テロリスト「「「この列車は俺たちがハイジャックした!!!」」」【前編】
テロリスト「「「この列車は俺たちがハイジャックした!!!」」」【中編】

512 : 以下、名... - 2017/12/30 18:53:55.89 XYoaSOkX0 499/602

魔王「アポ○といえば、き○この山や、たけ○この里の製造方法の元となったというお菓子」

そーなの?


ドライ・ブラー、名前意味あったんだな
戦場になって廃墟になって戦艦になって空飛んで…
他の乗客達は驚いているだろうな

513 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:01:22.03 ZeTj+wVPo 500/602

らしいですね、公式ホームページに載ってあります。

それでは、最終章「薄明」を開始します。
100レスほどの予定です。

514 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:01:59.37 ZeTj+wVPo 501/602

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515 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:02:30.72 ZeTj+wVPo 502/602

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516 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:02:57.68 ZeTj+wVPo 503/602



――1号車【展望車・前】


副運転士「発進してから、かれこれ二時間は撃ち合っていますが……」

運転士長「一向にラチが開かないな」


黒コート「一気に突撃してアポ○富士山を沈黙させるコトは出来ないのか?」

仮面の男「不可能だね」


仮面の男「叩くとすれば、火山弾やら一切合切を放っている火口だが……」

仮面の男「あまり火口に近づきすぎると、艦全体を覆うシールドが破壊される」

仮面の男「だからこうして中距離からチマチマと砲撃せざるを得ないんだ」

517 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:03:23.54 ZeTj+wVPo 504/602



冥王「さすがに火砕流や土石流は空中に飛んでこおへんやろうし」

冥王「エンマ帳に書かれとることが実行されるとしたら、原因は十中八九、火山弾やろうからなあ」

車掌「防護シールドを放棄して、特攻に転じるコトは……」

車掌「アポ○富士山にみすみす弱点を晒すも同じ……」

黒コート「それで決め手に欠ける攻撃を続けざるを得ない、というワケか」

革ジャン「くそっ。しゃらくせえな」


運転士長「……だが、そう悠長なコトを言っていられる状況でもなくなったようだぞ」

副運転士「え?」

運転士長「窓の外を見てみなさい」

518 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:03:50.89 ZeTj+wVPo 505/602



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副運転士「あれは、アポ○富士山の向こうに見えるのは……」

車掌「朝日……!!」

魔王「くそっ、タイムリミットが迫ってるってコトかよ!」

519 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:04:17.77 ZeTj+wVPo 506/602



冥王「さっきも言うたとおり、朝日が昇りきれば、冥界での一日は終わりです」

冥王「となれば、今日の分のエンマ帳の事項は確定。わてらの敗北や」

魔王「そういうワケにはいかねえだろうがぁッ! この列車の乗員乗客の命がかかってんだぞ!?」

副運転士「魔王さん……」

白ドレス「ふむ……」


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副運転士「っ……?」

運転士長「こ、今度はなんだ!?」

520 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:04:49.42 ZeTj+wVPo 507/602



ピー ピー

仮面の男「警報アラーム……? この反応は甲板からか」

仮面の男「今の音は、この艦の甲板に火山弾が直撃した衝撃音らしいが」

仮面の男「どうやらそれだけではないらしい」


副運転士「それだけではない? とは……」

車掌「直接甲板に出て確認したほうが早いでしょう。皆さん、ついてきていただけますか?」

桜色の女「承ったでござるよ」

冥王「甲板は元の1号車の屋根の部分。つまり、この上の大穴を抜けた先や」

仮面の男「ああ、ただし運転士長と副運転士くんはココに残ってくれ。オペレーターが必要だ」

521 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:05:17.19 ZeTj+wVPo 508/602



――アポ○富士山 甲板


車掌「っ……。何だ、コイツら……!?」


アポ○モンスターたち「「「アポ○、ポ○ポ○ポ○―――!!!」」」


執事「甲板に着弾したアポ○型の火山弾が意思を持って動き出している!?」

教授「きもちわるっ!」

剣使い「だが……。コイツらがアポ○富士山の子機だってのなら、放置するのはマズいんじゃねぇか?」

弓使い「そうだね。今にも、襲いかかってきそうな感じだし」

銃使い「敵? なら、倒す」

522 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:05:44.55 ZeTj+wVPo 509/602



桜色の女「この列車には一飯の恩義もある。その借り、ここで返すでござるかな」

キノコ頭「おい! お前たちが持っている余りの弾薬はあるか? あるなら貸せ!」

車掌「仕方がありませんね。格納庫から持ってきた予備の弾薬ですが、良ければ」

族長「チョコなど炎で溶かせば消える。何、造作もあるまいよ」


ヒーロー「元来ヒーローとは孤独に戦うモノなのだがなっ! とうっ!」ドゲシ

アポ○モンスター「ポ○ポ○ポ○―――!」

革ジャン「ちっ、数が多いのが面倒だな。センパイ、バイクで轢き殺せねえか!?」バンバンバン

黒コート「バイクならさっき1号車に激突してオシャカだ」

小型メカ「何か奴らを一掃できる手段でもあればいいのですが……」

523 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:06:12.21 ZeTj+wVPo 510/602



料理長「この一戦に乗客の命が懸かっている、か……。責任重大だね」

マスター「―――我が腕よ。お前は、この時のために、俺と共にいたのか?」

フロント「では、私は使い慣れたハルバードで……。ふふ、この子もうずいています」


魔族A「あれ……? そういえば、魔王さまはどこに?」

テロリストA「冥王や、白の大天使とかいうのもいないな」

ウェイター「冥王さんなら、1号車に残って士長たちと話してるのを見たぞ?」

ウェイトレス「待って……。なんだろう、アレ。空の上」


車掌「……っ! あ、アレは――――――!?」

524 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:06:43.68 ZeTj+wVPo 511/602



――1号車【展望車・前】


副運転士「―――“ドライ・ブラー砲”?」


冥王「ああ。言うたやろ? ―――この艦の、とっておきの切り札」

冥王「12号車の“最強の兵器”こと魔力塊のエネルギーを利用した、特大ビーム砲や」

運転士長「魔力塊のチカラを使えば、そんなコトが……」

冥王「発射位置は船首から。火山の火口かて吹き飛ばせる、文字通りの必殺の一撃や」


冥王「せやけど、撃てるのは、一日一回。魔力塊の魔力供給量から言うて、それ以上は無理」

冥王「溜めの時間も大量に食う、つまりイチかバチかの秘蔵っ子いうわけや。どや、使ってみるか?」

525 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:07:34.48 ZeTj+wVPo 512/602



白ドレス「使ってみるも、何も。やるしかないでしょう!」

副運転士「本気ですか!?」

仮面の男「キマリだね」


白ドレス「そうと決まれば、まおーちゃん、冥王くん! 行くよ!」

魔王「は? 行くってどこに!?」

白ドレス「アポ○富士山の上空だよ。私たちで、ドライ・ブラー砲を撃つための隙を作る必要がある!」

冥王「我ら三界の力を以てすれば、不可能ではありまへんか。さて、わても本気出しますかな」

仮面の男「役者は揃った! これよりドライ・ブラー砲でアポ○富士山を沈黙させる! 最後の戦いだ!」

副運転士「えぇ……。どうなっても知りませんよーっ!!?」

526 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:08:01.65 ZeTj+wVPo 513/602



――アポ○富士山 上空


魔王「よ……っと!」


魔王「ひゅう、いい眺め! これが富士山頂から見るご来光ってやつか!」

冥王「そのご来光を、山頂で待っていた人々は……。すべて避難を終えたはりますか」

冥王「ならば、わても本気を出せるいうもんです」


魔王「あれ? そういや、お前が戦ってるところは見たコト無いな。どうやって戦うんだ?」

冥王「ふふ……。冥界の王とは、死の管理者。決定権は無くとも、裁決は絶対です」

冥王「で、あれば。飛んでくる火山弾を“殺す”ことくらい、造作もありまへんよ」

527 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:08:28.68 ZeTj+wVPo 514/602



白ドレス「おおーっと! 私もいるよー」

スイーッ


魔王「おうおう。見事に翼もがれてんなあ。ラウンジのマスターは強かったろ?」

白ドレス「なに、彼、まおーちゃんの知り合い? どーりで殺意むき出しだと思った!」

白ドレス「だったら君から言っておいてよ! 天界の神々や天使は、もっと敬えって!」

魔王「ははは。俺たちは、その恩恵以上に、メイワクかけられてるコトのほうが多いからな」

白ドレス「むう! じゃあちょっと、大天使っぽいとこ、見せちゃおっかな!」

白ドレス「しっかし、ラウンジの彼。この事態を見越して乗せるとは。まおーちゃんも抜け目が無いなあ」

魔王「何……?」

528 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:08:56.81 ZeTj+wVPo 515/602



白ドレス「じゃあ、おしゃべりはこのへんで! さっそく攻撃を仕掛けるとしますか!」


白ドレス「いと高き天界の神々よ! この白の大天使の声に応え、天雷を授けたまえ!」

白ドレス「え? 自分たちの山に雷落としたくないって? 知らなーい! そーれっ、自業自得だー♪」

ドシャァァァァン!!!


魔王「うおっ、始まったか……。じゃあ、俺も負けていられねえな!」

魔王「碧夕の名の下に命じる! 光よ此処に、舞い戻れ! 以下略! おらあっ!!」

ドドドドドン!!!


冥王「やれやれ……。お二人さん、やることが派手ですなあ……」

529 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:09:23.31 ZeTj+wVPo 516/602



――アポ○富士山 甲板


車掌「魔王と冥王と大天使の、お三方が上空で火山弾を迎撃している!?」

教授「あれが神々に準ずる者たちの本当のチカラってワケか……!」


アポ○モンスターたち「「「アポ○、ポ○ポ○ポ○―――!!!」」」バッ

剣使い「よっと! コッチの戦いも、大変なんだけどなっ!」キン

弓使い「ちょっと目ざわりだよ! そらっ、一斉掃射!!」ババババッ

アポ○モンスターたち「「「ポ○ポ○ポ○ポ○ポ○ポ○ポ○!!?」」」

執事「チャンスだ、アポ○たちの動きが止まりました! 仕留めるなら今です!」

530 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:09:50.33 ZeTj+wVPo 517/602



銃使い「ありったけの爆弾! 食らえ!」ブンッ

キノコ頭「全弾、撃ち尽くせ!!」バラララララ

革ジャン「集中砲火だああああああ!!!」ドンドンドンドン

族長「食らえ、炎! 燃えて溶けて弾けて吹き飛べ!!!」ボオッ


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531 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:10:17.98 ZeTj+wVPo 518/602



アポ○モンスターたち「「「ポ○ポ○ポ○ポ○ポポ○ポ○―――!!!」」」

小型メカ「アポ○たちが、熱にやられて、溶けて消えていきます……!」

ヒーロー「まだ終わらんよ! 今、この列車の魔力を借りて、必殺の!!」ボオオオッ

黒コート「なんで不死鳥のオーラをまとってるんだ、ちょっと、お前!」


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532 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:10:47.49 ZeTj+wVPo 519/602



ヒーロー「ドライ・ブラー・フェニックス―――!!!」


ズガァァァァン!!!!!!


アポ○モンスターたち「「「ポ○、ポ○、ポ○、ポ○……ポ――――――」」」スウウゥ


桜色の女「あ、消えていったでござる」

料理長「でも、今のフェニックスの余波が、上空にまで……!」

フロント「それだけじゃありません! 列車の魔力に反応したのか、アポ○富士山から火柱が……!」

車掌「なんだって!?」

マスター「…………」

533 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:11:14.82 ZeTj+wVPo 520/602

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534 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:11:59.36 ZeTj+wVPo 521/602



――アポ○富士山 上空


魔王「うおっ、アチチッ! 不死鳥!? それになんだ、アポ○富士山から火柱が!?」

冥王「あかん! ドライ・ブラー号が、呑み込まれるでぇ!!」


魔王「ふざけるな……、ここまで来て……」

魔王「させるかよォォッ!!!」


魔王は展開していた魔法陣をすべてかき消し、魔力を自らの周囲へと回帰させる。
そして、詠唱と共に、アポ○富士山上空に現れるは――――


魔王「火柱がなんだっ! 異次元に飛びやがれぇぇぇ!!!」

535 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:12:25.75 ZeTj+wVPo 522/602



冥王「アポ○富士山上空に空間の穴を作って、火柱を異次元に!?」

冥王「どんな修行積んだら、一介の魔族がこんな大技使えるんや……!?」


冥王「おっといかん、魔王の魔法陣が無くなった今、火山弾は元気に飛んできよる……」

冥王「せやったらわてが、魔王の代わりせな、なあ!!」


冥王が一言呪詛を呟くたびに、飛来する火山弾が一つ、また一つと“殺される”。
これこそが、冥王の使う、万物を“殺す”冥界の秘技であった。


魔王「くそっ、だが火柱が立ったままじゃあ、ドライ・ブラー号がアポ○富士山に近づけねえ……!!」

白ドレス「……ふむ」

536 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:12:53.43 ZeTj+wVPo 523/602



白ドレス「―――ドライ・ブラー号の主砲による砲撃。歴戦の戦士たちによる迎撃」

白ドレス「加えて冥王の呪詛。これらによって、アポ○富士山が放つ火山弾はかき消える」


冥王「な……!?」


白ドレス「そして、突如アポ○富士山から立ち昇った火柱。神々が遺した、最後の防衛装置か」

白ドレス「しかしこれも魔王が全魔力を投じた異次元転送によって、目下の危機は見送られる」


魔王「なん……」


白ドレス「―――だが、まだ足りない」

537 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:13:20.85 ZeTj+wVPo 524/602



白ドレス「アポ○富士山は、まだその機能を停止していない」

白ドレス「機能を停止させるには、すべてを無に帰す絶対破壊の一撃が必要」

白ドレス「しかし、その一撃を放つには、機能の停止した隙が必要」


魔王「お前、何を……」


白ドレス「そう。ムジュンだ」

白ドレス「アポ○富士山を止めるのに必要な攻撃には、アポ○富士山が止まるほどの隙が必要」

白ドレス「これでは道理に沿わない。能わない」


白ドレス「なら、何故このようなムジュンが発生するのか?」

538 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:13:48.10 ZeTj+wVPo 525/602



白ドレス「それは、アポ○富士山のチカラが、神々の権能であるからだ」

白ドレス「人間や魔族たちと神々の間には、絶対的なチカラの差が存在する」

白ドレス「ゆえに、外界の者たちは、甘んじてそのムジュンを受け入れるしかない……」


白ドレス「だが、そんなムジュンを、果たして生きとし生ける者たちが許容するか?」

白ドレス「少なくとも私は知らない。神々に屈しおもねる外界の者たちなど、私は知らない」

白ドレス「では、小さき者たちはどうしたか?」

白ドレス「答えはカンタンだ。―――神をも殺し得る武器を、自らの手で鋳造した」


魔王「……!!」

539 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:14:15.43 ZeTj+wVPo 526/602



魔王「おい、まさか、ソイツは―――!」

白ドレス「カンの良い観客なら、もうわかったかもしれない」


白ドレス「そう。今回の登場人物に、“神殺し”を為し得る人物が、一人だけいる」

白ドレス「まるで、あたかも、そのためにいたような。そのためだけに配置されたような人物が」


冥王「神殺し……! たしかに先刻、1号車で……」


白ドレス「―――さあ! そのチカラを振るうがいい、大英雄!!」

白ドレス「ドライ・ブラー号最強の戦士、ラウンジカーの守護者よ!!」

白ドレス「そのチカラは君たちのモノだ! アポ○富士山が大口をひらけて待っているぞ!!」

540 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:14:42.18 ZeTj+wVPo 527/602



マスター「――――――」


フロント「マスターさん……、まさかアレを使うのですか!?」

料理長「今までのドライ・ブラー号の戦いでも、ついに完全開放はしなかった……!」


マスター「―――ああ」


マスター「―――俺は前半生を、戦いに費やした」

マスター「―――戦って、戦って、戦って。魔界の争いに関わり、多くの魔族を屠った」

マスター「その過程で、多くのモノを失った……。あるハズだった幸福。日常。この右腕も、その一つだ」

マスター「―――だが、同時に得たモノもある」

541 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:15:09.11 ZeTj+wVPo 528/602



マスター「―――それは得難き、友の存在であり……」

魔王「…………」


マスター「―――神をも殺し得る、我が右腕の存在だ」


マスター「ドライ・ブラーは争いには巻き込まれても、天界が関わるコトはなかった……」

マスター「俺もこの右腕は、役目を果たすことなく、我が身と共に朽ちるのだと思っていた……」


マスター「―――だが、今思えば」


マスター「―――我が右腕は、今この時のためにあったのだろう」

542 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:15:35.63 ZeTj+wVPo 529/602



マスターが自身の体に魔力を通すと、その右腕は白く光り輝く。
それは神気に似て非なる存在。

チカラ無き者が、チカラある者を打倒するための、最終兵器。
それはまさしく神話の再現とも言える、万夫不当の神殺し。

天銀の腕は、朝日を覆い隠すほどの規模となり、そして、最初の朝の空にきらめく。


マスター「アポ○富士山が、神々の怒りであるならば」

マスター「それすなわち、我が断じるべき宿業なり」


マスター「ドライ・ブラーが、外界の希望であるならば」

マスター「それすなわち、我が護るべき至宝なり」

543 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:16:04.93 ZeTj+wVPo 530/602



マスター「ならば此処に示そう、最強の証を! 砕いてみせよう、神々の怒り―――!」


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544 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:16:32.30 ZeTj+wVPo 531/602



――1号車【展望車・前】


運転士長「ぐぅッ……!」

副運転士「空が光って……! いったい、何が!?」

仮面の男「……!?」


仮面の男「あ、アレを見ろ!!」

副運転士「……?」


副運転士「……!」

運転士長「あ、あれは……」

545 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:16:59.73 ZeTj+wVPo 532/602



光は去った。
残るのは、正しき朝日が放つ曙光のみ。

炎は去った。
残るのは、正しき神山が醸す威容のみ。


運転士長「火柱が消えた……!?」

副運転士「か、火山弾もです! 勝ったんですか!?」

仮面の男「いや、まだだ! 12号車の魔力反応は異常な数値のままだ!」


仮面の男「これは、アポ○富士山が、まだ活動を停止していないという証左……」

仮面の男「今の光を受けても、魔力塊はまだ、アポ○富士山と共鳴している!」

546 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:17:27.78 ZeTj+wVPo 533/602



副運転士「くっ……。では、どうすれば!?」

仮面の男「決まっているだろう!」


仮面の男「―――今こそ、ドライ・ブラー砲を撃つ!!」


副運転士「……!」

運転士長「たしかに、やるなら今しかない……。起動するぞ!」

副運転士「ああもう、どうにでもなれ―――!!」


仮面の男「ドライ・ブラー号、回頭! アポ○富士山の火口の上空へ接近せよ!!」

547 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:17:54.95 ZeTj+wVPo 534/602



仮面の男「ドライ・ブラー砲、発射用意!」


運転士長「エネルギー弁閉鎖! エネルギー充填開始! セイフティーロック、解除!」

運転士長「ターゲットスコープ、オープン! 電影クロスゲージ明度20! エネルギー充填120%!」

運転士長「対ショック、 対閃光防御! 最終セイフティー、解除!」


運転士長「……さあ、最後の合図は、君がするといい」

副運転士「え? 私ですか!? ああもう、ワケわかんないですけど、やればいいんでしょう!」



副運転士「ドライ・ブラー砲、発射―――!!!」

548 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:18:23.61 ZeTj+wVPo 535/602

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549 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:18:51.14 ZeTj+wVPo 536/602

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550 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:19:19.34 ZeTj+wVPo 537/602

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551 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:19:47.15 ZeTj+wVPo 538/602

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552 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:20:14.32 ZeTj+wVPo 539/602

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553 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:20:41.97 ZeTj+wVPo 540/602

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554 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:21:09.52 ZeTj+wVPo 541/602



【1月1日 午前7時】

――1号車【展望車・前】


副運転士「う……」

運転士長「やった……、のか?」


バンッ

車掌「お二人とも!!」


副運転士「車掌さん!」

運転士長「他の皆も……。その顔は……、終わったのか。すべて」

555 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:21:37.36 ZeTj+wVPo 542/602



車掌「ええ! ドライ・ブラー砲は、見事にアポ○富士山の火口を撃ち抜きました!」

車掌「その結果、アポ○富士山は火山活動を停止!」

車掌「もはや噴火の兆候はありません。……我々の勝利です!」

運転士長「そうか……。なら、良かった」

副運転士「はぁ~~~。肩の荷が、下りましたぁ……」


マスター「……ふふ。年甲斐もなく、張り切ってしまったよ」

フロント「大丈夫ですか? マスター。肩をお貸しします」

副運転士「皆さんも! 本当に、本当に、お疲れ様でしたっ!!」

料理長「ああ。だが僕たちのシゴトは、まだ終わっちゃいない」

556 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:22:04.48 ZeTj+wVPo 543/602



料理長「今日のドライ・ブラー号の運行は、午後8時、オーサカに到着するまで……」

料理長「少し、遅めになるが。乗客の皆さんのための、朝食をお作りしないとね」

副運転士「―――。はいっ!!」


フロント「私も、ロビーの修繕をしないと。吹きさらしですが、一時間もあれば何とかなるでしょう」

ウェイター「え? 吹きさらしなんだよね、ホンキで言ってる?」

フロント「ええ。ウェイターさん、ウェイトレスさん。掃除屋として、ご協力お願いします」

ウェイトレス「ひえ~、重労働だぁ~」

マスター「では、ワタクシも、ラウンジに戻りますかな」

マスター「本来のワタクシは、しがないラウンジの老マスターですので」

557 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:22:31.96 ZeTj+wVPo 544/602



副運転士「士長……。長い、長い。本当に長い、夜でしたね」

運転士長「ああ。―――だが、明けない夜はない」

運転士長「新たな陽の昇らない日は無く、新たな日出づらぬ年は無い」

運転士長「古い一年が終われば、新たな一年がやってくる」

運転士長「それは、この世界も、ドライ・ブラー号も同じコトだ」

車掌「ええ。この年末年始運行は、もうすぐ終わります」

車掌「ですが、次の運行も、早晩訪れる。私たちに出来るコトは、その運行も良きモノとするコトです」

副運転士「……そうですね。次も頑張りましょう、皆さん!!」

ウェイター「いやー、刺激的な年末年始だったなー」

ウェイトレス「でもやっぱり、ドライ・ブラー号はこうでなくちゃねー」

558 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:23:01.03 ZeTj+wVPo 545/602



副運転士「あれ……。そういえば、仮面さんは?」

運転士長「おや。艦長席が、カラになっている……」


運転士長「あの男め。自分の役割は終わったと見て、早々に去ったか」

副運転士「ふふ。あのヒトらしいですね」


副運転士「……でも、仮面さんって、たしかタイムパトロールさんたちが追ってるヒトなんじゃ?」

運転士長「それは赤色の仮面のほうじゃなかったか?」


運転士長「まあ……。ここから先は未来の領分だ。彼女らが何とかするだろうよ」

副運転士「そうでしょうか? まあ、そうですね!」

559 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:23:53.74 ZeTj+wVPo 546/602



――ドライ・ブラー号 甲板


1514019635-559





執事「朝日……、ですね」

教授「うん……。空の上から見る太陽は、こんなにもまぶしい」

560 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:24:21.61 ZeTj+wVPo 547/602



執事「お嬢様……。俺は、貴女が無事で、本当に良かった」

教授「ふふ。いつもありがとうね、バカ執事」

執事「お褒めにあずかり光栄でございます、バカお嬢様」


執事「そういえば……。例の、“最強の兵器(仮)”とやら、本当に完成したのですか?」

教授「おうとも。もう、“最強の兵器(仮)”じゃなくて、“最強の兵器”だよ」

教授「それに、作るのに必要なモノは、カンタンだ。有り合わせのモノが、二つあればいい」

執事「そうですか……。では、今日の発表会。期待していますよ」

教授「ええ。私の名演説に、期待しときなって」

教授「古の大術士たちが作ったという、古の“最強の兵器”。それにも負けないモノをね」

561 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:24:49.71 ZeTj+wVPo 548/602



弓使い「教授~! 執事さ~ん!」

銃使い「生きてる?」

桜色の女「とほほ。今日はヒドい目に遭ったでござるなあ~」


執事「お二人と、桜色の剣士さん……」

教授「無事で何より。全部終わったね。皆は、これからどうするの?」

銃使い「オーサカの観光」

執事「皆さんもオーサカに留まるのですか? では、ぜひお嬢様の発表会を見ていってください」

教授「今回の事件を真の意味で終わらせる、“最強の兵器”。目にモノ見せてあげるよ」

弓使い「本当? 発表会に誘ってくれるの!? 嬉しいな~。でも、その前に……」

562 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:25:17.06 ZeTj+wVPo 549/602



剣使い「……ようやく、決着がついたみたいだな」

族長「ああ。―――では、我らの決着も、ココでつけるとしよう」

剣使い「そうだな……」

ジャキ


魔族A&B「「族長、がんばれー!!」」

魔族C&D「「剣使いの人間も、良い戦い、期待してるぞー!!」」


剣使い「……いざ」


剣使い族長「「勝負ッ!!」」バッ

563 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:25:44.60 ZeTj+wVPo 550/602



キン! キン! ドォン!!!


弓使い「おー。やってる、やってる」

教授「もう戦いは終わったのに、まだやってるの? 男どもは飽きないなあ」

執事「男というイキモノは、たいてい譲れないモノの一つか二つを持っているのですよ」

銃使い「…………」ガシュガシュ ボリボリ

桜色の女「うーん。いい戦いでござるなあ。……いや、しかし」


ザワッ

桜色の女「……?」

564 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:26:12.73 ZeTj+wVPo 551/602



仮面の男「…………」


桜色の女「おーい! 鉄仮面卿ー!」

仮面の男「おや……。春風の剣士か」


桜色の女「鉄仮面卿ー、なーんで艦橋のテッペンに立ってるでござるかー?」

桜色の女「上空は風が強いから落ちるでござるよー」

仮面の男「ふふ……。僕は、高いところというのが、好きでね」

仮面の男「低いところというのは、どうも気に入らない。君と戦ったのも、戦艦や空中庭園だったろう?」

桜色の女「意味も無く高いところに登るのは、ただのばかでござるよー」

565 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:26:40.15 ZeTj+wVPo 552/602



仮面の男「ははは。これは手厳しい」


仮面の男「それに、ただの趣味で高いところに登っているワケじゃないさ」

仮面の男「ここがいちばん、この戦艦で逃げやすい場所なのでね」

桜色の女「ああ……。そういえばおぬし、歴史改変の罪で、追われていたのでござるな」


仮面の男「そうだ。き○こ派の諸君には、たけ○こ派に加担して、本当に悪いコトをした……」

仮面の男「だが、今回の戦艦の指揮でチャラ、というコトにはならないかな?」

桜色の女「それは本人たちに訊いてみないとわからないでござるなー」

桜色の女「まあ十中八九、なます斬りにされるでござろうが!」

566 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:27:07.52 ZeTj+wVPo 553/602



仮面の男「ははは。これはまたも手厳しい」


仮面の男「だが。この列車に乗り込んで良かった……。刺激的な年末年始を楽しめた」

仮面の男「そして、君という好敵手とも、再戦するコトが出来た!」


桜色の女「…………」

桜色の女「次、会った時が。貴様の命日だな、鉄仮面卿」

仮面の男「ふふはははは。それはカンベンしてほしい」

仮面の男「僕は君を愛おしく思っている。今までに会った、どの女性よりも」

仮面の男「その君の美しい姿を見るのが、次限りというのは、いただけない」

567 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:27:48.14 ZeTj+wVPo 554/602



桜色の女「減らず口を叩きおって。ならば今回は、とっとと失せるがいいでござる」

仮面の男「そうだな。まあココなら時空環境整備課も気付かないだろうが……」

仮面の男「君との立ち合いの後逃げないという約束は守った。なので、そろそろオイトマするとしよう!」

仮面の男「それでも呼びたければ教授さんにヨロシクと伝えておいてくれ!」


仮面の男「さらばだ、ドライ・ブラー号のユカイな仲間たち!」

仮面の男「君たちとの年末年始はとても魅力的なモノだった!」

仮面の男「願わくば、そのユカイな営みを続けたまえ! ならば、僕はいつでも現れよう!」


仮面の男「とうっ!!」ダンッ

568 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:28:15.94 ZeTj+wVPo 555/602



桜色の女「おぬしは厄介事を持ち込むのだから、もう来なくていいでござるよー」


桜色の女「…………」

桜色の女「あやつとの立ち会い、久方ぶりに血のうずくモノだった」

桜色の女「やはり私は、あいつでなければ……」


桜色の女「いや、そんなことはあるまい」

桜色の女「これは私の経験不足。人を斬りたいのではなく、刀を斬りたいのだというもの」

桜色の女「さて、この感情。真に好敵手を求めるがゆえのものか、否か……」


桜色の女「今は奥底に閉じ込めて。オーサカ観光を楽しむでござる」

569 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:28:43.03 ZeTj+wVPo 556/602



キノコ頭「……終わったか」

テロリストA「そうですね……」


キノコ頭「大量の装備を揃えて、無防備な列車をハイジャックするのだから」

キノコ頭「カンタンなシゴトだと思ったのだがな……」

テロリストB「ええ。世界は、存外広いというモノです」


テロリストC「ですが、その広い世界で、“最強の兵器”なるモノの存在とも出会いました」

テロリストD「……オーサカに行きましょう。教授の発表会、見届けようではありませんか」

キノコ頭「そうだな……。―――よし、行くぞ!!」

570 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:29:11.65 ZeTj+wVPo 557/602



仮面の男「ふははははっ!! さらばだ、諸君―――!!」

ゴオオオオオ


黒コート「……!」ガバッ

黒コート「あいつ……! オイコラ待てっ!!」


小型メカ「あれは……。指名手配犯の、仮面の男ですね」

小型メカ「艦橋から雲海にフリーフォールしていきましたよ。もう助からないのでは?」

黒コート「いや……。奴は、落ちる戦艦や、崩れる空中庭園からも生還したという」

黒コート「仮面の男も、白の大天使も一筋縄ではいかないが。またいずれまみえる機会もあるだろうよ」

571 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:29:38.94 ZeTj+wVPo 558/602



小型メカ「……? 妙に、すがすがしい顔ですね」

小型メカ「時空指名手配犯を相手にした任務の失敗は、いつものコトとはいえ」

小型メカ「何か。イイコトでも、ありましたか?」


黒コート「ああ……。そうだな」

黒コート「年の瀬とは、皆で乗り越えるから年の瀬、だと思ってな」


黒コート「そして、年の瀬を乗り越えた正月は。頑張った分、ゆっくりと休まねばなるまい」

黒コート「私も年末労働の分の休暇を貰って。お正月くらいは実家に帰るとするよ」

小型メカ「いいですね。私も実家に帰りたいモノです。私たちは、まだ次の仕事があるのですが」

572 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:30:06.82 ZeTj+wVPo 559/602



ヒーロー「さあ、オペ子ちゃん! ウカウカしていられないぞ、さっそく次の仕事だ!」

ヒーロー「次はハンバーガー業界でマ○クとケ○タ&モ○バ連合が激突するらしい!」

ヒーロー「ジャンクフード存亡の危機だ! この大戦も何としても止めなくてはなるまい!」

ヒーロー「それでは行くぞ! ドライ・ブラー号の皆さん! アディオス、アミ―――ゴ!!!」

ズギュウウウウン


小型メカ「ああ。行っちゃいました」

黒コート「き○こたけ○こ大戦とかいうのを止めたばっかりだというのに、お前たちも大変だな」

黒コート「私はどっちかというと、ロ○テリア派だが……」

小型メカ「これ以上ハナシをややこしくしないでください。私たちは1000円バーガーでゴリ押します」

573 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:30:34.59 ZeTj+wVPo 560/602



小型メカ「では、私も彼の後を追って、行ってきますね」

黒コート「ああ。頑張ると良い。また整備課の事務室で会おう」


小型メカ「あれ、そういえば……。革ジャンさんは、どうしたんですか?」

黒コート「ん? アイツか……」シュボ チリチリ…

フゥー


黒コート「アイツは、最後の任務を果たしに行ったよ」

小型メカ「最後の任務?」


黒コート「ああ。誰の命令でもない、アイツだけの任務をな」

574 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:31:01.51 ZeTj+wVPo 561/602



――アポ○富士山 上空


魔王「これで一件落着、か……」

冥王「ええ。お疲れさんでした。魔王はん」


冥王「おや。エンマ帳……の、複製品が」

パラパラパラ


フワッ…


魔王「エンマ帳に書かれた、文字が……。空中に浮いて、消えていったな」

575 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:31:31.36 ZeTj+wVPo 562/602



冥王「エンマ帳に書かれていた内容が無効になった、いうことやろなあ」

魔王「まったく。世話が焼けるぜ」


魔王「天界の動きを止めに来ただけなのに、まさかき○こたけ○こ戦争に巻き込まれるとはなあ……」

冥王「しかしその結果、古からの因縁を、再び断ち切ることができた」

冥王「終わり良ければ総て良し。ちゃいますか?」

魔王「ああ……。そうだな」


魔王「おい、冥王。お前は、これからどうする?」

冥王「ん? そうですなあ……」

576 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:31:59.43 ZeTj+wVPo 563/602



冥王「ひとまずは、冥界に戻って今回の件の後始末、やろなあ」

冥王「エンマ帳の内容を信じて動いてる死神たちも困ってるやろうし」

冥王「無駄に部下を派遣させられた、死神の魔王のクレームもあしらわなあかん」

冥王「ああ、そうそう。魔王はん、あんたの人間殺したいう不祥事の揉み消しもな」

魔王「おおう……。ホントそれ、頼むぜ」

魔王「こんだけ部下に魔界の法をうるさく言って、なのに魔王が率先して破ってたんじゃあ」

魔王「俺一人の処分ならいいが、また魔界戦争に突入しかねん」

冥王「ははは。魔王はんもむつかしい立場ですなあ」

魔王「ホント。魔王って大変だぜ?」

577 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:32:37.21 ZeTj+wVPo 564/602



魔王「さて、俺も……。早々に魔界に戻って、青鬼族の減刑をかけあうとしよう」

魔王「たしかに今回、青鬼族が独断で人間界に侵攻したのは、まぎれもない事実だが……」

魔王「俺も色々頑張ったし。実質的な被害は別に出てないし。列車が大破? 知らんなあ」

魔王「き○こたけ○こ大戦にかこつけて神々の責任にすれば、他の魔王も黙るだろう」

魔王「幸い、あいつの直接の上司の、緋雷王はハナシのわかる奴だからな」

冥王「緋雷王はんは、純粋で活動的なお人ですからなあ」


冥王「あれ……。そういえば、大天使はんは、どないしはりました?」

魔王「ん? さっきまでそこにいたんだが、消えたな」

魔王「さては、今回の責任の追及から、逃げたな……」

578 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:33:12.40 ZeTj+wVPo 565/602



冥王「でもハナシによると今回、大天使はんは、なんもやってへんのやろ?」

魔王「ううん。そこなんだよな」


魔王「天界の者、しかも白の大天使が、あのドライ・ブラー号に乗り込んだんだから」

魔王「きっと何かをやらかすと思ったんだが……」

魔王「アイツの言うところによると、ただの観光兼、人間たちへの助力とは」


冥王「神々や天使の考えることは、わてらには想像も尽きまへんからな」

冥王「かんたんにわかるんやったら、魔界、冥界、天界なんかに分かれてへんて」

魔王「そうだなあ……。だが俺には、何か裏があるような気がしてな……。勘繰りすぎか?」

579 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:33:41.03 ZeTj+wVPo 566/602



――ドライ・ブラー号 船首


白ドレス「―――うん、うん! 今日もハッピー、いい天気!」

白ドレス「今年も世界は何事もなく、いつもと変わらず、平和だあ!」


白ドレス「天界で、ドライ・ブラー号が、乗っ取られ、爆発、大炎上する未来がおぼろげに見えた時は」

白ドレス「楽しそうだなあ、それと、このままじゃマズいなあ、と思ったけど」


白ドレス「これで契約を完遂する! 時空環境整備課の、コネコちゃん!」

白ドレス「君は満足かい? ああ満足だろうね、大天使が意のままに動いたのだもの!」

白ドレス「ただの人間の身で、大天使と契約を結ぶ。これ以上の傲慢は世界になかなか無い!」

580 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:34:08.47 ZeTj+wVPo 567/602



白ドレス「ああ、でも……。今日は本当に楽しかった!」

白ドレス「人間や魔族の世界は、本当に、本当に、驚きに満ちている!」

白ドレス「だから私も、チャチャを入れつつ、その未来を守りたいなと思うのです!」


白ドレス「さて……。それじゃあ、私も帰るとしようかな」

白ドレス「今日はきっと、天界の神々と天使たちの新年会だ」

白ドレス「私も白い愛人20箱を手土産に、乗り込むとしますか!」


バンッ!!!


白ドレス「おひあッ!!!」

581 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:34:36.14 ZeTj+wVPo 568/602



白ドレス「え? 何、何、何。銃声……?」

白ドレス「って、ぎゃああああああ!!! 残ったほうの翼にも穴が開いてるー!!!」


革ジャン「よお。ようやく、二人きりになれたな……」


革ジャン「白の大天使!!!」

白ドレス「げぇっ! 君、コネコちゃんのところの、狂犬!!」


白ドレス「どどどどうして君がココにいるのかな……。君、整備課の君。契約違反だよ?」

白ドレス「君たちを妨害せず列車を助けるコトで、私を捕まえるコトもしないって約束だったよね?」

革ジャン「あ? なんだそりゃ?」

582 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:35:16.56 ZeTj+wVPo 569/602



革ジャン「契約だなんだか知らねえが、俺はそんなハナシ、聞いちゃいねえ」チャキ

白ドレス「しまった……! あの契約が有効なのは、私とコネコちゃんとの間だけか……!」

白ドレス「謀ったね、時空環境整備課。これだから人間は信用ならないんだ!」


革ジャン「……始めに言っとくが、俺は時空整備課だから、ココにいるんじゃねえぜ」

白ドレス「え? 私、特級指名手配犯だけど、関係ないの?」

革ジャン「お前、特級指名手配犯なのか? まあ、それも関係ねえ」


革ジャン「俺がココにいるのは。―――お前が、気に入らないからだ」

白ドレス「は?」

583 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:35:46.31 ZeTj+wVPo 570/602



革ジャン「チョコマカ、チョコマカ、事態の裏でコソコソしやがって」

革ジャン「気に入らねえんだよ。黒幕気取りの、乳デカ姉ちゃん」

白ドレス「げぇっ! 何それ、何その理由!? い、意味が通ってな――――」


革ジャン「だから死ねぇっ!!!」バンッ


白ドレス「ぎゃあ―――!! 反対、暴力反対!」ダダダダダダ

白ドレス「そんなワケのわからない理由で死ねないよー!!」

革ジャン「皆そう言って死んでいったよ!!」バンッ!!! バンッ!!! バンッ!!!

白ドレス「こいつイカれてる! こんなとっつぁんはイヤだぁ―――!!!」

584 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:36:38.64 ZeTj+wVPo 571/602



【1月1日 午後3時】

――オーサカ駅前 発表会 会場


1514019635-584


585 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:37:05.65 ZeTj+wVPo 572/602



1514019635-585





教授「あー、テステス……」キーン

教授「本日は晴天なり。今日も変わらず、晴天なり」

教授「業務連絡、業務連絡。ううんっ。オッケー」

586 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:37:33.55 ZeTj+wVPo 573/602



執事「お嬢様……。ジュンビはよろしいですか?」

教授「問題ない。いつでもいける!」


教授「―――それでは皆さん、お待たせしました」

教授「これより、狂気のチョコレートサイエンティスト、皆さんの呼ぶところの教授による……」

教授「世紀の大発明! き○こたけ○こ戦争を終わらせる、“最強の兵器”!」

教授「その発表会を始めたいと思います!!」


記者A「おおおおおおっ!!!」パシャパシャパシャ

記者B「それで……、教授。その、“最強の兵器”とは、いったい?」

587 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:38:00.89 ZeTj+wVPo 574/602



教授「ふふ……。まあ、焦りなさんなって」

教授「“最強の兵器”は、一斗缶の中にあります」

ドンッ!!!


記者A「一斗缶の中に……? そう、大きくはないな……」

記者B「き○こ派もたけ○こ派も吹き飛ばす爆弾とかじゃないんですか?」

教授「お菓子の戦争にそんなモノ持ち込んでどうする気なのかな」

教授「流れる血は、鼻からだけで十分です」

記者C「しかし、一斗缶か……。これではまるで、お菓子の箱だな」

教授「……ふふふ」

588 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:38:28.58 ZeTj+wVPo 575/602



教授「では、お見せしましょう! この教授の、世紀の大発明!」


教授「遠からん者は音に聞け! 近くば寄って目にも見よ!」

教授「細工は流々、あとは仕上げを御覧じろ! あと、なんだっけ……」

教授「まあいいや! オ―――プン!!!」

パカッ


記者A「おお、おお―――!?」

記者B「こ、これは―――!」

記者C「まさしく、まさしく―――!!」

589 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:38:58.95 ZeTj+wVPo 576/602



教授「ふふふ……」


1514019635-589


590 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:39:26.64 ZeTj+wVPo 577/602



記者A「おお、おお――……?」

記者B「こ、これは―――?」

記者C「まさしく、まさしく―――。……なんですか、コレ」


教授「ふふふ……。やはり凡人には、この天才科学者たる私の発想は理解できないか……」

執事「お嬢様、続けてください」


教授「おほん。これなるは、き○こたけ○こ戦争を終わらせる、“最強の兵器”!」

教授「爆弾? 魔力塊? そんなモンじゃない! お菓子の問題なんだから、お菓子で解決!」


教授「『き○この山 with たけ○この里 詰め合わせパック』です!!!」

591 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:40:24.75 ZeTj+wVPo 578/602



記者A「は……?」

教授「今日から、き○この山と、たけ○この里の単独販売は停止します!」


教授「代わりに、この詰め合わせパックを販売!」

教授「片方食いたきゃ、両方買え! これでバッチリ問題は解決!」


記者B「あの、それって、抱き合わせ商法じゃ……」

教授「うっさい! これはセット販売!」


教授「アンタらね、いいオトナがいつまでもお菓子で争ってちゃダメだよ」

教授「き○こも、たけ○こも、どっちもオイシイ! 一緒に食べれば、皆ハッピー!」

592 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:41:12.58 ZeTj+wVPo 579/602



教授「どれもおいしいお菓子なんだから、皆で一緒に食べればよろしい!!」


キノコ頭「そんなコトで……」


教授「え?」

キノコ頭「そんなコトで許されると思っているのかああああああ!!!」

テロリストA~D「「「「どけどけどけどけぇ!!!!」」」」


執事「彼らは……、ドライ・ブラー号のき○こ派!」

教授「生きていたの!?」

キノコ頭「やいやいやいやいやい教授ゥ!!」

593 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:41:51.53 ZeTj+wVPo 580/602



キノコ頭「なんだその日和った商品は!」

教授「やかましいわ何が日和った商品だ!! うつけは去れ!!」


キノコ頭「まったく。き○こたけ○こ戦争を終わらせる“最強の兵器”を開発したと」

キノコ頭「その発表会くらいは見届けてやろうと、こうして来てみれば……」

キノコ頭「き○ことたけ○この抱き合わせ商法などで問題が解決したとでも思っているのか!?」

教授「だから抱き合わせ商法じゃなくてセット販売っつってるでしょうが!!」


キノコ頭「問答無用! 俺たちはここにき○こたけ○こ戦争を再開する!」

キノコ頭「この会場は俺たちがハイジャックした!!!」

594 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:42:19.21 ZeTj+wVPo 581/602



記者A「うわあああ! テロリストだ!!」

記者B「逃げろおおおおおお!!」


執事「お嬢様、お下がりを」サッ

教授「ええ。私の発明にケチつけるコイツらまとめて、ぶっ飛ばしちゃいなさい!」

執事「お嬢様、それは無理です」


剣使い「やれやれ。お菓子の発表会でまで、揉め事とは……」スクッ

弓使い「世も末だねー。食の都、オーサカじゃなかったの?」


教授「フ、フリーターの皆!?」

595 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:42:48.50 ZeTj+wVPo 582/602



銃使い「…………」ガシュガシュ ボリボリ

桜色の女「オーサカ観光の前の、食前運動。腹ごなしにはちょうどいいでござる」


キノコ頭「貴様らか……! 一度ならず、二度までも!」

キノコ頭「まあいい! ココでもろとも滅ぼしてくれるわぁぁっ!!」

テロリストA~D「「「「カクゴするんだなァ!!!」」」


バンッ!!!


キノコ頭「ッ! なんだ!?」

タケノコ頭「―――その発明品。我らも異議を唱えたい」

596 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:43:15.26 ZeTj+wVPo 583/602



教授「え、誰!?」

キノコ頭「お前は……。たけ○こ派のリーダー!!」


タケノコ頭「―――かような商品。許されると思っているのか?」

教授「何、そこのタケノコ頭まで、私の発明品にケチつける気!?」

教授「このわからず屋のボンクラどもめっ!!」


タケノコ頭「いや、詰め合わせパックという発想。そこまではいい」

タケノコ頭「だが。何故だ……」


タケノコ頭「なぜ名前が、き○この山が先で、たけ○この里が後なのだァァッ!!!」

597 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:43:43.09 ZeTj+wVPo 584/602



教授「そこ!!?」

タケノコ頭「しかも、パッケージでの扱いもこころなしか、たけ○この里のほうが小さい……」

教授「それは気のせいでしょう!」


タケノコ頭「ゆえに、我らは求めよう」

タケノコ頭「商品名の、『たけ○この里 with き○この山 詰め合わせパック』への改訂」

タケノコ頭「そして、パッケージではたけ○この里を強調するコトを!!」

教授「勝手なコトを言うなーっ!!」


キノコ頭「ほう……。いい度胸だ」

598 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:44:10.96 ZeTj+wVPo 585/602



キノコ頭「ならば、教授を締め上げる前に」

キノコ頭「たけ○こ派。まずはお前たちを滅ぼすとしよう!」

タケノコ頭「望むところだ。かかってこい、き○こ派の愚者ども!!」


ワー!!! ギャー!!!

教授「ああ、もうメチャクチャだ……」

弓使い「やっぱ、き○こたけ○こ戦争、どうしようもないね……」

桜色の女「さて。しかしこの事態、どうケリをつけたモノでござるか。……ん?」


族長「―――くだらぬ」

599 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:44:37.33 ZeTj+wVPo 586/602



銃使い「……!」

剣使い「その声は!?」


族長「くだらぬ。……実にくだらぬ」

族長「やはり、き○こ派とたけ○こ派の争いなど、笑止千万……」

族長「チョコ菓子ならアル〇ォートが至高に決まっておろうがァァァッ!!!」


教授「出たああああああ!!!」

執事「アル○ォート派の魔族……!」


魔族A~D「「「「俺たちもいるぜぇ!!!!」」」」

600 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:45:04.93 ZeTj+wVPo 587/602



キノコ頭「また貴様らか……!」

タケノコ頭「き○こたけ○こ戦争にアル○ォート派が介入するな!!」

族長「来るか? ならば、かかってくるがいい」


族長「あのような発明品で、き○こたけ○こ戦争を収めるのは不可能……」

族長「ならば、我らアル○ォート派が。ことごとくを焼き尽くしてくれよう」

教授「どいつもこいつも私の発明品をディスりやがって!!」


執事「お嬢様……。この状況、どうしますか?」

教授「どうするも、こうするも……。私の発明品の素晴らしさを理解しないバカどもに用は無い」

601 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:45:32.68 ZeTj+wVPo 588/602



教授「帰る!!」


剣使い「ははは……。教授の嬢ちゃんも、苦労するな」

弓使い「それじゃあ私たちも、オーサカ到着一発目、ひと暴れといきますか!」

銃使い「…………」チャッ

桜色の女「こやつらでは腹の足しにもならんが。まあ、それもいい」


執事「お嬢様、帰ったら何しますか?」

教授「何って、今は正月なんだから。そりゃ、コタツでグータラ……」


数学教師「―――待てやゴラああああああッ!!!」

602 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:46:00.43 ZeTj+wVPo 589/602



教授「でぇッ!! タコ頭のマッチョ! どうしてココに!?」

執事「え? まさか、あのヒトが、お嬢様の数学の担任の……!?」


数学教師「そうやァァ!! 何アホな発表しとんねん、モヤシ女ぁぁ!!」

数学教師「コタツでグータラもええがなぁ、ホンマに冬休みの宿題終わっとんのかァァァ!!?」

教授「ギクゥ!!!」


執事「あ。そういえば、列車では戦いに巻き込まれて、全然終わってませんね」

教授「ま、まだお正月だから。まだ冬休みの期間残ってるから!」

数学教師「夏休みもそう言うて、まともに終わらんかったやろうがワレェェェ!!!」

603 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:46:27.13 ZeTj+wVPo 590/602



族長「なんだ? 巨人族か!?」

タケノコ頭「あのタコ頭……。我らと同じなら、もしや、タコせん派の刺客では!?」

キノコ頭「何! 綿菓子やリンゴ飴、チョコバナナと祭屋台のシェアを奪い合っているという、あの!?」


桜色の女「ほう……。あの筋肉。斬り応えがある」フォン


数学教師「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!」バキバキバキバキバキ!!!!!!


教授「ぐ……。こうなりゃ逃げる。逃げの一手!」

教授「―――行くよ、バカ執事!!」ダッ

執事「ええ。―――お嬢様!!」ダッ

604 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:46:55.84 ZeTj+wVPo 591/602



【そして――――】

――ドライ・ブラー号 1号車【展望車・前】 運転室


ガチャ

副運転士「あっ、士長! おはようございます!」

運転士長「ああ、おはよう。年始の一件以来だな」


副運転士「いやあ、あの運行は大変でしたね……。一年分働きました」

運転士長「ははは。そうだな。だが、また気持ちを切り替えていかなければなるまい」

副運転士「そうですね。だって、なんてったって、今日は――――」

605 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:47:22.57 ZeTj+wVPo 592/602



副運転士「栄えあるドライ・ブラー号の、今年初めての通常運行の日なんですから!」


運転士長「特別運行も、通常運行も、私たちが運行にかける思いは変わりない」

運転士長「どちらにせよ、お客様に満足いただける列車の旅を提供せねばな」


副運転士「それにしても……。驚きました」

副運転士「あれだけ大破して、変形までした、ドライ・ブラー号が……」

副運転士「まさかわずか半月ほどで元通りになっているとは」


運転士長「ああ。ウェイターとウェイトレスの二人を中心に、業者が頑張ってくれた」

運転士長「さすが、ただの掃除屋の二人だな」

606 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:47:49.25 ZeTj+wVPo 593/602



副運転士「ええ……。本当にスゴい……」


副運転士「…………」

運転士長「どうした?」


副運転士「『運命は絶対ではない』……」

副運転士「『それを為せるのは、その時間に生きる、意志ある者たちだけ』……」

運転士長「あの白ドレスの女、いや、白の大天使が言っていたコトバか」


副運転士「はい。あの戦いでは色々ありましたが、結局私たちは今、普段通りです」

副運転士「私たちは運命を変えるコトが出来たのでしょうか? そして、私は、本当に……」

607 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:48:16.65 ZeTj+wVPo 594/602



運転士長「そうだな……」


運転士長「ええと。たしか資料がココに……」ガサガサ

運転士長「あった。年末年始運行の乗客は、全員オーサカに無事送り届けた」

運転士長「また、運行後アンケートもその時に取ったが……」

運転士長「アクシデントの演出も含め、おおむね高評価だったぞ」


副運転士「マ、マジですか!? てっきりクレームの嵐かと……」


運転士長「ああ。私たちは、無事に年末年始の運行を成功させて、新たな一年を迎えた……」

運転士長「そして乗客の方々に満足していただいた。これは、運命を変えたというコトではないかな?」

608 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:48:43.71 ZeTj+wVPo 595/602



副運転士「……そうですね。そうかも、しれませんね……!」


運転士長「さて。残るは、君だ」

副運転士「え。私ですか……?」

運転士長「そうだ」


運転士長「私たちは、このドライ・ブラー号の記念となる、年末年始運行を終点まで導いた」

運転士長「アクシデントはあったが、運行に問題は無い。運行は成功と言っていいだろう」

運転士長「だが……。乗務員である、君は。今回の運行、楽しかったか?」

副運転士「……!」

609 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:49:13.76 ZeTj+wVPo 596/602



副運転士「……ええ。それはモチロン」

副運転士「この運転室に現れた白ドレスのお姉さんから、色々あって」

副運転士「色んなヒトたちと出会って、戦って」

副運転士「すっごく、すっごく。楽しかったです!!」

運転士長「なら、良かった」


運転士長「このドライ・ブラー号は、ヒトを運んでいる」

運転士長「様々な思いを持った、ヒト……。それには乗客はモチロン、私たちも含まれる」

運転士長「そのヒトの思いが交差して生まれる運行を。楽しいと思ってもらえたのなら、何よりだ」

副運転士「はい! こんなニギヤカで楽しい列車は、他になかなか無いでしょう!」

610 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:50:05.21 ZeTj+wVPo 597/602



運転士長「ははは。それでは、今は格納したが、この列車の“翼”」

運転士長「それを再び羽ばたかせるとしよう」


運転士長「車掌たち、他の乗務員も、全員が既に配置についている」

運転士長「あとは君の掛け声一つだ」

副運転士「そうですね! では、いつものアナウンスを!」


副運転士「ふぅ……」

カチ


副運転士「…………」

611 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:50:33.81 ZeTj+wVPo 598/602




副運転士「すぅ……」



副運転士『お待たせ、いたしました』


副運転士『本列車はサッポロに向け、まもなく発車します』

副運転士『お見送りのお客様はホームからお願いしますっ』



ジリリリリリ…

612 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:51:37.30 ZeTj+wVPo 599/602







                         ━━ 登 場 人 物 ━━


https://www.youtube.com/watch?v=rY5VnM8AGM0








【乗務員】

副運転士

運転士長

車掌

ウェイター

ウェイトレス

料理長

マスター

フロント


【教授&執事】

教授

執事


【傭兵】

剣使い

弓使い

銃使い


【き○こ派】

キノコ頭

テロリストA

テロリストB

テロリストC

テロリストD


【青鬼族】

族長

魔族A

魔族B

魔族C

魔族D


【未来の市民ボランティア】

ヒーロー

小型メカ

613 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:52:17.63 ZeTj+wVPo 600/602



【時空環境整備課】

革ジャン

黒コート


【桜色剣士】

桜色の女


【鉄仮面卿】

仮面の男


【魔界】

魔王


【冥界】

冥王


【天界】

白ドレス


【その他】

店員

駅員

パイロット

乗客A

乗客B

乗客C

死神A

死神B

アポ○モンスター

記者A

記者B

記者C

タケノコ頭

数学教師

614 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:52:46.82 ZeTj+wVPo 601/602

1514019635-614


615 : ◆9xXTDlz//k - 2017/12/31 17:53:13.98 ZeTj+wVPo 602/602

以上を持ちまして、最終章「薄明」および『テロリスト「「「この列車は俺たちがハイジャックした!!!」」」』を
完結といたします。皆さん、ここまで感想等、ありがとうございました!

年末年始を舞台にてんやわんやの群像劇を描きたいと思い
作品を書きましたが、もしお楽しみいただけたなら幸いです。

このスレはしばらくの後にHTML化申請させていただきます。それでは、良いお年を。

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