1 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:10:21.43 J5xu4NeO0 1/61


キョン「あん?」

ハルヒ「こういうのを言うらしいのよね」

キョン「!!」

キョン「冗談はやめろ」

キョン「マジ危ないって!」




元スレ
ハルヒ「レールガンって知ってる?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1301051421/

5 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:12:59.63 J5xu4NeO0 2/61


キョン「それが本物じゃなかったとしてもビビるって」

キョン「だから、よせ!」

ハルヒ「ふふん。何よキョン。ビックリした?」

キョン「何なんだ、何なんだよ……」

ハルヒ「あたしのことは今日からレールガン、もしくは第三位って呼ぶこと」


ハルヒ「いいわね!」



6 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:14:50.49 J5xu4NeO0 3/61


古泉「これは困ったことになりましたね」

キョン「お前……いたのか」

古泉「ええ。これは異常事態です」

古泉「さっきのご覧になりましたか?」

キョン「あの状況で見ていないわけがなかろう」



12 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:18:35.13 J5xu4NeO0 4/61


古泉「涼宮さんはレールガンと呼んでいましたが」

キョン「何なんだあれは」

古泉「超電磁砲ですよ」

古泉「理屈はリニアモーターカーと一緒です」

古泉「超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す艦載兵器のことなんですが」

古泉「涼宮さんは自らそれを打ち出している」



15 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:22:16.57 J5xu4NeO0 5/61


キョン「俺が聞きたいのはそこじゃない」

キョン「何でハルヒはあんなことができるんだ」

古泉「涼宮さんの力のせいですよ」

キョン「またあの力か」

古泉「それ以外考えられないでしょう」

古泉「とても人間業とは思えません」



16 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:26:23.24 J5xu4NeO0 6/61


キョン「ハルヒは現に実現しちまってるがな」

古泉「それが涼宮さんの力ですから」

キョン「今度は何だ。艦載兵器でドンパチやる映画にでも影響されちまったのか?」

古泉「いえ、とある小説によるものです」

キョン「とある小説?」

古泉「ええ、文字通り」



21 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:32:13.60 J5xu4NeO0 7/61


キョン「小説……戦争物か?ハルヒの力で第三次世界大戦が起こらなけりゃいいが」

古泉「それが違うんですよ。その小説でWWⅢは起こっていますが」

古泉「あれは超能力です」

キョン「超能力?じゃああれか、ハルヒはお前たち『機関』の仲間入りしちまったってわけか?」

古泉「私の能力とは違います。もっと強大で、恐ろしいものです」



25 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:37:06.53 J5xu4NeO0 8/61


古泉「その小説では学生たちに超能力を科学的に発現させる研究が行われているんです」

キョン「なんとも夢のある話だな」

古泉「胸が躍りませんか?」

キョン「……」

キョン「その小説の話を続けろ」



28 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:44:30.88 J5xu4NeO0 9/61


古泉「はい。涼宮さんはその小説に登場するあるキャラクターに自己投影してしまったようなんです」

キョン「そのキャラクターが使う超能力ってのがさっきのやつか」

古泉「その通りです」

古泉「そのキャラクターの性格が涼宮さんに似ているところがあり」

古泉「そこに共感したのかもしれません」

キョン「どんな性格なんだ?」

古泉「それは、今は置いておきましょう」



34 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 20:52:37.08 J5xu4NeO0 10/61


古泉「発電系の能力なんですがその強大さが先ほどのような砲撃を可能にしているんです」

古泉「その小説の理屈では超能力の発現には自分だけの現実、パーソナルリアリティというものが重要なんですが」

キョン「なんだそれは」

古泉「自分の中の世界、とでも言いましょうか」

古泉「とにかく超能力者はその自分の中の世界にある法則を現実の世界に持ち出すことができるんです」

古泉「そして今の涼宮さんは小説のキャラ同様、電気の他に電磁波、磁場などを操る力を持っています」




36 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:00:31.03 J5xu4NeO0 11/61


キョン「しかしだな、それは随分とマシになったんじゃないか」

古泉「と、いいますと?」

キョン「今までは世界の改変だなんだとお前は叫んでいたな。挙句の果てには『神』だとか」

古泉「ええ」

キョン「ハルヒの中の常識が自分の力を発揮させるのを防いでいたということだったが」

キョン「それがだ、電気を操るぐらいのもんになったんだ。これはスケールダウンだろ?」

古泉「そう捉えることも可能です。極めて楽観的ですが」



38 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:07:26.49 J5xu4NeO0 12/61


キョン「どういうことだ?」

古泉「今の涼宮さんはそのキャラクターに自己投影しているだけに過ぎないため影響も最小限で済んでいます」

古泉「しかし、涼宮さんがそれに飽き足らず小説の世界に完全に陶酔してしまったら」

キョン「少年少女が超能力を使うファンタジー世界の完成ってわけか」



40 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:10:36.90 J5xu4NeO0 13/61


古泉「いえ、それだけじゃありません」

古泉「魔術というものが世界中に普通に存在するものになってしまうんですよ」

キョン「なんなんだよそれは」

古泉「小説の中の話です。それも置いておきましょう」

古泉「我々はその先も考えています」



42 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:13:58.65 J5xu4NeO0 14/61


古泉「魔術や超能力が存在する世界を現実に作りだした涼宮さんはおそらく悟るでしょう」

古泉「自分の持っていた力を」

キョン「……」

古泉「自分だけの現実を具現化できるという認識が涼宮さんに本来の力を自覚させる呼び水になる可能性が高い、と我々は考えています」

キョン「小説の世界を超えて更にハルヒ中心の好き勝手な世界になるってことか」

古泉「はい。涼宮さんが自らの常識を超えてその小説の世界を作り出したとしても、まだ小説の枠内に収まっています」

古泉「しかし、それを超えてしまったら……想像もつきませんね」




44 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:18:48.59 J5xu4NeO0 15/61


キョン「確かに恐ろしいな」

古泉「まさしく、『新約』の世界です」

キョン「何のことだ?」

古泉「小説の話ですよ」



47 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:24:23.10 J5xu4NeO0 16/61


キョン「どうすりゃいいんだ。あいつに所詮小説の話だって言うか?」

古泉「それは無駄だと思います。今の涼宮さんはまだそこは割り切っています」

古泉「しかし、時間はないかと思います。急がなければ」

古泉「涼宮さんはキャラクターと自らを同一のものとする幻想を抱いています」

キョン「どうすんだよそれで」

古泉「簡単です」

古泉「幻想を殺してしまえばいいんですよ」



51 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:30:15.41 J5xu4NeO0 17/61


キョン「幻想を……殺す……?」

古泉「はい。私は先ほど影響は最小限だと言いました」

古泉「その最小限の中にはあなたも含まれています」

キョン「なんだと!?」

古泉「そうですよね、長門さん」




53 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:34:57.89 J5xu4NeO0 18/61


キョン「長門……どういうことだ」

長門「涼宮ハルヒは十日前この世界に存在しえない物理法則を操り始めた」

長門「涼宮ハルヒの力は日に日に大きくなっていった」

長門「情報統合思念体は新たな情報爆発を期待した」

長門「しかし、一定値以上の情報の拡散は観測されなかった」



57 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:41:32.59 J5xu4NeO0 19/61


長門「ある別の力によって涼宮ハルヒの力は打ち消されていることがわかった」

キョン「別の力……?」

長門「それが、あなたの右手」

古泉「今、あなたの右手には涼宮さんの力を打ち消す能力があるんです」



60 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:46:56.40 J5xu4NeO0 20/61


キョン「はあ。どうして俺なんだ。……不幸だ」

古泉「早速影響が現れているみたいですね」

古泉「いいじゃないですか。涼宮さんを幻想の世界から現実へと救い出す、これはちょっとしたヒーローですよ」

キョン「ふざけてんのか」

古泉「冗談です」



61 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:50:48.41 J5xu4NeO0 21/61


キョン「で、だ。この右手をどうすればいい」

古泉「おそらく、朝比奈さんが鍵になってきます」

キョン「朝比奈さん?そういえば朝比奈さんはどこにいるんだ?」

古泉「朝比奈さんは今、逃げ回っています」




64 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 21:55:38.99 J5xu4NeO0 22/61


キョン「なんだって?」

古泉「彼女もまた涼宮さんの力によって超能力を手にしてしまったのです」

キョン「いったいどんな能力だ?」

古泉「朝比奈さんは今、男性を一方通行に惹きつける力を手にしてしまっています」



66 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:03:41.91 J5xu4NeO0 23/61


キョン「じゃあ男たちから逃げ回っているというわけか」

古泉「ええ。そして涼宮さんはその力があなたに働いてしまうことを恐れている」

古泉「涼宮さんは朝比奈さんの力の強さに無力感を覚え、先ほどの力を振るおうとしているのです」

キョン「なんてこった。俺は朝比奈さんをどうすりゃいいんだ?」



68 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:10:35.17 J5xu4NeO0 24/61


古泉「おそらく、あなたが右手で朝比奈さんに触れれば彼女の力は無くなるでしょう」

古泉「そしてあなたは朝比奈さんに触れつつも、彼女に惹かれているわけではないことを涼宮さんにアピールしなければなりません」

キョン「随分と回りくどいな。ハルヒに触れるだけじゃだめなのか?」

古泉「やはり小説のキャラに自己投影している以上、小説内のシーンに従うことが必要かと」

古泉「ですから、朝比奈さんのことは触れるというより殴る必要があります」



69 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:14:58.81 J5xu4NeO0 25/61


キョン「あ、朝比奈さんをか!?」

古泉「仕方がありません。この世界のためですから」

キョン「はあ、とんでもないことになっちまった」

古泉「朝比奈さんを殴った後、涼宮さんの方を向き、こう言って下さい」

古泉「お前とお前の周りの世界は俺が守る、と」



70 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:20:12.23 J5xu4NeO0 26/61


キョン「……何だそれは?」

古泉「台詞ですよ」

古泉「涼宮さんがなりきっているキャラがおそらく最も幸福を感じた台詞です」



74 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:27:33.52 J5xu4NeO0 27/61


古泉「それをあなたの口から発することでその幸福を涼宮さん自身に体験させるんです」

古泉「あなたがそう宣言することで涼宮さんは元の世界に戻してくれますよ」

古泉「そんなあなたがいる元の世界に涼宮さんは少なからず憧れを抱いているはずですから」

古泉「そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう」



76 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:32:07.94 J5xu4NeO0 28/61


キョン「よくわからんがまあいい。ハルヒのとこへ行くぞ」

古泉「それはいけません」

キョン「なぜだ?」

古泉「シチュエーションというものが大事なんですよ」



77 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:37:15.91 J5xu4NeO0 29/61


長門「今から四時間三二分後、学校のグラウンドに朝比奈みくるが現れる」

長門「そこへあなたが対峙したところで涼宮ハルヒも現れる」

古泉「その時が勝負です」



78 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:40:27.58 J5xu4NeO0 30/61


キョン「おいおい、夜じゃねえか」

古泉「小説でも夜ですし、他の人がいないことを涼宮さんなりに考慮したのでしょう」

古泉「では解散としましょうか。時間の方、お忘れなく」

古泉「期待しています」



79 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:43:22.06 J5xu4NeO0 31/61


キョン「まったく、なぜ俺なのだ」

キョン「くそっ、家に帰ってひと眠りするか」

みくる(大人)「キョンくん」

キョン「あ、朝比奈さん」



80 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:46:24.51 J5xu4NeO0 32/61


みくる(大人)「今日この後、わたしのことを殴りに行くんでしょう?」

キョン「はい……すいません」

みくる(大人)「いいの。今では充分大事なことってわかってるから」

みくる(大人)「でもね、この時代のわたしは気が小さいから」

みくる(大人)「殴る前に優しい言葉をかけてくれないかな?」



81 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:50:49.98 J5xu4NeO0 33/61


キョン「わかりました。ただ殴るんじゃ俺も申し訳ないですし」

みくる(大人)「あ、それからもう一つ」

キョン「何ですか?」

みくる(大人)「あまりこの時間にとどまれないの。だから手短に言います」

みくる(大人)「インデックスって、知ってます?」



83 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:54:21.47 J5xu4NeO0 34/61


キョン「目次か何かですか?」

みくる(大人)「禁書目録のことなんだけどね、最後に涼宮さんに触れる時この言葉を思い出してほしいの」

みくる(大人)「とある小説に出てくるキャラクターなんだけど」

キョン「はあ」



85 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 22:59:10.16 J5xu4NeO0 35/61


みくる(大人)「古泉くんのだけだと、足りない気がするから」

みくる(大人)「小説を超えた幸福をあげないと」

みくる(大人)「ヒントだと思って。これがわたしの精いっぱい」




86 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:04:00.65 J5xu4NeO0 36/61


キョン「ええ。覚えておきますよ」

みくる(大人)「じゃあ、もう行きます」

みくる(大人)「最後にもう一つだけ。わたしに容赦しないで。世界のためだから」

キョン「俺も一つ教えてください!」

キョン「俺が朝比奈さんの能力で朝比奈さんに惹かれてたら、どうしてました?」

みくる(大人)「禁則事項です」



87 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:07:42.13 J5xu4NeO0 37/61


キョン「時刻は午後八時三十分」

キョン「ふむ……朝比奈さんは、いるな」

キョン「怯えていらっしゃる。さぞかしひどく追いかけまわされたのだろう」

キョン「よし、行くか」



88 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:13:57.04 J5xu4NeO0 38/61


みくる「きょ、キョンくん!」

キョン「こんな時間に何してるんですか」

みくる「助かりましたぁ!」

みくる「聞いて下さい。今日一日中男の人に追いかけまわされて……」

みくる「どこへ行っても次々に違う男の人が追いかけてきたんです」



91 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:19:21.57 J5xu4NeO0 39/61


キョン「それはそれは大変でしたね」

みくる「だからキョンくんがきてくれて本当に!」

キョン「朝比奈さん!あんまりこっちに近づかないでください!仲良くしているのを見られると――」

ハルヒ「止まりなさい、みくるちゃん!」



93 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:23:19.39 J5xu4NeO0 40/61


みくる「ふええ!? 涼宮さん、電気が頭からバチバチ……」

キョン「やめろ、ハルヒ!」

ハルヒ「何でよ。キョンは何してるのよ」

キョン「いいからその手を下ろせ!」

ハルヒ「やだ」



94 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:26:31.63 J5xu4NeO0 41/61


キョン「そんなもん撃つな!」

ハルヒ「……」

キョン「ハルヒ!」

ハルヒ「や、めて」

キョン「朝比奈さんに手を向けるな!」

ハルヒ「やめて、よ」

ハルヒ「何よ!あんたまでみくるちゃんに惹かれちゃったの!?」



96 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:31:34.23 J5xu4NeO0 42/61


キョン「違う!」

ハルヒ「じゃあ何だっていうの!?」

キョン「ここは、俺に任せろ」

ハルヒ「無理よ、そんなの……」

ハルヒ「そんなことしたらキョンは自分を止められない」



98 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:47:36.52 J5xu4NeO0 43/61


ハルヒ「私は直接みくるちゃんの能力を見たのは一度しかないわ」

ハルヒ「けど、たったそれだけでも分かる」

ハルヒ「みくるちゃんの能力は鳥肌が立つぐらいなのよ」

ハルヒ「みくるちゃんと向かい合った男は、もう勝ちと負けの混在する勝負にならない」

ハルヒ「みくるちゃんにとって男ってのは、ワンサイドゲームする相手なんだから」

キョン「あいつは何を語っているんだ……?小説の台詞か?」



100 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:53:46.95 J5xu4NeO0 44/61


キョン「まあいい」

キョン「俺なら、大丈夫だ」

ハルヒ「なに、言ってんの?」

キョン「俺の右手は――」

ハルヒ「無理よ、あんたはみくるちゃんの力が分かってないからそんなことが言えるだけなのよ!」



101 : 以下、名... - 2011/03/25(金) 23:57:53.95 J5xu4NeO0 45/61


ハルヒ「あんな、世界中の男を前にしてそのすべてを惹きつけてしまうような――」

ハルヒ「マンガに出てくる反則じみたヒロインみたいなヤツと正面から向き合おうなんて考えがもうおかしいんだってば!」

ハルヒ「次元のずれた存在って考えた方がいい。ハナから反則な人間」

キョン「ああ、朝比奈さんになんてことを言うんだ。あながち外れちゃいないが」

キョン「しかし、完全になりきってるな……よし」

ハルヒ「あんな化け物に――」

キョン「大丈夫だって言ってんだろ!」

ハルヒ「っ……」



106 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:11:18.47 r9Dh8fZl0 46/61


キョン「……ふざけやがって」

キョン「ざっけんなよテメェ!」

キョン「ナメた事言いやがって、人を勝手に値踏みしてんじゃねえ!」

キョン「朝比奈さんの魅力?一方通行に惹きつける力?」

キョン「確かにスゲェな」

キョン「とんでもねー力だし聞いた今でも信じらんねえような荒唐無稽な能力だよ」


107 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:16:36.99 r9Dh8fZl0 47/61


キョン「だけどな」


キョン「たった、それだけなんだろ?」


ハルヒ「キョン……」

キョン「見くびってんじゃねえ」

キョン「たかだか能力ぐらいで俺の気持ちが揺らぐと思ってんのか!」

キョン「ざっけんなよ」

キョン「んな程度の覚悟ならハナからこんなとこにきてねーんだよ!」


109 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:22:38.71 r9Dh8fZl0 48/61


キョン「――はっ!?」

キョン「い、いかん……気持ちが入ると何かに身体が乗っ取られるように……」

キョン「これも……ハルヒの力の影響なのか?」

キョン「くっ……また――」




110 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:31:15.81 r9Dh8fZl0 49/61


キョン「――身体の内側と外側から……何かが――」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「……何?」

キョン「俺はなんだかんだ言いながら今までの暮らしがけっこう好きだったんだな」



キョン「……この世界が『神様』の思った通りに動いてるってんなら――」

キョン「――まずは、その幻想をぶち殺す!」


111 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:34:43.26 r9Dh8fZl0 50/61


ハルヒ「ちょっとキョン!」

ハルヒ「『神様』って何!?」

ハルヒ「誰の事なの!?」

キョン「下がってろ!」

ハルヒ「――! ……うん」

キョン「――はっ! 戻ったか……」

キョン「ハルヒも静かになったようだ」

キョン「また乗っ取られる前に、やるか」


112 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:42:30.96 r9Dh8fZl0 51/61


キョン「大人の朝比奈さんの言いつけを守るためにも冷静でいなきゃな」

キョン「ハルヒも大人しくこっちを見ていることだし」

キョン「もう乗っ取られるわけにはいかねえな」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「……何よ」

キョン「ちゃんと見てろよ」



113 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:48:39.01 r9Dh8fZl0 52/61


キョン「朝比奈さん」

みくる「ふえ?どうしたんですかキョンくん……怖い顔して」

キョン「すいません」

みくる「えっ?」

キョン「……行きます」

みくる「ふええええええええええええええ!?」

ハルヒ「はっ!」



114 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 00:55:44.91 r9Dh8fZl0 53/61







ハルヒ「あたしが言わなきゃ」







119 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:06:59.64 r9Dh8fZl0 54/61


ハルヒ「歯を食いしばれよ、最強――」

キョン「朝比奈さん、ごめんなさい」

みくる「?」

ハルヒ「――キョンの最弱は」

キョン「正直、たまりません」

ハルヒ「ちっとばっか響くぞ!」

みくる「ふわぁぁああああああああああああん!」



120 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:09:37.27 r9Dh8fZl0 55/61


キョン「はぁ、はぁ……本当に、殴っちまった」

みくる「ぐすっ……キョンくんのばかぁぁあああああ!」

キョン「あ、行ってしまわれた……」

ハルヒ「キョン……」



121 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:15:14.68 r9Dh8fZl0 56/61


キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「あれを言うのか……」

キョン「よくよく考えてみればかなり恥ずかしい台詞なんじゃないか?」

キョン「仕方がない……のか」

キョン「朝比奈さんを殴ってしまったんだ、最後までやらにゃならんな」


キョン「なあハルヒ」

ハルヒ「な、何よ」

キョン「お前とお前の周りの世界は俺が守る」

ハルヒ「っ!」



122 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:21:24.83 r9Dh8fZl0 57/61


キョン「まだ頭から電気出してやがる……そうか触れなきゃならないんだったか」

キョン「!?」

キョン「頭に……何かが流れ込んでくる……!」

キョン「さっきのとは……違うな」

キョン「これは……長門か!?」

長門「あなたに賭ける」

長門「10万3000冊の魔道書図書館」

長門「>index」



123 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:28:26.07 r9Dh8fZl0 58/61


キョン「不等号と、インデックス……忘れていた。しかし、不等号ってのは……」

古泉『そして涼宮さんに歩み寄り、触れながら可愛いとでも褒めればいいでしょう』

みくる(大人)『とある小説に出てくるキャラクターなんだけど』




124 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:34:05.77 r9Dh8fZl0 59/61


キョン「……そうか……よし」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「……何よ、頭撫でたりして」


キョン「インデックスより可愛いぞ」


ハルヒ「――――」




125 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:36:38.72 r9Dh8fZl0 60/61


キョン「ふう。治まったか」

ハルヒ「ふふっ」

キョン「なんだよ。何笑ってやがる」

ハルヒ「うっさいわね」

キョン「お前が笑う時にはろくなことにならん」

ハルヒ「あたし、大事なことに気づいたの」

キョン「ほう」

ハルヒ「だから、この世界が案外捨てたもんじゃない気がしてきたわ」



126 : 以下、名... - 2011/03/26(土) 01:40:08.47 r9Dh8fZl0 61/61


キョン「そいつはよかったな」

キョン「で、何に気づいたというんだ?」

ハルヒ「何でもいいでしょ。どっか行きなさいよ」

キョン「そうかよ。じゃあ俺は行くぞ」



ハルヒ「――キョンは」



ハルヒ「ずっと名前で呼んでくれてたな」



THE END



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