男「幼馴染はもう飽きた」
幼馴染「ちょ、ちょっと待ってよ！ それってどういうことよ！」
男「幼馴染は属性的に弱いし、シナリオも掘り下げづらいシ」
幼馴染「シナリオ？」
男「とにかくもう幼馴染はいいや、幼馴染は面白味がないんですよ」
幼馴染「はぁぁ！？」
元スレ
幼馴染「幼馴染は負けフラグ？」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1527859678/
幼馴染「ねえ男！」
男「？」
幼馴染「これ！ お弁当！」
男「えっ、なんで……？」
幼馴染「か、勘違いしないでよね……！ 別にアンタのために作って来たんじゃないから！ 残飯の処理をしてもらおうと思っただけよ！」
男「はぁ……」
幼馴染「！？」
男「古いなぁ……古いよ……もうそんなの、オワコンだって」
幼馴染「ぐぬぬ……」
男「その決まり文句一昔前の漫画でも見てきたわけ？」
幼馴染「だってなんかキャラ付けしようと……！」
男「幼馴染+ツンデレなんて量産されてんだよ」
幼馴染「うっ……」
男「たくっ……とりあえず弁当は食べるから、また次考えてきて」
幼馴染「くそ！」
幼馴染「ふふっ……男くん……」
男「どうした？ 暗いな」
幼馴染「これ……」ｻｼﾀﾞｼ
男「ん？ なんだこれ」
幼馴染「私の髪の毛で作った……くまさん……私だと思って大切にしてね……ふふっ……」
男「え、きも」
幼馴染「えっ……ひどい……やっぱり男くんは私のことなんて……」
男「違う違う、違うよ、ヤンデレってそういうことじゃないって」
幼馴染「……」
男「キモさだけが勝っちゃって可愛さが微塵もないよ」
男「ヤン部分が突出しすぎだって、病んでてもすごいキュートな部分があるからヤンデレって受けてるのに」
幼馴染「うぅ……」
男「いやいや、ヤンデレが泣いちゃだめだって、とりあえずこのクマさんは貰っておくから、また考えといて」
幼馴染「はい……」
幼馴染「きゅんきゅん☆ ご主人様～♡」
男「うわ、もうアウトだよそれは！」
幼馴染「んー？ 私わかんニャイな～にゃんにゃん！☆」
男「萌キャラ的な感じなのかな、いやていうかそれは属性とかそんなんじゃなくてただのおかしい人だからやめなって！」
幼馴染「にゃ～ん♡」ｽﾘｽﾘ
男「もうあとに引けなくなっちゃてるな～」
幼馴染「にゃんにゃん♡ もっとご主人様と遊びたいにゃん！」
男「ていうかそれなら幼馴染じゃなくてもいいしね、幼馴染のいい部分を消しちゃってるよ」
幼馴染「……にゃん！」ｽﾘｽﾘ
男「今ちょっと躊躇したな……とにかく幼馴染を活かしつつ新しいジャンルに挑戦してよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
幼馴染「にゃん！☆」
幼馴染「お、おにいちゃん……」
男「いやそれはだめだろ……」
幼馴染「ぎりの……おにいちゃん……」
男「なら仕方ないな……」
幼馴染「私、おにいちゃんのこと……おにいちゃんって……思えなくなってきちゃって……」
男「それは、俺のことが兄として失格ってことなのか？」
幼馴染「え、いやいや、そういうことじゃなくて」
男「口調戻ってるぞ」
幼馴染「あ、ごめん……」
幼馴染「とにかくね、おにいちゃんは……私のことどう思うの……？」
男「お前はそのキャラのまま一生できるのか？」
幼馴染「む、むりでぅ……」
男「無理なことはするもんじゃないぞ」
幼馴染「だってぇ……！！」
男「お、泣き虫キャラか！」
幼馴染「キャラじゃないよぉ！！」
幼馴染「ばぶぅ～」
男「えっ……」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「……」
男「やめとこうか」
幼馴染「うん……」
幼馴染「男～教科書持ってる？」
男「おう、あるぞ」
幼馴染「それ、貸してくれない？」
男「え、でもそしたら俺の教科書無くなるし……」
幼馴染「いいから貸せよ……」ﾄﾞﾝ
男「……はい」
幼馴染「ふんっ、わかればいいのよ！」
幼馴染「……」ﾁﾗﾁﾗ
男「……」
幼馴染「……」ﾁﾗﾁﾗ
男「……」
幼馴染「ごめん、これ返す……」
男「え」
幼馴染「男勝りな、ヤンキーキャラで行こうとしたけど……良心が……」
男「徹底しろよそこは、良かったのに」
幼馴染「えっ！ じゃ、やっぱり貸して！」
男「いやもう無理だろ」
幼馴染「あらん……男ぉ……おはよぉ……」
男「うおっ……なんか香水くせぇ……」
幼馴染「どうしたの顔隠して……？ そんなに照れちゃった……？」
男「いや、くさいんだよ……それにそんな格好で学校によく来れるな」
幼馴染「うふんっ……なんのこ……」
ｶﾞｼｯ
幼馴染「え、先生……いや、これは……その……あ、ごめんなさい……！！ いや、ちょっと！ 連れてかないで！ はずかし……！！」
男「まあ校則は守らないとな」
幼馴染「うぅ……どうすればいいのぉ……」
幼馴染（全然、男が私興味を向いてくれなあぁぁ！！！）
先生「はいー、転校生を紹介しまーす」
幼馴染（転校生……？）
転校生「どうも……よろしく……」
幼馴染（転校生キャラか……）
幼馴染「ねぇ、男……」
男「今日は、普通の幼馴染だな」
幼馴染「あ、うん……転校生キャラってどう思う……？」
男「転校生キャラ？ まさか……転校でも……」
幼馴染「いや、そうじゃないんだけど……今日転校生の子が来たから……」
男「めっちゃ気になる……」
幼馴染「！」
男「なんかすごい謎めいてたじゃん、やっぱりああいう謎のある子って攻略したくなっちゃうよね……」
幼馴染「うっうぅ……男はあの子の事が好きなんだぁ……」
男「いやいや、違うって！ すごい謎だな～って思っただけ」
幼馴染「だ、だって……いままの私がやってきたのと違って、食いつきがいいからぁ……！！」
男（なんか、最初と比べて弱々しくなってきたな……）
幼馴染（くそっ……なんなのあの子……勝手に転校してきて……！）
転校生「……」
幼馴染「……」ｼﾞｰ
転校生「……」
幼馴染「……」ｼﾞｰ
転校生「……」
幼馴染「ねぇ」
転校生「……」
幼馴染「あなた、頭の中で何考えてるの？」
転校生「……」
幼馴染「私、こんなキャラ可愛いでしょって計算してるの？」
転校生「……」
幼馴染「そのポーカーフェイスは何……」
転校生「……」
幼馴染「なんとか言ってよ！」
転校生「……」
幼馴染「はぁ、もういい……」
転校生「やきとり……」
幼馴染「！」
転校生「やきとりは……すき……？」
幼馴染「えっ……」
転校生「……？」
幼馴染「す、すきかな……」
転校生「そう……」
幼馴染「……」
転校生「……」
幼馴染「え、ちょ、そのしつ……」
転校生「たれ……」
幼馴染「……」
転校生「たれと……しお……どっちが好き？」
幼馴染「……たれ」
幼馴染「なんだったんだ……あの子は……」
幼馴染（まさか、あれが……あの謎の質問が、謎キャラのコツ！？）
幼馴染（ふふっ……いいことを知れたぞ……）
幼馴染「ねぇ、男……」
男「ん？ どうした」
幼馴染「やきとり……」
男「？」
幼馴染「やきとりは……すき……？」
男「いや、苦手だ」
幼馴染「そう……」
男「……」
幼馴染「……」
幼馴染（え、どうすればいいの……）
男「え、なんかまずかった……？」
幼馴染「あ、えっと……しおとたれ……どっちがすき……？」
男「えっ、やきとりの？」
幼馴染「……」
男「いや……やきとり……ていうか鳥が苦手だし……」
幼馴染「そう……」
男「え……なにキャラ……？」
幼馴染「……」
幼馴染「や、やきとりキャラ……」
男「ざ、斬新なキャラクター設定だな……」
幼馴染「……こ、コケー！！」
男「！！？」
幼馴染「こ、コケー！！ ココココ！！ コケー！！」
男「おいおい！ どうしたどうした！？」
幼馴染「やきとりキャラなのよー！！ 私はヤキトリキャラなのよー！！コケー！！」
男「ちょっと！ 一番わけわからんし、あとみんな見てるから！」
幼馴染「こコココココケー！」
幼馴染「……」
幼馴染（死にたい……）
幼馴染「……」
転校生「……」
幼馴染「……」
転校生「こけー……」
幼馴染「……！」
転校生「……」
幼馴染（こいつぅ、馬鹿にしてるな……！）
幼馴染「……」
転校生「……」ﾁﾗｯ
幼馴染（なんか見てる……）
転校生「……」ｽﾏﾎ
幼馴染（なんか見せようとしてる……）
転校生「……」ｽｯ
幼馴染（なんでニワトリのコスプレの写真……）
転校生「……」
幼馴染（私に似合うって言いたいのか……こいつ……！）
男「よっ」
幼馴染「お、男！ なに？」
男「はい、これ」
幼馴染「これは……？」
男「焼き鳥だよ……お前好きなんだと思って買ってきたんだよ」
幼馴染「あ、ありがとう」
幼馴染（え、なに、やきとりキャラ意外といけるのかな……）
幼馴染（翌日以降、クラスメイトから昼時になると焼き鳥の缶詰をもらうようになった）
幼馴染（なぜか、私がニワトリの生まれ変わりとか、焼き鳥の神様だとか言われるようになっていた）
幼馴染（いじめなのか分からないが日本は八百万の神だし焼き鳥の神がいてもおかしくないと思い、私は焼き鳥の神だと思いこむようになった）
幼馴染「……」
「あ、あの……今日焼き鳥を持ってきたんですけど……」
幼馴染「あーはいはい」
「あ、あの……」
幼馴染「？」
「実は、私好きな人がいて……焼き鳥の神様に……」
幼馴染「あーはいはい、コケココココケー！ はいこれでおk、絶対告白成功するよ」
「あ、ありがとうございます！」
幼馴染「たくっ……」
男「おー今日も大盛況だな」
幼馴染「いや、なんでこんなことになったの」
男「まさか幼馴染にそんな強いキャラが合ったとは思わなんだ」
男「まあ、今の幼馴染は普通の幼馴染と違って輝いて見えるぜ」
幼馴染「そ、そうかな……えへへ……」///
男「お、また参拝客が来たぞ」
幼馴染「あっ……って、アンタか……珍しい……」
転校生「……」
幼馴染「で？ 願い事？ あ、アンタも恋愛の相談とか？」
転校生「ちょっと来てほしいの……」
幼馴染「ん？」
転校生「ここじゃ言えない……はなし……」
幼馴染（なんで体育館裏なんだろうか……）
転校生「……」
幼馴染「な、なに？ こんなところで話って……」
転校生「っ……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ
幼馴染（何この雰囲気は……）
転校生「は、はじめて会ったときに……ビビってきたの……」
幼馴染「えっ……」
転「あなたが運命の人であると……」
幼「え、それってどういう……」
転「見ててね……」ｼｭﾜﾝ
幼「えっ……なにこれ……魔法陣みたいなのが……」
転「へんしん……」ｼｬﾜｧﾝ
幼「うおっ、まぶしっ」
転「……」ｽﾀｯ
幼「な、何その格好……」
転「これが私のもう一つの姿……わたし……ヤキトリ戦士だったの……」
幼「やきとりせんし……？」
転「いままで一人で闘ってきた……この世界を脅かす強敵から……」
幼「え、ちょっと待って何これ……」
転「でも、もうひとり仲間がいた……それがあなた……」
幼「なにこれ……夢でも見てるの……？」
「「ウゴオオオオオ！！！！」」
鶏「おい！ 敵が来たぞ！ ドメスティカス！」
幼「え、なにあれ！？ え、鶏が喋った！？ ドメスティカスってなに！？」
転「敵が来たわ……！ さぁ、あなたも早く！ 力を開放して！」
幼「いやいやムリムリムヒ！！ 私は普通の幼馴染なの！」
鶏「たくっ……！ 本当にコイツであってるのか？ ドメスティカス」
転「そう……彼女が第二の戦士……」
幼「ドメスティカスってあんたの名前なのね……」
鶏「たくっ！ 小娘！ ほら、力を解放するんだ！」
幼「いや、力を解放って……！？」
鶏「叫べ！ お前の心の叫びを！」
「「ムゴオオオオ！！！」」
転「さぁ、はやく！」
幼「えええ……わかんないけど！！ うおおおお！！！ ヤキトリエキスー！！！」
ﾊﾟｷｰﾝ
鶏「こ、これは……なんてパワーだ！！！」
幼「うそ、私……ヤキトリ戦士になってる！？」
鶏「よし、これで行けるな！ ドメスティカスのタレ！」
幼「タレ！？ やめてよその呼び方！ 恥ずかしいって！」
転「ちなみ私はしお担当よ」
鶏「さぁ！ 二人共飛ぶんだ！ 」
幼「飛ぶ！？ どうやって！？」
転「そのﾄﾞｩﾙﾝﾄﾞｩﾙﾝのタレの羽根で飛ぶのよ」
幼「なんで羽根がﾄﾞｩﾙﾝﾄﾞｩﾙﾝなの……！」
転「早くしないと！ 街が壊されるわ！」
「キャー！」「なんだあれは！？」「助けてー！」
幼「みんなが…！！」
幼「うおおおお！！！」
ｽﾜﾝｯ
幼「や、やった！ 飛べたわ！」
転「その調子よタレ」
幼「でも、どうやってあいつを……」
転「貴方はこのネギマ剣を使うのよ」
幼「ネギマ剣……」
転「きたわ！ 危ない！」
幼「えっ……」
ﾊﾞｼｰﾝ
転「ぐぬっ……！ 大丈夫！！？ タレ！」
幼「なんとか……しおは……！？」
転「私は大丈夫よ……！ それより、こいつ、今まで闘ってきたのよりつよい……！！」
幼「え、そうなの！？」
転「！！？ 誰か捕まってる！？」
幼「えっ！！？」
男「だれかー たすけてー」
幼「男！？ た、助けないと！！」
転「待って！ タレ！」
幼「男！ 大丈夫！？」
男「お、お前！？ その格好は！？」
幼「こ、これはいいの！ それより待ってて今助けるから！」
男「幼！ 危ない！」
幼「え！？」
ﾊﾞｼｰﾝ
幼「くっ……お、男……！？」
男「へへっ、まいっちまうなぁ……」
幼「男……！ そんな……いや……！！」
男「おいおい、そんなせっかく……いいキャラを手に入れたのに……泣くなよ……泣き虫キャラは……もう……」
ｶﾞｸｯ
幼「……男ー！！」
男「……」
幼「……」
転「タレ！ しっかりして！ あなたがそこで止まったらこの世界は……！」
幼「絶対に……」
転「……！？」
幼「絶対に許さないー！！！！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
鶏「こ、これは……なんてパワーだ！ これが本当のヤキトリ戦士の戦闘力か！？」
幼「……うおおおお！！！！」
＿＿＿＿
転「……」
鶏「まさか、ここまでとはな……アイツは素晴らしい戦士になってくれることに違いない……！」
鶏「タレ！ おまえは……！」
転「待って……」
鶏「！！」
幼「うっ……うぅ……」
男「……」
幼「なんでこんな……」
ﾎﾟﾜｰﾝ
男「……」
幼「えっ……」
転「光が……！？」
鶏「こ、これは……！」
ｼｬｷｭｰﾝ
男「い、いてっ……ここは……」
幼「お、男！」
男「うぉっ、幼……！ どうしたんだよ……」
幼「よかった……よかったよぉ……！ でも、どうして……？」
鶏「おそらく、ヤキトリ戦士の能力がコヤツを護ったのだろう……」
幼「えっ……」
鶏「おい、おまえなにか、この娘から貰ってないか？」
男「えっ……貰ったの……？ そういえばポケットに髪の毛のくまさんが……」
鶏「それだな、そこから戦士のパワーが溢れんばかりに感じるぞ、それがお前を救ったのだ」
男「幼……ありがとうな……」
幼「よかった……」
鶏「ふん、まさかこの小娘があの獣を倒すとはな……最初はヒヤヒヤしたぞ」
「「ガオオオオ！！」」
転「！ また敵が！！？」
鶏「くそっ！ おい、そこでいちゃいちゃしてる場合じゃないぞ！」
幼「男……」
男「幼！ 俺……お前のことずっとキャラ付けとかなんだとか言ってきたけどやっぱり、普通のお前が一番だ！」
幼「！」
男「だから、俺のそばにいてくれ……！ 無茶だけは……！」
幼「男……私……行かないと……たくさんの人を救わないと！」
男「幼！」
幼「大丈夫……だって……幼馴染に負けフラグは立たないから……！」
＿＿＿
＿＿
＿
幼馴染「こんな、キャラ考えたんだけど」
男「不採用」
缶
