女(普段は男勝り、がさつな印象のある元気っ娘……)
元気っ娘「オイ、女ー!包丁危ないから調理実習に集中しろよなー!」
女(でも絶対にどこか女らしい一面があってそこを褒めると簡単になびく、それが元気っ娘)
女「……」 トントントン
女「うっ……タマネギが目にしみる」 グスッ
元気っ娘「それくらいで泣くなよなー!ほら、アタシに貸してみ」 トントントン
元気っ娘「へへー、ザッとこんなもんだ!」 ニコッ
女「へー、元気っ娘ちゃん慣れた手つき……おっと」
女(料理できるなんて女の子っぽいね、なんてアウトだアウト)
元スレ
女「元気っ娘は女らしさを褒めるとオチる」元気っ娘「?」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324193886/
先生「完成したらお皿に盛り付けてちょっと待っててねー。評価をつけるから」 カツカツ
先生「あら!女さんの班はとても上手にできてるわ、これはA評価あげちゃう!」
お嬢様「ええ、実は元気っ娘さんがとてもお料理上手でしたの」
元気っ娘「えっ?べ、別に普通だってー!両親共働きだからさ、弟たちの飯を作ってるってだけで」
女「ふーん」
女(たしかにここまで料理スキルがあるなんて……でもそこを褒めたらダメだ)
女(アタシいつもがさつだって言われてさ、女として見られたの初めてだよ)
女(なーんて、なーんて展開ですぐ惚れちゃうんだから!私レズじゃないもん!)
「「いただきまーす」」
女「……」もぐもぐ
元気っ娘「……なぁ、うまい?」
女「えっ!?あ、うん。すごく美味しい」
元気っ娘「へへ、そっか……美味しいんだ///」
元気っ娘「よーし、食べるぞー!」 もぐもぐ
女(今の反応は怪しいな……でも授業中だから逃げ出せないし)
お嬢様「実はわたくし、カレーライスを作ったの初めてなんです」 もぐもぐ
女(よ、よし!ここは隣のお嬢様さんのほうに)
女「へー、でもちゃんとご飯炊けてるよ。お嬢様さんすごいじゃん」
お嬢様「まぁ、そうかしら」 ふふふ
元気っ娘「……」 じとーっ
女「まさかカレーライスを食べるのも初めてとか?」
お嬢様「ふふ、そんなわけないでしょう。可笑しな女さん」 クスクス
元気っ娘「……」じとーっ
女(あ、あれ?元気っ娘ちゃんがこっちを睨んでる?スプーンを咥えたままジト目してる?)
お嬢様「あら、女さんったらほっぺたに汚れが」 スッ
女「!」
女「そ、それはいいから!さすがにそれはお嬢様が惚れちゃうから!」
お嬢様「?」
女(あ、危ない!元気っ娘ちゃんと距離を置くことに気を取られてお嬢様さんに近づきすぎてた……)
女「えっと、ここ?ここらへん?」 ペタペタ
お嬢様「違いますわ、もう少し上……そうじゃなくて」 スッ
元気っ娘「!」
元気っ娘「なぁ、女。動くなよ」 スッ
女「えっ!?ちょっ、近い!元気っ娘ちゃん顔が近い……」
元気っ娘「ぺろっ」
女「!!」
お嬢様「まぁ!」
女「な、な……」
元気っ娘「仕方ないだろ、女が鈍臭いから……」 カァァ
お嬢様「あらあら、お二人はいつの間にそんな仲に」
女「うぇっ!?ち、違うよ、お嬢様さん!別に私たちは」
元気っ娘「うん、別に今は恋人なんかじゃないよ!……今は」 キッ
お嬢様「あ、あの、そんな睨まなくても……」
元気っ娘「……お嬢様さんには負けないから」
お嬢様「えっ」
女「せ、先生!!」 ガタッ
女「あの、私お腹痛いです!ホント痛くて、保健室行ってきます!」 ダッ
元気っ娘「オイ、女っ!」
女「ゼェ、ゼェ……食後に走ってホントにお腹痛い……」 ハァハァ
女「なんだアレ、元気っ娘ちゃん独占欲強すぎ」
女「なんか軽くヤンデレの気質あった。そう言うのは早めに言ってよ……」
女「ハァ、つい抜け出して来ちゃったけど……まだ授業中だからね、保健室で時間潰そうっと」 ガラッ
病弱娘「きゃっ!」 さっ
女「!」
女(い、今ベッドのカーテンが……あれはきっと病弱娘ちゃんだ!)
女「……ねぇ、保健室の先生は?」
病弱娘「ひゃっ!?え、えっと……き、今日は、出張で……私、すぐ具合悪くなるから……その、鍵を……」
女「そっか、ゴメンね起こしちゃって」 ぽすっ
病弱娘「う、うん……それじゃ……」 シャッ
女(病弱でクラスにあまり来ない子は優しくするとオチる) ゴロン
女(私たち友達でしょ?……たぶんこれだけで惚れられちゃう、困ったな)
女(……授業終わるまで寝たふりしとこ)
病弱娘「……あ、あの……女さん、だよね?」
女(……寝たふり、寝たふり)
病弱娘「あ……違った、かな……ゴメンね、同じクラスなのに」
女「……」
病弱娘「名前間違えるなんて、最低だよね……私、あまり教室に行かないから」
女「……ううん、女で合ってるよ。病弱娘ちゃん」
病弱娘「!」
病弱娘「そ、そっか……///」
女(ゔぁー、ダメだよ!もう話しかけるだけで惚れられちゃう気がするよ!)
病弱娘「私の名前……覚えててくれたんだ///」
女「それだけでオチるの!?」 シャッ
女「あっ」
病弱娘「ひゃっ!?ど、どうしたの?」 ビクッ
女「ううん、何でもない!ゴメンね、勝手にカーテン開けちゃって!すぐ閉めるから」 シャッ……
病弱娘「あっ、待って!カーテン閉めなくて……!」
病弱娘「ゴホッ!ゴホッ!」
女「わっ!だ、大丈夫?」 ナデナデ
病弱娘「ゴホッ……ゲホッ……うん、大丈夫。よくあることだから……」 ハァハァ
女「ホント?無理しないで……」 ナデナデ
病弱娘「……ふふっ、女さんって優しいんだね」
女「し、しまった!!」
ガラッ
保険医「うーす、早めに帰ってきてやったぞ病弱娘ー。大丈夫かー、死んでないかー?」
女「ここだぁっ!」 ガタッ
女「病弱娘ちゃん、私もう帰るから!身体に気をつけてね!さよならっ!」 ダッ
病弱娘「……女、さん」
保険医「あれ?顔赤いぞ、病弱娘!熱か、熱が出たのか!」 アワワ
女「ハァ、ハァ」
女「あれはズルい、あれはズルいよ病弱娘ちゃん……」
女「あんなの心配しちゃうでしょ、私も赤い血が流れてるんだから心配しちゃうよ」
女「……ちょうど授業も終わった頃だけど、教室に戻って大丈夫かな」
女「教室にはお嬢様さんに元気っ娘ちゃんか……HR終わるまで時間を潰そう」 てくてく
委員長「ちょっとアンタ!こんなとこにいたの!?」
女「い、委員長!!」
女「私、用事があるの!HRは私抜きでやっといて!」 ダッ
委員長「あっ!待ちなさいよ!」 ダッ
女「ぬぁぁぁ」 ダダダッ
委員長「ちょっ!速すぎ……」 ハァハァ
女「ハァ、ハァ……!」 ダダダッ
女「あっ、図書室!ここだ!」 ガチャ
バタン!
女「ゼェ、ゼェ……キ、キツい……今日は走ってばっかだ」 ハァハァ
女(ツンツン委員長は話してるだけで勝手に喧嘩になっていく……)
女(そーやって勝手にヒートアップしたところで、私が何かひとこと言っただけで顔真っ赤にするんだ。惚れるんだ)
女「ツンデレはホントちょろい、ちょろすぎやで……」 ハァハァ
眼鏡っ娘「あ、あの!女さん!図書室では静かにしてください!」
女「えっ?」
眼鏡っ娘「ひゃい!?」 プルプル
女(この子はたしか……眼鏡っ娘ちゃん?)
女「あ、ゴメンね眼鏡っ娘ちゃん」
眼鏡っ娘「……何しにきたんですか」 じとーっ
女「も、もちろん図書室だからね、本読まないとね!」 ガタン
眼鏡っ娘「それでいいです」 ガタン
女(眼鏡っ娘ちゃん……たしか図書委員長だ)
女(このタイプは私が眼鏡っ娘ちゃんの読んでる本に興味を示すとアウト)
女(『今度、街の図書館に~』『私の家には同じ作家の~』『よかったら今度の行事のお手伝いを~』……)
女(どんどん出る!どんどんオチるまでのパターンが出てくるよ!)
女(しかし、全ては『眼鏡っ娘ちゃん、何を読んでるの?』……このひとことから始まるのだ!) ふふん
女(……と言うことで黙々と読書すればオッケー、チョロいチョロい)
レズ「やっほー!眼鏡っ娘ちゃーん」 ガチャ
女「!?」
眼鏡っ娘「なっ!また来たんですか!」
レズ「いーじゃん、ここ静かで落ち着くんだもん」 てくてく
レズ「それに可愛い可愛い眼鏡っ娘ちゃんがいるんだしー」 うぇへへ
女(んなっ!?な、なんでこんなところに淫乱レズ女が……!)
レズ「あれっ?そこにいるのは隣のクラスの女ちゃんじゃん!」
女(可愛い女なら誰でもいい淫乱アバズレ女め……こいつにはオチるもオチないもない)
レズ「えー、なにー?女ちゃん本読むんだ、意外ー!」 むにゅっ
女「意外で構わないんで、胸さわらないでください」 パシッ
レズ「何よ、照れてんのー?かーわいいー///」 うぇへへ
レズ「あー、女ちゃんの黒髪いい匂い!はむはむしたーい」 くんくん
女「……やめてください」 キッ
レズ「やーん、怖いー!怖いよ眼鏡っ娘ちゃーん!」 むにゅっ
眼鏡っ娘「や、やめてください!触らないで!」 ぺしっ
女(私の渾身の『やめてください』でもめげないとは、どうしたものか……)
女(もう放課後だし、家に帰っちゃおうかな)
女(あ、でも家に帰るのは嫌だな……可能な限り学校に長くいたい……)
レズ「うぇへへ、ここか?ここがいいのか!」 もみもみ
眼鏡っ娘「ふぇ!や、やめてください……」 ビクビク
女「……」
女「オイ、やめろレズ女。眼鏡っ娘ちゃん嫌がってるでしょ」
眼鏡っ娘「お、女さぁん///」 ぽわぁ
女(ぐっ!ま、まだセーフ!まだ助けただけだからセーフのはず!)
女(それにレズ女に絡まれてるのを見過ごすわけには……)
レズ「なにー?もしかして女ちゃん構ってほしいのー?」 うぇへへ
女「近寄るな、触るな、レズ女」 パシッ
レズ「いーじゃん、揉んでも減るもんじゃないでしょー」 ぐぐぐ
女「うるさい、世の中の女がみんなレズだと思うなよ」 ぐぐぐ
眼鏡っ娘「……くふふ」
レズ「!」
女「!」
眼鏡っ娘「あっ!ご、ごめんなさい!私も笑うつもりは……」
レズ「眼鏡っ娘ちゃんの笑ったとこ初めて見た……可愛いい!」 ガバッ
眼鏡っ娘「ひゃっ!?」 ゴスッ
レズ「ぐふっ!」 バタン
女「さすがに背表紙は痛いよ……」
眼鏡っ娘「あっ、ホント笑っちゃってごめんなさい……」
女「え?うん、気にしてないから」
女(笑ったことのない子が笑った?……ダメだ、これはダメだよ)
眼鏡っ娘「……私、内気で本ばっかり読んでるからか、友達いなくて」
眼鏡っ娘「それで、さっきの女さん達のやりとりが、その……友達っぽいなって///」 もじもじ
女(ゔあぁー!?ダメだよ!本で口元を隠して上目遣いってこれオチてるよ!)
眼鏡っ娘「えと、それでね?……よ、よかったら私と友達に」
女「もうっ!背に腹はかえられない!」 ガタッ
女「ゴメン!私もう帰るから!うるさくしてゴメンねっ、それじゃ!」 ダッ
眼鏡っ娘「あっ、女さん!……図書室の本、持っていっちゃった」
眼鏡っ娘「ふふっ、図書カード私が書いといてあげなきゃ」 クスクス
レズ「 」
ーーーーー
ーーー
ー
女「ハァ、ハァ……ゲホッ……」
女「学校から家まで走ってきちゃった……死にそう」 ゼェゼェ
女「ちくしょう、まさか『みんなで騒ぐの初めて///→初めてのお友達』パターンだなんて……」
女「でもこれかわせないよ、『いま友達いるの?まさか私が初めて?』なんて聞けるわけないもん」
女「……あ、本持ってきちゃった。これは慎重に返さないと」
女「……ふぅ、いつまでも家の前でうじうじしてられないや。寒いし」
女「た、ただいまー……」 ガチャ
妹「!」
妹「おかえりっ、お姉ちゃーん!!」 ガバッ
妹「お姉ちゃーん!お姉ちゃーん!」 むぎゅー
女「う、うん、ただいま……ほら、制服着替えなきゃいけないから、離れて」 ぐぬぬ
妹「そだね!着替えここにあるから!」 バサッ
女「また私の部屋から勝手に持ってきたんだ……」
女「あ、あー、今日はその服の気分じゃないんだ!てことで自分の部屋で着替えるから!」 ガチャ
妹「わかった!じゃあ、私お手伝いするから……」 ススス
女「大丈夫だから!入らないで!」
バタン!
女「……ふぅ」
女(はぁ……妹はもうオチてる) ごそごそ
女(もうヤダ、家の中で休まるひまがない……) もぞもぞ
ジーッ……
女「……何だ、この……駆動音?」
女「あっ!まさか……!」 ガタッゴトッ
女「あった!ティッシュの箱に隠しカメラ!このっ!」 ガシャン!
「ちっ!」
女「ドアの前から舌打ちが……」
女「はぁ……私って何でこんなにモテるんだろ……女の子に」
ピンポーン
「お姉ちゃーん!お客さーん!」
女「お客?……はーい」 てててっ
委員長「ちょっと!アンタ鞄置きっぱなしで帰ったでしょ!下校時間まで教室で待ってたんだからねっ!」 バン!
女「ダメだ、もうオチてる」
おわり