1 : 以下、名... - 2018/06/13 21:19:50.98 co9H5t5U0 1/20

勇者「魔王を打倒するため旅を始めておよそ半年……」

勇者「やっとここまでたどり着いた……」

勇者「間違いない! この扉の向こうに魔王がいる!」

勇者「魔王を倒し、囚われの姫を救い、世界を平和にしてみせる!」

キートン山田「ずいぶんと独り言の多い男である」

元スレ
勇者「せっかく魔王との最終決戦なのにキートン山田のナレーションがマジで邪魔」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528892390/

2 : 以下、名... - 2018/06/13 21:22:15.71 co9H5t5U0 2/20

バァンッ!

勇者「魔王ッ!」

魔王「ついにここまでたどり着いたか……」

勇者「なんという邪気! なんという異形! これが魔王か……!」

魔王「フハハハハ、待っていたぞ勇者よ……」

キートン山田「なぜ待っているばかりで、自分から動かなかったのか」

3 : 以下、名... - 2018/06/13 21:23:27.82 co9H5t5U0 3/20

勇者「お前の世界征服の野望も、今日ここで終わりを告げる!」

魔王「ほざけ!」

魔王「人間どもの希望たる貴様をこの手で叩き潰し、世界征服を成し遂げてくれるわぁっ!」

キートン山田「世界征服とは、ずいぶん分かりやすい野望を持った魔王である」

キートン山田「世界を征服しても管理が大変なだけな気もするが」

4 : 以下、名... - 2018/06/13 21:25:25.90 co9H5t5U0 4/20

勇者「いくぞっ!」ダッ

勇者「だあああああああっ! ――必殺・十連斬ッ!」

ザザザザザシュッ!

魔王「ぐぬう……闇の防壁よ!」ヴンッ

ギギギギギンッ!

勇者「くっ、硬い! 半分は防がれたか!」

キートン山田「十連斬だからといって、律義に十回攻撃しなくてもいいだろうに」

6 : 以下、名... - 2018/06/13 21:27:29.57 co9H5t5U0 5/20

魔王「はあああああ……!」ゴゴゴゴゴ…

勇者(力を溜めている!?)

魔王「魔炎獄焦熱猛哮烈波ァァァッ!!!」

ズドォォォォォンッ!!!

勇者「うぐあぁぁぁぁぁぁっ!」

キートン山田「なんという漢字だらけの技だろうか。子供泣かせである」

8 : 以下、名... - 2018/06/13 21:30:10.66 co9H5t5U0 6/20

魔王「――おい!」

勇者「!」

魔王「さっきからなんなのだ! この冷めた口調のナレーションは!」

勇者「知るか! 俺が旅を始めた時から、ずっとこのナレーションがついてきたんだ!」

魔王「雰囲気がブチ壊しだ……。どうにかならんのか!?」

勇者「どうにかなるなら、とっくにやってる!」

キートン山田「最終決戦だというのに、集中力のない男どもである」

勇者魔王「ほっとけ!!!」

9 : 以下、名... - 2018/06/13 21:32:23.76 co9H5t5U0 7/20

魔王「……まぁいい、気を取り直して戦いを再開しよう」

勇者「ああ」

魔王「ぬあああああっ!」

勇者「はあああああっ!」

ガキィンッ!

キートン山田「両者決め手に欠け、盛り上がりにも欠ける戦いが、だらだらと続くのであった」

勇者(好き勝手いいやがって……!)

魔王(無視せねば……!)

11 : 以下、名... - 2018/06/13 21:34:26.15 co9H5t5U0 8/20

ズバァッ!

魔王「ぐごっ……!」ガクッ

勇者「よし、手ごたえあり!」

魔王「ククク……」

勇者「!?」

魔王「どうやら貴様は、ワシの本気を見る資格があるようだ……」

キートン山田「偉そうにいっているが、なぜ最初から本気を出さなかった」

12 : 以下、名... - 2018/06/13 21:36:20.85 co9H5t5U0 9/20

勇者「まさか、今までのは本気じゃなかったのか!?」

魔王「当然だろう。今のこの姿は“仮の姿”に過ぎん」

魔王「今こそ見せてやろう! ワシの“真の姿”をなァ!」

魔王「ぬがあああああああああ……!!!」ズゴゴゴゴゴ…

勇者「ぐっ……!」

キートン山田「後半へ続く」

勇者「気が抜けるわ!」

13 : 以下、名... - 2018/06/13 21:39:31.73 co9H5t5U0 10/20

真魔王「ハァァァァァ……!!!」シュゥゥゥゥゥ…

勇者(まるで、竜と蛇と悪魔が融合したような……! とんでもない化け物だ!)

真魔王「ワシの真の姿を見て、生き延びた者は一人としていない……」

真魔王「魔界の好敵手も、神ですらも全て、天の彼方へ吹き飛ばしてやった……」

真魔王「勇者よ、貴様も例外ではない!」

真魔王「我が力で地獄に叩き落としてくれようぞ!」

キートン山田「吹き飛ばすのか叩き落とすのか、どちらかにしろ」

15 : 以下、名... - 2018/06/13 21:41:13.59 co9H5t5U0 11/20

真魔王「あの世で誇れ……自分は魔王の真の姿を見ることができた、と!」

真魔王「暗黒魔炎吐息(エビルブレス)!!!」

ゴォワァァァァァァッ!!!

勇者「ぐあああああああっ……!」

キートン山田「この光景、口臭に悶えてるようにも見えなくもない」

16 : 以下、名... - 2018/06/13 21:42:31.92 co9H5t5U0 12/20

ドサッ…

勇者「なんて強さだ……変身前とはケタが違う!」

勇者「ここまで、なのか……!」

キートン山田「ずいぶんと諦めの早い男である」

17 : 以下、名... - 2018/06/13 21:44:47.33 co9H5t5U0 13/20

勇者「いや、まだだ! まだ打つ手はある! 最大……奥義ッ!」

勇者「二十連斬ッ!」ギュオッ

キートン山田「数が二倍になっただけの技が今さら通用するとは思えないが」

真魔王「ふん、こんな技ではかすり傷すらつかん!」ギィンッ

ドゴォッ!

勇者「がふぅっ!」

キートン山田「だから言わんこっちゃない」

18 : 以下、名... - 2018/06/13 21:46:31.73 co9H5t5U0 14/20

真魔王「そろそろこの茶番劇もフィナーレだ」

真魔王「闇の力よ、奴を縛りつけろ!」バリバリッ

勇者「しまったぁ!」ギュゥゥゥゥ…

キートン山田「こんなクライマックスだというのに、名前のない技が出てきてしまった」

真魔王「……ダークネス・オーラ・バインド!」バリバリッ

勇者「う、動けない!」ギュゥゥゥゥ…

キートン山田「即興丸出しのネーミングにするぐらいなら、名前などつけない方がいい」

19 : 以下、名... - 2018/06/13 21:48:28.68 co9H5t5U0 15/20

勇者「ぐううううう……!」ギュゥゥゥゥ…

勇者(俺の力だけじゃ脱出できない……!)

勇者(この旅で出会ったみんな……!)

勇者(みんなの力を貸してくれぇっ……!)

キートン山田「少し間違うと、知り合いから金を無心するダメ男に見えてしまいそうだ」

20 : 以下、名... - 2018/06/13 21:50:17.45 co9H5t5U0 16/20

勇者「はあああっ!!!」

バシュッ!

真魔王「な!? ワシの拘束を打ち破った!?」

勇者「冒険で出会ったみんなの力が、俺の中に宿ったんだ!」バチバチ

勇者「俺は一人じゃない……一人でここまで来れたわけじゃない!」バチバチ

勇者「みんなの力で魔王、お前を倒す!」バチバチバチッ

真魔王「うおおおおっ……」

キートン山田「チカチカ光る今の勇者の姿は、とても目に悪そうである。少し抑えて欲しいものだ」

21 : 以下、名... - 2018/06/13 21:53:10.66 co9H5t5U0 17/20

勇者「喰らえッ!」

勇者「一・刀・百・断ッ!!!」



ズバシュッ!!!



真魔王「ぐおあぁぁぁっ……!!!」

キートン山田「なぜ一太刀で百断できるのか、説明は一切ないのであった」

22 : 以下、名... - 2018/06/13 21:55:45.73 co9H5t5U0 18/20

真魔王「バ、バカな……このワシが……人間ごときに……」

真魔王「だが、ワシが滅んでも、魔族は滅びぬ……」

真魔王「いつの日か、ワシの遺志を継ぎ、第二の魔王となる者が現れ……」

真魔王「次こそ、人間を根絶やしに、してくれる……であろう……」

真魔王「覚えておけ、勇者……」

真魔王「この勝利は……束の間の勝利に、過ぎんということを……!」

真魔王「フハハ、ハハハ……ハハ……」シュゥゥゥ…

勇者「……」

キートン山田「あれだけ斬られたわりに、ずいぶんと長い断末魔の言葉である」

23 : 以下、名... - 2018/06/13 21:58:30.04 co9H5t5U0 19/20

「勇者様!」

勇者「姫!」

「助けに来て下さったのですね!」

勇者「はい、魔王は滅ぼしました……ご安心下さい!」

「よかった……!」

キートン山田「こっちこそ姫が不細工でなくてよかった、とほっと一安心の勇者であった」

勇者「んなこと思ってねえから!」

24 : 以下、名... - 2018/06/13 22:00:32.87 co9H5t5U0 20/20

勇者「さぁ、城へ帰りましょう。陛下もお待ちです」

「はい、勇者様」

「私、お城に戻ったら、お父様にすぐにでもこう言うわ」

「勇者様とずっと一緒にいさせてって……」

勇者「姫、私も同じ気持ちです!」

「勇者様……!」ダッ

勇者「姫……!」ギュッ

キートン山田「交配へ続く」

勇者「うるせえよ!!!」





おわり

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