女友「だよねー。この漫画の主人公とか、相手の子がちょっとボディタッチ多いだけで勘違いしちゃってさー」
女「う、うん、そだね……」
女(私も勘違いしてたー!)
女友「あはは、目合わせただけで赤くなってるし」
女「あ、ありえないよねー……」ハハハ…
女(目合わせられないー!)
女友「これ絶対相手の子メーワクだよね」
女「……!」
女友「ん?女、どーかした?」
女「……ううん、なんでもないの」
元スレ
女友「百合とかありえないよね~」女「えっ!?ぁ…ぅ、うん…」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1314214885/
女友「ふーん、そっか。じゃ、そろそろ帰ろっ!」
女「うん……」ズーン
女(勘違いだったんだ……私の)
女(たしかにそうだよね女友ちゃんはすごく活発で可愛くて人気もあって根暗の私なんて女友ちゃんが話しかけてくれるだけで一生分の運を使ってるんだ……)
女友「はいっ、手繋いで帰ろ」ギュッ
女「うん……」
女(これもただのスキンシップ……)
女友「あー、ちゃんと指絡めないとダメ!」ニギニギ
女「うん……」
女(これもただのスキンシップ……)
女友「えへへ~、よし、これでいつも通り!女の手はあったかいなあ」ホッペスリスリ
女「…………」
女(……これただのスキンシップなんですか!?)
女友「ん?どーした?女、顔赤いよ?」
女「なにいってるの女友ちゃん私の顔なんていつもこんなもんだよ日本猿のお尻並に赤いよ中学時代のあだ名は赤信号だったよ」
女(手繋いだだけで顔が赤くなる発情猫だって女友ちゃんに嫌われちゃう……!)
女友「そ、そうだったの?なんかゴメンね、辛い話させちゃって……」
女「あ……ううん、そんなことないよ……」
女(私いま取り乱してた!女友ちゃんに気を遣わせちゃった!)
女友「でも大丈夫、これからは私がついてるから!私の目の黒いうちは、女を赤信号なんて呼ばせないから!」キリッ
女「……うん!」キュンッ
女(女友ちゃん……ステキ!)
女友「せめて青信号って呼ばせるよ!」
女「あ、どっちにしろ信号機なんだ。私」
女「あ、じゃあここで大丈夫だよ。いつも送ってくれてありがとね」
女友「いいのいいの。どうせ私達帰る方向一緒じゃん」
女「そうだっけ?」
女友「そうだよ。このまま直進すれば地球は球体なんだからいずれ我が家に着くよ」
女「でも一般的な考え方をすると逆方向だよね?」
女友「そりゃあ一般的に考えたらそうなっちゃうよ。私は常識の型にはハマらないのさ」キリッ
女(かっこいい!)キュンッ
女「さすが自由人だね!女友ちゃん!」
女友「よしてよ、照れるじゃん」ハハッ
女「普通じゃない!非常識!」キラキラ
女友「うん、まあね」
女「異常と言っても差し支えないよ!」パァァ
女友「いやそれはちょっと私が差し支えるかな……」
女友(この子の場合、こういう時悪気ゼロだから困る)
女友「よし、じゃあまた明日」
女「ばいばい!」
女友「……ふぅ」
女友の部屋
女友「あああああ私のバカバカバカ!」ボフボフ
女友(やっぱり、女も私のことメーワクだって思ってるのかな……)
女友「あんな漫画が置いてあったせいだ……なんか気まずい空気になっちゃったし」ズーン
女友(でも、最後にばいばいって言ってくれた時の女の笑顔……)
女友「~~~~~くぁーいいー!」バタバタ
女友母「ちょっとうるさいわよ!!」
女の部屋
女「女友ちゃんはやっぱり凄いな~。通学路を地球規模で考える高校生なんて女友ちゃんくらいだろうな~」ニコニコ
女(あ、でも明日からどう接すればいいんだろう。女友ちゃんは百合なんてありえないって、普通、そうだよね……)
女(あれ、でも女友ちゃんが普通なわけない……じゃあほんとは百合オッケー?え?これキタコレなんじゃないですかコレ、いやいやいや落ち着くのよ私。仮に百合オッケーだとしても相手が私とか……)
女「……うん、ないな」グスン
女「悲しいけど、明日からは……」
女友の家
女友「イテテ、お母さんのローリングソバットは相変わらずエグいなあ。これからは静かに萌えよう」
女友(あ、でも毎日毎日一緒に登下校してるけど、女って他に親しい子とかいるのかな)
女友(クラスが違うせいで、授業中とかの女は見られないからなあ。もしいたら……もしいたら…………)
女友「よし、明日からは……」
女「少し、距離を置こう」
女友「もっと、攻めていこう」
翌朝
早朝
女の家
女(きっと私が毎日お迎えに来てもらってるのが悪いんだよね。そもそも学校挟んで真逆から来てるから、女友ちゃんは私の倍以上の距離を……)
女「最近ではカバンを一旦教室に置いてからうちに来てたもんね。やっぱり悪いよ。今日は早めに家を出て、校門の前で女友ちゃんを待とう」
女「いってきます」ガララ
女友「あ、おはよー。待ってたよ」
女「……」
女友「今日はやけに早く目が覚めちゃってさー」アハハ
女「まだ5時前だよ?」
女友「あ、やっと5時?じゃあもうかれこれ2時間はここで待ってたのか」
女「」
女友(本当は2時から待ってたから3時間くらいなんだけど、さすがに引かれちゃいそうだしね。嘘も方便使い分け)
女「そ、そうだったの?電話とかしてくれれば起きたのに」
女友「いやいやそれはダメだよ。寝不足はお肌の大敵だからね。女の子にはぐっすりたっぷり睡眠を取る義務があるんだよ」
女「それじゃ、女友ちゃんだって女の子なんだから、そんな時間にうちに来ちゃダメだよ」アセアセ
女友「大丈夫だよ、私は仮眠とかで調整してきたから」
女「え?たまたま早起きしたわけじゃないの?」
女友「何言ってんのさたまたまだよたまたま以外の何者でもないよ。仮眠はホラ、私の睡眠なんてすべてが仮眠みたいなもんだから」
女友(うかつ……!今日の私うかつ!昨日の今日だからちょっと冷静さを欠いているわ……)
女「そうなんだ、さすが女友ちゃんだね。でも仮眠ばかりだと体に悪いよ?ちゃんと本眠も取らないと」
女友「その本眠という熟語はたぶんいま貴女が創造したものなんだろうけど、わかったよ、私も今度から本眠の方を取るようにするよ」
女「うん、そうして。女友ちゃん、肌キレイなんだから大事にしなくちゃ」ニコニコ
女友「そ、そんな事ないよ、女の肌の方がキレイだって!ほら!」ピトッ
女「!?」
女(私と女友ちゃんのホッペとホッペがーーーー!?)
女友「ふむぅ、やはりスベスベですなあ」スリスリ
女(スキンシップ!これはスキンシップなのよ……!欧米では当たり前!欧米では当たり前!)
女友(攻めるのよ、今日から私は攻める女っ……!)スリスリ!
女「」パクパク
女友「さ、さあじゃあそろそろ学校にいこっか」
女友(これ以上は私の理性が!)
女「」シュゥゥ
女友「あ、あれ?おーい、女ー?顔真っ赤っかだけど、」
女「!」
女友「だいじょ……」
女「け、警察のサイレンだから!ほら、私のあだ名警察のサイレンだから!」
女友「え?たしか赤信号じゃ……」
女「それは中学時代だよ!バカだなあ女友ちゃんは!私は行く先々であだ名を付けられるのが得意なんだよ!今のはうちの近所のコンビニで店員さん達が仲間内で私をネタに盛り上がる時に使ってるあだ名だよ!」
女友「」
女友「それ、言われてるの聞いたの……?」
女「え?う、実際に聞いた事はないけど、絶対そう言われてるに違いないよ」
女友「警察のサイレン……」
女「もしくは赤色巨星だよ」
女友「女、貴女コンビニで何をしているの……」
女(うまく誤魔化せたかな……)ドキドキ
女(でも、私は女友ちゃんと距離を取るって決めたんだから、誤魔化さなくてもよかったのかな……)
女 教室
朝HR後
女「はぁ……」
モブ子「あれ?女、元気ないね。まあいつも元気一杯ではないけどさ。でも今日は元気半杯もないくらいだよ」
女「あ、うん、ちょっとね」
モブ子「あー、もしかして隣のクラスの女友さんと何かあった?」
女「う、意外と鋭いねモブ子ちゃん。モブなのに」
モブ子「まーあんたが悩むって言ったらあの四六時中ベタベタしてる女友さんの事くらいかなーって。モブって言うな」
女「そんなにベタベタしてないよ。そんな事言ったら女友ちゃんに迷惑だよ。モブのくせに」
モブ子「えー?でもどっちかって言ったら女友さんからあんたに擦り寄ってきてない?泣いていい?」
女「うーん、そうかもしれないけど……」
女(でもきっとそれは私が頼りないから……)
女友(当たり前だけど女ってクラスに普通に友達いるんだよね。あのモブっぽい人、ちょっと女と親しげ……どんな会話してるんだろ)
教師「扉からどいてください。そして自分の教室に戻りなさい」
昼休み
女(結局、今朝はいつも以上に長い時間女友ちゃんと一緒にいたから、ここら辺でちゃんと決めた通りに距離を置こう!じゃないと、こんなつまらない私と四六時中一緒なんて、女友ちゃんに悪いよ!)
女「モブ子ちゃん、一緒にお弁当食べよ?」
モブ子「イ・ヤ」
女「……」
女「あ、yeah?yeahね。あービックリしたー、さすがに私もモブ子ちゃんがフランクな英語で応えるほどノリノリだとは思ってなくて、いま一瞬だけ拒否されたのかと勘違いしちゃったよー」
モブ子「勘違いじゃないよー珍しく理解できてるよー。なんだyeahって。そんな強引な突破初めて見たよ」
モブ子「なんであんたと食べなきゃいけないの。いつもみたいに女友さんと食べにいきなよ。学食だか屋上だか知らないけどさ」
女「私たちいつもそんなところで食べたりしないよ。屋上なんて先生に見つかったら大変だし」
モブ子「じゃあいつもどこで食べてんの?」
女「体育用具室とか理科準備室とか、あとは先生方の車の中とか、まあ鍵さえかかるところならどこでも」
モブ子「先生に見つかったら大変だな」
女友「」
女友(女が私以外の人とお昼を食べてる……)
モブ子「ていうか鍵のかかるところで、二人きりって、おまえら女同士で何なの?気持ち悪いなあ」
女「失礼だねモブ子ちゃんは。これはただ女友ちゃんが型破りで普通じゃないから異常で常識的な理解の外にある場所で食べてるだけだよ」
モブ子「女友さんてそんな変な人なの?見えないなあ。ていうかあんたさり気無く女友さんのことけなさなかった?」
女「うるさいなあモブ子ちゃんは。もうその話はいいから、早くお弁当食べよ!」
モブ子「いやもう食べてるけど?」
女「はぁ、違います、そっちのお弁当じゃなくてこっちのお弁当です」ピトッ
モブ子「うわっ、なに人の顔にご飯粒つけてんだよ!」
女「え?別に自分でつけても他人がつけても一緒でしょ?いいからいくよ。あーん」
モブ子「ちょっ……!」
女「あーん」
モブ子「ま、おま、ばっ、」
女「ぺろっ」
モブ子「待たんか!!!」バシィィィィ!‼
女「いったーい!」
モブ子「お、おまっ///え!?なんなんですか!?え?えええええ」
女「なんなんですかじゃないよ!それはむしろこっちのセリフだよ!お弁当食べる時には食べ終わるまでに四十八手の作法をこなさなきゃならないんだよ!?」
モブ子「」
女友「はわわわわ」
女友(これはまずいことに……女があまりに純真無垢でなんでも信じるから、ついついいろんなことを私が吹き込んだことが露見してしまうー!)
「え?あの2人いまキスしてたー?」
「やだー女の子同士でー?」
「むしろご褒美です」
「ざわ……ざわ……」
女友(かくなる上は……!)
女友「あっれー、女にモブ子じゃん!なにしてるの早くお弁当食べにいこうよ!」
女「あ、女友ちゃ……女友「行こうよ!」グイグイッ
女友「あとモブ子も!」
モブ子「……ふぇ?え!?あたしも!?ていうかあんたと喋るの初めて……」
女友「い い か ら」
女友(女とお弁当四十八手に及んだからにはこの子、ただでは済まさない……!)
屋上
モブ子「ゴホン、とりあえず、説明してもらおうか」
女「説明……?あー、もしかしてモブ子ちゃん知らないの?お弁当にはちゃんとした作法があるんだよ」エッヘン
女友「うん、女は一回黙ってよっか。ほら、私のお弁当の大葉あげるから」
女「はむはむ」コクリ
女友「さて、モブ子さん……どう説明すれば納得してもらえますか?」
モブ子「いや、たぶんどんな説明をしてもここからあんたの心象を覆すことはできないと思うけど……。とりあえず女のあの行為はなんだったの」
女友「ああ、お弁当四十八手のことですか」
モブ子「あ、やっぱいいや。立ち入りたくない」
女友「手遅れよ」
女友「この隔絶された場所に迷い込んだ時点で貴女はすでに立入禁止の中にいるの」
モブ子「いや迷い込んだんじゃなくて、あんたに拉致されたんだけど」
女友「ふん。女。いつもみたいにお弁当食べよっか」
女「?いいよ」
女友「刮目しなさい!モブ子!これがお弁当四十八手……!」
モブ子「もうあたしの事は呼び捨てなんだ」
女友「まずはこのタコさんウインナーから……!」
女「うん!いつでもいいよ!」
女友「タコさんの足の方を私がこうやって手で持って、女の口に触れるか触れないかのところに差し出す!」
女「これを私がいかにエロく舐められるか!」レロッ
女「んっ、ちゅぱ、れろっ、すごい、おっき モブ子「待て待て待てぇぇえ!」
モブ子「え!?なに、あんたら毎日こんなことしてたの!?ビックリした!」
女「なにいってるの、モブ子ちゃん。本当にモブ子ちゃんはダメなモブ子ちゃんなんだから。こんなの誰でもやってるんだよ?」
女友「そう、こんなのすぐに慣れるよ」
モブ子「あのな、おまえらみたいなやつをなんて言うか知ってる?」
モブ子「百合って言うんだよ」
女「!」
女友「!」
女「ば、ばばばばかだなあ、モブ子ちゃんはほんと救えないよ。これはたとえ金魚すくいでポイのかわりにタモを使っても救えないレベルの話だよー」
女(百合なんて、女友ちゃんに嫌われちゃう!)
女友「そうだそうだ、モブ子ちょっと貴女、想像を絶する勘違いを起こしているって。ちょっとほんと何言ってるかわからない」
女友(百合なんて、女に嫌われる!)
モブ子「え?でも二人とも相手のこと好きだよね……?」
女「」
女友「」
モブ子「……あ」
モブ子(この二人……そういう事か)
モブ子「ちょっとあんたら、二人とも、正座」
女友「///」チョコン
女「///」チョコン
モブ子「ようやくわかった。わかりました。あんたら二人のその青臭い関係が」
モブ子「けど、それはあたしがどうこう口を出すまでもなく、また、二人が今更うだうだ面倒な事を考えるまでもなかったのです」
モブ子「だから、女、女友」
女「……うん///」
女友「うん!///」
モブ子「百合ってありえなくない?」
女・女友「「ありでしょ!」」
fin.