女「やだよバカ」
男「お願いします」
女「イヤだ!」
男「そこをなんとかお願いしますよ」
女「ヤダッてんじゃんバカ。
キモイ、死ね」
男「……」
女「第一なんでアンタに見せる必要があるか、意味分かんない。
さっさと消えてよ、キモイから」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったよ」
男「うっひょー!」
元スレ
男「パンツ見せてください」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1281239995/
男「10秒でいいからおっぱい揉ませてください」
女「な、なに言ってんの?
バカじゃないの」
男「9秒でもいいです」
女「無理!
てか自分で何言ってるかわかってんの?
反省して、後悔してそして死ね」
男「じゃあ7秒でいいです」
女「キモイから、話しかけないで、死んで」
男「……」
女「生まれてきたことを、恥じながら死んで。
誰にも迷惑かけずに」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったてば」
男「うっひょー」
男「ねえ、ペン貸して」
女「いいよ、ハイ」
男「ねえ、消しゴム貸して」
女「ハイ、どうぞ」
男「ねえ、ルーズリーフ一枚ちょうだい」
女「いいよ、2,3枚あげる」
男「そのエビフライちょうだい」
女「いいよ、ハイ」
男「……」
女「な、なんでそんな不満そうなの…?」
男「いや、別に……」
女「やだよバカ」
男「お願いします」
女「イヤだ!」
男「そこをなんとかお願いしますよ」
女「ヤダよバカ。いいかげんにしろ」
男「この通りです」
女「アンタに土下座なんかされてもちっとも嬉しくもないわ」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったよ、わかったてば」
男「あ、昨日と同じ柄」
女「ち、違うからね、同じ柄のやついっぱい持ってるだけだからね!」
男「わうあああああああああああああああ、髪の毛マジいい匂いがする」
女「う、うわ、ちょ、さわんな!」
男「クンカクンカ」
女「キモイ、死ね」
男「舐めたくなるぅ」
女「な、舐めんな!絶対、金輪際もう指一本、細胞一個触れるな!!!」
男「匂いかぐだけでもダメ?」
女「今後私の視界に入るな!」
男「……」
女「わ、わかったよしょうだないな」
友「ね、ねえ、キモイ男がが後ろでクンクンやってるけよ…」
女「ほ、ほっといてあげて」
男「脇の下舐めさせてください」
女「や、やだよ。なに言ってんのこのバカ」
男「お願いです。両方均等に舐めますから」
女「い、意味分かんない!
それならOKすると思ってる神経が理解できない、死んで」
男「きれいに舐めますから」
女「イヤだって、言ってんじゃん!
話聞け、いや、聞かなくていいから死ね」
男「……」
女「便所の床でも舐めて、お腹壊して死ね」
男「……」
女「きょ、今日という今日は譲らないからね」
男「……」
女「…わ、わかったよ」
女「く、くすぐったいww」
男「またおっぱい揉ませてください」
女「いやだ!どっか行け、シッシ!」
男「5秒でいいですから」
女「バカ!
秒数の問題じゃないってーの!
ウイダーインゼリー3個だけ持って富士の樹海に旅立って死ね」
男「先っちょツンてするだけでもいいです。
黒い先っちょ」
女「く、黒くない!」
男「?」
女「とぼけるな!」
男「……?」
女「こ、この…」
女「く、黒くないでしょ」
男「うっひょー」
男「パンツ見せてください」
女「ぷいっ」
男「お願いします」
女「……」
男「一生のお願いです」
女「……」
男「あ、あの…」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「…わ、わかったよ、わかったから勝手に覗かないでよ」
男「うっひょー」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「………」
女「………」
男「………」
女「………」
女「なんかヤなことあった?」
男「おっぱい揉ませてください」
女「イヤッ!!
だいたいなんでさも当然のように毎日毎日アンタにパンツ見せたり
胸触らせてあげたり、そんな異常行為が日課となってるわけ!?
アンタ友達いないからって、やることなくて暇だからってーのはわかるけど
いい加減キモイを通り越して生理的に限界だから!
まだ盛りのついたイヌネコの方が自制がきいてんじゃないの?
無視しても勝手に触ってくるわ、スカートめくってくるわ、
いい年こいた男として、いや人間として恥ずかしくないの?
そもそも人間としての自覚も尊厳もない、権利しか主張しないクズ生物だってのは
最近顕著になってきているけども、死ねないんだった大人しく牢屋でも入ってろ、ゴミ以下の存在!」
男「……」
女「ほら、またそうやってすぐ泣きそうな顔する。
そうすれば自分のお願いが通るとでも思ってんの?
サル以下の知能しかないの?
誰に甘やかされてそんな甘っちょろい考えのまま育ってきたの?
質問の意味分かってんの?
わかっててもわかってなくてもいいから、死んで、一片の肉片も残さずに」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったよ、わかったから」
男「うっひょー」
男「パンツの上からでいいからおしり触らせてください」
女「死ね、誰が許可するか」
男「じゃあおしっこしてるとこ見せてください」
女「もっとダメになってんじゃん!
死ね、ダメに決まってる!」
男「じゃあ、おしっこ飲ませてください」
女「ダメ!
てかキモイ、キモすぎる。
発想が化け物の域に達してるよ、死ね世界のために」
男「じゃあおっぱいしゃぶらせてください」
女「無理!死ねヘンタイ!」
男「じゃあ何ならいんですか?」
女「うーん、この中ならおしり触るのが一番まともかな…」
男「うっひょー」
女「あ、ちょ、許可したわけじゃ」
男「おっぱい揉ませてください」
女「ダメ!
あんたも懲りないねー」
男「お願いします。
僕を助けると思って」
女「じゃあ触っていいからその痕すぐ死んでね」
男「わっかりましたー」
女「え、ちょ、死ぬの?
バカなの?」
男「うっひょー!
あれ、こんな小さかったけ…?」
女「は?え?な、なに?」
男「……」
女「え…?」
女「……な、なんかごめん」
男「おはよ」
女「あ、おはよー」
男「なんかいい天気ですね」
女「しぇべり方キモイよ」
男「でも午後には雨が降るそうですよ」
女「え、そうなの?傘忘れちゃった」
男「私もですよ、ふふふ」
女「大丈夫?塗れちゃうよ」
男「濡れてブラジャーが透けたら見せてくださいね」
女「死ね」
男「濡れて色っぽくなってる姿もたまらないでしょうね」
女「死ね」
男「……」
女「死ね」
男「お腹すきましたね」
女「そうだね、こっちくんな」
男「お腹すいてペッタンコのおへそ舐めていいですか?」
女「ダメにきまってんだろ!死ね!
弁当食って、作ってくれたお母さんに感謝しながら、泣きながら死ね」
男「……」
女「こっちくんな、一緒にご飯食べるなんて言ってないっつーの!」
男「実は僕のお母さんはもう…」
女「…え、ちょっと」
男「……」
女「あ、え、っと、ご、ごめんね…。
そ、その、ちょっとだけなら、な、舐めてもいいからさ」
男「うっひょー」
女「お母さん生きてるじゃん!!!バカ!死ね!」
男「死んでるなんて一言も言ってないんですけど」
男「処女か確かめさせてもらっていいですか?」
女「ダメ!言ってる意味わかってんの?
確かめたらもう処女じゃなくなるつーの!」
男「じゃあ、パンツください」
女「意味分からん!!
会話してよ会話!」
男「一枚でいいです」
女「二枚も三枚もやるか!!
死ね、死んだら墓にパンツ御供えしてやるわ!!」
男「……」
女「是っていやんないからね!!」
男「……」
女「……」
男「……」
女「わ、わかったよ、さすがにノーパンはやだから帰りにならあげるよ…」
男「うっひょー!じゃあこの『予約済み』の札張っておいてもいいですか?」
女「ダメ!」
女「…ハイ、パンツ」
男「うっひょー!何とも言えない匂いがするww
女「うっさい!死ね!」
男「ありがとうございます」
女「何に使うのよそんなもん」
男「明日には洗って返します」
女「い、いらないわよ。
それ、もうあんたのもんだから好きにして」
男「じゃあ、お返しに僕のパンツ持ってきます、使用済みの」
女「い、いらないから!絶対いらないから!」
男「じゃあ、家に取りに行ってきまーす」
女「いらん!!」
男「郵便受けに入れときまーす」
女「イヤ!ちょ、絶対やめてよねー!!!」
女「…使用済みのパンツ家に取りに行くって、あいつ普段……」
男「いつも色々世話になってますので、たまには何かお返しをしますよ」
女「いらん!」
男「股間のチョコバナナ舐めてもいいですよ」
女「やらない!バカ!死ね!」
男「鼻糞あげましょうか?」
女「いらない!キモイ!最低!」
男「使用済みティッシュあげましょうか?」
女「絶対いらない!!それただのゴミだから!
アンタと同じただのゴミだから!!」
男「わがままですね…」
男「私はね、あなたが元気でいてくれればそれで十分なのよ」
男「女さん!!」
女「いや、言ってないからね、そんなこと」
女「見てー、髪型変えてみたんだ」
男「おー、可愛いでござる」
女「ありがと、でもキモイよ」
男「下の毛の方もストパーかけたでござるか?」
女「い、いや、かけてないから」
男「見せてくだされ」
女「見せないよ!死ね。
炎天下の中、こたつですき焼き食べて死ね」
男「……」
女「いや、今回は絶対見せないから」
男「この前もらったパンツにちょっと付いてた」
女「な…」
男「今朝の朝食で食べちゃったでござる」
女「死ね、死ね。
えっと…死ね!」
男「風呂の水がほしいです」
女「あっそ」
男「1リットル、いや800ミリリットルでいいですから」
女「水道止められたの?」
男「この瓶に入れてきてほしいです」
女「う、うちの?」
男「はい」
女「い、いや、発想がおかしいから…。
だいたいそんなもん何に使うっての?」
男「いや、大したことではないです」
女「どーせ、あんたのことだから飲むんでしょ?
汚らわしい、うちの前のどぶ川ですくって使えバカ」
男「……」
女「風呂の残り水より役に立たないアンタには貴重すぎるから!
どぶの水で十分ですから!死ね」
男「……」
女「わ、わかったわよ、瓶かしなさいよ」
女「ハイ」
男「うっひょー!念願の風呂の水」
女「何に使うのよそんなもん」
男「今夜のカレーに使うです」
女「カレー?それで足りる?」
男「え?」
女「足りないかな?」
男「?」
女「え?」
女「な、なんで私がアンタの家の夕飯の心配しなきゃいけないのよ!
足りなきゃ水道水使えバカ」
男「……」
女「死ね、バカ」
男「今日誕生日なんです」
女「あっそ、じゃあ死ね」
男「だからパンツください。生理の日にはいてたやつ」
女「ぅ…、キ、キモ過ぎる。
自分で言ってることわかってんの!?」
男「お願いします。誰からも祝ってもらえなくて」
女「当たり前じゃん!アンタの誕生日なんか誰がうれしいわけよ!?」
男「……」
女「だいたい自分からプレゼントくれっておこがましいと思いなさいよ!
バカ!バカ!」
男「……でも」
女「でももへったくれもない!
一人でケーキ食って糖尿病になって死ね」
男「……」
女「…わ、わかったよ、今日はいてるやつあげるから」
男「うっひょー!今日生理?」
女「うっさい!死ねバカ!」
男「美術の授業で課題が出たのでモデルになってください」
女「いいよー」
男「じゃあ服を脱いで」
女「いや、絶対イヤ!」
男「そこをなんとかお願いします。
題材に合った人がもういないんです」
女「イヤだ!探せ、世界中探せ!
私以外の誰か見つかるでしょ!
いなければ美術の先生に怒られて死ね」
男「……」
女「自分の親でも書いてろ、バカ。
死ね」
男「……」
女「……わ、わかったよ、まったくもう」
女「美術の授業で課題なんか出てないじゃんバカ!死ね!」
男「でゅふふ…」
男「女友たちが女さんの悪口言ってる聞いちゃった」
女「え……?」
男「普段僕と仲良く喋ってるからキモイって」
女「……」
男「その、ごめん……」
女「気にしないで。
人の陰口なんか言うやつらは、こっちから願い下げだから」
男「ごめん」
女「いいからいいから」
男「……」
女「ってパンツ覗くなバカ!
死ね、あーもう死ね!!」
男「今日はお弁当を作ってきました」
女「え?私に?」
男「全部手作りです」
女「わあ、ありがと」
男「この肉じゃがは、もらった風呂の水で煮ました」
女「やっぱいらない」
男「なぜです!?」
女「なぜですじゃねーよバカ!
キモイよ、嫌がらせじゃん!!」
男「味見しましたけど、絶妙の塩加減ですよ」
女「食べんな!キモイ、死ね!!」
男「ああ、遠慮しなくていいですよ。
まだ家にたくさんありますから、僕の分は気にしないで食べてください」
女「どっからそういう解釈になるんだっつーの!!
日の話聞け!バカ!!」
男「パンツください」
女「またー?
あのね、かれこれ10着くらいあげちゃってるんだけど…。
いい加減私がはくのが無くなるって」
男「それでもいいです」
女「よくねー!!
だいたい何に使ってんのよ!!」
男「それは…」
女「照れるな!キモイ!!」
男「聞きたいですか?」
女「いい、いいから、絶対言わなくていいから!
でも私もお母さんに怒られるから、こんな毎日パンツ無くしてると。
今度パンツ買ってきなさいよ」
男「はい」
女「あ、やっぱダメ!買ってきたやつだと何されてるかわかんないから、
私も行くから、アンタ金出しなさいよ」
男「はい」
女「何ニヤついてんのよ、キモイわね」
男「パンツ見せてください」
女「いいよ、勝手に見て」
男「うっひょー」
女「……」
男「おっぱい揉んでいいですか」
女「いいよ、勝手にやって」
男「うっひょー」
女「……」
男「なんかあったんですか?」
女「風邪気味でつらいの…。
痛くしなければ何でもやっていいから、ほっといて」
男「……」
女「抱きつかないでよ。
温かくてうれしいけど、風邪がうつるよ」
女「やんないから!私元気だから!アンタが徹夜で書いた台本なんて踏みつぶしてゴミ箱行きだから」
男「水着ください」
女「はあ?無理、ダメにきまってんでしょ!」
男「そこをなんとか」
女「いやいや、そんな安いもんじゃないから。
ただではいどうぞなんてあげれるもんじゃないから!
だいたいアンタになんて、気持ち悪くてあげられないから!」
男「ちゃんと使いますから」
女「使うな!
女物の水着なんて何に使うの!
頭おかしいよ、バカ!死んじゃえ!」
男「……」
女「キモ、鳥肌立ってきた」
男「……」
女「……」
女「…わ、わかったよ、昔使ってたやつでよければあげるよ」
男「うっひょー!スクール水着!」
男「ラブレターください」
女「ヤダ。だいたい私アンタにラブじゃないから、そんなものあげられないし」
男「お願いします」
女「ヤダよ、自分で自分に書いてればいいじゃん!
それにねー、そういうものはくれって言われたからあげれられるようなものじゃないの。
わかってんの?」
男「女さんの丸文字が好きなんです」
女「字だけかよ…、じゃなくて!!
だったら昨日書き損じたメモ帳あげるから、
持って帰って食べてお腹壊して死ね!
紙に口の中の水分全部吸収されて干からびて死ね!」
男「……」
女「アンタみたいなクズゴミキモブサ野郎だと、
どんだけ頭ひねっても文章思いつきませんから、残念!」
男「……古」
女「何よー!」
男「……」
女「……わ、わかったよ、書いてくるよ、今日の夜書いてくるから」
男「使用済みバイブください」
女「そんなもん持ってない!!」
男「これ、プレゼンろしますから」
女「いらん!タダでくれても全く嬉しくないから!
てかアンタこんなのどこで買ってきたの!!
もうちょっとね、恥とかないわけ!?」
男「使ったら、洗わないで返してほしいなーなんて」
女「使うか!バカ!
自分の肛門にでも突っ込んでろ!死ね!」
男「え……?」
女「私はやらないからねー」
男「それもいいかも」
女「……」
男「今夜試してみる」
女「あ、そ、そう……」
女「ハイ、約束のラブレター。
こんなもん初めて書いたわ」
男「うっひょー!
………あれ、メルアド書いてない」
女「書いてるわけないでしょ!
だいたいなんでアンタにこんな文章書かなきゃいけないのか、
理解に苦しみながら、必死に書いたってのに!
お礼の一言もなくて、おまけにいちゃもん付けるわけ!?
死ね、バカ死ね!」
男「……」
女「……死ね」
女「ごめん、アドレス教えるから家に電話してくるの止めて……」
男「うっひょー!アドレスアドレス」
男「おっぱい揉ませてください」
女「死ね、誰が揉ませるかっつーの!」
男「ありがとうございます」
女「あ、ちょ、や、止めてよ」
男「……ビー」
女「シーよ、失礼ね!」
男「え……?」
女「な、なによ。童貞のアンタに何がわかるっての!?」
男「ビーくさい気がする」
女「シーだよ…」
男「……」
女「シーだってば…」
男「……」
女「ご、ごめん」
男「今日のパンツ何色ですか?」
女「死ね」
男「ピンクか」
女「な、なんで知ってんのよ…?」
男「あ、当たった」
女「な、何それ!
適当に言っただけ!?」
男「ください、あとピンクがそろえば七色コンプリートです」
女「っ…、バッカじゃないの!?
人のパンツ集めてないで死ね!
虹の行方を捜してそのまま地平線の彼方に消えろバカ!!」
男「……」
女「今までのパンツ持ってっていいからそのまま
消えて無くなっちゃえ!バカ!」
男「……」
女「わ、わかったよ、あげるからさ」
男「うっひょー」
男「メール返してほしいです」
女「はぁ?
死ねバカ、いっつもパンツ何色とか今ノーブラですかとか
意味分かんない質問ばっかして、何がしたいわけ!?」
男「気になるんです」
女「気になっても口に出すな!!」
男「口には出してないです」
女「んー!人の上げ足ばっかり取って!!
死ね、もうメールしてくんな!」
男「……」
女「パケット代の無駄だから!
電気代の無駄だから!!」
男「……」
女「何とか言ってみろよバカ!」
男「……」
女「わ、わかったよ、わかったってば。見ていいから」
男「いつも着てるパジャマがほしいです」
女「死ね」
男「うっひょー、今日取りに行きます」
女「ど、どう考えたらそう聞こえるわけ!?
病院行けよバカ!」
男「じゃ、今夜9時ですね。
窓から入っていいですか?」
女「や、止めてバカ!」
男「……」
女「パジャマもらうって…。
バカ、あーもう死ねバカ」
男「……」
女「わ、わかったよ、あげる。あげるからちゃんとピンポン押して入ってきてよ」
男「うっひょー!お土産に昨日着た体育着持っていきます」
女「い、いらないから、洗ってまた使いなよ」
女「…ちょっと邪魔なんだけど」
男「お、こんなとこで会うなんて奇遇なのです」
女「奇遇なのですじゃないわよ!
ここ私んちの玄関でしょ!?
待ち伏せしてりゃ、いつか遭遇するにきまってるでしょ!!」
男「今日はプレゼントがあるんです」
女「アンタのパンツとか体操着とかいらないから!!
産業廃棄物だからね!」
男「これです」
女「え…、花束?」
男「うちで育てたやつなのです」
女「わあ、きれい…、ありがと」
男「いつも優しいから、お礼にあげます」
女「すごくいい匂い」
男「…その代わり、さっき干してある洗濯物からパンツいただきました」
女「死ね!
二度とうちの前に来るな!!半径500メートル以内に入るなバカ!!」
男「歯ブラシほしいです」
女「自分で買ってきなよ」
男「いや」
女「わ、私の?」
男「そうです」
女「し、死んでくれる、もう10回くらい死んでくれる?
キモイ、キモ過ぎる」
男「お願いします」
女「うっさいバカ!
人の歯ブラシほしいとかバカじゃないの、気が狂ってるんじゃないの!?
あー無駄ね、バカにバカと言っても理解できなことくらい」
男「……」
女「アンタどこでそのキモイ発想勉強してくるわけ?
つくづく感心させられるわね!?
ある意味人間国宝よ!負の人間国宝!死ね」
男「……」
女「……わ、わかったよ、使い終わったやつあげるよ」
男「うっひょー」
男「写真がほしいです」
女「へー、そんな趣味があったの?」
男「はい」
女「え、私の?
ま、写真撮られるくらいいっか…。
どうぞ」
男「いや違うのです、幼稚園くらいの時のやつとか
小学校くらいのやつがいいのです」
女「そんなもんどうすんのよ…」
男「お願いします。
特に水泳の授業の時のやつとか、海に遊びに行った時のやつとか」
女「死ね!
海水浴に行って波にさらわれて死ね!」
男「……」
女「アンタすでに考えがストーカーだから!
正々堂々としたストーカーだから!
これほめ言葉じゃないから!死ねバカ」
男「……」
女「…わ、わかったよ、適当に探してくるから」
男「おはようございます」
女「おは…死ね!
いきなり胸さわんな!」
男「昨日からずっと触りたくてうずうずしてたんです」
女「知るか!
お前のそんなくだらない欲求なんて私は知らないから!
勝手に触るなバカ!」
男「小さくてもいいです」
女「ぅ…、か、勝手に触っといて小さくてもいいですとか、死ねバカ!!」
男「ごめんなさい」
女「…謝るなら早く手離せバカ」
男「あれ、くっついちゃった」
女「…あ、100円落ちてる」
男「え、どこ?」
女「…100円に負けるのもなー」
女「痛いっ、あー指切っちゃった」
男「僕も指舐めたいです」
女「いや、好きで舐めてるわけじゃないから。
自分の指でも舐めてなよ」
男「そっちの指がいいです」
女「ダメにきまってんでしょ!
キモ過ぎて反応に困るレベルだつーの!
ゴム手袋上からでもイヤなのに、ましてや傷口舐めさせれるわけない!
校庭の二宮金二郎像の指でも舐めてろバカ」
男「……」
女「銅像の指舐めて、なんか変な病気になってもがき苦しんで死ね!」
男「……」
女「…わ、わかったよ、左手の方ならいいよ」
男「うっひょー」
女「ふやけるまで舐めるなバカ!死ね!」
男「……」
男「今夜泊っていいですか?」
女「テント持って富士の樹海にでも行け」
男「今日両親がいなくてさみしいんです」
女「知らないわよそんなこと。
だいたいアンタくらいの年の男だと、
親がいないときの方が楽しかったりするんじゃないの?」
男「孤独死しちゃいます」
女「是非!是非して!」
男「お土産と枕持ってい行きますから」
女「いや、来なくていいから!
来ちゃ駄目だから!トラップしかけておくから!
だいたいさみしけりゃ夜通しコンビニで立ち読みでもしてろバカ!」
男「……」
女「アンタなんか泊めた日にゃ何が起こるか想像しなくてもわかるっつーの!
いや、想像を絶することになる可能性の高いって」
男「……」
女「…わ、わかったよ。だけどうちは家族がいるから私が行くよ……」
男「うっひょー」
男「ここが僕の部屋です」
女「へー、意外ときれいに片づけてあるのね」
男「このタンスにもらったものしまってあるのです」
女「ってこれ…、アンタのタンスよりでかいじゃん。
どおりで私の部屋がすっきりしたわけだ……」
男「着々と嫁ぐ準備は進んでるのです」
女「帰る」
男「わー嘘です!!」
女「お腹すいてきたね」
男「なんか作ります」
女「いい、何にもしなくていいから。
アンタが作ったものなんて気持ち悪くて食べる気しないから」
男「でもお腹すきました」
女「いいよ、私が作る」
男「うっひょー」
女「私、自分の分しか作らないから。
アンタは鼻糞でも食べてなよ」
男「……」
女「風呂の水味噌汁でも作って食ってろバカ」
男「……」
女「……」
男「……」
女「わ、わかったよ、一人分も二人分も作る手間同じだから作るよ…」
男「うっひょー」
男「うまいです」
女「そ、そう?ただの目玉焼きよ?」
男「焼き具合が好きです」
女「ホ、ホント?」
男「毎日でも食べたいです」
女「え、バ、バカ。
な、ない言ってんのよバカ」
男「……」
女「な、なんか自分が作った料理褒められるとうれしいね…」
男「あ、その箸、洗わないでください」
女「は?」
男「デザートに舐めます」
女「死ね」
女「ねえ、このテレビ面白いね」
男「ん?」
女「いつまで私の箸しゃぶってんの…。
キモイから、マジでキモイから!」
男「うまいです、目玉焼きより」
女「ア、アンタねえ…。
死ねバカ」
男「お礼に僕の箸しゃぶっていいです」
女「いらないから!
捨てろそんなもの!
公害だから!それ公害だから!!」
男「…」
女「洗剤1リットル使って洗ってから、熱湯消毒して捨てろ!
ついでにお前も熱湯浴びて死ね」
男「……」
女「……」
男「……」
女「り、リンゴでも剥こうか…?」
女「ねえ、お風呂どうすんの…?」
男「まあ、ここは冷静に考察してくれたまえ。
僕と君が別々に入ったとしよう。
そうなると僕はまず間違いなく君の脱いだ服に悪戯する。
それを避けるためには、一緒に入るほかない。
何、ものの数分だし、どうせ湯けむりやらでそこまでよく見えやしないさ」
女「な、なに饒舌になってんのよ…?」
男「一緒がいいのです」
女「キモイ!
誰があんたなんかと一緒に入るっかつーの!
だいたい同じ空間で同じ空気吸ってると主だけでも吐き気がするのに!
風呂に一緒に入るだぁ!?
寝言は寝てから言え!
いや永眠しろ!」
男「……」
女「今ね私、ここに泊まりに来たこと人生で一番後悔してんの!
アンタが豆腐の角にでも頭ぶつけて死んでくれれば少しでも
この後悔がはれるけど!」
男「……」
女「……わ、わかったよ、水着着ながらなら一緒でいいよ」
男「うっひょー!!!うっひょー!!」
女「まわかの展開だったけどアンタに何着か水着あげといてよかった」
男「うっひょー」
女「ほらさっさと入って上がろうよ」
男「うっひょー」
女「人の話聞いてんの…?
ま、いいや私先に入るからね」
男「うっひょー」
女「アンタんちってお風呂広いね!」
男「うなじ」
女「触るな!」
男「背中洗ってください」
女「え、しょうがないなぁ」
男「ついでに股も洗ってほしいです」
女「死ね、握りつぶすぞ」
女「髪乾かしたいけど、ドライヤーない?」
男「ないです」
女「えー!
明日髪の毛パサパサになっちゃうじゃん…」
男「それでもいいです」
女「よくねーよバカ」
男「じゃあ僕が息吹きかけて乾かします」
女「い、いや、遠慮しとく、キモイから」
男「ふー!」
女「や、止めてよ!
アンタ頭本当におかしいんじゃないの!?
止めてって言ってんでしょ!?」
男「……」
女「そのまま息吐き続けて死ね!
やっぱダメ、二酸化炭素の量が増えるから吸い続けて死ね!」
男「……」
女「…き、気持ちだけ受け取っとくよ、あ、ありがと」
女「『……』
男『……』
女『…キスしたことある?』
男『え…?』
女『…どうなの?』
男『え、えっと…』
女『わかってるよ、こうなること期待して泊めたんでしょ』
男『いや、そ、そんなことは』
女『なんだかんだで私アンタのこと好きみたい。
…目つぶってて』
男「うっひょー!」
女「毎晩エロゲやってるわけ…?
キモイ」
女「あーあ、もうこんな時間、寝よ寝よ」
男「一緒に寝たいです」
女「ダメ!
アンタと添い寝するくらいなら真夏にこたつで寝るから!
真冬にパンツいっちょうで扇風機付けて寝るから!!」
男「パンツ…」
女「そこしか聞いてないのバカ!
もっと頭使って生きて、お願いだから!
それかもう死んで!いい加減人生ギブアップして!
もうタイムアップしていいから!!諦めて!」
男「……」
女「私、廊下でも押入れでもいいから一人で寝るから!」
男「……」
女「な、なによ」
男「……」
女「…わ、わかったわよ、変なことしないでよ一緒に寝てあげるから」
男「うっひょー」
父「こんばんは」
母「こんばんは」
男「こんばんは」
女「あ、こんばんは…」
父「おっぱい触らせてください」
母「ゆっくりしていってね」
男「パンツください」
女「ぃ…、な、何なのよアンタの家族…」
女「ちょ、止めて!
勝手に触らないで!!!
止めて、止めてってば!
止めてー!!」
女「はっ…、ゆ、夢?」
女「まだ夜中の3時かー。
変な夢見ちゃって、変な汗かいちゃった…」
男「むにゃむにゃ」
女「こいつの隣で寝てたのがいけないわね」
男「……」
女「人んちで気は引けるけど、シャワー借りて今度は一人で寝よっと」
男「待ってください!」
女「え!?
……ね、寝言?」
男「むにゃむにゃ」
女「ね、寝てる…」
男「……いつもごめんなさい」
女「…寝言で謝られてもなぁ」
男「……」
女「ま、約束だし最後まで一緒に寝ててあげるか…」
女「目が冴えちゃって寝れないなぁ」
男「……ぅ」
女「……くっさ。
寝っぺこくなよバカ」
男「…むふ」
女「あーあ、毛布はだけちゃって。
寝相悪いんだからまったく」
男……むにゃむにゃ
女「なんつー幸せそうな寝顔してんのバカ」
男「……フヒヒ」
女「何か面白い夢でも見てんのかな…?」
男「…お願いしますい」
女「…なんとなく想像付いちゃった」
男「…いや、全裸にならなくても」
女「な、何つー夢見てんのよバカ!」
女「…ん。
あれ、いつの間にか寝ちゃってたみたい」
女「あれ、あいつもういない」
男「こんばんは」
女「おはよ、今朝の7時だよ」
男「コーヒー入れときました」
女「ありがと、気がきくじゃん」
男「はい、どうぞ」
女「あ、おいしい。
これ、なんてコーヒー?」
男「市販の普通のです」
女「へー、香りもいいね」
男「なんてったって昨日の風呂の残り湯で入れましたから!」
女「死ね」
女「アンタねー、普通そういうもんって洗濯とか掃除とかそういうのに使うの!」
男「ごめんなさい」
女「ったく、でも今回は私もうかつだったわ…。
すでにこの世紀のバカには前科があったわけだし」
男「すんません」
女「あーもう朝から気分悪い!
バカ!」
男「……」
女「あと私が寝てる間に盗ったブラジャー返して」
男「?」
女「とぼけるな!
今無いんだけど!寝る前につけてたやつ!」
男「……」
女「こら!アンタしかいないでしょ!?
他に誰か来て持ってとでも言うの!?
幼稚園児の言訳かっつーの!バカ!」
男「……」
女「……朝から怒鳴ったりして、ご、ごめん」
女「あんまこっち見ないでよ、ノーブラなんだから…」
男「うっひょー」
女「死ねバカ!」
男「ご飯作ります」
女「いい!いいから!
アンタが作るのはご飯じゃなくて残飯だから!
それ食べ物じゃないから!
現代日本ではその材料からできた物を食べ物って言わないから!!」
男「でも、お腹すきました」
女「いいから!アンタはそこで座ってていいから!
私が作るから!」
男「でも」
女「iいいから!これ遠慮とかじゃないから!
アンタはそこに座ってさっきのコーヒーでも飲んでて!」
男「はい」
女「ったく、なんで私があいつの分まで…。
しかも朝晩と2食も作らないといけないのよバカ」
女「はい」
男「おお。うまそうな目玉焼き」
女「向かいに座らないでよ」
男「?」
女「向かいに座るな!」
男「?」
女「だから!
私ノーブラじゃん!そこ見えるじゃん!
90度ずれて!」
男「?」
女「とぼけんな!
アンタから、私の胸が見えるわけ!いい!?
薄いTシャツしか着てないから、見えるわけ!
わかってんでしょ!バカ!
目見えなくなれ!眼球爆発しろ!」
男「……」
女「……なによ」
女「…わ、わかったわよ。好きなとこ座っていいわよ」
男「食後のお茶でも入れます」
女「いい!いいから!
私が入れてくるから、アンタはそこに座ってて!
足が床にめり込むまで座ってて!
永久に座ってていい券あげるから!」
男「はい」
女「まったく…。
人んちなのに、なんで私がこんなことまでしなきゃいけないのよ」
女「ハイ」
男「おー、グリーンティー」
女「緑茶って言いなよ。ところでさ、アンタの親いつ帰ってくるの?」
男「?」
女「……だ、大丈夫なの?」
女「どこに何しに行ったかわかるの?大丈夫?」
男「結婚記念日で旅行行っちゃいました」
女「ふーん、そっか。
ねえ、アンタのお父さん何やってるの?」
男「警察官」
女「へー、うちの親も公務員なんだー。
お母さんは?」
男「素人です」
女「ちょ、表現がおかしいから…」
男「スーパーでパートしてます」
女「そういうの素人って言わないからね!」
男「将来何になるんですか?」
女「え…、き、急にそんなこと聞かれると難しいなぁ。
うーん……。
アンタは何がしたいの?」
男「パンツください」
女「……死ね」
女「アンタ休みの日とか何やってんの?」
男「オセロとか」
女「へー、誰と?」
男「……」
女「…ひ、一人で?」
男「ええ、まあ」
女「あ、あそ…。
ま、まあ、せっかく二人いるし、普通にやろうよ。
ボーっとしてても暇だしさ」
男「うっひょー」
女「そ、そんな喜ぶこと?」
男「今道具持ってきます」
女「これ、囲碁じゃん……」
男「?」
女「これでオセロやっても永久に引き分けのままだよね……?」
女「私囲碁のルール知らないんだけど」
男「僕も」
女「じゃあ何で持ってくんのよ!」
男「……」
女「他になんかないの?」
男「ではテレビゲームでも」
女「お、いいじゃん」
男「好きなソフト選んでください」
女「うーんと…」
男「……」
女「……」
女「…恋愛シミュレーションしか持ってないわけ?」
男「……面白いですよ」
女「そういうゲームはさ、寝る前に一人でやってなよ」
男「うーん、でもほかにないです」
女「もういいや、帰る」
男「あー」
女「そろそろアンタの親も帰ってくんでしょ?
うちも親が心配するから」
男「……」
女「じゃ」
男「……」
女「ちょ、ちょっと、帰るから裾掴むの止めてよ」
男「……」
女「な、何なのよ、おもちゃ屋で泣いてる駄々っ子みたいな真似しないでよ!」
男「……」
女「放して!」
女「わ、わかったわよ」
女「あーあ、今考えてみれば最悪だったわー」
男「……」
女「ついて早々ご飯は作らされるし、一緒に風呂入るはめになっちゃうし」
男「……」
女「ドライヤーは無いし、夜変な夢で起こされて睡眠不足気味だし」
男「……」
女「朝は朝でゲテモノコーヒー飲まされるし、
あ、そうそうブラジャーまで盗られるし」
男「……」
女「朝ご飯まで作らされるわ、お茶まで入れさせられるわ」
男「……」
女「おまけに遊び道具の一つもありゃしない…。
ホントさいってー!」
男「……」
女「……」
女「…い、一緒に買い出しでも行こっか?お昼ご飯頑張っちゃうよー」
女「さっき新聞折り込み見たんだけど、3丁目のスーパーが特売日なんだってねー」
男「?」
女「良いの取られちゃう前に行くよー」
母「ただいまー」
女「あ!?」
母「あ、あら?
こんにちは…」
男「ああ、おかえり」
母「あら、ただいま。
…………彼女さん?」
男「んー、まあそんなとこ。
昨日一緒に風呂入ったり、飯まで作ってもらっちった」
女「…え?」
母「あら、じゃあ母さんたちお邪魔だったかしら」
男「そうだって!せっかくの夫婦水入らずなんだから、もうちょいゆっくりしてきなよ」
女「え?え?え?」
母「じゃあ、父さんまだ車にいるからもう少しドライブでもしてくるわね」
男「それがいいって」
女「…な、なーんだ家だと、堂々としてるんじゃん」
男「?」
女「アンタ見てるとさ、たまーに心配になるんだよね!
大丈夫かなーとか、虐められたりしてないかなーとか」
男「?」
女「で、でも、なんていうか、たよりなーいキャラもいいけど
ああいうのも悪くないね、うん」
男「?」
女「人は見かけによらないって言うか、ギャップがあるといいよね!」
男「?」
女「ちょ、ちょっと見直しちゃったかな」
女「…も、元に戻ってる」
女「な、なにこれ…?」
男「?」
女「な、なんか、白昼夢?」
男「わかんないです」
女「パ、パンツいる?」
男「ください!」
女「……。
異常なーし」
男「うっひょー」
女「何喜んでんのよ!
あげないっつーの!」
男「むふ」
女「さっきからニヤニヤして、バカじゃないの!」
女「……あ、あー!!ノーブラのまま出てきちゃったじゃん!バカ!!」
女「ちょ、ちょっと、もっとしっかり腕組んでよ!」
男「うっひょー!!」
女「騒ぐなってバカ!
ほ、ほら、もっとガッと腕組まないと見えちゃうでしょ!?」
男「うっひょー」
女「ちゃんと歩けバカ!」
男「満足です」
女「ち、違うっつーの!
これからスーパー行って買い物するんだから!
帰宅するまで満足すんな!
家に帰るまでが買い物だから!!」
男「たまらんです」
女「こ、こら!」
男「…でも小さいです」
女「ぅ、うっさいわね!
好きでこのサイズやってんじゃないのよ!
文句あるわけ!?ええっ!?
毎晩牛乳飲んだわよ!
努力はしたから!ちゃんと頑張ってるから!バカ死ね!!」
女「あ、着いた着いた。
あちゃー、さすがに休日の昼前は混んでるわね」
男「人ごみ苦手です」
女「ま、こうやってればはぐれることはないし、さっさと買う物買って帰ろ。
何が食べたい?
男「」うーん、……牛乳」
女「ケンカうってんの?」
男「ごめん」
女「いいから早く決めなさいよ!」
男「うーん、オムライス」
女「また卵料理!?
違うのにしなさいよバカ!」
男「えっと…」
女「もー、イライラしてくるわね!」
男「……」
女「…わ、わかったわよ、オムライス作るから」
女「じゃあ…、
卵あったし、ケチャップあったし、玉ねぎ、鶏肉あったし…」
男「……」
女「全部冷蔵庫の中にあったのばっかじゃん…」
男「かもしれないです」
女「まったくもう。
まあ、せっかく来たんだし、ジュースとかデザートでも買ってこうよ」
男「はい」
女「私リンゴジュース。
なにがいい?」
男「…牛乳」
女「ぶっ殺すよ」
女「もう、結局リンゴジュースと牛乳買いに行っただけじゃん」
男「はい」
女「これならわざわざ特売のスーパーまで行かなくても良かったのに。
その辺のコンビニで十分だったのに」
男「そうかもしれないです」
女「もう隠さなくていいから、早く離れて。
私オムライス作ってくるから」
男「裸エプロンがいいです」
女「はぁ?
キモイから、現実にそんな恰好しないから!」
男「……」
女「アンタエロゲーのやり過ぎでそんなバカな発想が生まれてくんのよ!
それ、キモイだけだから!
お母さん帰ってきたら、あれ全部捨ててもらうようにちくっとくから!」
男「……」
女「…わ、わかったわよ、でも恥かしいから上だけしか脱がないからね」
男「」うっひょー!最高です!
女「玉ねぎと鶏肉はこんくらいの大きさでいいかな」
男「最高です」
女「うん、ケチャップの量もバッチリ」
男「さ、最高です」
女「チキンライス完璧!」
男「最高です!」
女「ちょっと…、さっきから私の後ろで小躍りしながら何呟いてんのよ」
男「背中が丸見えで最高です」
女「あっち行け!」
男「……」
女「包丁で刺すよ!」
男「……」
女「……じ、冗談だよ」
男「…その味見に使ったスプーン洗わないでください」
女「死ね」
女「ハイ、お待たせ」
男「うっひょー」
女「おいしい?」
男「うまいです」
女「そ、良かった」
男「食べないんですか?」
女「ん、あ、ああ、えっと、さっき味見しすぎちゃって、もうお腹いっぱい」
男「うまいです」
女「私、そろそろ帰るよ。
ちゃんと一人で洗い物できる?」
男「もう帰るんですか?」
女「明日からまた学校だよ。
それにあなたの親も、帰ってくるでしょ?
じゃあね、9割ムカつきっぱなしだったけど、ちょっとだけ楽しかったよ」
女「……な、なんなんだろこれ、すごい目まいがする」
女「た、ただいま」
母「おかえり、ずいぶん遅かったじゃない。
…あら、すごい汗かいてるわね、大丈夫?」
女「そ、そりゃ夏だもん」
母「そう…?」
女「ちょっと昨日の夜みんなで盛り上がっちゃってさ、
寝不足なんだよね。
もう寝るね」
母「いいけど、お風呂ぐらい入ったら?」
女「う、うん、ちょっと寝て疲れが取れたら入る」
母「…顔色悪いみたいだけど」
女「な、何でもないから。
寝不足なだけだって、心配性だなぁもう」
母「…そう?」
女「はっ…?
も、もう朝の7時…。
な、なんだろこれ、全然体調良くなってないかも……」
母「起きてるー?
部屋入るわよー」
女「あ、うん!」
母「大丈夫あなた?
昨日の夕方からずっと眠りっぱなしだったわよ」
女「だ、大丈夫大丈夫!
やっぱ寝不足だったみたい。
シャワー浴びて学校行ってくるね」
男「おはようぼざいます」
女「あ、おはよ」
男「パンツ何色ですか?」
女「あ、アンタねぁ…。
朝の挨拶の次の言葉がそれ!?」
男「気になるんです」
女「あーもう、そんなこと気にしなくていいから!
もっと宇宙の神秘とか、指名の神秘とかそういうことに興味を持って!
それでアンタの頭ん中も解明して!!
それブラックボックスだから!
だれも興味ないブラックボックスだから!!」
男「ごめんなさい」
女「…今日はやけに諦めが早いわね」
男「……」
女「って油断したすきに勝手に覗くな!!
バカ死ね!」
男「お腹すきました」
女「お弁当食べればいいじゃん」
男「食べないんですか?」
女「ん、ちょっとダイエット中だから」
男「十分痩せてると思いますけど」
女「女にはね、女にしかわからないビミョーな差があるのよ.。
てか一緒にお昼食べるなんて言ってないでしょ!?
あっちで一人で食べてよ」
男「オムライスうまいです」
女「あら、それ昨日作っておいてったやつ?
まだ余ってたんだ?」
男「はい、だからお弁当に入れて持ってきました」
女「フフッ、変なの、二段重ねの上も下もオムライスのお弁当なんて見たことないよ」
男「ちなみにスプーンもまだ洗ってないです」
女「死ね」
女「ったく、こんなキモイ発言毎日聞いてるから寒気が治まらないのよ……」
男「え?」
女「何でもないわよ!」
男「夏祭り行きたいです」
女「行く必要ないでしょ!?
アンタの頭ん中毎日がお祭り状態じゃない!」
男「でも」
女「一人で行ってくればいいでしょ!
私は忙しいんだから!
最近ねぇ、尋常じゃないスピードで身の回りの物が無くなってんの!特に下着!
今日買い物行かないと明日着るものが無いわけ!わかる!?」
男「夏祭りは週末です」
女「アンタは揚げ足取りばっか…。
バカ、死ね!」
男「……」
女「……」
女「…わ、わかったわよ、行くわよお祭り」
男「浴衣着てきてほしいです」
女「え、浴衣かー。
昔はよく着てたんだけど、今は持ってないなぁ」
男「お願いします」
女「アンタ、人の話聞いてないでしょ…。
持ってないって言ってんの!」
男「そこを何とか」
女「バカ、持ってないものどうやって着てくんのよ!?」
男「…何とかならないですか?」
女「ならない!
別に好きな格好でいいでしょ!?
だいたい浴衣ってメチャクチャ暑いんだから!
アンタと行くの自体地獄なのに、これ以上の拷問は止めて!」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったわよ、今日買ってくるから」
男「うっひょー」
女「なんでアンタまでついてくんのよ!」
男「青い浴衣がいいです」
女「うっさいわね!
何色でもいいでしょ!私が買って私が着るんだから!」
男「でも青の方が似合う気がします」
女「関係ないから!
私赤の方が好きだから!
そんなに青がいいなら、自分で買って自分で着てろバカ」
男「何で青がいやなんですか?」
女「別に青が嫌んじゃなくて、
アンタの指図聞くのが嫌なわけ!」
男「……」
女「だいたいなんで今日も買い物ついてくるわけ!?
お金持ってない癖にバスに乗って結局払ったの私じゃん!」
男「……」
女「私はアンタの保護者じゃないの!
さっさと一人で歩いて帰れ!」
女「…わ、わかったよ」
女「あーあ、赤い方が可愛かったのになー」
男「青の方が似合います」
女「うっさいわねー、もう青買っちゃったんだからちゃんと着るわよ!
ところで帰りのバス代も私持ちなわけ!?」
男「予想外の買い物だったもので」
女「ふざけんじゃないわよ!
ついてきてくれなんて一言も言ってないでしょ!
それにさっき帰りのバス代だよってあげた200円で何で遊戯王のカード買ってんのよ!
バカじゃないの!アンタそんなの集めてんの!?
いい年して買うなとは言わないけど、行動がバカすぎるから!」
男「……」
女「もう歩いて帰れバカ!」
男「……」
女「……」
女「わ、わかったよ、バス停で怒鳴ったりしてわるかったよ」
男「気にしないで」
女「死ね」
女「あちゃ、時間がちょうど帰宅ラッシュで混んでるわね」
男「人ごみ苦手です」
女「私も嫌いだよ、てか人ごみ好きな人なんてそんなにいないから」
男「……」
女「ちょっと…」
男「……」
女「あ、アンタねぇ…」
男「……」
女「おしり触るなバカ!」
男「!」
女「何びっくりしてんの!
スカートの中手突っ込むなっつてんの!!
小声で言っても聞こえないふりして!
ふざけんじゃないわよ!
腕掴んで痴漢ですって叫ぶわよ!」
男「もう周りに丸聞こえです」
女「あ…、つ、次で降りまーす……」
女「はあ…。
ホントはまだ3っつも先なのに」
男「色々大変です」
女「アンタのせいよ!
私帰るから」
男「はい」
女「ちゃんと家まで帰れる?」
男「えっと…」
女「だ、大丈夫?」
男「……」
女「ちょ、ちょっと、私についてきたら離れてっちゃうでしょ!」
男「……」
女「アンタんちはあっちの方だから!」
男「……」
女「わ、わかったわよ、家まで送ってくから」
女「ほら、着いたわよ」
男「うっひょー」
女「アンタ、自分ち見つけると毎回奇声上げて喜んでるわけ…?」
男「お礼に僕の宝ものあげます」
女「いらない!」
男「ちょっと待っててください」
女「あ、ちょっと……。
まったく、全然人の話ききやしない。
どうせまたパンツとか変なの持ってくるくせに」
女「おっそいわねー。
何してんのよあのバカ!こっちは疲れて今にも倒れそうだってのに!
……な、何これ、何で鼻血なんか」
男「うっひょー、お待たせです」
女「……」
男「あれ、なんで道路で寝てるんですか?
またうちに泊まってっていいですよ。
よっこいしょ。
……ん、血?」
――――病院
医者「残念ながら急性の骨髄性白血病です」
男「え?」
医者「骨髄の提供者がいれば、助かる見込みはあるが、
親兄弟でもほとんど型は一致しないから、今の状況じゃ…。
待ってる間に手遅れになってしまう可能性が高いだろうな」
男「何だとてめぇ!
医者だろ何とかしろよ!」
医者「や、止め、ぐえっ」
男「……」
女「ごめん、待ってる間に気失っちゃたみたい」
男「……」
女「わざわざ救急車呼ぶことないのに。
うちの親が心配しちゃうよ」
男「……」
女「何くらい顔してんの、もう!
気絶してる間胸とか触り放題だったんだから、
もっとニヤニヤしてなよ」
男「……」
女「もう帰りなよ。
アンタの親も心配してるだろうしさ」
男「……」
女「…ごめんね、夏祭り行けなくなっちゃって」
男「え、え?」
女「な、何でもない!
早く帰れ!アンタが近くにいるとまた変な夢見てうなされるでしょ!」
医者「なに、今日外出したいだって!?」
女「はい」
医者「無茶言うんじゃないよ!
この際だからはっきり言うけど、君はただの風邪とかじゃないんだよ!
無理したら本当に死んでしまうかもしれないんだよ!」
女「…わかってます、わかってますけど」
医者「遊びたい年頃なのはわかるけど、
我々の言うとおりにしないと、命の保証はできないぞ」
女「いいです。
…明日だけ、一日だけ浴衣着て、楽しく笑って、立っていられれば、
その後はどうでもいいですから」
医者「いいや、ダメだ!
医者としてそんな行動を許すわけにはいかない」
女「……」
女「や、迎えに来たよ」
男「え、え?」
女「アンタでしょ、夏祭り行きたいって言ったの!」
男「え、でも、病院は…」
女「抜け出してやったよ!
全然大したことないのに、寝てろってうるさいから」
男「……」
女「ほら、早く連れてってよ」
男「でも」
女「ホントに何とも無いって。
元気だから!」
男「…行きます」
女「よし」
女「……」
男「……」
女「ちょ、ちょっと」
男「……」
女「勝手に浴衣の帯解かないでくれる…?」
男「え?」
女「えじゃねーよバカ!
これほどいたらはだけるでしょ!
さっきから後ろでこそこそしてると思ったら、アンタの頭ん中はいーっつもそればっかなわけ!?」
男「ごめんなさい」
女「ほら、手出せバカ!」
男「?」
女「もう、余計なちょっかい出されないように手繋いでくから!」
男「うっひょー」
女「着いた着いた!
それにしてもあっつーい」
男「うなじ最高です」
女「ちょっと、触らないでよ!
浴衣って意外と暑くて汗かくんだから!」
男「汗舐めさせてください」
女「う、き、キモイ!
手離して!」
男「……」
女「何でそんなものが舐めたいのよ!
バカじゃないの!
ただの塩水と一緒の味でしょ!?
あー失敗した、アンタのために塩水ペットボトルに入れて持ってくればよかった」
男「汗がいいです」
女「気持ち悪いっつーの!
だいたいねえ、外出てきてまでそんなこと言って恥かしくないの!
自分の汗でも舐めてろバカ!」
男「……」
女「…わ、わかったよ」
女「き、キモイ。
思いっきりほっぺ舐められた……」
男「うっひょー、うまかったです」
女「ったく、顔洗いたいから奥の神社の手水まで行くよ!」
男「はい」
女「ホントキモイったらありゃしない」
男「あ、洗う前にもう一回舐めさせてください」
女「な、なんつーバカ?
あきれるほどのバカ、大バカね!」
男「お願いします」
女「わかったわよ、さっさと舐めなさいよ!
どうせ洗うんだから一緒だし」
男「うっひょー、たまらんですそのセリフ」
女「死ね」
男「まだ顔洗うんですか?」
女「うっさい!
ほっぺ両側、鼻の頭、あごの下、おでこ全部舐めやがって!
もう5分洗うからどっか行ってろ!」
男「……」
女「まったく…」
男「その顔洗った水飲んでいいですか?」
女「や、止めてよバカ!気持ち悪いから!
一応ね言っておくけど、二人で来てんだから
私までヘンタイに思われるような言動は控えてよね!バカ!」
男「はい」
女「お待たせ」
男「その顔ふいたハンカチください」
女「アンタねぇ、さっき言ったことの意味わかってんの!?
その発言の意味わかってんの!
普通使い終わったハンカチなんて誰もほしがらないから!私が洗ってまた使うから!」
男「……」
女「…わ、わかったよ、あげるから」
女「ねえ、せっかく神社まで来たんだし、お参りしてこうよ」
男「はい」
女「なんてお願いしよっかなー」
男「……」
女「どうしたの?」
男「……」
女「あ、アンタ、まさかまた無一文で出てきたわけ…?」
男「まあ」
女「ちょっとねえ、出かけるなら財布くらい持ち歩きなさいよ!
なんかあった時どうすんのよ!?
お小遣いくらいもらってんでしょ!?
バカじゃないの!」
男「……」
女「…ま、まあ、境内で怒鳴るのもあれだから、お賽銭あげるわよ」
男「うっひょー」
女「アンタのその頭が治るようにお願いしといてあげるわ…」
男「その青い浴衣似合ってます」
女「え?何よ今さら、会った時に言いなさいよバカ!」
男「可愛いです」
女「あーあ、ホントは赤がよかったのになぁ」
男「青の方が涼しげで夏っぽくていいです」
女「はいはい、素直に受けっととくよ」
男「可愛いです」
女「……クレープが食べたいのね」
男「……」
女「わかったわよ、買ってきなさいよほら」
男「うっひょー」
女「まったくもう」
男「うまいです」
女「後でちゃんと返してよね、この前のバス代と一緒に」
男「半分食べませんか?」
女「いいよ、食欲ないし。
そんな気使わなくていいから」
男「…」
女「…でも一口だけもらおうかな。
それ私のお金で買ったものだし、全部アンタが食べるのも癪だし!」
男「どうぞ」
女「あむ」
男「うっひょー!
歯形、歯形がつきました!!
ここの部分だけ切り取って持って帰ります!」
女「し、死ね」
女「ん?
なに、輪投げしたいの?」
男「はい」
女「アンタねー、よく自分でお金持ってないくせに、
そんな遠慮もなくずけずけとお願いできるわね!」
男「……」
女「…し、しょうがないわね」
女「あ、おしい」
女「うーん、もうちょい」
女「あ、あー…だめか」
男「……」
女「ちょっといくらなんでも下手くそすぎでしょ!
いったいいくら使ってんのよ!
ちょっと貸してみなさい!」
男「……」
女「チョロイもんよ!」
男「うっひょー」
女「もうすっかり暗くなってきたね」
男「あ、花火」
女「あ、ホントだ」
男「……」
女「きれいだね」
男「……」
女「……」
男「……」
女「ちょっと…」
男「?」
女「さりげなく浴衣の隙間から胸触るの止めてくれない!?」
男「…小さいです」
女「何言ってのバカ!勝手に触っといてふざけんなバカ!
関係ないから!大きさなんて関係ないから!
子供が生まれたときに母乳が出ればいいから!
ほら手出せ!やっぱその手をつかんどかないとおちおち花火も見てられないわ!」
男「うっひょー」
男「花火しょぼいです」
女「しょうがないよ、本題はお祭りなんだから。
花火は暗くなってきてからの余興でしょ」
男「今度は花火見に行きたいです」
女「お、いいね。
今度はお金ちゃんと持ってきなさいよ」
男「はい」
女「っていつの間にか一緒に行くことになっちゃてるし…。
やっぱアンタ一人で行け!」
男「……」
女「…あ、ちょっとごめん」
男「どうしたんですか?」
女「ん、ちょっとね、鼻血出てきただけ」
男「……」
女「ずっと上ばっか見てたからのぼせちゃったのかも」
男「……」
男「……」
女「何暗い顔してんの!
何ともないって!それとも血苦手なの!?だっさー」
男「……」
女「何ともないって!ほら、もう止まったし」
男「……」
女「もう花火も終わったし、おみくじでもやりに行こうよ!ね!」
男「……」
女「それくらい出してあげるって!ほら!」
男「うっひょー」
女「単純すぎ…」
女「なんだった?」
男「…大吉でした」
女「やったじゃんすごい!
私小吉だった。ビミョーだよね」
男「……」
女「漢字読める?」
男「願えば何でも手に入る時期ですって書いてあります」
女「なにそれ、普段と変わらないじゃん」
男「……」
女「あーあ、私はさっぱりだなー」
男「これあげます」
女「え、いらないよ、人のひいたおみくじなんて。
それ持って帰って肌身離さず持ってなよ」
男「……」
女「こら、私の真似して木に結ばないの!
おみくじは良かったら持って帰って、悪かったらこうやって御神木に巻いてくのよ」
女「今何時ぐらいなんだろうね…」
男「夜だと思います」
女「そんなのわかってるよ。もうあんまり人いないね」
男「10時くらい?」
女「適当なことばっかり。
でもそれくらいかもね」
男「……」
女「アンタ帰らなくて大丈夫なの?」
男「うちの両親今日旅行でいないんです」
女「またぁ!?
アンタほったらかしにされすぎでしょ!」
男「……」
女「まあ、子供が手かからなくなったらそういう感じになっちゃうのかもね。
もう一緒についてって楽しい年頃でもないっしょ」
男「帰らなくて平気ですか?」
女「ん、もうちょい。
てかどこに帰らばいいのか分かんないし……。
な、何でもない!」
女「…なんか最後に欲しいものある?」
男「え、最後…?」
女「え、あ、いや、もう祭りの最後だし、
それに今日は意外と楽しかったかなーっていうか。
とにかく、お礼みたいなもんよ!」
男「……」
女「浴衣は無ね、他に着るのないし」
男「…」
女「なによ、いつもは呆れるくらいなんかお願いしてくるくせにー」
男「じゃあ、来年もこのお祭りに一緒に来てください、その浴衣で」
女「また、えらい先に予約入れてくれちゃったわね」
男「……」
女「どーすんのよ、もしなんかあったら」
男「……」
女「……わかったわ、約束の指きりね」
男「……はい」
女「ほら、指離して」
男「……」
女「そろそろ帰らなきゃ。
私疲れて眠くなってきちゃったよ」
男「……」
女「…わかったわ」
男「!」
女「ファーストキス…、ほっぺだけど」
男「うっひょー!ぜひ唇に」
女「だーめ、それは来年ここに来たときね」
男「……はい」
女「じゃ、私疲れちゃったからタクシー拾って帰るね。
アンタは歩いてまっすぐ帰りなよ」
男「……」
女「じゃあね」
医者「残念ながら…」
母「どうして…。
何とかしてください!あの子はまだ十代なんですよ!」
父「止めないか、ここでそんなこと言ってもしょうがないだろ」
医者「骨髄移植の際ののHLA型は家族でも2割程度しか一致しないんです。
残念ながらお二人は…」
父「とりあえず俺は親戚をあたってくる。
こうなれば頭数を集めるしかないだろ」
母「ううぅ…」
医者「それ以外方法はないでしょうな」
男「俺のを使え!」
医者「げ、暴力的なクソガキ…」
父「誰だ君は?」
男「今日、その子を連れだした張本人です」
医者「まったく、これだから子供は。
いいかね、家族ですらほとんど一致しないものを」
男「いいから調べてみろよ!
時間がないんだろ!?」
医者「う、ぐげえ…」
男「やってみなきゃ分かんねーだろ!
今日の俺は最高についてんだよ!
絶対行けるって!」
医者「まったく何様のつもりだ…。
勝手に重病患者を連れだしたと思ったら、
ドラマの見すぎじゃないのかね!」
父「あんたこそ何様のつもりだ!
医者ならわずかな可能性にもかけろ!」
医者「うぐ…、わかったわかったから」
男「……結局間に合わなかった」
父「…いや君の責任じゃないよ」
男「…あの日病院から抜け出してきたところを
無理やりにでも追い返してたら、
歴史は変わったんですか?」
父「そんのはわからんさ。
過ぎたことだ、忘れよう」
男「……」
女「…アンタらなに葬式みたいな顔してんの。
そりゃ、約束した夏祭りには間に合わなかったけど、
来週には退院するんだからね!」
男「……」
父「……」
女「え!?なに!?
そんなに死んでほしかったわけ!?
助かったのがそんなに不満なわけ!?」
男「……」
父「……」
男「…」
女「まったく」
男「……でも約束のキスが」
女「無しに決まってんでしょ!
私が助かったのも、たまたま親戚のおばさんの型が一致してたからだし!」
男「……」
女「それより、バス代とクレープ代返してよ!利息分も!」
男「……」
女「…なによ」
男「……」
女「わ、わかったわよ、約束だからしてあげるわよ!
これが最初で最後だからね!
金輪際ぜーったいやらないから!心して目つぶってよ!」
男「うっひょー」
終わり
563 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 00:49:04.59 a6/KCI750 106/106
まさか思いつきで立てたネタスレに終わりなんて書くとは思わなかったwww
みなさんありがとう
そしておやすみなさい
良いお盆をノシ