1 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:28:03.54 pdzvvyzr0 1/43

「お、捨て猫だ」

捨て猫「ニャ~ン」

「虐待してやるとするか」

捨て猫「ニャン?」

「オラァァァァァッ!!!」



ドゴォッ!!!

元スレ
男「捨て猫がいるから虐待してやるとするか。オラァァァッ!!!」ドゴォッ!!!
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1515868083/

3 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:30:18.65 pdzvvyzr0 2/43

「オラァッ!」

バキッ!

「ダリャッ!」

ドゴッ!

「セイヤァァァッ!!!」

ベキィッ!

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……全部クリーンヒットしたぞ……」

捨て猫「……効かんな」

「ぐ……!?」

5 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:32:03.69 pdzvvyzr0 3/43

捨て猫「フォームが悪く、打撃に体重がまったく乗ってない」

捨て猫「そんなパンチじゃ、吾輩は到底倒せんよ。ガードするまでもない」

「……!」

「だったら蹴りで――」シュバッ

捨て猫「戦略も整ってないのに、安易に蹴りなど出すべきではない」ガシッ

捨て猫「蹴り足をつかまれ、転がされてしまう。簡単にな」グイッ

「うわっ!」ドサッ

7 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:34:08.34 pdzvvyzr0 4/43

捨て猫「さて、馬乗りになることができた」

捨て猫「通称“マウントポジション”だ」

捨て猫「この状態なら上の者は下の者をどうとでも料理できるが――」

捨て猫「とりあえず、パウンドで攻めようか」

ガッ! ゴッ! ガッ! ドカッ! バキッ!

「がっ! ぐあっ! ……うげっ!」

9 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:35:29.77 pdzvvyzr0 5/43

(ガードを固めなきゃ!)サッ

捨て猫「そうやってパンチを嫌がり丸まってしまうと、簡単に背後に回られてしまうぞ」ガシッ

「はうっ!?」

(チョークスリーパー……! 全然外れない……!)

捨て猫「さらばだ」ギュゥゥゥ…

(ああ……父、さん……)

…………

……

11 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:36:31.51 pdzvvyzr0 6/43

「……ん」

「――はっ!」ガバッ

捨て猫「目が覚めたか」

「俺は……負けたのか」

捨て猫「ああ」

「いや、違うな……“勝負”にすらなってなかった」

捨て猫「……」

「なぜだ……なぜ殺してくれなかったッ!」

13 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:38:08.31 pdzvvyzr0 7/43

捨て猫「やはり……死にたかったのか」

「そうだよ……」

「だから俺は≪世を捨てた猫≫といわれる最強の猫であるあんたに挑んだんだ……」

「虐待するという形で……」

捨て猫「勝つつもりでかかってきた相手ならば、敬意を表して殺してやったかもしれんが」

捨て猫「吾輩を首を吊る縄代わりにしようとする輩に、わざわざ死を与えてやるほど優しくはない」

「ぐっ……!」

14 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:39:24.39 pdzvvyzr0 8/43

捨て猫「なぜ死にたかったのだ?」

「あんたは自分から世を捨てたが……俺は逆だ」

「俺は捨てられた……! あの道場から……!」

捨て猫「破門か」

「そうだ。才能がないって……!」

捨て猫「そんなことで死を選ぶとは、あきれ果てた奴だ」

捨て猫「仮にお前の自殺がニュースになったとして、お前に同情する奴は誰もいまい」

「ぐっ!」

捨て猫「……道場だけに」

「うるせえよ!」

16 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:41:14.13 pdzvvyzr0 9/43

「俺には……俺にとっては、格闘技が全てだったんだよ!」

捨て猫「……」

「……」スッ

捨て猫「どこへ行く?」

「死に場所を……探しに」

捨て猫「待て」

「なんだよ?」

捨て猫「強くなりたいか?」

「!」

18 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:42:21.00 pdzvvyzr0 10/43

「強くなるって……どうやって!?」

捨て猫「吾輩が稽古をつけてやる」

「強くなれるのか!? 破門された俺なんかが!?」

捨て猫「そんなことは知らん。お前次第だ」

捨て猫「だが……死ぬためとはいえ、吾輩に挑んできた人間は数十年ぶりだった」

捨て猫「その命知らずさがあれば、あるいは強くなれるかもしれん」

捨て猫「やるか?」

「やります! やらせて下さい! 俺、絶対強くなってみせます!」

20 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:43:16.79 pdzvvyzr0 11/43

捨て猫「見たところ……」ジロジロ…

「!」

捨て猫「貴様は体が出来ておらんな。まずはダッシュだ」

「ダッシュ!? そんなことより稽古を――」

捨て猫「ダッシュにゃ!!!」

「!」ビクッ

「わ、分かりました……」

捨て猫「ついてくるがいい」サッ

21 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:44:12.16 pdzvvyzr0 12/43

タッタッタ……

「ハァッ、ハァッ、ハァッ!」

捨て猫「……」

(こんなハイペースでもう20kmは走ってるのに、全然スピードが落ちない……!)

(この猫のスタミナはどうなってるんだ……!?)

捨て猫「どうした! まだハーフマラソンの距離も走っていないぞ!」

「は、はいっ!」

24 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:45:02.89 pdzvvyzr0 13/43

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

(結局50kmも走らされた……! 死ぬ……!)

捨て猫「休んでる暇はないぞ。次は腕立て伏せだ」

「えっ!? 走ったばかり――」

捨て猫「強くなりたいのなら、早くやれ!」

「は、はいっ!」

「くっ、くっ、くっ……!」グッグッグッ…

25 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:45:50.67 pdzvvyzr0 14/43

捨て猫「腹筋!」

「はいっ!」グッグッグッ…


捨て猫「スクワット!」

「はいっ!」グンッグンッグンッ…


捨て猫「背筋!」

「はいっ!」グイッグイッグイッ…


捨て猫「そもそも体が硬すぎる! 柔らかくしてやる!」グイッ

「ぎええええええっ!」バキゴキボキメキ…

27 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:47:07.60 pdzvvyzr0 15/43

一ヶ月後――

「……」ムキッ

捨て猫「だいぶ体が出来上がったな」

捨て猫「では、このミットにパンチを打ってこい!」

「はいっ!」シュバッ

バシッ!

(おお、いいパンチが打てた!)

捨て猫「そうではない!」

「え!?」

28 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:48:36.88 pdzvvyzr0 16/43

捨て猫「拳の握ってる方を、外に向けて……」

「こうですか?」

捨て猫「そうそう。そのまま肘と手首のスナップを利用して殴る! これが最強の打撃だ!」

「バカな……こんな猫パンチで敵を倒せるわけないでしょう!?」

捨て猫「猫パンチをバカにするにゃ!」

「!?」ビクッ

捨て猫「……コホン、さあやれ!」

「は、はいっ!」

30 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:49:31.86 pdzvvyzr0 17/43

「でやっ! でやっ! でやっ!」

ベチッ! ベチッ! ベチッ!

捨て猫「そうじゃない! もっと全身を使え!」

「こうかっ!?」

ドゴォッ!!!

捨て猫「……!」ミシ…

「す、すごい威力が出た……!」

捨て猫「そう、これが“真・猫パンチ”だ」ニヤ…

33 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:50:54.58 pdzvvyzr0 18/43

ザッザッザッ……

「師匠、こんな山奥になんの用です?」

捨て猫「貴様も少しは上達したからな。スパーリングをさせてやる」

「おおっ、スパーリング! 誰とですか!?」

捨て猫「ヒグマだ」

「!?」

34 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:52:24.76 pdzvvyzr0 19/43

捨て猫「頼んだぞ」

ヒグマ「……ウス。あなたの頼みじゃ断れねえな」

捨て猫「よし、じゃあやれ」

「やれって……ヒグマと!? 死んじゃいますよ!」

捨て猫「心配するな、死ぬ前に止めてやる」

「いや……一撃で死んじゃったらどうすんですか! 死ぬ前もクソもないでしょ!」

捨て猫「いいから……やれっ!!!」

「は、はいっ!」

35 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:53:09.69 pdzvvyzr0 20/43

「いくぞぉっ!」

ドカッ! ガッ! ドカッ!

ヒグマ「ウガアアアアッ!」

「げえっ……全然効いてない!」

ヒグマ「ガァッ!」ブンッ

「ひいいいっ!」


捨て猫「もっと積極的に攻めろ!」


「無茶をおっしゃる!」

36 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:55:04.50 pdzvvyzr0 21/43

「はぁ、はぁ、はぁ……」

捨て猫「どうだった、ヒグマは」

「どうもこうもないですよ! 強すぎです! 筋肉と毛皮の塊って感じです!」

捨て猫「そう……だからこそ、格好の練習相手になるというわけだ」ニヤ…

「あの……」

捨て猫「ん?」

「師匠はあのヒグマに勝ったんですか?」

捨て猫「自分より実力が下の動物に従う野生動物がいると思うか?」

「……」ゾッ…

37 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:56:33.36 pdzvvyzr0 22/43

稽古は続き――

捨て猫「攻めろ! 爪と牙をかいくぐれ!」

「うおおおおおっ!」

ヒグマ「ガァッ!」シュバッ

(ギリギリでかわして――)

「猫パンチ!」

バキィッ!

ヒグマ「うぐっ……!」ヨロッ…

捨て猫「そこまで!」

38 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:57:24.51 pdzvvyzr0 23/43

ヒグマ「ナイスファイトだったぜ……」

「そちらこそ」

捨て猫「何日も特訓に付き合ってくれてありがとう」

ヒグマ「いやいや……こいつはきっといい格闘家になる。俺が保証するぜ」

「ありがとう、ヒグマさん!」

捨て猫「さ、次へ行くぞ!」

「次?」

捨て猫「陸の次は……海だ」

40 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 03:59:32.77 pdzvvyzr0 24/43

ザザァン……

「船で沖まで出て……どうするんです? 潜水で肺活量を鍛えるとか?」

捨て猫「お~い!」

サメ「なんだい、猫さん」ザバ…

捨て猫「こいつを鍛えてやってくれ」

サメ「あいよ!」

「え、ちょっと待って……まだ心の準備が……」

捨て猫「さあ、行ってこい!」ドンッ

「うわぁぁぁぁぁっ!」

ザバァンッ!

41 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:00:33.92 pdzvvyzr0 25/43

捨て猫「吾輩の弟子みたいなもんだが、だらけたとこがあったら食っていいぞ」

サメ「あいよ!」

サメ「シャアアアアアアッ!」グワッ

「ひいっ! 猫パンチ! 猫パンチ!」ザブザブ


捨て猫「どうだ、水中では陸とは勝手が違うだろう!」


「ちがいまふ!」ブクブクブク…

43 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:02:25.32 pdzvvyzr0 26/43

捨て猫「海の次は空だ」

「空……?」

(空ってことは鳥か? 鳥ならそんなに怖く――)

ワシ「クワァァァァァッ!!!」バッサバッサ…

(で、でけえ! 化け物鳥じゃねえか!)

捨て猫「すまないが、こいつを鍛え上げてやってくれ」

ワシ「了解した」ガシッ

バッサバッサ……

「ちょっ! どこ連れてくの? 助けてぇ~!!!」

44 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:03:26.20 pdzvvyzr0 27/43

「……」ビシッ

捨て猫「どうだ、陸海空で学んだ気分は?」

「海と空は必要あったのかな、と今でも疑問に思ってますが――」

「とても充実した気分です」

捨て猫「それでいい」

捨て猫「ではゆくぞ……これより吾輩と実戦スパーを行う」

捨て猫「それで及第点を取れたら、貴様を捨てた道場へ向かうぞ!」

「はいっ!」

46 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:07:01.45 pdzvvyzr0 28/43

……

…………

格闘家「せやぁっ!」シュバッ

武術家「でやぁっ!」ブンッ

道場主「……」

道場主「……む」ピクッ

格闘家「どうしました、師範?」



「たのもうっ!!!」

47 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:08:16.67 pdzvvyzr0 29/43

「……」ザッ

捨て猫「……」ザッ

武術家「……若!」

格闘家「これはこれは若、お久しぶりです」

「久しぶりだな、二人とも。色んな大会で優勝しまくってるそうじゃないか」

格闘家「これも全て師範のおかげですよ、若」

格闘家「それより、破門された方がいったいなんの用です?」

「……父さん」

道場主「なんだ」

「俺は道場破りに来た! 立ち合ってくれ!」

48 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:10:04.35 pdzvvyzr0 30/43

道場主「お前たち……」

格闘家「はい!」

武術家「はっ」

道場主「あの青二才の相手をしてやれ」

格闘家「へへへ、俺で終わらせてみせますよ。任せて下さい」

「……」

格闘家「若、一発で終わらないで下さいね」ニタニタ

格闘家「いくぜぇっ!」ダッ

「……」ヒュッ

パキッ!

格闘家「え……」ドザァッ…



武術家(なんだと!? 格闘家があんな軽い一撃で……!)

道場主「……」

49 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:11:30.16 pdzvvyzr0 31/43

武術家「若も腕を上げられたようですな。次は私が相手になりましょう」

武術家「はあっ!」ダンッ

シュバッ! ブンッ! シュババッ!

「……」


捨て猫(いい連続攻撃だ。さっきの奴より数段実力は上だな。しかし――)


(ヒグマの強靭さ、サメの鋭さ、ワシの素早さ、そして師匠に比べれば……)

ドゴォッ!

武術家「ぐ、は……っ!」ガクッ

「しょせんは人間レベルだ」

51 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:14:00.37 pdzvvyzr0 32/43

道場主「……よかろう、ワシが相手になろう」

「……お願いします」

捨て猫「……」

捨て猫(こいつ……強い。あれだけの修行をしたヤツでも、勝てるかどうか分からぬ)

捨て猫(しかし、弟子を信じぬ師匠は……おるまい!)

捨て猫「貴様なら勝てるにゃ!!!」

「はいっ!」

道場主「……さぁ、かかってこい!」ザッ

「本気でいきます!」

52 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:15:28.40 pdzvvyzr0 33/43

「ヒグマタックル!」ダッ!

道場主「ふんっ!」

ガシィッ!

(あっさりと受け止められた!)

「サメ頭突き!」シュバッ

ガツンッ!

道場主「ほう……」

(ほとんど効いてない!)

「ワシキック!」ズバッ

バシィッ!

(陸海空の必殺技、全て見切られた……!)

道場主(一連の攻撃……まるで野生動物と戦ってるような気分にさせられた)

53 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:16:40.65 pdzvvyzr0 34/43

道場主(だが、しょせんは模倣! 恐れるほどの技ではない!)

道場主「セイヤァッ!!!」

ズドンッ!

「ぐ……!」ミシミシ…

道場主「この程度では、ワシは到底倒せんぞ」

(とっておきを出すまでもなく勝てると思ったが、甘かった! さすが父さん!)

(だったら今こそ出すしかない!)

「猫パンチ!」ブオッ



ズギャアッ!!!

54 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:18:24.77 pdzvvyzr0 35/43

「ふ、防がれた……!」

道場主「これが最大の技か?」シュゥゥ…

道場主「ならばワシの勝ちだ!」

ドゴォッ!

「ぐ……!?」ミシミシ…

ズガッ! ドゴッ! バキィッ! ガッ! ズギャッ!

(重い……! これが父さんの……本気かッ!)


捨て猫(今のあやつではあれ以上の攻撃はない! ……ここまでか!)


道場主「破ッ!」

ドボォッ!

「げぼぉ……っ!」

58 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:20:17.39 pdzvvyzr0 36/43

道場主「トドメだッ!」ギュルッ

(後ろ回し――!?)


バキィッ!


(意識が……)グラッ…

(俺は……これで終わるのか……?)

(このまま終わったら――)

(ヒグマさん、サメさん、ワシさん……そして師匠に顔向けできん!)ダンッ

道場主「踏みとどまっただと!?」

捨て猫「おおっ!」

「まだだ、まだ俺は出しきっていないッ!」

60 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:22:26.42 pdzvvyzr0 37/43

(ヒグマの如きパワーで腕を振るい!)ブオンッ

(サメのような体さばきで空気をかき分け!)ザバッ

(ワシのようなスピードで敵に接近する!)ギュンッ

道場主「ぬ!?」

「これがッ! 陸・海・空・猫パンチだぁぁぁぁぁっ!!!」


ドゴォォォォォンッ!!!


道場主「ぐはぁぁぁ……っ!」

61 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:24:26.98 pdzvvyzr0 38/43

「父さん……」

道場主「ぐぅぅ……み、見事だ……」

捨て猫「貴様……敗れはしたが、一道場の主に相応しい素晴らしい戦いぶりだった」

捨て猫「しかし、解せんことが一つだけある」

捨て猫「貴様ほどの男なら息子の素質や情熱に気づかなかったはずがない」

「え……」

捨て猫「なぜ、きちんと鍛錬してやらなかった? なぜ、破門してしまったのだ?」

道場主「決まってるだろう……」

格闘家「……」

武術家「……」

62 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:27:53.23 pdzvvyzr0 39/43

道場主「息子を危ない目にあわせたくなかったからだようっ! 格闘技なんかやらせたくなかった!」

捨て猫「!?」

道場主「だからわざとあまり稽古つけずに、破門にしたのに……!」

格闘家「若、すんませんでしたっ!」

武術家「申し訳ありません!」

「え!?」

格闘家「俺たちも若の破門には大反対だったんですけど、師範にどうしてもと頼まれて……!」

武術家「冷たくしなきゃお前らも破門、と脅されて……」

道場主「そうだよぉ! こいつらときたら、“若には才能があるから”ってうるさくてさぁ!」

道場主「才能なんか関係ねえんだよ! とにかく危ない目にあわせたくなかったんだよっ!」

「……」

63 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:28:58.60 pdzvvyzr0 40/43

捨て猫「このバカ」ベチッ

道場主「うっ!」

捨て猫「息子が可愛い気持ちは分かる。だがいい加減……子離れしろ」

道場主「……はい」

道場主「これからは息子に道場を譲り、ワシは隠居させていただく」

「ありがとう……父さん」

67 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:31:18.41 pdzvvyzr0 41/43

捨て猫「では、吾輩はこれで失敬するとしよう」

「待って下さい! もっと教えを!」

捨て猫「もう貴様に教えることはない……これからは自分で腕を磨いていけ」

「しかし!」

捨て猫「免許皆伝にゃ!!!」

「……!」

捨て猫「……コホン。吾輩はこの世の片隅で貴様の武名が轟くのを待っているぞ」

「師匠……ありがとうございましたっ!!!」ガバッ


………………

…………

……

68 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:33:03.44 pdzvvyzr0 42/43

こうして、男は二代目の道場主となり――

武術家「師範、門下生が揃いました」

「……よし」

「通常の突き100本と、猫パンチ100本……始めっ!!!」



格闘家「オスッ!」

武術家「オスッ!」

「オスッ!」 「オスッ!」 「オスッ!」 「オスッ!」 「オスッ!」 「オスッ!」

69 : 以下、5... - 2018/01/14(日) 04:35:08.22 pdzvvyzr0 43/43

そして、猫はというと――


捨て猫「ニャ~ン」


今日も捨て猫として、新たな挑戦者(つわもの)を待ち続けている……。







― 終 ―

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