1年生の夏休みが終わり
サターニャ「忘れてた!!」
ヴィーネ「急にどうしたのよ」
サターニャ「ガヴリール駄天編よ!夏休みの宿題のとき結局教えてもらってないじゃない!」
ラフィエル「ああ……サターニャさん、結局問題が解けませんでしたからね」
サターニャ「い、いいじゃない別に!それより教えなさいよ、どうしてガヴリールがここまで変わったのか!」
元スレ
ガヴリール「ガヴリール駄天編」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1504787691/
2 : 以下、\... - 2017/09/07 21:35:28.610 hsPyuGUk0 2/62過去作
ヴィーネ「エンジェル活動……女児向けアニメかしら?」
http://ayamevip.com/archives/50293426.html
ガヴリール「ガヴリールvsガヴリール」
http://ayamevip.com/archives/50501413.html
ラフィエル「あー……」
ヴィーネ「ラフィエルは知ってるの?」
ラフィエル「当時ガヴちゃんとは時々会って話は聞いていましたので、だいたいの内容は知っています」
ヴィーネ「そう……」
ヴィーネ「あのねサターニャ、前も言ったけどこの話は思い出したくないというか少し話しづらいというか……」
ガヴリール「いや、話そう」
ヴィーネ「ガヴ……」
ガヴリール「あれから半年くらい経つ。いい機会だしサターニャにも話してやろう」
サターニャ「ずいぶん偉そうね……まあいいわ、聞かせなさい!」
ガヴリール「入学前にヴィーネと知り合ったところまでは話したな」
ガヴリール「これから話すのはその続きだ……」
回想
ガヴリール「それー♪」
回復!回復!回復!
プレイヤー1『ありがとうございます天使様!』
プレイヤー2『あなたが神か!』
ガヴリール「聖天使の杖はすごいですね、買って正解でした!」
ガヴリール「私が天使であることがばれてしまったと思いましたが、比喩だったんですね」ホッ
ガヴリール「それにしても、このゲームでは何をすればよいのでしょうか」
ガヴリール「ただ他のプレイヤーの方をサポートするだけのゲームではないはず……」
女勇者『ねぇ、あなた初心者だよね。サポートばっかしてて楽しい?』
ガヴリール「は、話しかけられてしまいました……」アセアセ
ガヴリール「ええっと、『私は始めたばかりの初心者です。もしよろしければ教えていただけませんか?』っと」
女勇者『ずいぶん丁寧な天使さんだね。いいよ、教えてあげる』
ガヴリール「なんて親切な方でしょう!ありがとうございます!」
それがあの子との出会いだった
ゲーム教えるの上手でさ、どんどんゲームにつぎ込む時間と金が増えていった
連絡先も交換して、ゲームに関係ない話もするようになって、ヴィーネとはまた違った形でできた大切な友達だった
現実世界で会って遊んだりしてさ。いろんな遊びを知ってる子だった
待ち合わせ場所
ガヴリール「ネットで出会った人と会うなんて緊張しますね……「おーい!」」
女の子「もしかしてあなたがガヴリールさん?」
ガヴリール「は、はいそうです!女勇者さん……ですよね?」
女の子「そ、よろしくね!」
女の子「てか、めっちゃかわいいね。本当に天使みたい……」
ガヴリール「そ、そんなことないですよ……?」
ガヴリール「それより、早く遊びに行きましょう!」
ゲームショップ、アニメイト、電気屋……いろんなところに行ったな
暗くなるまで遊んでた
ガヴリール「一日中歩き回ると疲れますね……」
女の子「ゲームばっかしてると体力落ちるからね……ガヴちゃんも気をつけたほうがいいよ……」ゼェゼェ
ガヴリール「そろそろ解散にしますか?」
女の子「待って、最後に」
ゲームセンター
ガヴリール「見たことないゲーム機がいっぱい……!」キラキラ
女の子「やっぱゲーセンも知らなかったか」
女の子「ここの格闘ゲームは私のお気に入りでさ、ちょっと遊んでいこうよ」
ガヴリール「はい!」
K.O.
ガヴリール「す、すごいです。素人目に見ても上手だということが伝わってきます……」
ガヴリール「まるで一方的な蹂躙です……!」
女の子「あはは、ありがと」
女の子「ここで開催されるゲームの大会で何度か優勝してたからちょっと自信あるんだ」
ガヴリール「優勝!?すごいですね!」
女の子「それでさ、今度の大会一緒に出ない?」
ガヴリール「わ、私がですか!?無理です無理です!」
女の子「大丈夫大丈夫、丁寧に教えるから、ね?」
ガヴリール「で、では私でよければ」
女の子「よし、決まり!」
女の子「今日は楽しかったよ!また遊ぼうね」
ガヴハウス
ガヴリール「っていう流れで、最近友達ができたんですよ!」
ヴィーネ「よかったじゃない!」
ヴィーネ(ちょっと部屋が散らかってきたけど、まあ気にするほどじゃないわよね……)
ガヴリール「ヴィーネも一緒に来ませんか?」
ヴィーネ「私はいいわよ。ゲームとかよくわからないし、大会の練習の邪魔しちゃ悪いし」
ヴィーネ「それよりガヴ、そろそろ敬語やめてみない?」
ガヴリール「え、私天使ですよ!?」
ヴィーネ「いや天使関係ないし……どうせその人とも敬語で話してたんでしょ?」
ガヴリール「ええ、まぁ……」
ヴィーネ「せっかく友達同士なんだから、タメ語でいいわよ!」
ガヴリール「わ、わかりま…………ふぅ、わかったよ、ヴィーネ」
ヴィーネ「かわいいのう♪」
ガヴリール「もうっ///」
それからあの子とは何度か遊ぶ機会があった
ゲームセンター
ガヴリール「ええええええい!」
女の子「その攻撃は隙がデカいからやめたほうがいいよ」
ガヴリール「あっ……」
YOU LOSE!
女の子「でもだいぶ上手くなってきたね」
ガヴリール「師匠のおかげだよ?」
女の子「そんな師匠だなんて……あっ!」テレテレ
ガヴリール「?」
女の子「ごめん!この後病院行かなきゃいけないんだった!」
ガヴリール「病院?大丈夫なの?」
女の子「まあただの定期検診なんだけどね」
ガヴリール「そっか、よかった!」
女の子「そういえば敬語やめたんだね」
ガヴリール「!」
女の子「なんか接しやすくなった!」
女の子「今日は楽しかったよ!またね!」タッタッ
ガヴリール「……♪」
ガヴハウス
ガヴリール「上手くいった!ヴィーネのおかげだよ!」
ヴィーネ「やっぱり敬語じゃないほうがいいでしょ?」
ガヴリール「ゲームも上達してきたし、最近楽しいなぁ……!」
ヴィーネ「ねぇ、ガヴ……」
ガヴリール「なに?」
ヴィーネ「……最近ちょっと部屋が散らかってきてない?」
ガヴリール「あー……ま、大丈夫だよ!」
ヴィーネ(あれ、もしかして堕落しかけてる……?)
ヴィーネ「本当?天界の成績落ちたり天使の力が弱まったりとかはしないの?」
ガヴリール「堕天使に近づくほど天使の力は弱まるけど、私なら大丈夫でしょ!」
ガヴリール「天界学校主席だし!ヴァルハラ王国で人類救ってるし!」
ヴィーネ(あっ、ダメなやつだわこれ)
ヴィーネ(なんとかしなきゃいけないけど、天使を助けていいものなのか……)
ピロロロロロ
ガヴリール「あっ、LINEだ」タプタプ
女の子『ごめん、入院することになったからしばらく遊べないかも』
ガヴリール「…………えっ?」
病院
ガヴリール「大丈夫!?」
女の子「ごめんごめん、びっくりさせちゃったね」
ガヴリール「もしかしてこの間の……」
女の子「そう、持病があってさ。騙し騙しやってたけどついに検査で引っかかっちゃって」
女の子「病院はゲーム禁止だし、退屈だぁー!」
女の子「うっ……げっほげっほ」
ガヴリール「ダメだよ安静にしてなきゃ」
女の子「私が死ぬときはガヴちゃんみたいな天使に迎えにきて欲しいかな」
ガヴリール「そういう洒落は言っちゃダメ」
ガヴリール「天は自ら助くる者を助く、だよ?」
女の子「何それ?」
ガヴリール「地元の格言」
女の子「なんか天使っぽいね」
そうやってしばらく雑談してた
ガヴリール「じゃあ、また来るね」
女の子「うん、ありがとう」
ガヴリール(天使の加護を使うのは天界の掟で禁止されているし)
ガヴリール(どうしよう……)
診察室前
ガヴリール「うーむ……」スタスタ
「……ですので……外出……安静……」
「はい……はい……」
「……さんには……手術を……」
ガヴリール「ん?」ノゾキミ
ガヴリール(さっき聞こえた名前、あの子のだよね……)
ガヴリール(先生と向かい合ってるのは、両親かな?)
ガヴリール(……嫌な予感がする)ドキドキ
医者「……さんはいつ容態が急変してもおかしくありません」
ガヴリール「」
医者「そのときは……」
母親「はい……」ポロポロ
父親「……」
ガヴリール「…………嘘」
それから私はほとんど毎日あの子のところに通った
話を合わせるためにゲームもたくさんやった
学校にもだんだん行かなくなってヴィーネが心配してたけど、気にしてられなかった
でも、どんどん弱っていくあの子を見るのは辛かった
女の子「ごめんね、ガヴちゃん……こんな姿で……」
ガヴリール「謝らないで、私は大丈夫だから」
あの子がいなくなったらどうしよう
天使の加護を使うのは掟破りで下界に居られなくなる、でも使えばあの子は助かる
そんなことばかり考えていたら毎朝起きるのが嫌になって、更に学校も休みがちになっていった
気を紛らわせるようにゲームをしていても前みたいに楽しめない
でも、あの子との約束のために大会に向けたゲームの特訓は欠かさなかった
時々ヴィーネやラフィエルが来てくれるけど、心配させるのが嫌だったから娯楽に溺れた天使のふりをしていた
そんなある日
ガヴリール「お見舞いに来たよ……!?」
病室にあの子はいなかった
私は焦った
ガヴリール「あの……!!」
看護師「ああ、あの子は今手術中だよ」
ガヴリール「そ、それって、容態が良くないってことですよね……?」
看護師「まぁ、そうだね…………」
ガヴリール「っ!」ダッ
手術室前
母親「神様……お願いします……!」
父親「大丈夫だ……!」
真剣に神に祈ってる
そんな両親を見てたら掟なんか気にしてた自分がバカらしくなっちゃってさ
空き部屋みつけてすぐに祈りを始めたよ
ガヴリール「絶対に助ける……!」
時間も忘れて祈ってたっけか
そしたら寝落ちしちゃってさ
「……ゃん」
「……ヴちゃん」
女の子「ガヴちゃん!」
ガヴリール「…………はっ!」ガバッ
ガヴリール「ね、寝てた……」
女の子「ガヴちゃんって本当に天使さんだったんだね」
女の子「私のために祈っててくれたよね?」
ガヴリール「……いや、ちがうよ?天使じゃないよ?」
ガヴリール「ていうか、もう大丈夫なの!?」
女の子「うん、ありがとう」
ガヴリール「よ、よかった……」ホッ
女の子「早速だけどさ、私と勝負してよ!」
女の子「負けた方が勝った方のいうことを一つ聞く、っていうルール付きでね♪」
ガヴリール「いきなり!?」
女の子「ダメ?」
ガヴリール「ううん、復帰祝い試合だね!受けて立つよ」
ガヴリール「今の私は強いよ?」
ガヴリール「いざ!」
ガヴリール「1ダメージも与えられなかった……」ションボリ
女の子「ふふ、実力を見誤ったね」
女の子「でも本当に強くなった」
女の子「よっぽど練習したんだね……学校はちゃんと行ってた?」
ガヴリール「……」
女の子「あっ……ふーん」
ガヴリール「いや、時々行ってたからね?」
女の子「はぁー……」
ガヴリール「と、ところで私は何をすればいいの?」
女の子「そうだね」
女の子「私の部屋の押入れの奥に今まで集めたゲームの資料があるの」
女の子「それを読んで練習して、サクッと大会で優勝して来て欲しいの♡」
ガヴリール「きっつ!」
女の子「大丈夫大丈夫、ガヴちゃんならできる!」
ガヴリール「まあ、師匠のお墨付きだし、頑張ってみようかな……」
ガヴリール「というか、あなたは出ないの?」
女の子「かわいい弟子兼友達に勝ちを譲ってあげるって言ってるの」
女の子「頼んだよ」
ガヴリール「ええ……」
女の子「今日は楽しかったよ!じゃあね!」
ガヴリール「あっ、ちょっと!」
ガヴリール「…………はっ!」ガバッ
ガヴリール「ね、寝てた……夢?」
ガヴリール「ってここ、控え室じゃん。祈ったまま寝落ちしたの……か…………」
ここで何が起こったか、これからどんな光景を目にするか、何となく予想がついた
急いで部屋を出てさ、病院なのに走っちゃったよ
ガヴリール(お願い待って、間に合って!)
ガヴリール(病室……どこだっけ!?)
ガヴリール(ここだ……!)
ガラッ
ガヴリール「はぁ、はぁ…………!」
母親「うっ、ぐすっ……」ポロポロ
父親「……」ポロポロ
そこには安らかな顔で眠るあの子がいた
それからのことははっきりとは覚えてない
あの子の顔を見て、両親にお見舞いについてのお礼をされたっけか
頭が真っ白だったけどなんとか家に帰って
ガヴリール「もう、どうでもいいや」
私の引きこもり生活が始まった
学校
ヴィーネ『最近学校来てないけど、大丈夫?』
ヴィーネ「返事がない……心配ね」
サターニャ「どうしたのよヴィネット」
ヴィーネ「入学前にできた友達が不登校になっちゃって」
サターニャ「ああ、あの……ガヴリールだっけ?」
ヴィーネ「そう」
サターニャ「確か、いかにも天使って感じの奴よね」
サターニャ「あんた、天使に引き込まれるんじゃないわよ?」
ヴィーネ「そういうサターニャは友達できた?」
サターニャ「私は孤高の大悪魔よ?友情ごっこなんぞ必要ないわ!なーっはっはっは!」
ヴィーネ「はいはい……」
ヴィーネ(ガヴの家に行ってみよう)
ガヴハウス
ヴィーネ「ガヴリール?いるの?」ピンポ-ン
ヴィーネ「物音一つしないわね」
ヴィーネ「でも中から天使の気配はするし、いるわよね?」
ヴィーネ「ガヴー?悪いけど合鍵作ったから勝手に上がらせてもらうわよー?」ガチャ
グチャァ
ヴィーネ(うわ、汚い部屋……)
ガヴリール「……」ボ-
ヴィーネ「やっぱりいるじゃない!心配したのよ?」
ガヴリール「………………ゔぃーね?」
ヴィーネ「髪もボサボサじゃない。部屋は片付けてあげるから、お風呂入って来なさい!」
ガヴリール「……」プイッ
ヴィーネ(様子がおかしい)
ヴィーネ(食器とかゲーム機とか、普段使いそうな物にもホコリが積もってる)
ヴィーネ(もしかして、ずっと同じところでボーっとしてた?)
ヴィーネ「……」
ヴィーネ「ガヴ、何があったの?」
ガヴリール「……」
ヴィーネ「あの友達と何かあったのね?」
ガヴリール「…………」
ヴィーネ「入院したってとこまでは聞いてるわ」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……助けられなかった」
ヴィーネ「それって……」
ガヴリール「祈ったけど、ダメだった」
ガヴリール「私が堕落したせいだ」
ヴィーネ『天使の力が弱まったりとかはしないの?』
ガヴリール『堕天使に近づくほど天使の力は弱まるけど、私なら大丈夫でしょ!』
ヴィーネ(あれか……)
ヴィーネ「ガヴ、別にあなたが悪いわけじゃ……」
ガヴリール「……」
ヴィーネ(ガヴリール……)
ヴィーネはしばらく黙って私の隣に座ってた
そして
ギュッ
ガヴリール「……!」
ヴィーネ「人間界の娯楽ってすごいわよね。私も最近少女漫画にハマっちゃって夜更かししちゃった」
ヴィーネ「そしたら次の日いつの間にか授業中寝てて、グラサンに怒られちゃって!」テヘペロ
ヴィーネ「誰だってだらけちゃうことくらいあるわよ」
ヴィーネ「……だからねガヴ、あんまり自分を責めないで?」
ヴィーネ「無理に学校行けとも、掃除しろとももう言わない」
ヴィーネ「ガヴが元気でいてくれたら、私はそれでいいわ」
ヴィーネ「いつまでも落ち込んでても、その子も安心してガヴを見てられないわよ?」
ヴィーネ「今日は一緒に泣いてあげる」
ヴィーネ「だから全部吐き出して、スッキリしましょう?」
ガヴリール「…………」
ヴィーネ「遠慮しないで」
ガヴリール「……………………」ポロポロ
その日はずっと泣いてたな
二人で泣いて泣いて、私はスッキリして元気になったけど、それを見て安心したヴィーネがまた泣き出しちゃって、そしたら私ももらい泣きしちゃって、無限ループみたいになってたな
最終的には二人とも疲れて寝ちゃったんだよな
翌朝
ガヴリール(うわ、目ぇ真っ赤……)
ガヴリール(そういえば、押入れの資料を私に託すとか言ってたな)
ガヴリール(あの子の残した遺志は私が継ぐ)
ガヴリール「ヴィーネ、あの子の家に行ってくる」
ヴィーネ「ふああ……わかった。じゃあ私は掃除でもして待ってるわ……」
ガヴリール「サンキュー」
女の子の家
ピンポ-ン
母親「はーい……あら」
ガヴリール「ども」
母親「……私が言うのも何だけど、大丈夫だった?相当落ち込んでたように見えたけど」
ガヴリール「もう大丈夫っす。それで、あの子の部屋見せてもらえませんか?」
母親「いいわよ、上がって」
女の子の部屋
ガヴリール(押入れの一番奥……ほ、本当にあった)
ガヴリール「これが集めた資料……すごい量だ……それと、コントローラー?」
母親「それはあの子がいつもゲームの大会で使ってたものね」
ガヴリール「!」
母親「あの子に言われたのよね?いいわ、持って行って」
ガヴリール「すみません、ありがとうございます」
母親「あの子病気持ちで元気無かったけど、同じ趣味の友達ができてから心は元気になっていって」
母親「最期には「とっても楽しかった!」って、いい笑顔だったわ」
ガヴリール(自分が死ぬことを受け入れてたのか……)
ガヴリール(自ら助かろうとする者にのみ天は味方する)
ガヴリール(私の祈りが届かなかったのはそういうことか)
ガヴリール(だからといって私の罪が軽くなるわけではないが)
母親「あの子と友達でいてくれて本当にありがとう」
そう言って深々と礼をされてしまった
ガヴリール「……うっす」
胸が痛かった
それから一週間、私は死ぬほどゲームをしてた
ヴィーネには悪いけど、あの子のために世間体を捨てて学校にも行かず大会に向けて特訓してた
そして大会当日
私は自分でも驚くほど強くなってた
対戦相手「う、嘘だろ!?」
資料に書いてたことをこなすだけでどんな相手にも対処できた
対戦相手「1ダメージも与えられねぇ!」
天才ゲーマーの再来なんて言われたよ
そんな風に呼ばれてた師匠ってすげぇ
そして決勝戦
対戦相手「キエェェェェェェ!!!」
ガヴリール(ああ、師匠に一番最初に教わったコンボだこれ……)
思い出したらちょっと視界が霞んで焦ったけど、こんな攻撃は今の私には当たらない
ガヴリール「その攻撃は隙がデカいからやめたほうがいいよ」
対戦相手「キョエェェェェェェ!?」
YOU WIN!
私の優勝で大会が終わって会場を出たらヴィーネが迎えに来てくれててさ、安心したら涙が止まらなくなって大変だったけど、ヴィーネは優しく受け止めてくれた
ヴィーネには頭が上がらないな
優勝トロフィーを持って二人で墓参りに行って、結果を報告した
いい結果を報告できてよかった
こうして私とあの子の一件に決着がついた
それからはあの子にオススメされたゲームをする日々だったかな
だらしなさに拍車がかかったね
大会後も堕落した生活を少し続けてたけどだんだんヴィーネが厳しくなり始めてな
こうして私の下着が高校デビューした日に続くわけだ……
回想終わり
ガヴリール「……とまあ、ガヴリール駄天編はこんな感じだ」
サターニャ「ガヴリ"ール"ぅぅぅぅ!!!」メソメソ
サターニャ「あんたに、あんたに……ぞんな"づらい過去があ"っだなんでぇぇぇぇぇぇ!!」ビエ-
ガヴリール「うわっ、流石に泣きすぎだろ!」
ラフィエル「サターニャさんは心が綺麗な方ですからね」
サターニャ「ブゥゥゥン!」ハナカミ
ヴィーネ「ほら、もうすぐ着くわよ」
墓地
ラフィエル「ここが……」
ガヴリール「ああ、ここにあの子が眠ってる」
ガヴリール「久しぶり、しばらく来られなくてごめんな?」
ガヴリール「今日は学校の友達を連れてきたよ」
ガヴリール「…………あなたがいなくなってからずっと後悔と自責の念に駆られていました」
ガヴリール「でも、もう悩むのは終わりにします」
ガヴリール「もし今後あなたのように苦しんでいる方がいれば、迷わず助けることをここに誓います」
サターニャ(普段不真面目な奴が真面目な一面を見せる……泣きそうだけどこらえなさい私!!)プルプル
ガヴリール「半年後にまた大会があるけどさ、サクッと優勝してくるよ」
サターニャ(楽しそうに話してる……)
サターニャ「ね、ねぇ……あのガヴリールが何であんなに素直なのよ」ボソボソ
ラフィエル「綺麗な心で敬意を持って接したいくらい大切な人なんですよきっと」ボソボソ
サターニャ「そんなのズルいじゃないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!ナミダドバ-
ガヴリール「おい聞こえてるぞ」
サターニャ「ぐすっ、本当に優勝できるの?ずいぶん自信あるみたいだけど」メソメソ
ヴィーネ「私は実際に見たことあるけど、素人が見てもわかるくらいすごいわよ」
ヴィーネ「試合じゃなくて、一方的な蹂躙と言うのが正しいかもね」
サターニャ「一方的な……じゅうりん……!」ゴクリ
ガヴリール「今日はもう帰るよ。また来るからよろしくな」
ガヴリール「さて、用も済んだことだし」
ガヴリール「行きますか」
終わり
エンディング
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