男「きっといい気持ちだぜ!」
元スレ
男「>>6でオ○ニーでもすっかぁ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1498085785/
6 : 以下、\... - 2017/06/22 07:57:07.366 gFuXpgCmM 2/59計算式
男「計算式でオ○ニーだ!」
男「あいにくと、俺は学がねぇからなぁ。えーと、3x ×2=…x?なんでローマ字が出てくるんだ?英語は苦手だぜ」
男「しょうがねぇ、分数の計算ドリルにプールの塩素の匂いとしっとりと汗ばんだ夏の幼女の面影を見出だしてオ○ニーかな」シコシコ
男「うむ!一句出来だぞ!」
男「オ○ニーや ああオ○ニーや オ○ニーや」ドピュッ
男「ふぅ、英語も数学も苦手だが、風情とザーメンは出たぜ!次は>>14をするぜ!」
14 : 以下、\... - 2017/06/22 08:04:58.303 Nluehnrn0 4/59小学校の時に盗んできた女子の縦笛でアナニー
男「女ちゃんの縦笛でオ○ニーだ!」
男「小学生の時起きた縦笛盗難事件…実は俺なんだよなぁ」
男「疑われた友には本当申し訳ねぇや」
ズニュッ…!
男「ぐぅ…!さすがにキツいな…!昔よく冗談で友のバトルエンピツ尻に入れたりしてたんだがな…!」
男「ふ、ふとすぎる…俺なんでリコーダーでオ○ニーしてんだっけ…!」
男「ハァ、女ちゃんの吹いてた『オーラリー』綺麗だったなぁ。音楽家になる夢叶えたんだろうか」ピュピュー
男「会ってみてぇな。…そうと決まれば行ってみるか」
男「よし、>>19してから行くか!」
19 : 以下、\... - 2017/06/22 08:29:45.063 pr6Y1lJW0 7/59幼稚園で全裸ションベン
男「幼稚園で全裸ションベンしてからいくか!ハハハッ!」
幼稚園――
男「へへ、おっとと…フェンスの上で小便たぁいい気分だ。絶景かな」
ジョボボボボボ!!!!
「せんせー!虹ー!」
「きれーい!」
男「ハハハ、喜んでくれたようで何よりだな」
「!…ちょっとあなた!」
男「おっと、気付かれたか。じゃあな!あばよ!」
男「ここが故郷の町…相変わらず古めかしい建物だらけだこと。それを目当てに観光客は絶えないみたいだが…」
「聞いた?隣町に噂の怪盗が出たって!」
「うん、聞いた聞いた!あの楽器を専門に盗むあの大泥棒でしょ?」
「今度は美術館に寄贈されてたヴァイオリンが盗まれたって…」
男「お、パンの焼けるいい匂いだ!そうだ、女ちゃん家に手土産に>>23でも買っていくか!」
23 : 以下、\... - 2017/06/22 08:41:10.847 JmlO5dWIa 10/59奴隷
男「手土産に奴隷でも買っていくか!そうと決まればスラムの方へ…と」
男「この町は歴史情緒ある町並みと有名な音楽家を輩出してるだとかで小さいながらも発展してきたが、その発展に追い付けず、あぶれた人々でスラムもあるからな」
男「奴隷は貰って困るもんでもないだろうしな。あと小便出しすぎて喉渇いたしコーヒーでも…」
タッタッタ ドンッ
??「っ!?」
男「うお?」
男「いてぇな」
少女「こっちの台詞だよ!急いでんだからどいて…!」
男「!」
少女「な、なんだよ。人の顔じっと見て」
チンピラ「おい、コラ逃げるな!」ガシッ
少女「あっ…クソ!」
男「なんだ、売られてきた子か?お前」
チンピラ「へへ…そうだよ。ミナシゴって奴でさぁ。ダンナ…買わねぇか?」
少女「ぐぅ…」
男「うーん…ちょうど助手が欲しいとは思ってたんだよなぁ。けどこんな娘っ子じゃなぁ」
少女「……」
男「……よし、買いだ。ただし、そんなには出せないぜ」
チンピラ「へへ、まいど…金貨が5でどうです?」
男「3だ」
チンピラ「おいおい、嘗めてもらっちゃ…」
男「3だ」ヌポッ!
スッ!
チンピラ「!?」
少女「リ、リコーダーを突き付けた…!?」
男「いやぁ無事奴隷も買えて良かったぜ!」
少女「……アンタ、なんでそんな金持ってんの?ぽんと出したけど」
男「まぁいいじゃないか。女ちゃん家が見えてきた!いや、デカイ家だよなぁ」
少女「……」
男「あと俺にぶつかったときスッた財布出せ」
少女「!?」
男「バレバレだぞお前…盗みってのはもうちょい上手くやるもんだ。…もう遅いし女ちゃんに会いに行くのは明日にして…今日は…ふへへ」
少女「な、なんだよ!」
男「>>30をするぞ!」
30 : 以下、\... - 2017/06/22 09:08:09.747 YSDv3TaD0 15/59怪盗
男「とある貴族の家に忍び込むぞ!」
少女「は?」
男「最近、裏のオークションにとある曰く付きの楽器が流れててな。
どうも、この町の成り上がり貴族がその楽器を所持してるだとかで…」
少女「んなこと聞いてねぇよ!忍び込むって何しに…!」
男「言ってなかったか?俺は何を隠そう、楽器を専門とする大泥棒…」
男「怪盗、男様よ!」
少女「か、怪盗男…?ってあの!?」
男「おう、その男!闇に紛れ月明かりの下、獲物を狩る怪盗紳士!特に美女が使った楽器が好物!
ある時は大富豪から宝石の散りばめられたギターケースをいただき…またある時は美術館から呪いのヴァイオリンだとかをいただき…」
少女「舞台とか、本になってるあの男!?」
男「そうだ!闇の帳を駆けるステキな泥棒さん!劇や舞台でお馴染みの!」
少女「こ、こんな奴だったのか…知りたくなかった…」
少女「(ファンだったのに…)」グスン
男「なんだその反応!まぁいい。俺の功績を俺から聞けば憧れるだろう。
俺が最初に盗みをし、怪盗を志したのは小学生の時だ。俺はあの日、クラスのマドンナ、女ちゃんのリコーダーを…」フフンッ
少女「(知りたくなかった!!)」グスン
貴族の家――
男「ふーむ、入り口にはガードマン。庭には猛犬を連れた奴もいるな。…中々どうして厳重だ」
少女「本当に忍び込めるのかよ」
男「いや、今日は下見さ。怪盗は一日にしてならず、って奴だ」
少女「聞いたこともねぇよ」
男「…」
少女「な、なんだよ」
男「いやぁ、やっぱ似てるなぁ」
少女「?」
男「…さぁ、宿とってあるから帰ろうぜ。素泊まりだが、干し肉とライ麦のパンくらいなら持ってきてる」
少女「!…お、おう」ジュルリ
男「ハハハ、よく食うねお前」
少女「うっせ。まともな飯は久々なんだよ」
男「そうか。たんと御上がり!泥棒は体が資本だからな」
少女「なぁ、その貴族から狙ってるのってなんなんだ?曰く付きの楽器なんだろ?」
男「よくぞ聞いてくれた!曰く付きも曰く付き!聞くも涙語るも涙お手には厚いハンカチを…」ペラペラ
少女「一々手振りと口振りが大袈裟で胡散臭いな」モグモグ
男「俺が今回目をつけたのは『鍵のリコーダー』だ」
少女「鍵のリコーダー?」
男「あぁ。この町の夭折した天才音楽家が遺した品だ」
男「なんでも、その音楽家が若くして病死した折り、どさくさ紛れにそのお宝が外へ流れ…裏オークションを転々としてたみたいで」
少女「へぇー、なんで鍵なの?」
男「噂だとそれ自体より、リコーダーに隠されたモノがあって、それが価値があるんだと」
少女「だから鍵か。隠されたものって…」
男「それがまだ情報不足でね、これでもあっちこっち世界中股にかけてきたからな」
男「ハッキリ言って分からないことだらけだ!それに夭折した音楽家の話も不確かだしな!
考えてみりゃ、若くして亡くなった音楽家の遺した謎の楽器…まるでお話の世界っぽいしな!全部嘘かも!」
少女「なんだそれ」
男「出来れば、話は全部嘘であって欲しいんだが…」ボソッ
少女「?」
男「まぁ現地に着いたんだ!すぐ全部分かるさ!おやすみ!…スゥー」
少女「…早」
少女「(今なら逃げられるな)」
男「スゥー…スゥー…女ちゃんのリコーダー…もうはいらないよぉ…」
少女「(…いや、いつでも逃げられそうだしな)」
女の家――
少女「でかい家」
男「そうだな!よく忍び込んでピアノの鍵盤舐め回したもんだよ」
女母「あら、どちら様」
男「…はは、どうも。御無沙汰してます」
女母「貴方はどこかで…?あぁっ!もしかして男君!!」
男「ハハハ、どうも。あ、これお土産の>>38です。西の地方の名産品で」
38 : 以下、\... - 2017/06/22 10:34:27.353 zGNDutFta 22/59奴隷
男「こいつ!こいつ土産品で!」
少女「え?え?」
女母「うふふ、男君ったらすぐ冗談…あら、貴方…!?」
ピトッ
少女「な、なんだよアンタ(!…ほ、頬っぺた触られ…?くすぐったい)」
女母「あ、あぁ…ごめんなさいね。あんまり、娘に似てたものだから」
少女「娘に…」
男「女ちゃんと違って口は悪いですがね。身寄りがないって話なんで助手をやってもらおうかなって新米ですよ」
女母「…ずっと遠いとこを転々としてたのよね、男君は」
男「…えぇ」
女母「上がって。娘に会ってあげてちょうだい」
少女「これは娘さんの写真…あ、本当だ。私に似てる」
女母「うふふ。そっくりでしょ?」
少女「……娘さんは」
女母「少し前に病で、ね」
少女「っ!」
男「いやいや、よく見りゃ似てない。女ちゃんの見た目から滲み出る品性はお前にはまるでないね」
少女「なんだとー!」
女母「ふふ、いま紅茶淹れるわね」
男「……はぁ、話は全部嘘だと良かったんだがなぁ」
少女「ふん、初恋の人が亡くなってたら悲しむんだ。一応、アンタにも人の心ってあるんだね」
男「……最初に遠い異国で君が死んだって噂を耳にした時は驚いたよ。本当だったんだな」ツー…
少女「男…?」
少女「な、なぁ。もしかしてお前が狙ってる楽器って…」
男「あぁ。夭折した天才リコーダー奏者」
男「女ちゃんの遺品なんだ」
少女「!」
男「この稼業をやってりゃ、裏ルートで流れるお宝の噂は嫌でも耳にする。
まさか女ちゃんの訃報を…遺品のリコーダーがお宝として流れてるって形で聞くとは思わなかった」
女母「男君。少女ちゃん。お茶淹れたわよ」コトッ
女母「ビックリしたでしょ。あの子、元々身体は弱かったけど…」
男「いえ…」
女母「ふふ、でも凄かったのよ。あの子ったら才能が認められて。男君にも演奏を聞いてほしかったっていつも言ってたわ」
男「…」
女母「男君?」
男「遺品のリコーダー、盗まれたって話ですが…」
女母「多分うちの使用人、がね。犯人を見付けても、もう仕方ないわ。
私には娘の持ち物ってだけで大事なものだけど、何かそれ以上に価値があるものみたい」
男「それ以上に価値があるものっていうのは楽譜、ですよね?」
女母「!…そうよ」
女母「あの子は亡くなる直前、曲を完成させたの」
女母「それがどうして、変わったリコーダー一本に隠せたかは分からない」
女母「分かることは、あの子の音楽家としての才を結集した最後の作品が、とても価値のあるモノだったんでしょう」
少女「女さんのリコーダーはいま町の貴族が持ってるって聞いたけど…」
女母「貴族が…?ああ、なんてこと…やっぱり…」
男「どうしたんですか?」
女母「近々、あの貴族の主催で演奏会があるの。…その目玉の曲目が、娘が生前話してたモノとおんなじで…」
男「(貴族はリコーダーから目当ての楽譜を取り出せたのか…)」
女母「娘が最後に残した音楽が、誰か他の人の手によって奪われて演奏されてしまうなら…いっそ…」
男「…いっそ、なくなってしまえばいい」
女母「…男くん?」
少女「お、男?」
男「紅茶、ご馳走になりました。美味しかったです。ほら、帰るぞ助手!」
少女「ま、まてよ!」
少女「なぁ、どうしたんだよ急に。まさか…」
男「あぁ、盗むモノが増えた。…大掛かりになるな」
男「奴に盗まれた女ちゃんの音…大ホールの演奏会ごと、盗んでやるさ!」
少女「しょ、正気かよ!?」
男「と、いうわけで俺は下準備がある。お前は買い出しだ」
少女「買い出し?」
男「おうそうだよ。丸腰で怪盗は出来ないさ>>48>>49が必要だな」
少女「そんなもんでいいのか?」
48 : 以下、\... - 2017/06/22 12:04:07.936 WbMpRC0pH 30/59>>999
49 : 以下、\... - 2017/06/22 12:06:07.097 JmlO5dWIa 31/59株
少女「株って…?」
男「知るか買ってこい。あとゴダイゴのCDな」
少女「ゴダイゴのCD?」
男「銀河鉄道999だ」
少女「はぁー、どこにも売ってないよもう…道に迷ったし。あ、あのー」
老人「ん?」
少女「(げぇ、気難しそうなじいさん)あのー道をお尋ねしたいんですけど」
老人「道ぃ?」
少女「はい。大通りに出れば分かると思うんですけど…」
老人「迷うんなら町の中央の時計塔を目印に歩くといい」
少女「あ、なるほどぉ」
老人「ワシは昔あそこで働いてたんじゃよ。…どれ、散歩がてらお前の分かりそうな場所まで行ってやる」
少女「あ、はい!」
老人「改修工事を機に引退してな…ワシはまだ働けるっちゅうに」
少女「あーあったね。何年か前に」
老人「古いから取り壊しの話もあったんじゃがな。あの良いとこの…女さんが多額の援助をして改修出来たんじゃよ」
少女「ふーん、やっぱ凄い人なんだね」
老人「あぁ。あの子のお陰で時計塔は今も無事に…だが、若いもんに任せては心配で心配で」
少女「ははは、それで未だに顔出してんだ?迷惑がられてんじゃないの?」
老人「近頃の若いもんの手入れはあてにならん!」
男「おーい、少女!お前どこで油売って…」
少女「男!」
老人「男?」
男「ちゃんと目的の品は手に入れたんだろうな?」
少女「ま、まだ」
男「ハァ…そんなことだろうと思ったぜ」
老人「ん?お前の顔、どこかで…?」
男「!…ひ、人違いじゃないっすかね。ほら!行くぞ!」
少女「まてよ!」
男「はぁー、あのジジイまだくたばってなかったのか…」
少女「知り合い?」
男「昔よく時計塔に忍び込んだり町で悪さして叱られたんだよ」
少女「お前が悪いんだろ。優しそうなじいさんだったぞ」
男「なーにが。ほら、買い物済ますぞ。お菓子一つなら買っていいからな」
少女「うん」
男「さぁて、いよいよお仕事だな」
少女「マ、マジでやるんだ」
男「ん。コンサートホールに忍び込む。なぁに、警備は厳重だが大したことない」
少女「い、いやでも…」
男「行くぞ!」
警備員「…ん?なんだお前」
男「いや、怪しいもんじゃないよ。…こういう者だ!」ヌポッ!
スッ!
少女「ど、どこからか抜いたリコーダーを警備員の鼻先に突き付けた…!?」
警備員「」ガクッ
男「よし、行こうぜ」
少女「なにしたんだよ!?白目剥いてるぞ!?」
ザザー
警備員1「異常ないか?」
警備員2「はっ!特に異常ありません!」
警備員1「この大ホールでの演奏会は貴族様の威信がかかってるからな。これが成功すれば更に貴族様の影響力は…む?」
警備員2「どうかしましたか?」
警備員1「い、いやそこの噴水の水にちらっとリコーダーが見えたような…疲れてるのかな」
警備員2「ハハハ、そんなまさか。まるで東洋のNinjaですね」
ブクブクブク…
男「……」
少女「…!…!」
貴族「ふふふ…ここからならホール全体がよく見えるな」
使用人「えぇ。楽しみですね。あの天才音楽家、女が残したまだ世に出ていない幻の曲…それが貴族様の名の下、世に出る瞬間」
貴族「私の名声は更に広がり、貴族の間でも影響力が増す。あと社交界でもモテモテだ!」フンスッ
??「そいつはどうかな」
貴族「!…だ、誰だ!?」
男「怪盗、男だ。このコンサートの音楽会ごと盗みに参ったぜ」
使用人「怪盗、男…!?」
貴族「え、えぇい!警備員!」
警備員s「…」ザッザッザッ!
男「せっかくの演奏会に無粋だな」
少女「お、男!どうすんだよ!」
男「(女ちゃん…聞こえてるか?)」ピーヒョロー♪
使用人「リ、リコーダーの音色…?」
貴族「奴からか!?しかしリコーダーをくわえては…!」
男「(昔は下手とバカにされたが、今はバッチリだ。アンタの好きだった曲だぜ。聞いてくれ…手向けの演奏だ)」
ズルッ!バサァッ――
貴族「ズボンを脱いだ…バ、バカな!」
少女「…やっぱり」ジトー
貴族「ケツにリコーダーだと!?」
警備員s「ざわ…ざわ…!?」
男「泉の中に 誰かいるの♪耳をすませば 声がする♪」
男「ふんっ…!」ミーミミー♪ブッ!ミーミミー♪ミーレードーレーミー♪
モワァ…!
警備員s「」バタリ バタリ バタリ バタリ
使用人「」
貴族「き、貴様…」ピクピク
少女「あ、あがが…」ピクピク
男「屋敷に忍び込む手間が省けたな」ゴソゴソ
貴族「そ、それは…」
男「『鍵のリコーダー』…確かに頂戴したぜ!」
少女「臭いよぉ…鼻が曲がるよぉ…」メソメソ
貴族「貴様…何者だ!この厳重な警備を掻い潜って警備員を一瞬で…ま、まさか本当に…与太話だとばかり思っていたが…」
男「さっき言ったろ――」
《さぁ行くんだ その顔を上げて 新しい風に 心を洗おう》
ざわざわ…「な、なにこれ?」ざわざわ…「銀河鉄道999!?」
貴族「な、なんだこれは!?音響機器に何かしたのか!?…クソ!私の演奏会がァ!」
男「――俺は怪盗。お前の音楽を盗みにきたのさ」フッ
そして――
少女「(銀河鉄道999のサビのあたりで気を失ったあと、私は気が付いたら女さんの家にいた。三日三晩うなされ続けていたらしい)」
少女「(女さんのお母さんもお父さんも本当に良くしてくれた。まるで実の娘のように…)」
少女「(そして、今日も私は…)」コンコンッ
ガチャ!
少女「男ー!遊びきてやったぞー!」
男「……ん?なんだお前か」
少女「なんだとはなんだ…って、うげ!何その数式?」
男「こいつが、鍵のリコーダーに隠された秘密さ」
少女「?」
男「いやね、このリコーダー、どうやらとんでもない技術で作られてるもんなのよ」
男「リコーダーは通常、頭部管、中部管、足部管と三つに分解できるようになってんだが…」
少女「へぇー。あ、なんか目盛りがある」
男「そう。3つのパーツそれぞれ目盛りがあって、目盛りにずらして吹くと音が綺麗に半音階ずれたり、あるいは一音階ずれたりする」
男「目盛りも細かいしオーラリー一つ吹くにも何千パターンの指の動かし方の手順がある」
少女「へ、へぇー」
男「知り合いの専門家あたりまくったり俺自身も必死に解析した結果…出てきた暗号が、これ」
少女「数式…でもなんで」
男「音と数字の関係は無関係ってわけでもないぜ」
男「音楽は数学の公理的基礎を持たねぇんだが、音楽理論家は音楽を理解するために数学を使うのは珍しいことじゃない」
男「古代中国人、エジプト人、メソポタミア人なんかも音の数学的原理を研究していたことで知られているな。古代ギリシアのピタゴラス教団なんかもだ」
少女「?…??」
男「自然や調和自体が数学的性質を持ち合わせているなら、音楽もまた然り、というわけだな」
男「よし…こんなとこか。まぁ、俺も数式でオ○ニーする程度には素養があるし怪盗だしな。
解読もお手の物よ。浮かび上がった楽譜がコレ」
少女「コレが女さんの残したお宝…!」
男「ザンネン!ハズレ!」
少女「え?」
少女「ち、違うのかよっ!どういうことだよ!」
男「ハハハ、正確には半分は正解かな」
男「少女、少し散歩しよう。解読するために部屋でカンヅメなってたからな。外の空気でも吸って、そして…楽譜じゃ分からねぇだろ、聞きに行こうぜ」
少女「え?聞きに!?」
男「うおー眩しい。目がいてぇ」
少女「聞きにって音楽やってる知り合いがいるのか?」
男「いや?」
少女「どういうことだよー早く教えろよー」ムスッ
少女「つうか金とか大丈夫なの?長居してるし専門家とやらに頼りまくったんだろ?」
男「金なら当分遊んで暮らせるほどあるよ」
少女「いつの間に…」
男「あの日、俺は貴族の面目を潰すつもりだったからな。貴族が落ちぶれることを見越して奴の商売敵の株を買いまくったのさ」
少女「ふーん。よく分からないけど私になんか買ってよ」
男「あーはいはい後でプレゼントやるよ。まぁまずはゆっくり歩こうぜ。
それより、お前、女ちゃん家に迷惑かけてないだろうな」
少女「かけてないよ!皆優しくしてくれるしな!」
男「ふーん、女母さんから聞いたけど養子の話、受けたらどうだ?」
少女「…私は泥棒が良い」
男「…」
男「そらっ」ペチン
少女「あいた!何すんだ!」
男「ハハハ、お前に泥棒稼業は向いてないさ。服を見繕えば、どこぞの御令嬢って感じだしな。正直、見違えたぞ」
少女「惚れたか?」
男「いや、女ちゃんには程遠いしなぁ」
少女「むぅ」
男「それにお前はお前だ。女ちゃんじゃない。女母さん達も別に女ちゃんの代わりがほしいわけじゃないと思うぜ。
亡くなった娘の代わりでもない、奴隷でもない、お前の居場所になりたいんだよ」
少女「分かってる…分かってるけどさ」
男「それに俺はしばらく怪盗はおやすみだ」ハハハ
男「長年、病の体を癒す秘宝を探して世界中渡り歩いたが…結局、そんなもん夢物語でしかなかったからな」
少女「男……」
男「さ、着いたぜ!ここで女ちゃんのお宝が拝見できる!」
少女「ここは…!?」
時計塔――
少女「ここは時計塔じゃん!」
男「そっ。中に入ろうぜ」
老人「なっとらん!」
若い整備士「ひいっ!」
少女「じいさーん!」
老人「ん?…お前は…ハハハ、幼いときの女さんかと思うたぞ」
少女「へへ」
男「じいさん、来たぜ」
老人「うむ。話は本当だろうな。ワルガキ」
男「ワルガキ言うなって」
少女「ひえぇ…高い高い」
男「ここが時計塔の機関部か。だが、女ちゃんが出資して改修工事したってマジらしいな。ちょっと変わってる」
老人「昔も忍び込んだな」
男「もう忘れろよじいさん…お、多分コレだな」
少女「ん?なんか丸い穴がある」
男「女ちゃんの奴、まったくとんでもない仕掛けを残したよ。ほれ、少女、鍵のリコーダーだ。お前がやりねィ」
少女「っ!…そ、そっか!!分かった!」
男「そうさ。鍵のリコーダーは、時計塔の部品でもある。文字通り、鍵穴に挿すようにするとお宝が拝めるってわけ」
老人「俄には信じがたい話だが…」
少女「お宝かぁ」
男「ま、大方の見当はついてるけどな」
少女「よいしょ…!」
ガギッ…ギギ…ゴゴゴゴゴゴ…!!
ボーン…ボーン…
~♪
ざわざわ…
「綺麗な音楽ー!」
「ほんと…」
「時計塔から…?」
~♪
老人「お、おお…」
少女「これは…」
男「曲目は『愛する人々へ』らしい」
男「女ちゃんはこの町が大好きだった。だから最後までこの小さな町で音楽を作り続けたんだ。
そして、この曲は時計塔から町へ響くように…」
少女「…綺麗な曲…」ポロポロ
少女「女さんの宝は…」グスンッ
男「鍵のリコーダーでも、この曲自体でもない…女ちゃんのお宝は」
男「この町の全て、ってところだな!」
男「あいにくと、俺のポケットにはでかすぎて、コイツばっかりは盗めねぇな」フッ
男「…じゃあな。少女」
少女「っ!?」
老人「なんだ、もう行くのか」
男「おう。…俺も踏ん切りがついたよ。ゴダイゴも999であの人はもう思い出だけど君を遠くで見つめてるって歌ってるしな」
少女「…本当に勝手だよな」
男「ハハハ、怪盗だからな。それに来る途中幼稚園でオシッコ撒き散らしたから指名手配されてんだよ」
少女「…サイテー」
男「あと、これやるよ」
少女「?…バイオリン?」
男「良いとこのお嬢様なるんだから嗜めや。女母さんからピアノも習ってるって聞いたぞ」
少女「い、いや…でも私」
男「楽器を盗んだんじゃなく買ったのは初めてなんだぜ?」
少女「分かったよ!…じゃあさ、じゃあさ、私がこの女さんの曲を綺麗に弾けるようになったらさ…」
男「?」
少女「…ぬ、盗みに来いよ!」
男「そりゃ、お前が高名な音楽家になって使う楽器に泊がついたら盗みに…」
少女「そうじゃなくて!」
少女「女さん以上にいい女になるから!!」
少女「だから…いつか私ごと盗みに来いよ!」ニコッ
男「…黙りねィ」
老人「ハハハ、こんな男のどこがいいんだか」
男「まったくだ!…じゃあな少女!」ピョンッ
少女「絶対だからなー!!」
男「覚えてたらな!」ニッ
男「――今回の盗みも無事終了、と」
男「数年ぶりにこの辺りきたな。今回の品は売りさばいてスラムの連中に分け与えるかぁ…ん?なんだこのチラシ」
『若手の演奏会!
曲目は『愛する人々へ』奏者は…』
男「ふっ…せっかくだ。顔を盗み見に行くか」ニコッ
―Fin―
85 : 以下、\... - 2017/06/22 16:09:22.361 sa2JQT5J0 59/59見てくれてありがとう!したらな!またどこかで!