1 : 以下、\... - 2017/04/26 21:12:17.221 VSolRH4p0.net 1/30

 
-住宅街-


 タッタッタッ

タプリス「もう、天真先輩ったら」

タプリス「またよくわからない用事で、わたしを呼び出して」

タプリス「振り回されるこちらの身にもなってくださいよぉ」

タプリス「って、もうこんな時間! 急がないと!」


 タッタッタッ ドンッ

タプリス「あいたっ!!」

 ドサァ

??「おっと、すまない!」

タプリス「いたたたた、どなたかにぶつかってしまいましたぁ」

??「本当に申し訳ない。僕の前方不注意だ。怪我はないかい?」スッ

タプリス「あ、大丈夫です。こちらこそよく前を見ずに走っていてすみません」

タプリス(って、この男の人、どこかで見覚えが……)

タプリス「あっ! まさかあなたは!?」

??「ん? 僕のことを知っているのかい?」

タプリス「図書館の本で読んだことがあります! あなたは確か……」

元スレ
ガヴリール「千咲ちゃん、日本一熱い男に天真先輩を更生させる」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1493208737/

3 : 以下、\... - 2017/04/26 21:15:44.117 VSolRH4p0.net 2/30

 
修造「僕の名前は修造だ! 本を読んでくれたんだね、ありがとう! えっと……」

タプリス「あ、わたしは千咲っていいます」

修造「そうか、千咲くんか!」


タプリス「それにしてもすごいです! あの本の作者さんにお会いできるなんて!」

修造「そんな大した人間ではないよ、僕は」

修造「あの本にはただ、僕が成し得なかったことを書いただけさ!」

タプリス「いえいえ、そんなご謙遜を!」

タプリス「あの本のおかげで、毎日がんばるぞーっていう気持ちが湧いてきます!」

修造「ははっ、そう言ってもらえると、書いた甲斐があったというものさ!」


修造「そうだ、ぶつかってしまったお詫びといってはなんだけど」

修造「何か君のことを、手助けさせてもらえないかな」

タプリス「手助けなんて、そんな。わたし、怪我もしてないですし……」

修造「いや、僕の気がすまないんだ! 頼む! 何でもいいから!」

タプリス(こんな人格者さんに何かを手伝ってもらえるなんて)

タプリス(恐縮してしまいます。でも折角の機会ですから……)

タプリス(あ、そうだ、この人なら!)


タプリス「あ、あの! 無理を承知でお願いしたいことがあります!」

修造「なんだい? 僕にできることなら何でもするよ!」

タプリス「じ、実はですね……」

13 : 以下、\... - 2017/04/26 21:18:53.112 VSolRH4p0.net 3/30

 
-ガヴリールの家-


ガヴリール「……追い出して」

タプリス「即答!?」

修造「君が天真くんだね! 話は千咲くんから聞いているよ!」

修造「ふんふん、なるほど! 部屋の様子から見て……」

修造「なんとなく君がどういう状況にあるか、理解した!」

ガヴリール「なあタプリス。警察呼んでいいか?」

ガヴリール「これ、不法侵入ってやつだよな?」

タプリス「ちょ、ちょっと待ってください!」

タプリス「わ、わたしからこの方にお願いしたのは本当ですから!」

ガヴリール「……で、この人誰なの?」

タプリス「えっ、天真先輩知らないんですか?」

ガヴリール「知らない」


タプリス「この方は修造さんといいまして、本も出しているんです」

タプリス「それに、世界中の人たちを応援して回っている、すごい人なんですよ」

ガヴリール「ふーん、なんとなくお前の意図を理解したわ」

ガヴリール「大方、この人の指導で、私を更生させようっていう魂胆だろ」

タプリス「うっ……え、えっと……」

修造「その通り!」

タプリス「えっ?」

修造「理解が早くて助かるよ、天真くん! さすがだな!」

19 : 以下、\... - 2017/04/26 21:22:18.017 VSolRH4p0.net 4/30

 
ガヴリール「……タプリスに何を言われたか知らないけど」

ガヴリール「あんたが何をしようと、私は今の生活を変える気はないからな」

修造「それはどうしてだい?」

ガヴリール「……私は自分に正直に生きることにしたんだ」

ガヴリール「だからこの一番気楽で、楽しい毎日を捨てる気は毛頭ない」

修造「なるほど。じゃあもっと気楽で楽しい日々を過ごすことができれば」

修造「今の生活を捨てる可能性があるってことだね!」

ガヴリール「……そんなのあるわけないだろ」


修造「なんでそこで諦めるんだ!!」

ガヴリール「……ッ」

修造「気楽で楽しい日々を求める、大いに結構!」

修造「だけど他のことを試さずに、今の生活が自分にとって最高だと」

修造「決めつけるのは早計だと思わないかい!」

ガヴリール「……」

修造「別に僕は、君の……ネットゲームだっけ? それを奪い取る気は全くない!」

ガヴリール「え、そうなの」

修造「ああ、約束する! 強制的にやめさせるようなことは絶対にしない!」

修造「ただ他のことを少しずつでいいから、体験してみてほしいんだ!」

ガヴリール「……まぁ、ネトゲやめなくてもいいなら……程度によるけど」

タプリス「せ、先輩!」

ガヴリール「でも、少しでもつまらないと思ったら、すぐやめるからな」

修造「そうか、ありがとう天真くん! じゃあ、早速外へ出ようか!」

ガヴリール「えっ」

21 : 以下、\... - 2017/04/26 21:24:38.776 VSolRH4p0.net 5/30

 
-ガヴリールの家の前-


ガヴリール「私に何させる気だよ」

修造「これから天真くんには、ジョギングをしてもらうよ!」

ガヴリール「はぁ? ジョギングなんて面倒くさい……」

修造「何をするにしても、まずは体が資本」

修造「丈夫な体こそ、丈夫な精神を作り、すべての行動の源になる!」

ガヴリール「帰っていいっすか」

修造「ははっ! まぁ、聞いてくれよ! 天真くんに今回走ってもらうのはここだ!」ドンッ

ガヴリール「ん? うちの周り……?」

修造「そうだ、このアパートの周りを一周だ!」

ガヴリール「はぁ? そんなのすぐに終わるじゃん」

修造「それでいいんだ。ただ、それを毎日続けてほしい」

修造「僕も一緒に走るからね!」

ガヴリール「まぁ……それだけなら」

修造「よし! じゃあ、走ろうか!」


 タッタッタッ

修造「できる! できる! 君ならできる!」

ガヴリール(うるさい……)


ガヴリール「はい、終わりっと。これで追加とか言うつもりじゃないよな」

修造「そんなこと言わないさ! これで終わりだよ、お疲れ様!」

修造「それにしても、もっとひどい状態かと思ったが」

修造「意外と走れているじゃないか! 見直したぞ、天真くん!」

ガヴリール「はいはい、そりゃどうも。じゃあもう帰ります」

修造「ああ、また明日!」

23 : 以下、\... - 2017/04/26 21:27:35.765 VSolRH4p0.net 6/30

 
-次の日 ガヴリールの家-


 ピンポンピンポンピンポーン


ガヴリール「んあ……誰だよ、ヴィーネか?」

ガヴリール「でもヴィーネなら勝手に入ってくるだろうし」

 ドンドンドンッ

修造『おはよう! 天真くん! ごはん食べよう!』

ガヴリール「うわ……あの人、今日も来たのかよ」

 ガチャ

修造「食材買ってきたから、一緒にごはん食べようか!」

ガヴリール「えっ、あんた料理できるの?」

修造「ははっ、まぁそこそこにね。日本全国の料理を食べ尽くしているから」

修造「これでも結構、味にはうるさいんだ」

ガヴリール「もしかして、おごり?」

修造「もちろんだよ! あ、その代わり僕の分も一緒に作るからね!」

ガヴリール(これはラッキー、食費が浮いた)


修造「食事は健康な体を作るために、絶対に手を抜いてはいけないからね!」

修造「健康な体は、健全な精神を作るんだ!」

ガヴリール「はぁ……そうですか」

修造「じゃあ、さっそくキッチンを借りるから!」

ガヴリール「はいはい」

28 : 以下、\... - 2017/04/26 21:30:33.323 VSolRH4p0.net 7/30

 
ガヴリール「ごちそうさまでした」

修造「ああ、お粗末さま! いい食べっぷりだったね!」

ガヴリール「まともな料理、久しぶりだったんで」

ガヴリール(正直、滅茶苦茶うまかったけど)

修造「そうか、それはよかった!」


修造「それじゃあ少し休憩したら、今日もジョギングに行こうか!」

ガヴリール「またアパートの周りを一周?」

修造「ああ、そうだ!」

ガヴリール「あんな短い距離、走っても走らなくても変わらなくないっすか?」

修造「何言ってんだよ!!」

ガヴリール「……ッ」

修造「天真くんが、自分の足でジョギングを達成したことが重要なんだ!」

修造「逆に、一回走ったんだから、二回走っても問題ないだろう?」

ガヴリール「まぁ別に、あの距離を走ること自体はいいですけど」

修造「そう! 続けることが大事なんだ!」



-ガヴリールの家の前-


 タッタッタッ

修造「諦めるな! 諦めるな! もっと熱くなれよ!」

ガヴリール(……黙って走れないのかな、この人)

32 : 以下、\... - 2017/04/26 21:33:42.681 VSolRH4p0.net 8/30

 
修造「よし、今日はこれで終わり! って、うおっ!」

ガヴリール「どうしたんですか?」

修造「昨日よりもタイムが早くなっている!」

ガヴリール「そ、そうっすか」

修造「すごいぞ! やればできるじゃないか!」

ガヴリール「たまたまでしょ、それに昨日と同じようにしか走ってないし」

修造「ははっ、これは明日も楽しみだな!」

ガヴリール「聞いてないし……じゃあもう帰ります」

修造「ああ、また明日な!」



-数日後 学校の教室-


ヴィーネ「そういえばガヴ、最近学校にちゃんと来てるわね」

ガヴリール「そうか? いつもと変わらんと思うけど」

ヴィーネ「それになんか、いつもよりも肌ツヤが良いような」

ガヴリール「……特に何もしてないけどな」

ヴィーネ「うーん。そうだ、今日久しぶりにガヴの家行っていい?」

ガヴリール「別にいいけど」

ヴィーネ「どうせ掃除とかしてないんでしょ? まったく、しょうがないんだから」

33 : 以下、\... - 2017/04/26 21:36:41.070 VSolRH4p0.net 9/30

 
-ガヴリールの家-


ヴィーネ「あ、あれ、思ったより綺麗ね」

ガヴリール「ああ。最近、修造さんが来てるからな」

ヴィーネ「……修造さんって?」


 ピンポンピンポンピンポーン


ガヴリール「あ、来た」

 ガチャ

修造「こんにちは、天真くん! おや、隣のお嬢さんはお友達かな」

ヴィーネ「えっ、この人まさか……あの有名な修造さん!?」

ガヴリール「ああ、そうみたい。タプリスが突然連れてきた」

修造「ははっ、お恥ずかしい限りだ!」

ヴィーネ「え、えっと……もしよかったら、サインもらえますか!」

修造「僕のサインなんて、モノ好きだね! いくらでもあげちゃうよ!」

ヴィーネ「やったぁ! ありがとうございます! あ、私、月乃瀬っていいます!」

修造「月乃瀬くん、だね。サインにそう書いておくよ」


ヴィーネ「それにしても、どういうことなのよガヴ。タプちゃんが連れてきた?」コソコソ

ガヴリール「そのままだよ。なんか私を更生させるように、タプリスに頼まれたみたい」コソコソ

ヴィーネ「ふーん、なるほど」コソコソ

ガヴリール「な、なんだよ。私はそんな気まったくないからな」コソコソ

ガヴリール「この人が飽きて去るのを待ってるだけだから」コソコソ

ヴィーネ「そっかそっか」コソコソ

35 : 以下、\... - 2017/04/26 21:39:30.547 VSolRH4p0.net 10/30

 
ヴィーネ「修造さん!」

修造「なんだい、月乃瀬くん」

ヴィーネ「ガヴのこと、ぜひともよろしくお願いします!」

ガヴリール「は? ヴィーネ何言ってるんだよ」

ヴィーネ「私だってタプちゃんと同じよ」

ヴィーネ「ガヴが更生してくれたら、それに越したことはないもの」

ガヴリール「だから、私はなぁ……」

修造「取り込み中すまないが、そろそろ日課のジョギングに行こうか!」

ヴィーネ「えっ、ガヴ、ジョギングなんてしてるの!?」

ガヴリール「ま、まあな」

ヴィーネ「すごい、さすが修造さん……ねえガヴ、私もついていっていい?」

ガヴリール「別にいいけど」



-ガヴリールの家の前-


 タッタッタッ

修造「熱く! 熱く! もっともっと熱くなれよぉ!」

ガヴリール(……恥ずかしい)

ヴィーネ(これはちょっと恥ずかしいわね……)


ガヴリール(それにしても、アパート一周だけで終わりにしたら)

ガヴリール(絶対、ヴィーネに馬鹿にされそうだな)

36 : 以下、\... - 2017/04/26 21:42:32.248 VSolRH4p0.net 11/30

 
修造「これでよしっと、じゃあ今日は――」

ガヴリール「何いってんすか、修造さん」

修造「えっ」

ガヴリール「続き、走りますよ」

修造「……ははっ、なるほど」

修造「そうだね、僕の勘違いだったようだ。天真くんが走れるだけ周回しようか!」

ガヴリール「うっす」

ヴィーネ「……?」


 タッタッタッ

ガヴリール「ぜぇ……ぜぇ……」

修造「……」

ガヴリール(今、何周目だ、かなりつらいぞ……まだそんなに走ってないのに)

ガヴリール(これじゃどのみち、ヴィーネに馬鹿にされちまう)


 グキッ

修造「あいったぁぁぁぁぁぁっ!!」

ガヴリール「!?」

ヴィーネ「!?」

修造「す、すまない、足を挫いてしまったみたいだ」

ガヴリール「はぁ……はぁ、大丈夫っすか?」

修造「申し訳ないが、今日はここまでにしても良いだろうか」

ヴィーネ「修造さんがそういうなら……ねえ、ガヴ」

ガヴリール「あ、ああ」

ガヴリール(な、何にしても、助かった……)

39 : 以下、\... - 2017/04/26 21:45:39.618 VSolRH4p0.net 12/30

 
ヴィーネ「では修造さん、これからもガヴのこと、よろしくお願いします」

修造「ははっ、任せてよ! それにしても……」

ヴィーネ「はい?」

修造「ジョギングの様子を見ていたが、月乃瀬くんもなかなか見所がありそうだ」

ヴィーネ「え、ほんとですか!?」

修造「ああ、時間があるなら、天真くんと一緒に汗を流してくれると嬉しい」

修造「共に切磋琢磨する相手がいれば、お互いの向上に繋がるからね!」

ヴィーネ「わかりました、ぜひ!」

ヴィーネ「じゃあ、ガヴもあまり修造さんに迷惑かけないようにね」

ガヴリール「迷惑なんてかけてねーよ」

ヴィーネ「だといいんだけど。それじゃあね」



修造「いい友だな!」

ガヴリール「……まぁ、それは認めるよ」

修造「それにしても今日はすごかったじゃないか、自己ベスト更新だ!」

ガヴリール「でも、全然走れなかったし」

修造「何言ってるんだ。昨日の何倍走ったと思ってるんだ?」

修造「やっぱり君はすごいな! やればできるんだ!」

ガヴリール「……」

修造「それじゃあ、僕はそろそろ帰るよ!」

ガヴリール「……三周」

修造「えっ?」

ガヴリール「明日から、三周走る」

修造「……そうか、君がそう決めたのなら、僕も一緒に走るだけだ!」

修造「それじゃあ天真くん、また明日!」

41 : 以下、\... - 2017/04/26 21:48:40.647 VSolRH4p0.net 13/30

 
-数週間後 ガヴリールの家の前-


 タッタッタッ

修造「できる! できる! 君ならできる!」

ガヴリール「はっ……はっ……」


修造「ふぅ……すごいな、また自己ベスト更新だ!」

ガヴリール「ぜぇ……ぜぇ……、う、うす」

修造「まさかこんな短期間で、三十周も走れるようになるとは思わなかった!」

ガヴリール「でもなんか最近は、疲れ方が変わらないというか」

ガヴリール「これ以上、距離延ばすのがしんどいっす」

修造「そうだな……それじゃあ、少しだけ筋トレを始めてみようか」

ガヴリール「えっ、筋トレっすか」

修造「そんなに身構えることはないよ。ストレッチの延長みたいなものさ」

修造「一日、10分するだけで、筋力量が少しずつ増えて、走るのもだいぶ楽になるよ」

ガヴリール「それなら、まぁ……」

修造「でも本当にいいのかい? 10分、他のことをする時間が減ってしまうけど」

ガヴリール「別にネトゲは夜やればいいし、10分くらいなら大丈夫っす」

ガヴリール「とりあえず、教えてください」



-ガヴリールの家-


ガヴリール「今日もうまいっすね」モグモグ

修造「筋肉をつけるには、タンパク質が必須だからね!」

修造「どんどん食べてくれて、問題ないさ!」

ガヴリール「うっす」パクパク

43 : 以下、\... - 2017/04/26 21:51:42.319 VSolRH4p0.net 14/30

 
-住宅街-


修造「今日は天真くんにゴミ拾いのボランティアをして欲しいんだ!」

ガヴリール「は? ボランティアだって?」

修造「まあ、ボランティアということは置いておいて」

修造「ゴミ拾いもなかなか、普段使っていない筋肉を使うから」

修造「良い筋トレになるんだ!」

ガヴリール「いやいや、それはさすがに」

修造「もちろん、僕も一緒に参加するからね! そうだ!」

修造「僕とゴミ拾い対決をして、天真くんの方が多く拾ったら」

修造「今日はケーキを作ってあげよう」

ガヴリール「ケーキってまじ?」

修造「ああ、しかもホールだ」

ガヴリール「……しょうがない、やりますか」


修造「それじゃあ、よーいスタートだ!」

 シュタタタタッ

ガヴリール「くそっ、なんだあの動き、めっちゃはやい!」

 タッタッタッ


ガヴリール「ぜぇ……ぜぇ……、ど、どうだ」

修造「はぁ、はぁ……、一袋、僕のほうが少ないね、完敗だ」

修造「やるじゃないか、天真くん!」

ガヴリール「まあ、地の利はこっちの方があるっすから」

修造「約束通り、今日はケーキを作ってあげよう。プロテインも少しだけ混ぜるからね!」

ガヴリール「……せめて、味は変わらないようにしてくださいよ」

45 : 以下、\... - 2017/04/26 21:54:40.127 VSolRH4p0.net 15/30

 
-ガヴリールの家-


ガヴリール「ふっ……50……51……」

修造「できる! 君なら限界を超えられる!」

ガヴリール「……99……100ッ!」

修造「よくやったぞ! 100回だ! 新記録じゃないか!」

ガヴリール「ぜぇ……ぜぇ……、もう、一セットやります」

修造「そうか! さすが天真くんだな! 本気になれば何でもできる!」

ガヴリール「う、うす」



修造「なんだって、トレーニングの量を増やしてほしい?」

ガヴリール「うす」

修造「いや、ただ闇雲に増やすのは、逆に体によくない」

ガヴリール「でも、空いた時間がもったいないっすから」

修造「空いた時間は趣味に使うとかで良いんじゃないか? ほら、ネットゲームとか」

ガヴリール「なんか最近、ネトゲやってもつまらないというか」

ガヴリール「それよりも、体動かしてる方が楽しいんで」

修造「そうか。じゃあ勉強するっていうのはどうかな」

ガヴリール「えっ、勉強?」

修造「ああ、前にも言ったことがあるよね。健康な体は――」

ガヴリール「健全な精神が作る」

修造「ああ、そうだ。勉強によって精神が鍛えられることで」

修造「いざという時の身体能力を向上させることにも繋がるんだ!」

ガヴリール「うす、じゃあやってみるっす」

修造「大丈夫、君なら両方できる! 必ずだ! 僕が保証する!」

50 : 以下、\... - 2017/04/26 21:58:08.204 VSolRH4p0.net 16/30

 
-しばらく後 ガヴリールの家の前-


タプリス(うぅ……最近忙しすぎて、天真先輩に全然会えませんでしたが……)

タプリス(修造さん、もう諦めて帰っちゃったでしょうか)

 ピンポーン ガチャ

タプリス「えっ、早っ!」

ガヴリール「タプリスか、今日はどうした?」ムキッ

タプリス「ひっ!!」

ガヴリール「ん?」

タプリス「え、えっと……て、天真先輩……ですか?」

ガヴリール「何を言ってるんだ、そうに決まってるだろ?」ムキッ

タプリス「なんだかずいぶんと……筋骨隆々になりました、ね?」

ガヴリール「そうか? 前とそんなに変わらんだろ」ムキッムキッ

52 : 以下、\... - 2017/04/26 22:00:35.195 VSolRH4p0.net 17/30

 
タプリス「いやいやいや……」

タプリス「以前お会いしてから、何があったんですか……?」

ガヴリール「ああ、あれからコーチにいろいろ教えてもらってな」ムキッ

タプリス「コ、コーチ? って、誰です?」

ガヴリール「何だ、ふざけてるのか? 修造コーチに決まってるだろ」ムキッ

タプリス「えぇっ、修造さんが、コーチ……?」

ガヴリール「当たり前だろ」ムキッ


タプリス「えっとそれより、その手に持ってるのは……」

ガヴリール「ああ、これか。プロテインドリンクだよ、毎日欠かせないんだ」ムキッ

タプリス「へ、へぇ……」

ガヴリール「あ、そうだタプリス。ちょうどよいところに来た」ムキッ

ガヴリール「これから20キロランニングにいくから、タプリスも一緒にいくぞ」ムキッ

タプリス「どぇっ! 20キロ!?」

53 : 以下、\... - 2017/04/26 22:03:30.485 VSolRH4p0.net 18/30

 
タプリス「ぜぇ……ぜぇ……、もうギブ、ギブリスですぅ……」

ガヴリール「だらしないな……まだ2キロだぞ」

ガヴリール「仕方ない。鍵渡すから、私の部屋で待っててくれ」

タプリス「わ、わかりましたぁ……」

タプリス(あの運動嫌いの天真先輩が、どうしてこんなことに……)

タプリス(修造さん、すごすぎですよぉ……)



-ガヴリールの家-


タプリス(うわ、部屋も綺麗に片付いてる……)

タプリス(それに……パソコンがどこにもありませんね)

タプリス(まさか、あれだけやっていたネットゲームも)

タプリス(やめてしまったんでしょうか)

タプリス(あれ、これは……写真?)

タプリス(どうやらボランティア活動の記念写真みたいです)

タプリス(天真先輩……ボランティアにも参加しているんですね)

タプリス(……)

タプリス(これは、もしかして……)

タプリス(更生成功と言えるのではないでしょうか)

タプリス(……でもわたしは、天使学校時代のような先輩に戻ってほしかったなぁ)

55 : 以下、\... - 2017/04/26 22:07:08.724 VSolRH4p0.net 19/30

 
タプリス(だって、このままだと……)

――

――――

ガヴリール「ふふっ、こっちに来なさいタプリス。抱きしめてあげますね」ムキッ

タプリス「はーい、先輩♪」

ガヴリール「タープリスっ♪」ムキッ

 ぎゅぅぅぅ ベキバキボキィッ

タプリス「ぎょえぇぇぇぇぇぇっ!!」

――――

――

タプリス(はわわわわ……)ガクガクブルブル

タプリス(だ、だめです、これでは……)

タプリス(わたしの命がいくらあっても足りませんっ)


タプリス(と、とりあえず書き置きをして……)

タプリス(し、白羽先輩に相談しにいきましょう)



-ラフィエルの家-


ラフィエル「なるほど、最近ずいぶんとガヴちゃんの体積が増えたと思ったら」

ラフィエル「そんなことになっていたんですね」

タプリス「は、はい。確かに以前よりかは、更生していると思うのですが」

タプリス「なんかこう、コレジャナイ感が……」

ラフィエル「そうですか? 私はムキムキのガヴちゃんも素敵だと思いますけど」

56 : 以下、\... - 2017/04/26 22:09:55.517 VSolRH4p0.net 20/30

 
ラフィエル「ですが、お話を聞いた限りですと……」

ラフィエル「ここからまた別の人格へシフトしていくのは、かなり難しそうですね」

タプリス「ですよね。修造さんの精神論にかなり染まりきっていますから」

タプリス「でも、やはり昔の先輩に戻って欲しいです」

タプリス「それがわたしの、一番の目標ですから」

ラフィエル「そうですかそうですかぁ」


タプリス「えっと、何かいい方法はありませんかね」

ラフィエル「一つだけ、ありますよ」

タプリス「本当ですか!? 白羽先輩、ぜひ教えてほしいです!」

ラフィエル「……今のガヴちゃんは、力に心酔していますからね」

ラフィエル「ならば、それ以上の力でねじ伏せて、一気に説き伏せるまで、です」

ラフィエル「単純ですが、それが一番効果があると思います」

タプリス「それ以上の力……ですか」

タプリス「でも、わたしにはそんな力ありません……」


ラフィエル「そうですね、今のタプちゃんでしたら、無理でしょう」

タプリス「今の……ですか?」

ラフィエル「私の知り合いの知り合いにですが」

ラフィエル「修造さんに負けずとも劣らない、熱い方がいらっしゃるんです」

ラフィエル「その方に稽古をつけていただいて、ですね」

ラフィエル「タプちゃんが、今のガヴちゃんを倒せばよいのです!」

タプリス「えぇっ……」

58 : 以下、\... - 2017/04/26 22:13:21.944 VSolRH4p0.net 21/30

 
-舞天市 山奥-


タプリス「うぅ、待ち合わせの場所はここだと聞いたのですが……」

タプリス「こんな山奥で、何をするのでしょうか」

 イェエエエエエーーイ

タプリス「ひっ、な、何の音ですか!?」


 ドドドドドッ キキーッ

??「イェエエエエエーーイ!!」

タプリス「だ、誰ですか!?」

??「どぉーも!! 空前絶後のぉぉぉぉ! 超絶怒涛のピン芸人!!」

??「笑いを愛し、笑いに愛された男ぉー!!」

池崎「その名もぉ!! 池崎ぃぃぃぃぃっ!! いええぇぇぇぇぇ!!」

タプリス「んん???????」


池崎「君が依頼主のお嬢さんだね!!」

タプリス「えっ、あ、はい……」

池崎「早速だが、俺たちに残された時間は少ない!!」

池崎「宇宙最強を目指して、この身が朽ち果てようとぉぉぉ! 命を燃やしてぇぇぇ!!」

池崎「強敵と書いて、ともを、倒そうじゃない、かぁぁぁぁぁぁっっ!!!」


タプリス「よ、よろしくお願いします、師匠!」

池崎「この俺にぃ!! ボコォッ! 任せとけぇぇぇぇぇぇっ!!!」

59 : 以下、\... - 2017/04/26 22:17:09.237 VSolRH4p0.net 22/30

 
-数ヶ月後 工事現場-


ガヴリール「……」

修造「……」

ガヴリール「……来たか」


 ゴゴゴゴゴゴッ


タプリス「……」ムキッ

ガヴリール「……」ムキッ


ガヴリール「……タプリス、見違えた――」

タプリス「イェエエエエエエエエエエエーーイ!!!!」

ガヴリール「なっ!?」


タプリス「空前絶後のぉぉぉぉ!! 超絶怒涛のピン天使ぃ!!」

タプリス「天真先輩を愛しぃぃ!!! 天真先輩に愛された女ぁっ!!!」

タプリス「そぉう、このわたしこそはぁ!!」

タプリス「身長152cm! 体重44kg! スリーサイズは上から83、57、82ぃぃぃ!!」

タプリス「スマホのパスコードロックは0420! 天真先輩の誕生日ぃぃぃぃっ!!!」

タプリス「そぉう、全てをさらけ出したぁ、このわたしはぁ!!」


タプリス「タプリィィィスッ……千咲ぃ!! いええぇぇぇぇぇっ!!!」



ガヴリール「……」

修造「……」

63 : 以下、\... - 2017/04/26 22:20:57.335 VSolRH4p0.net 23/30

 
タプリス「天真先輩にぃぃぃっ!! 決闘を申し込みまぁぁぁぁすっ!!」

ガヴリール「ふっ、お前もずいぶんと鍛錬を積んできたようだな」

ガヴリール「上腕三頭筋を見たらわかる」ムキッ

タプリス「……」ムキッ

ガヴリール「いざ、尋常に勝負だッ!!」



ヴィーネ「ねえラフィ、なんで私たちまで呼ばれているの」

ラフィエル「それはもちろん、面白いからです♪」

ヴィーネ「タプちゃんまで、あんなムキムキになっちゃって」

ヴィーネ「せっかくの可愛い姿が台無しよ……」

ラフィエル「まぁまぁ。お二人の勇姿、拝見させていただこうではありませんか」



修造「天真くん。正直、勝ち負けなんか、ちっぽけなことだ!」

修造「大事なのは、その一瞬一瞬で、ベストを尽くすこと!」

修造「さぁ、いくんだ! 君の本気を見せてくれ!!」

ガヴリール「はい、コーチ!!」



池崎「パーフェクトだ、千咲くん。俺にはもう教えることは何もない」

タプリス「師匠……」

池崎「全力で命を燃やしてこい!! イェエエエエエーーイ!!」

タプリス「イェエエエエエーーイ!!」

64 : 以下、\... - 2017/04/26 22:24:46.579 VSolRH4p0.net 24/30

 
ラフィエル「では、私が審判をさせていただきます」

ラフィエル「あ、普通の殴り合いは危険ですので、勝負種目は……」

ラフィエル「相撲です!!」

ラフィエル「服の上から、まわしだけ付けてくださいね」

ヴィーネ「……」

ガヴリール「……」

タプリス「イェエエエエエーーイ!!」


ガヴリール「……本物の力というものを、教えてやる」

タプリス「……ジャスティス」


ラフィエル「それでは……はっけよーい、のこった!!」


 ズンッ ドッ


ガヴリール「ぐっ、なかなかやる……だが!」

ガヴリール「先手必勝!!」グイッ

タプリス「……」ニヤッ

ガヴリール「なっ!?」

タプリス「イェエエエエエーーイ!!」グイッグイッ

ガヴリール「くそぉっ、なんてパワーだ!!」

65 : 以下、\... - 2017/04/26 22:27:50.748 VSolRH4p0.net 25/30

 
タプリス「あの頃のぉ! 先輩にぃ! 戻ってくださぁい!!!」グイッ

ガヴリール「はぁっ!? お前、何言ってんだ!!」

ガヴリール「元はと言えば、お前が更生しろって言って」

ガヴリール「コーチを連れてきたんじゃないか!」グイッ

タプリス「今の先輩はぁ! 本当の先輩では、ありませんん!!」グイッ

ガヴリール「本当の私ってなんだよ! 今も昔も! 今の私が私だ!!」グイッ

タプリス「違いますぅ! 今の先輩は、力に溺れすぎていますぅ!!!」

タプリス「そんなの、以前のネットゲームをやっていた先輩と変わりませんん!!」グイッ

ガヴリール「あの頃の私と同じだって!? はっ、ありえないっ!!」

ガヴリール「今はこんなにも、健康的で豊かに暮らしているんだぞ!!」グイッ


タプリス「だから、それがやりすぎだって言ってるんですぅ!! 先輩は!!」グイッ

ガヴリール「はぁ!?」グイッ

タプリス「100%で突っ走らなくていいんです!!」グイッ

ガヴリール「全てに全力で挑んで!! 何が悪い!!」グイッ

タプリス「80%くらいでぇ! ちょうど良いんですよぉぉぉ!!」グイッ

ガヴリール「な、何言ってるんだ、お前っ!!」グイッ

タプリス「そんなの続けてたらぁ! いずれ先輩がぁ! 壊れてしまいますぅ!!」グイッ

ガヴリール「そ、そんなわけ、あるかぁ!!」グイッ


タプリス「だからぁ! わたしが先輩をぉ! とめますぅぅぅぅ!!」グイッグイッ

ガヴリール「ぐっ!! お、押し切られる!!」

67 : 以下、\... - 2017/04/26 22:30:34.429 VSolRH4p0.net 26/30

 
修造「天真くん! 思い出せ! 僕との特訓の日々を!!」

修造「君はできる! 絶対できる! できるんだぁぁぁ!!」


ガヴリール「そうだ、私は!!」

ガヴリール「あの頃のひ弱なぁ!! 私ではないぃぃぃっ!!」グイッグイッ

タプリス「ぐぅぅぅぅっ!!」


池崎「千咲くん、自信を持てぇぇ!! 君がぁぁぁ!! ジャスティィィス!!!!」


タプリス「例えこの身が朽ち果てようとぉぉぉ!!!!」

タプリス「わたしがぁ!!! ジャァァァスティィィス!!!!」グイッグイッ



ガヴリール「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」グイッグイッグイッ

タプリス「いぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」グイッグイッグイッ


 ブンッ


ラフィエル「ふ、二人がっ!!」

ヴィーネ「宙に浮いた!?」


 ズドンッ


ガヴリール「……」

タプリス「……」



ヴィーネ「ど、どっちが先に……落ちたの?」

70 : 以下、\... - 2017/04/26 22:33:59.462 VSolRH4p0.net 27/30

 
ラフィエル「……この勝負」

ヴィーネ「……」ゴクリ


ラフィエル「引き分けです!!」

ヴィーネ「なっ!? どういうこと?」

ラフィエル「二人とも、同時に地面についていました」

ラフィエル「よって……この勝負は、引き分けです」

 スクッ

ガヴリール「……私と引き分けるなんて。腕を上げたな、タプリス」

ガヴリール「お前の思い、たしかに受け取った。ほら、立てるか?」スッ

タプリス「あ、ありがとうございます」


 パチパチパチッ

修造「ナイスファイト!! ナイスファイトだった!!」

池崎「感激ぃぃぃいえええええええええい!!!」



ガヴリール「そうだな、たしかにお前の言うとおり……」

ガヴリール「少し、のめり込みすぎ、だったのかもしれない」

タプリス「先輩……」

ガヴリール「これからは、ほどほどに……しとくよ」

タプリス「よ、よかった……ほんとによかったぁ」

71 : 以下、\... - 2017/04/26 22:36:44.257 VSolRH4p0.net 28/30

 
 ピリリリリッ

修造「ん、僕の電話か。良いところなのに……はい、もしもし」

奥さん『あなた、今どこで何やってるの!』

修造「ひっ! 今はだな、えっと……」

奥さん『何ヶ月も家をあけて! さっさとうちに帰ってきなさい!!』

修造「わ、わかった! すぐに帰るから!」

 ピッ

修造「すまない、天真くん、千咲くん。急ぎの用ができた!」

修造「これからも仲良く、一生懸命、生きてくれ!」

ガヴリール「コーチ! 今まで本当にありがとうございました!!」

修造「ああっ! 今の天真くん、最高に輝いてるぞ!!」

修造「それじゃあ、また会おう!!」


 ピリリリッ

池崎「ん、俺の電話か。な、なにぃ!! 刺客が迫ってるってぇぇ!?」

池崎「すまない、命を狙われる男ぉ!! この池崎ぃ!!!」

池崎「そろそろ行かねばぁぁっl!!」

タプリス「し、師匠、ほんとにありがとうございました!!」

池崎「ああ、千咲くんも元気でな!!」

池崎「それでは、華麗に撤退ぃぃぃいえええええええええい!!!」



タプリス「行っちゃいましたね」

ガヴリール「ああ……最後まですごい人だった」



ヴィーネ「えっと、なにこれ」

74 : 以下、\... - 2017/04/26 22:39:56.685 VSolRH4p0.net 29/30

 
-しばらく後 ガヴリールの家-


タプリス(……わたしと天真先輩の死闘から、幾時か経ちまして)


タプリス(修造さんがいなくなってからというもの)

タプリス(先輩の体は、みるみるとしぼんでいき)

タプリス(以前の小柄な先輩に戻ってしまいました……)

タプリス(わたしとしては、これで命の危険がなくなって)

タプリス(ほっと一息だったのですが……)


 カチッカチカチッ

ガヴリール「ああっ、くそっ。こいつ支援下手くそだな!」


タプリス(以前のネットゲームにハマる先輩に戻ってしまったのは)

タプリス(残念なような、そうでないような。そんな感じです)


タプリス「もう、先輩。今日はお出かけするって言ったじゃないですか」

ガヴリール「そうだっけ。でも今、忙しいからパス」

タプリス「せーんーぱーいー?」ズイッ

ガヴリール「な、なんだよ! っていうか、お前なぁ!」

タプリス「はい?」

75 : 以下、\... - 2017/04/26 22:43:47.058 VSolRH4p0.net 30/30

 
ガヴリール「あれだけ人に言っておいて、何でお前だけムキムキのままなんだよ!」

タプリス「えっ?」ムキッ

ガヴリール「不公平じゃんか!!」

タプリス「そんなこと言われましても……」

タプリス「戻らないので仕方ないじゃないですか」ムキッ


タプリス「それより! ほら、出かけますよ!」グイッ

ガヴリール「ぐえっ! いやーだー!! 片手でかつぐなぁ!!」

タプリス「関係ありません、えーい♪」ムキッ

 ぎゅぅぅぅ みちみちみちぃ

ガヴリール「ぎぃやぁぁぁぁぁぁっ!!」



タプリス「これからも天真先輩が更生してくれるように」

タプリス「わたし精一杯、がんばりますから」

タプリス「覚悟しててくださいね!」ムキッ


ガヴリール「いぃぃ、やぁぁ、だぁぁっ!!」



おしまい

記事をツイートする 記事をはてブする