男「今日はどこか飲みに行くか!」
友人「そうだな! で、どこ行く? 和民? 鳥貴族? それとも庄や?」
男「うーん、たまにはあまり行かないところがいいなぁ」
男「そうだ!」
男「こないだニュースでやってたんだけどさ、あのコメダ珈琲が居酒屋業界に参入したらしいぞ!」
友人「マジで? コーヒー屋が居酒屋に? チャレンジャーだなぁ」
男「で、ここらへんにも店がオープンしたって話だったぞ」
友人「へぇ~、行ってみようぜ!」
元スレ
男「コメダ珈琲が居酒屋業界に参入したらしいぞ!」友人「行ってみようぜ!」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1508170919/
スタスタ…
友人「どこにあんの?」
男「ここらへんにオープンしたらしいけど……」
男「お、あったあった。あれだ」
友人「“居酒屋コメダ”……なかなかいいネーミングだな」
男「じゃ、入るか」
友人「おう」
ガラガラ…
男「すみませーん」
店員「いらっしゃいませー!」
店員「お客様、何名様ですか?」
男「二名です」
店員「おタバコは?」
友人「禁煙で」
店員「ではこちらのお席へどうぞー!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
男「ふ~ん」キョロキョロ
友人「ほうほう」キョロキョロ
男「思ったより、フツーの居酒屋って感じだな」
友人「そうだな」
友人「まぁ、居酒屋業界なんて競争激しそうだし、奇をてらったこともできないだろ」
男「それもそうか」
店員「お通しの無料の豆菓子でーす」コトッ
男「うおっ、出た!」
友人「コメダ名物の豆菓子!」
男「まぁ、コメダのお通しといったらやっぱりこれだよな」
友人「ああ」
男「……」ポリポリ
友人「……」ポリポリ
男「別にものすごくうまいってわけじゃないんだけど……」ポリポリ
友人「ついついポリポリ食べちゃうな」ポリポリ
男「コメダ行った時も大抵コーヒー来る前には食い終わってるもん」ポリポリ
友人「オレはたまに持ち帰ったりしてる」ポリポリ
男「あらら、あっという間に一袋食っちゃった」
友人「オレも」
店員「お通しのトーストとゆでたまごでーす」コトッ
男「え!?」
友人「まだあるの!?」
男「まさかのお通し二発目とは……モーニングサービスならぬイブニングサービスってところか」
男「まあ、うまいけど」サクサク
友人「ゆで卵なんて久しぶりに食うなぁ」ボロボロ…
男「お前、剥き方ヘタだなぁ~」
友人「む、じゃあお前やってみろよ!」
男「ほれ」スッスッ…
友人「すげえ! 天才! お前、女の服脱がすのもうまいんじゃねえか?」
男「そんな相手いると思う?」
友人「ハハハ……」
店員「お客様」
男「あ、注文を取りに来たんですか。ありがとうございます」
店員「お通しのシロノワール……」
二人「まさかの三発目!?」
男「いや、もういいです! もういりません!」
友人「ありがたいですが、注文する前に腹いっぱいになっちゃう!」
店員「そうですか……残念です」
店員「ご注文は?」
男「生中!」
友人「オレは梅酒ロックで」
男「それと料理は……焼きとりにしようかな」
友人「あと魚食いたい。刺身盛り合わせ」
店員「その他にご注文は?」
男「どうする?」
友人「後から追加すればいいんじゃね?」
男「とりあえず以上で!」
男「いやぁ~、まさか……お通しが三回も来るとは。しかも無料」
友人「これがコメダ・クオリティってやつなのかな」
男「まあ、オープンしたてだから、張り切ってるんだろ」
友人「商売は最初が肝心だからなぁ」
男「お、店員さんが酒持ってきたぞ」
友人「来た来た」
二人「――――!?」
店員「お待たせしました」ドスンッ
男「で、でかい……!」
店員「生ビールの中ジョッキと」ゴトッ
男「中ジョッキって……これバケツ並みの大きさなんですけどぉ……」
店員「これがうちの基準なもので」ニコッ
店員「梅酒ロックです」ゴトッ
友人「うおぉぉ……おばあちゃんちで漬けてある梅酒って感じのサイズ……」
店員「お料理もすぐお持ちしますね」
男「乾杯するか」
友人「お、おう」
男「両手でなきゃ持てんぞ、こんなの」ズシッ…
友人「重っ! あの店員さんどんだけ怪力なんだよ」ズシッ…
男「か、カンパイ……」
友人「カンパイ……」
ガチンッ
男「いただきます……」
男「……」グビグビグビ
友人「……」ゴクゴクゴク
男「うえぇ~……全然減ってねえ。飲み切れるかな、これ」
友人「飲み切るしかないだろ……頼んじゃったんだから」
男「もっとちゃんとメニューを見るべきだったな……」
男「つか、料理欲しいな。料理がないととてもこの量は飲み干せないよ」
店員「焼きとりです」
ドスンッ!
二人「!!!???」
男「で、でけえ……!」
友人「串にニワトリの丸焼きがブッ刺さってる……。そんなのが何本も……」
二人「これが――」
二人「コメダ・クオリティ!」
ドン!!!
男「……」ガツガツ
友人「……」ムシャムシャ
男「うまい! うまいにはうまいけど……」
友人「このサイズはさすがにキツイな……」
男「本家のコメダ珈琲もメニューは全体的にデカめだけど、さらに拍車がかかってるって感じだな」
友人「まぁ、なんとか頑張って完食しよう。男二人で食えばいけるだろ」
男「……ってちょっと待てよ。俺たちってまだ注文残ってたよな」
友人「あ……」
店員「刺身盛り合わせです」
マグロ「……」ビチビチ
大王イカ「……」ビチビチ
二人「うわあああああああああ!!!!!」
男「あの……まだ生きてますけど! 元気ですけど!」
友人「ていうか、なんの調理の痕跡も見られないんですけど!」
店員「新鮮な素材をそのままお届けするため、ほとんど包丁は入れておりません」
男「国語辞書では刺身って“生魚を切ったもの”って出てくるのにぃ……」
バクバク… モグモグ…
男「イケる!」
男「さすがに味はうまいな! マグロ最高だろ! どっかの市場の味って感じだ!」
友人「ああ、大王イカってアンモニアを含んでて不味いって聞いたけど、うまいんだな」
男「だけど……量が……量がもっと少なければ……」
友人「ちょっと水飲んで休憩するか」
男「すみませーん、お冷やください」
店員「かしこまりました!」
店員「お冷やです」
ゴトッ
男「お冷やもデカイ!」
友人「ちょっと待って! コメダ珈琲でも、お冷やのサイズは普通だったはずだけど!」
店員「あっちはあっち、こっちはこっちです」ギロッ
友人「す、すみませんでした……」
男「なにもかもがデカイな……この居酒屋は。マリオ3の巨大の国を思い出すよ」
友人「おい、周囲を見てみろよ」
客A「たっぷりブレンドビールうめえええええ!!!」ゴキュゴキュゴキュ
客B「食うぞぉぉぉぉぉぉ!!!」モグモグモグモグモグ
客C「店員さん、味噌塗った豚一頭をパンで挟んだやつ、おかわり!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
友人「みんな、ドラム缶みたいなジョッキのビール飲んだり、巨大から揚げ食ったり」
友人「野菜盛り合わせみたいなサラダ食ったりしてるぞ」
男「この店の客は全員フードファイターかなんかなのか……!?」
男「だけど俺たちだって……頼んだからには食っちまわないとな!」
友人「おう!」
男「飲んで飲んで飲みまくろうぜ!」
友人「食って食って食いまくろう!」
ガブガブガブガブガブ… ゴクゴクゴクゴクゴク…
ガツガツガツガツガツ… ムシャムシャムシャムシャムシャ…
………
……
……
男「う、うっぷ」
友人「腹が破裂じぞう……」
男「だげどやっど食い終わった……」
友人「人間やればできるもんだな……自分で自分を褒めてあげたい」
男「じゃ、会計してもらおうか……」
友人「お、おう」
ヨロヨロ… ヨタヨタ…
店員「2000円になります」
男「安っ!」
友人「こんなんで採算取れるの? 大丈夫!?」
店員「大丈夫!」
店員「これがコメダ・クオリティですから!」
二人「なるほど~~~~~~~~~~!!!」
店員「ありがとうございましたー! またお越し下さいませー!」
男「……うぅっぷ」
友人「おえっ……」
男「……」ヨロヨロ…
友人「……」ヨタヨタ…
男「いい店だったな……」
友人「予備知識は必須だけどな……」
男「あ、ちょうどいいところに公衆便所がある……寄ってこうか……」
友人「おう……」
男「うっ」
友人「うっ」
はじめての居酒屋コメダ……。
結果は、二人仲良くゲロノワールっ……!
おわり
59 : 以下、5... - 2017/10/17 02:45:44.800 WbK6hXVg0 26/26この物語はフィクションです
実在のコメダ珈琲店とは一切関係ありません