……
ヴィーネ「私だって頑張ってるのに、仕送りは減らされるし、どんどん生活が苦しくなってくの……っ」グスッ
ガヴリール「はい、ヴィーネは頑張っています、もっと自信を持ってください」ナデナデ
ヴィーネ「んっ……」ピクッ
ガヴリール「日常生活で抱えてる不安、ここでしか言えないような個人的な悩み」
ガヴリール「どんなことだって聞いてあげます、だから、思い切り吐き出しちゃってください」ニコッ
ヴィーネ「ガヴお姉ちゃ………」
ピピピピッ!!ピピピピッ!!
ヴィーネ「あっ」
ガヴリール「……」
元スレ
ヴィーネ「ガヴお姉ちゃん……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1500390119/
ガヴリール「基本料金5千円、膝枕サービス千円、敬語オプション2千円……」
ガヴリール「合計で8千円だな」
ヴィーネ「ね、ねぇガヴ、私達いっそ、このままガヴィーネしない?」
ガヴリール「おいおいセクハラだぞ、うちはそういう店じゃないっての」
ヴィーネ「でも……」
ガヴリール「ほら、帰った帰った、次のお客さんが待ってるから」
ヴィーネ「ちょ、ちょっと待って!ガヴ……っ!!」
ガシッ
タプリス「お客様、ご退場を」
……
ヴィーネ「はぁ、また仕送り全部使っちゃった……」
サターニャ「あんたまだあの店行ってたの?」
サターニャ「あれだけもう行かないって言ってたじゃない、何でまた……」
ヴィーネ「……ガヴの笑顔を見ると、どうしても」
サターニャ「はぁ、まったく、もうお金は貸さないわよ、私だって苦しいんだから」
ヴィーネ「ちょ、ちょっとサターニャ!あなたに見捨てられたら私、どうしたら…!!」
サターニャ「悪いけど、今のあんたとは話したくないわ、少し一人にして頂戴」
ヴィーネ「そんな……っ!!」
……
ラフィエル「それで、うちにお金を借りにきたわけですね?」
ヴィーネ「はい、お恥ずかしながら……」
ラフィエル「いいんですよヴィーネさん、私達も仕事でやってますから」ニコッ
ヴィーネ「ラフィ……」
ラフィエル「でもいいんですか?うちでお金を借りると、法外な金利が付くのはヴィーネさんも承知のはず」
ヴィーネ「私は未成年だし、下界だと保護者もいないから、ここでしかお金を借りることができなくて……」
ラフィエル「………」
ヴィーネ「今月分の5万円、お願いします」
ラフィエル「はい、月末までの二週間、金利は3万円、揃えて8万円の返済をお願いします」スッ
ヴィーネ「いつも悪いわね、ラフィ」
……
ガチャッ
ガヴリール「悪い、遅くなった」
タプリス「お待たせいたしました、白羽先輩」
ラフィエル「お帰りなさい二人とも」
ラフィエル「本日の成果はどうでした?」
ガヴリール「ガヴリフレは順調だ、今日の売り上げ額だけでも12万円を超えた」
ラフィエル「ふふ、大人気じゃないですか、ガヴちゃん」ニコッ
ガヴリール「あまり嬉しい事じゃないけどな」
タプリス「以前未返済のまま飛んだ上野の住所を掴みました、明日の夕方までには回収に向かいます」
ラフィエル「タプちゃんもご苦労様です、ささ、ここに座って、お茶にしましょう」
ガヴリール「またヴィーネの奴が来たのか……?」
ラフィエル「おや?どうしてガヴちゃんがそれを?」
ガヴリール「さっきメールが来たんだ、また顔を出すわ、だってさ」
ガヴリール「まったく、懲りない奴だよ、いくら金を使えば気がすむのかねぇ……」
ラフィエル「まぁまぁ、私達の収入は彼女達に支えられてる訳ですから、悪く言ってはいけませんよ」
タプリス「所詮は悪魔なんて家畜、私達天使に屈服するしか脳がない低脳集団です」
ガヴリール「おい、タプリス」
タプリス「………ごめんなさい」
……
ラフィエル「明日は学校もあります、今日は早い内に事務所を閉めて、もう帰りませんか?」
ガヴリール「ああ、そうだな、タプリス、鍵を頼んでもいいか?」
タプリス「はい、任せてください」
ガヴリール「SECOMの扱いは昨日教えた通りだ、機械音痴のお前でも、わかるよな?」
タプリス「もう、天真先輩は私を甘く見すぎです!私だって、もう一人前の天使なんですから!」
ガヴリール「はいはい、じゃあ後は任せたよ、一人前の天使さん」
タプリス「はい!任されました!」
ラフィエル「ふふ、お二人は本当に仲がいいんですね」
ガヴリール「まぁ、こんなんでも私の後輩だからな」
……
ヴィーネ「はぁ、どうしよう」
ヴィーネ「この間ラフィに借りちゃったお金、全部ガヴリフレで溶かしちゃった、本当は生活費に当てるはずだったのに……」
グゥゥゥゥゥ………
ヴィーネ「うう、お腹空いた、何か食べるもの……」フラフラ
まち子「あれは……月乃瀬さん?」
ヴィーネ「……っ」ガクッ
まち子「えっ!?ちょ、ちょっと!月乃瀬さん!?」ダッ
まち子「だ、誰か!!月乃瀬さんが倒れたわ!!誰か一緒に保健室に!!」
【調理部室】
ヴィーネ「うぷっ、ごちそうさま、本当に助かったわ」
田中「いいんだよ月乃瀬さん、困った時はお互い様だって」
ヴィーネ「田中さん……」
まち子「最初に倒れた時は何があったのかと心配したけど、まさかお腹が減っていただけだったなんて……ふふっ」
ヴィーネ「も、もう!恥ずかしいから言わないで!」カァァァ
まち子「冗談よ、ほら、一人で帰れる?」
ヴィーネ「もう大丈夫よ、ありがとう、ご飯美味しかったわ」スッ
まち子「もし食べる物に困ったらいつでもうちに来てね、その時はまたご馳走してあげるから!」
田中「まち子の料理はちょっと……」
まち子「何よ!!」
ヴィーネ「ふふっ…」
……
ヴィーネ「調理部のみんな優しかったなぁ、今度行った時にはお返しに私が何か料理してあげなくちゃ……」
上野「ねぇ、月乃瀬さん」スッ
ヴィーネ「うぇっ!?あなた今どこから!?」
上野「しーっ、大声出さないで」
上野「月乃瀬さんもお金、無いんでしょ?」
ヴィーネ「え、えっと、何でそれを……」
上野「事情はどうだっていいの、私も月乃瀬さんと似たような状況だから」
上野「それよりも、一日で大金が稼げる仕事があるって言ったら、やる?やらない?」
ヴィーネ「一日で大金が……?」ピクッ
.……
ゼルエル「なるほど、上野から話は聞いているよ」
ゼルエル「君が新人の月乃瀬か」
ヴィーネ「は、ひゃい!よ、よろしくお願いします!」ビクビク
ゼルエル「ふふ、緊張しているのか、無理もないな」
ゼルエル「安心して欲しい、約束のお金は必ず用意する、店長の私が言うのだから間違いないさ」
ゼルエル「勿論、仕事をきちんとこなしてくれれば、だがな」
ヴィーネ「あ、あの、仕事っていうのは具体的に何をすれば……」
ゼルエル「……漫画やドラマでよくあるだろう?借金を払えなくなった女の子が、何をするか」
ヴィーネ「そ、それって……」ビクッ
ゼルエル「なに、私の店の客層は至って普通だ、普通のOLや専業主婦、女子大生なんかがメインだな」
ゼルエル「きっとみんな君の事を気にいってくれるだろう、勿論、経験豊富な子達は君のことを優しくリードしてくれるだろうな」
ヴィーネ「でも、私その、初めてですから……」
ゼルエル「あぁ、知っているとも、そのための私だ」
ゼルエル「これは研修の一環だ、今から君には、私とゼルヴィーネしてもらう」
ヴィーネ「ええっ!?!?」ビクッ
ゼルエル「流石にこのままではお客様の前に出せないからな、一応、基本的な技術はレクチャーするつもりだ」
ヴィーネ「………」
ゼルエル「お金、必要なのだろう?」
ヴィーネ「……はい」
……
上野「ふぅ~~……」スパァァァ
ヴィーネ「上野、あんたそれ」
上野「あぁヴィーネ、吸う?ロングだし、お金もらうけど」
ヴィーネ「はぁ、吸わないわよ、私タバコ嫌いだし……」
上野「そう、じゃああげない」
ヴィーネ「……」
上野「……ヴィーネさ、この仕事始めて変わったよね」
ヴィーネ「あんたには言われたくないわよ、上野」
上野「本当ならとっくに借金完済してるはずなのに、まだあそこ、通ってるんだ」
ヴィーネ「別に、私の勝手でしょ」
上野「うん、別にいいんだけどさ」
スッ
ヴィーネ「……それは?」
上野「時計変えたの、40万もしたのよ、これ」
ヴィーネ「はぁ、バカみたい……」
上野「あんたには言われたくないわよ、どんだけ天真さんの事が好きなんだか……」
ヴィーネ「…………」
上野「ねぇ、それより私さ、裏技知ってるの」
ヴィーネ「……裏技?」
上野「ほら、私さ、見ての通りいっぱいお金借りてるじゃない?本当は返せないんじゃないかって、思ってるでしょ?」
ヴィーネ「うん、金利を含めたら宝くじがあっても無理でしょうね」
上野「ふふ、やっぱりそう思うでしょ?でもね、このお金、返さなくていいの」
ヴィーネ「……は?」
上野「闇金で借りたお金なんて、返さなくていいのよ」
ヴィーネ「何言ってんのよ、そんなわけないでしょ」
ヴィーネ「借りたお金は返す、そんなの当たり前じゃない」
上野「本当にそう思ってる??」
ヴィーネ「……?」
上野「あいつらは私達の事を人間と思っていないわ、バカみたいな金利を付けて、返せるはずのない期日に返済させようとする」
上野「こんなの、人間のやることじゃない、悪魔の所業よ」
ヴィーネ「……それは都合のいい言い訳よ、私達は私利私欲の為にお金を借りてるんだから、文句なんて言う資格は……」
上野「でも、返さなくていいなら、返さないでしょ?」
ヴィーネ「……」
上野「実は私、二月前にお金を借りて以来、一度も返済してないの、でも実際には取り立てどころか、電話の一つすらきていないわ」
ヴィーネ「……本当に?」
上野「ええ、所詮は高校生の浅知恵で作った小さな会社、個人を特定して取り立てる術なんて持っていないわ」
上野「あんたもがっぽりお金を借りて、飛んじゃいなよ」
……
ラフィエル「確かにヴィーネさんはいつも期日までにキチンとお金を返済してくれています、ですから信頼もあります」
ラフィエル「でもいいんですか?こんな大金、本当に完済できるんでしょうか?私は金貸とではなく、一人の友人としてヴィーネさんの事が心配なんですが……」
ヴィーネ「私のことは大丈夫よ、今回のお金も、必ず月末までに払い切って見せるわ」
ラフィエル「……そこまで言うのであれば、貴方を信じましょう」
スッ
ラフィエル「こちらの書類にサインと印をお願いします」
ヴィーネ「……」スラスラ
ヴィーネ(大丈夫、返さなくてもいい、魔界に逃げれば、もうラフィ達は追ってこないんだから……)
……
ガヴリール「ダメ、私は金で体は売らない」
ヴィーネ「な、何でよ!!一回ガヴィーネするだけじゃない!!」
ガヴリール「ダメなものはダメだ、最初から言ってるだろ?そういうことはできないんだって……」
ヴィーネ「そ、そんな……私はガヴィーネする為だけに3百万円も用意したっていうのに……」ガクッ
ガヴリール「残念だが諦めてくれ、明日も学校なんだし、今日はもう帰って……」
ガバッ!!
ガヴリール「!?!?」ビクッ
ヴィーネ「いいわ、ガヴがそのつもりなら私にだって考えがあるの…」
ガヴリール「お、おい、ヴィーネ、冗談だよな?こんな事したら、お前後でどうなるか……」
ヴィーネ「いいのよ、私はどうせ魔界に帰るんだし、今ここでガヴィーネしたって……」ブツブツ
ガヴリール「お、おい!!お前何言って……」
ヴィーネ「ガヴが、全部ガヴが悪いんだからね、私をこんなにしたガヴが……っ!!」
……
ヴィーネ「……期日まではまだ時間があるけど、私のガヴィーネがバレる前に、一刻も早く魔界に帰ったほうがいいわね」
ヴィーネ「思えば下界での生活は楽しかったわ、ガヴと出会って、みんなと出会って、一緒に過ごして……っ」
ヴィーネ「なんで、いつからこんなことになっちゃったんだろう……っ、私はただ、みんなと仲良く過ごせたら、それだけで良かったのに……っ!!」グスッ
ヴィーネ「ううううぅぅぅ……っ!!!!あああああああぁぁぁぁ~~~っ!!!」ポロポロ
ラフィエル「あら、ヴィーネさん、涙を流すにはまだ早いですよ」
上野「私の言った通りでしょ?白羽さん、ヴィーネの奴が飛ぼうとしてるって」
ヴィーネ「……ふぇ?」グスッ
タプリス「ふん、やっぱり所詮は悪魔ですね、考えるにしても知恵が足りませんでしたか」
ラフィエル「まぁまぁ、大事なお客さんなんですから、その辺にしておきましょう」
ヴィーネ「上野に……タプちゃんまで……」
上野「ほ、ほら!私の作戦は全部上手くいったわ!」
上野「ヴィーネの奴は口車に乗せられて多額の借金を背負ったし、飛ぼうとしている現場も突き止めた!これで私の金利はちゃらだよね!?」
タプリス「そんな訳無いでしょう、既に貴方には見返りとして期日を延長してあげているんですから、引き続き残額を返済してください」
上野「そ、そんな!タプ上野だってしたのに……!!」
ヴィーネ「あ、あぁ………っ」ガクッ
ラフィエル「元々、天使には千里眼がありますからね、人間の手を借りずともヴィーネさんの行動は監視していました」
ヴィーネ「……!じゃ、じゃあ!ガヴの事も……!!」
ラフィエル「ふふ」ニコッ
ヴィーネ「ふ、ふざけるんじゃないわよ!!この悪魔共!!あんたは自分の友人がガヴィーネされているところを黙って見てたって言うの!?!?」
ラフィエル「私達は天使で、悪魔はヴィーネさんのほうですよ?」
ヴィーネ「くっ……」ギリッ
ラフィエル「それに、これはガヴちゃん自身のお願いでもありましたので」
ヴィーネ「……えっ?」
ラフィエル「ガヴちゃんは自分でもわかっていたんです、ヴィーネさんをこのままにしていれば、いずれ自分が無理矢理ガヴィーネされるんじゃないか、って」
ラフィエル「勿論私達も同じ事を考えていましたので、手を打つように言ったのですが、その時ガヴちゃんはこう言いました」
ラフィエル「もしもヴィーネが私に無理矢理ガヴィーネしても、それを止める事はしないでくれ、と……」
ヴィーネ「そ、そんなことって……」
タプリス「……天満先輩はあなたに情けをかけたんですよ、このままでもどうあっても報われないあなたの気持ちに、少しでも答えてあげようという情けを」
タプリス「勿論私はあなたの事を許しません、こんな事態になった事も、全てあなたの自業自得だと思っています」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「さてヴィーネさん、お迎えが来ました、こちらにどうぞ」
ヴィーネ「……これから私はどうなるのかしら」
ラフィエル「書類にサインをした者の管理は、もはや私達の仕事ではありません」
ラフィエル「運が良くてヴィーネスレ行き程度、最悪の場合マサキヴィーネ、まぁ、どのみち良い未来は待っていないでしょう」
ラフィエル「ですがヴィーネさん、これも全て……」
ヴィーネ「いいのラフィ、わかってる」
ヴィーネ「これらは全て私が招いた結末、覚悟はできてるから……」
ラフィエル「……こちらへ」スッ
ヴィーネ「タプちゃん」
タプリス「……?」
ヴィーネ「ごめんなさい、って、ガヴに伝ておいて」
タプリス「………はい」
……
ラフィエル「サターニャさんっ♪」ヌルッ
サターニャ「!?ちょ、ちょっと!!あんた今どこから出てきたのよ!!」
ラフィエル「うふふ、私はサターニャさんのいるところであればどこにだって現れますよ♪」
サターニャ「はぁ!?朝から気持ち悪いこと言わないでよね!!」
ラフィエル「もう、サターニャさんったら酷いです……」
サターニャ「…………そんなことより、ヴィネットはどうなったのよ」
ラフィエル「……」
サターニャ「何とか言ったらどうなの!?ヴィネットはどうなったのかって聞いてるのよ!!」
ラフィエル「……ヴィーネさんがどんな姿になっていたとしても、サターニャさんは平気でいられますか……?」
サターニャ「な、何よそれ、あんたまさか……」
ラフィエル「これを見てください」
スッ
サターニャ「なっ……あっ、あぁっ……!!」
ラフィエル「残念ですが、ヴィーネさんは……」
サターニャ「……酷すぎる、こんなことって、こんなことってないわよ……!!」
サターニャ「ヴィネットのえっちなイラストのついた抱き枕カバーが発売するなんて、そんな………!!!」グスッ
サターニャ「発売日が今年の9月なんて……早すぎるわ!!夏休みでお財布を空にした者達にさらに負担をかけるだなんて……!!」
ヴィーネ「ちょ、ちょっと!!大声で宣伝しないでよ!!」カァァァァ
完