ガヴ(あれ?私いつの間に寝てたんだ…? ここは…私の家か?)
ガヴ「ん? なんか隣にいる…」クルッ
聖ガヴ「……」スヤスヤ
ガヴ「…へ?」
ガヴ「ええええええええぇええええええぇぇぇぇぇ!?」
聖ガヴ「ひゃああ!?何ですか誰ですか!?」
聖ガヴ「え!?私!?」
元スレ
ガヴリール「反転世界?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1504433501/
ガヴ「お前誰だ!?なんで私の家にいるんだ!?」
聖ガヴ「あなたこそ誰ですか!?ここは私の家ですよ!?」
ガヴ「え?」
ガヴ「言われてみれば…私の家こんなに片付いてないな…」
聖ガヴ「分かってくれたようでなによりです…で、あなたは誰ですか?」
ガヴ「私はガヴリールっていう…」
聖ガヴ「え?私もガヴリールって名前なんですけど…」
ガヴ「は?」
ガヴ「…お前は天使か?」
聖ガヴ「はい」
ガヴ「じゃあ、通ってる高校は…」
………
ガヴ「どうやら私たちは同一人物らしいな…」
聖ガヴ「でもどうしてこんなことに…分裂か…別世界とかでしょうか?」
ガヴ「別世界…あっ!」
数刻前
サターニャ「今こそこの魔界通販で買ったアイテムを試す時!ガヴリール!勝負しなさい!」
ガヴ「お前まだあそこ使ってるのか…」
ヴィーネ「サターニャも懲りないわよね…」
ラフィ「そこがサターニャさんの面白…いいところでもあるんですけどね」
ラフィ「さて、今日はどんな面白いものをみせてくれるのでしょう?」
サターニャ「そう言っていられるのも今のうちよ!今日のは本当にすごいんだから!」
サターニャ「なんと!別世界の自分を呼ぶことが出来るのよ!私と別世界の私でコテンパンにしてあげるわ!なーはっはっはっは!!」
ガヴ「…どうやって?」
サターニャ「それはもちろん…あれ?どう勝負すればいいの?」
ガヴ「お前…勝負仕掛けるなら方法ぐらい考えてこいよ…」
サターニャ「ううう…とにかく!別世界の私!カモン!」
ポチッ
バチバチバチッ
サターニャ「あれ?なんか様子が…」
ガヴ「!? サターニャ!危ない!!」
ドンッ
サターニャ「へっ?」
ガヴ「うわあああああああ!!」バチバチバチ
シュン
サターニャ「嘘…そんな…」
ヴィーネ「ガヴが…」
ラフィ「消えてしまいました…」
聖ガヴ「つまり…あなたはその機械の故障に巻き込まれてこっちに来てしまったということですか?」
ガヴ「ああ、思い出した。ショックで記憶が飛んでたみたいだ…」
ガヴ(ここは…私が駄天しなかった世界ってことか?)
ガヴ「ああでもどうするかな…これ帰れるのか私?」
ガヴ(魔界通販で同じアイテムを頼んでもらうか…? いや、それでも元の世界に戻れる保証が…)
聖ガヴ「元の世界に戻る方法なら、多分ありますよ」
ガヴ「本当か!?」
聖ガヴ「はい、少々大変ですが…」
ガヴ「大変?」
ピピピピピピ
聖ガヴ「あ、もうこんな時間ですね…学校に行く準備をしないと…」
聖ガヴ「あ、あなたも来てくださいね」
ガヴ「は? 学校にか!?」
聖ガヴ「はい、あなたを元の世界に戻せそうな方が学校にいるので…これをどうぞ」
ガヴ「これは?」
聖ガヴ「認識阻害装置です!これを持っておけばあなたは人間には存在を確認することが出来なくなるんですよ」
ガヴ「へぇ、こっちの世界には便利なものがあるんだな」
………
聖ガヴ「さて、準備もできましたし、学校へ行きましょう!」
ガヴ(しかし…私を元の世界に戻せそうな奴って誰だ…?)
通学路
ガヴ「なぁ…こっちの道って学校には遠回りになるんじゃないか?」
ガヴ(というよりこの道って…)
聖ガヴ「あっ!すいません…ちょっと寄らなければいけない所がありまして…」
………
聖ガヴ「ここのアパートに用があるので、ちょっと待ってていただけますか?」
ガヴ「ここって…」
ピンポーン
聖ガヴ「ヴィーネさーん、学校行きますよー」
ガヴ(やっぱりヴィーネが住んでたか…)
ガヴ「しかし…私がヴィーネを迎えに行くとか新鮮だな」
聖ガヴ「あなたの世界では迎えに行ってないんですか?」
ガヴ「だってあいつ朝6時とかに起きるだろ、あいつが迎えに来ることはしょっちょうだけど、私から迎えにいくことなんて…」
聖ガヴ「…今、なんと?」
ガヴ「いやだから、あいつ朝6時に起きてしっかり準備してるから私が迎えにいくことなんてほとんどないって」
聖ガヴ「…別世界の私、今から見るものは信じられないものかもしれませんが…ショックを受けないでくださいね」
ガヴ「え?なにかあんの?」
聖ガヴ「…見ればわかります」
ガチャ
ガヴ「…なっ!?」
私が見たもの…それは…
ヴィーネ「ぐがー、ぐがー」
私の家並みに散らかっている部屋の真ん中で、腹を出しながら床で寝ているジャージ姿のヴィーネだった…
ガヴ「なんじゃこりゃあああああああああああああああ!!」
ヴィーネ「んあ?」
聖ガヴ「ヴィーネさん、学校行きますよ?」
ヴィーネ「んあー、ガヴ…?」ポヘー
ヴィーネ「今日…学校休む…おやすみ…」グダッ
聖ガヴ「駄目ですよ!起きてください!」ユサユサ
ヴィーネ「うあー」ユサユサ
ガヴ「これ本当にヴィーネ?」
聖ガヴ「はい…こちらの世界の」
ガヴ(ものすごくシンパシーを感じる…)
ヴィーネ「あれ? ガヴいつの間に二人に増えたの?」
聖ガヴ「違いますよ、こちらは別世界のわたしです。詳しい説明は後で…」
ヴィーネ「あー今度はそうきたか…」
ガヴ(今度?)
聖ガヴ「ところでヴィーネさん…また夜遅くまでゲームしてたんですか?…この前ほどほどにするって言ったのに…」
ヴィーネ「いやーなんかボス倒したら興奮しちゃってさ…で、この興奮が冷めないうちに次のステージをやりたくって…」
ガヴ「あー、わかるわそれ…次はどんなのがあるか気になってついつい続けちゃうんだよな」
ヴィーネ「話が分かるじゃない別世界のガヴ!良かったら次のステージ協力プレイでやらない?」
ガヴ「おっ!いいねえ私もちょうどこのステージ前だったし」
ヴィーネ「ならぜひ…」
聖ガヴ「はいはい続きは学校終わってからですよー」
ヴィーネ「…こっちのガヴのいじわる」グスン
ガヴ(なんかすっげえ違和感…)
学校
ガヴ「で、学校来たけど…元の世界に戻せる奴っていうのは…」
聖ガヴ「もうすぐ来ると思うんですけど…」
ヴィーネ「あっ、来たわ」
サターニャ「ガヴリール!ヴィネット!おはよう!」
ガヴ「は? サターニャ?」
聖ガヴ「はい! サターニャさんならあなたを元の世界に戻せると思います!」
ガヴ「…まじで?」
サターニャ「話はこっちの世界のガヴリールから聞いてるわ!この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルに任せなさい!」ドヤァ
ガヴ(…おいおいすごい不安になってきたんだが)
サターニャ「じゃあまずこの世界に来た時に使った機械の特徴と、起きた現象について教えてもらえる?」
ガヴ「え? ああ…確か…」
………
サターニャ「よし、方法は特定できたわ!」
サターニャ「おそらくその機械はこちらで言うサタニキアの第7世界線移動式を技術に用いたものね!」
ガヴ「…今なんと?サタニキアの?移動式?」
聖ガヴ「サターニャさんは魔界でも有名な天才学者で、いくつもの法則と魔術式を導き出しているんですよ」
サターニャ「世界線移動もその一つよ!ちなみにその認識阻害装置も私が作ったのよ!」
ガヴ(まじかよ!学校のテストすら危うい あ の サターニャが!?)
ヴィーネ「その分色々やらかしてるんだけどね…この前はガヴが分裂したり私が100体に増えたり」
ガヴ(それで妙に対応が慣れてたのか…)
サターニャ「実験に失敗はつきものよ!」
聖ガヴ「この前バルバトスとか3柱の悪魔を同時召喚した時は世界が終わるかと思いました…」
ガヴ「それ魔界すら追放されるレベルじゃ…」
ヴィーネ「事の発端もサターニャだけど、解決できるのもサターニャなのよ…」
ガヴ「よりタチが悪いな…」
サターニャ「あの時はさすがに悪いと思ったわよ!」
ガヴ「で、私は元の世界に戻れるのか?」
サターニャ「ええ!その機械は今の世界線の値のいくつかに乱数を発生させてランダムな世界に飛ばすシステムと予想できるから、
元の世界のデータを採取しておけばそこからこの世界との相違を見つけることが出来る!
その差を私が作製した装置にインプットすれば元の世界にあなたを再ワープさせられるはずよ!」
ガヴ「よくわからないが元の世界に戻れそうだということはわかった」
聖ガヴ「よかったですね」
ガヴ(もう少し苦労するかと思ったが…)
サターニャ「おっと!ただで助けるとは言ってないわよ!」
ガヴ「は!?」
サターニャ「くっくっく…この大悪魔が異世界の存在とはいえ天使を助けると思う?」
ガヴ(くっ…異世界で困ってる私を見捨てるなんてこいつ悪魔か!?…悪魔だった)
サターニャ「私に助けを求めるなら…払う代償はただ1つ…」
ガヴ「…なんだよ」
サターニャ「私にあなたの世界のことを教えなさい!」
ガヴ「…え?」
………
サターニャ「あっはっはっは!向こうの私どれだけバカなのよ!」ゲラゲラ
ガヴ(自分で自分のこと笑ってる…)
ガヴ「なぁ、なんで突然こんなことを?」
サターニャ「このシステムだと移動した先のいくつかの属性が反転してる場合があるからよ!その違いを聞いておきたかったの!」
サターニャ「自分の世界との違い…覚えがあるでしょ?」
ガヴ「ああ…私が駄天してなかったり、ヴィーネが不真面目だったり、お前がバカじゃなかったり」
聖ガヴ「サターニャさん、そろそろHRが始まりますよ」
サターニャ「じゃあ、学校が終わったあとにね!」
ガヴ「頼むぞ」
授業中
ガヴ「暇だから学校内うろついてるけど…特に変わったことはないな…」
ガヴ「グラサンが仏のようになってたのはちょっと笑ったけど…ん?」
まち子「うぉらあああああああああああああ!!ルールがなんぼのもんじゃあああああああああ!!」
「大変だ!まち子がまた暴れてるぞ!」
「誰か止めろ!」
ガヴ「…見なかったことにしよう」
放課後
ヴィーネ「あー、やっと終わったわー」
聖ガヴ「ヴィーネさんずっと寝てたじゃないですか…」
サターニャ「さて、別リール!私の家に来なさい!」
ガヴ「めんどくさいからってその呼び方はやめろ」
ガヴ「さっさと帰りたいからな…さっさと行こう」トコトコ
サターニャ「あ、別リール、足元注意しなさい」
ガヴ「あん?」グニッ
ガヴ「あれ、何か柔らかいものを踏んで…」
ラフィ「…(床に寝そべっている)」
ガヴ「どおああああああああああああああああ!?」
ガヴ「なにやってんだラフィ!?こんなところで!?」
ラフィ「どうして…どうして…」
ガヴ「へっ?」
ラフィ「どうして踏んでくれないんですかサターニャさん!!」
ガヴ「!?」
サターニャ「踏むわけないじゃない…私にそんな趣味無いわよ…」
ラフィ「そんな…初めて会った時に感じたのに…サターニャさんなら素晴らしい私の持ち主になってくれると…」
ガヴ(ああ、ドSからドMに反転したのか…)
サターニャ「全く…黙ってれば綺麗なのに…」
ラフィ「!? 今私のことを綺麗って!!」
サターニャ「あーはいはい言ったわよ」
ラフィ「そんな…私…照れてしまいます…///」
ガヴ「なんかすごいドライだな…」
サターニャ「若干苦手なのよこれ…」
ラフィ「罵倒も気持ちいいです!」
ラフィ「そちらは…別世界のガヴちゃんですよね?
ラフィ「お話は伺ってます…災難でしたね」
ガヴ「ああ、まあな…」
ラフィ「うふふ、このガヴちゃんもやさぐれかわいいですねー」グニッ
ガヴ「お前も胸押し付けてくるのか…」
ガヴ(ドMなとこ以外は普通のラフィだな…)
ラフィ「これから別世界のガヴちゃんを送り届けるんですか?」
サターニャ「そうよ…ラフィエル、セッティングを手伝ってもらえる?」
ラフィ「サターニャさんのご命令とあらばどこまでも!!」ハァハァ
サターニャ「性格さえなければ頼りにはなるのに…」ボソッ
ガヴ(結局振り回される関係は変わってないのか…)
サターニャ宅
サターニャ「さて、別リールの髪から位相の判別はできたし…これからセッティングに入るわ!完了するまでは自由にしてていいわ!別世界を楽しんできなさい!」
聖ガヴ「サターニャさん、手伝うことはありますか?」
サターニャ「ちょっとガヴリールとヴィネットには難しいところが多いから…別リールの案内をしてあげたら?」
ガヴ「まあちょっとだけ別世界に興味はあるし…頼むわ」
ヴィーネ「じゃあ適当にぶらつくとしましょうか…」
………
デビルズ珈琲
聖ガヴ「どうです?私が働いている喫茶店のコーヒーは?」
マスター「私、ブレンドコーヒーには少し自信があってね…」クドクド
ガヴ「やっぱりよくわからん…」
マスター「」ガーン
ヴィーネ「私はけっこう好きだけどね」グビグビ
マスター(やはり月乃瀬君は天使…)ジーン
マスター「しかし、天真くんに双子の姉妹がいたとは…雰囲気は違うけど本当にそっくりだね」
ガヴ(まあ、別世界の私だし)
ガヴ(しかし…店名以外は変わってないなここ…コーヒーの味はよくわからんが元の世界と変わってないことは分かる…)
………
マスター「コーヒー? あんな泥水すすってられるか!! そんなものより紅茶だ!」
………
ガヴ(とかなってたらどうしようかと思ったが…)
ガヴ(多分この人はどこの世界でもコーヒーが好きなんだろうな)
マスター「?」
カランコロン
タプリス「すいません2人なんですけど…」
ガヴ「あれ?タプリスじゃん?」
タプリス「あら?ガヴリール?」
ガヴ「え?なんで呼び捨て…」
聖ガヴ「タプリス先輩!お疲れ様です!」
ガヴ「は?」
聖ガヴ「もう!なんでタプリス先輩のこと呼び捨てなんですか!!」
タプリス「いいんですよガヴリール、事情は聞いてます!」
タプリス「さっきのを聞く限り、私はあなたの世界では後輩だったみたいですね…ふふっ、ガヴリールが先輩なんて…ちょっとこそばゆいですね」
聖ガヴ「もうっ!先輩!からかわないでください!」
タプリス「ふふっ、ごめんなさい」
ガヴ(こっちの世界ではタプリスが先輩になってるのか…)
ガヴ(あいつはまさに後輩って感じの性格しか見てないしな…先輩になったらこんな感じになるのか)
黒奈「千咲…こっちの席…」
タプリス「ああごめんなさい…じゃあガヴリール、また今度ね」
聖ガヴ「はい!」
ガヴ(…なんかすっげえ違和感…帰ったらタプリスを思うぞんぶん後輩扱いしよう)
チサキ・・・アルイテツカレタ・・・ナデナデシテ
ハイハイ・・・ホントスナオデアマエンボウナンデスカラ
道路
ガヴ「さて…あらかた回ったな」
聖ガヴ「でもサターニャさんが言っていた時間までもう少しありますね…」
ガヴ「じゃあヴィーネの家行こうぜ。 ゲームがしたい」
ヴィーネ「おっ!いいわね!」
ガヴ(別世界とはいえヴィーネとゲームするのは初めてだな…)
聖ガヴ「っ!? みなさん!!隠れて下さい!!」
ガヴ「えっ!?なになに!?」
聖ガヴ(駄目だ…間に合わない…!)
「ガヴリィィィィィィルちゃああああああああああああああああああん!!」ダダダダダダ
ガヴ「…は?」
ゼルエル「家にいなかったしどこに行ったかと思ったぞ!!」ムギュムギュ
聖ガヴ「離れてください街中ですよ!」
ゼルエル「そんなっ! うう…昔はあんなに甘えてくれたというのに…」
ゼルエル「あ、そうだこれ今週の仕送りだ」サツタバドサァ
聖ガヴ「高校生の身分でこんなに要りませんって!」
ゼルエル「お金のことなら心配ないぞ!お姉ちゃん「神の脚」って呼ばれてるから!」
聖ガヴ「ただの送迎係じゃないですか!それでどこからこんなお金出してくるんですか!!」
ゼルエル「なんの!!かわいい妹のためなら給料の3ヵ月分くらい!!」
聖ガヴ「それを毎週送らないでください!!」
ガヴ(あの厳しい姉が…激甘になってる!!)
ゼルエル「ん?」
ゼルエル「……」ジー
ガヴ(なんだこっち見て…この姉さんは駄天した私を知らないはず…)
ゼルエル「お…」
ガヴ「お?」
ゼルエル「お持ち帰りいいいいいいいいいい!!」ダダダダダ
ガヴ「ひゃわあああああああああああああああああああ!?」
聖ガヴ「いい加減にしてください!」ドスッ
ゼルエル「矢が尻にっ!」
ゼルエル「そうか君は別世界のガヴリールか…どうりで私のソウルに反応したわけだ」
ヴィーネ「お姉さん相変わらずですね…」
聖ガヴ「というわけで姉さん、私たちはこれからヴィーネさんの家に行くので失礼しますね」
ゼルエル「え…お姉ちゃんも行きたい…」
聖ガヴ「嫌な予感しかしないので駄目です」ニコッ
ゼルエル「そんなっ!」ガーン
ガヴ「……」
ヴィーネ「どうしたの別世界のガヴ?」
ガヴ「いやこのお金ちょっと持ってってもいいかなと思って」
ゼルエル「好きなだけ持っていくがいい異世界の我が妹よ」
聖ガヴ「…姉さん?」
ゼルエル「だって甘やかしたいんだもん!!」
ガヴ「じゃあこんだけ…」
聖ガヴ「うふふ…そのお金どうするつもりですか?」ゴゴゴゴ
ガヴ「ごめんなさい冗談です」
ヴィーネ宅
ヴィーネ「じゃあゲーム始めるわよ!」
ガヴ「おう!超強力プレイでクリアしてやるぜ!」
ヴィーネ「じゃあ私が1Pで…」
聖ガヴ「……」ウズウズ
ガヴ「…お前もやるか?」
聖ガヴ「えっ?私はゲームなんて…」
ヴィーネ「そういえばガヴとはやったことないわね…」
ガヴ「ならせっかくだからやろうぜ、別世界の自分とやれる機会なんてそうそう無いぞ」
聖ガヴ「…そうですね、そこまで言うんでしたら」
………
聖ガヴ「ええっと…攻撃はこうですか?」
ヴィーネ「ガヴ、初心者の割には上手いじゃない!」
聖ガヴ「そっ、そうですか?」
ガヴ「さすが私」
ガヴ(私は最初はここまで上手くなかったけど…)
………
ヴィーネ「ガヴ!ヒール!ヒールお願い!」
ガヴ・聖ガヴ「え?どっち?」
ヴィーネ「こっちの世界の方…」ドゥーン
ヴィーネ「ああああああ落ちたああああああああああああああああ!!」
………
ガヴ「よしっ!これで…」
聖ガヴ「クリアです!」
ゲームクリア!
ヴィーネ「やった!これで次のステージに…」
プルルルルル
ガチャ
サターニャ「別リール!準備出来たわよ!」
聖ガヴ「ああ…こんな時間ですか…」
ヴィーネ「いやー、ここのステージ一人じゃきつかったから助かったわ」
ガヴ「私も楽しかったよ、ありがとうヴィーネ、それに私」
ヴィーネ「…ねぇ、そっちの世界の私とはゲームしないの?」
ガヴ「え?…ああ、あいつはゲームやらないからな」
ヴィーネ「今度誘ってみたら?多分乗っかってくれるわよ」
ガヴ「…なんでそう思うんだ?」
ヴィーネ「だってガヴ達とゲームするの楽しかったし…多分、この気持ちは向こうの私も同じだと思う」
ガヴ「そっか…ヴィーネが言うんだから間違いないな!向こうに帰ったら誘ってみるよ」
ヴィーネ「こっちのガヴも楽しかったでしょ?」
聖ガヴ「ええ…とっても!!」
ヴィーネ「じゃあ今度からは大目に…」
聖ガヴ「ただし!節度はちゃんと守りましょうね、徹夜とかは駄目ですよ」
ヴィーネ「…やっぱこっちのガヴのいじわる」グスン
サターニャ宅
サターニャ「さて…準備はできた?」
ガヴ「ああ」
聖ガヴ「いよいよお別れですね…」
ヴィーネ「そうね…もう少しゲームしたかったなぁ…」
ラフィ「私もやさぐれガヴちゃんとお話したかったです」
ガヴ「みんな…」
サターニャ「どうだった別世界は?」
ガヴ「ああ、楽しかったよ…ただ、向こうでやりたいことができたんでな、帰らせてもらうよ」
サターニャ「そう…別世界のガヴリール!またいつか会いましょう!」
ガヴ「ああ!機会があったらな!」
ピッ
シュイーン
元世界
サターニャ「グスッ…ヒッグ…お願いよぉ…もう悪いこともしないからぁ…ガヴリールを返してよぉ…」
ラフィ「サターニャさん…」
ヴィーネ「!! 見て!!光が…」
パアアアアアアア
ガヴ「ただいま、みんな」
ヴィーネ「ガヴ!!」
ラフィ「ガヴちゃん!!」
サターニャ「ガヴリール!!」
サターニャ「ガヴリイイイイイルゥゥゥゥ!!」ダキッ
ガヴ「おいおいどうしたんだサターニャのやつ」
ラフィ「サターニャさん、自分のせいでガヴちゃんが消えたって大泣きしてたんですよ」
サターニャ「なっ!?それは言わないでよ!!」
ガヴ「無駄だサターニャ、この状況を見れば察しはつく」
ヴィーネ「でも…無事に帰って来てくれてよかった…」
ガヴ「みんな、心配かけたな」
ラフィ「そういえばガヴちゃん、結局何があったんですか?」
ガヴ「ああ、色々と面白いことがあってな…一言じゃ話せないや」
ガヴ「だから…明日は休みなことだし…」
ガヴ「みんな…私の家でゲームでもしないか?」
翌日
ガヴ「ふあああ、もう朝か…みんなまだ寝てるな」
ガヴ「結局夜通しゲームしちゃったな…ヴィーネは途中で寝落ちしたけど」
ガヴ「でも…楽しかったなみんなでゲーム」
ピンポーン
ガヴ「ん?誰だこんな朝から…」
ガチャ
ヴィーネ(別)「ハロー」
サターニャ(別)「遊びに来たわよ!」
聖ガヴ「お、お邪魔します…」
ラフィ(別)「ここが別世界のガヴちゃんの家ですか」
ガヴ「お前ら!?なんでここに!?」
サターニャ「あんたをこっちに送れたんだから私たちもこっちに来れるにきまってるじゃない!」
ガヴ「いやだからって翌日に来るなよ!!なんだったんだあの別れは!!」
ヴィーネ「ガヴ…誰か来たの…え!?私!?それにサターニャと…てかみんな2人づついる!?」
ヴィーネ(別)「これが別世界の私…すごい真面目そうね」
ヴィーネ「別世界の私肌ボロボロじゃない!ちゃんとごはん食べてるの!?」
サターニャ(別)「ほうほうこれが…すごくバカっぽいわね私」
サターニャ「私のくせに私にバカとは何よバカとは!!」
ラフィ(別)「すいませんが踏んでいただけないでしょうか」
ラフィ「流石に自分を導る趣味はありませんー」
ガヴ「ああもうなんだよこれ…」
サターニャ(別)「ああそうだ別リール」
ガヴ「何だ?」
サターニャ(別)「あなたがこっちの世界にやってきた理由なんだけどね…」
サターニャ(別)「あなたがこっちに来る前に、速攻で発動できるカウンター魔法を開発したのよ私」
サターニャ(別)「で、ちょうどその時私に向かって召喚術がかけられたから…本当はただ拒否すればいいんだけど…カウンター魔法を試しに使っちゃったのよ」
サターニャ(別)「今思えばあの時の召喚術はそっちの機械から送られたものだったのね」
サターニャ(別)「で、召喚術をカウンターしたから逆に私たちの世界にあなたを召喚する結果になったわけ」
ガヴ「つまりこうなった原因って…」
サターニャ(別)「全部私のせいよ!なーはっはっはっは!」
聖ガヴ「すいませんすいません!うちのサターニャさんがすいません!」
ガヴ(御しやすい分こっちのサターニャの方がましだな…)チラッ
サターニャ「?」
END
おまけ
ガヴ「そういや…みんなそれなりに反転してたけど、私だけ昔に戻っただけだな…」
聖ガヴ「えっ…?昔は違ったんですか?」
ガヴ「ああ、今のお前みたいな感じだったぞ」
聖ガヴ「そう、ですか…」
ガヴ「?」
反転世界の天界時代
ガヴ「あー家でダラダラするの最高だわー」
ゼルエル「あの…ガヴリール…? そろそろ学校に行かないと…」
ガヴ「姉さん愛してるだから台所からジュース持ってきて」
ゼルエル「かしこまりいいいいいいいいいぃぃぃぃ!!」ダダダダ
ガヴ(ふっ、ちょろいぜ)
ピンポーン
ガヴ(ん? 誰だ…?)
校長「やあ、天真くん居るかい?」
ガヴ「校長!?なんでここに!?」
校長「実はね…君は学校を休みすぎたせいで卒業要件をこのままだと満たせないんだ」
ガヴ(まあ、なんとなくそんな予感はしてた)
校長「そこで君を卒業させるために…特別に実習授業として下界での修行をさせることにした」
ガヴ「…は?」
校長「というわけで下界に行ってきたまえ」ポチッ
校長が謎のボタンを押すと、私の足元に穴が開いて…
ガヴ「え!? ちょっと!!」
ヒュウウウウウウウウウウウウウウ
ガヴ「急すぎるだろおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
下界
ガヴ「いやー下界に落とされた時はどうしようかと思ったけど…」
ガヴ「ゼルエル姉さんが心配してとんでもない額の仕送り送ってくれるし…娯楽には溢れてるし…ここでもぐうたら生活できそうだな!」
ガヴ「…ん?」
おばあさん「ふぅ…ふぅ…」
ガヴ(あのおばあさん…あんな重そうな荷物持って階段を…)
ガヴ(まあ、誰か助けるだろ…)
………
おばあさん「ふぅ…ふぅ…」
ガヴ(おかしい…おかしいぞ!? なんで誰も助けないんだ!?)
ガヴ(天界ならあんなの誰でも助けに入るのに!?)
おばあさん「ふぅ…ふぅ…」
ガヴ「…ああもう!!」
………
おばあさん「ありがとねお嬢ちゃん…」
ガヴ「いえいえ…お気になさらず…」
ガヴ(ついつい助けてしまった…)
ガヴ(だが、私は下界でダラダラ生活すると決めたんだ! これ以上人間を助けるなんて…)
男の子「ボール取ってくれてありがとうおねーちゃん!」
ガヴ(人間を助けるなんて…)
………
女の子「お人形さん直してくれてありがとう!」
ガヴ(人間なんて…)
………
妊婦「席、譲ってくれてありがとね」
ガヴ(人間を…)
………
おばさん「若いのにゴミ拾いのボランティアとは感心するねぇ」
聖ガヴ「人間を幸せに導くのが私の使命なので!」
END