フィアンマ「ローマ正教内部を見学しようと思うのだが……」【前編】

206 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:31:59.67 2nwTTf1so 176/549




『趣味探し』



アニェーゼ「オリアナさん置いてきてもよかったんですか?」

フィアンマ「いいんだ。ブツ探しに熱中してるみたいだし、特に仕事もないからな」

アックア「じゃあ、次はどこへ行くのであるか?」

フィアンマ「風の吹くまま、気の向くまま……と言いたいが」グウ

アニェーゼ「お腹が空いたってことですね」

フィアンマ「そういうことだ」

アックア「開き直られると少しイラッとするな」

フィアンマ「人間の生理現象なのだから仕方がないだろう?」

フィアンマ「恥ずかしがるというのも俺様らしくないしな」

207 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:32:30.15 2nwTTf1so 177/549


アックア「……確かに恥ずかしがっているのは少し違和感があるな」

アニェーゼ「でしたら食堂行きませんか?」

フィアンマ「食堂か」

アニェーゼ「私もお腹減ってきましたし」アハハ…

アックア「賛成である」

フィアンマ「……お前も人のこと言えないじゃないか」ジロ

アックア「私はお腹を鳴らしたわけではない」グウ

フィアンマ「……くくっ」

アニェーゼ「強がらなくてもいいんじゃないですか?」

208 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:33:11.04 2nwTTf1so 178/549


アックア「強がってなどいないのである!!」

フィアンマ「その言葉が強がりだということの何よりの証明だ」ビシッ

アニェーゼ「ですね」

アックア「っ……」

フィアンマ「さて、行くか」

フィアンマ「案内頼むぞ、アックアは今使い物にならないからな」

アニェーゼ「了解です」

アックア「お、置いていくな!」ダッ

209 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:33:39.57 2nwTTf1so 179/549


………食堂………

フィアンマ「ほう、ここが食堂か……昼時だからか混んでいるな」

アニェーゼ「初めてですか?」

フィアンマ「そうだな」

フィアンマ「特に外へ出る理由がない時は基本的に引きこもりのような状態だからな」

アックア「飯も人に運ばせるという堕落ぶりである」

フィアンマ「ほほう? つまりお前も堕落しているということか」

フィアンマ「聖人様ともあろうお前が!」

アックア「なぜそうなるのだ!」

フィアンマ「今日の朝食、忘れたとは言わせないぞ」

210 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:34:27.09 2nwTTf1so 180/549


アックア「っ! 一回はセーフだ」

フィアンマ「くくっ、子供の言う三秒ルールみたいに幼稚だな」

フィアンマ「この場合一発でアウト、レッドカードだ」

アックア「いや、セーフである!」

フィアンマ「……堕落というものは一度身を委ねてしまえばずるずると引き込まれて行く」

アックア「引きこもりには言われたくないな」

アックア「お前の方が堕落しているのである」

フィアンマ「ふっ、やると思ってたぞ。話題転換」

フィアンマ「誰でも自分が窮地に追い込まれるのは避けたいものだしな」

211 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:35:00.31 2nwTTf1so 181/549


アニェーゼ「あの……大丈夫ですか?」

フィアンマ「いつも通りだ」

アックア「っ……」

フィアンマ「引きこもりという言い方が悪かったな……」

フィアンマ「一応言っておくが、俺様は仕事はこなしているし、バチカンの辺りを散歩したりもしているからな」

アニェーゼ「それで引きこもりとか言ってたら本物に叩かれますよ」

フィアンマ「そうか? まあ、叩きたければ叩けばいいさ」フッ

アックア「……そろそろ食べないか」

フィアンマ「む、そうだな、待たせて悪かったな」

212 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:35:31.68 2nwTTf1so 182/549


アニェーゼ「じゃあ、何食べます?」

フィアンマ「あの有名な食券とかがあるのか?」ワクワク

アニェーゼ「えっと……」コンワク

アックア「無いのである」

フィアンマ「え……」ガ-ン

アックア「そこのボードに書かれている今日のメニューから何を食べるか選ぶのである」

フィアンマ「そ、そうか……」

アックア「今日はカルボナーラ、チキンセット、サラミサラダ、サンドウィッチ、お好みピザセットがあるらしいな」

フィアンマ「それくらい見たらわかる!!」ムカッ

213 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:36:16.84 2nwTTf1so 183/549


フィアンマ「はぁ……俺様はオムライスを食べたかったのに」

アニェーゼ「子供ですか?」

アックア「文句は言うべきではないのである」

フィアンマ「む、分かっているが……オムライス」ハァ

「あの……オムライス作りましょうか?」

フィアンマ「え?」

フィアンマ「いいのか?」

???「ええ、私の作るものでよろしければ」ニコ

アニェーゼ「……その声は!」

???「あれ? アニェーゼではないですか」

214 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:37:01.30 2nwTTf1so 184/549


フィアンマ「ん? 知り合いなのか?」

アニェーゼ「はい、彼女はオルソラで、簡単に言えば顔見知りですね」

フィアンマ「顔見知りか」

オルソラ「よろしくお願いします」ペコ

フィアンマ「俺様はフィアンマだ、よろしく」

アックア「アックアである」

オルソラ「フィアンマさんとアックアさんと……」チラ

アニェーゼ「アニェーゼです!」

オルソラ「ああ、そうでございました」ニコニコ

215 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:37:59.18 2nwTTf1so 185/549


フィアンマ「……さっき名前言ってたじゃないか」

アニェーゼ「そういう人間なんですよ、彼女は」

アニェーゼ「むしろ、そこが売りと言ってもいいのかもしれません」ハハ…

アックア「お、面白い人間であるな」

アニェーゼ「いや、面白いっていうより不思議って感じですよ」

アニェーゼ「私には何考えてるか理解できてねぇですし」

フィアンマ「ああ、そういう奴いるよな」

アックア「まさにお前のことだろう!」

216 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:38:32.22 2nwTTf1so 186/549


フィアンマ「知らんな」

アニェーゼ「確かにフィアンマさんも結構謎めいてますよね」

フィアンマ「そんなことはないだろう。俺様はだいぶ分かり易いはずだ」

アックア「自覚症状が無いのが一番面倒だな」

フィアンマ「……そんなことより!」

フィアンマ「オルソラ、本当にオムライス作ってくれるのか?」

オルソラ「もちろんでございます」

オルソラ「そこの二人の食器を洗い終わったら作るのでお待ちくださいね」

フィアンマ「そこの二人?」チラ

217 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:39:02.67 2nwTTf1so 187/549


アンジェレネ「ほいひーへふへ」モグモグ

ルチア「……」モグモグ ゴクン

ルチア「シスター・アンジェレネ、口に物を入れたまま話してはならないと何度言ったらわかるんですか?」

アニェーゼ「……うっ」ピク

ルチア「確かに美味しいですけど、飲み込んでから話なさい」

アンジェレネ「……」ゴクン

アンジェレネ「ごめんなさい」シュン

ルチア「まあ、食事中は基本的に話さず、静かに過ごすのが一番なんですけどね」

218 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:39:47.72 2nwTTf1so 188/549


フィアンマ「……見覚えのある二人だな」

アックア「……なぜここにいる?」

アニェーゼ「ああー」ポン

フィアンマ「おい、何一人で納得しているんだ」

アニェーゼ「いえ、この二人はいつもオルソラに料理を振舞ってもらっていると言っていたのを思い出したんですよ」

アックア「ほう、食堂ではそんなこともできるのか……」

オルソラ「ええ、食堂の一角を借りてちょこちょこっと作らせてもらってます」

アニェーゼ「へぇ、食堂で作ってたんですか」

オルソラ「邪魔にならないよう注意はしているのでご安心を」ニコニコー

フィアンマ「……有能なシスターもいるんだな」

アニェーゼ「ですね!!」

フィアンマ「なぜキレてるんだ?」

219 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:40:33.73 2nwTTf1so 189/549


アンジェレネ「……あ、視察軍団のみなさんじゃないですか!」モグモグ

ルチア「……」ハァ

フィアンマ「視察軍団ってなんだ……」

アックア「ああ、一日ぶりであるな」

アックア「元気にしていたか?」ポンポン

アンジェレネ「はい! すごい元気でしたよー」エヘヘ

アックア「そうであるか」ウンウン

フィアンマ「お前はアンジェレネの親か何かか?」ハァ

アックア「そんな大層なものじゃないのである」

フィアンマ「いや、言われなくても分かってるからな」

220 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:41:36.04 2nwTTf1so 190/549


ルチア「あなた方は問題ありませんでしたか?」

ルチア「あの女とか……」

フィアンマ「ああ、オリアナのことか」

フィアンマ「ただの変態なこと以外は普通に使えそうな魔術師だよ」

ルチア「使えそう?」

アニェーゼ「雇うことにしたらしいですよ」

ルチア「え!? どういうことです!」

フィアンマ「そのままの意味だが?」

フィアンマ「アニェーゼ、報告書を見せてやれ」

アニェーゼ「あ、それが一番ですね」スッ

221 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:42:14.13 2nwTTf1so 191/549


ルチア「……」パラパラ…

アンジェレネ「うわあ、文字ばっかりじゃないですか……」

アックア「まあ、フィアンマが書いても書き足りないと言ってたからな」

フィアンマ「報告書は後でもいいからさっさと食べてくれないか?」

フィアンマ「食器が片付かないだろう?」

アンジェレネ「す、すみません!」

ルチア「急ぐの良いですけど、のどに詰まらせない……」

アンジェレネ「んんー!!」

ルチア「言ったそばから……」 

フィアンマ「……そんなに急がなくてもいいからな?」

222 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:43:01.05 2nwTTf1so 192/549


フィアンマ「そういえば、アニェーゼはオルソラに作ってもらっているわけじゃないのか?」

アニェーゼ「ええ。たまに作ってもらうこともありますが、私は普通に食堂のメニューですね」

オルソラ「作ってもらうじゃないのでございますよー」スッ

フィアンマ「おわ! 作ってもらうじゃないってどういうことだ?」

オルソラ「ですが、あまりにも作ってほしいという人数が多いときは食堂本来の業務を邪魔してしまうので……」

オルソラ「寮で作って振るうのでございますよ」

フィアンマ「おい、話し戻ってないか?」

オルソラ「……どこで料理を作ってるかの話では……?」

フィアンマ「違うぞ」

223 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:44:04.47 2nwTTf1so 193/549


フィアンマ「アニェーゼの話だ」

オルソラ「ああ! そうでございましたね」ウンウン

アニェーゼ「作ってもらうじゃないってどういうことなんです?」

オルソラ「私がアニェーゼに料理をふるまったのはですね……」

オルソラ「アニェーゼ寝込んでいて、ご飯を食べないとか言いやがった時のことでございますけど……」

フィアンマ「……口調乱暴になってるんだが……」

オルソラ「いえいえ、それは幻聴でございますよ」

フィアンマ「……続きを」

オルソラ「ええと……中に入れるチキンライスのケチャップの量の話……」

224 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:46:24.07 2nwTTf1so 194/549


フィアンマ「ご飯を食べないと言いやがってどうしたんだ?」

オルソラ「勝手に食べやすそうなものを作って押しかけたんでございますよ」

アニェーゼ「あ、そういえばそうでしたね」

オルソラ「自分で頼んでくれることが無いのでございますよ」ウフフ

フィアンマ「ふーん、そうなのか」

アニェーゼ「へへ、うちの二人がいつも世話になっちゃってるんで」

アニェーゼ「さすがに少しは考えねぇとダメでしょう?」

オルソラ「そんなそんな……もし迷惑でなければ作るのでございますよ」

オルソラ「私の料理で喜んでもらえるのでしたら、それで私は満足でございますから」

225 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/06 21:46:51.15 2nwTTf1so 195/549


フィアンマ「まずは俺様のオムライスだからな」

アニェーゼ「……では、私はカルボナーラで」

フィアンマ「それ……メニューになかったか?」

アニェーゼ「いいんです、ほっといてください」フン

オルソラ「カルボナーラでございますね、分かりました」ニコ

227 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:07:43.07 8gvfXps/o 196/549


アックア「ところで、二人は何を作ってもらったのであるか?」

ルチア「私はスープとサラダです」

アックア「……質素であるな」

ルチア「そうですか? いつも通りですけど」

アンジェレネ「私は、ホットケーキとチョコレートドリンクと……」

アックア「あと、サラダか」

アンジェレネ「うう……シスター・ルチアが付けなさいって言うから」

アックア「野菜が苦手か」

アンジェレネ「はい……」

228 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:08:26.63 8gvfXps/o 197/549


アックア「うむ、子供の頃は辛抱するしかないのである」

アックア「私も野菜は苦手だったからな」

ルチア「そうなんですか?」

アックア「聖人なのに、と言いたいのだな?」

ルチア「……」

アックア「ふっ、黙る事は無いのである。子供はいつの時代も野菜嫌いだからな」

アンジェレネ「シスター・ルチアは野菜嫌いじゃないですよ?」

ルチア「別に好き好んで食べてるわけじゃないですけどね」

ルチア「栄養バランスを気にしているだけです」

229 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:09:00.90 8gvfXps/o 198/549


……………………………

アンジェレネルチア「ごちそうさまでした」

オルソラ「お粗末様でございます」ニコニコ


フィアンマ「お、じゃあ次は俺様たちの番だな!」

アニェーゼ「がっつきますね……」

アックア「そろそろ空腹にも耐えられなくなってきたのである……」

フィアンマ「ははは、聖人が何を言っているんだ」

アックア「むしろ私が聖人を何だと思ってるんだ、と聞きたい」

フィアンマ「テレズマを身に宿すことのできる人間だか何だかじゃなかったか」

アックア「そうである、分かってるならいいんだ」

アックア「決して食欲を人以上に我慢できるスーパー人間ではないのである」

230 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:09:58.73 8gvfXps/o 199/549


ルチア「それでは皆さん、先に失礼します」ペコ

アンジェレネ「失礼します」タタタッ

フィアンマ「ああ、励めよ」

アニェーゼ「あ、シスター・ルチア、この報告書を届けてもらえますか?」

ルチア「分かりました、それでは」タタッ


フィアンマ「……食後の運動は腹が痛くなるから苦手だ」ウウッ

フィアンマ「走るとかは本当に無理だ……」

アックア「お前の食後三十分はティータイムではないか」

フィアンマ「まあ、そうだけどな」ハハ

231 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:11:39.95 8gvfXps/o 200/549


ジャ-

フィアンマ「皿洗いか」

オルソラ「はい。皿洗いでございます」ゴシゴシ

フィアンマ「……」

オルソラ「なぜそんなにじっと見ているのでございますか?」

フィアンマ「いや、水仕事は手荒れの要因の一つ聞いたことがあったからな。気になっただけだ」

フィアンマ「だから気にするな」

オルソラ「はあ……」

オルソラ「ぱっくりなどは付き物でございますよ」

フィアンマ「それは……大変だな」

オルソラ「大変でもやらなきゃならない事でございますから」ニコニコ

フィアンマ「……そうか、ちゃんとハンドクリームとかはつけた方がいいぞ」

オルソラ「ええ、ありがとうございます」

232 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:12:22.64 8gvfXps/o 201/549


アックア「そこまで心配なら手伝ってやるのはどうだ」

フィアンマ「え、どうして俺様が」ムッ

アックア「二人でやれば負担も軽減するのである」

オルソラ「いえいえ、手を借りるまでもございませんよ」

オルソラ「大したことではないので」ウフフ

フィアンマ「……」

フィアンマ「いや、手伝ってやる……じゃないな」

フィアンマ「俺様も手伝うぞ」グッ

オルソラ「ええ?」

233 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:13:03.88 8gvfXps/o 202/549


アニェーゼ「というわけで、皿洗いをしていると……」

アックア「そうである」


ガチャ-ン

フィアンマ「あ、割れた!」

オルソラ「まあ、怪我はございませんか?」

フィアンマ「……ああ、それは大丈夫だが……」

オルソラ「それなら良かったのでございます」ニコ

234 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:13:39.83 8gvfXps/o 203/549


アニェーゼ「……あの調子だと手伝うことでオルソラの手間が増えてるんじゃないかと思うんですよね」

アックア「まあ、皿を割ってるしな」

アニェーゼ「大丈夫なんですかね」

アックア「皿は……まあ、ローマ正教は資金が豊富だから問題ないだろう」

アニェーゼ「おお、流石上の方は言うことが違いますね」

アックア「後始末は魔術を上手く使えばすぐにかたがつくからな」

アニェーゼ「なるほど……」

235 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:14:25.35 8gvfXps/o 204/549


フィアンマ「……悪いな。だいぶ散らかしてしまった」ズーン

オルソラ「いえ、ちゃんと片付けをしてもらえたので十分でございます」

フィアンマ「まあな……」

フィアンマ「自分で言うのもなんだが、綺麗好きだからな」ゴシゴシ

オルソラ「なるほど、オムライスはケチャップ多めが好みなのですね」ニコニコ

フィアンマ「おい、話が飛んでるぞ」

オルソラ「綺麗好きとは素敵でございますね」

オルソラ「潔癖症までいくと少々面倒でございますけど」ゴシゴシ

フィアンマ「ああ、それは同感だ」

フィアンマ「潔癖症は面倒を通り越して苛立ちすら覚えるな」

オルソラ「イライラするのはあまり良くないのでございます」ニコニコ

フィアンマ「む、そうだな」

236 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:15:25.98 8gvfXps/o 205/549


フィアンマ「とは言っても、ずっと笑顔でいるのは疲れるだろう?」ゴシゴシ

オルソラ「いえ、疲れませんよ」ニコ

フィアンマ「凄いな、俺様はそんなことできない……」

オルソラ「何もみんながいつも笑顔でいる必要はないのでございますよ?」ゴシゴシ

フィアンマ「……なら、なぜオルソラはずっと笑顔なんだ?」

オルソラ「簡単なことでございます。沈んだ顔より笑顔の方がいいでございましょう?」

オルソラ「それに私もずっと笑顔というわけではございません」キュッキュ

フィアンマ「ほう……ローマ正教も捨てたもんじゃないな」キュッキュ

237 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:16:15.32 8gvfXps/o 206/549


オルソラ「捨てたもんじゃないとは?」

フィアンマ「……いや、なんでもない」カチャカチャ

フィアンマ「よし、こんなところで皿洗いは完了か」

オルソラ「そうでございますね。ありがとうございます」

フィアンマ「気にするな、飯を作ってもらうのだからそれくらいはしなくてはな」

オルソラ「……お返しを求めてのことではないのでございます」

フィアンマ「だろうな」

フィアンマ「それなら俺様もオルソラと同じく好意でやったということにしておいてくれ」

オルソラ「そうですか……では、ご好意ありがとうございますね」ニコ

フィアンマ「どーも」

238 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:17:07.25 8gvfXps/o 207/549


オルソラ「ところで……そこのゴルフウェアの方は何を食べたいのでございましょうか?」

フィアンマ「アックアか……」

アックア「私はマルゲリータを頼む」

オルソラ「了解でございます」

フィアンマ「なんでも請け負うんだな」

オルソラ「作れるものは作る主義なのでございますよ」ドヤ

フィアンマ「万能だな」

オルソラ「料理は趣味ですからね」

オルソラ「それで皆さまが笑顔になってくれるなら、それほど嬉しいことはございませんから」

フィアンマ「ふっ……そうか」

239 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:17:57.60 8gvfXps/o 208/549


アニェーゼ「あれ、戻ってきちまったんですか?」

アックア「オルソラと話していたのではないのか?」

フィアンマ「火を使い始めたからな」チラ

オルソラ「……」ジュージュー

アックア「怖いのであるか?」

フィアンマ「そんなわけ無いだろう! 俺様は火を司っているんだぞ?」

フィアンマ「あ……」

フィアンマ(口が滑った!)

240 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:19:04.71 8gvfXps/o 209/549


アックア「……」ハァ

アニェーゼ「怖くないんですか……つまんねぇですね」

フィアンマ「……つまんねぇで悪かったな」フンッ

フィアンマ「火は俺様の手足と言っても過言じゃないのだからな」

アニェーゼ「では、なぜ?」

フィアンマ「オルソラの邪魔になるだろう?」

フィアンマ「俺様が見ていたせいで火傷とかされたら申し訳が立たないからな」

241 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:19:48.27 8gvfXps/o 210/549


アニェーゼ「なるほど」ニシシ

フィアンマ「なんだ、その意味深な笑みは……」ムッ

アニェーゼ「いえ、何でもないです」

アニェーゼ「あ、やっぱり何でもありました」テヘヘ

フィアンマ「なんだ?」

アニェーゼ「火傷させちまったら、回復してやればいいんじゃないですか?」

フィアンマ「そういう問題ではない」

アニェーゼ「え?」

フィアンマ「そういう問題じゃないと言った」

242 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/08 10:21:10.45 8gvfXps/o 211/549


フィアンマ「あんなレアな愚かさ……いや眩しさと言うのかな」

フィアンマ「ともかく俺様たちの持っていないものを持った人間を無駄にしたくないだけだ」

フィアンマ「……ほら、レア物は丁寧に保存しておくに限るというものだろう?」

アックア「またゲーム的思考である……」

アニェーゼ「そ、そういう考えですか……」

フィアンマ「ローマ正教の利益に繋がるやもしれない」

フィアンマ「それにあのような人間は嫌いじゃない」フッ

アックア「気に入ったのであるか」

フィアンマ「……かもしれないな」

245 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:06:32.37 v9IOt6mYo 212/549


………………………

アニェーゼ「できるまでまだ少し時間がかかるそうです」

フィアンマ「そうか」

アックア「……」グゥ

フィアンマ「なら少し歩き回ってきていいか?」

アニェーゼ「歩き回る、ですか?」

フィアンマ「ああ、知り合いでもいないかと思ってな」

アックア「オルソラのところへ行かないのか」

フィアンマ「……だから邪魔になると言っただろう」ウッ

アックア「そうか。まあ、勝手にすればいいのである」

フィアンマ「ああ、勝手にさせてもらおう」

246 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:07:22.45 v9IOt6mYo 213/549


フィアンマ(さてと……)カツカツ…

フィアンマ(いるのは基本的にシスターや衛兵などか)

フィアンマ(…………!?)

フィアンマ「ヴェント!?」

ヴェント「ああ、フィアンマか」モグモグ

フィアンマ「どうしたんだ、その格好は」

ヴェント「けっ、少し考えたらわかるでしょう」

ヴェント「こんな人前であの格好してたら目立って仕方が無い」

フィアンマ「……つまり、それがお前のデフォルトというわけか?」

ヴェント「そうだけど?」

247 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:08:06.85 v9IOt6mYo 214/549


フィアンマ「……嘘だろ、ピアスとメイクをやめるだけで人間はこんなに変わるのか!?」

ヴェント「そんな大差ないと思うけどね」

フィアンマ「いやいやいや、そんなこと言うならアックアにも聞いてみろ!」

ヴェント「アックアは女の化粧はそんなものであるとか言ってたっけね」

フィアンマ「なっ、女の化粧はそんなものなのか?」

ヴェント「そんなものだよ。女は皆顔を偽ってるんだ」

フィアンマ「……そ、そうなのか」

フィアンマ「だが、お前の場合は絶対にメイクなしの方がいいと思うぞ」

ヴェント「いや、そうはいかないさ」

フィアンマ「……ああ、なるほど」

248 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:09:09.14 v9IOt6mYo 215/549


ヴェントフィアンマ「天罰術式」

ヴェント「そう、この顔じゃぜんぜん効果が出なくなっちゃうからね」

ヴェント「嫌悪感を持ってもらってなんぼな魔術だから」

フィアンマ「面倒な制約があったものだな」

ヴェント「その代わり効果が絶大だから」

フィアンマ「それもそうか」

ヴェント「で、どうしてこんなところにいるの?」

フィアンマ「ああ、視察だ」

ヴェント「……ご飯食べに来たってことか」

249 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:09:48.16 v9IOt6mYo 216/549


フィアンマ「ああ、料理が上手いシスターがいるらしくてな」

ヴェント「あー、オルソラ=アクィナスか」

フィアンマ「知ってるのか?」

ヴェント「まあ、噂くらいわね」

ヴェント「女子寮ではかなり重宝されているらしい」

フィアンマ「女子寮か」

ヴェント「まあ、伝え聞いた話だけど」

フィアンマ「ほう……それはますます楽しみになってきた」

ヴェント「何頼んだんだ?」

250 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:10:26.38 v9IOt6mYo 217/549




フィアンマ「オムライス」



251 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:10:53.78 v9IOt6mYo 218/549


ヴェント「ごめん」

ヴェント「謝っても謝り足りないけど、これで勘弁して欲しい」

フィアンマ「な、なぜ謝るんだ」

フィアンマ「話の流れがよく分からないぞ」

ヴェント「言いたくないことを無理に言わせてしまったっていう反省だよ」

フィアンマ「まさか、オムライスが馬鹿にされているというわけじゃないよな」

ヴェント「いや、そうだよ」

フィアンマ「なぜ!!」

ヴェント「なぜって……子供っぽいからかな」

ゴツ

252 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:11:27.60 v9IOt6mYo 219/549


フィアンマ「悪いな、衝動的に殴ってしまった」

フィアンマ「魔術ブースト込みで」

ヴェント「うう……」バタ

フィアンマ「さて、他に知り合いはいないものか……?」カツッ

253 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:13:10.11 v9IOt6mYo 220/549


フィアンマ「……」カツカツ

フィアンマ(視線を感じるような……)チラ

フィアンマ(気のせいか……はぁ)カツカツ

???「フィアンマ」

フィアンマ「ん?」クルッ

???「こんなところで何をしているんだ?」

フィアンマ「……っと……ああ」

フィアンマ「ビアージオ=ブゾーニとか言ったか!」パアア

ビアージオ「そうだが」

フィアンマ「そうかそうか、俺様は今視察中さ」ニッコリ

254 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:13:46.75 v9IOt6mYo 221/549


ビアージオ「……神の右席なのにか?」

フィアンマ「だからこその行為だ」

フィアンマ「マタイの奴のせいか、ローマ正教内部の情報がいまいち入ってこなくてな」ヤレヤレ

フィアンマ「仕方が無いから、自分の足で調査してみようと思った次第だ」

ビアージオ「なるほどな」

フィアンマ「今度は俺様から質問なんだが、お前は司教様だったよな」

ビアージオ「……今はな」

フィアンマ「今は、か。権力欲あふれる一言だな」

フィアンマ「なぜ司教様ともあろうお方がこんなところで飯を食っている?」

255 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:14:14.04 v9IOt6mYo 222/549


ビアージオ「個人の勝手だ」

ビアージオ「さっきまで前方のヴェントもそこで食べていただろう?」

ビアージオ「ここはローマ正教で働く人間は誰でも使用可能だからな」

フィアンマ「それはそうだが……司教クラスになったらそこそこ豪華なものが運ばれてきたりするのではなかったか?」

ビアージオ「飽きだ」

ビアージオ「たまにはこういう質素な食事も悪くない」カチャカチャ

フィアンマ「質素な食事って……別にお前が今食べているものは質素ではないだろう」

ビアージオ「普段よりは質素だ」

フィアンマ「……そうか」

256 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:15:03.49 v9IOt6mYo 223/549


フィアンマ「じゃあ、そろそろ俺様は戻るとするか」

ビアージオ「戻る?」

フィアンマ「まだ俺様は昼ごはんを食べてない」

ビアージオ「そ、そうか」

ビアージオ「引き止めて悪かったな」

フィアンマ「いや、司教様の食事事情を伺うことができ、光栄の極みでございます、だ」

ビアージオ「その司教様ってのは皮肉がこもってると受け止めていいのか?」

フィアンマ「さあ? ご想像にお任せする」

ビアージオ「むむ……」モグモグ

フィアンマ「それじゃあ、俺様たちのためにも仕事頑張れよー」カツカツ

257 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:15:56.30 v9IOt6mYo 224/549


フィアンマ(そろそろオムライス出来ただろうか……)

アニェーゼ「あ、来た来た。料理とっくにできてんですけどー」

オルソラ「あ、戻って来たのでございますね」

フィアンマ「ああ、待たせたみた……」

アックア「おお、美味しいのである」モグモグ

フィアンマ「え、待っててくれたわけじゃないのか?」

アックア「もちろん」モグモグ

フィアンマ「そ、そうか……」ズーン

アニェーゼ「私達はまた食べてねぇですよ」アセアセ

フィアンマ「そ、そうか!」パァ

アニェーゼ(分かりやすいですね)

アックア(なぜか罪悪感がすごい……)モグモグ

258 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:17:05.60 v9IOt6mYo 225/549


オルソラ「ケチャップはかけるのでございましょうか?」

フィアンマ「ああ。絵を描くのが至高だと聞くが……どうしたものか」

アニェーゼ「I LOVE YOUとかどうです?」

フィアンマ「……大丈夫か、アニェーゼ? もしかして熱でもあるのか?」

アニェーゼ「真面目に心配されちまいましたね」

フィアンマ「そりゃ、オリアナじゃあるまいしな」

オルソラ「こんなのはどうでしょう?」ブチュ-

フィアンマ「効果音の割に随分細かい絵を描くんだな」

オルソラ「こういうのは凝ったもの勝ちでございましょう?」

259 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:17:58.41 v9IOt6mYo 226/549


オルソラ「できました!」

フィアンマ「おおっ! 俺様の似顔絵か!」キラキラ

アニェーゼ(こいつ……できる!)

フィアンマ「これは……撮っておかなくてはならないな」パシャパシャ

オルソラ「お気に召したようでございますね」ニコニコ

フィアンマ「ああ、食べるのがもったいないほどだ」

フィアンマ「どうだ、アックア。羨ましいだろう?」

アックア「……良かったな」

フィアンマ「つまらん反応だ」

260 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 05:18:35.98 v9IOt6mYo 227/549


アニェーゼ「なんやかんや言いつつ結局食べるんですか」

フィアンマ「食べ物だからな。惜しかったが食べ物だからな」

アックア「なぜ二回」

フィアンマ「大事なことだからだ」

オルソラ「そんなに気に入っていただけたのなら、また作るのでございますよ?」

フィアンマ「お、そうか! 」

フィアンマ「遠慮はしないからな」ニヤッ

オルソラ「ええ、遠慮なさらず、なのでございますよー」

フィアンマ「くくっ、楽しみが増えたな」

オルソラ「そうでございますか」ニコニコ

263 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:51:01.88 v9IOt6mYo 228/549


オルソラ「そう言えば、フィアンマさんとアックアさんとアニェーゼはどのような関係なのでございましょうか」

フィアンマ「関係? 関係か」フフフ

フィアンマ「そうだな、簡単に言えば部下と上司といったところだろう」

オルソラ「部下と上司なのでございますか」ヘ-

フィアンマ「先に言うなよ……」

オルソラ「楽しそうな上下関係でございますね」

フィアンマ「そうか? アックアは扱いづらいし、アニェーゼは直属の部下ではない」ケッ

フィアンマ「引っこ抜いて引きずり回してしまってるところだな」

アニェーゼ「あ、自覚はあるんですね」

フィアンマ「まあな」

フィアンマ「誰直属の部隊かは知らないが、俺様が名前も知らない程度の地位の者なら俺様に逆ら、いや、文句は言えないさ」

フィアンマ「だから引っこ抜こうと何しようと本人の承諾さえあればいいと思ってる」

264 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:53:14.19 v9IOt6mYo 229/549


オルソラ「オムライスは美味しいでございましょうか?」

フィアンマ「だいぶ話変わったな!」

オルソラ「口に合わなかったのでございましょうか……」

フィアンマ「いや、美味いけども」

オルソラ「それは良かった」ニコニコ

アニェーゼ「あれ、そろそろこの話法にも慣れてくる頃だと思ってたんですけど……」

フィアンマ「無理だな、この話し方に慣れろというのは俺様には酷だ」

アックア「確かにピザもそのへんのモノとはひと味ちがうのである」

フィアンマ「その話を続けるんだな」

265 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:55:12.42 v9IOt6mYo 230/549


オルソラ「本人の承諾でございますか」

オルソラ「上の方らしからぬことを言うのでございますね」

フィアンマ「も、戻ったか。上の方って言っても一緒くたにはできないってことだ」

アニェーゼ「ですね。私もフィアンマさんみたいな人を使い慣れてなさそうな人は初めてですし」

フィアンマ「う、そ、そうか?」

オルソラ「ええ」

アックア「ふっ」モグモグ

フィアンマ「おい、アックア。こそっと笑ってるのバレてるからな」ムカッ

アニェーゼ「ちょ、ここでは抑えて欲しいんですけど」

フィアンマ「……それは心配いらない」

フィアンマ「力抑えてる俺様じゃアックアには勝てるわけがないからな」

266 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:56:23.85 v9IOt6mYo 231/549


フィアンマ「そうだ!」

フィアンマ「オルソラ、ご飯の代わりと言ってはなんだが、いいことを教えてやろう」

オルソラ「なんでございましょう?」

フィアンマ「実は俺様は視察に来ているんだ」

オルソラ「視察……何か面白いものは見れたのでございますか?」

フィアンマ「そうだな……」

フィアンマ「ケチャップの俺様とか、同僚の素顔、変態な部下を手に入れたりとかいろいろだな」

オルソラ「まあまあ、思っていた視察とだいぶ違うのでございますね」

フィアンマ「まあな」ヘヘ

フィアンマ「オルソラは魔術知ってるのか?」

オルソラ「ええ、回復だけならすこしかじっているのでございますよ」

フィアンマ「そうか! じゃあそっち関連の話も……」ハハッ

267 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:57:33.69 v9IOt6mYo 232/549


アニェーゼ「随分饒舌ですね」

アックア「多分気に入ってるのである」

アニェーゼ「オルソラを?」

アックア「……フィアンマの周りには天然タイプの女性はいない」

アックア「ハマってしまっても致し方ないのである」

アックア(あんなにニタニタして……)ハァ

アックア(どう考えても策や裏がある時と態度が違うのである……)

アックア(ま、それで大人しくなってくれれば最良なのであるが、ありえないな)

268 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:58:57.32 v9IOt6mYo 233/549


フィアンマ「ごちそうさまっと」フゥ

フィアンマ「お前らは食べ終わったか?」

アックア「お前がペラペラ話しているうちに、とっくにな」

アニェーゼ「同じく」

フィアンマ「そうか、それは悪かったな」チラ

オルソラ「……どうしたのでございますか?」モグモグ ゴクン

フィアンマ「……いや、俺様まだお腹いっぱいじゃないな」チラ

フィアンマ「何かないかなー?」チラ

オルソラ「チキンライスの余りがあるのでございますよ」

フィアンマ「よし、それだ」

269 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 21:59:30.31 v9IOt6mYo 234/549


アニェーゼ「え、まだ食べるんですか?」

フィアンマ「良いじゃないか。まだオルソラも食べていることだしな」

アックア「はぁ……なら私もいただくのである」

アックア「どうせ私とアニェーゼだけでは視察の意味が無いからな」

フィアンマ「そうだな」

アニェーゼ「じゃあ私はスムージーでも飲んで待ってますかね」ハハハ

オルソラ「では、私もスムージー飲んで待ってるのでございますよ」

フィアンマ「おい待て、オルソラは自分の目の前にあるご飯に集中しろ」ビシッ

オルソラ「そうでございますね」ニコニコ

フィアンマ「わ、分かってくれればいいんだ」タジタジ

270 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 22:00:17.86 v9IOt6mYo 235/549


オルソラ「どうぞ。おかわりでございますよー。あとスムージーでございます」ゴト ゴト

アックア「ありがとうなのである」

フィアンマ「いただくぞ」

アニェーゼ「やったー、ありがとうございます!」

オルソラ「いただきます」ペコ

フィアンマ「ちょっと待て、オルソラ。なぜお前までおかわりしているんだ?」

オルソラ「まあ、不要でございましたね」

フィアンマ「ああ、不要だったな」

アニェーゼ「何やってんですか……」ハァ

アックア「コントである」

フィアンマ「コントじゃないからな」

271 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 22:01:22.22 v9IOt6mYo 236/549


フィアンマ「作るのは速いけど、食べるのは結構ゆっくりだよな」

オルソラ「すみません、あまりお腹が空いていないのでございますよ」ハハハ…

フィアンマ「いやいや、責めてるわけじゃないから謝る必要はないぞ」

フィアンマ「俺様も食べてるしな」モグモグ

オルソラ「そうでございますか?」

オルソラ「……お忙しいのにお待たせしてしまって申し訳ないのでございますよ」

フィアンマ「いや、だから気にするなと言っているだろ?」

フィアンマ「別に忙しくないし、待たされていると思ってもいない」

アックア(やっぱり待っていたのであるな……)

アックア(よし、応援してやるのである。まあ、何もしないがな)

フィアンマ「というか、急いで食べて喉つまらせたりするなよ?」

272 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 22:01:56.19 v9IOt6mYo 237/549


オルソラ「ご心配ありがとうございます」

オルソラ「そこまで言ってくださるのでしたら、お言葉に甘えさせていただきますね」

フィアンマ「そうしろそうしろ、俺様は会話できればいい」

オルソラ「あまり面白い話はできないのでございますよ?」

フィアンマ「面白い話は期待してないさ」

オルソラ「まあ、でしたらどんな話がよいのでしょう?」

フィアンマ「そうだな……」

アニェーゼ「フィアンマさんが視察の詳しい話でもすればいいんじゃないですか?」

フィアンマ「ふむ、それはいい。そうしよう」

アックア(でかした!)

アニェーゼ「……」グッ

フィアンマ「……?」

273 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/10 22:02:22.74 v9IOt6mYo 238/549




オルソラ「では、まずは変態な部下のお話をお願いするのでございます」

フィアンマ「それから!?」



276 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:12:34.77 6c+S4S11o 239/549


…………………………………

オルソラ「それで、次はどこへ行くつもりなのでございましょうか?」

フィアンマ「風の吹くまま気の向くままと言っただろう?」

フィアンマ「まあ、そうだな……何かオススメな場所でもあったら聞くが」

オルソラ「そうでございますね……何かあるのでございますか、アニェーゼ?」

アニェーゼ「私ですか!?」

アックア「何かあるのであるか?」

アニェーゼ「そうですね……あ、バチカンの端っこにあるという小さな小麦畑とかどうです?」

フィアンマ「小麦畑?」

アックア「あ……そこは……」

277 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:14:04.05 6c+S4S11o 240/549


アニェーゼ「なんでも怪しい人が夜な夜な農作業を行っているとかなんとかで噂なんですよ」

アニェーゼ「通称、小麦の悪魔」

アニェーゼ「土地の所有者がローマ正教であることは間違いないんですが……」

フィアンマ「夜な夜な、か……」

アックア「お、おい、少し待つのである」

フィアンマ「なら、夜になったら見に行ってみるとしようか」

フィアンマ「面白そうだ」ニヤ

オルソラ「決定したみたいでございますね」

フィアンマ「ああ。明日にでも話を持ってきてやるから待ってるといい」

278 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:14:50.02 6c+S4S11o 241/549


オルソラ「では、朝食でも作って待っているのでございますよ」

フィアンマ「ははっ、楽しみじゃないか」

フィアンマ「朝食にはオムレツを付けてくれよ、似顔絵入りのな」

オルソラ「似顔絵入りでございますね、わかったのでございますよ」

アックア「正気であるか?」

フィアンマ「ん? もしや聖人様とあろうものが怖いのか?」

アックア「そんなわけないだろう」

フィアンマ「なら決定だ」

アックア「はぁ……」

279 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:16:07.03 6c+S4S11o 242/549




『禁書目録救済論』



フィアンマ「さて、日が落ちるまで時間もあるし、ぶらぶらと視察を続けるとしようか」

アックア「どこ行くのか、とはもう聞きはしないのである」

フィアンマ「学習したみたいだな、進歩じゃないか」

アックア「お前に言われると皮肉に聞こえるという不思議」

アニェーゼ「二人って仲いいんですか?」

アックア「違う!」

フィアンマ「アニェーゼ、そんなことをもう一度言ってみろ」

フィアンマ「ローマ正教にいれる保証はないからな」

アニェーゼ「そんなに怒ってるんですか!?」

280 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:17:22.82 6c+S4S11o 243/549


フィアンマ「ふん、俺様が我慢できるうちにやめておいた方がいい」

アニェーゼ「は、はあ」

フィアンマ「……」

フィアンマ「少し言い過ぎたな。こんなことで権力を振りかざすのは幼稚だった」ククッ

アニェーゼ「……普通じゃないですか?」

アニェーゼ「権力は振りかざすためにあるんですし」

フィアンマ「そうか? ここぞという時にだけ使うようにしなくては」

フィアンマ「事あるごとに使っていたら何が起こるかわからないしな」ケラケラ

281 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:18:28.87 6c+S4S11o 244/549


アックア「いつも人をこき使うお前がよく言うものだな」

フィアンマ「ははっ、男と女で対応が違うのは当然だろ」

フィアンマ「それに俺様がこき使うのは同僚とま、教皇と直属の部下だけじゃないか」

フィアンマ「言いがかりをつけるはよせ」

アックア「おい、教皇をこき使うのはおかしい!」

アニェーゼ(フィアンマさんはフィアンマさんってことですかね)

アニェーゼ(それにしても仲いいなぁ)

282 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:19:17.82 6c+S4S11o 245/549


フィアンマ「よし、次はこの部屋に突撃だ」

アックア「少し待つのである」

フィアンマ「なんだ?」

アックア「一応部屋の主を確認するべきだろう」

フィアンマ「ふむ、アックアにしては気が利くな」

フィアンマ「よし、アニェーゼ、ここは何の部屋だ?」

アニェーゼ「すみません、私もこの棟はあまり来ないから詳しくないんです」

フィアンマ「そんなことがあるのか……アックアは分かるか?」

アックア「……確か」

283 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:19:46.36 6c+S4S11o 246/549




アックア「隠秘記録官の仕事場だったはずである」



284 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:20:31.41 6c+S4S11o 247/549


アニェーゼ「かんせらりうす、ですか?」

フィアンマ「聞き覚えがあるな……」ウ-ン

アックア「魔術の使用傾向と対策を魔道書として書くのが彼らの仕事らしい」

アックア「私も細かいところは良く分からないが」

フィアンマ「ああ! 教会のための魔道書を書く者、だったか」

アックア「そう、それである」

フィアンマ「だが、昼時だから人が居ませんでした、みたいなオチはなしだぞ?」

アックア「中に人の気配がするからそれはないだろう」

アニェーゼ「はわー、魔道書を書く人達とかワクワクしますね」

フィアンマ「だな!」

285 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:21:18.65 6c+S4S11o 248/549


アックア「ノリノリのところ悪いのであるが、静かにするのである」

フィアンマ「おいおい、俺様のことを舐めてもらっては困る」

フィアンマ「場の空気に沿った振る舞いくらいはできるつもりだが」

アックア「一応注意しただけだ」

フィアンマ「だとよ、分かったか、アニェーゼ?」

アニェーゼ「私は基本的に黙ってるんですけどね」

フィアンマ「むむ、それもそうだな」

フィアンマ「じゃあ、アックア、お前も
黙っているんだぞ」

アックア「注意した人間に注意し返すとはな。面白いことをするものだ」

286 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/11 22:21:49.14 6c+S4S11o 249/549


フィアンマ「分かってるならいいんだ」

アックア(それは私のセリフなのである……)コンワク

フィアンマ「じゃあ、行くぞ!!」

アニェーゼ「おお!」

アックア「……静かにするのである」シ-

フィアンマアニェーゼ「あっ……」

ギイイイイ

289 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:29:31.19 9IXauFxMo 250/549


シーン

フィアンマ「……」

アックア「……」

フィアンマ「……えーっと、おい、アックア」

アックア「なんだ」

フィアンマ「ガキ一人しかいないように見えるんだが?」ボソボソ

アックア「いや、お前も十分ガキだろう? 人のこと言えないはずである」ボソ

フィアンマ「黙れ」

フィアンマ「こういう場所では静かにしないとダメだと言ったのはお前だ」コソコソ

アニェーゼ「ガキってほど小さいですかね?」

フィアンマ「……アニェーゼから見たガキの基準と俺様から見たガキの基準は違うってことだろ」

アニェーゼ「あ、なるほど」

290 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:30:25.10 9IXauFxMo 251/549


アックア「……ガキガキ言うのはよせ」

アックア「一応言っておくが、彼は隠秘記録官最速筆の男だぞ?」

フィアンマ「隠秘記録官最速筆……はっ!」

アニェーゼ「どうしたんです? 心当たりでもあったんですか?」

フィアンマ「アウレオルス=イザード、隠秘記録官の期待の新人だとか……聞いた気が」

アックア「ほう、良く知ってるな」

アニェーゼ「アウレオルス=イザードですか。知らねぇ名前ですね」

アックア「まあ、そこまで有名でもないからな」

アックア「隠秘記録官の名を知らなかったアニェーゼが知っているはずもないだろう」

アニェーゼ「あ、あはは……」

291 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:31:38.86 9IXauFxMo 252/549


フィアンマ「その上、禁書目録の教育係をしているとかマタイの奴が言っていたな」

アックア「そうであるか」

アックア「って禁書目録だと!?」

アニェーゼ「いんでっくす……禁書目録ってイギリス清教のもんですよね?」

フィアンマ「ああ。様々な原典が頭に入ってる、イギリス清教所属のシスターだ」

アックア「……あんなに重要なものをあの女がこちらに寄越すとは思わないのだが?」

フィアンマ「ああ、確かにそうだろうな。奴はそういう女だ」

フィアンマ「だが、この場合は仕方が無いんだろうよ」

フィアンマ「今アレはローマ正教が保管している原典などの記憶作業をしているらしい」

292 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:32:31.88 9IXauFxMo 253/549


アックア「ローマ正教がイギリス清教の禁書目録のために原典を貸すとは……」

アニェーゼ「あり得るんですかね?」

フィアンマ「その辺は色々な思惑が交錯しているんだろうさ。俺様は興味ないが」

アニェーゼ「原典を暗記とか……気が狂っちゃわねぇですか?」

フィアンマ「さあな」

フィアンマ「実際狂ってはいないらしいから、何らかの対策を講じているのだろうよ」

アニェーゼ「……正気の沙汰じゃねぇですね……」

フィアンマ「んで、記憶させる時以外は精神安定のためにこの少年と過ごさせているんだと」

アニェーゼ「はぁ……普通にシスターしてるだけじゃ知ることはできねぇ話ですね」

アックア「であるな」

「漠然、それは本当のことか?」

293 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:33:16.08 9IXauFxMo 254/549


フィアンマ「……む、せっかく集中していると思って話しかけなかったのに、そっちからくるとはな」

アニェーゼ「いや、ここまでべらべら話してたら集中なんかできねぇですよ」

フィアンマ「ふむ、それもそうか」

アウレオルス「……ここでも彼女が原典を記憶させられているというのは本当なのか?」

フィアンマ「そんなにがっつくな」

フィアンマ「事実だろうと嘘だろうとお前にできることは何もないのだからな」

アウレオルス「……」

フィアンマ「まあ、答えはイエスなんだけどな」

フィアンマ「俺様が言うのだからまず間違いないぞ」ククッ

294 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:34:20.48 9IXauFxMo 255/549


アウレオルス「当然、彼女の重い枷を取り払うことは出来ないのか!?」

フィアンマ「……重い枷って何のことだ」

フィアンマ「唐突に変なこと言われても困るんだが」

アウレオルス「原典を頭に保管しなくてはならない、それは彼女の仕事だから仕方が無いだろう」

アウレオルス「だが、一年周期で記憶を消さなくてはならないなんていうのはあまりに酷だ」

フィアンマ「一年周期で記憶を消さなくてはならない?」

フィアンマ「そんなことは知らないぞ、なあ?」

アニェーゼ「ええ、元々細かいことはあまり知らなかったですし」

アックア「私も同じだ」

295 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:35:20.63 9IXauFxMo 256/549


アウレオルス「漠然、そういえばお前たちは何者なのだ?」

フィアンマ「ああ、そういえば言ってなかったな」

フィアンマ「俺様はフィアンマ。視察に来ただけだ」ピラ

アニェーゼ(あ、例の紙ですね)

アックア「フィアンマのそば付きのアックアである」

アニェーゼ「案内役のアニェーゼっつーもんです」

フィアンマ「できればそっちも紹介してもらえると助かる」

アウレオルス「自然、それは申し訳ない。私はアウレオルス=イザード」

フィアンマ「若くてもしっかりしてるのだな」

アニェーゼ(ガキとか言ってたのはどこのどいつでしたっけね)

296 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:36:36.07 9IXauFxMo 257/549


フィアンマ「話を戻して、禁書目録の枷の話は聞いたことのないものだったが、イギリス清教が付けたものなら排除するのは無理だろうな」

アニェーゼ「え、そうなんですか。フィアンマさんは魔術堪能でしょう?」

フィアンマ「そうだが、そういう問題ではないのさ」

アウレオルス「憤然、ならばどういう問題だ」

フィアンマ「……一応上の人間として言っておくが、禁書目録のことに関してはイギリス清教とのことだから、命令された以上のことはするなよ?」

フィアンマ「仮に枷を取ってやることができたとしても、取ってはならないんだ」

アックア「……イギリス清教とローマ正教の仲がさらに悪くなるのである」

アックア「戦争の引き金にもなりかねないということか……」

フィアンマ「大袈裟に言うとそんな感じだな……いや、大袈裟でもないか」

297 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:37:26.34 9IXauFxMo 258/549


フィアンマ「とにかく、勝手なことをしたらローマ正教もイギリス清教も敵に回すことになる」

フィアンマ「だから悪いことは言わない、やめておけ」

アニェーゼ「そ、それにしてもこの本の山はすごいですね。何の為に?」

アウレオルス「当然、彼女の枷を取り払う方法を模索するためだ」

フィアンマ「熱心なものだな」

フィアンマ「だが……」ペラペラ

フィアンマ「内容が十字教由来に偏りすぎている」

アックア「何をするつもりだ?」

フィアンマ「アドバイスだ。言っても諦めそうではないからな」

298 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/13 02:38:12.00 9IXauFxMo 259/549


アックア「は!?」

フィアンマ「いいじゃないか、覚悟ある若者には良質な知識を与えるべきだろ?」ピース

アックア「良質な知識とか自分で言って恥ずかしくないのか」

フィアンマ「そんなものは無縁だな」

アックア「だろうな」

アウレオルス「騒然、何のつもりだ」

フィアンマ「救いたいというのは悪いことではないと思うぞ」

フィアンマ「だからもし、離反してまでそうしたいという覚悟があるならアドバイスをやる」

アウレオルス「アドバイス……」

302 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/14 22:50:47.07 hErCa7POo 260/549


ギイイイイイッ

「遊びにきたよー」トテトテ

アウレオルス「な、インデックス!?」

フィアンマ「へえ、あれが有名な……」

アニェーゼ「可愛らしい女の子なんですね……」

アックア「呆然……こんなに小さな少女だとは」

インデックス「あれ、この人たちは?」

フィアンマ「ごほん、俺様はローマ正教のフィアンマだ」

アニェーゼ「同じくアニェーゼです」

アックア「フィアンマの付き人のアックアである」

303 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/14 22:51:16.51 hErCa7POo 261/549


インデックス「へぇ、ローマ正教の人なんだね!」

インデックス「私はインデックス、正しくはIndex-Librorum-Prohibitorumっていうんだよ!」

インデックス「よろしくね」

フィアンマ「ああ、よろしくな。インデックス」フッ

トテトテトテ

インデックス「ねえ、アウレオルス、なんで今日はこんなに人がいるの?」コソッ

インデックス「もしかして、私と遊んでくれるのかな」ヒソヒソ

アウレオルス「蓋然、多分言ったらそうしてくれるのではないか?」

インデックス「そっか。じゃあ、遊んでもらおうかな」

アウレオルス「そうするといい」

304 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/14 22:52:13.60 hErCa7POo 262/549


トテトテ

インデックス「ということで、よろしくね」

フィアンマ「え、ちょ、俺様たちは視察の途中だぞ!!」

アニェーゼ「いいじゃないですか、こんな可愛い子と遊べる機会なんてそうそうないですよ?」

アックア「ロリコンであるな」

フィアンマ「黙れ」ギロ

フィアンマ「ともかく、遊んでやればいいのだろう?」ヤレヤレ

インデックス「え、ううん、邪魔になっちゃうんなら大丈夫だよ」シュン

フィアンマ「っ……そ、そんな顔するなよ……」アワワ

アニェーゼ「……」ジー

フィアンマ「アニェーゼもそんな目で見るな!」

305 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/14 22:52:48.16 hErCa7POo 263/549


フィアンマ「分かった、じゃあ俺様たちと視察しないか?」

インデックス「視察? ローマ正教の?」

フィアンマ「ああ、そうだ」

フィアンマ「それならお前もいいだろう?」

アウレオルス「当然、彼女がついて行きたいと言うのならそれがいい」

アウレオルス「どうする、インデックス?」

インデックス「行ってみたいんだよ!」

インデックス「というか、アウレオルスも行こうよー」

アウレオルス「毅然、私は仕事があるから遠慮させてもらう」

インデックス「そっか。じゃあお仕事頑張ってね」

アウレオルス「ああ、そちらもローマ正教巡りを楽しむといい」

フィアンマ「視察な」

307 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/15 01:43:24.43 ZEVj6zJao 264/549


アウレオルス「では、インデックスを頼む」

フィアンマ「当然、請け負ったぞ」

アニェーゼ「話し方を真似てるみたいですけど、声はもう少し低い方がいいかと……」

フィアンマ「そこは突っ込まないでくれ。恥ずかしいだろ」

アニェーゼ「す、すみません」

インデックス「それじゃあ行ってきまーす!」トテトテ

アウレオルス「……」

アニェーゼ「お邪魔しました」ペコ

アックア「お邪魔したのである」ギイイィィ

308 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/15 01:44:25.92 ZEVj6zJao 265/549


フィアンマ「……」ジー

アウレオルス「行かないのか」

フィアンマ「……夜までは預かってやるから、さっさと枷を壊す方法を見つけてやるんだな」

アウレオルス「さっきと言っていることが違うような気がするが」

フィアンマ「……あれは上の人間としての言葉。今のはインデックスの行く末に興味のある俺様の言葉だ」

フィアンマ(まあ、あの女に作られた枷を破壊できるとは思わないがな)

アウレオルス「はあ、随分無責任な言葉だな」

フィアンマ「ま、実際俺様はローマ正教とイギリス清教がぶつかり合っても構わないというか、そうなる計画だからな」

フィアンマ「まだ時期尚早だが」

アウレオルス「判然、野望か」

フィアンマ「いいや、希望だ」

309 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/15 01:45:14.49 ZEVj6zJao 266/549


アウレオルス「……何を考えているのやら」

フィアンマ「ふん、そんなことを考えている暇があるのなら、方法を探すんだな」カツッ

フィアンマ「どうせ考えたところで分かるようなことでもない」

アウレオルス「頑然、興味など無い」

フィアンマ「そうか、じゃあ俺様も行くとしよう」ギイイィィ

310 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/15 01:46:14.48 ZEVj6zJao 267/549


インデックス「ああー!! やっと来た」

インデックス「遅すぎるかも!!」

アニェーゼ「インデックスちゃんの言う通りですね」ウンウン

アックア「私もそう思う」

フィアンマ「なぜみなそんな態度取るんだよ!! 寂しくなるだろ!」

インデックス「ご、ごめんね。少しふざけちゃっただけなんだよ」

フィアンマ「いや、実際そんなに寂しくなかったから、謝る必要なんてない」

インデックス「そっか! それなら良かったんだよ」ニコ

フィアンマ「う……そうか」フン

311 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/15 01:46:41.56 ZEVj6zJao 268/549


アックア「純粋な笑顔に弱いのであるな」ボソッ

フィアンマ「……何をメモしてるんだ?」チラ

アックア「お前には関係ないのである!」

フィアンマ「部下の分際で俺様に隠し事とはな」

アニェーゼ「別に大したことじゃねぇですよ」

フィアンマ「ん、そうか」

インデックス「ねえー、視察って次はどこに行くつもりなの?」

フィアンマ「それはだな……」ニヤ

アックア「風の吹くまま、気の向くままだ」

インデックス「へぇ、じゃあ決まってないってことだね」

フィアンマ「……そういうことだ」

314 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:04:47.32 F7fIje6To 269/549


インデックス「ところで、お腹が減ったんだよ」

インデックス「食べ物をくれると嬉しいな」

フィアンマ「……は?」

アックア「まだ昼ご飯を食べてないということであるか?」

インデックス「ううん、食べたよ」

アニェーゼ「……でもまだ昼時では?」

インデックス「一時間くらい前に食べたけど、お腹が減っちゃったんだよ」

フィアンマ「えっと……誰か食べ物持ってるか?」

二人「いや」

フィアンマ「……俺様もだ」

315 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:05:54.56 F7fIje6To 270/549


………食堂………

インデックス「うまうまなんだよ!!」ガツガツ

フィアンマ「おいおい、か弱い系シスターの正体は暴食少女ってどういう冗談だよ」

アニェーゼ「あわわ、見たこともない食べっぷりなんですけど……」

アニェーゼ「アンジェレネも裸足で逃げ出すレベルじゃねぇですか」

アックア「アニェーゼ、アンジェレネの場合たくさん食べられるのは甘いものだけである」

アニェーゼ「え、なんでアックアさんがそれを知ってんですか」

アックア「本人から聞いただけだ」

アニェーゼ「あ、そうなんですか」

アニェーゼ(……意外に合う組み合わせかもしれねぇですね。父親と娘、みたいな?)

316 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:07:14.89 F7fIje6To 271/549


フィアンマ「あー、本当はオルソラの作ったとびきり美味いご飯を食べさせてやりたかったんだがな」

インデックス「そのオルソラって人の料理はそんなにおいしいの?」

フィアンマ「ああ、割と少食の俺様でもお代わりしてしまうくらいだからな」

インデックス「へぇ……食べてみたいんだよ」

フィアンマ「夕飯の時にでもいたら頼んでみるといい。いい奴だからお前のも作ってくれるだろうよ」

インデックス「うおー、スペシャルコックさんだね。夜ご飯が楽しみなんだよ」

フィアンマ「ああ、楽しみにしてるといい」

アックア「……彼女の本職はシスターであるぞ」

317 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:08:10.63 F7fIje6To 272/549


フィアンマ「それにしても……見てるだけでお腹がいっぱいになる食いっぷりだな」ウップ

アニェーゼ「はうう、おやつ食べられなくなりそう……」

インデックス「え? アニェーゼがおやつ食べないなら私がもらってあげるんだよ」

アニェーゼ「い、いや、自分で食べますよ! 気遣い無用です」

フィアンマ「いや、今のは気遣いじゃないと思うぞ。多分狙ってただけだ」

フィアンマ「その証拠に……」ユビサシ

インデックス「ちっ、大人しく渡せばよかったんだよ」

アニェーゼ「怖っ!」

アックア「アウレオルスはどんな教育を施してるんだ……」

318 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:15:56.21 F7fIje6To 273/549


インデックス「あ、アウレオルスの授業はすごく面白いんだからバカにしたら許さないんだよ」ガツガツ

アックア「アウレオルスの教育のせいではないということか」

インデックス「むー、そこはかとなくバカにされてる気がするかも」

フィアンマ「安心しろ、気がするじゃなくてバカにされてるんだぞ」

インデックス「そ、そうなの!? それはもっと許せないんだよ!!」ガルルル

アニェーゼ「なに余計なこと言っちまってんですか!」

フィアンマ「大丈夫大丈夫。俺様でもこのくらいのガキを押さえ込むことくらいはできる」ドヤァ

インデックス「むぅ、完全に舐められてるんだよ。これはその辺のガキとの格の違いを見せないとダメだね」ギラリ

アックア「……さらばである」ナムー

ガブッ

フィアンマ「ああああああ!!!」

319 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:16:32.89 F7fIje6To 274/549


インデックス「さてと、ご飯が冷めちゃうんだよ」バクバク

フィアンマ「あああ、腕の肉が……」クッキリ

アニェーゼ「うわぁ、くっきり痕付いてんじゃねぇですか」ヒキ

フィアンマ「か、回復魔術だ……」パアァ

フィアンマ「え!? 効かない?」

インデックス「噛み方は工夫したからね」ドヤーン

フィアンマ「いだだだだ……」サスサス

アックア「頭じゃなくて良かったと考えればいいんじゃないか?」

フィアンマ「不幸中の幸いか。頭蓋骨もぶち抜く強靭な歯の持ち主だからな」

アニェーゼ「えっと……お疲れ様です」

フィアンマ「はぁ……」

320 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:17:28.15 F7fIje6To 275/549


フィアンマ「噛みグセとか、アウレオルスの教育はなってないな」

インデックス「アウレオルスは悪くないよ」

インデックス「この技は私が自分の身を守るために考案したものなんだよ」

アニェーゼ「考案もクソもねぇんじゃ……すごい原始的ですよ?」

インデックス「そこは突っ込んではならないんだよ」

フィアンマ「それにしても、こんな凶悪なクセを直してやらないって奴はどういう思考をしてるんだ?」

アックア「ドMだったに違いない」

インデックス「アウレオルスに噛み付いたことはないんだよ」

フィアンマ「……俺様はそんなに悪いことしたか?」

321 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:18:11.62 F7fIje6To 276/549


インデックス「フィアンマの肉はあまり美味しくなかったんだよ」

フィアンマ「人肉を食したのか!? 流石に肉までは削れてないはずだが」チラッ

インデックス「少し削れたよ」

フィアンマ「……今度やったら口封印な」

インデックス「はっ!? こんないたいけな少女にそんなことができちゃうの!?」

フィアンマ「できちゃうできちゃう。俺様は割と冷酷だからな」

フィアンマ「心遣いを期待するのは間違いだ」

インデックス「うわぁ、素直に怖いんだよ」

フィアンマ「安心しろ、俺様もお前が怖いからな」

322 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/16 22:18:54.33 F7fIje6To 277/549


フィアンマ「っと、少し手洗い行ってくる」

アックア「食事中にそういうことを言うのはマナー違反である」

フィアンマ「俺様は食事してない!」

アックア「人の食事中にそういう言葉を発するのはマナー違反である」

フィアンマ「オブラートに包んでもダメってどういうことだよ……」

フィアンマ「とりあえず行ってくるからな」

アニェーゼ「場所大丈夫ですか?」

フィアンマ「多分な、さっき見たはずだ」

フィアンマ「もし万が一分からなかったら聞くつもりだ」

インデックス「分かったんだよ、行ってらっしゃい」

フィアンマ「ああ、帰ってくるまでに食べ終わっておけよ」

インデックス「努力はするね」

325 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:33:53.22 wZOzY93wo 278/549


フィアンマ「……さてと、どうにか監視の目から逃れてきたわけだが」

フィアンマ「どうしようかね」

フィアンマ「……とりあえずトイレ行っておくか」カツカツ

「聞いていたより根は真面目な様子……」

フィアンマ「ん? 俺様のことを知ってるのか」クルッ

フィアンマ「誰だ?」

???「申し遅れました、リドヴィア=ロレンツェッティと申します」

フィアンマ「……ああ、聞き覚えがあるな」

フィアンマ「布教命のマゾ女、だったかな?」

リドヴィア「ええ、布教することはされた相手を救うことと同義ですので。マゾ女というところは心当たりありませんが」

326 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:34:42.05 wZOzY93wo 279/549


フィアンマ「……」

フィアンマ「あ、悪いな。つい黙ってしまった」

リドヴィア「いえ、私達人間より天使に近いという貴方に謝る必要などないですので」

フィアンマ「……そう言われると逆に困るな」

リドヴィア「……?」

フィアンマ「まあいいや、何の用だ?」

フィアンマ「用もないのに俺様に話しかけてくるはず無いだろうしな」

リドヴィア「そんなことはないです」

リドヴィア「布教が最重要項目とは言えど、神の右席のメンバーなどそうそう見ることもできない存在ですので。興味で話しかけるかもしれません」

フィアンマ「オーケーオーケー。気持ちは良くわかったから本題入ろうじゃないか」

327 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:35:29.18 wZOzY93wo 280/549


リドヴィア「分かりました、忙しいところを呼び止めてしまったわけですので」

フィアンマ「別に忙しくはないけどな」

リドヴィア「昨日今日とローマ正教内の視察をしていると聞いたんですが……」

フィアンマ「そうだが、実際は気になるところにお邪魔しているだけだからな」

リドヴィア「でしょうね。シスターの皆が赤い人とゴルフウェアの男とシスター・アニェーゼが共に行動しているところを目撃したと噂してましたので」

フィアンマ「赤い人って……」

リドヴィア「イケメンだとか言ってましたね。意味は理解しかねますが」

フィアンマ「よし、赤い人と言ったことを許そう」ウン

328 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:36:22.10 wZOzY93wo 281/549


リドヴィア「その際に優秀な部下を手に入れたとか……」

フィアンマ「あー、オリアナのことか」

フィアンマ「誰が優秀な部下だなんて噂を流したんだ……いや、確かに口さえ開かなければ優秀だが」

フィアンマ「……で? それがどうしたんだ?」

リドヴィア「少し私の計画に力を貸していただけないかと思いまして」

フィアンマ「計画だと?」

リドヴィア「ええ、最近はどこの部署も人材不足ですので。なかなか人を出してくれないんです」

フィアンマ「……別にオリアナを遣わせるのはいいんだが、計画の内容が分からないと……」

フィアンマ「それにオリアナが了承するかも分からないしな」

329 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:37:34.64 wZOzY93wo 282/549


リドヴィア「ええ、計画はきちんと伝えるつもりですので」

フィアンマ「じゃあオリアナ呼んでおくか」

リドヴィア「よろしくお願いします」

フィアンマ「……」ピポパポ

プルルルル ガチャ

オリアナ『もしもし……』フアァ

フィアンマ「もしもし、俺様だ」

オリアナ『ああ、お兄さんね。何の用かしらん』

フィアンマ「えっとだな……」

オリアナ『もしかして欲を発散したくなっちゃったの?』

オリアナ『それなら部屋に戻ってきたらいいことしてあげるけど』

フィアンマ「……切るぞ」

330 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:38:22.55 wZOzY93wo 283/549


オリアナ『ちょっと待ってよ、お兄さん。そういうところも好きだけど、何か用件があっての電話でしょう?』

フィアンマ「分かってるなら無駄な話挟むな」

オリアナ『うふふ、ごめんね。ついクセで』

フィアンマ「嫌なクセがあるものだな」

オリアナ『お褒めに預かり光栄です』

フィアンマ「……十分くらいで出てこれるか?」

フィアンマ「少し会わせたい奴がいてな」

オリアナ『別に暇人だから構わないけど、開かないのよん、ここ』

フィアンマ「それは……今解除した」

331 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:39:15.53 wZOzY93wo 284/549


オリアナ『あ、本当に解除されてる……地味にショックねぇ』

フィアンマ「ん? どうしてだ、外に出れるんだぞ?」

オリアナ『私が何時間も試行錯誤して開けようとしたのに開かなかったドアがこうも簡単に開いてしまうと、努力が水の泡に……ってね』

フィアンマ「なるほどな。それは実力の差だから埋めるしかないんじゃないか」

オリアナ『そうね。でもローマ正教大好き人間に敵うほど魔術できるようになるのかな』

フィアンマ「けっ、本物を見てからそういうことは言った方がいい」

オリアナ『本物?』

フィアンマ「今俺様の目の前にいるのはローマ正教大好き人間というよりは布教こそが全て人間だが似たようなものだろ?」

332 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:40:12.65 wZOzY93wo 285/549


オリアナ『ふーん、その人に私を会わせたいってことね』

フィアンマ「そういうことだな」

オリアナ『分かったわん。お兄さんがどこにいるのか教えてちょうだい?』

フィアンマ「……言ってわかるのか?」

オリアナ『突撃かける前にその敷地内の地図を調べて逃げ道をいくつか用意しておくのはこっちでは常識なのよ』

オリアナ『だからすぐに行けるわ』

フィアンマ「……情報漏洩とはな。セキュリティゆるゆるじゃないか」

オリアナ『仕方ないことよ。だって凄い人数が出入りするんだもの』

オリアナ『むしろ部屋の配置図が漏れる程度で済んでいることに私は驚いたものよん』

333 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/17 22:40:43.14 wZOzY93wo 286/549


フィアンマ「……一応結界の修繕などを担当している部署に伝えおくべき事項だな」

フィアンマ「とりあえず……食堂に一番近いトイレまで来い」

フィアンマ「分かるって言ったんだから細かい説明は省かせてもらうぞ」

オリアナ『ふむふむ、うん、場所は大丈夫かしらね……今すぐ行けばいいんでしょう?』

フィアンマ「まあ、早ければ早いほどいい」

オリアナ『了解! じゃあ今から行くからちゃんと身体を清めて待っててねん』

ピッ

フィアンマ「一応注意しておくが、卑猥人間だから覚悟しておくんだな」

リドヴィア「え、それはもう少し早く言っていただきたかったのですが」

フィアンマ「それは、済まない」

337 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:09:23.57 vnmqHiF5o 287/549


………………………

オリアナ「ふう、少し時間かかっちゃったかしら?」

フィアンマ「いや、問題ない」

オリアナ「デリバリーへるもごっ」バッ

フィアンマ「少し黙っていろ」

オリアナ(そういうプレイがお好みなのかしら?)

フィアンマ(通信の魔術もやめろ)ハァ

オリアナ「もう、かたいわね」

リドヴィア「……随分べったりくっついてますが、そういう関係なんですか?」

フィアンマ「誤解しないでほしい。本当にただの部下だ」

338 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:10:15.67 vnmqHiF5o 288/549


オリアナ「とりあえず自己紹介しておくわね」

オリアナ「お姉さんはオリアナ=トムソン、よろしくね」

リドヴィア「私はリドヴィア=ロレンツェッティです。リドヴィアとでも呼んでくれれば」

オリアナ「で? お兄さんはお姉さんとお嬢ちゃんを引き合わせて何がしたいのかしらん?」

フィアンマ「一応先に言っておくが、お前が想像しているような事ではないことだけは確かだ」

オリアナ「お兄さん、私を変態要員にするのはやめてね? これでも今は仕事モードなんだから」

フィアンマ「お前……ここに来た時の言動をもう忘れたか」

オリアナ「あー、あれはミス。忘れてちょうだい」

フィアンマ「いや、それはできないな」

339 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:10:53.37 vnmqHiF5o 289/549


リドヴィア「えっと、そろそろ話しても良いですか?」

オリアナ「ええ、もちろん」

オリアナ「何の話か知らないけど」

フィアンマ「リドヴィアのある計画に人手が必要らしくてお前が呼ばれたってわけだ」

オリアナ「へぇ、随分信用があるのね」

リドヴィア「バックが凄い人ですし、手綱はちゃんと握ってくれている思ってますよ」

フィアンマ「そんな期待をされても困る」

フィアンマ「とにかく、後の話は二人でしてくれ」

フィアンマ「俺様は忙しいからな」

オリアナ「うーん、それもそうね。せっかく外に出してもらえたんだし、お兄さんにずっと監視されてるのは勘弁かな」

340 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:11:36.22 vnmqHiF5o 290/549


フィアンマ「やっぱり俺様も聞いてるか?」

オリアナ「いやいや、お兄さんは視察を続けた方がいいと思うわよ」

オリアナ「みんな持たせてるんだろうし」

フィアンマ「ああ!!! そうだった!!」

フィアンマ「ずっと監視とか言ってる場合じゃなかったな」

オリアナ「うんうん、そうでしょう?」

リドヴィア「あの、では協力の方は……?」

フィアンマ「受けるか受けないかはオリアナが決めていい。俺様は面倒だし関わらない」

オリアナ「了解よん」

341 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:12:03.22 vnmqHiF5o 291/549


リドヴィア「いいんですか? 計画を聞かなくても」

フィアンマ「ああ。聞きたくなったらオリアナに聞くから心配するな」

フィアンマ「俺様は部下の自由意思は尊重するからな」

フィアンマ「だが、もし問題があったら全然言ってくれて構わないからな」

リドヴィア「分かりました」

フィアンマ「んじゃあ、俺様は待たせてる奴らがいるから行かせてもらうぞ」

オリアナ「ええ、何があったかお姉さんにも教えてね?」

フィアンマ「ああ、話せる限りのことは話してやるから、ちゃんということ聞いてやれよ」

オリアナ「はいはい」

リドヴィア(一体どんな関係なのでしょうか?)

342 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:13:05.41 vnmqHiF5o 292/549


フィアンマ「ただいまー」

インデックス「遅すぎなんだよ」ガツガツ

フィアンマ「えっと、もう1時間近く経ったよな?」

インデックス「うん、そうだけど……?」

フィアンマ「まさか……」

アニェーゼ「フィアンマさんがお手洗い行ってる間もずっと食べてましたよ」

フィアンマ「は、はぁ、それは胃を苦しめて快楽を得るという新種のマゾか?」

インデックス「まぞ? 私は食べ物を食べてる間は間違いなく幸せなんだよ」

フィアンマ「そうか……言ってもムダってやつかな」

フィアンマ「だが、見てるだけで胃がキリキリしてくるからそろそろやめにしないか」

343 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:13:53.51 vnmqHiF5o 293/549


インデックス「むー、でも久しぶりに大量のご飯食べられたしいいかな」

インデックス「みんなありがとなんだよ」ニコッ

フィアンマ「ははっ、感謝されるとはな」キリキリ

アニェーゼ「そんな表情で言っても……」

フィアンマ「胃が痛いのが治らないんだよ」

アックア「そういうときは腹パンが効果的であるそうだ」

フィアンマ「え?」

ブンッ

フィアンマ「うごっ」バタ

アニェーゼ「やりたかっただけじゃねぇですか」

344 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:14:44.86 vnmqHiF5o 294/549


フィアンマ「……」ピクピク

インデックス「フィアンマ? 大丈夫?」ユサユサ

インデックス「ねえ、アニェーゼ、フィアンマが起きないんだよ」

アニェーゼ「まあ、理不尽に殴られてたし仕方がねぇですよ」

アニェーゼ「でも起こさないと……」ユサユサ

アックア「夜になってしまうのである」

インデックス「いや、あなたのせいなんだよ?」

アックア「知らないな」

アニェーゼ「まさかの責任放棄!?」

345 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:15:29.66 vnmqHiF5o 295/549


フィアンマ「……」ムクッ

フィアンマ「アックア……」

アニェーゼ(めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか)

インデックス「あ、フィアンマが起きたー!!」ツンツン

インデックス「大丈夫? 心配したんだよ」

フィアンマ「それはありがとうな。アックアよ本気の腹パンは確かに効いたから大丈夫だ」

アックア「あの程度、本気でもなんでもないのである。まあ、撫でよりも少し力を込めた程度だと考えてもらえると分かり易いか」

アニェーゼ「え、体くの字に曲がってましたけど」

フィアンマ「いや、良く考えたら、防御も何もしてない俺様がアックアの本気の殴りを受けたらノーバウンドで……」

フィアンマ「死んでいたかもしれない」

346 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:16:23.06 vnmqHiF5o 296/549


アニェーゼ「ノーバウンドで、の続きを言うのが面倒になったからか結論だけ言いましたね」

インデックス「解説ありがとなんだよ」

フィアンマ「とにかく胃のキリキリは治ったから心配いらない」

フィアンマ「ただ、殴られたせいで吐き気がおさまらなくなったがな」ハハハ

アニェーゼ(笑い事じゃねぇですよ!!)

インデックス「とりあえずここでもどすのはやめて欲しいんだよ」

インデックス「吐きたいなら私がトイレまで背中さすってついて行ってあげるから」

フィアンマ「いや、吐かないけどな」

アックア「少女に背中をさすってもらえるなんてご褒美である」

フィアンマ「お前変態か?」

インデックス「変な想像しないで欲しいんだよ!」ガブウッ

347 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/20 08:17:22.14 vnmqHiF5o 297/549


インデックス「いたた……アックアは硬すぎて、歯が折れるかと思ったんだよ」

アックア「折れなくて良かったな。もし折れていたら、アウレオルスにブチ切れられるぞ」

アックア「フィアンマが」

フィアンマ「責任転嫁!?」

アニェーゼ「こういう時トップのせいにされちゃいますよね」

アニェーゼ「気持ちわかりますよ」

フィアンマ「やめて、そういう同情はいらないから……」

フィアンマ「だってこの場合は自己責任だろう?」

インデックス「アックアが変なこと言わなければ良かったんだよ」プンスカ

351 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:28:40.38 UhZZDLBmo 298/549


フィアンマ「……そろそろ満腹になったか?」

インデックス「仕方無いね。ずっとここに居座っていても、つまらないしね」

フィアンマ(やっと気づいてくれたか、俺様嬉しい)

アックア「ということは、ようやく移動であるな」

アニェーゼ「しばらく食べ物は見たくないですね」ハハハ

フィアンマ「悪いがその願いは叶わない」

フィアンマ「アニェーゼ、アックア、インデックス空腹対策にカロリーメイトを持っておけ」

アニェーゼ「なるほど、了解です」ゴソゴソッ

インデックス「私をなんだと思ってるのかな?」

フィアンマ「大食いシスター」ザンッ

ガブッ

352 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:29:49.43 UhZZDLBmo 299/549


インデックス「はえ?」キョロキョロ

インデックス「外した?」

フィアンマ「俺様が何度も大人しくかじられてやると思ったら大間違いだ」スタッ

フィアンマ「何されるか分かっていたら、避けるくらいわけないに決まってるだろう?」クツクツ

インデックス「なっ、あんなところに!? 一体何の魔術を使ったの?」

アックア(……禁書目録の前で第三の腕を使うのはまずいだろう……)

アックア(気付いてないからよかったものの……)ハァ

アニェーゼ「瞬間移動!? もしやフィアンマさんも聖人だったっていうオチですか?」

インデックス「いや、間違いなく魔術使ってたんだよ。分からないんだけど」

353 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:30:20.21 UhZZDLBmo 300/549


フィアンマ「まあまあ、分かりもしないことを延々と考え続けても時間の無駄だ」

フィアンマ「その知識はもっと役立つように使うべきだろ」

インデックス「役立つように?」

フィアンマ「そうそう」ニヤ-

アニェーゼ「次は風の吹くまま気の向くまま、なんですか?」

フィアンマ「いや、インデックスの知識を試してやろうと思う」

インデックス「試す? ふふっ、受けて立つよ」ニッ

フィアンマ「じゃあアニェーゼ、案内人として頑張れよ?」

フィアンマ「霊装の保管場所だ」

354 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:30:48.05 UhZZDLBmo 301/549


………霊装保管室………

アックア「この場所は私も知らなかったのである」

フィアンマ「まあ、アニェーゼが知ってる保管場所ってことは戦闘用の霊装が保管されている場所だろうからな」

フィアンマ「アックアは使う機会がまずない」

アックア「なるほど」

アニェーゼ「……戦闘用以外の霊装は別に保管されているっつーことですか?」

フィアンマ「そういうことだ。それらは一つ一つの効果が強すぎるから簡単に入れるような所にはおいてないのさ」

フィアンマ「俺様はどこにあるか知ってるけども」

インデックス「細かいことはどうでもいいから入ろうよー」

インデックス「私を試すんでしょ?」

フィアンマ「その目的半分、俺様の知識チェック、更新半分だな」

アニェーゼ「じゃあ、開けますよ」ガチャ

355 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:31:29.51 UhZZDLBmo 302/549


アックア「ただの鍵……ではないのであるな」

アニェーゼ「ええ、中の霊装を盗まれたら困るので、扉を開けることの出来る人は限られてんです」

アニェーゼ「鍵をさして、魔力を流してやると扉が判断して開けてくれると」

フィアンマ「ほう、アニェーゼを呼んでおいて正解だったな」フムフム

フィアンマ「まあ、いなかったらアックアに破壊させればよかったんだが」

アックア「そんなことはしない」

フィアンマ「しないなら俺様が破壊しても、インデックスに解析させて俺様が解除しても良かったんだがな」

アニェーゼ「私の存在意義は!?」

フィアンマ「……」ス-ッ

アニェーゼ「目を逸らした!?」

356 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:32:04.85 UhZZDLBmo 303/549


インデックス「安全に開けるのが一番なんだよ、そんなに気に病むことはないんだよ」

アニェーゼ「ううう、フォローが身にしみます」

ギイイイィ

フィアンマ「建て付け悪いな」カツカツ

アックア「重厚な感じを出すためのものではないのか」スタスタ

フィアンマ「だとしたらどうでもいいところに必死になってるわけだな」カツカツ

フィアンマ「っと、アニェーゼ、インデックス、置いていくぞ」

インデックス「ああっ! 待って欲しいんだよ!!」トテトテ

アニェーゼ(最悪扉が閉まってもまた開けられるんですけどね)スタスタ

357 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:32:35.71 UhZZDLBmo 304/549


フィアンマ「ふむ、思ったより数が多いんだな」

アニェーゼ「アニェーゼ部隊だけでもかなり人数いるんで」

フィアンマ「それもそうだな。全世界20億の中心部だから何がいくつあっても不思議ではないか」

インデックス「だけど、結構珍しい霊装もたくさんあるんだよ」トテトテ

インデックス「少し触ってみてもいいかな?」

フィアンマ「ああ、魔力を練れないお前なら触れても問題ないだろう」

インデックス「へぇ、よく知ってるね」

フィアンマ「俺様は博識だからな。当然のことを言われても困るぞ」フフフン

アックア(すごいご満悦そうであるな……)

358 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/21 19:33:10.17 UhZZDLBmo 305/549


フィアンマ「どうした?」

アニェーゼ「魔術勝負じゃないんですか?」

フィアンマ「さっき言っただろう? インデックスは誰かさんのせいで魔力を練れないんだ」

フィアンマ「そんな奴に魔術勝負を挑むのは酷だろう。それこそ赤子の手をひねるどころじゃないぞ」

アニェーゼ「……確かに。では知識勝負ってことでいいんですね?」

フィアンマ「ああ、自信はある」

アニェーゼ「……それでは……」スッ ガチャ

アニェーゼ「これ、霊装としての効果は……というものですが」

アニェーゼ「この霊装はどんな伝承、伝説を元にしたものでしょうか?」

361 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 19:58:14.03 2EWfGruvo 306/549


…………………………

インデックス「圧勝だね!」ニコニコ

フィアンマ「か、完敗だ……」ズーン

アックア「であろうな」

アニェーゼ「まあ、そうでしょうね」

フィアンマ「……た、たまには敗北も経験すべきなのだろうさ」

アニェーゼ(目が血走ってる……とてつもなく悔しがってんじゃねぇですか)

アックア(それでもブチ切れるのを我慢しているあたりは評価するべきであるな)パチパチ

フィアンマ「なぜ手を叩いている……」

アックア「ただの拍手である」パチパチ

362 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 19:58:55.03 2EWfGruvo 307/549


フィアンマ「くそっ、とりあえず問題のおかげで俺様の知識の更新も行えた」

フィアンマ「それで良しとしようじゃないか、俺様よ」ウンウン

フィアンマ「ということで、そろそろ出るぞ」

アニェーゼ「え、もう出るんですか?」

フィアンマ「もうって、あんなに問題を出すからもうじき日が落ちる時間だぞ?」

アックア「ということは」

フィアンマ「ああ、例の小麦畑に行かなくてはならない」

アニェーゼ「そうですね、確かにそろそろ活動時間に入りますね」

363 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 19:59:21.22 2EWfGruvo 308/549


インデックス「例の小麦畑って何?」

フィアンマ「夜な夜な小麦をせっせと育てる怪しい人影がいるらしいぞ」

フィアンマ「もしかしたら、幽霊とかがいるかもしれないな」ニヤニヤ

インデックス「そ、そんなものはこんな十字架だらけのところに現れたりしないもん!」

インデックス「負けたからって意趣返しに脅すのは卑怯なんだよ」

フィアンマ「卑怯で結構。俺様は大人げない人間なのさ」クツクツ

フィアンマ「さて、怖がっているインデックス嬢、俺様と不気味な小麦畑へ繰り出そうじゃないか」ニヤァ

アニェーゼ「大丈夫なんですか?」

アックア「ああいう手合いは放置が最良と聞く」

インデックス「放置放置……」ブツブツ

364 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 19:59:47.93 2EWfGruvo 309/549


フィアンマ「……無視か」

インデックス「だって怖いんだもん! 私は行きたいないんだよ」

フィアンマ「そうだな……もし幽霊とやらが出たとしても俺様がばっさばっさなぎ倒してやるから怖がらなくてもいいんだぞ?」

インデックス「いや、フィアンマはお化けに倒されちゃうよ?」

フィアンマ「かなり舐められてるな……」

フィアンマ「ま、もし本当に万が一のことがあったら禁書目録を使ってでも逃がしてやるから安心しろ」ポンポン

インデックス「あうう……」

フィアンマ「ただしアックアは道連れだが」

アックア「だろうな」

365 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:00:28.65 2EWfGruvo 310/549


インデックス「そっか、そこまで言うなら行ってあげてもいいんだよ」

インデックス「で、私も戦うの手伝うんだよ」

フィアンマ「それじゃあ意味ないが……ありがとうな」

インデックス「うん!」

フィアンマ「幽霊はアックアに任せて、俺様がお前らを守って逃げるのも悪くないな」

インデックス「おおー、それはナイスアイデアだね!」ウンウン

アックア「おい」

アニェーゼ(あ、これ絶対フィアンマさんも怖いだけのやつだ)

366 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:00:54.40 2EWfGruvo 311/549


フィアンマ「よし、役割分担もできたことだし、突撃と行こうか」

インデックス「ほ、本当に行くんだね?」

フィアンマ「ああ、腹くくるんだな。俺様も全く怖くないわけじゃないんだから」

インデックス「そ、そうだね。頑張るよ」

アックア(……戦闘になることはありえないのであるが……)

アニェーゼ「そんな難しい顔してどうしたんです?」

アックア「……いや」

アニェーゼ「あ、もしやアックアさんも怖いとか?」

アックア「いや、私は正体を知っているから、フィアンマたちの気分を削がないために黙っていようと思っただけだ」

367 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:01:26.31 2EWfGruvo 312/549


アニェーゼ「ほうー、その正体って何なんですか?」

アックア「アニェーゼにも言わないのである。万が一口をすべらせたら子どもたちの夢を壊してしまう」

アニェーゼ「夢とか言ってますけど、あの二人が驚いたり、怖がったりするのを楽しみたいだけですよね」

アックア「ふっ、言うようになったものだ」

アックア「確かにそれもあるにはあるが」

アニェーゼ「あるんですか」

アックア「当たり前である」

アックア「あの憎らしいフィアンマが飛び跳ねて驚くとは思えないが、もしそうなったら非常に面白いだろう?」

アニェーゼ「ひでぇ趣味してるんですね」

アックア「?」

368 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:01:57.02 2EWfGruvo 313/549


フィアンマ「ええと……出口はこっちだったか?」カツカツ

アニェーゼ「いえ、あっちです」ユビサシ

インデックス「博識なフィアンマは出口も分からないんだね」

フィアンマ「トゲのある台詞を吐くな。インデックスはもっと見ため通りの少z……」

フィアンマ「いや、なんでもないな」

インデックス「そこまで言っておいて続きを言わないと気になるんだよ!」

フィアンマ「けっ、勝手に気になっていればいいさ」

アックア「おーい、さっさとするのである。口動かしながら歩けないのか?」

フィアンマ「少しぐらい待ってくれても良くないか……」タタッ

インデックス「ああー、待ってよー」トテトテ

369 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:02:26.82 2EWfGruvo 314/549


ズテッ

インデックス「うごっ」

フィアンマ「……」

インデックス「……」ズキズキ

アニェーゼ「だ、大丈夫ですか?」タタッ

インデックス「……血、なんだよ」

フィアンマ「……これはアックアが急かしたせいだな」

アックア「いや、お前がインデックスのペースに合わせて走らなかったせいである」

アニェーゼ「責任の擦り付け合いはどーでもいいんで、さっさと手当しないと」

370 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/22 20:02:59.75 2EWfGruvo 315/549


二人「……悪かった(のである)」

アニェーゼ「痛いですか?」

インデックス「だ、大丈夫なんだよ」フルフル

アニェーゼ「……消毒してから回復魔術ですね」

フィアンマ「む? 消毒がいるのか?」

フィアンマ「ルチアの時はただ回復魔術をかけただけだったが」

アニェーゼ「緊急の時はそんな暇ないですけど、今回は余裕があるから後々のために消毒した方がいいんですよ」

アニェーゼ「膿んだりしたら困りますし」

フィアンマ「はぁ、さすがリーダーやってるだけあるな」

アックア「一方、実質リーダーはそういう点では無知というわけであるな」

フィアンマ「ふん、俺様は怪我しないからいいんだ」

373 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:34:36.86 HhtGHtc+o 316/549


………………………

アニェーゼ「消毒液が少ししみると思いますが、我慢してください」ツンツン

インデックス「づっ……」

フィアンマ「……痛そうだな」

フィアンマ「いや、かじられた俺様の方がよっぽど痛い思いしたんだろうけど、それを言うのは野暮ってもんだ」

アックア「ガッツリ言ってるのであるが……っと、それをいうのは野暮であるな」

アニェーゼ「……」ビチャー

インデックス「ちょ、アニェーゼ! 激痛なんだよ!!」ビクッ

アニェーゼ「あ、すみません。ばかばかし過ぎて気が抜けちまいました」

374 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:35:21.95 HhtGHtc+o 317/549


インデックス「あああ……本当にしみるんだよぉー」

アニェーゼ「すぐ治るんで待っててくださいねー」

フィアンマ「……」パアァ

アニェーゼ「フィアンマさん?」

フィアンマ「……手当てを手伝ったからこれでさっきのはチャラだ」

インデックス「あ、ありがとう!」

フィアンマ「……また転んだら面倒だから、自分のペースで歩くんだな」

インデックス「む、子供扱いされてる気がするんだよ!」

フィアンマ「実際子供だろ。アックアの奴は一人で勝手に行かせればいい」

フィアンマ「その為に案内はアニェーゼに任せてるんだしな」

アックア(な、仲間はずれは良くないのである)

375 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:35:52.84 HhtGHtc+o 318/549


フィアンマ「さて、じゃあ今度こそ行くか」

インデックス「フィアンマー、お腹がすいたんだよ」

フィアンマ「……これでもかじってろ」スッ

アニェーゼ「早速カロリーメイトが役立つとは!!」

アックア「着くまで持つのであるか?」

フィアンマ「三箱持ってるからまず大丈夫だろう」

インデックス「よっし、ガンガン食べるよー」

フィアンマ「自重しろ」

376 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:36:34.75 HhtGHtc+o 319/549




『夜のバチカン』



インデックス「……うう、だいぶ薄暗いんだよ」ガサガサ

フィアンマ「完全に日が落ちきってないあたりが気味悪さを増幅させているような気がするな」ガサガサ

アニェーゼ「もう少しなんであんまガタガタ言わねぇでください」

アニェーゼ「あっちに気付かれちゃここまでこっそり裏道使ってきた意味がなくなるんで」

フィアンマ「なるほど、それは悪かったな」

アックア「お前は動きやすくていいな」バキバキ

フィアンマ「あまり枝を折るなよ……」

フィアンマ「一応言っておくが別に俺様は身長小さいわけじゃないぞ?」

アックア「分かっている。私に比べての話である」

フィアンマ「……あっそ」

377 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:37:15.44 HhtGHtc+o 320/549


アニェーゼ「あ、そろそろ見えてきます」

インデックス「で、でそうな雰囲気が漂ってるね」

フィアンマ「お、おい、そんなことを言うな……」ガタガタ

フィアンマ「ああ、足が震えるだろう!」

インデックス「はい、シャーラップだよー。深呼吸して落ち着いてくださーい」ポンポン

フィアンマ「おい、俺様は子供ではないからな?」

インデックス「え、そうなの!?」

フィアンマ「……二度と口聞けなくするぞ」

アニェーゼ「しっ! 人影が現れました!」

378 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:37:58.11 HhtGHtc+o 321/549


フィアンマ「すぅはぁ……」ドキドキ

アニェーゼ「見てください」ユビサシ

インデックス「……本当だ、畑を耕してる」ヒョコッ

アックア「……」

インデックス「フィアンマも見てみなよ」クイッ

フィアンマ「こ、こころの準備が!」

インデックス「んもー、エリマキトカゲが逃げちゃうよ?」

フィアンマ「エリマキ……トカゲだと?」ヌッ

エリマキ-

379 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:38:32.05 HhtGHtc+o 322/549


フィアンマ「……なんだか見覚えのあるシルエット……」

アックア(……バレたか?)

フィアンマ「……いや、だが、俺様の知り合いにはこんな奇異なやつはいなかったはずだが……」

アックア「だろうな」

アニェーゼ「……なんか言ってますね」

インデックス「……本当だ」

「よいしょー、よいしょー」ガスッガスッ

フィアンマ「……よいしょーって言いながらこっちの頭を砕きに来たら怖いな」ボソッ

インデックス「なっ!?」ビクッ

380 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:39:00.61 HhtGHtc+o 323/549


インデックス「変なことを言わないで欲しいんだよ!」プンスカ

フィアンマ「ん、思ったことを言っただけなんだが……まあ、悪かったな」

「よいしょー、よいしょー」

アニェーゼ「もう少し明るかったら正体がわかるんですけどね……」ウ-ン

フィアンマ「正体なんてないんじゃないか?」

フィアンマ「多分霊の仕業に違いない」

インデックス「ええっ!? 本当にお化けなの?」

フィアンマ「あくまでも俺様の目にはそう見えると言っただけだ」

アックア「幽霊とか正気であるか?」

381 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/23 22:39:44.56 HhtGHtc+o 324/549


フィアンマ「……じゃあお前はなんだと思う」

「人間ですねー」

フィアンマ「おいおい、アックア、調子に乗るのもいい加減にしろよ?」

アックア「……何も言ってないが?」

三人「え?」

シーン

???「どうしたんです? 反応がなくなりましたねー?」ガサッ

フィアンマ(に、逃げるぞ!!)ガシッ

インデックス「うわああああ!!!」ヒシッ

アニェーゼ(本当に幽霊が出るなんて!!)ダッ

アックア「え」

???「あれ?」

384 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:02:28.98 jyoVzjgBo 325/549


フィアンマ「なななっ、なんなんだ!!」ダダッ

インデックス「うおお! フィアンマ速ーい!」ビューン

アニェーゼ「インデックスちゃんだけおんぶされるとは……」ダダダダッ

フィアンマ「アニェーゼは自分で走った方が早いだろう!」

アニェーゼ「ですね」ウン

フィアンマ「!!」ズザッ

インデックス「ど、どうしたの? フィアンマ?」

アックア「待つのである」ガシッ

フィアンマ「アックア!? 離せ! お前は自分で走れるだろう!!」

アックア「そういう事ではないのである」

アニェーゼ「って私も掴まれてるじゃねぇですか!」アワワ

385 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:03:24.05 jyoVzjgBo 326/549


アックア「ふう、あの人影は幽霊ではないのである」

フィアンマ「は? なぜそんなことを言いきれる」

アックア「フィアンマ、あれは本当にお前の知り合いなのである」

???「はぁはぁ、さすがにそんな全速力で逃げられると疲れますねー」

フィアンマ「て、テッラだと!?」

テッラ「私の畑を見学したいのなら先に言ってくれればいいんですがねー?」

フィアンマ「おい、ちょっと待て……」

フィアンマ「もしや、あの小麦畑はお前の……」

テッラ「ええ、そうですが……どうかしました?」

フィアンマ「いや……怯えて損をした気分だ」

386 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:03:57.66 jyoVzjgBo 327/549


テッラ「怯えたって、ちゃんと報告した筈ですけどねー」

テッラ「バチカンのはずれに小麦畑を作ってもいいか、と」

フィアンマ「……ん? 確かにそんなこと言っていたか」

フィアンマ「悪いな」

インデックス「え? つまりフィアンマはこの畑がただの畑だってことは知ってたってことなの?」

フィアンマ「正しくは忘れていただが」

インデックス「むー、怯えて損をしたって言いたいのは私なんだけど」ムスッ

アニェーゼ「ははは……気が抜けちまいましたね」

387 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:04:27.81 jyoVzjgBo 328/549


フィアンマ「とりあえずカロリーメイトで許してくれ」スッ

インデックス「ふん、乙女の心を弄ぶのは重罪なんだよ!!」ベ-

フィアンマ「な、なんだって?」

フィアンマ(秘技、餌付けが効かないだと!?)

テッラ「そろそろ夕食の時間ですし、小麦料理食べていきませんかね?」

テッラ「最近のフィアンマの噂の真相も聞かせてもらいたいところですしねー」

テッラ「どうです?」

インデックス「私も行くんだよ!」

フィアンマ(なるほど、餌のレベルが足りなかったのか)ナットク

388 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:04:53.72 jyoVzjgBo 329/549


テッラ「……ん? あなたは?」

フィアンマ「禁書目録……インデックスだ」

テッラ「イギリス清教の……」

フィアンマ「お客さんだから手荒な真似や、不当な扱いなどをしたら承知しないからな」

テッラ「……なるほど、気をつけるとしましょう」

アニェーゼ「ど、どういうことです?」コソッ

アックア「奴はローマ正教徒以外の人間をひどく軽視する傾向にあるのである」

アックア「下手したら人間とすら思っていないだろうな」

アックア「いわば過激なローマ正教徒といったところだ」

389 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:05:45.86 jyoVzjgBo 330/549


アニェーゼ「だから警告をしていたってことですか」

アックア「まあ、そうだな」

アニェーゼ「同じ十字教なのに……不思議なもんですね」

アックア「自分で言うのはなんだが、私と奴は相容れない関係であるから、考えを理解したいとも思わないのでな」

アックア「詳しくはフィアンマに聞くといい」

インデックス「こそこそ話してどうしたの?」

アニェーゼ「どんな料理を振舞ってもらえるのかなーって話してただけです」

インデックス「なっ、そういう話なら仲間はずれしないで欲しいんだよ!!」ムスー

アニェーゼ「あ、すみません」

390 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:06:15.88 jyoVzjgBo 331/549


フィアンマ「小麦をここで栽培しているというのは分かったんだが、なぜ夜に作業をするんだ?」

テッラ「おや、それは説明しませんでしたかねー?」

フィアンマ「してたか? まあ、してたとしても忘れたからもう一度説明しろ」

テッラ「基本的に私が夜型の人間だからという至極単純な理由ですよ」

テッラ「昼間は働く気が起こらないという」

フィアンマ「なるほど、ダメ人間か」

インデックス「遅寝遅起きってこと?」

テッラ(……子供に正しい信仰を求めるのは酷ですかね……)チラ

インデックス「あれ、聞こえなかったのかな……」

テッラ(それに、アックアとフィアンマとの関係に角が立つようなことは避けたい……はぁ)

391 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:06:45.69 jyoVzjgBo 332/549


インデックス「……ねえ」

テッラ「はぁ……何か言いましたか?」

インデックス「あなたは遅寝遅起きなの?」

テッラ「……遅寝でも遅起きでもありませんねー」

テッラ「ただ単に昼夜が逆転しているだけですよ」

フィアンマ「それを遅寝遅起きって言うんじゃないのか……新たな発見だな」ウンウン

アニェーゼ「いや、昼夜逆転=遅寝遅起きで間違いねぇと思いますよ」

フィアンマ「なっ!? じゃあお前は俺様に嘘をついたということか!!」ムカー

テッラ「ははは、冗談冗談」

392 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/24 21:07:12.91 jyoVzjgBo 333/549


フィアンマ「いいか、冗談というのは皆が面白いなーと笑えるものでないとアウトなんだぞ」

アニェーゼ「新たな名言来ましたね」

テッラ「冗談がそんな高度な物だったとは……」

フィアンマ「まあ、あくまでも俺様の中での定義だが」

アックア「そんなところだろうと思ったのである」

アニェーゼ「ですね。悪口はってやつと同系統ですよ」

フィアンマ「む、俺様の論法がバレ始めているのか?」

インデックス「きっと、分かり易いんだよ」

フィアンマ「なるほど」

395 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 02:58:57.83 UXpZ6E1Go 334/549


テッラ「……話は食べながらするとして、移動しませんかねー?」

フィアンマ「ああ、そうだな。そろそろ空腹怪獣が目覚める頃だ」

フィアンマ「二人ともカロリーメイトでインデックスの食欲をコントロールしておけよ?」

アックア「そうであるな。またかじられるのは勘弁だろう」

フィアンマ「ああ、結構痛いからな」

アニェーゼ「移動時間くらい我慢できるんじゃ……?」

インデックス「私のことをなんだと思ってるんだよ」ムッ

フィアンマ「大食いシスター」

アニェーゼ(デジャブ……)

396 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 02:59:30.88 UXpZ6E1Go 335/549


フィアンマ「……あれ? 来ないんだな」

フィアンマ「せっかく回避のための魔術の準備をしていたのに……」

インデックス「だって、そこのエリマキさんに難癖つけられるかもなんだもん」ボソ

フィアンマ「……もしかしてなんか言われたのか?」

インデックス「っ……何でもないよ!!」ギラ

フィアンマ「じ、時間差だと!?!?」ビク

インデックス「いただきますなんだよー」ガブゥ

フィアンマ「食欲魔神がお目覚めになったああああああああ!!!!」

397 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:00:07.90 UXpZ6E1Go 336/549


フィアンマ「……っつう……」ズキズキ

インデックス「上手く油断させた私の勝ちだね!!」

フィアンマ「ああ、これからは常時警戒態勢で行くことにする」

フィアンマ「アニェーゼ、これは消毒なしでも大丈夫か……」

インデックス「あれ? 三人ともどっか行っちゃったみたいだね」

フィアンマ「え、俺様がおちょくられているうちにか?」

インデックス「おちょくってなんかいないもん」

フィアンマ「……参ったな」

インデックス「フィアンマー、こんなところに地図みたいなのが落っこちてるよ?」スッ

フィアンマ「地図だと?」パシッ

398 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:00:47.91 UXpZ6E1Go 337/549


フィアンマ「……」ピラ

フィアンマ「ふむ、これはバチカンの地図か」

インデックス「そうみたいだね」

フィアンマ「これがどうした?」

インデックス「ほら、ここに畑って書いてあるでしょ? で、道筋の線を辿っていくと赤い丸がある」

フィアンマ「……つまり」

インデックス「多分アニェーゼ達が落として行ったんじゃないかな?」

フィアンマ「じゃあ、この赤い丸のところまで行けば合流できるってことか?」

インデックス「多分」

399 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:01:28.17 UXpZ6E1Go 338/549


フィアンマ「なるほど……」

フィアンマインデックス「じゃあ案内は頼んだ(んだよ)」

フィアンマ「は?」

インデックス「え?」

フィアンマ「完全記憶能力とやらをフル活用して案内してくれるんじゃないのか?」

インデックス「見たことのない道なんて覚えてないんだよ!!」

インデックス「それより、このバチカンに住んでいるフィアンマの方が道に詳しいんじゃないの?」

フィアンマ「……いや、ほとんど分からない」

インデックス「えええええ!!!」

400 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:02:11.03 UXpZ6E1Go 339/549


アニェーゼ「アックアさん……」

アックア「なんだ?」

アニェーゼ「一体どうしたんですか?」

アックア「さっきのじゃ不完全燃焼だったからな」

テッラ「何がしたいのか全く分かりませんが面白そうですねー」

アニェーゼ「……ちゃんとたどり着けるんでしょうか?」

アックア「地図通りに行けば、な」

テッラ「しかし、フィアンマも禁書目録も土地勘はないのでは?」

アックア「だから丁寧に地図まで置いといたのであるぞ」

401 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:02:47.79 UXpZ6E1Go 340/549


アニェーゼ「なんだか方向音痴ペアみたいな感じじゃないですか」

テッラ「へえ、そんなことまで知ってるんですねー」

テッラ「フィアンマは地図読むのがあまり得意じゃないことを隠していたはずですが」

アニェーゼ「いえ、ただの勘ですよ」

テッラ「なるほど……」

アックア「まあ、魔術以外はそこまで秀でていないからな」

アニェーゼ「ばっさり切って捨てましたね……」

アックア「いいのである」

アックア「ああいう奴は調子に乗らせないよう周りがコントロールしてやるのが重要であるからな」

テッラ「本人が聞いたらまた機嫌悪くしますねー」

アックア「その辺りの管理は……私は知らないのである」

アニェーゼ「あ、お得意の責任放棄ですね!!」

402 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 03:03:33.87 UXpZ6E1Go 341/549


アックア「最近、責任感ない系人間のレッテルを張られているような気がするのだが……」

アックア「釈然としないのである」

アニェーゼ「事実ですからね……」

アックア「私だってこんな血の流れない平和な仕事の時くらいふざけたいのである」

テッラ「あ、移動し始めましたよ」スタスタ

アニェーゼ「ああ! 素早く、隠密な追跡ですからね!!」トトトッ

アックア「無視か……」

アックア「……ふむ、フィアンマがいないと私がこのポジションになってしまうのだな」

アックア「…………本人はいないが一応謝っておこう。悪かったのである」

404 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:32:57.98 UXpZ6E1Go 342/549


フィアンマ「ええと……まず畑まで戻ってから歩いた方がいいよな」

インデックス「うん、それが一番安全だと思うよ」

フィアンマ「テッラから逃げてきた道筋は覚えているな?」

インデックス「任せて! それくらいなら簡単なんだよ!!」

フィアンマ「やはり完全記憶能力は便利だな」

インデックス「そうかもしれないけど、いいことばかりじゃないと思うよ」

インデックス「どんな便利なものでも、何かしらの欠点があるんだよね」トテトテ

フィアンマ「……確かにそうかもしれないな」スタスタ

インデックス「次の角を右なんだよ」

フィアンマ「了解」カツカツ

405 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:34:07.68 UXpZ6E1Go 343/549


……………………
…………

インデックス「あ! 見えてきたね」

フィアンマ「思っていたより走ったんだな」

フィアンマ「俺様の隠されていた体力に脱帽だ」

インデックス「私のこともおぶってたもんねー」

フィアンマ「ああ、俺様は約束されたことは守るからな」

フィアンマ「その約束をどんな風に解釈するかは俺様の気分次第だが」

インデックス「おお、その結果があの火事場の馬鹿力なんだね」

フィアンマ「約束は多分関係ないな」

インデックス「そ、そうだったの!!」

406 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:34:45.83 UXpZ6E1Go 344/549


フィアンマ「で、目的地までの距離は1キロないくらいか」

インデックス「結構遠いんだね」

フィアンマ「仕方がないだろ。迷子どもを放っておくのは上司失格だからな」

インデックス「仕方ないなー。フィアンマの理想とする上司像を守るために私も手伝ってあげるよ」

フィアンマ「お前は食べ物を求めて、だろ」

インデックス「邪推は良くないと思う」

フィアンマ「邪推じゃない。事実だ」

インデックス「むー……」

ガブッ

407 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:35:30.00 UXpZ6E1Go 345/549


フィアンマ「いづ……まさかこの程度でお怒りになるとは予想外だった」

インデックス「れでぃーに失礼なことを言った当然の報いだね」

フィアンマ「そろそろ俺様の右腕が可哀そうになってきたぞ」

インデックス「私も可哀そうだと思う」

インデックス「私に噛まれるような発言をする人の腕ってだけでいっぱい噛まれるという運命になってしまったんだから」

インデックス「同情するんだよ、フィアンマの右腕くん」

フィアンマ「お前が噛まなければ俺様の右腕はそんな業を背負わずに済んだんだがな」

フィアンマ「あと、俺様の右腕はくんではなくちゃんだからな」

インデックス(何言ってるの、この人)

フィアンマ「可哀そうな人間を見るような目で俺様を見るな」

インデックス「あ、ごめんね」

408 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:35:59.35 UXpZ6E1Go 346/549


フィアンマ「ところで、俺様はあまり地図が得意ではないんだが、インデックスは読めるか?」

インデックス「うん、余裕だよ」

フィアンマ「なら問題ないな」

インデックス「でも……そろそろお腹が空いて歩けないんだよ」

フィアンマ「そうだったな。食欲コントロールを俺様がしなくてはならないのだったな」

フィアンマ「はい、カロリーメイト」スッ

インデックス「ありがと、いただきまーす」ガブッ

フィアンマ「ぎゃあああああああ!!!」

409 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:36:32.57 UXpZ6E1Go 347/549


アックア「む、あれはフィアンマが噛まれたようだな」

アニェーゼ「またですか。ホントよくやりますね」

テッラ「噛まれた?」

アニェーゼ「多分あれはインデックスちゃんの信頼の表現なんでしょうけど……」

アニェーゼ「フィアンマさんがインデックスちゃんに意地悪なことを言ったり、無神経なことを言ったりすると、怒ってフィアンマさんの腕に噛みついちゃうんですよ」

テッラ「噛みつく……?」

テッラ「あのフィアンマが敵対行為をする人間を看過するとは思えないですねー?」コンワク

アックア「悪意や敵意、害意がないのは確かだから許しているのだろう」

アックア「相手は子供だしな」

410 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:37:13.79 UXpZ6E1Go 348/549


アニェーゼ(同じ土俵に立ってわいわいやってるようにしか見えませんが)

アックア(そこは……フィアンマの威厳の為に黙っておくのである)

アニェーゼ(あれ? アックアさんがフィアンマさんの擁護とは珍しい……)

テッラ「ということは、今のフィアンマはちょっとやそっとでは怒らないということですかねー?」

アックア「かもしれないが、死にたくないなら余計なことはするべきでないのである」

テッラ「それくらいは分かってますよ」

テッラ「これでもこの3人の中で一番彼との付き合いが長いんですから」

アニェーゼ「へぇ、意外な組み合わせですね」

テッラ「そうですかねー?」クビカシゲ

411 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:38:07.91 UXpZ6E1Go 349/549


アックア「とりあえず声がした方へ急ぐのである」ダッ

テッラ「あの地図と逆に向かっているような気がしますねー?」シュババ

アニェーゼ「はじめてのおつかいみてーですね」タッ

テッラ「はじめてのまいごの方が近い気がしますねー」

アニェーゼ「フィアンマさんのことですし、自分たちじゃなくて私たちのことを迷子だと思ってそうですよ」

テッラ「ははー、確かにその可能性は非常に高いですねー」

アックア「フィアンマは少なからず傲慢だから当然と言えば当然であるな」

アニェーゼ「本人のいないところで……悪口大会みたいになってますね」ハハハ

アックア「曰く、本人が聞いてないところで言う悪口は陰口だとかなんとか……」

412 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/27 22:38:35.66 UXpZ6E1Go 350/549


アニェーゼ「言ってましたね」

テッラ「陰口と悪口の違いってなんなんですかねー?」

アニェーゼ「そこもフィアンマさんなりの定義があるんじゃ?」

アックア「っ、噂をすれば影」

アックア「あっちにから声がしたはずあのに、またこっちに向かってきたのである」

アニェーゼ「本格的に迷い始めたんでしょうか?」

アックア「どちらにしろ今度こそ見失わないように追わなくては」

アニェーゼ「ですね」

415 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:14:08.39 Kpj3+2x6o 351/549


インデックス「うーん、私の空腹センサーがこっちって言ってるんだよ」

フィアンマ「空腹センサーじゃなくて地図を見ろ」

フィアンマ「空腹センサーより正確な情報が載ってるはずだから」

インデックス「地図はもういらないよ」

インデックス「ここにインプットしたからね」

フィアンマ「なら、俺様に返せ」

インデックス「え? 読めないんじゃないの?」

フィアンマ「全く読めないわけではないから、明らかに違う方へ行っていると思ったら言う」

インデックス「それならいいんだけど……心配しなくても大丈夫だよ?」

フィアンマ「悪いが空腹センサーとか言ってる奴を案内人にするのは不安なのさ」

416 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:15:01.20 Kpj3+2x6o 352/549


インデックス「むぅ、そんなこと言う人はちゃんと見返してあげるんだよ」ムスー

フィアンマ「はいはい、健闘を祈る」

インデックス「扱いが適当だと思うんだけどー」グイグイ

フィアンマ「服を引っぱるな」ブンブン

インデックス「ツンデレさんは好かれないんだよ。私みたいに可愛くあれ」

フィアンマ「……自分で可愛いって言うとか、ありえないな」

インデックス「そんなことないもん! あ、そこは右に曲がった方が近道かも」

フィアンマ「む、ちゃんとした案内もできるんじゃないか」

インデックス「べーっ、今更褒めたって喜んであげないんだよー!」

417 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:15:45.55 Kpj3+2x6o 353/549


フィアンマ「子供か……?」

インデックス「だから子供扱いしないでって何度言ったらわかるの?」

フィアンマ「そんなどうでもいいこと覚えてるわけ無いだろ」ケッ

フィアンマ「それより右に曲がればいいんだな?」

インデックス「……左だったかも」

フィアンマ「はぁ!?」

フィアンマ「はっきりしないと困るんだが」

インデックス「ふーんだ。私がいないと地図も読めないフィアンマが私に文句を言う筋合いはないんだよー」

フィアンマ「よし、右だな」カツカツ

インデックス「ああー、待ってよー」トテトテ

418 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:16:17.70 Kpj3+2x6o 354/549


アックア「む? 地図に道筋は書いたはずであるが……」

テッラ「違う方に向かってますねー」

アニェーゼ「ショートカットしてんじゃねーんですか?」

アックア「……ふむ、だが、フィアンマは石橋を叩いて渡るタイプの人間だったはずである」

アックア「また迷うというリスクを背負いながら、ショートカットなどするだろうか?」

アニェーゼ「リスクってほどでもないと思いますよ」

アニェーゼ「だってインデックスちゃんいますし」

テッラ「なるほど、完全記憶能力の無駄使いですねー」

419 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:17:12.60 Kpj3+2x6o 355/549


インデックス「っくし!」

フィアンマ「大丈夫か?」クルッ

インデックス「う、うん、ただのくしゃみなんだよ」

インデックス「もしかしたら誰かが私の噂をしているのかも」トテトテ

フィアンマ「……入れ違いになったりしたら面倒だな」

インデックス「大丈夫、アックアは戻ってこないよ」

インデックス「多分私たちがいないことに気付きすらしないから」

フィアンマ「よく分かってるな。ついでにエリマキさんも俺様たちは放置だろうな」

フィアンマ「だが、アニェーゼに諭されて戻って来るかもしれない」

420 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:18:16.37 Kpj3+2x6o 356/549


フィアンマ「それにしても……いつになったらつくんだ?」

インデックス「まだ五分も歩いてないんだよ」ハァ

フィアンマ「うるさい。俺様はインデックスをおぶってかなりの距離走ったんだぞ?」

フィアンマ「元々体力少なめな俺様にまだまだ歩けなどという酷な要求をしないでくれ」

インデックス「む、それを言われたら言い返せない……もうすぐ着くんだよ」

フィアンマ「ふむ、今この地図ではどこを歩いているんだ?」スッ

インデックス「ここだよ」ユビサシ

フィアンマ「……道筋と違う気がするが。この線をたどっていくと、裏道使わないはずだろう?」

インデックス「食べ物の匂いたどって近道歩いてるからね」

421 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:19:07.13 Kpj3+2x6o 357/549


フィアンマ「」

インデックス「フィアンマ? 大丈夫?」ユサユサ

フィアンマ「おい、まさかさっきの空腹センサーとやらを頼りにして来たのか?」

インデックス「うん。でもそれを言ったらフィアンマは怒るでしょ?」

フィアンマ「……いや、もうすぐ着くんならいいんだ」

フィアンマ「ただし、万が一着けなかったりしたら許さないからな」

インデックス「うわー、こんな小さな私にそんなプレッシャーかけるとかありえないんだよ」

フィアンマ「ふん、俺様の前ではろうにゃくにゃん……」

フィアンマ「ろうにゃくなんにゃ……」

フィアンマ「老いも若いも男も女も関係ないのさ」

422 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:19:36.19 Kpj3+2x6o 358/549



インデックス「フィアンマ、ろうにゃくにゃんにょじゃなくて老若男女だよ」

フィアンマ「……指摘しないで」シュン


423 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/28 22:20:30.27 Kpj3+2x6o 359/549


アックア「む、また見失ったのである」

テッラ「無能ですねー。言いだしっぺが足を引っ張るなんて」ケラケラ

アニェーゼ「まあ、裏道行ったりしてますし仕方ねーんじゃないですか?」

アックア「慰めなどいらないのである」

アニェーゼ「は、はぁ……」コンワク

テッラ「で、どうするんですか?」

アックア「仕方が無いから先回りするのである」ダッ

アニェーゼ「ですね、急がねーと行き違いになるかもしれません」タッ

テッラ「間に合わない可能性も高いですけどねー」

426 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:19:36.86 4ODuEZFKo 360/549


………red circle………

カランカラン

インデックス「赤丸……」

フィアンマ「店名ってことか……」

インデックス「バチカンに食べ物のお店があったなんて少し意外なんだよ」

フィアンマ「いや、イギリス清教の本拠地……なんていったか?」

インデックス「聖ジョージ大聖堂」

フィアンマ「ああ、そうそう。その近くにもそれくらいはあっただろう?」

インデックス「うん、そうなんだけど、ローマ正教の人達は私たち以上に十字教に誇りを持っていそうだったからてっきりね……」

フィアンマ「なるほど」

フィアンマ「確かに宗教命って奴がいることは否定しないが、ほとんどの信者はそっちと大差ない普通の人間らしい」

427 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:20:19.00 4ODuEZFKo 361/549


インデックス「伝聞形なんだね」

フィアンマ「まあな。お前と同じで外出はあまりできないのさ」

インデックス「へぇ、なのに視察してたの?」

フィアンマ「だから、と言った方が正しいな」

フィアンマ「ま、そういう込み入った話は食べながらでいいだろう」キョロキョロ

店員「……いらっしゃいませ、二名様でよろしいでしょうか」

フィアンマ「いや、待ち合わせをしているはずなんだが、おかしな三人組を見なかったか?」

店員「おかしな……ですか?」

428 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:21:00.79 4ODuEZFKo 362/549


フィアンマ「アックアというゴルフウェアを着た筋肉質な男とアニェーゼという三つ編みがたくさんある小柄なシスターとエリマキトカゲ風のテッラという男の三人だ」

店員「ははー、テッラさんのお知り合いでしたか」

フィアンマ「さん?」

店員「あの方はとても格安でうちに無農薬の小麦を卸してくれるんですよ」

フィアンマ(まあ、あれだけの面積使って小麦作ってたら余るよな)

フィアンマ「それは初耳だな。で、そのテッラは来てないのか?」

店員「ええ、本日はいらっしゃってないはずですけど……」

フィアンマ「ふむ、そうか」

フィアンマ「なら、奴が来たらフィアンマは畑にいると伝えておいてくれ」

店員「かしこまりました」

429 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:21:41.46 4ODuEZFKo 363/549


インデックス「え、また畑に戻るの?」

フィアンマ「ここにいても余計腹が減るだけだろう?」

インデックス「うへぇ、もう疲れたー」バタバタ

フィアンマ「こんなところで暴れるな」

フィアンマ「……はぁ、俺様がまたおぶってやるから我慢しろ」

インデックス「よし、行こう!」

フィアンマ「態度変わりすぎだろ……」

インデックス「だってフィアンマの上乗ったらすごい高い視線が体験できるんだよ?」

フィアンマ「あー、はいはい、そうですか」

430 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:22:36.01 4ODuEZFKo 364/549


カランカラン

アックア「っ、遅かった……」

フィアンマ「お、やっと来たのか。迷える子羊たちよ」ニヤリ

アニェーゼ「インデックスちゃん大丈夫でした?」

インデックス「うん、フィアンマがいたからね」

インデックス「アニェーゼは迷子でも大丈夫だったの?」

アニェーゼ「え、迷子?」

インデックス「うん、フィアンマと探しても見つからなかったから」

アニェーゼ(迷子はどっちだったんでしょうね……)

テッラ「何はともあれ合流できてよかったですねー」

431 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:23:09.97 4ODuEZFKo 365/549


フィアンマ「テッラ」ボソッ

テッラ「何ですかねー?」

フィアンマ「お前、インデックスに何か余計なことしたか」ギロ

テッラ「おお、怖い怖い」

テッラ「何もしてませんよ」

フィアンマ「そうか」

フィアンマ「……まあいい、俺様が何かを見ていたわけじゃないしな」

フィアンマ「ただし、もう一度言わせてもらうが、余計なことをしたら……覚悟しておけよ」

テッラ「分かってますよ」ニヤ

フィアンマ(信用ならないな)

432 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/04/29 22:23:40.99 4ODuEZFKo 366/549


テッラ「さてと、面倒な話も済ませたことですし、食事の時間としましょうかねー」

フィアンマ「……」ジロ

フィアンマ(面倒な話呼ばわりか)

インデックス「やった、ご飯タイムだー」

アニェーゼ「どんなメニューがあんでしょうね?」

アックア「小麦を使うものは非常に多いからな。想像がつかないのである」

インデックス「パスタとかあるんじゃないかな?」

フィアンマ「どうだろうな?」

テッラ「イタリア料理と呼ばれるものなら基本的に何でもあったはずですねー」

434 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:50:22.92 AL3S839do 367/549


店員「は、テッラさん!」

テッラ「こんばんは、今日はこの四人にここのとっておきを食べさせてあげようと思いましてねー」

店員「そうなんですか」

インデックス「楽しみにしてるよ!」グッ

店員「ええ、お気に召していただけるよう、作りますのでよろしくお願いしますね」

インデックス「うん!」

アックア「……とっておきとは何なのであるか?」

フィアンマ「それは来てからのお楽しみってことなんだろうさ」

フィアンマ「あえて言っていないことからそれくらい汲み取れ」

435 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:51:18.63 AL3S839do 368/549


店員「それでは空いている席にどうぞ」

アニェーゼ(絶対にこの店員さんのスルースキル高いですね)ボケー

フィアンマ「おいアニェーゼ、置いて行くぞ」

アニェーゼ「あ! すみません!」タッ

436 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:51:46.66 AL3S839do 369/549


インデックス「うまうまなんだよー」ガツガツ

フィアンマ「もう少し年相応な食べ方をしろ」

フィアンマ「マナーがなってないぞ」

インデックス「マナーとか気にして食べてたら一番おいしく食べられる時を過ぎちゃうような気がするんだよね」

フィアンマ「過ぎてもいいから、少しは気にしろと言ってるんだがな……」

アニェーゼ「うーん、おいしい……」

インデックス「ほら、アニェーゼもおいしいって言ってるんだけど」

フィアンマ「いや、俺様はお前のうまうまというセリフを否定したわけじゃないからな?」

フィアンマ「誤解するなよ?」

437 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:52:14.31 AL3S839do 370/549


アックア「みんな大満足のようだな」

テッラ「ええ、私の作った小麦で作られた料理ですからねー」

テッラ「最高の材料に優秀なコック、この二つがかけ合わさることで最高な料理ができるんですよ」

アックア「……そ、そうであるな」

テッラ「おや、もしかしてアックアの口には合いませんでしたかねー?」

アックア「いや、料理自体は文句なしなのであるが、飲み物がぶどう酒と水しかないってどういうことであるか……」

テッラ「ああ、そんな些細なことですか」

アックア「全然些細じゃないのである」

テッラ「ぶどう酒しかないというところもこの店のいいところの一つですねー」

アックア「なるほど、魔術のためであるか……」ハァ

438 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:52:52.21 AL3S839do 371/549


アニェーゼ「そういや、なんでテッラさんは小麦育ててんですか?」

テッラ「私の魔術……あ、魔術分かる方ですかねー?」

アニェーゼ「え、ええ。大丈夫です」

アックア(魔術の秘匿について無頓着すぎるのである……)ハァ

インデックス「私も参考までに聞かせて欲しいんな……」

テッラ「ええ、たいしたことではないので構いませんよ」

フィアンマ「おい、一応言っておくが、光の処刑のことはくれぐれも話すんじゃないぞ」ボソ

テッラ「そんなの釘を刺されるまでもないですねー。今話すつもりがあるのは小麦の術式だけですよ」ボソ

フィアンマ「ならいいんだが……」

439 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:53:40.00 AL3S839do 372/549


テッラ「そもそも、光の処刑が知られたとしても、相手には使えないのですから無意味でしょう」ボソ

フィアンマ「弱点に気づかれたら終わりだろう」

テッラ「なるほど……確かにあの弱点を看破されると面倒ですねー」

テッラ「まあ、どちらにしろ話す気など毛頭ありませんので」

テッラ「自分の切り札、命綱をそう易々と晒すような馬鹿ではありませんので」

フィアンマ「口を滑らせたりしないよう気を付けろよ」

テッラ「しつこいですねー。あなたみたいな若造に忠告されずとも問題ありませんよ」

フィアンマ「おい、俺様のことを若造呼ばわりするなといつも言っているだろう!!」

テッラ「その程度で怒るから言われるんですねー」

フィアンマ「炭にするぞ?」

アックア「落ち着くのである」

440 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/01 21:54:40.11 AL3S839do 373/549


インデックス「おおー、このトマトソースおいしいんだよ!!」パクパク

アニェーゼ「すぐ隣で結構怖い会話が繰り広げられているのによく普通に食べてられますね……」

インデックス「何か言った?」

アニェーゼ「いえ、テッラさんの魔術についてはいつ聞けるのかなーって思っただけですよ」

インデックス「会話の内容的にフィアンマと同等の地位にある可能性が高いんだよ」

インデックス「だからフィアンマレベルの魔術を使うんじゃないかな」

アニェーゼ「む、インデックスちゃんはフィアンマさんが使う魔術知ってるんですか?」

インデックス「ううん、多分フィアンマは一生懸命それを隠し通そうとしてるから、知ることはできないんだよ」

インデックス「聞く気もないけどね」

443 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:34:29.93 7gPwJNQlo 374/549


アニェーゼ「テッラさんは隠そうとはしてないですけど?」

インデックス「きっとサブの魔術だったりするんじゃないかな」

インデックス「基本的に魔術師の切り札は窮地に陥ったりしない限り使われないからね」パクパク

アニェーゼ「なるほど、さすが魔術については詳しいですね」

インデックス「むぅ、魔術についてはってどういうことかな」

アニェーゼ「あー、他意はねーですよ」アハハ

インデックス「まあいいや、アニェーゼは初犯だから許してあげる」

アニェーゼ「初犯!? 言葉のチョイスにトゲを感じるのは気のせいですかね……」

444 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:35:48.23 7gPwJNQlo 375/549


フィアンマ「さってと、どうだ、アニェーゼ」クルッ

アニェーゼ「何がです?」

フィアンマ「お味はいかがですか、と聞いている」

インデックス「おいしーんだよ!」

フィアンマ「そうか、良かったな。だがインデックスには聞いてないからな?」

アニェーゼ「美味しいですよ。このチーズが入ってるソースとか絶妙なコショウの混じり加減が最高ですね」

フィアンマ「そうか、良かったな」

アニェーゼ「ですが、なぜ突然? さっきも言った気がすんですけど」

フィアンマ「美味い食事を食べているのにあんなむさい男どもと話してばっかりいるのはつまらないからな」ケッ

アックア「お前もむさい男の一員である」

フィアンマ「いや、俺様はさわやか系男子の一員だ。勝手に同じにするな」

445 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:36:30.46 7gPwJNQlo 376/549


テッラ「いえ、フィアンマは人の感想にそうか、良かったなとしか言えない系男子ですねー」

フィアンマ「……」グニャ

フィアンマ「おい、お前。何度喧嘩を売れば気が済むんだ」イライラ

インデックス(わざわざ魔術を使ってフォークを曲げるなんて……力がないなりの怒りの表現なのかな?)

アックア「しつこいのである。二人ともいい加減にしろ」

フィアンマ「いい加減にしろと言いたいのは俺様なんだがな」カチャン

インデックス「……」ソォ-

インデックス「アニェーゼ、曲がったフォークだよ」ジャーン

アニェーゼ「先が普通のフォークより鋭利になってるから置いとかないと危ねーんじゃ……」

446 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:37:04.25 7gPwJNQlo 377/549


インデックス「ちぇー、詰まらないのー」

インデックス「そうだ……エリマキさん! 小麦の魔術はいつ教えてもらえるのかな」

アニェーゼ(空気を読もうぜ!!)

テッラ「私はエリマキさんじゃないです、テッラという名前があるのでそちらでお願いしますねー」

インデックス「じゃあ、テッラー、小麦の話まだ終わってないんだよ」

テッラ「まだ私はフィアンマとの……」

フィアンマ「……さっさと話してやればいい」ケッ

テッラ「はぁ……仕方が無いですねー」

447 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:38:15.57 7gPwJNQlo 378/549


テッラ「私は小麦をギロチンのようにして、攻撃する魔術を好んで使いますねー」

アニェーゼ「あ、攻撃魔術なんですね」

テッラ「ええ、下の者では対処できないような相手を処刑したりするのも仕事なんで」

アニェーゼ「す、すごいですね……さすがフィアンマさんの同僚なだけありますね」

テッラ「ああ……そういえばあなたの部隊はフィアンマに救ってもらったことがあったんでしたっけねー」フム

インデックス「フィアンマもそういう仕事なの?」

フィアンマ「いや、俺様はそんな面倒な事はしないさ」

フィアンマ「テッラとヴェントとアックアと俺様は同じ部署のようなものに所属しているが、仕事内容は結構違うのさ」

インデックス「じゃあ、フィアンマは何してるの?」

フィアンマ「基本的にはマ、教皇の相談に乗ったりしてやってる」

448 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/03 19:38:53.30 7gPwJNQlo 379/549


インデックス「ええっ、フィアンマってそんなすごい人だったんだね」

インデックス「意外すぎて驚きだよ」

フィアンマ「意外とは何だ、意外とは」ムギュー

インデックス「うわああ、ほっへはほひっはふほははんほふはんはほ!!!(ほっぺたを引っ張るのは反則なんだよ!!!)」ジタバタ

フィアンマ「ふん、俺様がこの程度で許してくれたことに感謝するんだな」

アックア「今日はあまり機嫌がよくないのであるか?」

フィアンマ「いや、一日中動き回ったせいで疲れただけだ」

インデックス「こんないたいけな少女に八つ当たりとか有り得ないんだけど!!!」

451 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/04 23:56:25.76 y16byfDQo 380/549


ギャーギャー

テッラ「に、にぎやかですねー」

アニェーゼ「ずっとこんな調子なんです」

テッラ「らしくないことをするもんですねー」

テッラ「まあ、あなた方を救ったというのも彼の普段からは考えられませんからねー」

テッラ(視察という名の遊び歩きがなにか影響を与えたのかもしれませんねー)

アニェーゼ「……普段のフィアンマさんってどんな感じなんですか?」

テッラ「そうですねー」ゴクゴク…

テッラ「一言でいうなら自己中心的、ですかねー」

アニェーゼ「それだと今と大差ない気がしますけど」

テッラ「あと、基本的に冷たかった……いや、冷酷でしたねー」

452 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/04 23:57:13.40 y16byfDQo 381/549


アニェーゼ「あ、それは違うかも……」

テッラ「でしょう? 他人の犠牲などは厭わない系男子なんですよ」

アニェーゼ「厭わない系とか響きが怖いですね」

アニェーゼ「っていうかそんな系はねーですよ」

テッラ「確かに系で括るには少し強大すぎますね」

アックア「何の話をしているんだ?」

テッラ「来年の今日の夕食の予想大会ですよ」

アニェーゼ(バレバレすぎる!!)

アックア「なるほど、随分無意味なことをしているのであるな」

アニェーゼ(信用しただと!?!?)

453 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/04 23:58:03.27 y16byfDQo 382/549


アニェーゼ「ど、どうしたんですか?」

アックア「そろそろ帰ろうかと思って、とフィアンマが言っていた」

テッラ「? なぜ本人が言わないんですかねー?」

アックア「半分寝ているインデックスの世話でてんやわんやしているらしい」

アニェーゼ「アックアさん、手伝ってあげればいいのに……」

アックア「私の業務内容に子守りは含まれないのでな」

アニェーゼ「それ、フィアンマさんもないんじゃ」

アックア「インデックスを預かると言ったのは奴だ」

アックア「つまり、業務内容に含まれるのである」

アニェーゼ「あ、そうですか」

454 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/04 23:58:48.71 y16byfDQo 383/549


テッラ「でしたら、先に出ていてください」

テッラ「私が払っておきますので」

アックア「いや、払うのである」

アックア「フィアンマが」

アニェーゼ(黒い……)

アニェーゼ(ぜってえアックアさんの方が本性はヤバいですね)

テッラ「フィアンマに払わせるならその方が面白そうですが、あまりおちょくりすぎて本気で怒らせてしまってはまずいので」

アックア「……そうだな。アレを振り回したりされたらひとたまりもないのである」

アニェーゼ「アレ?」

アックア「結構おぞましい物だから知らない方がいいのである」

アニェーゼ「そ、そうですか……」

458 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:52:20.18 cn+7wUQPo 384/549


フィアンマ「おま、インデックス……喧嘩売ってるのか?」

インデックス「はげちゃえはげちゃえー」グイグイ

アニェーゼ「い、インデックスちゃん!?」

アックア「フィアンマ、魔術は使うなよ?」

フィアンマ「ちっ、それくらい分かっている!」

フィアンマ「だが、一度目を覚まさせないと俺様の頭皮のライフが無くなってしまう」

フィアンマ「それにこの歳で髪のことで悩みたくはないから振り落としても大丈夫か?」

インデックス「ふぁあ……フィアンマは私のこと投げようとしてるの?」ウルッ

フィアンマ「うっ……お前、それはどう考えてもずるいぞ!」

インデックス「……はげちゃえはげちゃえー」グイグイ

459 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:53:48.75 cn+7wUQPo 385/549


アニェーゼ「インデックスちゃん寝ぼけすぎじゃないですか?」

フィアンマ「そんなの俺様に言うな!!」

フィアンマ「そして、俺様の頭皮と毛根を助けてください……」ズーン

アニェーゼ(こっちはこっちでおぞましい出来事が起こってますね)

アニェーゼ「えっと、私がおぶってきましょうか?」

フィアンマ「頼む。俺様が請け負った仕事なのに押し付けて済まないな」

アニェーゼ「気にしねぇでください。私も肌色が目立つ頭のフィアンマさんは見たくねぇんで」

フィアンマ「肌色が目立つ……頭皮!?」

アニェーゼ「ほら、さっさとインデックスちゃん貸してください」

フィアンマ「あ、ああ」スッ

460 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:55:19.06 cn+7wUQPo 386/549


ガシッ

フィアンマ「ん?」

インデックス「……」スヤスヤ

フィアンマ「おい、アニェーゼ」

アニェーゼ「どうしたんです、さっさとしてくれませんか?」

フィアンマ「こんな安らかな顔で寝ているのに腕がほどけないんだが」グイグイ

フィアンマ「髪を引っ張って、次は腕を離さないとはどんだけ迷惑な奴なんだ」ハァ

アニェーゼ「んじゃあ、いいんじゃねーんですか?」

フィアンマ「は? 何を言ってるんだ」

アニェーゼ「髪を毟られる危険もなくなったじゃないですか」

フィアンマ「むむむ……正論か」ハハァ…

アニェーゼ(それにまんざらでもなさそうな顔してますし)クスッ

461 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:56:28.03 cn+7wUQPo 387/549


フィアンマ「仕方が無いな。よっと」グッ

フィアンマ「俺様が連れて帰ればいいんだろう」パサ

アニェーゼ「あ、ベール落ちましたよ」スッ

フィアンマ「ベール?」

アニェーゼ「インデックスちゃんが頭に被ってたやつですよ」

フィアンマ「ああ、謎の被り物か。悪いな」パシッ

テッラ「……」ヌッ

フィアンマ「うわっ、突然出てくるな! 驚いただろうが」

テッラ「払い終わったので、そろそろ外へ出ようかと思っただけなんですけとねー?」

フィアンマ「お前が払いっておいたとかいうと不吉な予感しかしないんだが……」

テッラ「いえいえ、今回は何も企んでませんよ」

テッラ「第一、あなたは一食の貸し程度では何もしないでしょうし」

フィアンマ「まあ、そうだが……お前に借りがあるという状況は好ましくないから、後で金は返す」

テッラ「いやいや、奢りですから気にしないでください」

462 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:57:09.62 cn+7wUQPo 388/549


カランカラン

アニェーゼ「結局払ってもらうことになったんですか?」

フィアンマ「しつこいから俺様が折れただけだ」

フィアンマ「もちろん、明日にでも金は押し付けるつもりだがな」ハァ

インデックス「おおおお、かっこいいね。金を押し付けるとか一度でいいから言ってみたいよ」

フィアンマ「今言えばいいだろう」

インデックス「金を押し付けるつもりだがな!」

アックア「そんな威勢よくなかったのである。少し面倒くさそうに、テンション低めに、である」

フィアンマ「変な解説はやめろ」

アックア「拒否するのである」

463 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:57:49.50 cn+7wUQPo 389/549


インデックス「そういえば、エリマキさんはどこ行ったの?」

アックア「畑仕事があると言って畑の方へ帰って行ったのである」

インデックス「ごちそうさまって言おうと思ったのになー」

アニェーゼ「そうですね、私も言いそびれちまいました」

フィアンマ「俺様が言っておくから安心しろ」

フィアンマ「また奢って下さいね、とでも言っておけばいいんだろう?」

アニェーゼ「いや、全然違います」

インデックス「私はそれでいいよー」

フィアンマ「承った」

アニェーゼ「承らねぇでください!!」

464 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/05 20:58:25.29 cn+7wUQPo 390/549


フィアンマ「おい、ちょっと待て」

インデックス「誰に言ってるのか分からないよ?」

フィアンマ「……今俺様の背中に乗っかってる白い修道服を着た修行中のシスターさんに対しての言葉だ」

インデックス「あっ……」

インデックス「……ぐーぐー」ガシッ

アックア「完全に起きていたが……今のは声をかけずにさっさと降ろすべきであったな」

フィアンマ「二十秒前の俺様に言ってやってほしかった」

アックア「後の祭りである」

フィアンマ「こうなるともう降ろせないからなぁ……」グイグイ

467 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:15:51.23 HmECDkIlo 391/549


アニェーゼ「もう諦めるしかないんじゃないですか?」

アニェーゼ「そんな距離ないですし」

フィアンマ「そういう問題じゃないんだよな」

フィアンマ「俺様の髪を寝ぼけた振りして毟ろうとしたという重罪を犯しているのだから」

アニェーゼ「まあまあ……抜けたわけじゃないですし、インデックスちゃんも歩きすぎて疲れちゃったんですよ」

フィアンマ「……」スッ

アックア「赤い……糸であるか?」

フィアンマ「俺様の髪の毛だ。インデックスの手に握られたいたものだ」

フィアンマ「つまりインデックスが俺様の頭から抜いたものだ」

468 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:16:50.01 HmECDkIlo 392/549


アニェーゼ「……け、結構量ありますね……」フルフル

フィアンマ「ざっと三十本ほどか」クスッ

フィアンマ「やっぱり振り落としてもいいか?」ニコニコ

アニェーゼ「えっと……」

アニェーゼ(下手なこと言えねぇ!!)チラ

アックア「そこまで見越してアウレオルスからそれを預かったのであろう?」

アックア「その責任はお前にあるのだから最後まで面倒を見るべきである」

フィアンマ「ふむ、お前にしては正論だな」

アックア「保護者に保護対象を帰すまでが保育園である」

フィアンマ「……最後のは意味不明だ」

469 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:17:44.00 HmECDkIlo 393/549


フィアンマ「よいしょっと……」グッ

フィアンマ「もういい、さっさと帰るぞ」

アニェーゼ「あ、はい! 荷物持ちましょうか?」

フィアンマ「いや、いい。こいつは俺様が連れて帰る」

アニェーゼ(ベールの話なんですけど……)

アックア(そういう気遣いは無用である。保護対象の持ち物も保護者に返す……)

アニェーゼ(そうですか……ま、兄妹みてーでほほえましいですし、ほっときますか)

470 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:18:12.99 HmECDkIlo 394/549





『大人の時間』




フィアンマ「ふう、到着っと」

アニェーゼ「すごい距離歩いた感出してますけど、一キロも歩いてませんよ」

フィアンマ「俺様はこいつを背負っていたのだから仕方がないだろう」

フィアンマ「疲れも二倍だ。無理やりにでもアックアに押し付けるべきだったと後悔すらしているぞ」

アックア「いいではないか。鼻歌歌いながら歩いたのだから余裕はあったんだろう?」

フィアンマ「む……鼻歌とは……無意識だったな」フム

アックア「アニェーゼに至っては兄妹みたいで微笑ましいとまで言ってたのである」

アニェーゼ「い、言ってねーですよ!! 思っただけです!」

フィアンマ「ほう? ヘロヘロな俺様を見てそんなことを考えていたと??」

471 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:18:57.42 HmECDkIlo 395/549


アニェーゼ「あ、あはは……」

フィアンマ「……」ジー

アニェーゼ「す、すみまs」

フィアンマ「まあ……妹ってのも悪くはないかもしれないな」ボソ

アニェーゼ「え?」

アックア「」

フィアンマ「ごほん、とにかくさっさとインデックスをアウレオルスのところに帰しに行くぞ」

アニェーゼ「ちょ、待ってください!!」タッ

アックア「はっ、さっきの発言は幻聴か?」

472 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:20:04.70 HmECDkIlo 396/549


アニェーゼ「あの……」

フィアンマ「なんだ」

アニェーゼ「さっき何て……」

フィアンマ「妹と言うのも悪くはないかもな、と思っただけだ」

フィアンマ「手はかかるし、かなり迷惑だが……」

フィアンマ「まあ、寝てるのを見ると悪くないと思わないか?」

アックア「デレ期であるか?」

フィアンマ「今日のお前は意味不明なことばかり言うな。大丈夫か?」

アニェーゼ「そういうことは直接言った方がいいと思いますよ」

フィアンマ「言ってるだろう? 頭大丈夫か、と」

アニェーゼ「そっちじゃねぇよ!」

473 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/07 18:20:50.65 HmECDkIlo 397/549


アニェーゼ「……ごほん」

フィアンマ「一応聞かなかったことにしといてやる」

アニェーゼ「ありがとうございます」

フィアンマ「で、何を誰に直接言った方がいいんだ?」

アニェーゼ「インデックスちゃんにさっき言ったみたいなことを、ですね」

フィアンマ「それは無理だな。いや、不必要と言った方がいいか」

アニェーゼ「なんでですか? 懐かれてるのに」

フィアンマ「そりゃ、直接言うようなことでもないだろう?」

フィアンマ「俺様の場合態度で分かってもらえるはずさ」

二人「それはない」

476 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:05:34.77 I34BNYx2o 398/549


フィアンマ「なんだと、二人そろって俺様を馬鹿にしてるのか?」

アックア「お前の態度からじゃせいぜい嫌われてはいない程度しかわからないのである」

フィアンマ「別に構わないだろう。それで十分じゃないか?」

フィアンマ「なあ、インデックス?」

インデックス「うん。私もそれで十分だと思うよ」

インデックス「そう、真の兄妹に言葉など不要! なんだよ!」

フィアンマ「そうそう、その通りだ。まあ、真の兄妹でも何でもないがな」

アックア「お、起きていたのであるか?」

インデックス「着く五分くらい前には起きちゃって」テヘヘ

フィアンマ「お前全然寝る気ないよなってこそこそ話しながら帰ったわけだ」

477 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:06:36.94 I34BNYx2o 399/549


フィアンマ「さってと、アウレオルスがいたとこってどこだったか……」

アニェーゼ「……インデックスちゃん、つまり、全部聞いてたって……」

インデックス「全部じゃないけど、ほとんど聞いたんだよ」

インデックス「そんなことよりフィアンマー」ペシペシ

フィアンマ「叩くな。何の用だ?」

インデックス「今日はアニェーゼのとこにお泊りしたいんだけど」

フィアンマ「いや、それは俺様に言われてもな……」

アックア「アウレオルスとアニェーゼの許可が出れば私は良いと思うが?」

フィアンマ「はあ……仕方がない」ポチポチ

フィアンマ「俺様は少し電話してくるから……」トスッ

フィアンマ「インデックスをちゃんと見ていろ」カツカツ…

478 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:07:15.53 I34BNYx2o 400/549


インデックス「やったー! アニェーゼとお泊りだね!」

アニェーゼ「私はなんも言ってませんけどね」アハハ…

インデックス「なっ、それはつまり無理ってことなの?」ガ-ン

アニェーゼ「部屋片付けねーとですね。手伝ってくれるならいいですよ」

インデックス「うおおお! 絶対手伝うよー!」

アニェーゼ「よろしくお願いします」

アックア(なぜだろう、邪魔する未来しか見えないのである……)

479 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:07:52.75 I34BNYx2o 401/549


フィアンマ「ふう……話を付けてきた」

フィアンマ「インデックスに友が増えるのはいいことだからぜひ良くしてやってほしいとのことだ」

インデックス「ごくろうさま、なんだよ!」

フィアンマ「何様だ」

インデックス「禁書目録さま」

フィアンマ「はぁ……」

アニェーゼ「と、とにかくよかったですね、インデックスちゃん?」

インデックス「うん、満足いく結果だよ」

フィアンマ「だから、お前は何様だ」

インデックス「インデックスさまだよ!」

480 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:09:09.27 I34BNYx2o 402/549


……………………………
………………

フィアンマ(さてと、インデックスたちとは別れたし、アックアも帰らせたし、やっと一人だな)カツカツ

フィアンマ(人といるのが苦手というわけではないが、人間一人の時間も大事にするべきだろう)

フィアンマ(ここ二日間は一人でいた時間が皆無と言ってもいいからな)

フィアンマ(とりあえず部屋に戻って、シャワー浴びて……)

フィアンマ(視察を踏まえて、これからのことでも考えながらワインでも飲むとしようか)

オリアナ「あらら、こんな時間にどうしたのん?」

フィアンマ「オリアナか……」

フィアンマ(俺様の一人の時間はここまでか……十分もないじゃないか)

オリアナ「え、そんなにあからさまにテンション下げちゃうとお姉さんも少し傷つくな」

フィアンマ「あっそう」

481 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:10:09.75 I34BNYx2o 403/549


オリアナ「お兄さん、何か嫌なことでもあったのかしらん?」

オリアナ「お姉さんで良ければ聞くけど」

フィアンマ「なぜ嫌なことがあったと思うんだ?」

オリアナ「表情が何だか不満そうだったから」

フィアンマ「ふむ、しっかり分かってるじゃないか」

オリアナ「ふふん、お姉さんはその辺り鋭いからね」

フィアンマ「じゃあ、一人にしてもらおうか」

オリアナ「え?」

フィアンマ「俺様は一人の時間が欲しいんだ。悪いが一人にしてくれないか?」

482 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/08 08:10:51.78 I34BNYx2o 404/549


オリアナ「……」

フィアンマ「どうした? さっさとしないか」

オリアナ「別にどっか行ってもいいんだけど、男の人がそう言う時って大体聞いてほしいことがあるのよね」

フィアンマ「む……」

オリアナ「どう? 話したいことがあるならお酒くれたら聞いてあげるわよん」

フィアンマ「酒を要求するのか」

オリアナ「人の話なんて酒がないとだるくて聞いてらんないわよ」

フィアンマ「……なるほど、だが、大した話ではないんだ。ただ面倒なだけだ」

オリアナ「とにかく酒」

フィアンマ「わがままな女だ……」

485 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:38:28.54 zGlFmGq1o 405/549


………フィアンマの部屋………


フィアンマ「っと……疲れたからシャワー浴びるか」

オリアナ「あらら? もしかして、お姉さんはお兄さんに犯されちゃうのかしら」

フィアンマ「あー、うるさい奴にわざわざ話すようなことでもないんだがなー」オオゴエ

オリアナ「んもう、お兄さんは本当にSね」

フィアンマ「勝手に漁ったりするなよ?」

オリアナ「はいはい、分かってるわよ。どうせロックかかっててどこも開かないってのは知ってるから」

フィアンマ「……あ、そうだったな」

フィアンマ「じゃあ入るが、突撃して来たりしたら燃やすからな」

オリアナ「さすがのお姉さんもそこまで命知らずじゃないんだけどね」クスッ

フィアンマ「そういえば、俺様の魔術を受けたんだったな」

オリアナ「そういうこと。それじゃいってらっしゃい」

486 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:39:23.70 zGlFmGq1o 406/549


ガチャ…

オリアナ「さてと、探索タイムと行きますか」

オリアナ(ダメだと分かっていた程度で諦めるようじゃトレジャーハンターの名が廃るわ)

オリアナ「ま、トレジャーハンターなんか名乗ってないけどね」ゴソゴソ

オリアナ「今回はあまり捜索できなかった机の鍵付きの引き出しと格闘してみようかしらん」ツンツン

オリアナ(……あれ? ここは魔術がかかってない……?)

オリアナ「ただの鍵だけってことかしらねえ?」

オリアナ「……大した鍵でもないみたいだしちょちょいと開けてみようかしら」

ガチャガチャ…

487 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:40:27.84 zGlFmGq1o 407/549



オリアナ「本?」

オリアナ(一通り探ってみたけど、本一冊しかないわね……)

オリアナ「とりあえず初収穫だし、しっかり読んでみないとかな」

オリアナ「日記帳とかだったら最高の収穫なんだけど、どうなのかしらねん」ピラ

ピラ…ピラ…

オリアナ「 ……これは、見ちゃまずいやつだったみたいね……」

ガチャ

オリアナ「っ……!!」バッ

488 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:41:56.72 zGlFmGq1o 408/549


フィアンマ「くくっ、やっぱりそれを読んでいたか」フキフキ

フィアンマ「違和感を出すためにわざわざ漁るなと言ったが……まさかここまで効果覿面だとは」

オリアナ「……お姉さん、危機管理はしっかりしてる方だと思ってたけど、全然だった」ジリッ

フィアンマ「そんなに臨戦態勢を取る必要はないさ」

フィアンマ「それを読めるような状態にしておいたのは俺様だからな」

オリアナ「意図的にこんな風に置いておいたってことね」

フィアンマ「その通り。俺様は不注意で人に情報が盗まれるようなことになるほど抜けてないからな」

オリアナ「髪が?」

フィアンマ「いや、そのネタはもう……ってなぜ知ってるんだ!?」

489 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:42:51.45 zGlFmGq1o 409/549


オリアナ「何のことかしら?」

フィアンマ「いや、知らないならいいんだ」

オリアナ「……何のためにこれをお姉さんに読ませたの?」

オリアナ「罪の共有による束縛でも狙ってるのだとしたら、その手には乗らないわよ」

フィアンマ「何を言ってるか分からないが、いつも通りの発言ができるようなら問題ないだろう」

フィアンマ「表情を見た感じ、内容も理解できているようだしな」クク

オリアナ「これは一体どういうことなのか教えてもらえるのよね?」

490 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:43:41.17 zGlFmGq1o 410/549



オリアナ「お兄さん……いや、右方のフィアンマ」


491 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:45:24.35 zGlFmGq1o 411/549


フィアンマ「もちろんそのつもりだ」

フィアンマ「俺様の話をきちんと理解してもらうには長い前置きが必要になってしまうから、その本でサクッと予備知識のインプット済ませてもらっただけだ」

フィアンマ「俺様の素性、能力、経歴。そして……俺様の計画」

オリアナ「神の右席なんてものが本当に存在するなんて驚いたんだけど」

フィアンマ「火のない所に煙は立たぬ、だ」

フィアンマ「何かしら怪しい動きをしてしまったのだろうよ。先代だか先々代だか知らないがな」

オリアナ「……まあ、そうよね」

オリアナ「お兄さんが怪しい動きしたんじゃないの?」

フィアンマ「だから俺様はそんなに抜けていない」

492 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:47:05.51 zGlFmGq1o 412/549


オリアナ「……と、ふざけるのはこの辺にして」

フィアンマ「ふざけてたのか」

オリアナ「この計画って一体どういう事なのか説明してもらえるかしら?」

フィアンマ「そうだな。そこが今回の悩みの根本的な原因でもあるから詳しく説明してやる」

オリアナ「悩みならお姉さんとトリップして忘れちゃう?」

フィアンマ「……トリップしてもなくならないだろう」

フィアンマ「正直、迷っているんだからな」

オリアナ「迷ってる……?」

493 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:49:02.84 zGlFmGq1o 413/549


フィアンマ「本に書いてある通り、俺様には不完全な聖なる右が備わっている」

フィアンマ「それを完全なものにし、人間の悪性を敵として認識させることにより、絶対的な善の到来を目指すという計画だったろう?」

オリアナ「た、確かにそう書いてあったわ」

フィアンマ「だが、この二日ほどローマ正教を視察して回って思ったんだよな」

フィアンマ「こんな簡単に考えが変わるというのは恥ずかしいんだが……」

フィアンマ「この世界は俺様の求める平和とは程遠いが、平穏とは言えるのではないかと」

オリアナ「お姉さんには少し荷が勝ちすぎる話題ね」

フィアンマ「我慢しろ、難しい話をするつもりは全くないからな」

オリアナ「現時点でだいぶ小難しい話になってるけど」

フィアンマ「それは気のせいだ。本の内容をさらっと要約しただけだからな」

494 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:50:43.22 zGlFmGq1o 414/549


オリアナ「何と何で迷ってるの?」

フィアンマ「世界の平和と、この平穏の継続だ」

フィアンマ「俺様には世界を救う力があるのだから、そのために行動するのはもはや義務といっても過言ではない、と物心ついた頃から思っていた」

フィアンマ「しかし、こんな狭い世界でも思っていたより居心地が良かった」

フィアンマ「俺様の方法で世界を平和にしようとするとまず間違いなくこの平穏は崩れる」

フィアンマ「だから、どちらを取るべきなのか迷ってるのさ」

フィアンマ「俺様が裏でどう動くかによってローマ正教の命運も変わるだろうしな」

オリアナ「ひとつ言わせてもらうとしたら、今のお兄さんの気持ちはかなり平穏とやらのほうに寄ってるってことかな」

フィアンマ「ふむ……確かにその通りだな」コポポポ スッ

495 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:52:04.07 zGlFmGq1o 415/549


オリアナ「えー、ここで酒とかタイミング悪くない?」

フィアンマ「ふん、俺様はタイミングなんかに縛られる必要はないさ」クイッ

フィアンマ「ふう……世界を一個人で平和へと導けるのはおそらく俺様だけだろう」

フィアンマ「だから、俺様個人が平穏に寄っているからとはいえ、そっちを選んでいいわけではない」

オリアナ「つまり立場上平和を選ばなきゃならないけど、個人的には平穏を望んでいるってことか」

フィアンマ「まあ、そうだな」

フィアンマ「俺様の方法だと悪意を持っている人間は皆粛清対象だから平和と平穏は同時に成立しない」

フィアンマ「だから迷うんだ」

496 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:54:24.50 zGlFmGq1o 416/549


オリアナ「誰もそんな形での平和は望んでないんじゃないかと一応ローマ正教徒であるお姉さんは思うけど」

フィアンマ「望まれようと望まれまいと関係ないのさ、俺様の体にはそれをなすだけの力があるからやらないとならないというただの義務だ」

オリアナ「……その力を別のことに使うってことはできないのかな」

フィアンマ「……別のことだと?」

オリアナ「そう、平和ってのを別の見方で考えてみるってことかな」

オリアナ「平和を諦めるんじゃなくて、ちょこっとした平穏をたくさん作ることによって平和を目指す……みたいな?」

フィアンマ「……」

オリアナ「あー、やっぱりお姉さんこういうのは苦手かも」クスッ

オリアナ「酒入れても無理なもんは無理ねー」

497 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:55:35.35 zGlFmGq1o 417/549


フィアンマ「俺様の思う平穏には人間の悪意がついてまわっている。だから平和とは似て非なるものだ」

オリアナ「人間の悪意があっちゃダメなの?」

オリアナ「お兄さんの言ってる平穏は私が思う平和そのものだけど?」

フィアンマ「……」

オリアナ「でも……そんなに悩むなら、明日にでも皆に聞いてみればいいんじゃないかしら」

オリアナ「俺様は平和のために何をしたらいいかって」

フィアンマ「一々事情を説明しろと?」

オリアナ「ううん、その必要はないわ。ただ、それを聞くだけでいいの」

オリアナ「そしたら多分予想もしなかった回答の数々が届くと思うわん」

498 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:56:45.21 zGlFmGq1o 418/549


フィアンマ「予想もしなかった回答だと?」

オリアナ「そう。それを聞いたらきっとお兄さんの考えも変わるかもしれない」

オリアナ「これだけでいいのか、これが平和なのかってね」

フィアンマ「ふむ……まあ、やってみる価値はあるか」

フィアンマ「まずオルソラ辺りにでも聞いてみるか」

オリアナ「へぇ、オルソラちゃんね……」

オリアナ「お兄さんのお気に入りだっけ?」

フィアンマ「ぶふっ!!」ブシャッ

オリアナ「……」ポタポタ

499 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:57:43.69 zGlFmGq1o 419/549


オリアナ「あらら、お姉さんこんなふうに濡らされるとは予想してなかったわん」

オリアナ「お兄さんったらせっかちなんだから」

フィアンマ「確かに俺様も悪かったが、今回はお前にも非がある」

フィアンマ「オルソラのことは例に出しただけでお気に入りとかそういうのじゃない」イライラ

オリアナ(そこでイライラしちゃう辺り、図星だって言ってるようなもんだと思うけど……)

オリアナ(ってそんなこと言ったら余計話が面倒になっちゃうかしら)

フィアンマ「とりあえず……タオルで拭いておけ」ポイッ

オリアナ「む、これさっきまでお兄さんが使ってたやつじゃない」

オリアナ「お姉さんにマーキングしたいからってこれはちょっと……」

フィアンマ「それは未使用だ。使ったのはこっち」スッ

オリアナ「それはそれで残念ね。お兄さんのだったら使ったやつでも良かったんだけど」フキフキ

フィアンマ「さ、さすが卑猥人間は違うな」ドンビキ

500 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:59:08.22 zGlFmGq1o 420/549


オリアナ「とにかく、聖人のお兄さんでもヴェントさんでもアニェーゼちゃんでもいいから聞いてみるの」フキフキ

オリアナ「そうしたら、もしかしたら人間の悪性を敵としてお兄さんの力で屠る以外の方法が見つかるかもしれない」

オリアナ「……じゃないか。お兄さんの知識があればきっと何とかなるとお姉さんは信じたいわね」フキフキ

フィアンマ「さっきまで変態発言をしていたくせに急に真面目なことを……」

オリアナ「お姉さんはここの切り替えで相手を翻弄する戦法が得意なの」ウフ

フィアンマ「……はあ、別の考えが浮かべばいいと俺様も思うよ」

フィアンマ「そううまくいくものかとは思うがな」

オリアナ「ま、やってみるだけやってみればいいわ」

オリアナ「お姉さんだけじゃ何とも言えないしね」

501 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 05:59:57.88 zGlFmGq1o 421/549


フィアンマ「ふふ……少し気が楽になった気がする」

フィアンマ「付き合わせて済まなかったな」

オリアナ「いえいえ、参考になったなら良かったわん」

オリアナ「お兄さんを攻略できる日も近いかしらね」

フィアンマ「それは永遠にこないから」

オリアナ「厳しいこと言うわね」クスクス

フィアンマ「当然だ。俺様がこんな卑猥な奴の面倒を見きれる訳がないだろう」

フィアンマ「部下としても少々持て余してるのだからな」

502 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 06:00:58.08 zGlFmGq1o 422/549


オリアナ「あらら? たった一日半で持て余すとか言われると少しこっちも困るわね」

フィアンマ「仕方がないだろう、癖が強すぎる」

フィアンマ「さてと、タオルで拭くだけではベタベタするだろうし、シャワー使うか?」

オリアナ「そうねー。お兄さんの香りが残っていることに賭けようかな」

フィアンマ「寒気がするから変なことは言うな」

フィアンマ「そんなことばかり言うなら貸さないぞ?」

オリアナ「うそ、うそだから貸してください!」

フィアンマ「ふん、はじめからおとなしくそう言っておけばいいものを」

オリアナ「そこは仕方がないわ。そこはお姉さんの中に染み込んじゃってるものだから」

フィアンマ「矯正する気も失せるよな……」ハァ

503 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 06:02:07.48 zGlFmGq1o 423/549


オリアナ「それじゃあ、行ってくるわね」

オリアナ「お姉さんはシャワー中に入ってこられるのも歓迎だから覚えておいてね」

フィアンマ「はいはい。何でもいいからさっさと行け」

フィアンマ「お前が期待しているようなことをするつもりは全くないからな」

オリアナ「もう……強情ね。そういうのもお姉さん好きだけど」

フィアンマ「服は適当に修道服でも持って行け。まあそのベタベタな服が良ければそれでもいいが」

オリアナ「うう……あいにくだけどお姉さんもベタベタの服を着るような趣味はないの。ごめんね」

フィアンマ「冗談に決まってるだろう」

504 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 06:03:22.08 zGlFmGq1o 424/549


フィアンマ「何でもいいからさっさと入ってこい、風邪をひかれたら困るからな」

オリアナ「あら、心配してくれてるのかな?」

フィアンマ「訂正、風邪をひかれたら迷惑だからな」

オリアナ「その訂正は辛辣ねえ……」

フィアンマ「ま、ワインでも飲んで待っていてやるから、さっさとしろよ」

オリアナ「さっさとがしつこ過ぎよん。でもそろそろ本当に風邪ひきそうだから行ってくるわ」

フィアンマ「はいはい、いってらっしゃいませー」コポポポポ

クイッ

508 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:43:05.03 zGlFmGq1o 425/549


………………………………

オリアナ「ふー、気持ちよかったー」

オリアナ「なんだかんだ言って昨日はシャワー浴びれなかったから、すっきりしたわ」フキフキ

オリアナ「軽くお兄さんの香りもしたし」クスッ



オリアナ「お兄さーん、出たわよん?」ガチャ

フィアンマ「……」クークー

オリアナ「……寝てるみたい」

オリアナ「昨日もそうだけど、隙あらば寝てるわねえ……」

オリアナ「はぁ……お兄さんの方が風邪ひきそうだし……仕方がないか」

509 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:44:14.11 zGlFmGq1o 426/549


~~~少し前・アニェーゼの部屋~~~

アニェーゼ「ここが私の部屋です」ガチャ

インデックス「へえ、アニェーゼって一人部屋だったんだね?」

アニェーゼ「ええ。これでも一つの部隊まとめてんで」

インデックス「そ、そうなの!?」

インデックス「つまり、アニェーゼはお頭ってことなんだね」

アニェーゼ「まあ、そうなりますね」

インデックス「ほえー、フィアンマもアックアもアニェーゼもすごいんだね」

アニェーゼ「いやいや、あの二人と比べたら私なんて大したことねえですよ」

アニェーゼ「あ、ベット腰掛けてもらっていいですよ」

インデックス「うん、ありがとうね」ボフン

アニェーゼ「私は……ベッドで寝っ転がっちまいましょうかね」ゴロン

510 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:45:02.60 zGlFmGq1o 427/549


インデックス「ええ、アニェーゼもう寝ちゃうの?」

アニェーゼ「んなわけねーじゃないですか。お泊り会の恒例行事をまだ行ってないってのに」

インデックス「お泊り会の恒例行事?」

アニェーゼ「そうです、分かりますか?」

インデックス「分かった! 掃除でしょ!!」

アニェーゼ「不正解です」

アニェーゼ「お泊り会に来て掃除するってどーいうことです?」

インデックス「だってアニェーゼが掃除するなら来てもいいって言ったんでしょ」

アニェーゼ「あ……そういえばそんなこと言ってましたね」

アニェーゼ「あれは冗談です」

インデックス「冗談とかそういうのは言ってくれないと分からないんだよ!」ポカポカ

アニェーゼ「うわああ、すまねーです!」

511 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:45:46.98 zGlFmGq1o 428/549


コンコン

インデックス「あれ? 誰か来たみたいだけど」ポカ…

アニェーゼ(ふう、やっと止まった……)

アニェーゼ「ああ……多分、視察に付き添ってる間、部隊の方を任せてた二人組が報告にでも来たんでしょう」ムク

インデックス「へえ、アニェーゼがそんなに大事なものを任せるってことは信頼してる人ってことなのかな?」

アニェーゼ「ええ、まあ、ただの部下ではないんですよ」

アニェーゼ「しいて言うなら家族みたいな感じですね」

インデックス「家族かぁ……」

『早く開けてくださいよー』ドンドン

『ちょ、シスター・アニェーゼにも都合っていうものがあるんですよ……』

アニェーゼ「今開けるんで、ドア殴らねえでください!」タッ

512 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:48:17.54 zGlFmGq1o 429/549


ガチャ

アンジェレネ「こんばんわー」

ルチア「こんばんわ」ペコ

アニェーゼ「こ、こんばんわ」

アニェーゼ「……今日の報告なら明日でもよかったんですけど?」

アンジェレネ「……報告、ですか?」

ルチア「……ああ、それならちゃんとまとめてあるので安心してください」

アニェーゼ「はぁ……相変わらずこまけー仕事ぶりですね」

ルチア「任されたからにはきちんと仕事をこなさなければ……」

ルチア「そうでしょう? シスター・アンジェレネ?」

513 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/09 22:50:26.04 zGlFmGq1o 430/549


アンジェレネ「そうですけど、それよりも聞いてほしいことがあるんですよ」ボソ

アニェーゼ「何です?」

アンジェレネ「私が……任されたとか言って結構浮かれてましたよー、シスター・ルチア」コソ

アニェーゼ「へえ、そーなんですか」

アンジェレネ「あれ、あまり興味ないですか?」

アニェーゼ「正直そうですね。彼女はいつもそうですし」

ルチア「……? 何の話をしてるんですか?」

アンジェレネ「い、いえ、なんでもないですー!!」アセアセ

ルチア「?」

515 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:54:10.85 qbTpCIR90 431/549


インデックス「むー、いつまで話してるのかな……」ヌッ

アンジェレネ「あ! あなたが噂のインデックスさんですかー?」

インデックス「うん、そうだけど……どうして私のこと知ってるの?」ヒョコッ

ルチア「そちらの方が……思ったより幼いんですね」

インデックス「幼いとか失礼なんだよ!!」

ルチア「あ、ええ、ごめんなさい……?」

インデックス「うん、許してあげる」

アニェーゼ「あれ? 二人とも大して驚かねーんですね」

ルチア「ええ、私たちはインデックスさんに会おうと思って来たので」

インデックス「ええ?」

アニェーゼ「……ど、どういうことなんです?」

516 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:54:52.32 qbTpCIR90 432/549


アンジェレネ「フィアンマさんから聞いたんですよ」

アンジェレネ「インデックスというガキがアニェーゼのところに泊まるから、見かけたら優しくしてやってくれって」

アニェーゼ「はあ……なるほど」

インデックス「へえ、有能だね、フィアンマは」

アニェーゼ「だから何様なんですか」

インデックス「いんでっくすさまー」

ルチア「だからインデックスさんに会ってみようと思って押しかけたというわけです」

ルチア「迷惑でしたら帰りますが」

アンジェレネ(シスター・ルチア……スルースキル高すぎです……)

517 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:55:44.04 qbTpCIR90 433/549


インデックス「とりあえずここで立ち話もなんだし、入りなよ」

インデックス「お茶くらいしか出せないけどさ」

アンジェレネ「あ、はい! お邪魔しますねー」トテトテ

ルチア「それでは私もお邪魔します」スタスタ

アニェーゼ「なに勝手に許可してんですか!?」

インデックス「ダメだったの? それならごめんね」シュン

アニェーゼ「……い、いえ、私もここでずっと話してるつもりでは無かったんですが……」

インデックス「やったあ、それならノープロブレムだね」ニコ

アニェーゼ(文句は……言えねーですね)アハハ…

518 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:56:23.81 qbTpCIR90 434/549


インデックス「それで……恒例行事って何なの?」

アンジェレネ「恒例行事って何のですか?」

アニェーゼ「お泊り会ですよ」

アンジェレネ「お泊り会の恒例行事……」

アンジェレネ「分かります……?」チラ

ルチア「……うーん、私は予想も出来ませんね」クビカシゲ

アンジェレネ「分かりました! 枕投げですよね!!」

ルチア「なるほど……確かに定番中の定番ですね」ウンウン

アニェーゼ「ぶぶー。不正解です」

519 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:56:52.33 qbTpCIR90 435/549


インデックス「いい加減おしえてほしいかも」

アンジェレネ「ですよね。もう思いつきません―」

アニェーゼ「仕方ねーですね」

アニェーゼ「お泊り会恒例……恋バナ大会です!!」

インデックス「うおおおおお!!」

アンジェレネ「ふええええええ!!」

ルチア「はああああああああ!?」

520 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:57:31.45 qbTpCIR90 436/549


アニェーゼ「はいはい、三人ともいいリアクションありがとうございます」

インデックス「どーも、なんだよ」

アンジェレネ「どうもですー」

ルチア「こ、こ、恋バナってどういうつもりですか」

アニェーゼ「そのまんまですよ」

アンジェレネ「でも、男性の方と話す機会なんてそうそうないですし……」

アニェーゼ「う……そうですよね」ハァ

アニェーゼ「憧れだったんですけど……」

インデックス「それなら肝試しとかどうかな?」

インデックス「小麦畑の件は結局エリマキさんの仕業だったんだし」

521 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:58:05.02 qbTpCIR90 437/549


アンジェレネ「え、それってバチカンのはずれにある小麦畑の話ですよね!!」

インデックス「うん。夜な夜な怪しい人がよいしょよいしょ言いながら畑を耕してるって話だったよね?」

ルチア「通称、小麦の悪魔でしたっけ」

アンジェレネ「あれ? シスター・ルチアが噂を知ってるなんて珍しいですね」

ルチア「……その話は部隊の中でも相当有名なものですから、自然と耳に入ってくるんですよ」

ルチア「主にあなたから」

アンジェレネ「うう……」

ルチア「その話に進展があったってことですよね?」

アニェーゼ(シスター・ルチアがこの手の話に興味を持つなんて珍しいですね……)ホエー

インデックス「そうだよ。正体が判明したの」

522 : ◆7ZCsc/uaL. - 2016/05/11 20:58:45.94 qbTpCIR90 438/549


アニェーゼ「あ! それ以上言っちゃダメです」

インデックス「えー、なんでー?」

アニェーゼ「こういう話はタネが割れたらつまらねーじゃないですか」

アンジェレネ「こ、ここで止めちゃうんですか!?」

アニェーゼ「真相は自分の目でお確かめください」

ルチア「え……」

ルチア(寝れなくなってしまう!!)

ルチア「な、なら、確かめに行きませんか?」

ルチア「インデックスさんの言っていたエリマキさんというのも気になりますし」

525 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:24:36.06 tpbgaXPdo 439/549


アニェーゼ「べ、別に私は構いませんが、シスター・アンジェレネは大丈夫ですか?」

アンジェレネ「い、行きますよ!!」

アンジェレネ「こんなに積極的なシスター・ルチアを見れる機会なんてそうそうないんですから!!」

インデックス「決定だね」

アンジェレネ「ところで、門限を過ぎたここを抜け出す方法なんてあるんですか?」

アンジェレネ「確か強力な結界が張ってあるとかなんとか……」

インデックス「結界なら私が開けられると思うよ」

アンジェレネ「ええ!? この寮ができた時からずっと寮を守ってる結界ですよ?」

アニェーゼ「インデックスちゃんの頭ん中には10万3000冊の原典があるんですから」

インデックス「そうだよ!」フフン

526 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:25:06.79 tpbgaXPdo 440/549


ルチア「ああ、イギリス清教の禁書目録がインデックスさんということですか」

ルチア「ならば小麦畑まで行っても怖いものなしですね」

インデックス「……」コンワク

アンジェレネ「シスター・ルチア……? 深夜テンションなんですか?」

アニェーゼ「もう十一時回ってますし、仕方がねーですよ」

インデックス「あの……ルチア?」

ルチア「はい、なんですか?」

インデックス「すごく浮かれているところ申し訳ないんだけど、私は自分で魔力を練る事は出来ないから、魔術は使えないの」

ルチア「え……」

527 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:25:37.20 tpbgaXPdo 441/549


……………………………

ヒュオオオ

アニェーゼ「ふふふ、夜中の外出とかワクワクしますね」ニシシ

インデックス「うんうん! 背徳感が興奮を増幅させるよ」

ルチア「ほぅ……風が気持ちいいですね」

アンジェレネ「ほ、本当に窓から外出るんですか……?」

アニェーゼ「ええ。この時間に廊下へ出ると怪しまれますし、正面玄関から出るなんて無謀ですからね」

ルチア「まあ、腹をくくるしかないんです」

アンジェレネ「ううう……」

インデックス「大丈夫だよ。三階から落ちても打ち所が悪くなければ死なないから」

アンジェレネ「つ、つまり打ち所が悪かったら死ぬ!?」

インデックス「うん」

528 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:26:05.72 tpbgaXPdo 442/549


アニェーゼ「あんまり脅さないでやって下さいよ」

インデックス「いや、打ち所悪かったら死ぬのは本当だもん」

アンジェレネ「ええ!? やっぱりそうなんですかー」

ルチア「はあ、そんなに慌てることではないです」

ルチア「魔術で衝撃を和らげるんで」

アニェーゼ「そんな当然なことを改めて言う必要はねーですよ」

アンジェレネ「はあ……そういうことなら先に……」

アニェーゼ「……さすがにそこまで命知らずな真似は……」

インデックス「アンジェレネの心配も解消されたみたいだし、行こうよー」

アニェーゼ「そうですね」

529 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:26:37.79 tpbgaXPdo 443/549


アンジェレネ「ううう……」グルグル…

インデックス「うーん、楽しかったー」

ルチア「……シスター・アンジェレネ? 大丈夫です?」ユサユサ

アンジェレネ「うう……もう二度とやりたくないです……」

アニェーゼ「さっさと出ねーと見つかっちまいますよ」

インデックス「大丈夫だよ、もうすぐ出れるから」ブチブチ…

アンジェレネ「何してるんですか?」

インデックス「あれ、復活したんだね」

インデックス「特定の形に草を毟ることで、その部分だけ結界を無効化してるんだよ」

アンジェレネ「は、はあ……何が何だか理解できません」

530 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/12 17:27:06.01 tpbgaXPdo 444/549


インデックス「よし、これで出れるよ」

アニェーゼ「草毟るだけで結界を無効化するなんてすげーですね……」

インデックス「正しくは無効化ってより期間限定で通行可能な状態にしただけなんだけどね」

ルチア「期間限定ですか……?」

インデックス「この結界にはかなり強力な自動補修機能がついてるみたいだから」

アンジェレネ「ええ!? じゃあ早く出ないと!」

インデックス「アンジェレネはもう結界の範囲外に出てるから大丈夫」

インデックス「ほかの二人も出てるから心配いらないんだよ」

ルチア「……それでは例の小麦畑に行きますか!!」

アンジェレネ「お、おお!!」

533 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:04:34.32 6671j77no 445/549


………女子寮前………

カツカツ

オリアナ「さてと……」ヨイショ

オリアナ「さすがのお兄さんと言えども女子寮の視察までは出来てないはず」

オリアナ「女装までさせたんだからきっとバレずに入れる……はずよね」

オリアナ「万が一のことがあったとしても、お嬢ちゃんにもらったこの寮の鍵を見せれば……」

オリアナ「お兄さんも寝ているし」チラ

フィアンマ「くかー」

オリアナ「よし、行くか」タッ

534 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:05:18.47 6671j77no 446/549


ドンッ

オリアナ「え?」

オリアナ(こんなところに……敵!?)ズザッ

アンジェレネ「ひええええ!! すみませんすみません!!」ズザザザッ

オリアナ(……ん? 子供、シスターかあ……)ハァ

オリアナ(ブルって損したかな)

ルチア「黙りなさい、シスター・アンジェレネ」ペチペチ

ルチア「中の人間に聞こえてしまうでしょう!」

アンジェレネ「あうう、でも……」

535 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:05:46.80 6671j77no 447/549


オリアナ「あはは……ごめんね」

オリアナ「私も急いでて、あまり前を気にしてなかったの」

アンジェレネ「い、いえ、私が飛び出したから……」

オリアナ「それはお互い様。痛いところとかはないかな?」

アンジェレネ「す、すみません。大丈夫です」スック

オリアナ「そう、それは良かった」ニコ

アンジェレネ「……って、あなたは!」

オリアナ「あらら、気づかれちゃったかな」

ルチア「昨日の!?」

536 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:06:21.29 6671j77no 448/549


オリアナ「お久しぶり……って程でもないか」

オリアナ「とにかく、こんばんわ。可愛いシスターさんたち」

アニェーゼ「はぁ、こんなところで何やってんですか?」タタッ

アニェーゼ「それにこんな遅くに」

アンジェレネ「し、シスター・アニェーゼ!」

アニェーゼ「しー、バレちまいます」

アンジェレネ「す、すみません……」

オリアナ「お姉さんはこれからお世話になる部屋の見学に来ただけよん」

アニェーゼ「なるほど……」

537 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:07:15.28 6671j77no 449/549


アニェーゼ「確かにフィアンマさんにこき使われていたとすればこの時間でも納得ですが……」

オリアナ「そうそう。さすがのお姉さんでもあまりのハードスケジュールに足ががくがくなのよ」

アンジェレネ「足ががくがく?」

アニェーゼ「……あまりそういう発言はここではしねーでもらいてーんですが」

アニェーゼ「まだ幼いのもいるんですし」ジロ

オリアナ「あらら、そんなに睨まないでよ。ほんのジョークだから」

オリアナ「冗談も通じない女はモテないと警告はしておくわ」

アニェーゼ「そんなのこっちから願い下げですんで」

オリアナ「あら、つまらないなあ」

538 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/13 21:07:45.91 6671j77no 450/549


ルチア「し、シスター・アニェーゼ、この女は……」

アニェーゼ「あれ? フィアンマさんの報告書見せましたよね?」

ルチア「ああ……あの分厚い……」

アンジェレネ「お名前は何というんですか? あ、えっと、私はアンジェレネです」

オリアナ「あの不思議なお兄さんに雇われることになった、オリアナ=トムソンよん」

オリアナ「オリアナとでも呼んでね」

トテトテ

インデックス「はあ、はあ、待ってよぉー」

アニェーゼ「来た来た」

インデックス「私が結界破ってあげたのに、三人でさっさと出てきちゃうなんてひどいんだよ」ブー

アニェーゼ「あー、それは悪かったですね。私も見つかるのは勘弁なんで」

540 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/14 18:42:05.69 GZOuogMOo 451/549


オリアナ「……その白い子は一体?」

インデックス「インデックスだよ!」

オリアナ「ああ、イギリスの」

インデックス「うん、そうだけど……物知りなんだね?」

オリアナ「お姉さんだから」エッヘン

インデックス「へえ……お姉さんはすごいんだね」

オリアナ「ええ。お姉さんだから」

インデックス「へえ……お姉さんはすごいんだね」

ルチア「会話がループしそうな予感がするんですが」

アンジェレネ「既にハマりかけてますけどね」アハハ…

541 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/14 18:42:49.07 GZOuogMOo 452/549


オリアナ「ところで、あなた達こそこんな時間に抜け出し来てどうしたの?」

オリアナ「子供達は寝る時間よ」

インデックス「子供扱いしないで欲しいんだよ!」

オリアナ「じゃあ……家出でもしたい年ごろなのかな?」

インデックス「そんなことを尋ねるってことはもしかしてお姉さんは私たちの敵なのかな……?」

アニェーゼ「っ……そうかもしれねーですね」

オリアナ「あれ? これはやましい理由があると解釈してもいいのかな?」ザッ

インデックス「望むところ!」

ルチア「……そういうことは朝起きてからやってください。近所迷惑です」

インデックス「ふー、仕方ないなぁ」

オリアナ「仕方が無いわね」

543 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/14 18:43:26.70 GZOuogMOo 453/549


インデックス「……ん!?」クンクン

オリアナ「と、突然どうしたの?」

インデックス「近くにフィアンマの匂いがする」

アニェーゼ「匂いでわかるんですか……」

インデックス「いい匂いだからね」

オリアナ「ああ……お兄さんなら私の背中の上だけど……」

アンジェレネ(そこかしこに変態臭が漂ってますね)

インデックス「な!? なんでそんなところに!?」

オリアナ「もしかして……お兄さんの知り合い?」

544 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/14 18:43:57.18 GZOuogMOo 454/549


インデックス「私とフィアンマは兄妹の契りを交わした仲なんだよ!」

インデックス「ね、フィアンマ?」

フィアンマ「そんな契りを交わした記憶はないがな」ムク

オリアナ「あらら、起きちゃった」

アニェーゼ「な、なんですか、その格好は!!」

ルチア「まさかそんな女装で寮監目を欺いて女子寮に侵入しようと……」ブルブル

ルチア「け、汚らわしい!」

アンジェレネ「え? あれがフィアンマさんなんですか!?」

アンジェレネ「か、可愛い……」ポケー

545 : ◆E1giTRkk1Cov - 2016/05/14 18:44:35.88 GZOuogMOo 455/549


フィアンマ「……何を言ってるんだ、お前たちは?」

四人「……」ジー

フィアンマ「……む? ここは女子寮の前か」

フィアンマ「ってオリアナ!? 何してるんだ!!」

フィアンマ「なんなんだ、この状況は!」

アニェーゼ(もしや、自分の惨状に気づいてない?)

インデックス「えっと……とりあえず鏡貸してあげるね」スッ

フィアンマ(この時のことは一生忘れないだろう……鏡にはとても可愛い女の子の顔が写っていたんだ)

フィアンマ「な、なんだこれは!!!!!!!」


続き
フィアンマ「ローマ正教内部を見学しようと思うのだが……」【後編】

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