1 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 17:01:12.35 h9etlduVo 1/31


「勇者よ、死んでしまうとは情けない!」


「出かけて数分で命を落とすやつがあるか!」


「なに・・・?腹を下して?草陰で用を足していたら?襲われたあ???」


「・・・それはまあ、仕方ないか?」


「・・・いやいやいや!」


「不用心すぎるぞ勇者!そういう時こそ、旅の仲間とフォローしあってだな!」

元スレ
王「勇者よ、死んでしまうとは情けない!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502611271/

2 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 17:02:21.43 h9etlduVo 2/31


「む・・・?そういえば、勇者よ旅の仲間はどうした?」


「一人で街を出た!?」


「そんな無茶をする者があるか!」


「・・・勇者たるもの、一人旅ぐらいやってのけるだと!?」


「できとらんやないかーい!!!」


「そういうのは、強くなってからやりなさい!」

3 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 17:02:48.37 h9etlduVo 3/31


「ふう・・・、もうよい」


「次は、仲間を集めてから街を出るのじゃぞ」


「ん・・・?どうした?」


「何処で仲間を集めればよいか、じゃと!?」


「酒場に決まっておろう!」


「酒場で旅の仲間を集うのは勇者の伝統!そんなことも知らんのか!」

4 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 17:03:15.13 h9etlduVo 4/31


「怖くて酒場に入れないだと!なんと情けない!」


「ううむ・・・いや・・・まあ・・・」


「今回の勇者は、未成年であるしな・・・」


「酒場に行かせるのも、教育上よろしくないか・・・」


「よおし!わかった!大臣よ仕度せい!儂が征く!」


「政は大臣に任せた!」

5 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 17:04:30.82 h9etlduVo 5/31


「なんじゃ勇者!情けない顔をしおって!心配するでない!」


「これでも、先々代の勇者!旅など慣れたものよ!」


「ははは!久々に血湧き肉躍るのう!」


「さあ征くぞ!勇者よ!」

6 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 20:59:50.46 h9etlduVo 6/31




「勇者よ、女に振られたぐらいで泣くな!情けない!」

11 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:06:45.77 h9etlduVo 7/31



「たかが町娘ではないか!」


「ふむ、確かに美しい娘ではあったな、心身ともにな!」


「ふふふ!儂も、もう少し若ければ手を出しておったかもしれぬ!」


「ああ、すまんすまん!冗談じゃ!」


「だから泣くのではない!」


「致し方ないではないか、勇者よ」

12 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:07:13.89 h9etlduVo 8/31



「わし等と共に町を救った、あの若者」


「聞けば、あの町娘と良い仲だったと言うではないか」


「ぽっとでの貴様じゃ敵わんさ!叶わんさ!」


「ははははは!」


「なに!女なぞ星の数ほど居る!ただし侮るな!」


「ライバル足り得る男達も星の数ほどおる!」

13 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:08:10.70 h9etlduVo 9/31



「我が国の人口比で見ると男の星のほうが多いがな!」


「どれ!ちょいと一杯引っ掛けに行こうではないか!」


「かつての儂が如何に姫騎士を口説き落としたか」


「教授してやろうではないか!」


「それに、そろそろ酒の味も覚えても良かろう!」


「剣技に関しては、一人前と言っても過言ではない!」

14 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:08:39.19 h9etlduVo 10/31



「一端の男たるもの、酒ぐらい嗜まなくてはな!」


「まあ、女の口説き方も知らんでは、まだまだ未熟じゃがな!」


「それになんだったら、よい店を知っておるぞ!」


「この町はな、かつて冒険のさ中に立ち寄ったことがある!」


「実は儂もな、この町で大人の男になったのじゃ!」


「まあ、あの店がまだあるかは定かではないがな!」

15 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:09:08.87 h9etlduVo 11/31



「そんな情けない顔をするな勇者!」


「兎にも角にも、まずは酒じゃ!」


「女の口説き方を覚えたら、さっそく実践しに行こうではないか!」


「さて今宵は長くなりそうじゃ!」


「ほら!行くぞ勇者!」

16 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/13 22:09:35.48 h9etlduVo 12/31




「勇者よ、人が斬れないとは情けない!」

19 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:24:14.52 G0NBeQWxo 13/31



「こやつらは、旅人襲って食ってたのじゃぞ!」


「邪悪な魔物と何が違う!?」


「自分の姿を見てみよ!」


「この戦闘で最も傷を負ったのは貴様ではないか!」


「こやつらを生け捕ることに固執した結果がそれじゃ!」


「言葉が交わせるなら分かり合える、じゃと?」

20 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:24:42.05 G0NBeQWxo 14/31



「なるほど、人間だから斬りたくないというわけではないのか」


「じゃが、それは甘すぎる」


「如何に語り合おうと分かり合えぬ相手は必ず居る」


「ましてや、貴様を騙ろうとする者は如何とする!?」


「先代勇者の顛末は貴様も知っておろう?」


「和平を申し出た魔王に気を許したがばかりに、騙し討ちされた男のことを!」

21 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:25:08.48 G0NBeQWxo 15/31



「同じ轍を踏むつもりか?」


「・・・ふむ、貴様のその甘さは先代ゆずりじゃのう」


「じゃが、ならぬ」


「なに、何事も慣れじゃ」


「肝心なのは最初の一人」


「幸いなことに目の前のこやつらは、斬ってもよい人間じゃ」

22 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:25:34.69 G0NBeQWxo 16/31



「ならぬ、とどめを刺すのじゃ勇者」


「為さぬというなら、こやつらを今すぐ解き放つ」


「こやつらは、また森に潜み人々を襲うであろう」


「その責は、貴様が負うのだ勇者よ」


「やるのだ、やらねばならぬのだ」


「・・・」

23 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:26:02.24 G0NBeQWxo 17/31



「よくやった勇者よ」


「ほら泣くな!情けない顔をするな!」


「胸を張れ!貴様はまだ見ぬ人々を救ったのじゃ!」


「ほれ!行くぞ勇者!」

24 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:28:36.31 G0NBeQWxo 18/31




「勇者よ武闘大会で初戦敗退とは情けない!」

25 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:43:57.92 G0NBeQWxo 19/31



「まったく何たる体たらく!」


「仮にも勇者じゃぞ!この程度の大会で一勝もできんとは!」


「うむ・・・」


「・・・いや、まあ貴様に黙って出場した儂も悪かった」


「・・・いや、準決勝ぐらいで当たって驚かしてやろうと・・・」


「まさか初戦で貴様とあたるとはな!」

26 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:44:24.83 G0NBeQWxo 20/31



「ははは!」


「しかし!勇者よ貴様も腕を上げたな!」


「ついうっかり儂も本気を出してしまったわ!」


「なに?わしが放っていた眩しいオーラは何かじゃと?」


「・・・はて?なんのことかな?」


「魔法ではないかと?」

27 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:44:52.34 G0NBeQWxo 21/31



「な!?ズルじゃないわい!」


「あれは魔法ではない!魔法ではないからズルではない!」


「・・・」


「はい、勇者にもたらされる秘められた力です・・・」


「すみません・・・」


「魔法とは違うんです・・・だから運営に告げ口するのは勘弁してください」

28 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:45:18.26 G0NBeQWxo 22/31



「ああもう!わかったわかった!」


「本当は、自身で秘められた力を引き出してほしかったんじゃが!」


「使い方を教えてやるから勘弁せい!」


「ほら!せっかく優勝賞金も貰ったんじゃ!」


「まずは祝杯をあげに行こうではないか!」


「秘められた力の話は、そのあとじゃ!」

29 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:45:44.60 G0NBeQWxo 23/31



「なに?純粋な剣技じゃない以上、やっぱりズルじゃないかじゃと!?」


「しつこいのう!」


「さては貴様、優勝賞金にたかるつもりじゃな!」


「わかったわかった!今日は好きなもの頼むがよい!」


「今晩で使い切るつもりで臨もうぞ!」


「ほら!いつまでも拗ねてないで!行くぞ勇者!」

30 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 10:46:20.15 G0NBeQWxo 24/31




「勇者よ、仲間が死に瀕したぐらいで立ち止まるのか!情けない!」

33 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:26:17.54 G0NBeQWxo 25/31



「儂らは、楽しいハイキングに来たわけでな無いのじゃぞ!」


「目的を見失うでない!」


「魔王を目前にして何故立ち止まる!」


「貴様、この旅で何を学んだ!」


「その甘さは、いつになったらなおるのじゃ!」


「ロートルなんぞ捨て置け!」

34 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:26:44.41 G0NBeQWxo 26/31



「行くのじゃ勇者!」


「勇者としての責務を果たせ!」


「・・・なに、魔王を倒した帰り道に儂の亡骸を拾ってくれればよい」


「懐に儂のへそくりが入っておる、王国への帰途で全部使ってくれ・・・」


「国へ帰ったら、貴様も英雄じゃ・・・」


「もう好き勝手に旅することも、遊郭に行くこともままならぬ」

35 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:27:10.49 G0NBeQWxo 27/31



「ゆっくり遊びながら帰るとよい」


「ああ・・・儂も、もう一度、あの思い出の店へ・・・行きたかったなあ・・・」


「・・・なに?傷の割に意外と元気じゃないか、じゃと?」


「馬鹿者!瀕しておるは!死に瀕しておるわ!」


「貴様に檄を飛ばす為に、力を振り絞っておるわ!」


「ほら!さっさと行け勇者よ!」

36 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:27:36.31 G0NBeQWxo 28/31



「さっさと世界を救ってこい!」


「・・・やっと行ったか」


「まったく・・・情けない顔をしおって」


「さすがにしんどいのう・・・」


「しかし、久々に楽しい旅であった・・・」


「やはり玉座よりも、こっちのほうが向いとるのじゃろうなあ・・・儂」

37 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:29:08.35 G0NBeQWxo 29/31



「先代勇者・・・あやつとも旅をしてみたかった・・・」


「わしが一緒なら、無様に死なせなかったものを・・・」



「・・・行け勇者」




「世界を救え・・・」





「我が孫・・・」






「・・・次代の王アルスよ!」

38 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:32:42.98 G0NBeQWxo 30/31





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「どうした大臣?血相を変えて」


「まさか?魔王か!?」


「もう復活したのか!?まだ10年と経たんぞ!?」


「次代の勇者は、まだ幼子だ・・・俺が行くしかないか・・・!」


「なに・・・?違う・・・?」


「・・・先王が?」


「書置きを残して出奔!?」


「・・・書置きには何と?」


「『思い出の、あの店へ行ってくる』だと!?」


「まったく、いい年をして!」



「なんて情けない人だ!」

39 : ◆CItYBDS.l2 - 2017/08/14 11:33:14.63 G0NBeQWxo 31/31

おわり

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