が仕掛けられていたのかは分からず仕舞いじゃ)

夢野(誰が……一体どういう意図で仕掛けたんじゃろうな……?)



コトダマ『教会の爆弾』ゲット!!


371 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:39:10.64 McLTKALh0 1213/2029


夢野(教会が爆弾で吹き飛び、証拠も全て瓦礫の下になったが……先に一通り捜査をしていたので、見落としたところは無いはず)

夢野(というわけでウチは元の目的に戻る。館に向かい、サロンからログアウトをした)



<現実世界・コンピュータールーム>



夢野「……って、みんなログアウトしていたのか」

天海「気になるところは調べ終わったので」

百田「ああ。教会も吹き飛んで監視どころじゃないしな」

真宮寺「それにそろそろ裁判だろうし、ログアウトしていた方が次の行動がスムーズだヨ」

キーボ「現実世界に戻ってきましたけど……どうしましょうか」

茶柱「春川さんは現実世界のアンジーさんの死体も見れないですか?」

春川「……ごめん」

「となると素人の俺たちが見ても情報は得られなさそうだな」



王馬「あ、そうだ。暇ならみんなこっち来てよ、興味深い情報があるからさ」

夢野「ん?」


372 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:39:48.57 McLTKALh0 1214/2029


夢野(王馬に呼ばれるままに集まると、そこにはコロシアイシミュレーターに繋がるパソコンがあった)



王馬「モノクマに頼んだらさ、俺たちのログインログアウト履歴のデータを見せてもらえたんだ」

夢野「ログインとログアウト?」

「つまりいつゲーム世界に入って、出たのかが分かるってことか」

王馬「そういうこと」



天海「いつからのデータがあるんすか?」

王馬「どうやら望みを叶えるゲームが始まった日の朝からずっとあるみたいだね」

王馬「それがこのデータだよ」

夢野「1日事に分かれておるのか。順に見ていくかのう」


373 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:40:44.11 McLTKALh0 1215/2029

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374 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:41:19.07 McLTKALh0 1216/2029


夢野「1日目……か。みんな10時にログインしているのは、最初にモノクマから説明を受けたときってことでいいんじゃよな?」

百田「みたいだな。それで俺と真宮寺はすぐにログアウトしているってわけだ」

茶柱「転子が夜にログインとログアウトが続いているのは、ちょっと休憩して戻ったってことですね。キーボさんも同じ行動のようですが……」

キーボ「ボクもアンジーさんにレーダーとボールを預けてログアウトした後、すぐにログインして徹夜しました」

王馬「なるほど、二人で組んでいたからこそ出来る行動ってことだね」


375 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:41:46.80 McLTKALh0 1217/2029

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376 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:42:18.56 McLTKALh0 1218/2029


夢野「二日目は……深夜に星が一度ログアウトしているな」

「ああ。ずっとログインしているのが理想だが、さすがに無理だからな。休憩を挟むなら、人も動かず暗い深夜の方がいいという判断だ」

天海「なるほどっす」

茶柱「それで転子たちとキーボさんたちは朝方にパートナーと交代でログインとログアウトをしていると」

王馬「俺は一人だったけど、正直我慢の限界が朝に来てドロップアウトしたってところだね」

天海「俺は昼前くらいに偶然春川さんと遭遇して、ボールを奪われたんで、一旦切り替えるためにログアウトしたってところっす」



夢野「それで昼過ぎほどに二人組はまた交代して……この帰りに転んで王馬とぶつかったのか」

王馬「そうだね。俺はその後すぐログインしたけど、ボールが盗まれていることに気付いて、ふて腐れてまたログアウトしたってところだね」



夢野「夜は夕食を食べた四人が大体同じくらいの時間にログインしているな」

茶柱「そして転子は交代せずに残りましたが、キーボさんはログアウトしたってところですか」

キーボ「日中茶柱さんに追い回されて疲れたんです。それにボクたちはモノクマレーダーを持っていてそう焦っていませんでしたから」

夢野「なるほどな」


377 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:42:55.89 McLTKALh0 1219/2029

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378 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:43:33.85 McLTKALh0 1220/2029


夢野「三日目は……また星が深夜にログインとログアウトを連続しているな」

「意図は二日目と同じだ。30分も離れていなかったはずだが……その隙にモノクマボールを盗まれてしまったな」

茶柱「そういえばそう言ってましたね」



夢野「そしてこの6時にウチがアンジーの死体を発見したと……」

天海「キーボ君はこのタイミングでログインしていますね」

キーボ「はい。ログインしたのは死体発見後だったみたいです。夢野さんと茶柱さんがみんなを教会に集めるために走り回っているところでした」



王馬「そしてオレと夢野ちゃんが先にログアウトして、真宮寺ちゃんを連れて死体発見アナウンスを鳴らしたってことだね」

天海「アナウンスが鳴ったことに気付いて、他の人が後からログアウトしたってことっすか」



百田「8時の一斉ログインは捜査のためで、ログアウトしたのが今ってことか」


379 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:44:00.43 McLTKALh0 1221/2029


夢野「うーん履歴を見終わったが……特に気になるところは無いな」

茶柱「そうですね、みんなちゃんと理由もあって怪しいところは無いですし」



百田「しかし、事件に関係あるのかは分からねえが、ハルマキすげえな」

百田「ゲームの開始からアナウンスが鳴ったときまで、一回もログアウトしてねーじゃねえか」

春川「暗殺者の任務でこれに近いことはしていたから」

「俺も結構頑張ったが……ふっ、上には上がいるってことか」



王馬「そういえばアンジーちゃんはずっとログインになっているんだね」

天海「アバターが消えていないからってことだと思うっす」



夢野(ふむ……果たしてこれが事件を解く手がかりになるのじゃろうか?)

コトダマ『ログイン・ログアウト履歴』ゲット!!


380 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:44:45.82 McLTKALh0 1222/2029


キーン、コーン、カーン、コーン。

モノクマ『うぷぷっ、それじゃ捜査時間はそろそろいいかな?』

モノクマ『オマエラ全員、裁きの祠まで集まってくださーい!』



夢野「捜査時間も終わりか……」

夢野(気になるところは見て回れたと思う)

夢野(この証拠たちを使って裁判で推理を組み立てなければならんが……)



夢野「………………」

夢野(捜査を通じてウチは違和感を覚えていた)

夢野(何かが引っかかっておるのじゃが……)

夢野(みんなは何も感じていないのか?)

夢野(どうしてウチだけがこんな感覚に?)


381 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:45:13.35 McLTKALh0 1223/2029


夢野(思い当たるのは……一周目の記憶か?)

夢野(一周目の記憶と今回の事件で何らかの齟齬があるなら、ウチだけが違和感を覚えて当然じゃ)

夢野(ハルマキは不調でそれどころじゃないということじゃろう)



夢野(それを突き止められれば推理の助けになるかもしれんが……)

夢野(しかし……一周目とは殺された人間も、事件の経緯も丸っきり違う)

夢野(重なる部分なぞ……あるのじゃろうか……?)



コトダマ『夢野の違和感』ゲット!!


382 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:45:43.87 McLTKALh0 1224/2029


<裁きの祠>

夢野(裁きの祠に集まった生徒9人)

夢野(もう慣れたもので現れたエレベーターに乗る)

夢野(ウチは裁判前の最後のチャンスじゃと思い、ハルマキに話しかけた)



夢野「ハルマキ、少しいいか?」

夢野(聞きたいことはたくさんあった)

夢野(百田が病気が治ったかのような素振りを見せているのは、ハルマキが望みを叶えたからではないか)

夢野(それならどうやってモノクマボールを手に入れたのか、そしてモノクマボールを奪われたとどうして嘘を付いたのか)

夢野(他にも不調の原因やアンジーの死体を見れなかったこと、気になることはたくさんある)

夢野(話さなかったのはもちろん何らかの理由があるのじゃろうが)

夢野(みんなの前では無理でも……一周目からの仲間であるウチになら話してもらえるのではないかと思って――)


383 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:46:10.60 McLTKALh0 1225/2029




春川「ごめん、今話せることはない」



夢野「んあっ!?」

春川「………………」



夢野(ハルマキはにべもなく断ると、背を向けてそれ以上の会話を打ち切る)



夢野「………………」



夢野(怒りより先に心配の気持ちが沸いた)

夢野(ハルマキ……一体何があったんじゃ……?)


384 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:46:52.41 McLTKALh0 1226/2029


<裁判場>

用意されている16の席。

生き残っているのも9人ということで空席がかなり目立つ中、生徒たちは自分の席に着く。



夢野(今回のコロシアイ対策は順調だったはずじゃ)

茶柱「……」

夢野(動機のカードキーに、殺人を企む真宮寺もみんなで対策が出来た)

百田「……」

夢野(じゃが百田の病気はどうにも出来ず、追加動機のモノクマボールが発表されて状況は変わった)

「……」

夢野(あんなにも団結していたウチらはバラバラになり、恐れていたコロシアイは始まってしまった)

真宮寺「……」

夢野(アンジーは一体誰に殺されたのか?)

キーボ「……」

夢野(モノクマボールは一体誰が集めたのか?)

天海「……」

夢野(望みを叶える権利は一体どうなったのか?)

王馬「……」

夢野(全ての謎をウチは暴いてみせる)

春川「……」

夢野(そして生き残るんじゃ)





夢野(この――嘘と真実が交錯する学級裁判を……!!)






386 : ◆YySYGxxFkU - 2018/01/31 23:47:56.92 McLTKALh0 1227/2029


コトダマリスト

『死体発見アナウンス』
夢野と王馬が死体を見た後、真宮寺が死体を見た時にアナウンスが鳴った。また無自覚に死体を見た場合は発見者数のカウントに含まれない。

『モノクマファイル4』
被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー。死体発見場所はコンピュータールーム。右手に小さな傷がある。

『アンジーのアバターの状況』
胸に矢が刺さっており、頭を打った痕がある。どちらも致命傷足りうる深さ。直接の死因と死亡時刻は不明。

『アンジーの目撃情報』
深夜0時に最後の目撃があり、朝6時に死体が発見されている。

『全員のアリバイ』
0時から6時の死亡推定時刻範囲において、アリバイのあるものはいない。百田はその間真宮寺の監視をしていて、動いていないと証言している。

『モノクマボールの状況』
全員が持っていたモノクマボールを奪われたと証言している。しかしその発言に嘘が混じっていることも考えられる。

『クロスボウの仕掛け』
教会の入り口と紐で繋がっており、扉を思い切り開けると矢が発射される。

『茶柱の証言』
昨夜、教会近くの広場で春川が呆然と立ち尽くす姿を見た。

『岩の血痕』
教会近くの広場の岩に血痕が残されていた。

『モノクマレーダー』
教会近くの広場の茂みに落ちていた模様。

『教会の爆弾』
教会の片隅、めったに人が来ない場所に爆弾が仕掛けられていた。

『ログイン・ログアウト履歴』
生徒全員のログインログアウトの履歴。詳しくは次の図を参照。

『夢野の違和感』
一周目の記憶から何らかの違和感を覚えている様子。


419 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:24:26.85 YCzFywm40 1228/2029

<裁判開廷!!>

モノクマ「まずは学級裁判のルールを説明するよ」

モノクマ「オマエラの中には殺人を犯したクロがいます。今から話し合いでそれが誰なのかを決めてもらいます」

モノクマ「最後に投票をして、その結果正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき」

モノクマ「指摘できなければクロ以外がおしおき。そしてクロは卒業できます」

モノクマ「というわけでよろしく!」





夢野「うーん……今回は一目に怪しいと思える者がいないな」

「一回目の裁判では事件現場にいた最原、二回目はレーザービームを撃ったキーボ、三回目は自分がクロだと主張する真宮寺がいたな」

キーボ「またそのことを掘り返すんですか?」

真宮寺「くくっ、そんなこともあったネ」

茶柱「他人事みたいに言わないでください」

天海「ということは地道に議論を重ねていくしかないっすね」

春川「…………」

王馬「よーし、裁判頑張るぞー!! 頼んだよ、論破役の百田ちゃん!!」

百田「誰が論破役だ、馬鹿にすんじゃねーぞ!」



夢野(百田は憤るが……ウチも二周目ということで裁判に慣れて論破されることも少なくなったし、生き残っているメンバーからすると……やはり百田が論破されやすい方ではあるな)


420 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:24:58.87 YCzFywm40 1229/2029


百田「そんな言うなら俺から議題を提案しようじゃねーか!!」

百田「モノクマボールを使った望みを叶えるゲーム……その結果はどうなったんだ!?」



王馬「モノクマボール……か」

王馬「今回の事件に大きく関わっていると思うし……うん、最初の議題にちょうどいいと思うよ」



百田「ほら見たかっ! 俺だってやれば出来るんだぞ!!」



夢野(モノクマボールか……一体どうなったんじゃろうな?)


421 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:25:26.51 YCzFywm40 1230/2029


<ノンストップ議論、開始!!>

「望みを叶えるゲームが一体どうなったのか……」

キーボ「全員が誰にモノクマボールを奪われたのかを確認すれば、最終的に集めた人が分かるって話でしたよね?」

茶柱「理屈で言えばそうなるはずです」

真宮寺「そして全員の証言からすると……レーダーを持っていたアンジーさんに奪われたと思われる状況だったネ」

百田「つまり『望みを叶える権利をゲットしたのはアンジー』だな」

百田「どうだ、これは論破出来ねーだろ!!」





『モノクマボールの状況』 → 『望みを叶える権利をゲットしたのはアンジー』

夢野「それは違うぞ!!」 パリーン!!


422 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:26:05.12 YCzFywm40 1231/2029


夢野「いや、待つんじゃ。モノクマボールを集めたのはアンジーではないかもしれん」

夢野「もしかするとこの中にモノクマボールを奪われたと嘘を吐いている人がいるかもしれんからな」

百田「嘘を? どうしてそんなことをするんだ?」

夢野「んあっ!? え、えっと……それは……」



王馬「はあ……まあいいや、ここからはオレが説明するよ」

王馬「何で嘘を吐いているかっていうと、アンジーちゃんを殺したのはモノクマボールを奪うためだった可能性が高いってのは分かるよね?」

百田「そうだな」

王馬「つまりモノクマボールを集めきった=アンジーちゃんを殺したと思われる」

王馬「自分がクロだってことを正直に言えないように、モノクマボールを集めたって正直に言えない」

王馬「だから奪われたって嘘を吐いたってわけ」



百田「なるほどな……だったらクロが嘘を吐いていることで確定ってわけか?」

王馬「いや、誰も嘘を吐いていなくてアンジーちゃんがモノクマボールを集めきって望みを叶えた後に殺されたって可能性もあるよ」

王馬「クロが嘘を吐いているかもしれないし、嘘はなくて死んだアンジーちゃんがモノクマボールを集めたかもしれない」

王馬「ようするに……モノクマボールからクロは分からないってことだね」


423 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:26:44.21 YCzFywm40 1232/2029


夢野「じゃが……クロが分からないにしても、その候補を絞ることは出来ないか?」

茶柱「クロを絞るですか?」

夢野「注目するべきは各々が抱いていた望みじゃ」

キーボ「望みですか?」

夢野「そうじゃ。クロはアンジーを殺してモノクマボールを集め、望みを叶える権利を得たと思われる」

夢野「それなのにこうしてコロシアイが続いていることから……ウチと転子がモノクマボールを奪ったのではないじゃろう」

夢野「ウチらの望みは『コロシアイを終わらせる』ことじゃからな」

百田「なるほどな」



夢野「同じようにアンジーの望みに賛同していたキーボも、殺してまでモノクマボールを奪って望みを叶える必要はない」

キーボ「そうですね、ボクはアンジーさんの望みである『自分の信じる神をみんなにも信じてもらう』に賛同しています」

夢野「じゃから少なくともこの三人がクロである可能性は低いということに――」


424 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:27:10.67 YCzFywm40 1233/2029


 反


王馬「そこで俺の出番ってわけ!!」


    論 !!



夢野「んあっ!?」

王馬「なるほど、夢野ちゃんの言い分は面白いと思うよ」

夢野「そ、そうか……ん? ならどうして反論したんじゃ?」

王馬「それはもちろん間違っているからだよ」


425 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:28:04.37 YCzFywm40 1234/2029


夢野「間違い……?」

王馬「はあ……そうやってのうてんきだったから、夢野ちゃんは人と組むなんて行動が取れたのか」

夢野「ど、どういうことじゃ!?」



王馬「どういうことも何も……三人とも嘘の望みを言っていた可能性があるからだよ」



夢野「嘘の望み?」

王馬「うん。茶柱ちゃんで言うと、夢野ちゃんの『コロシアイを終わらせる』って望みに賛同しているフリをして組んでおいて、一緒にモノクマボールを集めていたけど、いざ七つ集まりそうになったらそれを奪って自分の本当の望みを叶えるつもりだった……ってこと」

王馬「それはキー坊にも同じことは言えるよ。同じようにアンジーちゃんに嘘を付いてたってわけ」

王馬「まあマラソンみたいなものだよ。友達と一緒に走ろうって約束しておいて、ゴールが近づいたらダッシュで置き去りにする」

王馬「それと同じってわけ」


426 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:28:36.84 YCzFywm40 1235/2029


夢野「それは違うぞ! ウチは本当にコロシアイを終わらせようと思って……!!」

茶柱「そんなことありませんよ、転子は嘘を付いていません!!」

キーボ「ボクもです!! 本当にアンジーさんの望みに賛同していて……」



王馬「だからその言葉も嘘である可能性はどうしたって否定できないでしょ?」



夢野茶柱キーボ「…………っ!」

王馬「仕方ないよ。分からないのが嘘の魅力なんだから」

王馬「モノクマボールはこの事件に大きく関わっていると思うけど、それだけでクロを突き止めるのは無理だろうね」

夢野「……そうか、楽には行かんな」


427 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:29:05.80 YCzFywm40 1236/2029


「となると……次に手がかりになりそうなのは死体か?」

「現実世界のアンジーの死体に異常は無かったし、ゲーム世界のアンジーの死体について話し合うっていうのはどうだ?」

天海「いいと思うっす」

夢野「ゲーム世界のアンジーの死体か……」

夢野(何か分かることはあるじゃろうか?)


428 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:29:50.26 YCzFywm40 1237/2029


<ノンストップ議論、開始!!>

キーボ「ゲーム世界のアンジーさんの死体……」

茶柱「傷は頭を打った痕と胸に矢が刺さってましたね」

真宮寺「どちらかが致命傷になったんだろうネ」



百田「頭の傷はともかく、矢が刺さっているってことは弓もどこかにあるはずだろ?」

百田「そんなのどこにあるんだ?」

「死体発見現場の教会には武器がたくさん置いてあった。『その中の一つ』じゃないか?」





『クロスボウの仕掛け』 → 『その中の一つ』

夢野「それに賛成じゃ!!」 同意!!


429 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:30:51.66 YCzFywm40 1238/2029


夢野「教会の扉付近にあったクロスボウ」

夢野「捜査の時には矢を番えていなかったし、これから射られたのではないか?」

「なるほどな」



王馬「でもさ、そのクロスボウってちょっと凝った仕掛けを施されてたよね?」

王馬「教会の扉と紐で繋がっていて、開けた瞬間に矢が発射される」

王馬「これを誰かが仕掛けたんだとしたら……この矢を発射した人は見当が付くよね」



夢野(教会の扉を開けた瞬間に磔にされておったアンジーを照準に矢が発射される)

夢野(そして一番最初に扉を開けたと思われるのは……)


430 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:31:24.99 YCzFywm40 1239/2029


怪しい人物を指名せよ!!





夢野「それは……ウチということか?」






431 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:32:44.51 YCzFywm40 1240/2029


王馬「その通り、死体の第一発見者の夢野ちゃんだね」

王馬「アンジーちゃんに刺さっていた矢は夢野ちゃんが扉を開けたせいで射られたってこと」



茶柱「ちょ、ちょっと待ってください!!」

茶柱「それがどうしたっていうんですか!? だから夢野さんがクロだって言うつもりですか!?」

茶柱「悪いのはその仕掛けをした人じゃないですか!!」

王馬「いや、そうでもないんだよ。ね、モノクマ」



モノクマ「うぷぷっ、その通り」

モノクマ「ゴン太クンの裁判の時に言ったと思うけど、裁判のクロっていうのは実際に殺しの引き金を引いた人になるんだよ」



王馬「この場合クロスボウの仕掛けをした人ではなく、実際に発射させた夢野ちゃんがクロになるっていうことだね」

夢野「んあっ!? ウチがクロじゃと!?」


432 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:33:13.22 YCzFywm40 1241/2029


真宮寺「人をクロにする仕掛けか。えげつないネ」

「あんたがそれを言うのか」



夢野「………………」

夢野(そういえば……教会に入った時)





<回想>

夢野(ウチは教会の前に立って扉を開ける)



パシュッ!!



夢野『教会……か。……ん、何か今変な音が……?』

夢野『…………気のせいか』






夢野(あの音は弓矢が発射された瞬間というわけか)


433 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:33:46.89 YCzFywm40 1242/2029


王馬「アンジーちゃんを磔にしたのもそのためだと思うよ」

王馬「地面に水平に放たれる矢が当たるようにするには壁にでも磔にするのが一番だからさ」

茶柱「で、ですが……夢野さんに殺しの意志は無いんですよ……?」

王馬「そんな人ですらクロにするから、この仕掛けは恐ろしいんだよ」

王馬「いやあ考えた人はすごいね」



夢野「なるほど……中々に悪意の籠もった仕掛けじゃな」

夢野(以前のウチなら絶望していたかもしれんが)

夢野(ウチも成長しておる。この程度で屈したりしない)

夢野(反論のための証拠をウチは提示する)



コトダマ選択!!

『死体発見アナウンス』

夢野「これじゃ!!」


434 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:34:14.13 YCzFywm40 1243/2029


夢野「いや、ウチはクロではない」

夢野「それはもうみんなが既に分かっていることのはずじゃ」

百田「ずいぶん強気な発言だな」

キーボ「それだけの証拠があるっていうことですか?」

夢野「ああ、それは死体発見アナウンスじゃ」

夢野「ウチはアンジーの死体を見つけた三人に入っておる。アナウンスの条件はクロ以外の三人じゃから、ウチがクロであったとしたらアナウンスが鳴るはずがないじゃろう?」

「それがあったか」

夢野「ということでウチはシロであるということに……」


435 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:34:45.17 YCzFywm40 1244/2029


 反


真宮寺「その推理は虚構だヨ!!」


      論 !!



夢野「んあっ……!?」

真宮寺「確かに死体発見アナウンスは強力な証拠だヨ」

真宮寺「でも、確定でシロになるのは三人目に発見した僕だけ」

真宮寺「夢野さんにはクロになる余地が残されているよネ?」

夢野「な、何じゃ! そのクロになる余地とは!?」

真宮寺「くくっ……それを今から証言してみせるよ」



夢野(ウチがクロである可能性とは一体何じゃ?)


436 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:35:32.64 YCzFywm40 1245/2029


<反論ショーダウン、開幕!!>

真宮寺「死体発見アナウンスが鳴るための条件はクロ以外の三人が死体を発見した場合」

真宮寺「今回の発見者は夢野さんと王馬君と僕だと思われているけど」

真宮寺「それはある前提の上で成り立っていることだよネ」



発展!!

夢野「前提とは何じゃ!?」



真宮寺「それはシロが誰も嘘を吐いていないっていう前提だヨ」

真宮寺「もちろんシロには嘘を吐くメリットはない。クロの指摘を間違えたら死ぬんだからネ」

真宮寺「でも逆に言えば命をかけたシロの共犯者が存在した場合……夢野さんがクロである可能性が出てくる」



発展!!

夢野「命を賭けてまでウチの犯行に協力する者なぞおらんじゃろ!!」



真宮寺「そうかナ?」

真宮寺「夢野さんのことを大事に思っている茶柱さんなら、協力してもおかしくないと思うけどネ」

真宮寺「茶柱さんは夜長さんの死体を『僕らよりも先に見ていた』けど、それをみんなには黙っていた」

真宮寺「そうすれば夢野さんがクロでも、僕が死体を見たときにアナウンスが鳴る」

真宮寺「くくっ、命を賭けた献身。何とも素晴らしいネ!!」



『ログイン・ログアウト履歴』 → 『僕らよりも先に見ていた』

夢野「その言葉ウチの魔法で一刀両断じゃ!!」 バサッ!!


437 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:36:07.17 YCzFywm40 1246/2029


夢野「いや、転子が先に死体を見ることは出来ん」

夢野「ゲーム世界のログイン・ログアウト履歴から分かることじゃ」

夢野「これによると転子は昨日の昼から、今朝アナウンスが鳴った後までずっとログインしていたことが分かる」

夢野「アンジーの死亡推定時刻の0時から6時まで転子はログアウトしていないということは、転子がうちらより先に死体を見ることが出来なかったということじゃ!!」

真宮寺「……でも、アンジーさんが0時に生きていたっていう証言は夢野さんと茶柱さんの証言だったよネ? 二人が共犯者だったとしたらそれは嘘なんじゃないかナ?」

天海「そうだとしても、俺と王馬君が昨夜食堂でアンジーさんを見ているっす。茶柱さんは昼頃からずっとログインしていたってことっすから、どうしたってアンジーさんの死体を見ることは出来ないっす」



真宮寺「……なるほど、どうやらこれは分が悪いようだネ。間違いを認めるヨ」


438 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:36:39.90 YCzFywm40 1247/2029


夢野「ようやく分かってくれたか」

夢野「つまりウチはシロということじゃ」

夢野「大体転子が共犯って……いくら転子でも、ウチのために命までは賭けんじゃろう」

茶柱「そんなことありませんよ!! 転子は夢野さんのために死ねるなら本望です!!」

夢野「………………」

王馬「重い愛だね」

茶柱「べ、別にいいじゃないですか!? ほら、夢野さんだって感動のあまり声が出な――」





夢野「愛が重い……」

茶柱「な、何で引いてるんですかっ、夢野さん!?」


439 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:37:26.88 YCzFywm40 1248/2029


百田「でも、だったらクロスボウの仕掛けはどういう意図で設置されてたんだ?」

百田「教会の扉を開けたやつをクロにするためじゃなかったのか?」

王馬「実際クロスボウから矢は発射されてアンジーちゃんに命中している。しかも命を奪ってもおかしくはないという位置にね」

王馬「なのに夢野ちゃんがクロじゃないってなると……考えられる可能性は一つ」



王馬「アンジーちゃんは夢野ちゃんが扉を開けたときには殺されていたってことだよ」



王馬「死体に矢が刺さってもクロにはならないからね」

天海「本当のクロが扉を開けた人物に疑いを向けさせるため仕掛けた罠って考えるのが自然っすね」

夢野「じゃがウチがアナウンスの件からシロだと分かっていたから不発ということじゃな」

夢野「アナウンスの条件の三人に入っていて良かったわい」


440 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/02 22:37:58.66 YCzFywm40 1249/2029


キーボ「そういえば……クロスボウって扉を開けたら発射されるんですよね」

キーボ「なら仕掛けをした人が教会の外に出ようとしたら、自分で発射してしまうんじゃないですか?」

キーボ「となると夢野さんが教会に入った時にクロはまだ中にいたということに……」



天海「いえ。あの仕掛け、糸の長さには余裕があったっす」

天海「教会の扉を少しだけ開けて、仕掛けた人が外に出ることは可能だったはずっす」

夢野「じゃがウチは知らずに思いっきり扉を開けてしまったから仕掛けを起動させてしまったということか」

キーボ「なるほどそうでしたか」






夢野「ふう……クロ容疑が晴れたのは良かったが……これで振り出しか」

夢野(誰がクロなのか……また一から話し合わないとな)


447 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:52:08.21 u1rkEymb0 1250/2029

王馬「さて、クロスボウの件も解決したし、次は何を議論していこうか?」

夢野「そうじゃな……」



夢野(モノクマボールの件からも、クロスボウの件からもクロを絞ることが出来なかった)

夢野(議論がこうも進んでいるのに、クロの手がかりを得られんな……)



百田「なら、あの教会が爆発したことはどうだ?」

百田「よく分からねえが、あれはどう考えてもクロの仕業だろ?」

夢野「そうじゃな……どういう意図で行われたのか考えてみるか」

448 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:52:39.02 u1rkEymb0 1251/2029


天海「教会の片隅に仕掛けられたトラップ」

天海「その爆発の規模は教会全部を吹き飛ばすほどだったっすね」

「爆発ってことだし、やっぱり誰かを殺すためのものじゃないのか?」

王馬「うーん……そう考えてもおかしくないけど……」

王馬「トラップだとしたら一つ足りない物があると思うよ」





夢野(トラップのために足りないもの……? それは――)

『選択肢を選べ!!』

1爆発では人を殺せない。

2爆発に引っかけるための物が無い。

3やっぱり爆発では人を殺せない。





『2爆発に引っかけるための物が無い。』

夢野「これじゃ!!」


449 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:53:12.88 u1rkEymb0 1252/2029


夢野「あの爆発のトラップは教会の片隅に用意されていた物じゃった」

夢野「あまり人が来る場所では無かったから、普通にしていても引っかかるとは思えない」

夢野「なのに踏ませようとするための仕掛けが見当たらない。それはおかしいのではないか?」



王馬「例として言えば前回の裁判の時、東条ちゃんが仕掛けたトラップだね」

王馬「あれは何も無い部屋仕掛けられていたトラップだったけど、それに引っかけるために最原ちゃんを呼びだしていた」

王馬「その呼び出しに値する物が今回のトラップには無いんだよ」



天海「偶然を期待するなら、教会の片隅じゃなくて、もっと人が通りそうな場所に仕掛けるのが自然っす」

天海「クロスボウの仕掛けがそうっすね。教会に入る人が必ず使う入り口の扉と連動していたっすから」

天海「でもそうでは無いってことは……あのトラップは人を殺すために仕掛けられたものでは無いんじゃないっすかね?」


450 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:53:42.92 u1rkEymb0 1253/2029


茶柱「でしたらどのような意図であれは仕掛けられていたんですか?」



キーボ「そうですね……アンジーさんのアバターがあった教会を丸ごと吹き飛ばしたということは」

キーボ「クロが証拠を隠滅するために仕掛けたんじゃないですか?」



夢野「証拠の隠滅……」

夢野「そうじゃな、実際教会は破壊されてさらに捜査することは困難になった」

夢野「気になるところは全部見たつもりじゃが……それでももし見逃した証拠があったとしたら、その意図は叶ったことになる」


451 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:54:21.80 u1rkEymb0 1254/2029




真宮寺「でも、それならトラップにしないで、さっさと爆発させておけばいいことだよネ?」



百田「そうだな。証拠隠滅のためなら、捜査前に爆破すればいいだろ?」

夢野「そ、それは……そうじゃ、すぐに爆発させてはクロスボウの仕掛けでクロの疑いを逸らすことが出来なくなるからでは無いか!?」

天海「うーん……誰かに疑いを逸らすよりかは、そもそも情報を与えない方が裁判を勝ち残る上ではいいと思うっすね」

真宮寺「仮にそうだとしても、結局どうやって踏ませるかの問題が解決していないヨ」



茶柱「難しいですね……」

夢野「どうやって踏ませる……か。キーボが偶然発見しなければ見向きもしなかったわけじゃしな」



王馬「うーん……釈然としないけどこうかな」

夢野「王馬、何か分かったのか?」

王馬「あくまでオレの考えなんだけど――」


452 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:54:52.27 u1rkEymb0 1255/2029






王馬「この爆発は今回の事件と関係無いんじゃない?」





夢野「んあっ!?」

王馬「人を殺すためでも無いし、証拠を隠滅するためでもない」

王馬「クロが仕掛けるメリットが無いし……今回の事件とは別の思惑で仕掛けられたんだよ」

王馬「捜査時に爆発したってことは、事件にも関わっていないわけだしね」



夢野「じゃが死体発見現場にあった怪しいものじゃぞ!! 事件に関わらないわけないではないか!?」

王馬「それは……まあ偶然とか?」

夢野「それに別の思惑って……あんな物騒な物を仕掛ける理由がそうあるのか!?」

王馬「それも分からないけど……」

夢野「……歯切れが悪いな。何か隠しているのか?」


453 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:55:21.15 u1rkEymb0 1256/2029


王馬「別にはぐらかしているわけじゃないよ」

王馬「夢野ちゃんがオレのこと高く買ってることはありがたいけど……オレだって何でも知っているわけじゃないからね」

王馬「今回の爆発は本当にどういう意図か分からなくて……」

王馬「でも、クロが仕掛けたと思えないからさっきの発言をしただけ」

王馬「いろいろ聞かれても、正直こっちが聞き返したい状況だよ」



夢野「………………」

夢野(王馬の言葉には勢いがない)

夢野(嘘吐きの王馬じゃが……それでもこの言葉は本音のように思えた)



夢野「そうか……悪かったな、いろいろ問いただすようなマネをして」

王馬「いや、いいよ。慣れてるしね」

夢野(返す言葉も本音のように思えた)


454 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:55:51.64 u1rkEymb0 1257/2029


天海「そうっすね……爆発の意図は気になるっすけど」

天海「王馬君の言う通り、仕掛けたと思える理由が見当たらないっす」

天海「議論の時間も有限なので、ここはまた別の証拠から議論を進めないっすか?」

百田「そうだな、分からないことに固執して時間切れなんて回避しねーとな」



「それなら言いそびれていたが、夜長の致命傷が分かった件から行くか?」

茶柱「致命傷ですか?」

夢野「今回は死体の検分が不完全で分からんかったが……そうか、先ほどの話し合いから確定したな」



夢野(アンジーのアバターにあった傷は二つ。致命傷となったのは……)

『選択肢を選べ!!』

1頭を打った痕

2矢が刺さったこと。


『1頭を打った痕』

夢野「これじゃ!!」


455 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:56:23.40 u1rkEymb0 1258/2029


夢野「ウチがシロであることから、矢はアンジーが死んでおるところに刺さったことが分かった」

夢野「アンジーのアバターにあった傷は二つのみ」

夢野「ならば致命傷となったのはもう一つの頭の打った痕しかない」



百田「頭の打った痕か……ハンマーで殴ったのか? あの教会にはたくさんの武器があったしな」

「いや。捜査の時に調べたが、教会にあった武器の中に血が付いたと思われる物は無かった」

真宮寺「ならどこかに捨てたとかかナ?」

キーボ「血痕が残っているものが怪しいですよね?」



夢野(血痕といえば……一つ思い当たるところがあるな)



『証拠を提示せよ!!』

『岩の血痕』

夢野「これじゃ!!」


456 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:56:55.47 u1rkEymb0 1259/2029


夢野「教会の近くにあった広場」

夢野「そこの岩に血痕が残っておったが……これがアンジーを殺した凶器ということか?」



百田「岩か。それってどれくらいの大きさなんだ?」

茶柱「結構大きな岩で地面に埋まっていて、持ち上げることも適わなかったですね」

王馬「ならアンジーちゃんをそこに突き飛ばして、当たりどころが悪くて死んじゃったとかかな?」

真宮寺「証拠を隠滅できなかったのも、持ち上げることも出来なかったからと予想出来るネ」



夢野「………………」

夢野(教会近くの広場……か)

夢野(そこに残っていた証拠と関する証言)

夢野(それを合わせると……一人のクロが浮かび上がる)

夢野(ウチはその人物を指摘して――――)


457 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:57:28.13 u1rkEymb0 1260/2029




夢野「………………っ!」



夢野(思いとどまった)



夢野(そんなはずがない)

夢野(ウチが先ほどまで思い浮かべていた人物――)





夢野(ハルマキがクロなわけが無い)





夢野(あやつとは一周目からの仲間なのじゃ)

夢野(今は何やら様子がおかしいが……それでもコロシアイを憎む気持ちはウチと同じじゃ)

夢野(だから……コロシアイを起こすわけがない)



夢野(何かの勘違いじゃ)

夢野(クロは他の人物のはず。ウチは改めてそれが誰なのかを考えて――)


458 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:57:56.62 u1rkEymb0 1261/2029








『怪しい人物を指摘せよ!!』







王馬「ねえ、春川ちゃん。君がクロじゃないの?」




春川「…………」




夢野「んあっ!?」





459 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:58:28.18 u1rkEymb0 1262/2029


夢野(王馬がハルマキを名指しでクロと疑う)

夢野(ウチは思わず食ってかかった)



夢野「な、何を言ってるんじゃ王馬!! ハルマキがクロなわけ無いじゃろう!?」

王馬「……夢野ちゃんが何故そこまで春川ちゃんを信じているかは分からないけど」

王馬「まあ嘘は良くないよ」

王馬「本当は……夢野ちゃんだって、春川ちゃんがクロだと思っているんじゃないの?」

夢野「そ、それは……」

夢野(一瞬思ってしまったのも、王馬にはお見通しか……)


460 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:59:02.79 u1rkEymb0 1263/2029


夢野(ウチが図星を突かれて言葉に詰まっていると、もう一人ハルマキのシロを主張する者が現れた)



百田「ハルマキがクロなわけねーだろ!!」



王馬「……まあ、だろうね。百田ちゃんならそう言うと思ったよ」

百田「ああ、そうだ!! 予想通りだろうと俺は言うぞ!!」

百田「ハルマキはクロじゃねえっ!!」

百田「大体、どうしてハルマキがクロだって話になったんだ!!」

百田「その岩の血痕とやらが今回の事件に関わったとは限らないじゃねえか!!」





『証拠を提示せよ!!』

『モノクマレーダー』

王馬「これだよ!!」




461 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 12:59:30.42 u1rkEymb0 1264/2029


王馬「教会近くの広場にね、落ちていた物があるんだ」

王馬「それがアンジーちゃんが持っていたと思われるモノクマレーダーだよ」

王馬「こんな大事な物を落とすとは思えないし……ここでクロに襲撃されたときに落としてしまったって考えるのが普通じゃない?」



百田「っ……だとしてもだ!!」

百田「アンジーがそこで襲撃されたとして、ハルマキがクロってことにはならないだろ!!」





『証拠を提示せよ!!』

『茶柱の証言』

王馬「これだよ!!」




462 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:00:21.17 u1rkEymb0 1265/2029


王馬「それについては証人がいるんだ」

王馬「ね、茶柱ちゃん」



茶柱「て、転子ですか!?」



王馬「そうだよ。昨夜春川ちゃんの姿をその近辺で見たんだよね?」

茶柱「そ、それは……そうですが……」

王馬「そのときの様子についても聞いていい?」

茶柱「え、えっと……何やら呆然と立ち尽くしている様子で珍しいと思いましたね……」

茶柱「気にはなりましたがアンジーさんの行方を探るのが優先だったのと」

茶柱「望みを叶えるゲームの最中でしたから、春川さんがこちらの姿を見つければ、ボールを持っていると思い襲ってくるかもしれないと危惧してすぐにその場を離れました」

茶柱「なので……アンジーさんもそこにいたのかは分かりません」



王馬「なるほど……まあでもアンジーちゃんが襲われたと思われる場所にいたって時点でやっぱり怪しいよね」


463 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:00:54.15 u1rkEymb0 1266/2029


百田「……どうしてもハルマキをクロだと言いたいみたいだな?」

王馬「そりゃあね。オレだってこんなところで死にたくないし」

王馬「クロの指摘をミスれば死ぬんだよ? 怪しいと思う者を疑うのは当然じゃん」

百田「……それはおまえの話だろ」

王馬「へえ……何? なら、百田ちゃんは仲間を疑わずに死んだって良いって言うわけ?」



百田「ああ、その通りだ!!」



王馬「っ……!」

百田「自分が信じたいと思った者を信じて生きられないなら」

百田「死んだ方がマシに決まっている!!」


464 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:01:40.60 u1rkEymb0 1267/2029


王馬「……中々感心する信念だとは思うけど」

王馬「場所が悪かったね。このコロシアイ学園生活には合わないよ」

百田「場所やルールに俺の生き方を曲げさせてたまるか!」

百田「何度だって言ってやるぞ!! ハルマキはクロじゃねえって!!」



王馬「………………」

王馬「……あっそう」

王馬「でも、百田ちゃん一人頑張ったって意味ないんだよ」

王馬「学級裁判は多数決。百田ちゃんが認めなかったところで、クロ指名は覆らない」



百田「おまえこそ分かってねえなっ! それくらいで俺が信念を曲げると思っているのか!?」



王馬「分かってるよ……だからイライラしてるんじゃん」




465 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:02:06.42 u1rkEymb0 1268/2029


夢野「………………」

夢野(王馬がらしくもなくイラついておる)

夢野(珍しいが……そのことに構っている暇はない)

夢野(そうじゃウチだってハルマキがクロだとは思えない)

夢野(一刻も早く百田に加勢して、この雰囲気を覆さなければ……!!)



夢野(そうしてウチが口を開こうとした――そのとき)




466 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:02:34.71 u1rkEymb0 1269/2029









春川「もう止めて!!」









467 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:03:07.96 u1rkEymb0 1270/2029


王馬「……やっと口を開いたね」

百田「ハルマキ……やっと反論してくれるんだな?」



春川「………………」



百田「え? ……な、何黙ってんだっ!?」

百田「早くこの分からず屋に真実を――」



春川「ごめん、百田」



百田「謝るんじゃねえ!!」

百田「俺が聞きたい言葉はそうじゃなくて……!!」



春川「信じてくれてありがとう」

春川「でも私は百田に信じてもらえる価値なんて無いんだよ」


468 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:03:35.05 u1rkEymb0 1271/2029









春川「夜長を殺したのは……今回の事件のクロは私だから」









469 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:04:11.13 u1rkEymb0 1272/2029


夢野「んあっ!?」

王馬「やっぱり……」

百田「っ……どうして……」



春川「ずっと黙っていようと思った」

春川「でも……駄目だよ」

春川「私は……百田、あんたが一人責められているのを見て黙っていられない」



百田「そ、そんなことあるわけが……!」



王馬「何言ってるの?」

王馬「ねえ、百田ちゃん。君はさっき仲間が信じられないなら、死んでも構わないって言ったよね?」

王馬「なのに……どうしてその仲間が自分がクロだって言ったことを信じないの?」



百田「っ……そ、それは……!!」



王馬「結局百田ちゃんは仲間を信じているんじゃなくて」

王馬「自分が信じたいことを信じているだけ」

王馬「仲間思いに見えて……ただの自己中」

王馬「それを嘘を吐いて綺麗に見せて……そんな嘘、反吐が出るよ」


470 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:04:42.36 u1rkEymb0 1273/2029


百田「ち、違う……」

百田「俺は…………そうじゃなくて……」



春川「王馬ももう止めて」

春川「悪いのは百田じゃなくて、私なんだから」



王馬「……まあいいよ。もう言いたいことは言えたし」

王馬「今は裁判に集中しないとね」



王馬「それで春川ちゃんがアンジーちゃんを殺したってことで間違いないんだよね?」



春川「そうだよ」



王馬「その目的はやっぱりモノクマボールなの?」



春川「……そうだよ」




471 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:05:16.94 u1rkEymb0 1274/2029




春川「私にはどうしても叶えたい望みがあって」

春川「あのとき、アンジーを偶然見つけて……だからモノクマボールを奪おうと思って争いになって」

春川「殺すつもりは無かった……でも」

春川「抵抗するアンジーを突き飛ばしたら……そこには岩があって、頭を打ち付けて……」

春川「茫然として……気づいたらアンジーの身体は動かなくなっていた」

春川「私は望みに目が眩んで……取り返しの付かないことをしてしまった」

春川「夜長の死体を見ることが出来なかったのも……そのせいだよ」




472 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:05:43.50 u1rkEymb0 1275/2029


王馬「……さて、自白も引き出せたし決定だね」

王馬「事件の振り返りは……話してくれたし必要ないか」

王馬「モノクマ、早く投票に行ってよ」



夢野「ま、待つんじゃ!!」

夢野「ハルマキがクロってことは……おしおきされるということか!?」



夢野(動揺して分かり切っていることを聞いてしまう)

夢野(言った瞬間に気づいて、ウチも焦っていたことを自覚するが――)


473 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:06:09.13 u1rkEymb0 1276/2029







天海「ルールに沿えばそうっすけど……」

天海「でも今回に限っては違うっすよ」







474 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:07:29.24 u1rkEymb0 1277/2029


夢野「………………え?」

夢野「ど、どういうことじゃ?」

夢野(自分でも否定されるとは思っていなくて、聞き返してしまう)



天海「鍵は望みを叶える権利っす」

天海「春川さんはアンジーさんを殺して、持っていたモノクマボールとレーダーを奪ったっす」

天海「モノクマボールを奪われたと言ってたっすがそれは嘘。暗殺者という最強の戦闘力を持つ春川さんか、レーダーを手に入れた時点で鬼に金棒」

天海「七つ集められない訳がないっす」

天海「そうやって望みを叶える権利をゲットして……でも気になるのはアンジーさんを殺してしまったこと」

天海「望みを叶えても、これが裁判でバレてはおしおきされてしまう」



天海「だとしたら保険をかけるに決まってるじゃないっすか」

天海「望みを叶える権利を保持し続けて裁判で勝ったならば、そのときに改めて権利を使い自分の望みを叶える」

天海「負けたなら、そのときはコロシアイの終了を望むことで生き延びる」

天海「その際は自分の望みを叶えられないっすが……まあ命より大事な物は無いっすよ」

天海「死を間際にして、春川さんが落ち着いているのもそれが理由っす」


475 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:07:57.12 u1rkEymb0 1278/2029


夢野「………………」



夢野(天海の言葉はなるほどと思ったが……)

夢野(前提が違う)

夢野(ハルマキの望みは百田の病気を治すこと)

夢野(つまり……今の百田の様子を見るに)

夢野(既に望みを叶える権利を使った可能性が高い)



夢野(そうじゃ、ハルマキは自分の命を犠牲にしてでも百田を救うことを望んでいた)

夢野(今落ち着いているのも、死を受け入れているだけだから)

夢野(だとしたらやはり……ハルマキのおしおきは避けられないことに……!!)


476 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:08:25.99 u1rkEymb0 1279/2029





天海「ということで……春川さん、今このタイミングでコロシアイの終了を望むっすよね?」





夢野「ハ、ハルマキ……!!」




二人が各々の想定を持って、春川の方を見る。


対して、視線を向けられた春川は口を開き言葉を紡ぐ。






――二人の想定とは違った言葉を。



477 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:08:54.23 u1rkEymb0 1280/2029










春川「……え? 何のこと?」



春川「私はモノクマボールを集めてない」



春川「望みを叶える権利なんて……手に入れてないよ」









478 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:09:50.66 u1rkEymb0 1281/2029


天海「………………え?」

夢野「………………んあ?」



春川「確かに嘘は吐いてた」

春川「私はモノクマボールを奪われたんじゃない」

春川「夜長を殺してしまった瞬間……モノクマボールが恐ろしい物に見えてきて」

春川「これがあるから私は惑わされてコロシアイをしてしまった」

春川「そう思うと……持っているのも駄目で、その場に投げ出して逃げ去ったんだよ」

春川「だからその後モノクマボールがどうなったのかは……知らない」



夢野「ど、どういうことじゃ……!?」

天海「春川さんがモノクマボールを集めてない……!?」



夢野(その言葉に色んな前提が崩れる)

夢野(百田が春川の望みのおかげで病気が治ったという前提)

夢野(クロがモノクマボールを集めきったという前提)

夢野(そしてさらに恐ろしいことに気が付く)

夢野(モノクマの言葉から、モノクマボールを七つ集めた者がいることは確定しておる)





夢野(だとしたら……ハルマキがモノクマボールを集めていないならば――)




夢野(一体誰がモノクマボールを集めたんじゃ?)





479 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:10:25.77 u1rkEymb0 1282/2029




王馬「……ふうん、春川ちゃんも強かだね」

王馬「この局面で……最後の一発逆転を狙って嘘を吐くなんて」



夢野「う、嘘じゃと!?」

王馬「冷静に考えてアンジーちゃんを殺した春川ちゃんがモノクマボールを集めきってないわけ無いじゃん」

王馬「つまり、嘘ってこと」

王馬「目的はオレたちの推理を混乱させるためだろうね」

王馬「本当は望みを叶える権利を持っていて……クロとして卒業して自分の望みを叶えるつもりってことなんだよ!!」

夢野「なっ……!?」



夢野(王馬の言葉は……すぐに間違いじゃと気づいた)

夢野(ハルマキの望みは百田の病気を治すこと。卒業してはシロの百田も死んでしまう)

夢野(そんなこと狙うわけがない)


480 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:10:55.53 u1rkEymb0 1283/2029


===================




百田「……っ、さっきは悪かったな!!」

百田「俺はもう迷わねえ!!」

百田「ハルマキ、おまえの言葉を信じる!!」

百田「おまえはモノクマボールを集めていない!! そうなんだな!!」



天海「だとしたら……一体誰がモノクマボールを手にいれたんすか……!?」

キーボ「やっぱり王馬君の言う通り、春川さんの嘘なんですよ!!」

茶柱「も、もう転子には何が嘘で何が本当なのか分かりません!!」

「クールじゃねえが……気持ちは分かる」

真宮寺「くくっ、阿鼻叫喚の地獄絵図だネ」





夢野(何が嘘で何が本当なのか)

夢野(みんなが混乱する中……ウチは一人だけ分かっていた)

夢野(ハルマキの言葉は本当だと)



夢野(だとしたら……この事件の水面下にはまだ何がが潜んでおる)



夢野(分かっているのに……)



夢野(怖じ気付いてしまう)

夢野(何を言えばいいのか分からない)

夢野(あと一歩の勇気が出ない)



夢野(そうして何も言えないまま――――)




481 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:11:23.31 u1rkEymb0 1284/2029




モノクマ「終了ーーっ!!」



夢野「んあっ!?」

百田「はあっ!? 何言ってるんだ!!」



モノクマ「え? だってさっき王馬クンがさっさと投票に行って、って言ったでしょ?」



夢野「そうじゃが……そこからまた状況は変わって……!!」



モノクマ「はいはい、ていうかもうあれ以上議論しても泥沼でしょ?」

モノクマ「だったら思い切りよくスパッと決めるのも必要だと思うよ」


482 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:12:15.26 u1rkEymb0 1285/2029


モノクマ「というわけで改めて……それじゃ行きましょう、投票ターイム!!」

モノクマ「みなさんお手元のパネルから、クロと思われる人物に投票してください!!」



夢野「………………」

夢野(誰がクロなのか……ウチは……)

夢野(………………)



モノクマ「おっと投票も終わったみたいだけど…………」

モノクマ「……あれ?」


王馬1票 春川7票


モノクマ「えっとちょっと待ってね」

モノクマ「投票先は……百田クンが王馬クンに投票、その他7人春川さん自身も含めて春川さんに投票」

モノクマ「そして夢野さんは無投票?」

モノクマ「もう駄目だよ? そうやって選挙に参加しないから、近頃の政治は若者を軽視するんだよ?」

夢野「じゃが……ウチは誰がクロなのか分からなくて……」

モノクマ「ふうん……まあいいや。どうせ夢野さんが誰に入れても結果は変わらないしね」

モノクマ「というわけで進めます!!」




モノクマ「では選ばれた人物がクロなのか、シロなのか……」



モノクマ「ワックワク、ドッキドキの結果発表――っ!!」





ルーレットが回り始める。

みんなが息を呑んで見守る中。

それは次第にスピードを落として――――――


483 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:12:47.91 u1rkEymb0 1286/2029












???????? のところで止まったのだった。












484 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:13:14.18 u1rkEymb0 1287/2029


夢野「なっ…………!?」

王馬「…………え?」

春川「ど、どういうこと……?」

真宮寺「へえ……」



モノクマ「というわけで不正解ーー!!」



モノクマ「超高校級の暗殺者、春川魔姫さんはクロではありませんでしたーー!!」



モノクマ「みんなの連勝記録もここまでだね!!」



モノクマ「見事みんなを欺いたクロが卒業決定!! シロのみんなはおしおきだよっ!!」



夢野「え…………?」

夢野(ハルマキがクロでは無い?)

夢野(自分で犯行を認めているのに?)

夢野(なら、一体誰がクロなんじゃ?)

夢野(というより……シロがおしおき?)

夢野(ウチらは死ぬのか?)


485 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:13:50.60 u1rkEymb0 1288/2029


夢野「い、嫌じゃ!! ウチは死にたくないっ!!」

モノクマ「もう、夢野さんはワガママだなぁ」

モノクマ「でも、指名を間違った以上おしおきは避けられないんだよ?」

夢野「も、もう一回チャンスをくれんか!?」

夢野「次こそ当ててみせる!!」

夢野「そうじゃ、おかしいとは思ってたんじゃ!! ハルマキは嘘を吐いていないのじゃから!!」





モノクマ(?)「……なら、その言葉忘れないんだよ」





夢野「……え?」


486 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:14:22.51 u1rkEymb0 1289/2029


モノク?「まだ…………終わっていない………」

モノ??「これは…………ウチの………………想像……」

モ???「最悪の…………可能性……」

????「おぬしは………………こうならないように…………」





夢野(?)「勇気を……出すんじゃぞ」





夢野「……え? ウチ?」



===================


487 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:14:50.56 u1rkEymb0 1290/2029





夢野「――――――――――――はっ!?」



夢野「ウ、ウチは……」

夢野(い、今のは一体何じゃ……?)

夢野(混乱するウチが一つだけ分かったことは、目の前の状況に既視感があるということじゃった)





百田「……っ、さっきは悪かったな!!」

百田「俺はもう迷わねえ!!」

百田「ハルマキ、おまえの言葉を信じる!!」

百田「おまえはモノクマボールを集めていない!! そうなんだな!!」



天海「だとしたら……一体誰がモノクマボールを手にいれたんすか……!?」

キーボ「やっぱり王馬君の言う通り、春川さんの嘘なんですよ!!」

茶柱「も、もう転子には何が嘘で何が本当なのか分かりません!!」

「クールじゃねえが……気持ちは分かる」

真宮寺「くくっ、阿鼻叫喚の地獄絵図だネ」





夢野(これは先ほどの議論が打ち切られる直前の状況?)

夢野(そうじゃ間違いない)

夢野(どういうわけか分からんが……このまま黙っていては先ほどのビジョンと同じになるのじゃろう)

夢野(それだけは……絶対に嫌じゃ)



夢野(怖じ気付いてしまう? そんなこと無い!)

夢野(何を言っていいのか分からない? そんなの知るかっ!!)

夢野(あと一歩の勇気が出ない? そんなの言っている場合かっ!!!)



夢野(ウチはチラつく最悪の可能性を頭から振るい払って――声を上げる!!!!)


488 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:15:22.56 u1rkEymb0 1291/2029







夢野「それは違うぞ!!」





夢野「ハルマキはクロではないっ!!」





偽証!!






489 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:15:55.97 u1rkEymb0 1292/2029




夢野の言葉に混乱していた裁判場のざわめきがピタッと止んだ。



王馬「……ねえ、夢野ちゃん?」



王馬「今、何て言ったの?」



夢野「何度でも言うぞっ!! ハルマキはクロではないっ!!」



春川「夢野……何言って……?」

百田「おうっ、ガツンとかましてやれっ!!」

キーボ「ど、どうなっているんですか……?」

「さあな。俺にもどういうことだか……」

茶柱「何が何だか分かりませんが……転子は夢野さんのことを信じています!!」

天海「いや……だとしても……だったら……一体……」

真宮寺「くくっ……興味深いネ」


490 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/04 13:16:34.45 u1rkEymb0 1293/2029


それぞれの反応があって最後に。



王馬「それは嘘だね」



夢野「………………」

夢野(流石は王馬じゃな)

夢野(その通り。ハルマキがクロではないという根拠は他人に言っても気が狂ったのではないかと思えるビジョンしかない)

夢野(それでも……嘘を吐いてでも動かないと行けなかった)

夢野(気を抜くと襲ってくる、シロ全員おしおきのビジョン)

夢野(あの光景を嘘にするために)





夢野(ウチはこの嘘を真実にしてみせる……!!)






550 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:35:20.90 f4vR8/P30 1294/2029


夢野(ウチはハルマキがクロではないと偽証した)

夢野(根拠となるのはシロがおしおきされるという白昼夢のような幻想のみ)

夢野(頼れるのは自分だけ。ウチはこの嘘を真実にしてみせる……!!)



王馬「ふーん……嘘か本当かはともかく、どうやら夢野ちゃんは本気みたいだね」

王馬「だったらその言い分に付き合ってあげるよ」

王馬「えっとそれで……春川ちゃんがクロではない、だったっけ?」

王馬「春川ちゃん自身が自白しているのに、どうしてクロじゃないのかな?」


551 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:36:27.05 f4vR8/P30 1295/2029




夢野「ハルマキがアンジーを殺したと思った瞬間に、実は別の人が殺していたからじゃ!!」

夢野「それでハルマキは勘違いしてしまったんじゃ!!」



夢野(ハルマキが嘘を吐いていないという前提からすれば、それしか考えられない)

夢野(じゃからウチはそう主張するが……それには一つ問題があった)

夢野(当然王馬もそこを指摘する)



王馬「じゃあどうやってアンジーちゃんは殺されたの?」




552 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:37:04.46 f4vR8/P30 1296/2029


王馬「アンジーちゃんのアバターに残っていたのは二つの傷だけ」

王馬「矢は夢野ちゃんが作動させてしまったクロスボウの仕掛けで、頭の傷の方は春川ちゃんが突き飛ばしたときに付いた」

王馬「なら、その夢野ちゃんが主張する別の人はどうやって殺したっていうの?」



夢野「そ、それは……」



王馬「傷が二つしかないから、遠くから銃で狙撃されたとかも無いし」

王馬「ゲーム世界だからって魔法や超能力で殺したっていうのも無しだよ」

王馬「最初にモノクマが言っているからね、現実世界の物理法則を超越する物は存在しないって」


553 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:37:43.18 f4vR8/P30 1297/2029


夢野「っ……」

夢野(全部王馬の言う通りじゃ)

夢野(納得してしまいそうになる、ハルマキ以外のクロがいるわけないという言い分に)

夢野(分が悪い…………ウチ以外は、ハルマキ自身でさえも、ハルマキ以外に殺せたわけがないと思っているじゃろう)





夢野(もし本当にハルマキがクロであるとしたら……あのビジョンの方が嘘なのか……?)

夢野(……いや、そうだとは思えない)

夢野(そうじゃ、決めたではないか)

夢野(例えこの世界が嘘に塗れていたとしても、自分のこの気持ちだけは本物だと)


554 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:38:22.02 f4vR8/P30 1298/2029


夢野(考え方を変えてみるべきじゃ)

夢野(ウチ以外がハルマキをクロだと思うのは)

夢野(ウチだけがそうではないと思う根拠を持っているからではないか?)

夢野(それはあのビジョンだけでなく――)



証拠を提示せよ!!

『夢野の違和感』



夢野(捜査の時から覚えていた、一周目から来るこの事件に対する違和感)

夢野(今こそ……その正体を突き止めるべきじゃな)


555 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:38:55.09 f4vR8/P30 1299/2029


<ひらめきアナグラム開始!!>



夢野(一周目、四回目の事件はモノクマの動機カードキーから始まった)



夢野(それを王馬が奪い、王馬はモノクマと取り引きして世界の秘密をプログラム世界に隠した)



夢野(そのころ入間は王馬を殺害する計画を思いつく)



夢野(じゃが、それを王馬は見通していてゴン太を仲間に引き入れ逆に殺させる算段を付ける)



夢野(結果入間は返り討ちに合って、ウチらは動かなくなったアバターを見つける)



夢野(そして慌ててログアウトすると……入間が手を首に当てもがくような姿の死体で発見されて――――)




556 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:39:24.08 f4vR8/P30 1300/2029








『フィードバック』






夢野「そうか、分かったぞ!!」








557 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:39:50.88 f4vR8/P30 1301/2029


夢野「王馬、残念じゃがウチの勝ちじゃ」

王馬「……勝ち?」

王馬「何、ハルマキちゃん以外がクロだって思える証拠でも見つけたの?」



夢野「ああ、そうじゃ」

夢野「それはゲーム世界におけるフィードバックじゃ」



茶柱「フィードバック……ですか?」

夢野「モノクマ、お主はこう言っていたよな?」



<回想>

モノクマ『でもアバターが怪我だったり、死んだりするような大ダメージを受けると遮断しきれなくて現実世界の身体にも影響が出る……って思ってくれればいいよ』



モノクマ「そうだよ、よく覚えていたね」


558 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:40:37.85 f4vR8/P30 1302/2029


キーボ「ですが、それの何が関係して……」



夢野「ハルマキがゲーム世界でアンジーを殺したのなら」

夢野「現実世界のアンジーの死体が、あのように自然と座ったままなのはおかしいということじゃ!!」





<回想>

夢野『アンジー……』

夢野(その姿は……まるで生きているかのようだった)

夢野(表情は穏やかで)

夢野(右手に包帯を巻いている以外には傷は無く)

夢野(自然な状態でイスに座っている姿は……まるで今にも立ち上がりそうじゃった)





夢野「頭を打って死ぬくらいのダメージをゲーム世界で受けていたなら、現実世界のアンジーの死体も手で頭をおさえていたり、表情も歪んでなければおかしい」

夢野「なのに普通に座ったままということは、アンジーはこの傷で死んだのではないということじゃ!!」

夢野(これが違和感の正体じゃった)

夢野(一周目の入間はプログラム世界で絞殺されたから、死体も手を首にあててもがくような姿になっていたのじゃからな)


559 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:41:03.81 f4vR8/P30 1303/2029


茶柱「ですけど……実際アンジーさんのアバターには頭を打った痕がありますよ? どうしてフィードバックが適用されていないんですか?」

夢野「それはその傷が付く前に、アンジーが死んだからということじゃろう。死んでは身体を動かすことが出来んからな」

モノクマ「うぷぷっ、そうだよ。死後はフィードバックが適用されないね」



夢野「つまりハルマキが付けた傷でアンジーは死んだわけではない」

春川「夢野……」

夢野「クロはハルマキ以外であるということに――」


560 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:41:44.86 f4vR8/P30 1304/2029


 反


王馬「それは嘘だね!!」


     論 !!



夢野「んあっ!?」

王馬「なるほど、フィードバックか。それは見落としていたよ」

王馬「夢野ちゃんがどうして気づいたのかは気になるけど……」

王馬「それより春川ちゃんが殺したわけじゃないってことになると、また問題が一つ出てくるよね?」



夢野(これは……王馬の本気の反論じゃな)

夢野(いいじゃろう。打ち勝ってみせる……!!)


561 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:42:15.68 f4vR8/P30 1305/2029


<反論ショーダウン・開幕!!>

王馬「アンジーちゃんの死体は自然に座っていたことから、フィードバックは起きていない」

王馬「つまりゲーム世界で死ぬようなダメージを受けていない」

王馬「それは分かるけど……だったらアンジーちゃんはどうやって殺されたっていうの?」



発展!!

夢野「ゲーム世界で殺されていないならば、必然的に現実世界で殺されたに決まっておるじゃろう!!」



王馬「現実世界……ね」

王馬「ログイン中、現実世界の身体は無防備だからね。危険だとは思ってたけど……」

王馬「でもアンジーちゃんの死体には『傷一つ残っていなかった』」

王馬「なのにどうやって殺したっていうの?」

王馬「現実世界で夢野ちゃんが魔法が使えたとして、夢野ちゃんはアナウンスの件からシロのはずだよね?」



『モノクマファイル4』 → 『傷一つ残っていなかった』

夢野「その言葉ウチの魔法で一刀両断じゃ!!」 バサッ!!


562 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:42:47.42 f4vR8/P30 1306/2029


夢野「いや、アンジーの死体に傷は残っておった」

夢野「それはきちんとモノクマファイルにも書かれておる」

夢野(ウチはモノクマファイルを起動して、その記述をもう一度読み直す)



『モノクマファイル4』

『被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー』

『死体発見場所はコンピュータールーム』

『右手に小さな傷がある』



王馬「それって……もしかして右手に小さな傷がある、ってところ?」

王馬「もう、夢野ちゃん忘れたの? それはアンジーちゃんが料理に失敗して、天海ちゃんが止血した傷だって」



夢野「それは……ウチら全員が早とちりしただけじゃ」

王馬「…………え?」


563 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:43:15.54 f4vR8/P30 1307/2029


夢野「天海自身も言っておったではないか」

夢野「料理に失敗して出来た傷は小さくないと」




<回想>

百田『右手の小さな傷ってなんだ? 包帯を巻いてるけどそれか?』

天海『昨夜の料理のときに失敗して出来た傷っすね。そんなに小さくは無いっすけど』





夢野「なのにモノクマファイルにはきちんと小さな傷があると書かれておる」

夢野「おかしいじゃろう」

夢野「この齟齬が何を意味するか……」

夢野「――モノクマ、一つ頼みがあるんじゃが!」



モノクマ「はいはい、分かってますよっと」

モノクマ「裁判も盛り上がってきたし、大サービス!!」

モノクマ「というわけで皆さんモニターにご注目ください!!」


564 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:43:48.54 f4vR8/P30 1308/2029




裁判場のモニターに映し出されたのはコンピュータールームにあるアンジーの死体。



モノタロウ「えっと……この包帯を外せばいいんだよね?」



現れたモノタロウが、アンジーの死体の右手から包帯を外していく。



そして晒されたアンジーの右手の肌には。



包丁で付けたと思われる一筋の傷と――その他に。





とても小さな丸い傷……注射痕が残っていたのだった。






565 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:44:19.04 f4vR8/P30 1309/2029


夢野「そもそも今回のモノクマファイルは情報が少なかった」

夢野「二回目の事件のゴン太の時に、三回目の最原も少なかったから慣れてしまったが」

夢野「その二人が情報が少なかったのは、死体がバラバラになっていたからじゃ」

夢野「今回のアンジーの死体は損壊していないのに……どうして情報が少なかったのか?」

夢野「それは……本当の死因が分かっては、クロがすぐに特定されるから」

夢野「つまり、今回のアンジーの死因は……」



『中毒死』



夢野「これじゃ!!」


566 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:44:48.32 f4vR8/P30 1310/2029


夢野「事件を振り返ってみるぞ!!」

夢野「今回の事件ではゲーム世界と、現実世界同時に事態が進行した」

夢野「ゲーム世界、教会近くの広場にて出会うアンジーとハルマキに」

夢野「現実世界ではクロがログイン中で無防備なアンジーの身体に近づく」

夢野「ハルマキはアンジーからモノクマボールを奪うために襲撃した。このときモノクマレーダーをアンジーは落としてしまったのじゃろう」

夢野「争いはエスカレートし、春川がアンジーを突き飛ばし、その身体が岩に叩き付けられる……」

夢野「その直前。偶然にもそのタイミングで、クロがアンジーの右手、包帯の下に注射器を刺して毒を流し込んだ」

夢野「それによってアンジーは死亡したから、ゲーム世界で頭を打って深い傷を負ってもフィードバックは起きなかったんじゃ」

夢野「そうとは知らないハルマキは自分がアンジーを殺したのだと勘違いする。落ち着いていれば、自分が殺したのではないと気づけたかもしれんが、二日ぶっ続けでログインしていて判断能力が低下していたかもしれんな」

夢野「というわけでモノクマボールを投げ出して逃走」

夢野「その後、クロがログインしてアンジーの死体のところまでやってきてモノクマボールを回収」

夢野「死体を教会に磔にして、クロスボウの仕掛けもしてその場を去った」



夢野「これが事件の全貌じゃ!!」


567 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:45:16.76 f4vR8/P30 1311/2029


夢野「どうじゃ、王馬!! 反論はあるか!?」



王馬「…………認めるしかないみたいだね」

王馬「完敗だよ。どうして夢野ちゃんはこの真実に気づけたの?」



夢野「簡単な話じゃ」

夢野「自分で言っておったじゃろう、王馬。お主だって何でも知っているわけじゃないと」

夢野「ウチが知っていて、お主が知らなかっただけじゃ」



夢野(王馬はおそらく本当にハルマキがクロじゃと思っていたのじゃろう)

夢野(ウチと王馬を分けたのは、一周目の記憶があったのかどうかでしかない)



王馬「……なるほどね」


568 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:45:51.99 f4vR8/P30 1312/2029


百田「よくやった夢野!!」

茶柱「転子も信じていましたよ!!」

夢野「そうか……うむ、ありがとな」

夢野(ウチを讃える言葉に鷹揚に頷いて――)





百田「それで何だが、ハルマキがクロじゃないなら本当のクロは誰なんだ?」

夢野「んあっ!?」

茶柱「そうですね、実際現実世界でアンジーさんを殺した人がいるんですよね?」

茶柱「一体誰なんですか?」


569 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:46:36.33 f4vR8/P30 1313/2029




夢野「そ、それは……現実世界にいたというわけじゃし……」





『怪しい人物を指名せよ!!』



夢野「えっと……し、真宮寺か?」



真宮寺「あのネ、夢野さん。僕を疑いたい気持ちは分かるけど、僕はアナウンスの件から完全にシロなんだヨ?」





『怪しい人物を指名せよ!!』



夢野「なら百田か?」



百田「なら、って何だ。ならって。俺はゲーム世界に入ったのは捜査時間になってからだから、教会にアンジーを磔に出来ないだろ?」





『怪しい人物を指名せよ!!』



夢野「だ、だったらキーボじゃ!!」



キーボ「ボクは夢野さんが死体を発見した後にログインしているんです! 大体、アンジーさんを殺すわけないじゃないですか!!」




570 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:47:12.61 f4vR8/P30 1314/2029


夢野「え、えっと……」

王馬「……はあ、ちょっとは見直してたのに」

王馬「最後の最後でドジするのが夢野ちゃんらしいね」

夢野「な、何じゃ王馬!? お主はクロが分かるのか!?」

王馬「そりゃあね。ここまで情報が出揃えば簡単だよ」



王馬「今回のクロは現実世界でアンジーちゃんを殺し、ゲーム世界で偽装工作を行っている」

王馬「アンジーちゃんの死亡推定時刻は今朝の0時から6時」

王馬「この時間に現実世界とゲーム世界を行き来しているのは一人しかいない」

王馬「ここまで言えば分かるよね?」



夢野「そうじゃな……」

夢野(王馬が整頓した条件に当てはまる一人)

夢野(ウチは改めてそのクロを指摘した)


571 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:47:41.80 f4vR8/P30 1315/2029




『怪しい人物を指摘せよ!!』






夢野「今回の事件のクロは……星、お主じゃな!!」







「……やれやれ、気づいちまったか」








572 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:48:45.28 f4vR8/P30 1316/2029


王馬「午前3時ごろに休憩と称してログアウト後、またログインしている星ちゃん」

王馬「実際はそのときにアンジーちゃんを殺したんだろうけど……」

夢野「やけに素直に認めるんじゃな?」



「ここまで証拠が出揃ってるんだ。反論しても覆らないだろう?」

「負けると分かっていてあがくのはクールじゃないからな」



百田「本当に……星がクロなのか」

キーボ「………………」


573 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:49:25.13 f4vR8/P30 1317/2029


天海「そういえば……本当に今さらっすけど」

天海「星君は捜査の時も、裁判の時も現実世界のアンジーさんの死体に話題が及びそうになる度に、話題を逸らしていたっす」

天海「現実世界のアンジーさんの死体に注意が向くと、犯行がバレると分かっていたからなんすね」

夢野「そんなことが……」



天海「そして……アンジーさんのモノクマレーダーは教会近くの広場に落ちたままだったっす」

天海「アンジーさんが襲われて落として、その後誰も使用していないなら、星君が隠したというモノクマボールを奪うことは誰も出来なかったということっす」

天海「つまり必然的にボールを集めたのは星君ということになるっすけど……」

夢野「どうなんじゃ、星?」


574 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:49:53.39 f4vR8/P30 1318/2029





「本当はアンジーを殺すつもりはなかった……何て言っても言い訳にしかならねえな」

「ああ、その通りだ」

「全く……こんな物のために愚かなことをした」



夢野(星は自分の電子生徒手帳を起動してみんなに見せる。そこには――)




575 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:50:27.52 f4vR8/P30 1319/2029







『望みを叶える権利を使用しますか?』


  はい    いいえ






夢野(モノクマボールを集めた証が表示されていた)


576 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/06 12:51:10.94 f4vR8/P30 1320/2029


モノクマ「うぷぷっ、議論も終わったみたいだね!!」

モノクマ「それじゃ行きましょう、投票ターイム!!」

モノクマ「みなさんお手元のパネルから、クロと思われる人物に投票してください!!」

………………。

モノクマ「おっと投票も終わったみたいだね。では選ばれた人物がクロなのか、シロなのか……」

モノクマ「ワックワク、ドッキドキの結果発表――っ!!」





ルーレットが回り始める。

みんなが息を呑んで見守る中。

それは次第にスピードを落として……。






全員が選んだ、星のところで止まったのだった。






<裁判閉廷!!>




669 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:43:30.75 haeEjMBy0 1321/2029


モノクマ「大・正・解ーー!!」

モノクマ「超高校級の美術部・夜長アンジーさんを殺したクロは、超高校級のテニス部・星竜馬クンでしたーー!!」

モノクマ「いやぁ、すごいね! シロのみんなは四連勝だよ!!」





夢野「ふう……」

夢野(ウチは安堵の息を吐く)

夢野(星がクロで間違いないとは思っていたが……それでもあのビジョンのように、不正解と言われるのではないかとヒヤヒヤしていた)

夢野(実際に正解で良かったわい)


670 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:44:09.34 haeEjMBy0 1322/2029


キーボ「どうして……どうしてアンジーさんを殺したんですか!?」

キーボ「答えてください!!」

夢野(キーボが珍しく感情を前面に押し出して問いつめる)

夢野(そうか、キーボはあんなにもアンジーの死を悲しんでおったしな。裁判中は我慢していたのか)



「非難されるのは当然だな」

「本当にすまなかった」



茶柱「星さん……」

百田「なあ……ところで気になってたんだが、アンジーを殺すつもりじゃなかったってどういうことだ?」


671 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:44:42.41 haeEjMBy0 1323/2029


夢野「そういえばそうじゃな」

天海「教えてくれないっすか?」



「そうだな……まずあの一歩間違えればみんな死んでた教会の爆弾については俺が仕掛けたものではない」

「王馬が言っていた通り、今回の事件とは別の思惑が絡んでいるんだろう」

夢野「そういえばそれがあったか……。でもクロで無いなら一体誰が……?」



「気になっているところ悪いが、逆に一つ質問だ」

「夢野、あんたは事件の振り返りの時にクロが夜長に毒を流し込んだって言ったな?」

「その毒ってのが具体的に何だか分からないか?」

夢野「毒の種類……?」

夢野(え、えっと……最原の部屋にあった拷問致死薬……は今周回部屋が解放されていないから無いのか)

夢野(なら毒に類する物は……そうか、ウチも使ったあれしかない)





夢野「天海の部屋にあった猛獣用の麻酔……人間相手にも睡眠薬として使えるやつじゃな」

「その通りだ」


672 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:45:55.84 haeEjMBy0 1324/2029




「夜長が一番モノクマボールを集めているのは分かっていた」

「だから俺はやつを眠らせてモノクマボールを奪うつもりだった」

「現実世界の身体とゲーム世界のアバターはリンクしている」

「なら現実世界で眠らせれば、ゲーム世界のアバターも寝て無防備になるってことだからな」



「だから昨夜、俺は夜長の居場所を確認してからログアウトした」

「そして睡眠薬を説明書通り人間相手を眠らせる分量で準備して打った……つもりだったんだが」

「アレルギーで過剰に反応したか、もしくは体質か……まあ何か問題があったんだろう。結果的に夜長を殺してしまうことになった」




673 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:46:23.69 haeEjMBy0 1325/2029


夢野「そうか……」

茶柱「それは……不幸なことでしたね」



「いいや、不幸なんかじゃない」

「俺がそもそもモノクマボールを奪おうなんて思わなければそうならなかったわけだからな」

「望みに目が眩んだ……俺が愚かだったんだ」



王馬「……ねえ、さっきから気になってたんだけどさ」

王馬「そこまでして星ちゃんが叶えたかった望みって何なの?」


674 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:46:50.12 haeEjMBy0 1326/2029


茶柱「星さんの……望みですか?」

夢野「それは……モノクマも煽っていた通り『過去に戻って自分の過ちをやり直す』ではないのか?」



夢野(自分のせいで恋人を失った……と聞いたことがある)

夢野(そんな壮絶な過去があって、何でも望みを叶えられるならやり直したいに決まって――――)





「そんなわけないだろ」

夢野「んあっ!?」


675 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:47:20.94 haeEjMBy0 1327/2029


「確かに俺は今だって後悔している」

「『過去に戻って自分の過ちをやり直す』……か」

「正直本当の望みとずっと迷うくらいには魅かれている」



「だが……過去があってこその今がある」

「過去を否定したら今の……この最高の仲間たちと一緒にいられる時間も否定することになるだろ」

「だから俺の望みは『今を生きたい』だ」





夢野「星……」

夢野(そうか、一周目の後悔ばかりの星であったなら『過去に戻って自分の過ちをやり直す』望みを抱いておったじゃろうが)

夢野(この二周目の星は動機ビデオ発表会で赤松によって生きる活力を取り戻している)

夢野(じゃから『今を生きたい』という望みになって――)





夢野「……ん? じゃが『今を生きたい』なんてモノクマボールで望まなくても手に入る望みではないのか?」

「いや……違う」

「何故なら――――」




676 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:47:47.54 haeEjMBy0 1328/2029

















ゴホッ、ゴホッ!!





そのとき、星が咳き込み――――吐血する。






「俺は……こんな身体だからな」







677 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:48:14.85 haeEjMBy0 1329/2029


夢野「んあっ!!?」

春川「え……?」



夢野(二周目のウチとハルマキが思わず反応する)

夢野(その症状には見覚えがあった)

夢野(それは……一周目で百田がかかっておった病気ではないか!?)

夢野(どうして星が……!? この二周目ではどうして変わっておるんじゃ……!?)





モノクマ「うぷぷっ……」


678 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:48:45.50 haeEjMBy0 1330/2029


夢野(……よく分からないが、まさかこれも首謀者や生存者のように、この二周目では変えられていたということか?)

夢野(いや……そうだとしてもおかしい)

夢野(実際に百田は苦しそうにしておったではないか)

夢野(星が病気になっていたなら、どうして……)



王馬「そういえば気になってたけど……」

王馬「星ちゃんは百田ちゃんとテニスをして、苦戦したんだよね?」

王馬「ブランクがあるからって言ってたけど……実際は体調が悪くて本気を出せなかったってことなの?」

百田「マ、マジかよ!? 星、そんなに辛いならどうしてテニスを……!?」

「それでもテニスをしたかった……そういうことだ」



夢野(百田と星のテニス……一周目には無かった出来事)

夢野(そういえば……もしかして……)



<回想>

百田『朝から晩までテニスをして……部屋に帰ったら疲労でシャワーを浴びたまま寝たくらいだ』

『俺も同じようなものだ。……って、まあさすがにちゃんとベッドで寝たが』



夢野(百田はシャワーを浴びたまま寝たことで……この二周目では風邪を引いたということか?)

夢野(病気のことをみんな夏風邪を引いたと誤解していると思っていたが……本当に風邪で、ウチらの方が誤解していたということか?)

夢野(そうじゃ、風邪なら安静にしてれば自然に治る。ハルマキが望みを叶えていなくても、百田が元気になっていておかしくない)


679 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:49:26.14 haeEjMBy0 1331/2029


「モノクマボールを集めたが、夜長を殺してしまったことで俺には二重に死がかかった」

「この病気とクロ容疑だ」

「叶えられる望みは一つだけ。生きるためにはどちらかを自力で外さないといけない」

「だが、病気の方は望みでどうにかするしかない。だから生きるため……クロ容疑をどうにかしないといけなかった」

「夜長の死体を発見しない方法を提案したのもそれが理由だ」



夢野「そうか、アンジーの死体を発見せずに裁判を開かせない……あれは星の提案じゃったな」

「ああ、もしその方法が上手く行きそうなら、俺はクロであることを自白して、どんな罰でも受けるつもりだった」

「だが、王馬に否定されて裁判は避けられないことが分かり……そうなってはみんなを殺してでも裁判で勝ち残り、そのときに病気を治すしか生きる方法は無かったってことだ」

「結果はこうだったがな。まあ、それでも良かった」

「おまえたちを殺してまで生き残ったら……俺はまた後悔しながら生きることになっただろう」





夢野(何でも望みを叶えられる……それなのに望んだことが本当に当たり前なこと)

夢野(『今を生きたい』)

夢野(なのに……このコロシアイ学園生活は、それさえも許してくれない)


680 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:50:01.20 haeEjMBy0 1332/2029




「というわけで望みを叶える権利はまだ待機状態だ」

「だからここで……コロシアイを終わらせることを望もうと思う」



夢野「え……?」



「それが俺に出来る唯一の罪滅ぼしだ」

「おまえたちはもうコロシアイをしないで済む。おまえたちは生き残ることが出来る」



百田「な、何を言ってんだ!! 星、おまえも一緒だぞ!!」

百田「病気なんて外の世界の病院に行けばすぐに治るに……」



モノクマ「うぷぷっ、さてこの才囚学園の外はどうなっているだろうね? 少なくとも近くに病院は無いと思うよ。あっても破壊するけど」



百田「うっせぇっ!! 黙りやがれ、モノクマ!!」



夢野(モノクマの意地の悪さが出る)

夢野(実際コロシアイを終わらせたとしたら、星の病気を治させないようにするじゃろう)

夢野(それくらいは予想できる)


681 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:50:49.09 haeEjMBy0 1333/2029


百田「な、なら星の病気を治すように望め!! 大丈夫だ、これから俺たちはコロシアイをしないからな!!」

「そうしたらコロシアイは続行。俺はクロでおしおきだ。それこそ無駄死にだろう」

百田「っ……だったら単純に生きたいって望めばいいじゃねえか!!」

モノクマ「ぶっぶー!! それには病気を治療とおしおきの回避が含まれます。叶えられる望みは一つだけです」

百田「はぁっ!? 何でそれすら叶えてくれねえんだよ!!」




「……ありがとな、百田。その気持ちだけで俺は報われる」

百田「違うっ!! そんなことで満足するんじゃねえ!! おまえはもっと俺たちと生きて、友達になって、たくさんの思い出を作って、幸せな生活を送るんだ!!」

百田「それがあの動機ビデオの結末じゃねえか!!」



「なら、もう叶ってるだろ。こんな学園生活だったが……十分に幸せだった」

百田「っ……それは……」



夢野(百田が言葉に詰まる)

夢野(星はその間に電子生徒手帳を起動。そして望みを叶える権利を使用して――)


682 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:51:16.00 haeEjMBy0 1334/2029






茶柱「本当にそれでいいんですか?」





「……どうした、茶柱?」





夢野「転子……?」






683 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:51:44.88 haeEjMBy0 1335/2029


茶柱「気になっていたんです、裁判中の春川さんも、そして今の星さんも」

茶柱「どうして自分の死が目前に迫っていて、平然としているんですか!?」

茶柱「少なくとも転子だったら、生きていたいと思ってあがくでしょう」

茶柱「それでも死がひっくり返らないとしたら……いっぱい未練が残ると思います」

茶柱「死ぬくらいなら、あれをしたかった……これをしたかった……って」



茶柱「星さんも何かあるんじゃないですか!? そして星さんは実際に何でも一つ望みを叶えられるんですよ!!」

茶柱「それなのに……そんな死ぬときまでみんなのことを思って……」

茶柱「もっと自分に正直になっていいと転子は思います!!」


684 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:52:12.93 haeEjMBy0 1336/2029


夢野「……そうじゃな」

夢野「お主の一番の望み『今を生きたい』が無理なら」

夢野「二番目の望みは何じゃ?」

夢野「少なくとも『コロシアイを終わらせる』では無いじゃろう?」



百田「……ああ、そうだ!!」

百田「俺たちはもうコロシアイをしねえ!!」

百田「あんなクマ野郎はぶっ倒して、みんなで生きて帰る!!」

百田「だから……星、おまえの今の望みを叶えるんだ」


685 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:52:45.85 haeEjMBy0 1337/2029


「茶柱……それに、夢野に百田まで……」

「ったく……おまえらは……」

「本当にいいのか?」



夢野「もちろんじゃ!!」

茶柱「何の問題も無いですよ!!」

百田「みんなもそれでいいよな!!」

天海「ははっ、こんなの見せられて文句を言えるわけ無いっす」

真宮寺「僕も大歓迎だヨ」

王馬「真宮寺ちゃんのは別の意味に聞こえるんだよね……あ、オレも大丈夫だよ」

春川「私は……口を挟める立場じゃないし」

キーボ「……みなさんが決めたことなら従います」


686 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:53:28.25 haeEjMBy0 1338/2029


モノクマ「……あー、お涙頂戴のところ悪いんだけど」

モノクマ「クロも決まったんだし、そろそろおしおきに行きたいんだけど」

モノクマ「望みを叶える権利を使うならさっさとしてくれる?」



夢野「うるさいぞっ!!」

茶柱「そうですよ、口を挟まないでください!!」





「ったく……本当俺なんかには出来すぎた仲間だ」

「ありがとな」


687 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:54:00.16 haeEjMBy0 1339/2029




星は電子生徒手帳の表示された画面を見る。





『望みを叶える権利を使用しますか?』


  はい    いいえ





そして『はい』をタッチして――望みを口にした。


688 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:54:27.81 haeEjMBy0 1340/2029











「俺の望みは……最期にみんなでテニスをすることだ」











689 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:54:53.25 haeEjMBy0 1341/2029










モノクマ「うぷぷっ、分かりました!!」





モノクマ「それでは参りましょう!! おしおきターイム!!」










690 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:55:21.74 haeEjMBy0 1342/2029






ホシくんがクロに決まりました。



おしおきを始めます。






691 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:55:51.19 haeEjMBy0 1343/2029













<超高校級のテニス選手のおしおき>


『テニス』






<星の研究教室>



夢野(モノクマがおしおきを宣言したときはビビったが……その後、ウチらが連れてこられたのはテニスコートもある星の研究教室じゃった)



モノクマ「というわけで星クンの望み通りみんなには今からテニスをしてもらいます」

モノクマ「審判はボクがするからね」

モノクマ「安心してよ、ジャッジは正確だからさ」



モノタロウ「ラインはオイラたちが見るよ」

モノダム「頑張ル……」

モノファニー「じゃあアタイはチアガールをするわ! フレー! フレー!」

モノキッド「おそろしいほどそそらない応援だな」

モノスケ「まあ好きにさせときや」


692 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:56:32.97 haeEjMBy0 1344/2029


「ということだ、とりあえず俺はコートに入るとして……最初は誰から来る?」

王馬「疲れてない星ちゃんとか無理ゲーでしょ。誰かよろしくー」

真宮寺「くくっ、なら僕から行っておこうかナ」

夢野(真宮寺がラケットを持ってコートに入る)



「サーブは俺から行くが、いいか?」

真宮寺「いいヨ」

「ところで真宮寺はテニス経験はあるのか?」

真宮寺「残念ながら無いネ。ああでもルールは分かっているヨ」

真宮寺「それより……そっちこそ大丈夫なのかナ? 吐血するほど病状が悪いなら、素人の僕でも――――」



スパンッ!!!



真宮寺「………………え?」

夢野「なっ……!?」

茶柱「早すぎませんか……?」

夢野(星がボールをトスしたと思った次の瞬間、真宮寺の後ろにボールは転がっていた)

夢野(ま、まるで目が追いつかなかったぞ……?)



「15ー0(フィフティーンラブ)だ」

「死ぬ気でかかってこい。こっちを心配している余裕なんて無いぞ」


693 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:57:05.71 haeEjMBy0 1345/2029


夢野(その後も一方的じゃった)

夢野(真宮寺は頑張ってボールを追うがまるで捉えることが出来ない)



真宮寺「これほどとはネ……男だから姉さんの友達には出来ないけど、素晴らしいと思うヨ」

「……それさえなければあんたもいいやつなんだけどな」



夢野(結果、初戦は星の圧勝に終わる)


694 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:57:32.71 haeEjMBy0 1346/2029


「よし、次だ。誰がコートに……ゴホッ、ゴホッ!!」

夢野「だ、大丈夫か!?」

夢野(真宮寺に勝利した星じゃが、咳き込んで吐血する)



「心配するな、これは俺が望んだことだ……次、入ってくれ」

天海「……なら俺が行くっすね」

天海「もし勝っても恨まないでくださいっすよ」

「ああ、勝てるならな」


695 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:58:11.77 haeEjMBy0 1347/2029




<十分後>

「まだまだだな」

天海「っ、ここまでの差があるっすか……!?」



夢野(不適な発言をした天海じゃが、星に瞬殺される)

夢野(時おり咳き込む星を心配しながらも、本人の望みということでウチらはどんどん星に挑む)



キーボ「テニス用のプログラムがあればこんなことには……っ!!」

「あったらどうなるんだ、楽しみだな」



春川「殺す……っ!!」

「運動神経は抜群だが、武器ばかり握ってきた弊害だな。対面するとどこに殺意を向けているか分かりやすい」



王馬「へっへーん、ここで叩き込めば得点……!!」

「といいながらドロップか。嘘が上手いな」

王馬「え、バレた!?」


696 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:58:39.18 haeEjMBy0 1348/2029


「夢野か……ハンデだ。茶柱と二人一緒でいいぞ」

夢野「なっ……ウチを馬鹿にしておるな!? 見返してやるぞ、転子!!」

茶柱「はいっ、転子たちのコンビネーション見せましょう!!」





<十分後>

夢野「今のは転子が取るべきじゃろう!?」

茶柱「そこは夢野さんの守備範囲ですよ!!」

「コンビネーション最悪だな」


697 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 20:59:37.90 haeEjMBy0 1349/2029


夢野「うー……流石、星じゃな」

夢野(ここまでウチらの全敗)

夢野(試合を重ねるごとに咳き込む回数も増えたが、それでもウチらを寄せ付けない強さを星は見せる)

夢野(星と戦っていないのは……残り一人)



「最後は百田か……意外だな、早く試合をしたがると思っていたが」

百田「この前負けて、リベンジマッチだからな。形振り構わず勝ちに行かせてもらう」

「だから最後か。俺の体力が削れるまで待ったのか」

百田「そういうことだ、卑怯だとは言うなよ」

「そこまでしてちょうどいいくらいだと思うがな」


698 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:00:29.00 haeEjMBy0 1350/2029


夢野(星は強がったが……やはり目に見えて体力は落ちていた)

夢野(プレイ中に咳き込むこともあり、百田も着実に点を重ねる)

夢野(じゃが星も意地のプレイで点を奪う)

夢野(試合は両者互角に進み、タイブレイクのさらに6ー6まで進む)



春川「えっと、これってどうなるんだっけ?」

夢野「ここからは先に二点差付けた方が勝ちじゃな」

茶柱「もしですけど、仮にお互いが点を取り続けたら一生続くんですよね」

キーボ「一生ですか!?」

真宮寺「まあでもどちらも体力が限界だからネ。一気に取りに行きたいところだと思うけど……」


699 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:01:01.09 haeEjMBy0 1351/2029


「さすがにおまえさんも疲れただろ。さっさと終わらせたいんじゃないか、俺としてはずっと続いてもいいが」

百田「はっ、それはこっちのセリフだ! 来いっ!!」



夢野(先に星のサーブか。未だに球威が落ちないサーブに身構える百田に)



「なら、これはどうだ?」

百田「っ……!?」



夢野「アンダーサーブじゃと……!?」

夢野(星はボールを下から打つアンダーサーブ……緩い球を放る)

夢野(初めて見せる攻撃に百田はタイミングを崩されて……)



百田「くっ……!!」

「甘い……!!」



夢野(何とか打ち上げるもスマッシュで叩き込まれる)


700 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:01:34.38 haeEjMBy0 1352/2029


王馬「マッチポイント……ここを決めれば星ちゃんの勝ちだね」

キーボ「でも、サーブ権は百田君に移ります。百田君も有利だと思いますが……」

真宮寺「結局どこかでブレイクしないと勝てないように出来ているからネ」

天海「ここで決めないと星君は泥沼化するっすね。百田君としてはそうしないと勝てないっすけど……」

夢野「っ、百田がトスを上げたぞ……!!」



百田「おらぁっ!!」



夢野(百田の渾身のサーブ。ここに来て一番の球威、コースで入るが)



「予想通りだ!!」



夢野(コースを読み切った星は難なく返球……そしてネット際までダッシュする……!!)


701 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:02:15.97 haeEjMBy0 1353/2029


王馬「リターンダッシュ……!!」

天海「一気に決めるつもりっすか!?」

真宮寺「ストローク主体だった星君が見せる初めての戦略だネ……!!」

キーボ「これは百田君も反応できずに……!!」

春川「いや、百田は……!!」



百田「へっ、こっちこそ予想通りだ!!」

「っ……!?」



夢野「なっ……!!」

茶柱「ここでロブですかっ……!?」

夢野(前に出てきた星に対して、百田はロブで応酬。見事に裏をかかれた星は、ボールを追って戻るが)



「くっ……!!」 バタンッ!!



夢野(急な方向転換に身体が付いていかずに倒れる。結果、ボールの行方を見守るしか出来ずに……)


702 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:03:33.12 haeEjMBy0 1354/2029




モノタロウ「アウトッ!!」



夢野「え?」



モノクマ「ということで百田クンの打球はアウト!! 星クンにポイントが入り……ゲームセット!!」

モノクマ「見事星クンの勝利だよ!!」



夢野(百田の打球は……ボール一個分ラインの外に落ちた)




703 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:04:15.09 haeEjMBy0 1355/2029


百田「……はあっ!?」

百田「アウトだとっ!? 嘘じゃねえのか!?」



モノタロウ「嘘じゃないもん!!」



王馬「百田ちゃん、諦めなって。実際コートの外から見ていた俺たちでも、ギリギリでアウトって分かったよ」

茶柱「そうです。男死ならいさぎよく負けを認めることも必要ですよ」



百田「くっ……そうか。負けか」

百田「いいところまで行ったと思うんだけどな」



夢野「それより星じゃ! プレイ中に倒れ込んで……大丈夫なのか!?」

夢野(ウチらは星のところまで駆けつける)


704 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:04:50.46 haeEjMBy0 1356/2029




「ゴホッ……ガハッ……!!」

夢野(大量に吐血する星。これは……もう……)




「こんな……結末とはな」

「締まらねえが…………勝ちは勝ちだ。残念だったな……百田」



夢野(病気じゃというのに全力で運動した星は……全てを使い果たしたのか、もう虫の息じゃった)



百田「くそっ……勝ち逃げする気か……!?」

「悪いな…………だが……良い線は行ってたと、思うぞ……?」

「テニス……選手になったら、どうだ?」

百田「……悪いが俺には宇宙飛行士になるって夢があるんでな」

「………………そうか」


705 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:05:18.20 haeEjMBy0 1357/2029






百田「だから俺は宇宙飛行士兼テニス選手になってやる……!!」





「それ、は……」

百田「もう決めたからな。だから……星」

百田「見守っててくれよ」

「…………中々、型破り……じゃねえか」

「その内……無重力ショットとか……打つんだろ……?」

百田「ああ。俺の必殺技だ。着弾した後飛んでいくことで相手に打たせねーんだ」

「はっ…………俺のところまで…………ボールが、来たら……打ち返して……やる」

百田「コンビ技か。いいじゃねえか」


706 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:06:03.15 haeEjMBy0 1358/2029


「みんなも…………こんな、俺の……ワガママに、ゴホッゴホッ………」

「付き合って…………っ、……くれて……ありがと、な」



茶柱「これくらいならいつでも付き合いますよ……!」

真宮寺「テニスは初めてだったけど楽しかったヨ」

王馬「楽しくなかったよ。あ、嘘だよ」

天海「不甲斐ない結果だったっすが……次こそは必ず!!」

春川「スポーツは勝手が掴めないね……」

キーボ「ボクもテニス用のプログラムを組んでいればこんなことには……!」



夢野「みんなこうして再戦を望んでいるのに……ズルいぞ、星」



「……そうか。…………俺も………………最期まで……楽しかったぞ……」


707 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:06:29.63 haeEjMBy0 1359/2029




「本当に……いい、仲間を…………持った」



「俺は…………幸せ……だった」



「あり…………がと………………………………」



「…………な………………」



「……………………」



「……………………」



「…………」



「……」




708 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/08 21:07:18.10 haeEjMBy0 1360/2029




夢野(そうして星はみんなに見守られて息を引き取った)



夢野(とても満ち足りた表情じゃった)



夢野(それを見た途端、残された者の心の内で張りつめていたものが切れて)



夢野「っ……ぐすっ………」



夢野(咽び泣く者、啜り泣く者、涙を我慢する者)



夢野(星の前では見せんようにしていた悲しみを表に出し始めるのじゃった)




825 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:12:10.67 1NixU9490 1361/2029


<裁判場>

夢野(星とのテニスの後、しばらく悲しみの感情に浸っていたウチら)

夢野(モノクマも気を使ったのか、しばらくしてからウチらは裁判場に戻される)

夢野(星の望みを『コロシアイを終わらせる』にしてもらえば、今ごろこんな生活とはおさらばじゃっただろう)

夢野(それでも……後悔は全くなかった)

夢野(いや、それどころか……コロシアイを終わらせていたら、逆に後悔していただろうと思うほどじゃ)



夢野「……よしっ!! 泣くのはここまでじゃ!!」

夢野「今度こそじゃ!! 絶対に二度とコロシアイは起こさせん!!」

百田「ああっ、その通りだ!!」

夢野(一層と団結を深めるウチらに)



真宮寺「くくっ、でも殺人未遂を犯した者を放っておいていいのかナ?」


826 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:12:40.59 1NixU9490 1362/2029


夢野「……未遂どころか、お主は実際東条を殺しているではないか?」

真宮寺「まあ僕はみんなの輪の中に入ることは諦めているからいいヨ」

真宮寺「でも、しれっと仲間面しているのはいいのかナ」



夢野(真宮寺の言葉に、ウチらの視線は一点……ハルマキの方を向く)



春川「そうだね……」

春川「結果的に星が先に殺していたとはいえ……私が夜長を殺しかけていたのは事実だよ」

春川「それだけじゃなく……捜査もサボって、みんなを殺しかけた」

春川「私がちゃんと死体を見ていれば、死因もすぐに分かったはずだった」

春川「ごめんなさい」



夢野(ハルマキの謝罪に……罵声が飛ぶ)


827 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:13:08.18 1NixU9490 1363/2029




百田「許せねーよな、みんな」



王馬「それくらいじゃ許せな……って、え? 百田ちゃんがそれを言うの?」

夢野(王馬が同じことを言い掛けて、疑問の声を上げる)



百田「俺だって間違っていることはちゃんと間違っているって言うぞ」

王馬「ふーん……まあとにかく、春川ちゃんのせいでオレたちは死にかけたんだよ!! そんな謝罪くらいで許せるわけ無いじゃん!!」

春川「それは……そうだね」



百田「ああ、だから殺人未遂までしたハルマキにはおしおきを与えねーとな」

王馬「だからここは何かおしおきを……って、また百田ちゃん!?」

夢野(王馬がビックリした声を上げる)

夢野(確かに百田が王馬が言いそうなことを先回りして言っている)

夢野(どういうつもりじゃ……?)


828 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:13:35.95 1NixU9490 1364/2029




百田「おしおきの内容は……これまで以上にコロシアイを防ぐように尽力することだ」



百田「拒否権は無い。絶対にやってもらうぞ、ハルマキ」



春川「百田……」




829 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:14:09.61 1NixU9490 1365/2029


百田「みんなもそれでいいな!?」



夢野「ウチは異論無いぞ」

茶柱「転子も問題ありません!!」

天海「まあ、元々コロシアイを防ぐために頑張っている姿は見ているっす」

キーボ「アンジーさんを殺そうとしたと考えると複雑ですが……反省しているみたいですし、分かりました」



王馬「あーあー……そんな風に持って行くのね」

王馬「つまんないの」

真宮寺「同感だヨ」


830 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:14:49.03 1NixU9490 1366/2029




夢野(一部不服の声を上げる者もいるが賛成多数)



モノクマ「うぷっ!」



夢野(実際百田の病気も杞憂じゃったことが分かった)



モノクマ「うぷぷっ!」



夢野(ハルマキもこれからは心を入れ替えてコロシアイを防ぐために努力するじゃろう)



モノクマ「うぷぷぷっ!」



夢野(人数は減ってきたが、いい雰囲気になってきたと――)



モノクマ「うぷぷぷぷっ!」



夢野「何じゃ!! さっきからうるさいぞ、モノクマ!!」




831 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:15:34.96 1NixU9490 1367/2029


モノクマ「いや、みんながなんか良い雰囲気みたいだからね」

モノクマ「ちょっと胸糞悪くてさ」

夢野「何じゃ、じゃから裁判終わった直後なのに動機でも出してウチらをまたバラバラにするとでも言うのか?」

モノクマ「いやいや、まだ次の動機は考え中だけど」

モノクマ「そんなことしなくてもオマエラを絶望に叩き落とすことなんて簡単なんだよ!!」



夢野「絶望に……?」



モノクマ「生徒のワガママを受けて、ボクも追加動機を考えたんだからさ」

モノクマ「ボクだってワガママ言ってもいいよね!?」

モノクマ「ていうか、言います!! 今回の事件の裏に隠されてた悪意をバラします!!」


832 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:16:11.83 1NixU9490 1368/2029


夢野「追加動機が……ウチらの中から? それに……悪意じゃと!?」

夢野(それはウチのことか? 望みを叶えろって言ったから追加動機が発表されたわけで………………)

夢野(いや、そういえばあのときモノクマは……)



<回想>

モノクマ『だからどうにか打開策を考えているっていうのに……わがままを言う生徒『たち』……』



モノクマ『全く、今のボクにそんな生徒『たち』の望みを叶えている余裕は――――』



モノクマ『これで……『どっちの要望も』満たせるはず。いやあ、ボクって生徒想い!』





夢野(生徒たち……どっちの要望も……そんな風に言っておった)

夢野(なら、ウチ以外に何かモノクマに要望を言った者がおったのか?)

夢野(それに今回の事件の裏に隠されていた悪意とは一体……………………)


833 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:16:43.61 1NixU9490 1369/2029























真宮寺「くくっ」







834 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:17:15.34 1NixU9490 1370/2029




夢野「真宮寺……?」



真宮寺「しょうがないネ、僕も予想以上の結果を得られたわけだし」

真宮寺「そのワガママに答えて上げるヨ、モノクマ」

モノクマ「そう? いやあ、先生思いの生徒を持てて、ボクは幸せだなぁ」

真宮寺「僕も生徒思いの先生がいてありがたいヨ」



夢野「何の……話じゃ……?」

夢野(あやつらは一体何を言っているんじゃ?)



真宮寺「ということでここからの説明は僕がするヨ」

真宮寺「モノクマも言ったとおり、今回の追加動機は僕が望んだことだったんだ」

真宮寺「具体的な内容は任せたけど、監視の目を逸らすためにとにかくみんなの注目を集める何か……って条件だったヨ」




835 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:17:56.18 1NixU9490 1371/2029


茶柱「ですが、それはおかしいですよ!!」

茶柱「転子たちが二十四時間態勢で監視していたんです!! モノクマに相談できたはずがありません!!」



真宮寺「いやいや、それが隙があったんだヨ」



王馬「なるほど……やっぱり真宮寺ちゃんの監視は部屋の中でやるべきだったね」

王馬「モノクマはどこにでも現れることが出来る。部屋の前で監視しているオレたちの目を盗むなんて訳ないことだよ」

百田「で、でも部屋の前で見張ってたんだ!! 話し声でもあったら気づいて……」



真宮寺「そうだネ。だから助かったヨ、キーボ君。君が持ってきたスピーカーは話し声をかき消す役割を果たしてくれた」



キーボ「まさか……ずっと縛られて退屈していたという愚痴はそのために……!!」

真宮寺「そういうこと。それ以外にも縛られている手がカユいって言ったら緩めたりもしてくれたよネ。その隙で拘束を抜け出すための準備も仕込めたヨ」

夢野「っ……そうか、アナウンスが鳴ったときに拘束を解いて、ウチを殺そうとしたしな」



真宮寺「そして追加動機、望みを叶えるゲームが始まって……監視は病人の百田君だけになった」

真宮寺「百田君は頑張ってたけど、一日目の深夜、ついに限界が来て寝てしまった」

百田「くっ……俺がちゃんとしていれば……!!」

真宮寺「まあでも無理もないヨ。一人で二十四時間見張るなんて無茶なんだからサ」


836 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:18:38.24 1NixU9490 1372/2029




真宮寺「こうして僕はやっと自由に動ける時間を手に入れることが出来た」



真宮寺「すぐにでも三人とも姉さんの友達にしてあげたかったけど……それは追加校則で封じられている」



真宮寺「誰かを誘導してコロシアイを起こさせることも、警戒されている状況では難しい」



真宮寺「だから何をしたかというと」



真宮寺「ありとあらゆるコロシアイの種をばらまいたってわけ」




837 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:19:05.18 1NixU9490 1373/2029


夢野「コロシアイの種を……?」

王馬「じゃあやっぱり夢野ちゃんが階段で転んだのも、真宮寺ちゃんの仕業ってわけか」

真宮寺「ああ、そんなのも仕掛けてたネ。夢野さんが引っかかったんだ」



夢野「階段で転ぶ……あれが、真宮寺の仕業ってどういうことじゃ!!?」

王馬「気づいてなかったんだね。夢野ちゃんが転んだ部分だけ、不自然に滑りやすくなってたんだよ」

夢野「んあっ!? どうして……何のために?」

真宮寺「念のためにだヨ」

真宮寺「まあ、何がコロシアイに繋がるか分からないからサ」

真宮寺「怪我をするのも良し、仕掛けに気づいて不信感を持つも良し」

真宮寺「打ち所が悪くて死んだとしたら……みんな裁判的には自殺って思って投票して、でも実際僕の仕掛けなわけだしクロの卒業で全員殺せたかもネ」


838 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:19:45.85 1NixU9490 1374/2029




真宮寺「他にも色々仕掛けてたんだヨ」



真宮寺「体育館の脚立は段が外れるようにしたり」

真宮寺「キッチンではガスコンロのボンベが爆発するようにしたり、包丁をボロい道具に変えたり」

真宮寺「倉庫の棚を倒れやすくしたり」

真宮寺「春川さんの研究教室の武器を意味ありげに持ち出したり」

真宮寺「何も無い部屋の床板が踏み抜けるようにしたり」

真宮寺「今言った夢野さんが引っかかったように階段を滑りやすくしたりネ」



真宮寺「正直色々やったから全部は覚えてないくらいだヨ。まあ引っかかったのは一部みたいだけどネ」


839 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:20:21.18 1NixU9490 1375/2029


夢野「………………」

夢野(真宮寺の細工……どれも直接コロシアイになるのは難しくも、種になる様な仕掛けが次々と明らかになる)

夢野(その中にウチも覚えがある物があった)



夢野「キッチンの包丁の細工……アンジーの怪我もお主の仕業じゃったのか」

夢野(それなのにウチはアンジーの料理が下手じゃと思いこんで……)



天海「正直理解はしたくないっすが」

天海「真宮寺君のやったことは分かったっす」

天海「でも、今回の事件の裏に潜んでいた悪意……ってどういうことっすかね?」



茶柱「そういえばそんな話だったですね」

キーボ「今回の事件に真宮寺君が関わったところがあるってことですか?」

百田「でも、やつは完全にシロだったぞ? ゲーム世界も最初と捜査時間でしかログインしてないし」

春川「今言った仕掛けにも、事件に直接関わったと思えるのも無いし……」

夢野「包丁の仕掛けでアンジーが傷が付いたから、傷を誤認させるトリックが成り立ったわけじゃが……悪意とまで呼ぶのか?」


840 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:20:50.37 1NixU9490 1376/2029




真宮寺「くくっ、それだとちょっと弱いネ」

真宮寺「答えを明かすヨ。言ったように仕掛けも他に色々あって……」

真宮寺「その中で特大の当たりを引いたものがあるんだヨ」

真宮寺「天海君と……夢野さんならその意味も分かるんじゃないかナ?」



夢野(真宮寺は意味ありげに笑うと、天海とウチに何かの紙を放る)

天海「俺と夢野さんっすか?」

夢野「どういうことじゃ……?」

夢野(疑問に思いながらも言われるままにその紙を読むと)


841 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:21:17.30 1NixU9490 1377/2029






夢野(それは天海の研究教室にあった麻酔薬の説明書じゃった)



夢野(使い方や、注意事項が書かれていて)



夢野(ウチも参考にした人間相手へ睡眠薬として使用するときの分量も書かれている)



夢野(それによると……分量は100mgということで…………………………)







夢野「………………え?」




842 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:21:50.52 1NixU9490 1378/2029




夢野「ま、まさか…………!?」

夢野(ウチがハルマキ相手に使ったときは1mgじゃ)

夢野(なのにこの説明書は100mgに書き換わっておる)

夢野(だとしたら――)



<回想>

『そして睡眠薬を説明書通り人間相手を眠らせる分量で準備して打った……つもりだったんだが』

『アレルギーで過剰に反応したか、もしくは体質か……まあ何か問題があったんだろう。結果的に夜長を殺してしまうことになった』




夢野(星が見たのがこの説明書だったとしたら……アンジーが死んだ理由はアレルギーなどではない)

夢野(ハルマキがあれだけすぐに寝るくらい効果の強い睡眠薬じゃ)

夢野(その百倍も一気にぶち込まれては……死ぬに決まっておる……!!)


843 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:22:17.60 1NixU9490 1379/2029




真宮寺「気づいたみたいだネ」

真宮寺「そういうこと。星君がアンジーさんを殺してしまったのは、睡眠薬の分量を間違えたから」

真宮寺「そして間違えたのは……僕の仕業ってわけ」

真宮寺「現実なら僕にも幾分か罪が付くんだろうけど」

真宮寺「このコロシアイ学園生活では殺しの引き金を引いた人だけがクロ。つまり、実際に睡眠薬を投与した星君が全責任を負ったってことだネ」



夢野「~~~~っ!!」

夢野「真宮寺!! お主のせいで星は……っ!!」



天海「完全にシロでも誰かをクロにした可能性が残っている」

天海「俺が言ったことっすけど……実際にそうだったということっすね」




844 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:22:48.48 1NixU9490 1380/2029


真宮寺「結果的にターゲットのアンジーさんが死んだのは望外の幸運だけど……」

真宮寺「別に死ぬのは誰でも良かったんだ」

真宮寺「死体さえあれば、それを使っておしおき逃れの殺しを出来るわけだしネ」



茶柱「は、吐き気がします……」

キーボ「ボ、ボクも気持ち悪くなってきました……ロボなのに……」

春川「暗殺者でもここまで思想が偏っている人はいないって」

百田「おまえは金輪際で敵だ。絶対に許さねえからな」

真宮寺「くくっ、まあ気にしないけどネ」


夢野(何もかもが計算づくの真宮寺の行動)

夢野(全てがウチらを殺すために出来ておる)


845 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:23:22.94 1NixU9490 1381/2029






真宮寺「残りは――あと二人」





真宮寺「ここからは小細工無しで行けるヨ!!」



夢野(校則で殺人は二人までと制限されておるが)

夢野(真宮寺のターゲットは残りウチと転子のみ)

夢野(おしおき覚悟ならば、何も考えずに殺すことが出来る)



真宮寺「モノクマ、殺人行為禁止宣言は裁判が終わるまでって話だったけどサ?」

真宮寺「それってもう解禁されたってことなのかナ?」

モノクマ「……そうだよ、って言ったら今すぐにでも殺しそうな勢いだね」

モノクマ「だめだめ、この裁判場は神聖な場所なんだからね!! 血なんて見たくないよ!!」

モノクマ「だから宣言は明日の朝まで効力を発揮することにします!! どうせオマエラ食堂で朝食会ってのするんでしょ?」

モノクマ「その場でまた話はするよ」



真宮寺「そう、残念だヨ」


846 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:23:58.44 1NixU9490 1382/2029


モノクマ「というわけで今日の裁判は終わり!」

モノクマ「今日一日は安心して寝て、明日からまたコロシアイに恐怖してね!」

モノクマ「というわけで……ばいなら!」

夢野(モノクマは裁判場から姿を消す)



モノクマーズ「「「「「ばーいくまー!!」」」」」

夢野(モノクマーズも姿を消す)



真宮寺「僕も明日のために、今日は休もうかナ」

真宮寺「じゃあネ、みんな。また明日」

夢野(真宮寺も一番にエレベーターに向かうと裁判場から退場した)


847 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:24:24.32 1NixU9490 1383/2029




夢野(残されたウチらはというと……)



「「「………………」」」



夢野(黙り込んでいた)

夢野(真宮寺という比類無き悪意に触れて憔悴したのじゃろう)

夢野(コロシアイ学園生活に慣れている二周目のウチでさえもキツい)

夢野(それでも……真宮寺を止めるためにはこの七人で団結するべきじゃろう)

夢野(だからウチは口を開こうとして……)



王馬「いや、ほんとね」

王馬「オレもこんなこと言いたくないんだけどさ……」

王馬「真宮寺ちゃん以外にももう一つ懸念が残っているんだ」

夢野「王馬……?」


848 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:24:50.08 1NixU9490 1384/2029




王馬「ゲーム世界の教会に仕掛けられてた爆弾だよ」



王馬「真宮寺ちゃんはコロシアイの種をあちこちにバラまいたって話だったけど」



王馬「それでもゲーム世界にログイン履歴が無かった以上、真宮寺ちゃんにあの爆弾は仕込めないんだよ」



王馬「捜査時間にログインしたときも監視していたから動けなかったはずだし」



王馬「被害者のアンジーちゃんが仕掛けたとしたら、モノクマがバラしていると思う」



王馬「そのモノクマ自身もコロシアイへの介入はアンフェアでしないと思うし……」



王馬「だから……残る可能性はこういうこと」




849 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:25:18.96 1NixU9490 1385/2029




王馬「この中の誰かがあの爆弾を仕掛けたってわけ」



夢野「っ……!?」

春川「っ……!?」

百田「っ……!?」

天海「っ……!?」

キーボ「っ……!?」

茶柱「っ……!?」




850 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:26:00.89 1NixU9490 1386/2029


夢野「王馬……その話は今せんでも……!!」

王馬「いや、オレだって迷ったけど……後からバレる方が問題でしょ?」

夢野「っ、それも……そうじゃが……」



夢野(真宮寺対策をどうにかしていきたい中、この七人で団結できないのは辛い)

夢野(ウチらがバラバラで対峙できるような悪意では無いというのに)



王馬「だから……そこらへんも含めて、明日の朝また話し合おっか」

王馬「今日はもう疲れているだろうしみんな休んだ方が良いよ。テニスもしたわけだしね」



夢野「テニス……か」

夢野(ほんの一時間ほど前の出来事なのに……すごい過去のように思える)

夢野(星を相手にあんなに団結したのに……どうしてこんなことになったんじゃろうな?)


851 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:26:33.52 1NixU9490 1387/2029




そして夢野たちは裁判場を後にする。



朝から始まった事件も気づけば夜。



望みを叶えるゲームから続いて、寝不足な生徒も多い。



それぞれの自室に戻って、そのままベッドに倒れ込む者がほとんどだった。



前日とは打って変わって静寂な夜。



この夜が明けたときに――始まるのだ。




852 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:27:02.73 1NixU9490 1388/2029











ダンガンロンパV4、最後のコロシアイが。











853 : ◆YySYGxxFkU - 2018/02/10 16:27:45.53 1NixU9490 1389/2029




C H A P T E R 4



生 か せ 望 み の み か 神 の み ぞ の 世 界



E N D





生存者 残り8名





To Be Continued





続き
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」(ch.5-1)

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