ラフィ「それでは、行ってきますね」
マルティエル「行ってらっしゃいませお嬢様。どうかお気を付けて」
キィィ・・・ バタン
元スレ
ラフィエル「退屈な人間界の一日」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1504410161/
ラフィ「……」キラキラ
「あ、あれって白羽さんじゃない?」
「本当だ…歩いてるだけでも美人だなぁ」
ラフィ「……」
「白羽さん、おはよ!」
「お、おはようございます!」
ラフィ「はい、おはようございます♪」ニコ
「やったー!白羽さんに挨拶してもらっちゃった!」
「わ、私も……///」
ラフィ「……」スタスタ
下駄箱
ガヴリール「ふぁ~あ……今から学校休みにならないかなぁ。たとえば突然ミサイルが落ちてくるとかね」
ヴィーネ「ちょっとガヴ!言っていいことと悪いことがあるでしょ!」
ラフィ「ガヴちゃん、ヴィーネさん。おはようございます」
ガヴ「ん、はよ~…」
ヴィネ「おはよ、ラフィ」
ラフィ「サターニャさんは一緒じゃないんですか?」
ヴィネ「そういえば今朝は見なかったわね。なんたってガヴを起こすので大変だったんだから…」
ラフィ「ふふ、そうだったんですね」
ヴィネ「じゃあ私達はこっちだから。またあとでね」
ラフィ「はい、ではまた」
授業中
ラフィ「……」
「――では、ここの問題を白羽さん。前に出てお願いできる?」
ラフィ「はい」
スラスラ・・・
ラフィ「これで合ってますか?」
「うん、正解です。さすがね白羽さん」
ラフィ「いえいえ、正解できて良かったです」ニコ
「すごいよなぁ白羽さんって。頭も良くて運動もできるんだから」
「私も白羽さんみたいになりたいなぁ……」
ラフィ「……」
休み時間
ラフィ「……」
「なーはっはっは!今日は魔界通販で買った悪魔的道具(デビルズアイテム)で学校じゅうの休み時間を暗黒の渦へといざなってあげようじゃない!」
ラフィ「!」
「おい胡桃沢。廊下で騒ぐなと何度言ったら分かるんだ」
「クックック……甘いわね、ルールっていうのは破るためにあるものなのよ!」
ラフィ「……」ソーッ
「あ、あの……白羽さん」
ラフィ「! は、はい…なんでしょう?」
「さっきの授業で、分からなかった問題を教えてほしいんだけど……」
ラフィ「はい、もちろんいいですよ」ニコ
「本当?ありがとう!やっぱり白羽さんは頼りになるなぁ。それでね、ここなんだけど――」
ラフィ「……」
昼休み
ラフィ「……」
「ねぇねぇ白羽さん!よかったら私達と一緒にお昼食べない?」
「そ、その……白羽さんが嫌じゃなければ、一緒に食べたいなって……」
ラフィ「嫌なわけないじゃないですか♪私で良ければ、喜んで」
「だって!良かったね」
「う、うん…!あ、でも私お弁当持ってきてないや……」
ラフィ「それでしたら、購買へ行きませんか?私もちょうど買いたいものがあるんです」
「――円です。ありがとうございました~」
ラフィ「~♪」
「白羽さんも購買って来るんだね。ちょっと意外」
「メロンパン、好きなんですか?2つも買ったんですね」
ラフィ「私だって購買くらい来ますよ。メロンパンは、お土産みたいなものです」
「あはは、そうだよね。ゴメンゴメン」
「ふだんから高級そうなお弁当を食べてたから、パンとかあんまり食べないのかなぁって…」
ラフィ「ふふ、そんな事ないですよ。では買い物も済みましたので食堂で食べましょうか」
午後の授業中
ラフィ「……」
「――であるからして、ここに公式を当てはめて値を代入すると――」
ラフィ「……」(窓の外を眺める)
「さあかかってきなさいガヴリール!体育でならアンタに負ける要素なんてこれっぽっちもないんだからね!」
「じゃあ私の負けでいいよ。降参だ」
「キーッ!つべこべ言わずに勝負しなさいよ!!」
「はぁ…ただでさえ暑いのにサターニャのせいで余計暑苦しい……」
「こればっかりはガヴの言う通りね……」
ラフィ「(みたいなやり取りをしているのでしょうか)」
ラフィ「……」
午後の休み時間
ラフィ「……」っジョウロ
「見て、白羽さんがお花に水あげてるよ」
「ほんとだ、優しいね~」
ラフィ「(中庭のほうに来てはみたものの、ガヴちゃん達は教室に戻ってしまったみたいですね)」
ラフィ「……」
犬「ワン!」
ラフィ「あら、あなた。どうしたんですか?」
犬「クゥ~ン・・・」
ラフィ「…元気がないんでしょうか。よしよし」ナデナデ
犬「・・・」ジーッ
ラフィ「…また今度、遊びましょうね」ギュ
「今度はワンちゃん抱っこしてる!可愛い~♪」
「いいなぁ…俺も白羽さんに抱っこされてぇ……」
放課後
「またねー。ばいばーい」
「うん、おつかれ~」
ラフィ「……」
「この後どっか寄ってく?」
「どうしよっかな~……あ、そうだ!駅前に新しくオープンしたクレープ屋さん行ってみたいかも!」
「ほかに誰か誘う?でもみんな部活だから誰もいないかぁ~」
「しょうがないよ。今日は二人で行こっ」
ラフィ「……」
ラフィ「(ガヴちゃんとヴィーネさんは…見た感じ先に帰ったようですね)」
ラフィ「! あそこにいるのは――」
ラフィ「サターニャさん」
サターニャ「!」ビクゥ
ラフィ「これから帰りですか?」ニコ
サタ「で、出たわねラフィエル!今日はちょっかいを出してこないからいつ現れるのかと思ってヒヤヒヤしてたのよ!」
ラフィ「そんな言い方酷いじゃないですか。それより、今日はメロンパンもあるので良かったら一緒に――」
サタ「メロンパンですって!?ぐっ…だ、だめよ!そんな見え透いた罠に引っかかるほど甘くないんだからっ!」
ラフィ「いえ、特に罠とかでは……」
サタ「とにかく!今日はちょっかい出してこなかったぶん、最後に酷い目に遭わせようってのは分かってるんだからね!!」
サタ「それに体育の時間、ガヴリールと勝負できなかったから今から決着を付けにいくところなのよ……残念だったわねラフィエル。このサタニキア様を甘く見ていたこと、後悔するといいわ」
サタ「なーはっはっは!なぁ~はっはっはっ!!」ダッ
ラフィ「……」
帰り道
ラフィ「……」
「あれ?あそこ前歩いてるのって白羽さん?」
「んー…?ほんとだ、こっちの道で見るの珍しいね~。白羽さーんっ!」
ラフィ「?」クルッ
「よかった、やっぱり白羽さんだったぁ」
「白羽さんの家ってこっちのほうじゃないよね、寄り道?」
ラフィ「はい、たまにこうして寄り道がてら散歩しているんです」
「そうだったんだ~。お散歩の邪魔しちゃ悪いし、私達は帰ろっか?」
「そうだね。また明日、白羽さん」
ラフィ「お二人も、気を付けて帰って下さいね」バイバイ
ラフィ「……」
ラフィ「……」
ラフィ「結構歩きましたね……」
ラフィ「……」
ラフィ「この公園で、少し休みましょうか」
(ベンチに座る)
ラフィ「……」
ラフィ「……」ガサゴソ
っメロンパン
ラフィ「……」
ラフィ「……はむっ」
ラフィ「……」モグモグ
ラフィ「(サターニャさんは、こんな気持ちで昼休みを過ごしていたんですね)」
ラフィ「……」
ラフィ「……そろそろ帰らないとマルティエルに怒られてしまいますね」
ラフィ「……」
ラフィ「……帰りましょう」
「ぐすっ……ひっぐ……」
ラフィ「?」
ラフィ「(誰かの……泣いている声?)」
「うぅっ……ズズ……」
ラフィ「近くから聞こえますね……こっちのほうでしょうか」
「……っ……ヒック……」
ラフィ「あ、あの……大丈夫ですか?どこかお怪我をされたりとか……」
「……また……け……」
ラフィ「……?」
「また……ールに……負け……」
ラフィ「……」
ラフィ「あの、サターニャさん?」
サタ「ひぃっ!?」ビクッ
サタ「ら、ラフィエルぅ……」
ラフィ「ほら、そんなに泣かないで下さい。またガヴちゃんに負けてしまったんですか?」
サタ「そっ…そうよ!そうだけど!悪い!?だいたい何でアンタが私の帰り道の途中にいるのよっ!!」
ラフィ「ここにいれば、ガヴちゃんとの勝負に負けて泣きべそをかいてるサターニャさんに会えると思って待っていたんです」
サタ「アンタ、本当に性格悪いわね……ぐすっ」
ラフィ「ごめんなさい、それは言い過ぎました。冗談です」
サタ「冗談に聞こえないんだけど……」
ラフィ「許して下さいサターニャさん。お詫びのしるしに、メロンパンもありますから」
サタ「……」
ラフィ「……食べたくない、ですか?」
サタ「……食べたい」
サタ「……本当に何も入ってないんでしょうね?」
ラフィ「入ってないですよ。サターニャさんに食べてもらおうと思って買ったんですから」
サタ「それが怪しいって言ってるのよ!」
ラフィ「分かりました。そこまで言うならこうしましょう」
パカッ
サタ「……半分こ?」
ラフィ「はい。半分は私が食べるんですから、怪しくないですよね?」
サタ「ま、まぁそれはそうだけど……」
ラフィ「やっぱり全部私が食べたほうがいいですか?」
サタ「それはちょっと待って!!」
サタ「じゃあこのメロンパンは、本当にラフィエルが私のために買ってくれたってわけ?」
ラフィ「そうですよ。最初からそう言ってるじゃないですか」
サタ「そうだったのね…それは、疑って悪い事をしたわ」
ラフィ「いいえ、気にしないで下さい」
サタ「あら?だとすると、私が通るのを待ってたっていうのも……」
ラフィ「それはまあ、たまたまですね」
サタ「なんでよ!そこはちゃんと待ちぶせしておきなさいよ!!」
ラフィ「ふふっ」
サタ「分かったわ!するとつまりあれね!ラフィエルは私の大悪魔としての溢れ出る魔力に魅了され、サタニキアの軍門に下りたくなってしまったというわけね!!」
ラフィ「よく分からないけど、そういう事にしておきますね!」パァァ
サタ「フフン…そうと決まれば話は早いわ。さっそく我がサタニキアハウスに行って、ガヴリールを倒すための作戦会議を始めるわよ!」
ラフィ「それって天使の私が参加しても大丈夫なんですか?」
サタ「こ、こまかい事はどうだっていいのよ!とにかくやるって言ったらやるの!分かったならさっさと付いてきなさい!!」
ラフィ「はい!サターニャさん!」
サタ「それと……」
ラフィ「?」
サタ「…メロンパン、美味しかったわ」
ラフィ「それなら良かったです」ニコ
サタ「だいたいガヴリールは――」ブツブツ
ラフィ「……」ニコニコ
サタ「今日だって――」ペラペラ
ラフィ「……」ニコニコ
サタ「……ちょっと、ラフィエルちゃんと聞いてるの?」
ラフィ「はい、聞いてますよ」
サタ「アンタさっきからニコニコ笑ってるだけじゃない……そんなに私がガヴリールに負けた話を聞いて面白いの?」
ラフィ「いいえ、そうじゃないんです。ただ――」
ラフィ「ただ、」
ラフィ「今日も楽しい一日になりそうで良かったって」
ラフィ「そう思っただけですよ」ニコッ
おわり
52 : 以下、\... - 2017/09/03 18:16:40.898 XD3I9D0c0 22/22半年ぶりくらいのガヴドロSSで、
初めてラフィサタ書けて楽しかったです
ありがとうございました