【ガヴリール宅】
サターニャ「珍しいわね。あんたから誘ってくるなんて」
ヴィーネ「ついにガヴもイベントの良さが分かるようになったのね!」キラキラ
ガヴリール「なってないよ。正直だるいよ」
ラフィエル「じゃあどうして?」
ガヴリール「今日節分じゃん? なんか姉さんが豆を大量に送ってきてさぁ」ドサ
ヴィーネ「えぇ……ダンボール1箱分って……」
ガヴリール「捨てようとしてる所を千里眼で見られてめちゃくちゃ怒られたんだ」
ヴィーネ「そりゃ怒るでしょ! なにもったいない事しようとしてんの!」
ラフィエル「なるほど、これは豆まきをやるほかないですねー」
元スレ
ガヴリール「豆まきしようぜ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1517668717/
ガヴリール「送ってくるにしてもちょっとでいいんだよちょっとで」
サターニャ「そういえばあんた、ハロウィンの時も豆くれたわよね。好きなの?」
ガヴリール「いや、まあ……別に好きではないけど。なんか口寂しくなった時用に常備してるんだ。実家の影響かもな」
ヴィーネ「ガヴの実家と、お豆?」
ガヴリール「うちの家、おやつは炒った豆を出すんだ」
ヴィーネ「い、炒った……」
サターニャ「まめ……!」プフッ
ガヴリール「ほんと天界って時代遅れにも程があるよな」
サターニャ「ラフィエルのとこもお豆をおやつに食べるの?」
ラフィエル「うちはケーキですね」
ガヴリール「は!? ズルすぎだろ!!ふこうへい!ふこうへい!格差社会!!」
ラフィエル「ガヴちゃんのお家が特殊なのでは……」
【公園】
ラフィエル「さて、鬼役ですけど……」
ヴィーネ「これもお祓いの儀式だから、もしかすると私達が豆を投げられたら結構痛いかもね」
サターニャ「当たらなきゃ良いのよヴィネット」
ラフィエル「ちゃんと避けれます? えいっ」パララッ
サターニャ「いたたたた!? 予想外に痛い!」
ラフィエル「あらら、軽くかけた程度なのですが……天使が投げると効果も強くなるんでしょうか?」
ガヴリール「ヴィーネには効かないんじゃない? 悪魔っぽくないし」
ヴィーネ「効く、ちゃんと効くから! でも現実を見たくないから投げないでね!」
ガヴリール「自分でも不安なんじゃねえか」
ラフィエル「というわけで、私達が鬼役ですっ」
ガヴリール「……なんで私が鬼なんだよ。天使だぞ」
ヴィーネ「二人には悪いけど、こういうのやった事ないから楽しみね!」
サターニャ「ガヴリール! あんたを豆まみれにしてあげるわ!!」
ヴィーネ「行くわよラフィっ」
ラフィエル「いつでもいいですよー」
ヴィーネ「えいっ!」
ラフィエル「おっと」シュン
ヴィーネ「やあ!」
ラフィエル「はい、神足通」シュン
ラフィエル「ヴィーネさーん、こっちですよ~」
ヴィーネ「このっ……!」
ラフィエル「うふふ」シュン
ヴィーネ「ぜんっぜん当たらない……!」ゼエゼエ
ラフィエル「早く追いかけてくださーい」ニコニコ
ヴィーネ「神足通を使うなー!!」
ラフィエル「ヴィーネさん楽しいですねー♪」シュン
サターニャ「くっくっく、覚悟はいい? ガヴリール……」
ガヴリール「ちょっと待てお前……本気で投げるつもりか?」
サターニャ「当たり前でしょ? いつもいつも私をからかってきて……」
サターニャ「こんなチャンス絶対に逃さないんだから!」
ガヴリール「いやっ、それはお前がつっかかってくるから……!」
サターニャ「くらえー!!!」バッ
ガヴリール「おいこら! 手いっぱいに豆掴むなっ、やめっ───」
サターニャ「せいっ!!」ババババ
ガヴリール「あだだだだだだ!! 本気で投げんな!」
サターニャ「あはははははは! 屈しなさい天使め!」ババババ
ガヴリール「いだい!いだい! たんま! 待っ!!!」
サターニャ「んなーっはっはっはぁ!!」ババババ
ガヴリール「いやああああああああ!」
サターニャ「それそれそれそれぇ!!」ババババ
ガヴリール「いたっ! あうっ!」
ガヴリール「……………………」
ガヴリール「………………ぐすっ」
サターニャ「えっ」
ガヴリール「うわああああああああん! ゔぃーねぇ!サターニャがいじめるよおおおおおお」
サターニャ「が、ガヴリールが泣いた!?」
ガヴリール「ゔぃーーねぇーーーー!!!」ビエ-
サターニャ「やった!! ガヴリールを負かし───」
ヴィーネ「サターニャ」ガシ
サターニャ「へ?」
ヴィーネ「ちょっと向こうでお話ししましょう?」
サターニャ「え、えっ? なによ、どうしたのヴィネット、なんか怖……や、やめて! 離してお願い!」
ヴィーネ「大丈夫。すぐすむから」
サターニャ「誰か助けてえええええええ」ズリズリズリ
ガヴリール「ばかめ」
ラフィエル「ガヴちゃんとヴィーネさん、いったいどんな関係なんですか……」
ヴィーネ「豆まき楽しかったわねー」
ガヴリール「…………うん」
ラフィエル「そうですね……」
サターニャ「」ガクガク ブルブル
ヴィーネ「さて、撒いた豆を掃除しましょうか」
ガヴリール「えっ、別にいいだろ。ハトとかスズメが食べるでしょ」
ヴィーネ「んー、そうかもしれないけど……一応公園だからね。子供が拾って食べちゃうかもしれないし、念のためにやっておいた方がいいでしょ?」
ラフィエル「そうですね。気にされる方もいるかもしれません」
ガヴリール「だるー……」
サターニャ「ふっふっふ、任せなさい。こういう時のためにぴったりのアイテムを持っているのよ」
ヴィーネ「ぴったりのアイテム?」
サターニャ「じゃーん! スイッチを付けると自動で動き回って綺麗にしてくれる機械よ!」
ヴィーネ「それって」
ガヴリール「お掃除ロボットじゃん」
ラフィエル「ちなみにどこで買われたんですか?」
サターニャ「魔界通販」
ヴィーネ「サターニャ魔界通販見るの禁止ね」
サターニャ「ま、待ちなさいよ! 多分すごい奴なんだからきっと!」
サターニャ「行くわよ! スイッチオン」ピッ
お掃除ロボット『』ウィ-ン
ガヴリール「うごいた」
お掃除ロボット『』ガッ ガッ
ラフィエル「枯れ枝に引っかかってますけど」
サターニャ「む、向きを変えれば大丈夫だから」クル
お掃除ロボット『』ガッ ガッ
ガヴリール「石につまづいてるぞ」
サターニャ「あんたもっと頑張りなさいよ!」クル
お掃除ロボット『』ガッ ガッ
ヴィーネ「……サターニャ、ほうきとチリトリ持ってくるわね」
サターニャ「そんなぁ!」
【ガヴリール宅】
ヴィーネ「ガヴのお豆まだある?」
ガヴリール「あるよ。どんどん消費してくれ」スッ
ヴィーネ「それじゃ、最後にお豆を食べるんだけど……」
ラフィエル「これが……ガヴちゃんのお豆ですか……」ゴクリ
サターニャ「ガヴリールの、おまめ……///」
ヴィーネ「………………………………………………」
ガヴリール「おい!? なんか意味深に呟くなよ!! 早く食っちまえ!!!」
ラフィエル「これ、意外と止まらなくなりますね」ポリポリ
サターニャ「なんで節分に豆を食べるのかしらね?」ポリポリ
ガヴリール「しらん」ポリポリ
ヴィーネ「うーんと……火で炒った豆は福豆って呼ばれてて、身体に取り入れて無病息災を願うらしいわよ」
ラフィエル「ほうほう」ポリポリ
ヴィーネ「あっ、歳の数だけ食べるって書いてある」
ラフィエル「えっ」
サターニャ「……ラフィエル結構食べたわよね」
ガヴリール「いくつ?」
ラフィエル「にじゅう……しち、はち……?」
ガヴリール「……ちょうどいいんじゃね?」
ラフィエル「どういう意味ですか」ガ-ン
ガヴリール「まあそんな事言ってても減らないし食え食え」
ヴィーネ「風情も何もないわね……」
サターニャ「ふふふ、私もう100歳までいったわ! 不老不死の大悪魔様よ!」
ラフィエル「私もう286歳になりました」
サターニャ「どんだけ食べるのよ!!」
ガヴリール「あー、食った食った」
サターニャ「きな粉のお餅美味しかった~! 炒り豆からきな粉を作るなんてやるわねヴィネット」
ヴィーネ「ガヴにあげた鏡餅が部屋の隅に転がっててちょうどよかったわね~」
ガヴリール「ゔぃ、ヴィーネ、ちょっと怒ってる?」
ヴィーネ「んー? どうかしらね」ニコニコ
ガヴリール「ごめんって!」
ラフィエル「何はともあれ、これでお豆も食べきりましたね」
ピンポーン
宅配天使『おとどけものでーす』
ガヴリール「ん? なんだ?」ガチャ
天使「あ、天真さんじゃなくて白羽さんです」
ラフィエル「私ですか? どうもありがとうございます……?」
ヴィーネ「なにかしらね?」
ラフィエル「開けてみますね」
『ラフィエルお嬢様へ。お元気でしょうか? お風邪はひかれていませんか? 寒い夜はお嬢様を人肌で温めに行きたいマルティエルです』
『今日は節分ですね。お嬢様にぜひ人間の文化を学んで頂こうと思い、お豆をお送りしました。不自由なさらぬよう多めに入れてあります。ご友人とお楽しみください』
『P.S. GPSを確認したところ、ご友人のお宅にいる事が分かりましたので宛先を変更してお届けしました』
『P.S. 愛しています』
お豆『』どっさり
ラフィエル「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「豆まき、第2ラウンドで」
ガヴリール「まじか」
完