カズマ「……ここは!!」
アクア「あああ……」
カズマ「異世界だ!ファンタジーだ!きゃっほおおおい!!」
アクア「ああああ………!」
カズマ「見ろよあれ!獣人ってやつだろ?すげえ!おい、見」
アクア「きゃああああああ!!!」
カズマ「うぉぁい!どうした!?」
アクア「あたし…あんたどうしてくれんのよ!あたし女神なのよ!?帰りたい!帰りたぁぁぁぁい!」
カズマ「ちょ、いやじゃあいいよ…別に一人でやれるから。帰ってくれても…」
アクア「帰れないの!あんたの指定した“もの“にされたのよ!?帰れないのよ!!」
元スレ
アクア「何か、一つだけ。何でも持っていかせてあげることができるわ!」カズマ「じゃあ、お前」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1482148668/
アクア「もうどうするのよおおお…」
カズマ「あー……そうなのか、それはご愁傷だが」
アクア「大体何も持ってきてないし…」
カズマ「でも、お前も女神というからにはそこそこ戦えるんだろ?何ができるんだ」
アクア「…?基本的には、癒しの力、水の力ね。あとは光属性の技と、聖なる力は一通り使えるわ」
カズマ「ふむ、なら可能性は高いな。行くぞ」
アクア「えっ…どこに行くのよ?」
カズマ「まずはもちろん。異世界転生ってからには俺にも才能がある設定だろうからな!兵士詰め所にでも」
アクア「えっと、なにしに行くの?あんたみたいなヒキニート雇ってもらえるわけないじゃない」
カズマ「ヒキニート言うな!…女神のお前がいるだろ、もし!もしも俺に設定が適用されてなくても置いてもらえる確率は高いはずだ」
アクア「そうね……そういうことなら、わたしも力を貸すわ!どうすればいいの?」
カズマ「兵士詰め所の場所まで、案内してくれ。まずはそこからだ」
アクア「知るわけないじゃない、わたしは女神よ?」
カズマ「……」
カズマ「ふう、やっと着いた」
アクア「やっとって言うか、そこのリンゴ屋さんに聞いてきたんだけどね」
カズマ「コワモテだけどいい人だったな、あのおっさん…えーと…女神?」
アクア「わたしのことはアクアって呼んで、カズマ」
カズマ「よし、じゃあいくぞ!アクア」
・・・・・
カズマ「くそが!んならこっちだって願い下げだ!!」
カズマ「………」
アクア「うぇっぐす、うぇええええん」
カズマ「おい、もういい加減泣き止めよ」
アクア「だってわたし、信じてもらえなかったんですけど!女神なのに、ほんとに女神なのに!うええええん…」
カズマ「おい、泣き止めって…」
??「ほう…」
カズマ「でも、色々情報は得られたな」
アクア「……なにが?」
カズマ「どうやらさっきのリンゴ屋の近くで派手な戦闘があったらしい」
カズマ「金髪の赤い首巻きを巻いた少女が、白髪の少女の物を盗んだってのはわかった」
アクア「らしいわね、それがどうしたの?」
カズマ「詰め所に置いてもらうのは失敗したが、とりあえず今日の寝床を得るには金が必要だからな」
カズマ「報酬としては望めるんじゃないか?」
アクア「なるほど!いいわ、そうね…やりましょう!カズマ!その女の子を捕まえるのよ!」
・・・・・
カズマ「……」
アクア「ねえカズマさん、探す方法がこれだけなんて言わないわよね?」
カズマ「……聞き込みに誰も答えてくれないなんて…」
アクア「もしかして、聞き込む以外に考えてなかったの?」
カズマ「なんだっこの世界は!みんな冷たすぎだろ!助けてくれたっていいじゃないか!!」
カズマ「はー、はー…」
アクア「…まあ、もう少し探してみましょう。信じるものは救われるわ!」
カズマ「能天気でいいなー…よし、どーせなら頑張るか!」
カズマ「……ぜんっぜん!だめじゃないか…」
アクア「だめだったわね…」
カズマ「こんなはずじゃなかった…異世界転生……」
アクア「……」
「おい」
カズマ「…えっと、どなたですか?」
トン「持ってるもん全部置いてけよ」
チン「見ねー顔だな、あん?」
カン「ほらほら、痛い目みてーのか?」
カズマ「…チンピラか!?」
カズマ「アクアちょっと来い」
アクア「カズマさん、もしかして私を守って一人でたた」
カズマ「………」キッ
アクア「カズマ、がんb」
カズマ「」ダッ!
アクア「カズ…カズマさん!?どこ行くの!?」
カズマ「お前女神なんだろ!?なんとかしろよ!この世の人間の心の悪の化身みたいなもんだ!がんばれ!」
アクア「たしかにカズマよりわたしのほうが筋力値も高いけど、そういう問題じゃないでしょ?心が痛まないの!?」
カズマ「痛まないね!ただの適材適所だ」
アクア「何言ってるの!?私女の子なのよ?仮にも男なら俺に任せろとか言いなさいよ!」
カズマ「っせえよ!普通の可愛い女の子ならまだし役に立たないただの駄女神じゃないか!さっきだって!」
~数時間前~
衛兵「兵士として働きたい、せめて今日の宿だけでも提供して欲しい…ということか?」
カズマ「まあ、要約すると…図々しい話ですみません」
衛兵「ふむ…で、どれほど戦えるのだ?剣は?」
アクア「剣?使うわけないじゃない」
カズマ「あっ、おい…」
衛兵「ならば兵士として詰め所に置くことはできんな」
アクア「あら、わたしを知らないようね…無知は罪なのよ?」
衛兵「ほう、名がある者か?」
アクア「わたしは、女神アクア!アクシズ教団の総本山、麗しき水の女神よ!」
衛兵「アクシズ教団?知らんな」
アクア「なっ…国教として習う(べき)教えよ!?本当に知らないの!?」
衛兵「おおかた兵士団を謀ってただ飯にありつこうという気だろうが…私は騙されんぞ」
アクア「ひどい!謀ってなんかないわ、本当なのに!」
衛兵「そこの男は嘘すら吐く前に嘘とバレてしまったな、装いからも顔立ちからも、アホさ愚かさが漂っている…哀れな男よ!」
カズマ「なっ…」
カズマ「なんだと!もう一回言ってみやがれ!」
衛兵「アホな見た目でおつむも残念だと言ったのだ!」
カズマ「この野郎!その喧嘩買うぞ!!」
衛兵「無礼な!宿など紹介しない!出ていけ!!」
カズマ「くそが!んならこっちだって願い下げだ!!」
アクア「……」
カズマ「お前が変なこと口走らなかったら今頃あったかお部屋にいたかもしれないんだぞ!」
アクア「すみませんでした…」
カズマ「しかも!今!チンピラに絡まれてるんだぞ!本当ならこんなことなかったはずなのに!な?」
アクア「うぇえ…まあやるからには本気でかかってきなさいチンピラ!聖なる力で打ちのめしてあげるわ!」
チン「話は終わったか、かかれお前ら!」
カン「ガハッ!!」ガンッ
トン「ぐっ…」ズサッ
アクア「…?これは氷の魔法ね……?」
チン「てめえ…何者だガハッ!」ガシャ
「大丈夫?怪我してない…あれ?なんで女の子が前にいるの……?」
カズマ「…あなたは…?」
「私は……えっと……」
「私は……サテラ。サテラよ」
サテラ「それより、怪我はない?大丈夫なの?」
カズマ「あ、ああ。今のは…」
サテラ「今のは、精霊術よ。こう見えて精霊使いなの」
アクア「精霊使い…?何、それ?」
サテラ「えーと…」
「ぱ!」
サテラ「パック!」
パック「僕のような、精霊を使って戦う人種を精霊使いと呼ぶんだ!」
カズマ「へえ…可愛いな」
アクア「それより、助けてくれてありがとうね、サテラ。私はアクア!アクシズ教団の総本山、水の女神アクアよ!」
サテラ「アクシズ教団ってなに?」
アクア「かじゅまああああああ」
カズマ「鬱陶しい!誰も知らねーんだよお前の教団なんて!」
サテラ「あ…ごめんね、それより私ちょっと急いでるの、ごめんね」
カズマ「えっ、ああ、おう…助けてくれてありがとなー」
パック「またねえー」
アクア「いい人たちだったわね」
カズマ「ああ。にしてもお前ほんとに役にたたな…」
アクア「今のはしょうがないじゃない!やめてよ!駄女神なんて!」
カズマ「言ってねーよ…」
ダダダダッ
サテラ「待って、二人とも!」
カズマ「おわあ!?何だ、どうした!?」
サテラ「赤い首巻きの金髪の女の子を見なかったかしら、探してるの!」
アクア「?、知らないわよ」
カズマ「ああ…ん?赤い首巻きの女の子?」
サテラ「知ってるの!?」
アクア「カズマさん知ってるの?」
カズマ「アクア、とりあえずお前はかしこくなってくれ」
カズマ「俺たちも多分、その子を探してるんだ」
サテラ「あ…あなたたちも何か盗まれたの?」
カズマ「もって事は…君は何か盗まれたのか、もしかして大通りでドンパチやったりした?」
サテラ「さっきと同じ術を撃ったわ、当たらなかったけど…」
カズマ「なるほどな、一緒に探さないか?」
サテラ「……いいの?一緒に探してくれるの?」
カズマ「ああ…」
アクア「わたしに任せなさい!」
・・・・・
サテラ「ここね」
カズマ「ああ、貧民街の盗品蔵…」
アクア「……嫌な予感がするんだけど、ねえ大丈夫?カズマさん、ねえ」
カズマ「とりあえずノックしてみるか」
サテラ「いいの?任せて」
カズマ「おう、俺に任せろ」
アクア「さっきそのセリフ聞きたかったわ」
カズマ「すいませーん、誰かいますかー」トントン
「おおネズミィ!!」
カズマ「は?」
「暗号を知らんのか、何のようか知らんが入れるわけにはいかん」
カズマ「………」
カズマ「ほおーん………すいませぇーーーん!!!開けてくださぁーーーい!」ドンドンドンドンドン
「やかましい!やめんかい!!」バタッ
カズマ「なんだ、開けてくれるんじゃないか」
「やかましいんじゃい!何の嫌がらせじゃ!!」
サテラ「あのっ」
「なんじゃあお主…」
サテラ「……私は…エミリア…というわ」
カズマ(偽名か、合わせろよアクア)
アクア(そのくらいわかってるわよ!私を何だと思ってるの)
サテラ「ここは盗品蔵であってるかしら」
「……盗み関係の用か、入れ」
「ワシはここで仲介をやっとる、ロム爺と呼ばれとるものじゃ」
サテラ「私はさっき名乗った通りよ。ところで、今日ここに宝が持ち込まれる約束はないかしら」
ロム爺「ふむ…フェルトのやつが何か持ってくると言っておったのう」
サテラ「!…フェルト、ね。よかった…」
カズマ「さっき聞いた通りの名前だな」
アクア「なんか話がこんがらがってきてわかんないんだけど、どうなってるの?」
コンコン…
サテラ「ッ…」
ロム爺「この時間は…」
・・・・・・・
ロム爺「フェルトか、お主に客が来とるぞ」
フェルト「ああ、あのボインな姉ちゃん…じゃねえのか、あの姉ちゃんの商売敵か?」
サテラ「…あなたは…!」
フェルト「!!!あんたっ!」
ダッダダダ
サテラ「フェルト、と言ったわね…徽章を返して。あれは、とても大切なものなの」パシュウーン
ロム爺「くっ…そういうことか…しかし。さすがに相手が悪いわい…」
フェルト「諦めんのかよロム爺っ?!くそっ……」
カズマ「お、おいサテラ…どうしたんだよ」
フェルト「サテラ…!?銀髪の、ハーフエルフ…嫉妬の魔女!!?」
ロム爺「なにいいい!?フェルト、徽章を返すんじゃ!」
サテラ「………そ…そう、私は嫉妬の魔女。サテラよ。それを返してくれれば、何も手は出さないわ」
・・・・・
カズマ「えーと…まずは話をまとめてもらっていいか?流れが全然わからん」
アクア「サテラって名前聞いた途端、二人とも大人しくなったわね」
カズマ「ふむ、じゃあそこから、どういうことだ?」
フェルト「なっ…兄ちゃん知らねえのかよ!嫉妬の魔女って言ったら…」
サテラ「…この世界で、最も畏れられる。名を呼ぶことすら憚られる存在よ…」
ロム爺「………お主、嫉妬の魔女というのは嘘じゃな?」
サテラ「そうね、ごめんなさい。私はエミリア。徽章を取り戻すために、嘘を吐いてしまったわ」
フェルト「なっ…でもまあどうせ、あのままやっても勝てなかったろうな。穏便?にすんだ分仕方ないかー」
ロム爺「うむ。精霊使い相手ではさすがに敵わんからのう」
カズマ「なんかわかんないけど、とりあえず和解ってことでいいのか?」
エミリア「……カズマ、アクア。ごめんなさい……私は…あなたたちに嘘を…」
アクア「いいのよ!損はしてないし結局よくわかんなかったから!」
カズマ「だってよ、俺もまあおんなじだ。問題がわからん」
エミリア「…ありがとう」
フェルト「さて、じゃあ今のうちに依頼主への言い訳考えねーとなあ」
エミリア「依頼主…そう…誰かが盗むのを依頼した…誰が…?」
「話は聞かせてもらったわぁ…♪」
エミリア「ッパック!」
パック「はいはい!おまかせぇ!」
シュウィイイイイン
ガシャアアアアアアアアン!
「私はエルザ、徽章は…そこね。さっきの様子だとお譲りいただけないようだし。今、この場の全員を…」
エルザ「殺して、手に入れることとするわ」
ガシャアアアアアアアアン
ガシャアアアア
ドシャ
カシカシカシ
カズマ「…」ササ
フェルト「おい、兄ちゃんどこ行くんだよ!」
カズマ「え。逃げるんだよ、俺がいても足手まといなだけだし。ロム爺があんなに簡単にやられて。アクア、ロム爺はまだ息があるようだし、回復役として残ってくれ」
アクア「回復はするけどさすがカズマさんね!正直今日一日であなたの性格が解ったわ!」
フェルト「なっ!?よく逃げれるなこの状況で!」
カズマ「でも…あんまり優勢ではないな…」
パック「ううごめん…」パシュウン
エミリア「ありがとう、パック…」
アクア「あれっ?パックはどうしたの?」
エミリア「パックは、午後は5時までしか活動できないの。手はあるけど…使えないわ」
アクア「思いの外役に立たないのねー…」
エミリア「それよりっ…」
エルザ「ふふ、じわじわ、痛め付けてあげるわ」
エミリア「……!」キッ
アクア「エミリア、わたしに治癒は任せてね!」
エミリア「ありがとう、心強いわ」
エミリア「ふぅっ!」カシャア
カズマ「よし、逃げるぞ。今なら行けそうな気がする」
フェルト「うわあ、さすがに引くぞ……でも…(確かに、何か動きを始めないと停滞すれば不利だ!)」
フェルト「兄ちゃん、あたしが助けを呼んでくる。兄ちゃんはその根性の悪さを上手く活用してくれ!」
カズマ「お、おい…」
エルザ「……ッ(逃がしてしまう…でも…)」
エミリア「っ!はあっ!」カシャアカシカシカシ
アクア「ほっ、とうっ、やあっ」プシイッ
エルザ(あの青髪の出す水を踏まないようにするのにいっぱいで…余裕がない…)
フェルト「あたしは、助けを呼んでくる!待っててくれ、みんな!」
アクア「行ってらっしゃい!早く帰ってきてね!」
エミリア「マナが…枯れそう……!」
アクア「えっなになにどういうこと!?もしかしてそれ使えなくなっちゃうの!?」
エミリア「そうよ…そういうことだけど…精霊使いは、周囲のマナを使って魔法を撃つから…」
エミリア(アクアの魔法…周囲のマナを使ってない……あれだけの魔法を精霊無しに行っているの?)
アクア「ええー!どーするのよお!?」
エルザ「ッ…マナが、枯れたようね!」
エルザ「残念ね。マナの豊富な場所なら、勝てたのかもしれないけれど」
エルザ「もう、負ける要素はない…」
エルザ「あなたからよ?…」シャキッ
エミリア「……!」
カズマ「………(いや、どーすればいいんだよ)」
カズマ(根性腐ってても何もなきゃ何もできねえっつーの!)
カズマ(何かないかな…)
カズマ(さすがに勝てないと言っても見殺しにすんのは目覚めがなあ…ちくしょう!)
カズマ(これは!)
カズマ「アクア!これをエルザに直線噴射だ!できるだろ!」ヒュンヒュンヒュン
アクア「っ!これは…美味しそうなお酒!くれるの!?」パシッ
カズマ「エルザに発射っつってんだろーが!」
アクア「えええ!勿体ないけど…エミリアを助けられるのよね!」シュパアアッ!
カズマ「アクア!エミリアになるべくすぐ、火の消える真水をかけろよ!」ブンッ
エミリア「あれは…ランタン!」
ジュッボオアアアアアアアアア
エルザ「くっ……!!」ジュッ
カズマ「うっわ…まじでアルコールってよく燃えるんだな…にしても燃えすぎじゃないか?」
エミリア「っ……」バシャア
アクア「すごい、すごいわカズマさん!ってあれ……?わたしの掌通してからお酒発射してるんだから…」
アクア「きゃああああ!あつっ!熱っ、熱い!!」
エミリア「アクア!」カシャア
アクア「つーめーたい!!!」
カズマ「あっごめん。そこまで考えてなかった」
エルザ「っ……どうやら、あなたが一番邪魔なようね…今まで目立たないように振る舞って…手痛い油断だったけれど」
エルザ「もう、油断はしないわ」ダッ
「待ちなさい!!!!」
エルザ「ッ」
エミリア「助けを呼んでこれたのかしら…!」
アクア「……あれは…」
「そこまでです。お三方もどうかご安心を。私が来たからにはもう大丈夫です!」
カズマ「お前は……!?」
「我が名はめぐみん!!!」
めぐみん「紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操る者っ!」
エミリア「フェルトの呼んでくれた助けね!」
めぐみん「?フェルト?何の事ですか」
めぐみん「私はあなたたちをつけていただけですよ?」
カズマ「えっこわ!」
アクア「ストーカー!?」
めぐみん「あー…いえ、事を説明すると長くなるのでとりあえず省略します!」
めぐみん「三人とも、ほんの数秒でいいです。時間を稼いでください……私の詠唱が終わるタイミングで、その巨乳から離れてください!」
エルザ「……片付けておいたほうが良さそうね」ダダッ
エミリア「よくわからないけど…協力するわ、敵じゃ無さそうだし!」
アクア「うぉーたーっ!」
ガシャ
ピッ
ガシァ
めぐみん「……有り難うございます!」
めぐみん「黒より黒く。」
めぐみん「闇より暗き漆黒に、我が真紅の混光を望みたもう……」
・・・
めぐみん「並ぶものなき滅亡なり!」
めぐみん「離れてください!!」
エミリア「っ!」ザッ
アクア「わかったわ!」スッ
めぐみん「これが……これが人類最強の攻撃呪文!!以下省略です!ふぅぅぅ……」
めぐみん「エクスプロージョンッ!!!」
エルザ「これはっ……!」
ズゴオオオオオオオオオオ
カズマ「うわあああああ!?あっぶねえ!この距離でそんなやばそうなの撃つなよ!!」
アクア「あれは……爆裂魔法ね!ほとんどネタ魔法じゃない!」
エミリア「あの子もマナを使用しないであそこまでの呪文を…!?何者なの、あなたたち…!」
エミリア「っ……」
カズマ「ゴクリ」
アクア「やったかしら!?」
カズマ「ばか野郎!フラグを立て……あああほら!お前のせいだよ!!」
エルザ「っ……危なかった、わね…これ程の威力で、肘一つで済んだのは幸運……だったけれど」
カズマ「っそ……めぐみん…めぐみん!?と言ったか!?もう一発たの…」
めぐみん「あ、すみません。これ一発撃ったらもう動けないんです。これもう皆で死ぬしかないかもです」
カズマ「何しにきたんだよ!いや助かったけど足手まといだよ!」
エルザ「さて…誰から腸を切り開いてほしい?……ふふ、動けないなら、狙い目ね?」ダダッ
カズマ「!…めぐみん!!!」
カズマ「くそっ…」
エルザ「ふっ……!!!」ビュン
ガシャアアアアアアアアン!!!!!
エルザ「な………」ヒュンヒュンヒュン
エルザ「あなたは……!」
「やあ……なるほど……腸狩り。エルザとやらかい?」
「僕は、ラインハルト・ヴァン・アストレア」
ラインハルト「悪いけど、この人たちはエミリア様の知り合いのようだね」
ラインハルト「守らせていただくよ」
エルザ「アストレア…騎士の中の騎士。……少し、片手では`…少し。分が悪いわね」
カズマ「あれは?」
エミリア「彼は、現“剣聖“よ」
エミリア「大丈夫。万に一つも敗けはないから」
アクア「わたしは、ロム爺さんを治療してくるわね」
エミリア「ええ、ありがとう」
カズマ「剣聖って……それ大体作中最強の人が持つ二つ名だと思うんだけど…」
エミリア「ええ。それも、ラインハルトは……」
エミリア「剣聖として、当代最強を謳われているわ」
・・・
ラインハルト「っふう」カシャッ
エルザ「……まだ、武器はあるわ。……命で、戦わせてもらう」
ラインハルト「でしたら、此方も見せねばなりませんね。アストレア家の、剣劇を」
ブッ
ピャアアアアアアアアアアアア
ドガアアアアアアアア
ドオン!!!!!
ラインハルト「ッ!!」
エルザ「せめて……一人だけでも!」ピュンビュンッ
ラインハルト「しまっ……」
カズマ「……!?」グサアッ
カズマ「てぇっ……うっ……!」ブシャ
アクア「カズマさん!?」
エミリア「カズマ!!」
めぐみん「!」
ラインハルト「くっ、エルザは……逃げられたか……!」
「……ズ……マ!……」
…………………
・・・
カズマ「はっ…ここは……」
カズマ「あのときと、同じ……真っ暗だ」
カズマ「そうか…死んだのか……俺……」
カズマ「…………」
「サトウカズマさん、申し訳ありません!」
カズマ「っ……あなたは…もしかして。女神様、ですか?」
「はい。私は、女神エリスと申します」
エリス「折角、平和な日本から訳のわからない異世界に転生することを決意していただいたのに……」
カズマ「いやいや、いいんですよ…てか、正直ハードすぎませんか?聞いてた世界と違うんですけど」
エリス「はい……実は、恐らく、こちらの不手際で、本来あなたが送られるはずだった世界と、この度あなたの送られてしまった世界にリンクが生じてしてしまい…」
エリス「それぞれの世界で、数人だけ。異世界に飛んでしまうという事になってしまったらしく………」
エリス「本当に、申し訳ありませんでした!」
エリス「カズマさんには、もう一度、選択をしていただくという形で……」
カズマ「……生まれ変わるか、ですか?」
エリス「はい、もちろんできるだけ裕福で、満たされた家庭に……」
『カズマー!蘇生魔法かけたから帰ってきていいわよー!』
エリス「……!アクア先輩の声!?(なるほど、アクア様のエネルギーが影響を……なるほど……!)」
カズマ「俺、もう一回死んでますけど…また生き返れますか?」
エリス「えっ?……特例ですが、お詫びをする必要がありますから……もちろんです」
カズマ「じゃあ、もう一度。俺、今居た世界に行きたいです」
エリス「ですが……ですが、いいんですか!?あの世界は、本来よりずっと過酷で……!」
カズマ「はい、いいんです」
カズマ「だって、面白そうな連中、見つけましたから」
カズマ「ところで、異世界に飛んじゃった人たちはどうするんですか?」
エリス「こちらの不手際が大きいです。時間を掛けて一人一人、意見に沿うようさせていただきます」
カズマ「そうですか」
カズマ「じゃあ、お願いします」
『カズマー?まだー、早くしてよ、カズマさーん!』
エリス「どうか……どうか…!幸あらんことを!」
カズマ「思ってたより過酷だし」
カズマ「大変だけど……」
パアアアアアア!!!!!
カズマ「……」ニッ
カズマ「まだ、きっと楽しめるはずだ。……行くか!……」
カズマ「ゼロから始める異世界生活に!」
エリス「(どうか、祝福を!!)」
バシュウウウアッ
ーENDー