ーガヴリールの家ー
ジワジワ
ガヴリール「……う、うぅん」
ジワジワジワ
ガヴリール「……くっ。あ~……暑い……」
ジワジワジワジワ
ガヴリール「だぁ~! エアコン仕事しろよっ!!」ガバッ
シーン……
ガヴリール「止まってる!? 嘘だろ!? おい!」
ピッ ウイーン
ガヴリール「よかった、壊れてなかった。そうか、タイマーつけてたんだっけ……」
スマホ ポチッ
ガヴリール「夜中の3時かよ……。中途半端な時間に起きちゃったな……」
元スレ
【ガヴドロ】ガヴリール「くそっ、眠れない……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1500385101/
ガヴリール「喉乾いたな……」
ガチャ
クイッ
コポコポコポ……
ゴキュッ ゴキュッ ゴキュッ
ガヴリール「ぷはぁ~、生き返った~」
ウイーン
ガヴリール「部屋が冷えるまでまだかかりそうだな……」
ドサッ
ガヴリール「はぁ、なんだか目が覚めちゃった……」
ガヴリール「今からネトゲ……は気分が乗らないな」
ガヴリール「暇だな……」
ガヴリール「朝までどうしよう……」
シーン……
ガヴリール「……」
ガヴリール「誰か起きてないかな……」
ガヴリール「電話してみようかな……」
ガヴリール「ヴィーネ……は寝てるだろうな」
ガヴリール「悪魔のくせに規則正しい生活しやがって……」
ガヴリール「……まぁ、そういう真面目なところが好きなんだけどな……」
ガヴリール「ラフィは起きてるかもしれないな」
ガヴリール「あいつ、なんか夜な夜な怪しいことしてそうだし……」
ガヴリール「天界にいた頃は真面目な優等生だったのにな」
ガヴリール「下界に来てからなんか妙に生き生きしちゃって」
ガヴリール「あいつも変わったなぁ」
ガヴリール「まぁ、お前が言うなって話だけど」ニシシ
ガヴリール「タプリスは下界の暮らしには慣れたかな」
ガヴリール「あんまりあいつの私生活のこと知らないなぁ」
ガヴリール「天使学校では結構優秀ぽかったけど」
ガヴリール「警戒心が強すぎて周りの人たちと交流できてるのかな」
ガヴリール「たまには先輩らしく後輩の相談とか乗ったほうがいいのかな?」
ガヴリール「やっぱ面倒くさいな。そういうのはヴィーネとラフィに任せよう」
ガヴリール「残るはサターニャか」
ガヴリール「別にあいつと話すことなんか無いけど」
ガヴリール「あいつなら寝てるところを起こしてもいいだろう」
プルルルルル
プルルルルル
ガヴリール「やっぱ寝てるのか……」
プルル ピッ
サターニャ『ふぁい? もしもし……?』
ガヴリール「……」
ガヴリール(ホントに出ちゃった……えと、どうしよう……)
サターニャ『もしもし? ガヴリール? どうしたのよこんな遅くに……』
ガヴリール「あ~、えぇと、寝てた?」
サターニャ『そりゃそうよ……。ふぁ~、それで?』
ガヴリール「え?」
サターニャ『え? じゃないわよ。何か用があって電話してきたんでしょ?』
ガヴリール「あ、いや、特に用ってわけじゃないんだけど……」
ガヴリール(ノープランでかけたから話題が浮かばない……)
サターニャ『何よそれ……。用がないなら切るわよ』
ガヴリール「あー、ちょっと待てよ」
ガヴリール(せっかくだから、ちょっとからかってやるか……)
ガヴリール「その、サターニャの声が聴きたくなってな……」
サターニャ『……』
ガヴリール「もしもし?」
ガヴリール(やばい、滑ったかな……)
サターニャ『……そう。それで?』
ガヴリール「は?」
サターニャ『は? じゃなくて。お喋りしたいんでしょう? 付き合ってあげるわよ』
ガヴリール「え? こんな夜中に電話したのに怒らないのか?」
サターニャ『怒らないわよ別に。私は大悪魔ですもの』
ガヴリール「なんだそれ」クスッ
サターニャ『そっちからかけてきたんだから、何か喋りなさいよ』
ガヴリール「うーん……、最近どう?」
サターニャ『話下手ね』クスクス
ガヴリール「う、うるさいな……」
サターニャ『そうね、最近というか、下界に来てからは毎日が楽しいわ』
ガヴリール「へぇ……」
サターニャ『あんたのおかげよガヴリール』
ガヴリール「ええっ!?」
サターニャ『いつも私と勝負してくれるじゃない。毎日退屈せずにいられるのはあんたがいるからよ』
ガヴリール「私は半分迷惑なんだけど」
サターニャ『半分? じゃあ残りの半分は?』
ガヴリール「そりゃ、まあ……半分は楽しいかな……って何言わせるんだよ!」
サターニャ『ふふふ、素直になりなさいよガヴリール……』
ガヴリール(サターニャのやつ、なんか変だぞ?)
ガヴリール(いつもギャンギャンうるさいヤツなのに)
ガヴリール(今は妙に落ち着いた口調で。まるで別人だ)
ガヴリール「なあ、サター……
サターニャ『ねぇ、ガヴリール。私と一つにならない?』
ガヴリール「はあ?」
サターニャ『駄目な天使じゃなく、ホントに堕天して私と一緒に世界を掌握しましょう』
ガヴリール「な、何言ってんだお前……」
サターニャ『あんたには才能がある。天使ではなく悪魔の素質がね』
ガヴリール「お前、おかしいぞ? 急にどうしちゃったんだよ? 寝ぼけてるのか?」
サターニャ『夜は……悪魔の時間よ?』
ガヴリール「!?」ゾクッ
サターニャ『いいでしょ? ガヴリール~。あんたとなら何でもやれそうだわ~』
ガヴリール「冗談はよせ! もう電話切るぞ!?」
サターニャ『じゃあ いまから そっちに いくわ 』
ガヴリール「!?」ビクッ
サターニャ『夜の力を得た悪魔からは逃げられないわよ~?』
ガヴリール「や、やめろっ! 来るな!」
サターニャ『どうしたのガヴリール? 声が震えているわよ……?』
ガヴリール「お前は、一体誰だ!?」
サターニャ『くっくっく、我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル。地獄の支配……ん?』
ガヴリール「……?」
サターニャ『ぎゃあああああああああああああああ!』
ガヴリール「何だ!?」
サターニャ『ちょっとあんた!一体どっから入ってきたのよ!?』
ラフィエル『普通に窓からお邪魔しましたよ~』
サターニャ『それ立派な犯罪じゃない!』
ガヴリール(ラフィか!?)
サターニャ『勝手に入ってこないでよ! とっとと帰りなさいよ!』
ラフィエル『まあまあ、そんなこと言わずに……あら? 読書されてたんですか?』
サターニャ『あっ、それは!』
ラフィエル『『完全悪魔マニュアル~これであなたも大悪魔!~』ですか?』
サターニャ『ああああああああああ!』
ラフィエル『このページに折り目が。ふむふむ、相手に優しく語り掛け、心を掴む。時にはハッタリも必要……』
サターニャ『わあああああああああ!』
ガヴリール「なるほど、そういうことだったのか……」
ガヴリール「おい、ラフィ。聞こえるか?」
ラフィエル『あら? ガヴちゃんですか? 電話中でしたか』
ガヴリール「その本没収しろ。碌なことが書いてないからな」
ラフィエル『はい、分かりました♪ そういうことですサターニャさん』
サターニャ『ちょっと何でよ! 私が大悪魔になるのに必要なのよ!』
ガヴリール「私を実験台にしようとした罰だ。悔い改めろ」
サターニャ『くううううう、もう少しでガヴリールを篭絡できるところだったのに!』
ガヴリール「お前、明日覚えてろよ!」
ー翌日 学校ー
ヴィーネ「それで三人とも眠そうなのね」
サターニャ「うう、授業中に寝ただけでめっちゃ怒られたわ……」
ガヴリール「自業自得だろ」
ラフィエル「さすがの私も眠りを堪えるのに必死でした」
サターニャ「もとはといえばガヴリールが夜中に電話かけてきたせいじゃない!」
ガヴリール「私が電話しなくても、どうせラフィに起こされてただろ」
ラフィエル「いえいえ、サターニャさんの寝顔を拝もうと思っていたので、起こすつもりはないですよ~」
サターニャ「やめなさいよ! あんた本当に天使なの!?」
ラフィエル「……そうですね。やはりご迷惑ですよね。分かりました、もうしません。今までごめんなさい……」
サターニャ「え? そう? 分かればいいのよ! 許してあげるわ! 大悪魔は心が広いのよ!」
ラフィエル「さすがサターニャさん!」
ラフィエル(うふふ、この本さえあれば……)
ガヴリールドロップアウト
『あくまでも参考程度に』
ー完ー
25 : ◆tc6/59leHM - 2017/07/18 23:02:25.410 VdS4H9Id0.net 17/17終わりです。読んでくださってありがとうございました。
これはSS品評スレに書き込まれたネタを参考に書きました。
最近ネタ切れ気味なので助かりました。