10月6日(金)
学校
ヴィーネ「そういえばガヴ、来週の」
ガヴリール「!」
ヴィーネ「来週の月曜日って体育の日よね」
ガヴリール「え⁉︎ あ、そうだな、祝日だな!」
ヴィーネ「ほら、私ってイベント好きじゃない?イベント好きとしてはメジャーなイベントだけじゃなくて、こういう日のイベントにも積極的に参加するべきだと思うのよね」
ガヴリール「 つまり?」
ヴィーネ「来週の月曜は体育の日らしい事をするわよ!」
ガヴリール「うわ、運動とか嫌なんだけど私」
元スレ
ガヴリール「今日は?ヴィーネの誕」ヴィーネ「体育の日!」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1507637617/
サターニャ「なになに?何の話?」
ラフィエル「体育の日がどうの~、と聞こえましたが」
ヴィーネ「ちょうどみんな揃ったわね、はいこれ」
ガヴリール「なんだ?紙?」
サターニャ「『体を育てよう!体育の日特別トレーニングメニュー!』?」
ラフィエル「体を育てようってなんだか、いやらしい響きですが……まさかヴィーネさん!」ハッ
ヴィーネ「いや違うから!いや、ラフィが何を想像したか知らないけどいやらしい事じゃないから!」
ヴィーネ「あさって日曜日に私の部屋に集まって、体育の日の予習をするわよ!」
ガヴリール「いやいや、体育の日の予習って意味わかんないんだけど」
ヴィーネ「体育の日とは何の日でしょう!はいサターニャ!」
サターニャ「え⁉︎ えーと、体育をする日!」
ヴィーネ「残念ハズレ!ほら、改めて聞かれると体育の日の事ってよく知らないでしょ?」
ガヴリール「私は祝日ならなんでもいいんだけど」
サターニャ「あ~、ガヴリールは体育で私に負けるのが怖いのね~?」
ガヴリール「違うが」
ラフィエル「いいじゃありませんか、それに……」ヒソヒソ
ガヴリール「!」
サターニャ「!」
ヴィーネ「せっかく人間界にいるんだもの、人間界の行事を楽しみましょう!ね!」
ガヴリール「ま、それもそうか」
サターニャ「そうね!」
ラフィエル「うふふ~」
10月8日(日)
ヴィーネの部屋
ヴィーネ「いらっしゃい、ガヴ」
ガヴリール「お邪魔しまーす……あれ?」
ヴィーネ「どうかした?」
ガヴリール「いや……いつものヴィーネの部屋だな、と」
ヴィーネ「?」
ガヴリール「あ、えーと、体育の日の予習って言うから何か準備してるのかなって」
ラフィエル「お邪魔しますー」
サターニャ「私よ!あれ?」
ヴィーネ「いらっしゃい!」
サターニャ「今日ってヴィネットの……むぐっ」
ガヴリール「今日は体育の日の予習だぞサターニャ」
タプリス「遅くなってすみません!あれ?月乃瀬先輩の誕」
ガヴリール「せいっ」ガッ
タプリス「」キュー
ヴィーネ「⁉︎」
~
サターニャ「へぇー!体育の日って東京オリンピックの開会式があった日だったのね!」
ラフィエル「オリンピックの起源まで調べているなんて、さすがヴィーネさんです!」
ヴィーネ「えへへ」
ガヴリール「今は月曜だけど、昔は10月10日だったんだな」チラッ
サターニャ「!」チラッ
ラフィエル「……」チラッ
ヴィーネ「三連休にするために祝日を移動させるなんて、面白いわよね~」
ガヴリール「……?」
ヴィーネ「それじゃ体育の日の予習も終わったところで、明日の予定を発表します!」
ガヴリール「お、おう!」
ヴィーネ「ガヴの家の近くに公園があったでしょ?そこで、ちょっとした運動会的なイベントをやります!」
サターニャ「ガヴリールには負けないわよ!」ガタッ
ガヴリール「うるせぇ座ってろ」
ヴィーネ「みんなお弁当持ってきてね!」
ガヴリール(そうか、明日か)
10月9日(月) 体育の日
公園
ガヴリール「ぜぇ、ぜぇ……きっつい」
サターニャ「もうへばったの?情けないわねガヴリール!」
タプリス「ふぅ、さすがにマフラーが暑いです」
ラフィエル「さすがヴィーネさん主催のイベント、割とガチめの運動会ですね!」
ヴィーネ「やるからには本気じゃないと!これで午前の部は終わりだから、この後は皆お待ちかねのお弁当タイムよ!」
ガヴリール「わーい……って午後もあるのかよ!」
~
ヴィーネ「今日はみんなお疲れ様!また明日、学校でね!」
ガヴリール「おつかれー」
サターニャ「私は疲れてないわ!」
タプリス「胡桃沢先輩の体力は無尽蔵ですか……」
ラフィエル「いい汗かきました~」
ガヴリール「……」
ガヴリール(普通に終わってしまった)
サターニャの部屋
ガヴリール「明日はヴィーネの誕生日だよな?」
サターニャ「ええ、そうよ間違いないわ」
タプリス「私はてっきり、この三連休中に誕生日パーティーをひらくものとばかり」
ガヴリール「あのイベント大好きヴィーネが自分の誕生日を忘れるとは思えない」
ラフィエル「やはりイベントは当日に行なってこそ、という事でしょうか?」
ガヴリール「そうか……!」ピーン
サターニャ「どうしたのよガヴリール」
ガヴリール「……サプライズパーティーだ」
タプリス「そうか、そうですよ!」
サターニャ「なるほど、サプライズパーティーなら当日まで隠してても不思議じゃないわ!」
ガヴリール「きっと体育の日のイベントを大々的にやったのも、私達の注意を誕生日からそらす為だったんだよ!」
サターニャ「なるほど!」
タプリス「さすが月乃瀬先輩ですっ!」
ラフィエル「……あれ?」
10月10日(火)
登校中
ヴィーネ「……」ソワソワ
ガヴリール「そうだ」
ヴィーネ「うん!なにガヴ⁉︎」
ガヴリール「今日までの宿題やってないの思い出した」
ヴィーネ「え、あ、そうなの」
ガヴリール「学校着いたら見せて」
ヴィーネ「ええ、いいわよ……」
学校
タプリス「あ、天真先輩!月乃瀬先輩!おはようございます!」
ガヴリール「お、おはようタプリス」
ヴィーネ「おはようタプちゃん!」ソワソワ
タプリス「そういえば」
ヴィーネ「!」
タプリス「昨日の運動会で、全身筋肉痛なんですよ~」
ガヴリール「私も全身痛いわ」
ヴィーネ「……私も」
教室
サターニャ「おはよう!」
ガヴリール「おっす」
ヴィーネ「おはようサターニャ」ソワソワ
サターニャ「そうだわ!」
ヴィーネ「!」
サターニャ「勝負よガヴリール!今日は魔界通販で買った転移装置で」
ガヴリール「パス」
サターニャ「なんでよ!」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「おはようございます~」
ヴィーネ「おはようラフィ!」ソワソワ
ラフィエル「今日もいつもと変わらず賑やかな朝ですね~」
ヴィーネ「そ、そうね……」
ガヴリール(そう、いつもと変わらない朝!)
サターニャ(私達は気づいてないフリ!)
ラフィエル(事前に気づいていたのでは、サプライズの意味がありません!)
タプリス(さぁ、いつでもどうぞ月乃瀬先輩!)
放課後
ヴィーネ「今日はガヴ、バイトの日よね」
ガヴリール「あぁ、めんどいけど」
ヴィーネ「それじゃまた明日ね」
ガヴリール「うん、また明日」
ガヴリール「……あれ?」
エンジェル珈琲 PM8:00
ガヴリール「……あれー?」
マスター「どうしたんだい天真くん?難しい顔して」
ガヴリール「あー……ほら、私の友達にヴィーネっているじゃないですか」
マスター「あぁ、あの天使みたいな」
ガヴリール「天使?」
マスター「あはは、なんでもないよ……それで、彼女がどうかしたのかい?」
ガヴリール「今日ってヴィーネの誕生日なんスよね」
マスター「へぇ!それはめでたいねぇ!」
マスター「だったら今日はもう上がっていいよ?誕生日パーティーとかやるんじゃないかい?」
ガヴリール「マジすか!よっしゃ帰ります!……って、違うんですよ」
マスター「違うって、なにがだい?」
ガヴリール「ほら、ヴィーネってイベントとか好きじゃないですか」
マスター「それは知らなかったけど……それで?」
ガヴリール「昨日の体育の日ですらイベントやったのに、今日の誕生日については何も言ってこないんスよね」
マスター「……ん?」
ガヴリール「サプライズパーティーだと思ってたんですけど、もうこんな時間だし」
マスター「ちょっといいかな」
ガヴリール「はい?なんスか?」
マスター「いやね、私はおじさんだから、今時の若い子の事はよく知らないんだけど」
ガヴリール「はい」
マスター「そういうパーティー……特にサプライズパーティーって、自分で準備するものじゃない気がするんだけど」
ガヴリール「……んん?」
マスター「いやもちろん、自分の誕生日パーティーを自分でひらく事もあるだろうけど」
ガヴリール「……」
マスター「イベント好きな子が当日の夜まで何も言わないって事はさ、友達に祝ってもらうことを期待してるんじゃないかな?」
ガヴリール「……!」
マスター「それこそ、サプライズパーティーをね」
ガヴリール「マスター!ちょっとお願いしてもいいですか⁉︎」
マスター「あぁ、なんでも頼みなさい」
サターニャの部屋
サターニャ「んー?ヴィネットのやつ、まさか自分の誕生日忘れてるのかしら?」
prrrrrr…
サターニャ「ガヴリールから電話?」ピッ
サターニャ「はいもしもし……なによ……え?うん……」
サターニャ「……あ、確かに……そうよ、そうだわ!……うんうん」
サターニャ「え?はいはい……なるほど!分かった、うん……じゃあ後で!」ピッ
サターニャ「こうしちゃいられないわ!準備よ準備!」
エンジェル珈琲
ラフィエル「ガヴちゃん!」
タプリス「先輩!」
ガヴリール「よく来た二人とも!」
ラフィエル「私とした事が、ヴィーネさんのイベント好きのイメージのせいで、とんだ勘違いを……!」
タプリス「私も、私もぉ……!」
ガヴリール「大丈夫だ、まだ間に合うぞ!そうだ、プレゼントは持ってきたか?」
ラフィエル「はい!それはもう準備してありましたので!」
タプリス「私もです!」
ガヴリール「よし!」
マスター「おや、君たちも天真くんのお友達だったんだね」
ガヴリール「マスター!喋ってないで料理作って!」
マスター「え、あ、ごめんよ!」
タプリス「あ!天真先輩のその格好!もしかして天真先輩のバイト先って」
ガヴリール「タプリス!無駄口叩いてる暇があるなら飾り付け!」
タプリス「ふぇ⁉︎ごめんなさいっ!」
ラフィエル「ガヴちゃん!サターニャさんはまだですか!」
ガヴリール「あぁ、サターニャには大事な任務があるからな」
ラフィエル「任務、ですか?」
ガヴリール「まったく、都合のいいもの売ってるよな魔界通販も」
ラフィエル「?」
マスター「天真くん!とりあえず出来た料理から並べちゃって!あとはパーティーが始まってから追加するから!」
タプリス「先輩!飾り付け終わりました!」
ガヴリール「よし……もしもし、サターニャ!やってくれ!」
ヴィーネの部屋
ヴィーネ「はぁ、みんな私の誕生日なんか覚えてないのかな」
ヴィーネ「……ううん、だめだめ!これじゃ私、祝ってほしくて仕方ない人みたいじゃない!」
ヴィーネ「そうよ、そうだわ……いくら私がイベント好きで、みんなの誕生日を盛大に祝ってるからって」
ヴィーネ「それは別に、私の誕生日を同じように祝ってほしいからやってる訳じゃない!うん!」
ヴィーネ「……でも」
ヴィーネ「せめて一言だけでも、おめでとうって言って欲しいって」
ヴィーネ「そう願うくらいなら、いいよね……」
ヴィーネ「あと3時間で誕生日が終わっちゃう」
ヴィーネ「……ガヴ、みんな……!」
サターニャ「私よ!!!!!!!!」ヴォン
ヴィーネ「!!!?!!?!!!??」ビクッ
サターニャ「よし、服装は問題ないわね!」
ヴィーネ「え?え?サターニャ?なんで⁉︎」
サターニャ「ヴィネット!しっかりつかまってなさい!」
ヴィーネ「え、なになに⁉︎なにが」
サターニャ「まさかこんな使い方になるなんてね!魔界通販で買った転移装置!」ヴォン
エンジェル珈琲(本日貸し切り)
ヴィーネ「きゃっ⁉︎」ヴォン
サターニャ「来たわよ!」ヴォン
ガヴリール「せーの!」
みんな「「「誕生日おめでとー!!!!!!!」」」
ヴィーネ「え?えぇ⁉︎うそ、こんな……えぇ⁉︎」
ガヴリール「ははっ、なんて顔だよヴィーネ」
ヴィーネ「だって、みんな私の誕生日なんか、覚えてないのかなって」
サターニャ「バカね!イベント大魔王のあんたの誕生日、忘れる奴がどこにいんのよ!」
ラフィエル「そうですよ!そんなヴィーネさんを満足させられるレベルのサプライズパーティーとなれば、これくらいやらないと、です!」
タプリス「ですです!」
ガヴリール(いやまぁ、覚えてたのは本当だしな、うん)
ガヴリール「さ、主役も来たしさっそく食べようぜ!」
タプリス「あれ、そういえば天真先輩、ケーキが見当たりませんが」
ラフィエル「マスターさん?ケーキはまだですか?」
マスター「え?天真くんが、ケーキは大丈夫だって」
ガヴリール「やれサターニャ!」
サターニャ「ケーキならここよ!転移装置起動!」
めっちゃ豪華なケーキ「お待たせ」ヴォン
ヴィーネ「!」
サターニャ「胡桃沢洋菓子店自慢の最高のバースデーケーキよ!」
ガヴリール「魔界から直送の出来たてケーキだぞ!」
ラフィエル「なるほど!」
タプリス「これはサプライズです!」
ヴィーネ「……うっ、うぅ」ポロポロ
ガヴリール「ヴィーネさん……?」
ヴィーネ「も、もう!なんでラフィとタプちゃんまで驚いてるのよ!」ポロポロ
ガヴリール「ははっ、泣くか笑うかどっちかにしてよ」
ヴィーネ「ガヴ、サターニャ、ラフィ、タプちゃん、マスターさんも……」
ガヴリール「ふふっ」
サターニャ「なーっはっはっはー!」
ラフィエル「うふふ~」
タプリス「えへへ」
マスター「あははは」
ヴィーネ「みんな、ありがとう!」ニコッ
Happy Birthday Vignette !!!!
おわり