まほ「大洗女子学園、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」【前編】

358 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/02 22:01:13.37 14QbLvyG0 122/215

 ―生徒会室

柚子「大洗女子学園の心臓部、生徒会室にようこそ西住まほさん。どうぞ、粗茶ですが」ソチャッ

まほ「ありがとう」

「茶菓子に干し芋ケーキを用意した。干し芋クレープに干し芋ミルフィーユもある。干し芋パイに干し芋ハーゲンダッツも・・・」ゴチャゴチャ

まほ「すごい待遇だな」

「まあ西住ちゃんのお姉ちゃんには大恩があるからね。もちろん大学選抜戦に駆けつけてくれた他の学校のみんなにもだけど」

「改めて礼を言わせてくれ、西住まほ。おかげで我が校は廃校を逃れられた」

柚子「いずれきちんとした形で黒森峰にも他校にもお礼に伺うわ」

まほ「気にすることはない」

「それから・・・ごめん」ペコ

まほ「・・・何故謝る?」

「西住ちゃんのお姉ちゃんには謝らなきゃってずっと思ってたんだ。戦車道を嫌って転校してきた西住ちゃんに、私達は無理矢理戦車道をやらせた」

まほ「・・・」

「西住ちゃんがいてくれたから、大洗は廃校せずに済んだ。西住ちゃんがいてくれたから、私達は戦車道を楽しめた。西住ちゃんは私達みんなを救ってくれた・・・でも、それは私が強制したから」

「なりふり構っていられなかったとはいえ、西住ちゃんの気持ちも考えずに強制的に戦車の道に引っ張り込んだんだ。本人にも謝るけど、お姉ちゃんにも謝らなきゃなんない・・・本当にごめん」

まほ「・・・」

359 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/02 22:30:57.53 14QbLvyG0 123/215

まほ「頭を上げてくれ。私に謝る必要はない」

「・・・」

まほ「たしかに、無理強いさせるのは褒められたことではない。いかなる武道も己から進んで取り組んでこそ意義がある」

まほ「だが、おかげでみほは再び戦車道を楽しめるようになれた」

まほ「あの子も小さい頃は、純粋に戦車が好きな子だった。だが中学、高校と進むにつれ、次第にその気持ちは薄れていった。西住の名と黒森峰という枠があの子を窮屈にしていたのだろう」

まほ「去年の決勝戦の出来事・・・あれが『ラクダの背を折った藁の一本』という奴だ。最後のきっかけとなり戦車から降りる決意をした。戦車道に関わることも嫌になったのだろう」

まほ「だが・・・大洗で君達と戦車道をすることで、あの子の戦車に対する意識が変わった。枠に囚われず、純に戦車道を楽しむことが出来るようになった」

まほ「決勝戦・・・黒森峰との試合の後、あの子は笑顔で私に言ったんだ・・・」


 ~みほ「お姉ちゃん、やっと見つけたよ。私の戦車道!」~


まほ「過去のどの試合に勝った時よりも、試合に負けたあの時が、私にとって一番うれしかった」

360 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/02 23:21:40.68 14QbLvyG0 124/215

まほ「結果的にとはいえ、君達がみほに戦車道をさせたからあの子は再び戦車が好きになれた。自分の道を見つけられた」

まほ「君達は、大洗はみほのおかげで救われたと言うが、その逆でもある。大洗がみほを救ってくれた。君達がみほを救ってくれたんだ」

まほ「礼を言うのは私の方・・・ありがとう。あの子と友達になってくれて」

柚子「まほさん・・・」

まほ「昔からやんちゃで、枠に収まるような子ではなかったからな。手を焼くだろうが、みほのことを任せるよ」

「任せてちょうだい」フンス

「さすがは西住まほ!器が大きい!私が見込んだだけのことはある!」ハッハッハ

柚子「西住ちゃんが存分に高校生活を楽しめるように全力でサポートするね!そのためにも会長、桃ちゃん、まずはこの仕事の山を片づけないとね」

「あう~、めんどくさいな~」

柚子「はい、ハンコです」スッ

「あいよー」ペッタン スッ ペッタン スッ ペッタン

「ふいー、つかれたよー」グテー

柚子「お疲れさまです。はい、疲労に利く干し芋パフェです」

「わーい」

まほ「・・・」

362 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/05 00:26:14.46 Vt5SKNnD0 125/215

まほ「仕事というのは書類に判を押すだけなのか?」

「うん。だいたいのことは小山とかーしまがやってくれるから、私はハンコ押すだけ万事オッケーなんだよ」

まほ「すごい」

「会長、この書類にもハンコを押してもらえますか?」スッ

「あいよー」

まほ「それは?」

「生徒会予算の書類に~、部活動の活動報告書類に~、買い出しの決算書類に~、干し芋入荷しますの書類に~、バレー部復活禁止の書類に~」ペッタンペッタンペッタン

まほ「えっ」

「おー、これは大事な書類だね。廃校は無しですよーっていう書類」ペッタン

まほ「どういう書類なのだ」

「たとえば、もしこの書類を失くしたりしちゃったら、大洗の廃校取りやめは取りやめってことになるんだよ」

まほ「どういう書類なのだ」

「会長、そのような大事な書類はすぐにしまっておきましょう」

「そうだねー。ハンコも押したし、いつまでもそのままにしとくと風でピューっとどっかに飛んでっちゃうかもしれないもんねー。まーそんなことなるわけが」

 風<ピューーー

「あっ」

「どわあああああああああああああああああ!」

363 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/05 00:42:28.13 Vt5SKNnD0 126/215

柚子「わっ、どうしたの桃ちゃん、急に大声出して」

「ゆっ!ゆっ!ゆずっ・・・ゆずちゃっ・・・!」ガクガク

柚子「え?」チラ

 書類<ヒュ~

柚子「わああああああああああああ!大事な書類が風に吹かれて!」

「な、なんと!」

 窓<ヒュルリ~

柚子「おあつらえむきに開いてた窓から外にぃぃぃ!」

「なんとぉー!」

「こまった。ちょっとヤバイ」

「ぅおのれぇっ!逃がすかぁ!」ガッ

まほ「待てまて。追いかけようとするな。窓に足をかけるな。落ち着け」

「落ち着いていられるかぁ!あの書類が無ければ今度こそ廃校なんだ!身体の一つや二つくらい差し出してでも失くすわけには――」

柚子「ああっ!見て!道路に落ちるよ!あ、あのままじゃ走ってる車の上に乗ってどこかへ行っちゃうよぉ!」

「うわああああああああああ!だれかなんとかしてくれぇぇぇ!」

 書類<ヒュ~


 パシッ

「!!!」


役人「君達、勝手に廃校になってもらっては困るよ」

364 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/05 00:50:16.77 Vt5SKNnD0 127/215

 ガラ!

役人「まったく、大事な書類を風に運ばせて失うなんて、社会に出たら誰も拾ってくれたりはしないのですよ」

「は、はい・・・」

役人「この書類を紛失してしまったら大洗は廃校になってしまうんでしょう。大事にしまっておきなさい」スッ

柚子「わざわざ届けに来てくれたんですね・・・」

「ありがとうございまーす」

役人「勘違いしてもらっては困るよ。大洗を廃校にするのはこの私だ。他の誰かに廃校にさせられたりしては困るんですよ。ましてや書類紛失という生徒のミスで廃校など我慢できないのです」

柚子「は、はあ・・・」

役人「偶然私が近くを歩いていて助かりましたね。では、これで・・・だが忘れないでいただきたい。大洗を廃校にするのは文科省役人の仕事!いつか必ず廃校にしてみせるからな!」ダッ!

「あいよ~」バイバーイ

まほ「なんなのだ」

371 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/07 00:23:12.03 kTgh0/KL0 129/215

「さー、仕事も終わったしどっか遊びにいこーよ。せっかく西住ちゃんのお姉ちゃんが来てるんだから、大洗の町を案内してあげなきゃね」

柚子「ダメですよ会長。生徒会の仕事は随時増えていくんですから。ほら、新しい書類です」ドサンコ

「自動車部からの予算UPの申請書類です。それから風紀委員の備品リスト、それにバレー部復活希望の署名書・・・これは処分しておきます」ビリ

まほ「えっ」

柚子「まだまだありますよ。うさぎ小屋増築の件の書類、学校に筋トレジム増設の要望書、大洗全生徒ソウルネーム命名計画書、Ⅳ号戦車に住み着いた猫の飼い主探しの草稿書類・・・」

まほ「忙しいんだな」

「それだけ頼りにされてるって思えばやりがいはあるよ」

「それだけではない。直接生徒会室に相談に来る者も多いのだ」

 生徒A「すみませ~ん、ケータイ落としちゃったんですけど届いてませんか~?」 生徒B「校舎の窓ガラスが壊して周られてるんですけどー」 生徒C「うさぎが逃げてる!」

「あぁー、はいはい。ケータイな、届いてるぞ。窓ガラスな、風紀委員に掃除してもらう。うさぎな、一年達に捕まえてもらおう」

柚子「ね?こんな調子でやることがひっきりなしなの」

まほ「大変だな」

 生徒D「校内でカンテレ弾いてる怪しい人が!」 生徒E「集団で走り回ってる人達が・・・」 生徒F「意味不明な言葉並べたててお茶飲んでる人達がいるのでなんとかしてください!」

「ちょっとつまみだしてくる」

まほ「本当に大変だな」

373 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/07 01:06:28.03 kTgh0/KL0 130/215

「ごめんねーお姉ちゃん、せっかくなのに仕事仕事で」

まほ「構わない。お前達は学校のために頑張っているのだからな。とてもいい見本になる」

「私ハンコ押してるだけだけどねー」

柚子「それも大事な仕事ですよ。それに会長は会長にしかできないことをやるんですから、それでいいんです」

まほ「話に聞いたが、お母様を味方につけて文科省役人を説き伏せたとか。なかなか出来ることではない」

「いやー、それほどかなー」デェヘヘ

柚子「会長はやる時はやる人ですからね。やらない時は何もやらないけどやる時になればしっかりやります。やらない時がほとんどなので何もやらない人と思われてますがやる時はやりますよね」

「その通り。他のことは小山とかーしまがぜーんぶやってくれるから私は楽できるのだー。二人のおかげで私は自分のやるべきことに注力できるのだー。二人がいるから私は楽しいのだー」

柚子「もうっ、調子がいいんですから」

まほ「・・・」

 ガチャ!

「ただいま戻りました。迷惑な余所者達を厳重注意してきました」

「おかーりー」

「それから・・・会長、一つ問題が・・・」

「お?どったの?」


愛里寿「・・・う・・・」グスン

「迷子を拾いました」

まほ「・・・」

379 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/10 22:44:19.39 nT2NYigI0 131/215

「ありゃ?島田ちゃんじゃーん。また大洗に来てたの?」

まほ「また?」

柚子「劇場版DVDに付属してるOVAで愛里寿ちゃんは大洗に来てたんです」

「ベンチに腰をかけてうずくまっていたんだ。だから大洗に正式に転校してもらうために・・・じゃなくて心配だったから優しく声をかけた」

柚子「桃ちゃん、欲を隠して」

まほ「どうしてベンチに一人でいたんだ?」

愛里寿「じつは・・・来る途中の船で酔って・・・」

「やっぱり船はニガテなのかー」

柚子「気分が悪かったからうずくまってたの?」

愛里寿「ううん・・・持ってきた地図が大洗の地図じゃなくて世界地図だったから頭をかかえてたの」

まほ「ポンコツじゃないか」

「ポンコツじゃないか!」

愛里寿「ポンコツじゃないもん」

380 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/10 23:26:18.05 nT2NYigI0 132/215

「で、今日はどんな用事で大洗に来たの?」

愛里寿「スパイに来たの」

まほ「えっ」

愛里寿「あっ、いけない。これは秘密なんだった。みんなナイショにして」シーッ

「オッケーオッケー」ニハハ

「ちょっと待った。島田愛里寿・・・スパイに来たのか?」

愛里寿「!・・・ど、どうしてそれを!」アワアワ

柚子「戦車道強い人ってみんなこうなのかな?」

「大洗に転校したくて見学に来たというのなら歓迎するが、スパイだというのなら話は別だ!会長、やっちゃってもよろしいですか!?」

「やっちゃってー」

「拷問開始!」ドタバタドタバタ! ダン! ザッ! グルグルグル!

まほ「おお・・・島田愛里寿をイスに座らせ、テープでぐるぐる巻きにして動きを封じた」

愛里寿「わーなにをするつもりだあ」

「・・・私にはわかっていた。一目見た瞬間、君が敵の刺客だということがな。匂いでわかる。いくら誤魔化そうとも、犬畜生の匂いはわかるぞ」キラッ

愛里寿「あわわ・・・眼鏡が光って怖い・・・」ブルブル

「捕らえられたスパイがどうなるか・・・子供でもわかるだろう。ふふふ・・・楽しいんだコレが」ニヤリ

柚子「はい、桃ちゃん、これを。拷問道具」スッ

愛里寿「く、くちは割らないぞ!私は島田流後継者!忍者はぜったいに秘密をバラさないんだから!い、いたいことはしないで・・・」ブルブル

「さあ!イタチ野郎め!覚悟しろ!」クワ


「こちょこちょこちょこちょこちょ・・・」コショコショ

愛里寿「きゃー!やめてー!あははははは!」コショコショ

384 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/11 21:29:05.54 AmjUpEIq0 133/215

「さあ吐け!早くゲロっちまえ!なぜ大洗に来たんだ!?何が目的なのだー!」コショコショ

愛里寿「あはははははは!い、言う!言うから!大洗の人気のヒミツをさぐりにきたのー!」コショコショ

「なに?・・・どういうことだ?」ピタリ

愛里寿「はあ・・・はあ・・・じ、実は島田流戦車道は世界中に広まってるけど、そんなにポピュラーじゃないの。広く浅くというか・・・西住流は素人にも人気があるけど、島田は玄人向けなの」

愛里寿「戦車道に詳しくない人でも西住流は聞いたことあるくらいメジャーなのに、島田流はちょっとだけマイナー・・・だからもっと大衆受けするように工夫しないといけない」

愛里寿「そこで、つい最近まで全くの無名だったのに今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気っぷりの大洗にその人気の秘訣を探るために、お母様の指令を受けてスパイに来たの」

「なんだそんなことだったのか。拷問おわり!」テープハガシハガシ

柚子「だったらメジャーな西住流に人気を集めるイロハを教えてもらったらいいのに」

愛里寿「私もそう言ったけどお母様が絶対にイヤだって」

まほ「心外だ」

「まあライバル流派にアドバイスもらうなんてシャクだろうからね~」

柚子「あのね愛里寿ちゃん、期待しているところ申し訳ないんだけど、私達から教わるようなことはないと思うよ。私達が話題になったのは色々複雑な背景があったからだから」

愛里寿「うん。いい」

柚子「え?」

愛里寿「島田流がマイナーなことを心配してるのはお母様だけ。私はそんなに気にしてない。ほんとは遊びに来たかったから引き受けたの」

柚子「あっ、そうなんだ」

まほ「なんて子だ」

385 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/11 22:31:45.40 AmjUpEIq0 134/215

愛里寿「でも迷子になってたのは本当。助かった」

まほ「河嶋が拾ってくれてよかったな。やはり有能だ」

「そういうことだが!」カッカッカ!

「まあ気軽に大洗を満喫してってよ。最近は遠方から来る観光客も多いし、遊ぶとこはたくさんあるからね」

愛里寿「うん。みほさんにも会いたい」

まほ「おっと、それは私が先だ」

愛里寿「あなたは姉妹なんだからいつでも会えるでしょ」

まほ「今は離れて暮らしている。だから今日はみほは私と遊ぶんだ」

愛里寿「家族なのに離れ離れなんて・・・仲悪いの?」

まほ「仲良い。仲良いぞ。仲良いけど色々大人の事情があるんだ。子供にはわからんだろうがな」

愛里寿「わたし大学生」

まほ「わたしはお姉ちゃんだ」

「まーまーご両人、言い争いはそこまでにして。そのまま大規模な抗争に発展しそうでおっかないからさ。まったく、西住ちゃんモテモテだね~」

 扉<コンコン

典子「失礼しまァす!バレー部です!校内パトロール中に怪しい不審者をとっ捕まえたので連行しました!」ビシッ

「ぬゎんだと!?不審者!?」

典子「はっ!こちらに!」グイ


エリカ「・・・」ズ~ン・・・

まほ「いい加減にしてくれ」

388 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/12 23:03:03.66 s/TuzR340 135/215

「ぎゃあ!なんだそれは!ワニじゃないか!どうしてワニが学園艦に!」

あけび「校内を徘徊してたんですよ。危ないんでふんづかまえてきました!」フンス

エリカ(うう・・・不覚よエリカ・・・失態よエリカ!この特製ワニさん着ぐるみでワニに扮装して大洗に潜入したっていうのに、あまりにも扮装が完璧すぎて逆に捕まるなんて・・・)ズ~ン

柚子「野生のワニかしら・・・それにしても大きいわね」

愛里寿「かわいい」

まほ(みんな気付いていない・・・あれはエリカが大事にしているお気に入りのワニさん着ぐるみ。ハロウィーンの時にきていたものだ。その証拠に腰のあたりにタグがあるはず・・・)ソッ・・・

まほ(やはり。タグにしっかり逸見エリカと名前が書かれている。つまりこの着ぐるみの中身はエリカだ。何故大洗に・・・)

「いやーワニがウロウロするようじゃこの学園艦も危ないねー。よし、風紀委員に学園艦内のワニを一斉に駆除してもらおっか。もちろん、このデカイワニもね」

エリカ「!」ビクッ

「さすが会長!誰かが襲われる前に手を打つその采配!ようし!このワニの駆除は私にお任せください!柚子ちゃん、ワニ革バッグが欲しいと言ってただろう?」

柚子「わーい、ありがとう桃ちゃん」

エリカ「ちょ、ちょっと待った!・・・え、えーっと・・・ぼ、僕は悪いワニさんじゃないワニ!ひどいことしないでほしいワニ!」ワニワニ

「ぎゃあ!ワニがしゃべったあ!」ドキィ!

柚子「見せモノにしたら儲かるよ桃ちゃん!」

「ミュータントかねぇ」

愛里寿「かわいい」

まほ「落ち着けお前達」

389 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/12 23:28:01.91 s/TuzR340 136/215

「なーんだ、逸見ちゃんだったのかー」

エリカ「くっ!・・・バレてしまったわに!」ギリッ

柚子「いつも語尾にわにつけてるの?」

まほ「エリカ、どうして大洗にいるんだ?それもワニに扮して潜入するとは・・・」

「まさか貴様もスパイじゃあるまいな?拷問道具用意!」ザッ!

エリカ「スパイじゃないわよ!・・・仮にも私達は大洗に敗北を喫してしまった。次こそは必ず勝たなければならない。だから大洗に潜入し、戦いに役立つ情報を探っていたわけよ」

「なーんだ、そんなことだったのか」

「やはりスパイじゃないか!」

エリカ「べ、別にみほ・・・じゃなかった副隊ちょ・・・じゃなかった元副隊長が大洗で元気に楽しくやってるのか気になって忍びこんでた訳じゃないわよ」

柚子「そっちが本音ね」

「やっぱ西住ちゃんはモテモテだね~」

まほ「さすがはみほだ」

愛里寿「さすがみほさん」

「ええい!どいつもこいつもポンコツか!マトモな奴はおらんのか!」

390 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/12 23:47:48.52 s/TuzR340 137/215

「あのー、ところでワニに変装した逸見さんを見つけたのは我々バレー部なんですが・・・」

「ん?おお、そうだ。忘れていた。報告御苦労。後はこちらで対応しておく」

妙子「いえいえ、大したことではありません」

典子「ところで相談なのですが、今回の我々バレー部の働きを認めてくれるのであれば是非バレー部の復活を――」

 扉<バタン

「さて、二人のスパイをどうします会長」

まほ「ちょっと待て。アヒルさんチームに対して冷たすぎないか」

「いつもこうだ」

まほ「余計ひどい」

「そりゃ本音ではバレー部復活させてあげたいよ。アヒルさんチームめちゃくちゃがんばってくれたし。でもね・・・どうしてもバレー部を復活できない理由があるんだよ」

まほ「っ・・・そ、それは一体・・・」ゴクリ

「部員が足りない」

まほ「そりゃ仕方ない」

 エリカ「今のうちよ島田流。こっそり逃げ出しましょう」ソロ~

 愛里寿「うん。このかくれみの術の布をかしてあげる。これを使えば姿を隠せる」ソロ~

「おい!そこっ!動くな!」ピピー!

 エリカ「!」サッ! 愛里寿「!」サッ!

「むむっ!き、消えたぞっ!」キョロキョロ

柚子「やっぱり桃ちゃんが一番ポンコツだね」

391 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/13 00:33:36.95 NI4g1L8o0 138/215


 ――西住邸――

しほ「ようこそいらっしゃいました。島田流家元」

千代「いえ、今日はお招きいただき、誠にありがとうございます。西住流家元」

しほ「・・・」

千代「・・・」

 ガラ・・・

菊代「失礼します。お茶をお持ちしました」ソッ・・・

しほ「ありがとう、菊代さん」

千代「・・・フフ」

しほ「・・・なにか?」

千代「いえ、別に」フ・・・

しほ「・・・島田流家元、今日はプライベートな顔合わせです。前回そちらのお宅を訪問させてもらった時は、私が西住流を正式に襲名した挨拶もかねてのもの。故に互いの立場を尊重していました」

千代「そうですね」

しほ「しかし今日は違います。私達以外には誰もいない。礼節をとりつくろった挨拶でもない・・・私的な会合です。堅苦しい態度はやめにしましょう」

千代「・・・そうね、わかったわしぽりん」

しほ「途端にそれかちよすけ!その呼び方はやめなさいと言ってるでしょ!」ヤイノ!

千代「あなただって人のことをちよすけだのちよきちだのと!私は千代よ千代!島田千代!」ヤイノ!

 しほ「なにを!」 千代「なによ!」

 \ヤイノヤイノヤイノヤイノヤイノ!/

397 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/15 19:14:09.87 0IxmUMWt0 139/215

しほ「まったく、あなたという人は昔っから子供のように人をおちょくって。いい加減にしなさい」

千代「そういうそっちは学生時代は男口調で格好をつけてたわね。痛々しいのに気付いて女言葉に直したけれど」

しほ「む、昔のことはいいでしょう!やいの!」

千代「やいの!」

 \ヤイノヤイノヤイノヤイノヤイノ!/

菊代「ふふふ」クスクス

しほ「菊代!なにを笑っているの!」

菊代「いえ、お二人共昔から変わってないなーと思って。学生の頃からことあるごとにヤイノヤイノと言い争いばかり・・・本当に仲良いですね」

千代「これのどこが仲良いのよ。菊ちゃん、しぽりんの世話ばかりさせられて少しおかしくなったんじゃない?」

菊代「フフ、かもしれませんね」

 Σしほ<! ガーン

菊代「冗談ですよ。おかしいのは千代さんの方です」

 Σ千代<! ガーン

菊代「フフフ、これも冗談です」

399 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/15 20:46:28.61 0IxmUMWt0 140/215

しほ「・・・まあ、無駄話はさておき、しまちょん、今日は何の用件で来たのかしら?」

千代「冗談はよしこちゃん。しぽぽん、あなたが来るように連絡してきたんじゃないの」

しほ「・・・?」

千代「・・・?」

しほ「・・・まさか」

菊代「いえい」ブイ

しほ「菊代!あなたが仕組んだのね!」

菊代「こうでもしないとお二人が仕事以外のプライベートで会うことがありませんからね。今日集まってもらったのは他でもありません。重大なお話があるのです」

千代「重大な・・・一体どんなお話なの?」ゴクリ

菊代「これです」バサッ

千代「・・・これは・・・・・・『月刊戦車道 西住まほ、みほ――最強姉妹特集号』・・・」

菊代「戦車道雑誌の特集記事・・・まほお嬢様とみほお嬢様のスペシャルインタビューから過去の試合などの徹底分析を記載したものです。問題なのはこの表紙!」バン!

菊代「見てください!まほお嬢様とみほお嬢様のツーショット写真・・・なのになんですかこの小洒落た衣装は!都会のイマドキ女子高生がオシャレした私服風の衣装なのです!」

菊代「制服でもパンツァージャケットでもなく私服姿を表紙にするのはいいです!しかしお二人はこんな服を着ません!お二人はもっと子供っぽいというか女子高生としてはダサめの服を着ます!」

菊代「撮影する際に用意された衣装なのでしょうが、こんなものはお嬢様達の本当の姿ではありません!こんなことでは世界中のまほみほファンの方々に対して申し訳が立ちません!」バァン!

菊代「そこでどうか西住流家元のしほさんと島田流家元の千代さんのお二人から出版社に写真の撮り直しと雑誌の再発行をするように圧力をかけてもらいたいのです!」キリッ

千代「あなたねぇ!そんなフザけた――」

しほ「わかったわ」

千代「しぽりぃん!」

400 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/15 21:07:38.31 0IxmUMWt0 141/215

しほ「まずはこんな衣装を用意したスタイリストをブッ潰します」ザッ

千代「待ちなさいよ!あなた達、子煩悩にもほどがあるわよ・・・」

しほ「まほとみほは世界一可愛い姉妹だから仕方ないわ」

菊代「完全に同意」

千代「はあ・・・これだから西住流は時代遅れなのよ。世界一可愛いのは愛里寿なのに、それを認めようとしないなんて」

しほ「耳に薬莢でも詰まったのかもしれない。今、ちよちよ丸がおかしなことを口にしたように聞こえたわ。まほみほよりも可愛い子が地球上に存在するはずがないのに」

千代「おほほほ、老いたわねしぽりーぬ。耳は聞こえてるのに頭がボケちゃってるわ。愛里寿のかわいらしさを脳で認識できていないのね」

しほ「まほとみほの方がかわいいわ」

千代「いーえっ、愛里寿の方がかわいい」

しほ「まほみほ!」クワ!

千代「愛里寿!」クワ!

菊代「まあまあお二人共、私もまほお嬢様とみほお嬢様が宇宙一かわいいとは思いますが、どこの親も自分の子が一番と思うもの・・・千代さんの言い分も理解できます」

千代「言い方」

菊代「しかし今日千代さんを招いたのは雑誌の表紙を差し替える援護をさせるため。とりあえず今日のところはおだてておきましょう。はいはい、千代さん家の子もかわいいですねー」

千代「あなたいつからそんな意地悪になったの」

401 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/15 22:03:25.09 0IxmUMWt0 142/215

千代「まったく・・・でも、せいぜい今のうちに調子に乗っているといいわ。今に見ていなさい。すぐに島田流は西住流よりもはるかに人気になってみせるんだから」

しほ「菊代、ちよきちが寝言を言っているわ」

菊代「千代さんはご冗談がお上手」

しほ「鼻で笑ってやりましょう。フォヒホホホホホ」

千代「ぐぬぬ・・・バカにして。何も知らないのね。今、まさにこの時、世界一可愛いウチの愛里寿が大洗女子学園に潜入し、その人気のエッセンスを盗みだしているとも知らずに」

 スマホ<シマァダ!シマァダ!シマァダ!

千代「あら、噂をすればなんとやら。愛里寿から定時連絡がきたわ」スッ


愛里寿ちゃん
 <お疲れ様です。大洗潜入大作戦の進行度の報告の連絡をします。

                                   はいは~い☆愛里寿ちゃんが今日どんな楽しいことしたのか、ママに教えて~♪(((≧▽≦)))♪>

愛里寿ちゃん
 <大洗学園の学園艦に到着した後、道に迷いました。

                 えっ!?Σ(゜Д゜;)大丈夫なの!?ママが渡した地図じゃわからなかった?やっぱりまだ愛里寿ちゃんにおつかいは早かったわね・・・(´Д`;)>

愛里寿ちゃん
 <その後、大洗女子の生徒会の方に保護してもらいました。

                                                   よかったー(*^∀^*)きっと愛里寿ちゃんがいいこでかわいいからね♡>

愛里寿ちゃん
 <現在、大洗女子の捕虜となっています。また、一時間後に連絡します。お疲れさまでした。

愛里寿ちゃん さんが写真を送信しました

                                                                         ゜ ゜    (Д )>

402 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/15 22:32:52.27 0IxmUMWt0 143/215

千代「 ゜゜   (Д )」

しほ「どしたんな」

千代「・・・あ、愛里寿が送ってきた写真・・・」プルプル

しほ「ん?」スッ・・・

菊代「わ・・・まほお嬢様とお友達の皆さんの写真ですね。こちらは黒森峰の逸見さん、こっちは大洗の生徒会の方々、これは千代さん家のお子さんですね」

しほ「まほがピースしてるわ。すごくかわゆい」

千代「・・・ま、まずいわ・・・」プルプル

菊代「?」

千代「愛里寿ちゃんが大洗の生徒会に捕虜にされちゃったのよ!廃校を免れたとはいえ大洗はまだまだ資金難と聞くわ!愛里寿を人質にして身代金をせしめるつもりなのよ!」ワー!

菊代「こんなに笑顔でピースしてますけど」

千代「でも大洗女子の捕虜となってるって文に書いてるわ!これは平然を装ったSOS信号なのよ!愛里寿SOS!今日もまた誰か乙女のピンチなのよ!」ホ~ラホラヨンデイルワ~

菊代「考えすぎでは・・・」

しほ「・・・それよりも菊代さん」

菊代「あ、しほさんが私のことを菊代さんと呼ぶ時は仕事の時かマジメな話の時だけ。つまりこれはマジメな話ですね」

しほ「・・・どうしてまほが大洗にいるのかしら?」

403 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/16 00:09:32.69 FQgPLn370 144/215


愛里寿「よし、いい写真が遅れた」マンゾクー

「スパイなのにみんなで集合写真とらせてほしいなんて根性据わってるねー。さすがは島田流の後継者だよ」ハハハ

エリカ「まったく、どうして私まで・・・」ブツブツ

愛里寿「この写真、あとで送るから連絡先教えて。ほら、西住まほさんが笑顔だよ」スッ

エリカ「ありがとうございまぁす!」ザン

 スマホ<アアアンアン♪アアアアンアン♪

柚子「あ、会長ケータイ鳴ってますよ」

「んー。お、西住ちゃんから電話だ」ピッ

 まほエリカ愛里寿「「「 ! 」」」

「はいはーい西住ちゃんー?どしたのー?」

まほ「角谷、変わってくれ。お姉ちゃんだから。私お姉ちゃんだから」

エリカ「いえ隊長は大洗のポンコツ達に振り回されてお疲れでしょうからここは私が代わりに電話にでます」

愛里寿「いやいや共通の趣味を持つ私が代わるべき。二人ともこわい人だからみほさんも嫌がるはず。みほさんも私とおしゃべりしたいはず。みほさんの一番の友達だから」

エリカ「聞き捨てならないわね!中学の頃から同じ釜の飯を食って同じ屋根の下で過ごしてきた私が一番に決まってるじゃない!私は別にみほのことなんかなんとも思ってないけど!」

まほ「私はお姉ちゃんだ」

愛里寿「みほさんと一緒にボコグッズ買いに行ったりボコごっこしたりお泊まり会したりしたよ。だから私が一番」

エリカ「私なんか一緒に汗水流して練習したし一緒に必死こいて勉強したし一緒に・・・もっと一緒にいたかったわよ!」

まほ「私はお姉ちゃんだ」

405 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/16 00:48:28.68 FQgPLn370 145/215

「おっけー、わかった。じゃ、そう伝えとくねー」ピ

愛里寿「あっ・・・切っちゃった」ショボン

「西住ちゃんのお姉ちゃんに伝言だよー。西住ちゃんの家にきてほしいってさ。短いけどお姉ちゃんの亀さんチーム体験入隊はここまでだね」

まほ「みほの家」

エリカ「隊長、お供します」ザッ

愛里寿「昨日の敵は今日の友」ザッ

「おっと、そうはいかないぞ。密航者には校内の清掃が課せられる」

 エリカ愛里寿「「えぇ~!そんなぁ~!」」

「これからお前達二人には体育館とうさぎ小屋と戦車倉庫の清掃をしてもらう」

 エリカ愛里寿「「鬼~!」」

「ええいうるさいっ!スパイのクセに生意気だぞっ!」

柚子「ごめんねまほさん、ずっとあわただしくって。もーウチの学園艦って毎日毎日ドッタンバッタン大騒ぎなの」

まほ「いや、構わないさ。この学校なら、みほも楽しいだろう」

「それは保障するよ」ニカッ

 愛里寿「私にいい作戦がある。このえんまく玉で目くらましをするから、その隙に逃げよう」

 エリカ「さすが島田流ね。頭がいい」

 「おいっ!何をコソコソやっている!」

 愛里寿「えいっ」ボワン

 「うわわっ!目が~!目がァ~!」アァー!

 愛里寿「わー、前が見えないー」

 エリカ「なにやってるのよ!失敗忍術じゃないの!煙が晴れるまで危ないから私の手を握ってなさい!まったく!」

 愛里寿「うん、ありがとう」

 「かいぢょおぉ!ゆずじゃぁ~ん!だずげで~!」ビエー

413 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/18 19:23:49.76 CH9dha++0 146/215

 ―西住みほ宅

まほ「来た」

 ピンポ~ン

 <ハーイ

 ガチャ!

みほ「いらっしゃいお姉ちゃん!」パァー

まほ「ああ、お邪魔するぞみほ」

みほ「おねえちゃん!おねえちゃん!」ミッホミッホ

まほ「みほみほ」マッホマッホ

沙織「玄関先で二人してピョンピョン飛び跳ねるのもそこまでにして、中に入ったら?」

「良いではありませんか。姉妹の久々の再会なのですから」アラアラ

麻子「こないだ聖グロに二人で短期転校したんじゃなかったのか」

優花里「まあまあそう言わずに~。なんてったってあの最強無敵の西住姉妹の仲睦まじい姿!ファンにとってはヨダレものですぅ~!」ズビッ

 みほ「お姉ちゃんちゃんお姉ちゃん♪」ミッホイミッホイ♪ まほ「みっほほみほほ」マッホイマッホイ♪

沙織「最強無敵ねえ・・・」

414 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/18 21:37:10.11 CH9dha++0 147/215

みほ「ようこそ私の部屋へー」ジャーン

まほ「これは・・・」

沙織「私達、今までお姉さんの歓迎パーティーの準備してたんですよ。折り紙でいっぱい装飾作ったり、料理の準備したり・・・」

「まほさんがいつ大洗に来てもいいように準備していたのですが、いざ来られるとなると飾り付けやリハーサルに手間取ってしまいました」

まほ「花が部屋中に・・・綺麗だな」

みほ「華さんのアイデアだよ」

優花里「結果的にとはいえ、他のチームを順番に周ってくれていたおかげでこのように完成しました。あとはさっきサンダース隊長のケイさんから差し入れでもらったお肉を焼くだけです!」

沙織「それにしてもケイさんって太っ腹だよね~。急にきたと思ったらこんな大きなお肉をヒョイっとくれるんだもん。それも『マホと一緒に食べてね♪』な~んて、いい人すぎだよ」

優花里「先日、姉住殿と私は一緒にサンダースに短期転校していたので、その縁もあるんでしょうね。しかしみてくださいこの巨大牛肉!」ドーン

麻子「重量感あるな」

みほ「せっかくもらったんだし、いただいちゃおう。ね、お姉ちゃん」

まほ「ああ。みんな、わざわざありがとう」

みほ「どういたしまして。さ、お肉を焼いて・・・・・・あれ?しまった、調理用の油を切らしちゃってた・・・」

まほ「みほ、燃料の残りは常に意識しておけ。試合中にガス欠など冗談にもならないぞ。今後、二度と同じミスが起きないように反省レポート三枚分書いて提出するように」

みほ「ごめんなさいお姉ちゃ・・・隊長、申し訳ありません。お母さんには報せないで・・・」

沙織「ちょっとちょっと!急につらい過去再現しないでよ!」

まほ「冗談だ」

みほ「冗談だよ」

沙織「リアルすぎて笑えないよ!」

416 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/18 22:22:45.50 CH9dha++0 148/215

沙織「麻子、戦車出して。ひとっ走りして調理油買いに行こっ」

麻子「面倒だなぁ~・・・今あるもので代用してくれ・・・」

「と言っても、油の代わりになるようなものは・・・」キョロキョロ

優花里「私に任せてください!いざという時にために戦車用のオイルを持参してるんです!このスキットルの中に!」バーン

まほ「それは『荒廃した世界で古びたコートを着た男が中身を飲もうとするが何も入って無くて逆さに振った後「チッ・・・」って投げ捨てるヤツ』・・・スキットルというのか」

沙織「ねえねえ、雑誌で見たんだけど男子って料理上手な女子が好きで、特に強火で派手に焼く料理がハートを射止めるって書いてたんだー。だからさ、このお肉もド派手に焼こうよ!」

「いいですねぇ」

優花里「それも任せてくださいぃ!隠し味に不凍液をかけてー」バシャバシャ

まほ「えっ」

優花里「ナパームの薬莢をふりかけて一気に焼きあげます!」パッパッパッ

「いいですねぇ!」

沙織「さっすがゆかりん!」

麻子「大地もろとも焼きつくせー」

優花里「さあお肉をひっくり返しますよー!ウェルダーン!」グルン

 \ ボ ワ オ ア ア ア ア ア !!! /

みほ「わあ!大爆発!」

沙織「ああ~っ!飾り付けの花に火が~!」

まほ「ドッタンバッタン大騒ぎ」

420 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/20 23:23:46.45 ZGZ6PVcc0 149/215

 プシュ~

みほ「ふう・・・なんとかおおごとにならずに済んだ・・・消化器ちゃんと置いといてよかった」

優花里「すみません・・・私がハリきってやりすぎてしまったばっかりに・・・」ショボン・・・

沙織「ゆかりんのせいじゃないよ。私が火力を求めたりしなければ・・・」シュン

「いいえ、私が部屋に花を飾り付けたりさえしなければ火が燃え広がることはありませんでした・・・」ヨヨ・・・

麻子「・・・私がめんどくさがらずに調理油を買いに行っていれば・・・」ズーン

みほ「ううん、そもそも私がちゃんと油を買い置きしておけばこんなことにはならなかったんだよ」

まほ「・・・」

みほ「ごめんねお姉ちゃん。せっかく料理を用意したのに、全部ボヤっちゃった・・・」

まほ「・・・冷蔵庫を見せてもらう」ガキョ

みほ「え?・・・あ、うん・・・」

まほ「・・・ふむ、手つかずの具材がまだあるな・・・よし、皆、顔を上げろ。これより、諸君ら大洗あんこうチームと西住まほの共同戦線を張る」

沙織「え?なになにどゆこと?」

優花里「なにがはじまるんです?」

まほ「カレーを作ろう」

421 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/20 23:41:54.01 ZGZ6PVcc0 150/215


まほ「よし、では秋山装填手、その具材を鍋へ投下してくれ」

優花里「了解であります!ジェロニモー!」ボタボタボタ

まほ「武部通信手、ルーを投入後、すみやかに鍋内を旋回」

沙織「ラジャー!恋はダイナマイトー!」ボタボタボタ グルグルグル

まほ「五十鈴砲撃手、お味噌汁の方はどうだ?」

「なんだかブクブクされているのですが」ブクブクブク

まほ「吹いてる吹いてる。火をゆるめて」カチチ・・・

麻子「隊長、サラダ盛ったぞ。ゆでたまごも添えた」ジャーン

まほ「よし、配置に」

沙織「隊長!カレーがいい感じにいい感じです!」ビシッ

まほ「うむ。みほ」

みほ「お皿にご飯を盛って、カレーの絨毯爆撃だね」

まほ「ふ・・・その通りだ」

422 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/21 00:15:06.71 Nf6Jrks20 151/215

沙織「せーのっ」

 「「「 いただきやーす! 」」」

優花里「おいしいいい!姉住殿の指揮の下に作ったあんこうチーム特製カレーライス!普通においしいです!」ングング

「絶品の味・・・というわけではありませんが、普通においしいですね」モグモグ オカワリ

沙織「うんうん。こういう庶民の味が男子にはウケるんだよねー」モフモフ

麻子「さすがは西住流後継者。私達が失敗して落ち込んでいたところを上手く先導し、持ち直してくれるとは」

みほ「ありがとうお姉ちゃん」

まほ「いや、大したことはしていないさ。ただカレーが食べたかった。それだけのことさ」モグモグ

優花里「それにしても姉住殿は料理もお上手だったとは。やはり何をやらせても完璧なお方ですね!」

まほ「アンツィオに短期転校した際、アンチョビから手ほどきを受けたんだ」

沙織「へー、さっすがアンチョビさんだね。私もアンツィオで花嫁修業でもしてくるかなー」

「沙織さんもアンツィオに見学に行ったことがありましたね。本格的に料理を教えてもらいに行くのもいいかもしれませんね」モグモグ オカワリ

まほ「それはいい。アンツィオでは一日五食、おやつが二回、夜食もあるからな。食事についてはかなり勉強になるぞ」

みほ「えぇー・・・ものすごく食べるんだぁ・・・」

麻子「行ってこい沙織」

沙織「絶対行かないから!絶ッッッ対に行かないから!」

「私、短期転校の手続きをしてきますわ」モグモグ オカワリ

429 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/21 23:31:38.38 493yC6gZ0 152/215

沙織「おいしかった」ゴッツァンデス

優花里「しかし・・・この惨状は後片付けが大変ですね。部屋中消火器の粉だらけ」

麻子「大丈夫だ。そど子に言えば全部片付けてくれる。部屋の風紀が乱れてる~と言えば無償で掃除してくれるぞ」

沙織「風紀委員って便利ぃ」

麻子「ケータイで連絡入れとく。今日はもう日が暮れるから明日にでも来るだろう」ピピッ

みほ「なんだか悪いなぁ・・・」

麻子「向こうは好きでやってるんだ。誰も損はしない」

みほ「お姉ちゃんに今日ここに泊まってもらうつもりだったんだけどどうしよっかなぁ」

まほ「ふむ・・・そうだな。ここにいる皆でキャンプをするというのはどうだ?継続高校でサバイバル術を学んだんだ」

みほ「キャンプ?」

優花里「すごい!楽しそう!友達とキャンプするなんて初めてですぅ!」

「いいですねぇ。私、お布団以外で寝るの初めてです

沙織「外の空気に触れて眠るとマイナスイオンが云々で美容にもいいかも!」

麻子「ハンモックは私がもらうぞ」

みほ「大丈夫なのかなぁ・・・」

まほ「安心しろ。私は外部と連絡も取れない無人島で野宿して生き延びたんだ。お前達もきっと無事に生き延びられるさ」

沙織「ちょっと待って私達がやるのってただのキャンプだよね?」

433 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/22 00:58:14.57 DB2EWHsX0 153/215


 ―――・・・・・・

アンチョビ「いやー!儲かった儲かった!今日も大入りだったな!」

ペパロニ「これなら新調したピザ窯台稼げるのも案外スグかもしれないッスね!」

カルパッチョ「これもたかちゃん達が大洗の生徒の皆さんに口コミで評判を広めてくれたおかげですね。さ、そろそろ引き上げましょうか。たかちゃんも帰っちゃったし」

アンチョビ「そうだな。最後に自分達用に作ったイタリアンを食べて帰ろう!」イタリア~ン



ダージリン「あら、どこからかいい匂いがするわね」

オレンジペコ「どこかで料理でも作っているんでしょうか?」

ローズヒップ「おいしそうな匂いがしますわ!わたくしお腹と背中がガッチャンコしそうですの!我慢なりませんの~!」タタター

アッサム「あ、コラローズヒップ!待ちなさい!」

ルクリリ「ご安心くださいアッサム様!このルクリリがローズヒップの暴走を止めてみせてしんぜます!くぉらローズヒップゥ!一人だけ食べるのは許るさーん!」グオー


 スンスン・・・

カチューシャ「カチュッ」ピククッ

ノンナ「どうしましたカチューシャ」

カチューシャ「いいニオイがする・・・あっちからよ!ノンナ!クラーラ!行くわよ!」

クラーラ「スゲーナスゴイデス」

ノンナ「『おいしそうな匂いに敏感なカチューシャ様くぁわいいんじゃあ~』と、クラーラは言っています」

434 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/22 01:18:07.55 DB2EWHsX0 154/215


ミカ「おやおや、なんだか美味しそうな香りがするね。風が運んでくれたのかな?」

アキ「すんごいおいしそうなニオイ!たぶんイタリア料理屋さんでご飯作ってるんだよ!行ってみようよ!」

ミッコ「でもさぁ、私達お金なんてないぞ。イタ飯屋なんて高そうじゃね?」

ミカ「平気さ。人間、目の前で土下座されれば少しは慈悲の心が芽生えるものだからね」

アキ「プライドっちゅうもんがないのミカには」


西「ヤヤヤ!ケッタイな!どこからか涎が垂れてしまいそうな香りが!」

細見「西隊長!これは恐らく炊き出しをされているのでは!?」

西「うむ!おそらくそれで間違いないということで確実だ!よし!せっかくなので我々も御相伴にあずかろう!」

玉田「よーし!知波単学園!西隊長を先頭に全速前進突撃吶喊ー!」

 \ワーーー!/ \ギブミーチョコレート!/ \ヨミセデタンメン!/


ケイ「HAHAHA!今日はゲームをたくさんして運動もたくさんしたわね!それにしてもあのアリクイさんチーム、いいセンいってるわね。ナオミのシゴキについてくるなんて」

ナオミ「今度サンダースに招待しよう。20倍重力室でのトレーニングを試してみたい」

アリサ「はあ・・・なんで私までナオミズブートキャンプに付き合わされなきゃなんないのよ・・・あっ、なんか美味しそうなイタリアンの匂いがしますよ。行ってみましょう」

ナオミ「せっかく運動したのにまた食べるのか」

ケイ「インフィニティループってフィアーね」


エリカ「ふぅ~~~っ・・・やっと掃除終わったわ・・・しっかし、スパイに対して掃除をさせるだけなんて、やっぱり大洗って甘ちゃんよね」

愛里寿「優しい良い人達だよ」

エリカ「ハッ!そんなんじゃ全国大会覇者校としての威厳も何もないわね。アンタも子供だからわかんないかもしれないけど、王者ってのは風格と気品が重要なの。ビシっとしないとダメよ」

愛里寿「なるほど」

エリカ「まったく、これで大学選抜の隊長なんてね。それよりお腹空いてない?掃除なんかさせられて疲れたでしょ。ご飯おごってあげるわ。あっちからいい匂いがするから行きましょ」

愛里寿「ありがとう」

435 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/22 01:37:58.23 DB2EWHsX0 155/215


     \ バッタリ! /

 アンツィオ「あ」   知波単「あ」

 聖グロ「あ」   サンダース「あ」

 プラウダ「あ」  エリカ&愛里寿「あ」


カチューシャ「イツミーシャ!」 エリカ「地吹雪のカチューシャとブリザードのノンナ、むちゃくちゃなロシア語のクラーラ」

愛里寿「ドゥーチェのアンチョビ!」 アンチョビ「愛里寿!愛里寿じゃないか!それにそっちは継続一家!」

ミカ「アンツィオの三人娘だね。それにそっちはサンダースの皆さん」 ケイ「HA!無人島で遭難してた継続ズ!それにチハタンズも!」

西「雷洲(さんだぁす)の盟友の皆さん!そちらは薔薇尻殿!?」 ローズヒップ「突撃学校の皆さま!お久しゅうございますわ!」


ダージリン「どうやら、偶然ばったり各校の皆さんと出会ったみたいね。こんな言葉があったわ。『8時だヨ!全員集合』」

オレンジペコ「ダージリン様・・・もはや格言でもなんでもありません」

447 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/23 22:39:07.37 lgkasU350 156/215

西「これは奇遇ですなぁ!このような地で皆さんとお会いできるとは、早朝の乾布摩擦をしている頃には思いもしませんでした!」

ミカ「戦車乗りは引かれ合う・・・こうして私達が出会ったのも、偶然という名の必然なのかもしれないね。風に舞い散る花弁にも、道端に転がる小石にも、全てに意味があるのさ」

ダージリン「誰かが言っていたわ。『運命に従うも運命なら、運命に抗うも運命』だってね。どうせなら私は懸命に抗う方を選ぶわ」

ミカ「フ・・・それもまた人生さ。同じゴミなら、どうせ燃えるゴミでいたい・・・賢いとは言えないけれど、間違いとも言えない選択さ」

ダージリン「世の人間全てが賢ければ、とっくに人類は滅んでいるわ」

西「おお!言葉の意味はわからんがとにかくすごい事を言ってそうですな!」

カチューシャ「日本語で話しなさいよ!格好つけてそれっぽい言葉並べたててるけど全然会話になってないじゃない!」

エリカ「聖グロと継続の隊長を会わせちゃダメって高校戦車道界の掟があるけど、こういうことだったのね」


 <―――・・・・・・バババババ

エリカ「?・・・・・・!・・・この音は!」バッ

ケイ「WHAT?どうしたのエリー。ガスの元栓締め忘れてたの?」

エリカ「・・・音よ・・・この音・・・」ジッ・・・

ケイ「音?・・・ナオミ」

ナオミ「・・・」ジッ


 西住ヘリ<バババババ・・・

ナオミ「ヘリだ。黒いヘリが近づいてくる。ここから10分ほどの距離だ」

エリカ「やっぱり!間違いない!西住流家元のヘリよ!」

452 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/24 21:49:46.33 UIn8ojA80 157/215

愛里寿「西住ヘリが大洗に来た、ということは、みほさんのお母さんがに会いにきたのかな」

ローズヒップ「ミシシッピヘビさんですの?」

アッサム「ローズヒップ、にしずみヘリ、ですよ」

ローズヒップ「ごめんあしゃーせー!」

エリカ「まさか・・・さっき島田流家元に送った、愛里寿達や隊長と撮った写真・・・なんらかの経緯であの写真を見たのでは・・・マズイ・・・マズイわ!マズすぎる!」ガタガタブルブル

ローズヒップ「ダージリン様の手作り料理を食べましたの?」

ダージリン「んっふ、ローズヒップ、エリカさんは何も食べていないわ。マズイというのは、西住ヘリが大洗に来たことがマズイということよ」

ローズヒップ「ごめんぁしゃっせっ!」

西「逸見殿、何がそのように不味いのですか?西住さんの母上が来られるのは良いことではありませんか」

エリカ「いいえ・・・おそらく隊長が大洗にいることを知って飛んできたのよ。文字通りね。隊長が他校に短期転校していることを厳格な西住流家元が知れば、どうなるかは火を見るより明らか」

ローズヒップ「アッサム様、火ぃー貸してくださいませ」

アッサム「しーっ」シズカニ

西「して、西住さんの母上が来られれば、一体何が始まるんです?」

エリカ「大惨事な大変なことよ!」

ミカ「おやおや」

454 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/24 22:32:40.87 UIn8ojA80 158/215

カチューシャ「つ、つまりマホーシャが遊び呆けてるから叱りに来たってこと!?」

ケイ「今、マホはミホと一緒にいるはずよ。さっきオッドボールから『お肉爆発させちゃいましたすみません』ってメールと一緒に大惨事状態のミホの部屋の写真が来たもの」

アンチョビ「爆発?」

エリカ「・・・みんな、私のわがままを聞いてほしい。せめて・・・せめて隊長がみほとの時間を満喫するまで、どうにかして家元を食い止めるのを手伝ってほしいの」

カチューシャ「!」

エリカ「姉と妹が一緒に過ごすことが、あの二人にとってどれだけ貴重なことか私にはわかるわ・・・今だけは・・・みほにも隊長にも、西住の名に縛られずに自由でいさせてあげたいの」

愛里寿「・・・」

エリカ「私一人じゃ到底無理・・・だけど皆が力を貸してくれればなんとかなるかもしれないの!みんな、隊長とみほを守るのに協力して!」

ケイ「OK」ビッ

エリカ「!」

西「そのようなことは尋ねるまでもありません!あたり前田のくらっかーでございまする!」

ダージリン「『踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々』・・・人生は踊らないとね」

カチューシャ「仕方ないわね・・・その代わり、報酬としてお菓子のシベリアをたっくさん買いなさいよね!」

ミカ「ここで反対するなんて野暮なことはできないさ」

アンチョビ「マルゲリータのためならエンヤコラだ!」

464 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/27 22:45:30.67 c0V8w4990 159/215

 ―生徒会室

しほ「突然の来訪にも関わらず、受け入れてくれてありがとう」

「いえいえ。生徒の保護者が学校に来るのは何もおかしなことではないですから」

「あわわ・・・あ、あの高さのヘリからジャンプして着地するなんて・・・」ガクガク

柚子「あれが噂のスーパー西住着地なのね。地面に激突するパワーを着地と同時に下へ放つことで衝撃をゼロにするという・・・」

しほ「それで・・・今回来た用件なのだけれど、ま――」

「まあそう焦らずに、長旅でお疲れでしょう。干し芋おかきでもどうぞ。小山、お茶淹れて」

柚子「!・・・は、はい、ただいま」ソチャチャッ

しほ「・・・そうね。いただくわ」

「いやー、それにしても家元さんも大変ですねー。プロリーグのなんやかんやで大忙しでしょー」

しほ「む・・・たしかにね。ところで、今この学園艦にま――」

「今日はもう日が暮れますし、お休みになったらどうですかね。かーしま、宿に連絡して部屋を確保してくれる?」

「えっ?・・・あ・・・え、ええっと・・・は、はい!すぐに手配します!」サササッ

しほ「待ちなさい。私はここへゆっくりするために来たのではないわ。私には目的があって来たの」

「・・・」

しほ「私は――」

 ガチャ!

エリカ「おや家元!奇遇ですね!私達も!偶然!あ、偶然!大洗にきてたのですよ!」

「!」

しほ「・・・」

466 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/27 23:17:01.35 c0V8w4990 160/215

 ―西住姉妹防衛戦線指令本部(アンツィオ屋台車輌内)―

カチューシャ「ちょっとイツミーシャ!ワザとらしすぎるわよ!もっと自然にしなさい!ナチュラルにカチュラルに!」

 エリカ【うっ・・・わ、わかってるわよ】ボソボソ

カチューシャ「いい!?このカチューシャが指示を出すから、あなた達は怪しまれないようにちゃんとしなさい!まずはイツミーシャとサンダースで口火を切るの!いいわね!?」

ノンナ「各校の皆さんをアンツィオの屋台車輛内からカチューシャが指揮し、西住家元を足止めする作戦・・・うまくいきますかね」

カチューシャ「うまくやってみせるわ。マホーシャとミホーシャの邪魔をさせないためにも、私達でイエモトフを抑え込むのよ!」

クラーラ「アイアムグルート」

ノンナ「『シホーシャでいいじゃん』と、クラーラは言っています」


 ―生徒会室

ケイ「ワオ!西住マムじゃない!大学選抜との試合の反省会を大洗で行った日に偶然にもマムと遭遇するなんて、ディスティニーを感じるわね~!ねっ、アンジー?」

「うんうん」

しほ「大学選抜戦の反省会・・・研究熱心で良い姿勢ね」

エリカ「そうですそうなんです!他の学校の隊長達も集まってるんですよ!もちろんウチの隊長も!だから決して大洗に遊びにきたわけではないのですはい!」

ケイ「エリー、ここは私が話すわ。あなたは大人しくしてて」

467 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/27 23:45:19.49 c0V8w4990 161/215

しほ「そう・・・実はまほが大洗にいると知って来たのだけれど、試合の反省会をしていたのね。納得したわ」

エリカ「ホッ・・・」

しほ「しかしまほに会いに行く」ザッ

エリカ「まままままま待ってください家元!も、もう夕暮れですし隊長は別件でちょっとアレがコレしてソレなんで・・・きょ、今日のところはゆっくりされては?」

しほ「そんな暇はないわ。まほに話があるの。みほにも――」

ケイ「もうここまで来たらバラしちゃうしかないわね。西住マム、実は私達であなたの歓迎会を準備していたんです」

しほ「私の・・・?」

「そうそう。反省会してる最中に、家元へお礼をしないとねーって話になったんですよ。なにせ家元が文科省との間を取りもってくれたから試合にこぎつけられたんですから」

しほ「・・・」

ケイ「だから感謝の気持ちとしてサプライズパーティーを企画してたってわけですよ!まっ、こんなに早く来られるなんて、こっちがサプライズだったけどね。HAHAHA!」

「ウチのかーしまが今、宿を押さえてるんで、そこを会場にします。大至急宴会準備を進めてるんで、もう少しここでお待ちになってもらえますかね」

しほ「そんなことをしてもらうほど、大したことをしていないわ」

「そう言わんでくださいよ。お礼くらいさせてもらわないと気がすみませんから」

しほ「・・・むう・・・そうね・・・あなた達の顔も立たせないとね。わかったわ」

「やったぁ」ニカッ

468 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/28 00:02:02.43 nhfVwqJ30 162/215


カチューシャ「もうっ!無茶なこと言ってくれるわね!各員に通達!イエモトフの歓迎パーティーを開催することに急きょ決まったわ!すぐに準備にとりかかって!」

 【了解であります!】 【また突然な話ね】 【宴会料理ならまかせとけ!】 【お祭りは好きさ】ポロロン

ノンナ「大洗生徒会の河嶋さんから連絡です。歓迎パーティー会場となる宿を確保したとのことです。すぐに準備に取り掛かりましょう」


ケイ「うまくいったわねアンジー。私のでっちあげに上手く合わせるなんて流石ね」ヒソヒソ

「サンキューね、おケイ。いきなり家元さんが来てさ、西住ちゃん達に水差すわけにもいかないしなんとか引き留めようとしたんだけど、おケイ達が来てくれて助かったよ」ヒソヒソ

ケイ「ノープロブレム、ビーハッピー♪せっかくマホが大洗に来てるんだから、もう少しくらいミホと一緒にいさせてあげないとね。きっと今頃、姉妹仲良くしてるでしょうから」






まほ「私だ」

みほ「私だよ!」

 まほ「やいの」 みほ「やいの!」

 \ヤイノヤイノヤイノ!/

沙織「ちょっとちょっと!なんで二人でやいのやいのと言い争ってるの!仲良くしてよ姉妹なんだから!」

469 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/28 00:45:37.39 nhfVwqJ30 163/215

優花里「お待たせしました~!野営セット持ってきましたよー!・・・って何かもめ事ですか?」

みほ「あのね、キャンプ用のお菓子とか買い出しに行こうって話してたんだけど、お支払いはお姉ちゃんがやるって言うから・・・」

まほ「私はお姉ちゃんだ。それにここにいる皆の先輩なんだ。先輩は下級生に対して優しくせねばならないと知波単で身を持って学んだんだ」

みほ「でも今日はお姉ちゃんはお客さんなんだよ!だから私がお金を払うよ!」

まほ「私はいつでもお姉ちゃんだ」

 みほ「やいの!」 まほ「やいの」

沙織「もーだから言い争いしないでってば~!仲がよすぎるのも考えもんだよもー」

「あらあら、優花里さんの家まで戦車で来て、私と優花里さんでキャンプ道具一式を取りに行っている間にそんなことが・・・」

優花里「とりあえず野営セットは車体に積んだんで、冷泉殿、発進してくださいー」

麻子「んー」ガコッ

優花里「ところでキャンプってどこでするんですかぁ?」

みほ「キャンプ場なんてないもんね・・・そうだ!すぐ近くに公園があるけど、どうかな」

沙織「いやいや・・・」

「みほさんのマンションの屋上、というのはどうでしょう?」

沙織「風情もへったくれもないよね・・・」

麻子「もう日が暮れるし、他に選択肢はない。とりあえずコンビニに寄ってお菓子をたくさん買い込んで、マンションに戻るぞ」ギャラギャラギャラ

まほ「支払いは私に任せろ」

みほ「私が払うよー!」

「皆で勘定を割るというのはどうでしょう?」

まほ「その発想はなかった」

みほ「さすが華さん!」

沙織「西住姉妹って・・・」

472 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/30 22:26:16.04 s6CpGaQB0 164/215

 <パロパン♪パロパン♪ <ラッシャーセー

みほ「コンビニだー」ワーイ

優花里「さあ、キャンプ用の夜食を買いこみましょう!」エーイヤサー!

沙織「今日はキャンプだから特別なんだよね。普段は夜9時以降は食べちゃダメだけど、今日はキャンプだからイイんだよね?今日くらい我慢しなくてもいいんだよね?」ネッ?ネッ?

優花里「?いいですよー?」

みほ「まずポテチー、それにポッキーにー、チョコパイもー」ガサガサ

麻子「買い物カゴがみるみるうちに満タンに」

「みほさん、ポテトチップスはコンソメがいいです。一人で食べるのならうすしおですが、皆でワイワイ食べるのならコンソメがいいです」

沙織「華、目が怖い」

まほ「これも買おう」ゴトン

麻子「ラムネか。しかも箱買い」

優花里「姉住殿はラムネがお好きなんですか?」

まほ「ああ。継続高校に短期転校した際、我々はラムネのおかげで無人島から脱出できたのだ。命の恩人だ」

優花里「なかなかに波乱万丈な人生送ってますね」

まほ「ちなみにラムネの瓶の中にあるビー玉のようなものはラムネ玉といい、炭酸の圧力でフタをする仕組みになっているそうだ。瓶は再利用されるんだぞ」

「へぇ~、エー玉と呼ぶのではないのですね」

沙織「短期転校して何を学んでるの・・・」

473 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/05/30 23:56:10.21 s6CpGaQB0 165/215

 <アリヤトーゴザシャー <パロパン♪パロパン♪

みほ「よしっ、ジュースも買ったしアイスも買ったし、買い出しはこれでオッケーかな」ドッチャリ

優花里「クーラーボックス持って来て正解でした」

みほ「それじゃ戦車に乗って帰ろう・・・って、お姉ちゃんは?」キョロキョロ

沙織「さっきレトルトカレーのコーナー見てたよ」

「まほさんは本当にカレーが好きなお方」

まほ「待たせたな」ザッ

みほ「あっ、お姉ちゃ・・・・・・って!お、お姉ちゃん!そ、それは!」

沙織「ぬいぐるみ?」

まほ「レジの角にひっそりと置かれていた。ボココボコぬいぐるみだ」ジャーン

「わぁ、かわいらしいぬいぐるみですね。ボコさんの背に子供のボコさんが」

みほ「ボコくじのラストワン賞のボココボコ!もうとっくの昔にくじは終わってたはずなのに、ここではまだ残ってたんだ!」

麻子「誰も買わずに放置され、レジの角に隠れ、誰にも気づかれなかったんだな」

まほ「みほ」スッ

みほ「!・・・お、お姉ちゃん・・・ボココボコぬいぐるみを私に?・・・」

まほ「買い出しの代金を割り勘にした代わりだ。少しくらい姉らしいことをさせてくれ」

みほ「っ・・・ありがとう!」パアー

沙織「まほさんってなんだかんだで頑固というか、格好つけたがるよね」

まほ「実はこっそり君達にも選別を買っておいた。受け取ってくれ。世界戦車コレクションDVDフィクション作品編、快眠アロマオイル、ハム&ウィンナーギフトセット、ゼクシィ特大号」

 優花里「わぁ!ありがとうございます!」 麻子「これで朝もグッスリ眠れる」 華「あらあらこんな高価なものを・・・」 沙織「やったぁ!恋する乙女の必需品!」

476 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/01 22:02:00.34 9piLd1om0 166/215

 Ⅳ号<ギャラギャラギャラ・・・

まほ「風が気持ちいいな」ソヨ~

沙織「いくら6人乗りは窮屈だからってなにも車体の上に座りこまなくても・・・危なくないの?」

みほ「平気だよ。お姉ちゃんのバランス感覚はジャイロコンパスよりも正確だから。それにもし万が一落車しても西住流着地ができるからケガなんてしないよ」

沙織「そうなんだぁ・・・」

みほ「私も上に出よーっと」ガッ ガッ

「なんだかみほさん、まほさんが来てから少しアグレッシブになってますね」

麻子「昔の血が騒いでいるんだろう」


みほ「わぁ、夕焼けの町並ってキレイだね。毎日見てるはずなのに気付かなかったや」ギャラギャラギャラ・・・

まほ「・・・『雨を感じられる者もいるし、ただ濡れるだけの奴らもいる』・・・何気ない、当たり前のことに素晴らしさを見いだせるのは良いことだ」ギャラギャギャラ・・・

みほ「あ、レゲエ音楽の神ことボブ・マーリーの言葉だね。なんだかお姉ちゃん、ダージリンさんみたいだね」

まほ「ハハハ・・・それはつまり、私がポンコツだと言いたいのか?」

みほ「あははは・・・」

まほ「ハッハハハ」

みほ「はっははは」

まほ「ハハハ・・・・・・そうなのか?」ズイ

みほ「お、お姉ちゃん落ち着いて・・・私は別にダージリンさんのことそんな風に思ってないから・・・」

478 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/01 22:53:33.35 9piLd1om0 167/215


 ―――大洗のとある旅館の宴会場・・・

ダージリン「ダァっしょい!」クシャミー!

オレンジペコ「あー、また誰かがダージリン様のことを噂してるんですかね。はい、チーンしてください」スッ

ダージリン「フフ・・・有名人はつらいわね」チーン

アッサム「ダージリン、そろそろ出番ですよ」

ダージリン「ええ、任せなさい。このダージリン・・・聖グロリアーナの隊長としての“格”というものを見せてあげるわ」ジリッ


柚子「ではこれより、『西住しほさんその節はありがとうございましたおかげさまで廃校回避でたよ謝恩会』を開催いたします」

 \ワー!/ \イエーイ!/ \パチパチパチ!/

しほ「・・・」

柚子「では、乾杯の音頭を聖グロのダージリンさんとオレンジペコさんに取ってもらいます。では皆さん、お飲み物をお手にお取り下さい」スッ・・・

ダージリン「・・・それでは、西住しほさんへの感謝を込めて・・・」ティーカップ スッ・・・

オレンジペコ「かんぱ~いっ」ワー

ダージリン「ってあなたが言うのか~~~いっ」ズルー

 \どっ!/ \わっははははは!/ \なんとひょうきんな!/

しほ「・・・」

480 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/02 00:00:19.75 1pG7vAhG0 168/215

エリカ「ちょ、ちょっとアンタねぇ!こっち来なさい!」グイッ

ダージリン「わ」グイィ

エリカ「なにをトンチな寸劇をやってるのよ!家元の機嫌を逆なでするようなことしないでよ!」

ダージリン「落ち着きなさい。カッカすると身体によくないわよ。笑いなさい。笑いは健康にいいんだから」

 カチューシャ【ちょっとダージリン!ヘンなジョーク入れないでよっ!カチューシャが指示した通りにスピーチしなさい!指揮官は私なのよ!】

 ノンナ【ダージリンさん、我々は現在、宿の駐車場の車輛から皆さんに無線で連絡をしています。もうすぐ大洗の援軍も到着する手筈ですので、それまで何とか持ちこたえてください】

 カチューシャ【そのためにも妙なアドリブは禁止!聖グロ、サンダース、アンツィオ、知波単、継続、イツミーシャ、アリスタシアの面々で場を盛り上げるのよ!私の指示は絶対だからね!】

オレンジペコ「ダージリン様、西住流家元を刺激しないためにもヘタなことはしないでおきましょう」

ダージリン「いけず」ブー

エリカ「あ、あのねぇ!家元に冗談や洒落なんか通じないのよ!見なさいあの家元の鬼のような形相を!」ビッ

 しほ「・・・」

エリカ「・・・あ・・・機嫌よさそう・・・」

ダージリン「そうなの?あれで?」

484 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/04 23:35:47.10 5Xp4u7Bl0 169/215

柚子「まずはアンツィオの皆さんが用意してくれた絶品料理に舌鼓しましょう。しばしお食事をお楽しみください~」

アンチョビ「ぅわーっはっはっは!丸いお皿に料理を盛って!みんなで食べようオイシイご飯!アンチョビ高校ドゥーチェアンチョビ!」

カルパッチョ「その右腕のカルパッチョ!」

ペパロニ「右肩のペパロニ!」

アンチョビ「ご期待通りにただいま参上!さあさ!みんな食べた食べた!アンツィオ自慢のイタリアンだよ~!」ガチャガチャ

カルパッチョ「おかわりもたくさんあるので遠慮なく食べてくださいね~」ガチャガチャ

アキ「わあすごい!すんごい豪華!こんなに動物性油を含んだ料理が食べられるなんて・・・!」カンゲキ・・・

ミッコ「匂いだけで白飯いけるな」

アリサ「・・・太るわ・・・太るわよアリサ・・・でも・・・せっかくだし・・・」プルプル

西「おおっ・・・こ、これがイタ飯という奴ですか・・・」ゴクリ・・・

細見「国外飯はさんだぁすに短期転校して以来ですな。しかしこれはまたハイカラな・・・」ワクワク

 「まるでうるしを塗ったかのように光輝いておりまする!」ワイワイ 「色鉛筆のように色鮮やかであります!」ガヤガヤ 「今日は法事か何かでありますか!?」ドヤドヤ

カルパッチョ「は~い、それでは皆さん、お手を拝借」

 \イタ~ダキィ~ヤスッ!/

 \パクッ!/

 \・・・・・・/


 \う、うンまぁ~~~いっ!/ \ホッペが落ちるであります!/ \やめられないとまらない!/

\カロリーが胃に効くゥ~!/ \おん!おん!/ \まさに味のアベンジャーズや~!/

  \もうデブってもいいわ!おかわりおかわり!/ \おわかりでしょうか!/ \夜店でタンメン!/

485 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/05 00:10:03.30 1V78MqDY0 170/215

アンチョビ「フッフーン!みんな絶賛賞讃雨アラレだな!それも当然だ!我々の料理は世界いちぃー!」ハッハッハー!

愛里寿「さすがドゥーチェのアンチョビ」b

ペパロニ「さささっ、西住のおっかさんもどうぞどうぞ。あたしらが腕にヨリをかけて作った鉄板ナポリタンとマルゲリータピッツァッスよー!」ガタガタ

しほ「・・・」

 エリカ「ちょっと!なんで宴会でイタリアンなのよ!家元は和食しか食べないのよ!こんな油いっぱいで不健康そうな料理なんて西住流ちゃぶ台返しを喰らうのがオチよ!」

 アンチョビ「な”ん”だっでぇ”ぇ”ぇ”!”?”」ガタターン

ペパロニ「ほらほら!エンリョせずにガブーっといっちゃってくださいッス!」ドーゾ!

しほ「・・・」

アンチョビ「ま、待てペパロニ!おこられても知らんぞー!」

しほ「・・・」モグ

ペパロニ「イエーイ!いってるッスいってるッスー!」

しほ「・・・」キッ・・・

エリカ「ヒッ!」ビクッ

しほ「・・・」

しほ「・・・」モグモグ

エリカ「嘘・・・あんなに美味しそうに食事する家元なんて初めて・・・」

ダージリン「あれで?」

アンチョビ「・・・・・・ゎ・・・ゎーっはっはっは!やはりアンツィオ料理はすごいのだー!」

西「おおとも!あんちお高校の食膳は大変おいしゅうございますー!」

 玉田「さすがは美食高校!」 細見「イヨッ!どうーちえ!」 福田「どうーちえ!どうーちえ!」

 \どうーちえ!/ \どうーちえ!/ \どうーちえ!/ \どうーちえ!/ \どうーちえ!/

アンチョビ「ハッハッハー!ドゥーチェだからな!ちっちゃい『う』とちっちゃい『え』だからな。覚えてくれな」

493 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/10 00:29:44.33 cqGUde+K0 171/215

柚子「それでは皆さんお待ちかね!これより余興がはじまりま~す!お食事を楽しみながら舞台にもご注目ください~」

 ミカ<ポロロンロンロンロンロンロンロンロンロ~ン♪(出囃子)

 バババ~ッ!

ナカジマ「はいどーもー、大洗自動車部で~っす!わー、ぱちぱちぱちー」パチパチ

 エリカ「!・・・大洗の子達も来てくれたのね!」

しほ「・・・」

スズキ「これから皆さんにお見せするのは世にも不思議なマジックショーでございます。手にはどうぞ厚手のハンカチをご用意くださいませ」

 福田「まじっくそおとは何でござりまするか?」

 西「まじっくとは西洋の筆のことだ、きっとこれから西洋筆での演舞を行うのだろう。年末にその一年を表す漢字を書いたりするだろう。ああいうのだと私は思う」

ツチヤ「それではー、こちらは何の変哲も無い帽子でーす。中には何もありませーん。そこへ手を入れると~・・・」ゴソ

ツチヤ「中から兎が出てきましたー!」バーン

しほ「!」

福田「なんと!たしかに帽の中はからっぴっぴだったはずでありまする!」

玉田「奇術か!?妖術か!?奇妙奇天烈摩訶不思議!」

西「なんとあっぱれ!この西絹代、感服いたしましたー!」

ツチヤ(これだけ反響あるとやりがいあるなぁ~)ジーン

498 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/10 20:59:38.62 cqGUde+K0 172/215

ペパロニ「すげえ!何もない帽子から兎が出てくるなんてよォ!あれがありゃあ、いくらでも食材を引き出せるッスよドゥーチェ!」

アンチョビ「うーむ、どこで売っているのだろうか」

ローズヒップ「ダージリン様!ご覧になりましたか!?あれは一体どういうトックリなのでございますか!?」ユッサユッサ

ダージリン「落ち着きなさいローズヒップ。揺さぶらないで」ブンブン コウチャバシャバシャ

ホシノ「続きましてェー、こちらは何の変哲も無い縦縞のハンカチですがー、これをくしゃくしゃに丸めると~」クシャクシャ

ホシノ「じゃ~ん!なんと縦縞模様が横縞模様に変化しました~!」

しほ「!!!」

福田「はわわ!すごいであります!どういう仕組みなのでありましょうか!」

ローズヒップ「ど、どういうことなのですわぞ!物理法則もあったもんじゃありませんわ!」ドッキンコ!

ケイ「まさしくハンドパワーね!」

細見「はんどぱわあ?・・・横文字はよくわかりませぬ・・・」

ケイ「日本語で言うと手力ね」

 細見「てぢから」 浜田「てぢから・・・」 寺本「てぢから!」

ナカジマ「そして大トリはこちら!この自動車の中にスズキに入っていただきます」ガチャ

スズキ「はいりまーす」ヨイショ

ナカジマ「そして・・・ハンドパワーを加えます!みなさんもご一緒に!ハンドパワーって叫んでくださいね。せーのっ」

 \てぢからー!/

ナカジマ「はいー!」

 \BOOOOOMMM!/

アキ「ああっ!中に人がいるのに車が爆発しちゃったよ!?」

西「な、なんじゃとて!こうしてはおれぬ!救助に向かわねば!」バッ

499 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/10 21:24:08.88 cqGUde+K0 173/215

ナカジマ「落ち着いて落ち着いて。すぐに火は消します」プシュー

 福田「な、中の鈴木殿はご無事なのでしょうか・・・」ドキドキ・・・ オレンジペコ「緊張の一瞬ですね・・・」ドキドキ・・・ しほ「・・・」ドキドキ・・・

ナカジマ「はいー!」ガチャ

スズキ「てってれー!」バーン!

 \おおーーー!/ \見事生還!/ \いよっ!大統領!/

しほ「・・・」ホッ・・・

ナカジマ「おそまつさまでしたー!」パチパチパチ

オレンジペコ「すごいマジックショーでしたね!これは良い余興でした。一体どういう仕組みだったんでしょうかね?」パチパチパチ

ダージリン「フフ・・・いくら私でも、手品の種までは知らないわ」

ローズヒップ「?・・・今のはスズキ様が自動車に入ったと同時に自動車の底が蓋のように開き、舞台の下へと隠れ、爆発の火が消えてから再び車内に戻ったのでございますわ?」

ローズヒップ「車体の底から脱出したのが我々に見えないように、自動車の下にはあらかじめ鏡が設置されてて、スズキ様はその鏡の向こう側を通って舞台下に隠れたのですわ」

ローズヒップ「今の手品よりも縦縞が横縞に変化する手品のほうがすごかったですわ!」

ダージリン「んっふ」

 カチューシャ【こちら指令本部のカチューシャよ!どう?大洗の援軍、同志ジドーシャ部の宴会芸で時間稼ぎはうまくいってる?】

ダージリン「ええ、家元さん、すっかり夢中よ。でも、マジックショーは終わっちゃったわ。次の援軍は?」

 カチューシャ【安心しなさい!続々と部隊を送り込んであるわ!】

柚子「続きましてー、大洗風紀委員の余興でーす。なんと自分達で三味線を演奏しながらの音楽ショーです」

 そど子ゴモヨパゾ美『とかくこの世はほがらかに~♪歌って笑って、風紀シスターズ~♪』ベベベンベン

ダージリン「さて・・・どれだけ保つかしら」

502 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/13 19:39:59.33 aAzbWPd+0 174/215

 ―――

 ガチャ

優花里「わあ!いい広さですね~西住殿のマンションの屋上~!」

麻子「マンション所有してるみたいに聞こえるぞ」

みほ「管理人さんにも許可もらえてよかったね」

沙織「でもこんなとこでキャンプなんて女子高生らしくないよね・・・」

「いいじゃないですか。私、普通じゃないことってしてみたかったんです!」

まほ「よし、ここを野営地にするぞ。まずは陣を敷く。それから火を炊いて食事の準備だ」

優花里「了解でありまする!」ビッシィ

沙織「えっ?・・・食事って・・・さっき出かける前にカレー食べたよね?」

まほ「?・・・そうだが?」

沙織「・・・で、これからまた食べるの?」

まほ「そうだが?」

沙織「・・・」ダッ!

麻子「待て。逃げるな」ガシッ

沙織「だって!だってだって!そんなに食べたらオトメじゃなくてフトメになっちゃうよ!」

麻子「気にするな。ぽっちゃり系女子というので行け」

沙織「だ~ってだって!だってなんだもん!」ジタバタ

「私、まほさん大好きです」ジュルリ


503 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/13 22:29:37.79 aAzbWPd+0 175/215

優花里「できましたー!簡易テントですが中は広いですよ~!」

みほ「わあ、すごくキッチリしてるね。かっこいい」

麻子「これだけ広ければ中にハンモックをかけられる」

まほ「食事の準備ができたぞ」

沙織「っ・・・来たか」グッ

まほ「心配することはない。ガッツリの食事ではない、軽食だ」

沙織「ホッ・・・それならまだマシかな」

まほ「これはプラウダに短期転校した際に食べたものでな、ほかほかのジャガイモにバターを乗せ、さらにイカの塩辛を乗せたんだ。とてもおいしいぞ」ホカホカ

沙織「ッガ!・・・」ガクー

みほ「わあ、おいしいそう。いただきまーす」モフ

麻子「んまい」モフモフ

優花里「すんごいおいしいです!凄まじいカロリーを感じますねぇ!」ングング

「無限に食べれます。無限に食べれますよ」モフモフ

まほ「そうだろうそうだろう」マンゾクゲ~

沙織「・・・」

麻子「沙織、食べないのか?コレステロールの塊で美味しいぞ」

沙織「っ~!・・・ええい!女は度胸!太るのが怖くて青春やってられっかぁ!食べるわよ食べるわよ!」バク

沙織「っ!・・・っ~~・・・・・・」ポロ・・・ポロポロ・・・

みほ「!?ど、どうしたの沙織さん!?何で泣いて・・・」アタフタ

まほ「まさか塩辛がニガテだったか?すまん」

沙織「・・・ううん・・・違うの・・・違う・・・すっげぇー美味しいの・・・」ポロポロ・・・

「美味しいものを食べてこその人生ですね」モフモフ

509 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/16 00:38:58.25 hrg7uqOM0 176/215

みほ「おいしかった~」

沙織「確かにおいしかったよ・・・コレステロール爆弾にむさぼりつくかのような背徳感がたまらなかったよ・・・でも!でもでも!絶対太っちゃったじゃん!花の乙女が食べるようなものじゃないよ!」

「はい?」

優花里「気にしすぎですよ。武部殿そんなに太ってないじゃないですか~」

沙織「はいそこ!『そんなに』って言った!」ピピーッ

まほ「たしかに、贅肉が付くのは戦車女子としてはあまりよろしくはない」

沙織「普通女子としてもそうだよ」

まほ「よし、食後の運動をしよう。サンダースでも大量の食事の後にちゃんと運動をしていたぞ。知波単の皆もナオミズブートキャンプで身体を鍛えていた」

沙織「ナオミズブートキャンプ!?なにそれ!?」ヤダモー

優花里「ナオミさんが教官のハードエクササイズですよ。DVDも発売してます。サンダースで」

麻子「サンダース生徒のあのアメリカンナイスバディーを維持する秘訣か。そうでもない者もいるが」

沙織「ぜひぜひそのエクササイズを教えてください!なんとしてでも痩せたいの!食べたりしません痩せるまでは!」

まほ「うむ、ではサンダース流でいこう。気を付け!」キッ!

沙織「!は、はい!」ビシッ

みほ「私達もやるの?お姉ちゃん」

まほ「お姉ちゃんではない。私はマホー教官だ。口を慎め子羊ちゃん」

沙織「こ、子羊・・・」

「細かいとこまでアメリカ風なのですね」

510 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/16 01:15:16.84 hrg7uqOM0 177/215

まほ「365、366、367」フンフンフン   沙織「ひいっ・・・ひいっ・・・しょ、しょっぱなから・・・腹筋・・・500回なんて・・・」ゼイゼイ・・・

   まほ「グッバイ贅肉、ハローシックスパック」フンフンフン   優花里「す、すくわっと・・・500・・・」フラフラ・・・

      まほ「どうしたお嬢ちゃん。うちの祖母にも負けてるぞ」フンフンフン   沙織「シャドーッ!・・・ボクシッ!・・・ングッ!・・・15分ッ!・・・間ッ!・・・」ヒュー・・・ヒュー・・・


まほ「よし、これで終わりだ」

沙織「」バタンQ

まほ「準備運動はな。ここからエクササイズに入るぞ」

沙織「 や め て ! 」

まほ「冗談だ。アメリカンのな」

優花里「ハァッ!・・・ハァッ!・・・き、きつすぎます・・・見学を選んだ五十鈴殿と冷泉殿は先見の明がありますね・・・」ゼイゼイ

みほ「ふう・・・やっぱり最近ナマってるなあ・・・けっこう息が切れちゃったや」

まほ「甘いぞみほ。腹筋のスピードが0、8秒遅かった。スクワットは腰を下ろす位置が15㎝高いし、シャドーボクシングは上半身だけで足が動いていなかった。そんなことでは強くなれんぞ」

みほ「ご、ごめんなさい・・・」

まほ「違う、私への返答はラジャー、もしくは了解だ」

みほ「了解、隊長」ビシッ

沙織「ちょっと!暗黒森峰時代に戻ってるよ!」

まほ「冗談だ。アメリカンのな」

みほ「冗談だよ。いくら黒森峰時代もこんな風じゃなかったから」

沙織「もうツッコミ役やるのやだもー!」

513 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/18 00:06:29.73 Q/63eXBr0 178/215

麻子「カッカするな。シワが増えるぞ」

沙織「食べて運動して叫んでツッコんで・・・もう色々ヘトヘトだよ・・・」ヘト~

優花里「お疲れさまです」

まほ「そうだ、いいものがあるんだ。すぐ持ってこよう。三分間待つのだぞ」タタタ

麻子「今のおばあがよく言ってたフレーズだ」

沙織「古いなんて次元のネタじゃないよ・・・」

まほ「待たせたな」バーン

「まあ、立派なスイカですね」

まほ「冷やしておいたのだ。今からみんなでスイカ割りをしよう。知波単でやった時は盛りあがったぞ」

沙織「また食べるのぉん!?」

「まあまあ、デザートは別腹ですからいいじゃあ~りませんか」

まほ「木刀もある。知波単土産だ」ズエアッ

みほ「おもしろそう!私やりたい!」ピョンピョン

沙織「ああ・・・みぽりんが幼心を取り戻した・・・」

514 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/18 01:02:06.24 Q/63eXBr0 179/215

みほ「それじゃあ目隠しして10秒間ぐるぐる回るね」

まほ「スイカ割りっ、あそーれスイカ割りっ」パンパン♪

「西瓜割り♪あっそーれ西瓜割りッ♪」パンパン♪

みほ「うう~・・・お、思ったより・・・フラつく・・・」フラフラ・・・

 優花里「西住殿~!右です右~!」  沙織「もっと真ん中!もっと真ん中!」  麻子「上から来るぞ気を付けろ」

みほ「えいやっ!」ガッッ!

みほ「っ~~~!・・・外しちゃった・・・しびれる」ジィ~ン・・・

優花里「おしかったですね。私達がきちんと指示をしていればうまくいってましたよ」

「では麻子さんが割る役で、みほさんが指示を出せばうまくいくのでは?」

麻子「やってみよう」グルグルー

みほ「麻子さん、三歩前進、右に七十度回して、左に半歩移動、振りかぶる角度を三十度上げて。はい、そこです」

沙織「ふぜいもじょうちょもないよね!」

麻子「ふん」ポコ

優花里「すごい!ど真ん中に当たりましたよ!」

まほ「だが火力が足りないようだ。叩いて音を鳴らしただけだぞ」

麻子「力仕事は苦手だ」

521 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/23 00:13:33.11 DSSzmcM10 180/215

「私がやりましょう。ご心配なく、必ずや仕留めてみせます」ザッ グルグル~

優花里「わあ、五十鈴殿が悪の中ボスのような台詞を」

「いざ・・・」スッ

 みほ「華さんがんばって~」 麻子「木端微塵にしてやれ」 沙織「華うしろうしろー!」 まほ「おんおん」 優花里「五十鈴殿ファイトですー!」

沙織「・・・ねえ、おんおんって言ったのだれ?どういう意味?」

まほ「賑やかしのガヤだ。気にするな」

「花を活ける時のように集中して・・・そこです!」バッ! コッ! バコーム!

みほ「わあ!すごい!一突きで破裂したよ!」

麻子「西瓜割りだよなこれ」

「うまくできましたか?」メカクシペラ

沙織「すごいよ華!華ならきっと指で小突いても西瓜割れるよ!」

優花里「破裂した西瓜も食べやすい割れ口!」

まほ「ビックリ人間大集合」

524 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/23 22:35:22.93 2D10tmsU0 181/215

麻子「うまい」シャクシャク

優花里「姉住殿が用意してくれたスイカを五十鈴殿に割ってもらって皆で食べる日が来るなんて思いもよらなかったです~!」シャクシャク

沙織「それにしてもまほさんのイメージずいぶん変わったよね。初めて出会った時は気難しそうな人だと思ったけど」

「一緒にカレーを作ったり、スイカ割りをしたり、キャンプをしたり・・・とてもこれまでの西住まほさんの印象とはかけ離れていますね」

まほ「おそらく色々な学校へ短期転校した成果だろう。自分ではあまりわからないがな」

沙織「へ~、短期転校ってただ遊んでるだけだと思ったけどちゃんと意味あるんだ・・・」

まほ「ああ、私は様々な場所へ短期転校して、様々なことを学んだ」

まほ「アンツィオでは日々を楽しく過ごす生き方を、知波単では勇敢な心を、継続では生きるための力を学び・・・」

まほ「プラウダでは人の上に立つ者の心構えを、サンダースでは皆で力を合わせることを、聖グロでは猫のフンから取った豆をコーヒーにしたコピルアックを学んだ」

麻子「聖グロをオチに使うな」

まほ「皆、良い人達だった。良い場所だった。楽しかった。時間はかかったが、各校に赴くことができて良かったと思うよ」

みほ「お姉ちゃん・・・」

まほ「今頃、皆は何をしているだろうな・・・」

525 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/23 23:01:17.37 2D10tmsU0 182/215

 ―――・・・・・・

ダージリン「――そこで猫さんは言った。『ネズミさん、どうしてそんなに嘘ばっかり言うんだい?』」

ダージリン「ネズミさんは答えた。『嘘なんか言っていないよ。でも、ちょっとだけ大げさに言ったかもしれないな。だって僕は、ネズミはネズミでも、モルモット(盛るもっと)だからね』」


 玉田「・・・」 細見「・・・」 福田「・・・」

 \・・・・・・/

ダージリン「ペコ、ツッコミ」

オレンジペコ「えっ?・・・へ!?・・・あ、えーっと・・・」アタフタ

オレンジペコ「・・・せ、選挙活動中の政治家かよー」ビシッ

 \どっ!/ \わっははははは!/ \なんとひょうきんな!/

ダージリン「フッ・・・ウケたウケた」ドヤンッ

しほ「・・・」

エリカ「あわわ・・・家元がむちゃくちゃ怒ってるわ・・・つ、次よ!早く次の余興に移って!」

柚子「そ、それではダージリンさんとオレンジペコさんによる爆笑漫談でしたー。では、次はカバさんチームによるミュージカルでーす」パチパチパチ

エリカ「もう・・・こんな騙しだましの状態が一時間も続くなんて・・・こっちの身がもたないわよ・・・」

527 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/24 00:18:08.29 SI9GAhQN0 183/215

左衛門佐「さあて皆さま、今宵我らが語る物語は、はるか遠い昔の物語でござる」

左衛門佐「物語の主人公であるおりょうは恋人エルヴィンとの仲を引き裂かれそうになり、一度は脱藩しようとするのでござるが、父であるシーザー王に連れ戻されてしまうのでござる」

左衛門佐「今宵のお話は、それを聞いた恋人のエルヴィンがおりょう姫の父親に対戦車砲を向ける所から始まります」

左衛門佐「それでは、得待席におられます西住しほ殿も、生徒会長殿も、そして他校の生徒達も、大洗の者達も、手にはどうぞ厚手の手ぬぐいをご用意してそうろう」

 細見「ふおおぉ!なんだかものすごく面白そうでありますナア!」 玉田「福田ァ!涙をぬぐうために手ぬぐいを貸してやる!」 玉田「はっ!ありがとうございまする玉田上級生殿!」

しほ「・・・」


 ――アンツィオ屋台車輛(指令本部)

カチューシャ「ミュージカル劇が始まったわ。これで30分は稼げるわね。それにしても・・・一体あとどれくらい時間稼ぎをすればいいのかしら」

ノンナ「せめて今晩中はなんとか引きとめておきたいですね。せっかくまほさんとみほさんが姉妹水入らずなのですから」

クラーラ「ゼット~ン・・・」ピポポポポポ・・・

ノンナ「『もし西住しほさんに騙していることがバレたら我々もおしまいです』と、クラーラは言っています」

カチューシャ「そ、そうね・・・嘘をついているのは心が痛むけど、マホーシャとミホーシャのためだもの。あとでイエモトフにも謝らなくちゃいけないけど、このままなら騙し通せるハズ――」

 ガッ!

カチューシャ「!・・・な、なに!?」

ノンナ「・・・どうやら、何者かが我々の存在を嗅ぎつけたようです」

 ガチャ!

 「・・・・・・」

ノンナ「あ、あなたは・・・!」

529 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/26 20:40:13.74 popcd+Cp0 184/215


カエサル「観念するのだエルヴィンよ。我が娘、おりょう姫との結婚など不可能だ。諦めて我が手下となれ。もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを エルヴィン にやろう」

 \オオー!/ 玉田「なんと太っ腹な!」 細見「切符が良い!」 ミッコ「騙されるなエルヴィン!おりょう姫との結婚の方が大事だ!」

エルヴィン「断る!お前は父の仇だ!」

カエサル「違う!お前の父はわしだ・・・!」

 \エエーーー!?/ 西「こんなことが・・・!」 アキ「それじゃあエルヴィンとおりょう姫は兄妹なの!?」 アリサ「なんてドラマチックな話なの・・・!」ホロリ

エルヴィン「嘘だああぁぁぁぁぁぁ!!!」


 《 THE END 》ジャーン

 \パチパチパチパチパチ/ \天晴れ!天晴れ!/ \続きを見せろー!/

左衛門佐「これにて閉幕!次回作『ロードオブザ大洗 エピソードⅥ ももちゃん危機一髪!』は年末に舞台化でござる!ミニあらいっぺストラップがもらえる前売り券が発売中でござるよ~!」

柚子「カバさんチームによる演劇舞台でした~。知波単の皆さん、座布団を投げないでください。座布団を投げないでください」

しほ「・・・」パチ・・・パチ・・・

エリカ「家元は満足しているようね・・・良かったわ」ホッ

ケイ「NNM・・・おかしいわね。カチューシャと連絡が取れなくなっちゃったわ」

ダージリン「お昼寝かしら」

柚子「次はサンダース大付属制作の映画『サンダースエンジェル フルスロットル』の上映でーす」

ペパロニ「映画を見るにはお供が必要!お口が寂しい時のおともだち、イタリア料理のチケッティはいかが~?」イカガッスカー

カルパッチョ「飲み物に大人のブドウ酒風ジュースもありますよ~」オイシイヨ~

531 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/26 23:08:10.95 popcd+Cp0 185/215

ケイ「それじゃあスクリーンにご注目!映画がスタートするわよ~!本編の前に短編アニメーションがあるからね~!」

 《パワーパフサンダース!》ピュンピュンピュン!

福田「ふおあああ・・・色鮮やかな漫画の活動写真でありまする!」

玉田「のらくろよりも派手だな!」

ナレーション『コーラ、ポップコーン、アメリカ製ミリタリーグッズをいっぱい・・・全部混ぜるとむっちゃかわいい女の子が出来る・・・ハ、ハズだった』

ナレーション『だけど戦車道連盟理事長は間違って余計なものも入れちゃった!それは・・・《特殊なカーボン》!」ドカーン

ナレーション『そして生まれた超頑丈3人娘!スーパー戦車パワーで悪い役人をやっつける、ケイ!アリサ!ナオミ!お金持ちでかわいい戦車女子!フェアな高校生、パワーパフサンダース!』

 ―――ブツンッ・・・

ミカ「おやおや?」

ローズヒップ「あらぁ、映像が切れちゃいましたわ。ちょっとスタッフ~の方!スタッ!フゥ~!の方!」オーイ

ナオミ「どうやら誰かが強制的に映画を終了させたようだな」

アリサ「ちょっとなによ!私がむちゃくちゃ頑張って編集したのに、誰が切ったのよ!」


 ザッ・・・

千代「茶番はここまでよ、お子達」

愛里寿「!・・・お母様」

535 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/06/30 00:44:32.36 jThozG6n0 186/215

千代「愛里寿ちゃん!よかった、無事ね!もう少しだけ待っててね。すぐに助けてあげるから」

愛里寿「???」

「やーやー、島田流の家元さん。あなたも宴会に参加します?」

千代「冗談はよしこちゃんよ。すぐに愛里寿を解放しなさい。さもないと島田流忍者部隊を呼ぶわよ」

「解放?」

千代「愛里寿からSOSメッセージが来たわ。アリスSOSよ。捕虜にされているとね。だからしぽりんにあなた達の気を引いてもらい、その間に私がこの学園艦内を捜索していたというわけ」

愛里寿「!」

千代「艦内くまなく探したけれど、外の車にいたこの子達を発見して、とうとうここに愛里寿がいることを突き止めたのよ」ビッ

カチューシャ「カチュ・・・」ショボン

クラーラ「クラララ・・・」シュン

ノンナ「ノンナハナハ・・・」ショボボン

ミカ「おやおや」

ダージリン「どうやら、時間稼ぎをしていたのはお互い様だったという訳みたいね」

537 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/01 21:50:44.70 AT7JbEkC0 187/215

エリカ「カチューシャ!あなた裏切ったわね!」

カチューシャ「そ、そんなわけないじゃない!私達はプラウダが誇る秘密クラブ、KGBよ!カチューシャはそのリーダーなんだから、内緒話をばらすわけないじゃない!」

 ペパロニ「けーじーびーってなんスか?」 カルパッチョ「何かの略称みたいね」

カチューシャ「KGBってのは『カチューシャ、牛乳飲んで、ビッグになる』の略よ!」フンス

アリサ「おもっきし英単語使ってるけどいいのプラウダ」

千代「無駄話はそこまでよ。愛里寿を解放しないというのなら・・・実力で奪い返すだけ」パチン

 \シュバババッ!/

 メグミ「聞いて驚け!」 アズミ「見て笑え!」 ルミ「我ら島田愛里寿隊長、一の子分!」

 メグミ「メグミ!」 アズミ「アズミ!」 ルミ「ルミ!」バーン!

西「おおっ!いつぞやのトンキチ、チンペイ、カンタの御三家ではありませんか!」

ケイ「ヘイ、違うわよキニー。あれはズッコケ三人組よ」

メグミ「聞こえてるわよケイ!」

千代「さあ、三馬鹿大将よ、やっておしまい!」バッ!

愛里寿「いいかげんにしてください」

千代「!」ビクッ

539 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/02 00:04:13.43 Fg9Xqk9/0 188/215

愛里寿「お母様は勘違いをしています。私は自分の意志でこの場にいるのです。捕虜などではありません」

千代「で、でも愛里寿・・・あなた私に『捕虜にされた』と写真を送ってきたじゃない・・・お母さんがんばってあなたを探しに来たのに・・・」

愛里寿「あれは冗談です。大洗生徒会の皆さんとまほんさん、エリカさんと一緒に撮った集合写真です。子供の冗談を真に受けないでください。せっかくみほさんのお母さんをおもてなししてたのに」

千代「っ・・・で、でもでも」

愛里寿「お母様空気読んで」

千代「!」ガーン

しほ「ふっ・・・無様ね島田流家元・・・愛する娘のためを思ってのつもりが、全くの無駄骨・・・骨折り損のくだびれ儲けね」

千代「~っ!なによ!そっちこそしぽりんの娘ちゃん達がいないじゃない!他の子達はあなたを持ちあげてくれてるかもしれないけれど、実の娘達には慕われていないようね!」

エリカ「なっ!・・・ちょ、ちょっと!何てことを言うの!いくら島田流家元と言えど黙っていられないわ!隊長とみほが家元を慕っていないですって!?」

千代「!」

エリカ「隊長達は今、姉妹で仲良く過ごす時間を満喫してるのよ!やっと姉妹一緒にいられるのを邪魔されないように家元を足止めしてるのよ!決して隊長とみほが家元を慕ってない訳じゃ――」

愛里寿「エリカさん、エリカさん」グイグイ

エリカ「何よ!今あなたのお袋さんに西住家の絆の強さを教えて――・・・・・・あ」

しほ「・・・」

ケイ「Uh-oh」

ミカ「おやおや」

ダージリン「んっふ、やってしまったわね」

541 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/02 00:32:50.98 Fg9Xqk9/0 189/215

しほ「・・・」

エリカ「・・・え、えーっと・・・い、今のはその・・・あの・・・」ワニワニパニック

しほ「逸見エリカ」

エリカ「はっ!はひっ!」キヲツケ!

しほ「今の話は本当なのですか?」

エリカ「あっ・・・え、えっと・・・し、信じるか信じないかはあなた次第といいますかなんというか・・・」アタフタ

しほ「・・・」スック

「ちょ~~~っと待ってくださいよ。どこに行くんですかね?」

しほ「まほとみほに会いに行くわ。話があるの」

ケイ「NO。それはご遠慮してもらいたいわマダム・シホ。もう少しだけ・・・せめて今晩だけはマホとミホを自由にしてあげてほしいの」

しほ「これは内輪の話。あなた達には関係ないわ」

アンチョビ「い、家元!マルゲリータを誤解してくれないでほしい!決して遊んでいたわけじゃないんだ!短期転校して戦車道の勉強をしてたんだ!あ、マルゲリータってまほのことね」

西「その通りであります!それどころか、我々はまほ殿に学びました!まほ殿が知波単に来てくれたからこそ、我々はまた一つ成長することができたのです!」

 玉田「西隊長、我が校に短期転校してきたのは西住家三女の西住むほですぞ」 西「今はその話は置いておいてくれ!」

ダージリン「それに、みほさんに勘当を言い渡すおつもりなんでしょう?風の噂で聞いたわ。せっかく姉妹で楽しい時間を過ごしているのに、そんな無粋なことはしてもらいたくないわね」

しほ「・・・関係ないわ。どきなさい」

「すみませんね西住ちゃんのお母さん。あなたの謝恩会は日を改めて、また正式にお礼をさせてもらいます。ですが今日のところは譲れません」

しほ「・・・」

545 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/03 23:48:08.84 VuatG4md0 190/215

ローズヒップ「しほ様!どうしてもまほお姉様とみほ様のお邪魔をされるのでしたらこのローズヒップが相手になりますわ!」バッ

アッサム「ローズヒップ!よしなさい!」

しほ「・・・」

ローズヒップ「さあ!ここを通りたければ私を倒してみんしゃんせー!」

しほ「・・・」スッ・・・ ソソソ

ローズヒップ「わぁひひひ」ゴロゴロゴロ

オレンジペコ「ああっ、顎の下をなでなでられてローズヒップさんが動物のように丸めこまれてしまいました・・・」

西「薔薇尻殿ぉ!うぬぬむぅ!さすがは西住流家元!我々がお相手つかまつりまする!知波単学園戦車部隊!とっかんー!」

 福田「おおー!でありますー!」 細見「やらいでか!」 玉田「薔薇尻の仇討ちー!」

 \わーーー!/ ドドドドドドドド!

西「それー!押せ押せー!」ヨーイショ!ヨーイショ!

 \おおー!/ グググググググ!

しほ「・・・」

オレンジペコ「知波単学園の皆さんが束になって押してるのに、西住流家元はびくともしないなんて・・・」

西「ぬおおおお!大和魂ぃー!」ヨーイショ!ヨーイショ!

しほ「・・・」スッ

 \わー/ ズデデデデデ

アッサム「家元が身体をどけた途端、雪崩のように倒れたわ・・・」

西「うぬぬぬむぅ・・・さすが西住さん家の母上殿・・・」ウーン

547 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/05 19:50:59.27 IYOK0a2+0 191/215

しほ「逸見」

エリカ「はっ!はいっ!」ビクッ

しほ「まほとみほの居場所まで案内しなさい」

エリカ「っ・・・そ、それは・・・」ウググ

エリカ(家元の言いつけは絶対・・・だけど隊長とみほを裏切るわけには・・・)


 「お待ちくださいお母様!」ザッ

エリカ「!」

まほ(に変装した桃)「西住まほ、ここに推参!御用があると聞いて飛んで参りました!」

 (奥の手としてかゎしまを西住ちゃんのお姉ちゃんに変装させておいて正解だったな)

 エリカ(隊長のバッタモンで欺こうなんて・・・いや・・・以前隊長がサンダースに短期転校した際、みほが隊長の影武者を演じて騙し通したことがあったわ。もしかすると今度も・・・)

しほ「・・・」

まほ(桃)「お母様の言いたいことは察しがついております。私、西住まほは最近短期転校を繰り返して遊んでいるとお思いなのでしょう。しかし、ああしかし!お母様のお怒りももっとも!」

まほ(桃)「どうかお母様の気が済むまで、この西住まほを・・・この私、西住まほをお叱りください!さあ!さあ!遠慮せずこの西住まほである私に!」

しほ「・・・浅はかな。そんな変装で騙し通せると思わないでほしいわ」

まほ(桃)「ゲッ!へ、変装だなんて何をおっしゃいますやら・・・」ハテハテ

しほ「私はあの子達の母親。たとえまほとみほが互いに入れ替わったとて、見間違う訳がないわ。親とはそういうものよ」

「・・・」

エリカ「あわわ・・・もはや家元を誤魔化すことは出来ないわ・・・」

548 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/11 21:32:34.29 6lM5bDlg0 192/215

「えぇ~い!こうなれば無理やりでも西住流家元を止めるんだ!者ども!であえであえ!」

 ザッ!

典子「大洗の守護神、バレー部参上ー!」

あけび「我々が来たからにはもう安心です!大洗の平和はバレー部が守ります!」

妙子「いざ必殺の奥義を!このバレーボールに全てを込める!」バッ

アンチョビ「ちょっとおい!まさかボールをぶつける気か!暴力はいかんぞ暴力は!しかもここ宴会場!」

「大丈夫大丈夫、この技は相手に一切のダメージを与えず意識だけを眠るように静める技ですから」

アンチョビ「すごいな!」

あけび「いきますよー、そーっれっ」ワーン

妙子「トース」ツー

「キャプテン!かましてください!」スリャ!

典子「くらぇい!風林火山!炎の大リーグボール!誓いの魔球!レイボーデラックスー!」ドワ! レインボォオオオ!

しほ「ふん」パッシィイア

典子「な、なにィ!?我らバレー部が誇る最大奥義を真正面から受け止めた!?」

妙子「こ、これが西住流家元の力・・・」アワワ

「試合でも使用禁止された禁じ手なのに・・・」クッ・・・

ケイ「バレーでボール触れていいのは三度までだから反則よそれ」

あけび「えっ!?そんなルールが・・・!?」

アリサ「あなた達いつも何をやってんの」

550 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/11 23:06:09.59 6lM5bDlg0 193/215

「つ、次!次鋒出ろ!」

ねこにゃー「次鋒アリクイさんチーム、出ます!」

ももがー「ぐおごごご!」バー

しほ「む」キッ

ぴよたん「うっ・・・!鋭い眼光ぴよ・・・」タジッ

しほ「あなた達、良い身体をしているわね。西住流に入らないかしら?」

ももがー「ファッ!?スカウト引き抜きもも!?」

ねこにゃー「この就職難のご時世・・・内定先を確保できるのならそれに越したことはないにゃー!リアルニートマジ勘弁」

「き、貴様らぁ!甘い言葉に惑わされるな!裏切るのはダメだぞ!」ギャアギャア!


愛里寿「お母様、みほさんのお母さんを説得してください」

千代「えっ、私が?」

愛里寿「この騒動はお母様がきっかけです。それに西住流家元を相手に出来るのはお母様しかいません」

千代「でもでも」

愛里寿「やってくれないのならもう一緒に『おかあさんといっしょ』を見ません」

千代「そこまでよしぽりん!あなたの暴走はこの島田千代が止めるわ!」バーン

しほ「・・・」

553 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/12 00:21:57.06 C2WBPxRs0 194/215

千代「いきなさい大学選抜三銃士よ!我が命に従い敵を討て!」バッ

エリカ「大学選抜三銃士!?」

 千代「サンダース出身の酒飲みガブ女、メグミ」 メグミ「まずは柑橘系チューハイで」

 千代「一番好きなアニメは魔法陣グルグル、アズミ」 アズミ「ただし魔法は尻からでる」

 千代「子供の頃の夢は叶姉妹、ルミ」 ルミ「胸囲の格差社会」

千代「さあ!三つの心を一つにしてしぽりんに立ち向かいなさい!」

 メグミ「島田流家元の命令は!」 アズミ「愛里寿隊長の次に遵守すべきもの!」 ルミ「貧乳はステータスだー!」トライアターック!

しほ「・・・」スッ

 シッポシッポリ~ン!

メグミ「うぅ・・・負けた」パタリ

アズミ「これが西住流・・・」ガクリ

ルミ「これだから巨乳は・・・」ガックシ

しほ「安心しなさい。みねうちよ」

千代「っ・・・さすがはしぽぽん・・・やるわね」

愛里寿「お母様がみほさんのお母さんを止めてください。3人をけしかけるのではなく、お母様本人が」

千代「えっ、でも私汗かくとお化粧が崩れちゃうし・・・」

愛里寿「いいから」

千代「でもでも」

愛里寿「もう一緒に寝てあげません」

千代「おらぁしぽりんかかってきなさぃやぁ!」

555 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/12 00:50:57.07 C2WBPxRs0 195/215

「ま、待ってください!」バッ

しほ「!」

千代「どいてなさい小兎ちゃん。私としぽりんの戦闘に巻き込まれるとタダじゃすまないわよ」

「もうこんなことはやめてください!暴力で解決するなんてダメです!」

宇津木「誰もケガ一つしてないけどね~」

「西住隊長のお母さん・・・私、隊長の後輩の澤と言います。えっと・・・」

しほ「・・・」

「・・・隊長を・・・みほさんを勘当するのはやめてあげてほしいです。まほさんも・・・遊んでるって思われるかもしれませんが、全然そんなことなくて・・・その・・・」

あゆみ「そうそう!お姉さん、色んな学校で色んなこと学んで・・・それに逃げたウサギ捕まえるの手伝ってくれたりしたんですよ!」

あや「一緒に女子高生らしいことしようって約束したし、年下の私達にも優しくしてくれたよねー」

宇津木「ほんとそれよね~」

紗希「チョウチョ」

「だから・・・その・・・こんなこと私達が言うのはおこがましいかもしれませんが・・・みほさんとまほさんにもう少し優しくしてあげてください」

しほ「・・・」

556 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/12 01:29:52.00 C2WBPxRs0 196/215

 ――パァンッ☆

しほ「!」

「わ!・・・な、なに?・・・何の音?」

あや「見てみて!外で花火やってるよ!ロケット花火だよ!」

 ―――

 沙織「わー!けっこうおもしろいねロケット花火!」 まほ「こんな花火を上げるのは始めてだ」 優花里「まだまだありますよ~!たっくさん打ち上げましょ~!」

 ―――

 パンッ☆ パンッ☆

あゆみ「ほんとだ。あっちってたしか大洗の学生寮の方だよね」

ミカ「花火・・・刹那に咲く花・・・もしかしたら、だれかさんが夜空に花の種をまいているのかもね」

エリカ「もしや隊長と副隊長・・・?」

しほ「・・・」

 パン☆パパパパパン☆パパンパンパンパパパパン☆

ナオミ「上げすぎだろ」

ペパロニ「景気いいッスねぇ」

西「ぃよーし!我々も負けてはいられない!ひとっ走り知波単学園まで戻って授業で制作した花火玉を持ってこよう!」 \オオーーー!/

カチューシャ「一体どんな授業してるのかしら知波単学園・・・」

オレンジペコ「あのー・・・皆さん」

ダージリン「どうかした?オレンジペコ。花火がやりたいのなら後でコンビニに買いに――」

オレンジペコ「西住流家元さんの姿が見えませんが・・・」

ダージリン「あら」

エリカ「!・・・まさか、あの花火の下にいるであろう隊長達の所へ・・・!?」

561 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/13 20:37:56.00 4kyPYKgJ0 197/215

 パパパパーン☆パパパパーン☆パパパパンッパパパパンッパパパパンッパパパパンッ☆パパパパ~ンッ☆パ~ンッ☆パパッパッパッパ~☆

沙織「やったー!成功だー!今の聞いた?結婚式のパパパパーン♪のテーマになってたよね!本番でも花火で演奏するのイイかも~!」

麻子「相手もいないのによくそんな無駄にがんばれるな」

沙織「それにしてもほんとたくさんあるよね。コンビニに買い出しに行った時お姉さんがこっそり買ってたなんて。ゆかりんが自前で持ってた花火もあるからかなりの量だよね。いつも持ち歩いてるの?」

優花里「はい!いざという時のために!」

麻子「どういう時だ」

みほ「なんだかお姉ちゃんに色々買ってもらっちゃって悪いなぁ・・・お姉ちゃん、そんなにたくさんお金持ってたの?」

まほ「ああ、以前実家に帰った際――」

 ~~~

まほ「それじゃあ菊代さん、そろそろ学校に戻ります。また次の休暇には帰ります」

菊代「あ、待ってくださいまほお嬢様。これを・・・」スッ

まほ「これは・・・封筒の中にお金が。それも紙のお金じゃないですか。お正月でもないのにどうして・・・」

菊代「少ないですが財布の足しにしてください。使い道はご自由に。家元には内緒ですよ」シーッ

まほ「・・・ありがとうございます」

 ~~~

まほ「――と、持たせてくれたんだ。私は普段からあまり金銭を使わない性質で、こういう時にしか使い道がなくてな」

みほ「いいの?せっかく菊代さんがくれた大切なお金なのに無駄使いしちゃって・・・」

まほ「いいんだ。みほや友人達に使うのは無駄とは言わないからな」

みほ「お姉ちゃん・・・」

「ご覧くださいみなさん!ほら!ゴジラですゴジラ!」アー ババババババ

沙織「わー!華!ドラゴン花火を口にくわえて火ぃー吹くのやめなよ!危ないよ!」

562 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/13 21:37:59.70 4kyPYKgJ0 198/215

 ジジジジジ・・・

優花里「やっぱり〆はせんこう花火ですよね~」ジジジ

麻子「風情あるな」ジジジ

「みなさんご覧ください!せんこう花火の束を集めて全てに火を付け、超巨大なせんこう花火ですよ~!」ボワワワワワ

沙織「ちょっと華ぁ!花火で元気玉作んないでよ!その巨大な火の玉が地面に落ちたらどうなるかわかんないよ!」

優花里「五十鈴殿なんだかテンション上がってますね~」ジジジ

麻子「たまに五十鈴さんのテンションスイッチわからなくなるよな」ジジジ

みほ「・・・こうしてお姉ちゃんと一緒に花火やるの久しぶりだよね」

まほ「子供の頃は毎年庭先でやっていたな。あの頃のみほには本当に手を焼いたものだ」

沙織「え~なになに?みぽりんのヤンチャガールだった頃のエピソード?おしえてまぽりん!おせーて!おせーてよぉ!」グイグイ

麻子「まぽりんとは」

まほ「そうだな、今でこそみほは大人しいかもしれんが、昔のみほはインディ・ジョーンズもかくやと言うほどのトラブルメーカーだった」

沙織「たとえが女子高生にはわかりづらいよ・・・」

まほ「家族で花火をする際、みほは――」

 ホワンホワンホワンホワ~ン~~~・・・・・・

563 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/13 21:48:02.39 4kyPYKgJ0 199/215

みほ「わーい!くらえ~!よんじゅうさんこうけいのたいほうだぞー!」バシュバシュバシュ!

常夫「~!」ボシュバシュブシュアー!

まほ「みほ、おとうさまにはなびをあてちゃダメだよ」

みほ「え~、ねんにいちどのたのしみなのに~」

常夫「・・・」

しほ「みほ、筒の花火は危ないからこっちの手持ち花火にしなさい」

みほ「はーい。てんか!」ジジジ

まほ「わたしも」ジジジ

みほ「わあ、キレイ!まほうみたい!」シュバァー

しほ「・・・」ニコ

みほ「もっといっぱいもって、いっきにひをつけてみよう!」ジジジ ボワォ!

しほ「!?」

みほ「おお~!すごい!ほのおのつるぎみたい!」ブワアアアア

まほ「かっこいい」

みほ「よーし!これをみほみほブレードとなづけよう!いっとうりょうだんぎり~!」ブンワシャアアア!

常夫「-!」ズバシャアアア!

しほ「みほ!お父さんを一刀両断してはいけません!」


564 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/13 23:09:42.53 4kyPYKgJ0 200/215

みほ「おこられちった」

まほ「はなびをひとにむけちゃダメなんだよ」

みほ「おもしろいのにー」

しほ「みほ・・・自分が楽しくても人が痛がることやイヤがることをしてはいけないの」

みほ「はーい・・・」

しほ「もし誰かが辛い思いや嫌な思いをしていたら、手を差し伸べてあげて。みほは良い子だから、きっと出来るわよね?」

みほ「!・・・うん!わたしいいこだから!」

まほ「それじゃあわたしがせんしゃにのっててあぶないめにあったらたすけにきてくれる?」

みほ「まっかせて!でもおねえちゃんならどんなこともへっちゃらだよね」

まほ「うん。わたしはおねえちゃんだから。サイキョウだから」

しほ「フフ・・・じゃあ、もしみほのお友達が危ない目にあったら、助けてあげてね」

みほ「うん!」


 ~~~・・・・・・

沙織「幼みぽりん、人に花火向けるような危険人物だったんだね」

麻子「西住家の男性に尊厳はないのか」

「みほさんのお父さんも大変ですね」ハナビビビビ・・・

沙織「華、両手の指に鼠花火を装備するの危ないからやめなよ」

優花里「西住家の貴重な歴史!もっと聞かせてください!出来るなら西住殿の御生誕の瞬間から!いやいや姉住殿の記憶の最初期からの全てを!」

まほ「いいだろう。みほが一人で戦車に乗って運転ごっこをしていた時、偶然鍵がかかったままで、バックギアをラジオのスイッチと間違えて家の台所に突っ込んで――」

みほ「お、お姉ちゃん!昔話はその辺にして・・・そ、そうだ!もうすっかり夜だし、そろそろ寝よう!後片付けしないと!」アセアセ

565 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/14 00:00:55.79 YyddgAb90 201/215


沙織「はぁーっ、今日はなんだかいつもより疲れちゃったや。それにしてもこのテント広いね。私達全員寝れる上にまだスペースあるし・・・」

優花里「灯りはこのランタンですよ~」ゴトッ

「まあ、西洋の提灯ですね」

麻子「おやすみ」ジー

沙織「ちょっと麻子!なに寝袋に入ってチャック閉めてるのさ!まだ寝るのは早いぜ!お楽しみはこれからなのだぜ!」グイグイ

麻子「なんだ。なんだおい」

沙織「女子がお泊まり会するなら、布団の中でコイバナするのが法律で決まってるのさ!さあ起きねぃ起きねぃ!今夜は寝かさないぜー!」アーハー!

麻子「なんだこのテンション」

みほ「わあ、なんだか普通の女子高生っぽくていいねそれ」

沙織「でしょでしょでしょ!?みぽりんもそう思うよね!っしゃあ!そいじゃあドキッ!女の子だらけの恋愛トーク大会と洒落込もうぜ野郎ども!」

麻子「女子なのか野郎なのか」

優花里「それではまずは言いだしっぺの武部殿からどうぞ。一番バッターであります!」

沙織「そんなもの私にはないよ」

優花里「堂々としすぎです!」

「あるわけありませんよね~」

567 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 22:37:45.12 oEiwDdH00 202/215

沙織「ここは年長者であるまぽりん先輩に聞いてみよ~!いえーい!どんどんぱふぱふー!」ウー!ハー!

まほ「Zzz・・・」

沙織「おやまグッスリだ!」

「沙織さんにコイパナなど無いと見抜いて眠られたんでしょうね」

沙織「まぽりん!まぽりん!起きて!起きて!」ユサユサ

まほ「うぅん・・・・・・!・・・しまった!寝過ごした!」ガバッ

沙織「いやまだ夜ぅー」

まほ「?・・・どうした。今週は夜間行軍は無いはずだが・・・あ、そうか大洗に来ていたのだった」

みほ「お姉ちゃん、コイバナってある?」

まほ「・・・知ってるぞ。あれだ・・・ポケットモンスターの名前だろう。知ってる。お姉ちゃん知ってる」

沙織「もー、まぽりん寝ぼけてないでシャンとしてよー」

みほ「いや、これがお姉ちゃんの素だよ」

優花里「姉住殿も色恋沙汰とは無縁のようですね~」

沙織「えェ~・・・誰か男の子とキャッキャウフフな話ないの~?」

麻子「ないな」

みほ「ないね」

優花里「ないです」

「沙織さんと同じです」

沙織「やだもう」

568 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 23:03:39.35 oEiwDdH00 203/215

沙織「コイバナ大会終了~・・・」ゼクシィ~・・・

「私達にはまだ少し早かったかもしれませんね」

沙織「ティーンエイジャーなのに浮いた話の欠片もないなんて・・・」ヨヨ・・・

優花里「まあまあ、気分を変えて映画でも見ませんか?液晶画面有りのコンパクトDVDプレイヤーも持ってきているんです。いざという時のために」

麻子「どういう時だ」

「まあ、寝る前に映画とはオツですね」

まほ「買い出しで買ってきたラムネがまだ残っている。飲みながら映画鑑賞をしよう」

みほ「わあ~、なんだか大人の休日の夜って感じでかっこいい~」

沙織「アメリカのコメディでよくあるウダツの上がらない男じゃないのそれ・・・」

優花里「DVDもいくつかありますよ。どんなのがいいですかぁ?特攻野郎Aチームとかありますよ」

沙織「はいはい!ローマの休日がいい!それかプリティウーマン!美女と野獣もいい!」

麻子「ドラえもんの夢幻三剣士」

沙織「寝たいの?」

「私は、シェフ 三ツ星フードトラックはじめました、がいいです」

沙織「この時間に見るのはヤバイよ」

569 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 23:10:34.60 oEiwDdH00 204/215

優花里「あっ、これなんかどうですか?『おしゃれ泥棒』っていう映画です」

沙織「どんな映画なの?」

優花里「美術品の偽物・・・贋作を作っては競売にかけたり美術館に寄贈してお金と名声を得ていた男がいたんですが、ある時美術館の展示品が科学検査にかけられることになったんです」

優花里「いくらすごい贋作でも科学の目は欺けないと贋作家は嘆くも、贋作家の娘が偶然家に侵入した泥棒と手を組み、検査にかけられる前に美術館から贋作を盗み出そうとする話です」

「まあ、あらすじの時点で面白そうですね」

優花里「劇中の空気感もゆるいんで見やすいですよ~」

沙織「しかも男女のバディ物じゃん!これにしよう!」

麻子「まあドンパチものよりかは静かでいいな」

みほ「けっこう古そうだけど、優花里さんが面白いっていうんなら面白そう」

まほ「・・・みほ、少しいいか?」

みほ「?なに?お姉ちゃん」

まほ「すまん皆、用事を思い出した。みほと二人で少しだけ席を離れる」

麻子「わかった」

沙織「こんな時間に用事?・・・はっ!・・・まさか男!?」ヤダモー!

「沙織さん、察しが悪いですよ」

優花里「お二人が戻ってから映画を観ましょう~!」

みほ「?・・・お姉ちゃん、用事って?」

まほ「いいから」

570 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 23:20:39.34 oEiwDdH00 205/215

エリカ「まずいわ!まずい!非常にまずいわ!」アタフタ アタフタ

「落ち着きなよエリちゃん」

エリカ「これが落ち着いていられるもんですか!家元が隊長とみほの所へ行ったのよ!も、もしかしたら隊長まで勘当なんてことに・・・すぐに止めなきゃ!」バッ

そど子「待ちなさい!」ピピーッ

ローズヒップ「あーっ!風紀委員ですの!」

そど子「もう外はすっかり夜なのよ。こんな時間に学生が外をうろつくのはダメ!風紀が乱れるわ」

エリカ「何をゆうちょうな・・・そんなこと言ってる場合じゃないのよ!」

ゴモヨ「ダメですよー大洗にいる限りは門限は七時まででーす」

エリカ「しかしっ・・・!」

パゾ美「ダメだっての」

エリカ「っ・・・~!」ジタンダ

桂利奈「うーん、私は大丈夫だと思うけどなー。西住隊長のお母さん、そんなに怖い人には見えなかったよね~」

「・・・私もそう思います。なんというか・・・うまく言えませんけど、怒ってる雰囲気じゃなかったというか・・・」

「そーそー。だいじょうぶだいじょーぶ。あんまり心配しすぎると白髪が増えるよ」

エリカ「わ、私のこれは白髪なんかじゃないわよ!隊長やみほの補佐ばかりで気苦労が絶えないから白髪になったわけじゃないから!」

「そこまで言ってないけど」

571 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 23:36:44.52 oEiwDdH00 206/215

ダージリン「『賽は投げられた』・・・もはや私達にどうすることもできないわ。それよりも、みほさんのお母様を騙していた件、どう謝罪しましょうか」

カチューシャ「カチューシャはお菓子のシベリアを贈ってごめんなさいって言うわ」

クラーラ「ピ!」

ノンナ「『偉大なる同士にして地上最可愛人間であるカチューシャ様から贈答品を贈られるとあればさしもの西住流家元といえど感謝感激アメアラレなこと間違いなしだが
 その上カチューシャ様にごめんなさいと謝罪の言葉をもらえるなど常人にはとても与えられることのない大変名誉かつ貴重かつ羨ましい事案であるのは周知の事実であり
 そもそも普段から負けん気が強く他人に頭を下げることなど滅多にない偉大なる同士カチューシャ様が自らの非を認めてごめんなさいとしょぼくれる姿は想像するだけで
 鼻血がクリュチェフスカヤ山が大噴火するかのように吹き出してしまうので気をつけなければなりません誰かティッシュ持ってますか?』と、クラーラは言っています」

西「我ら知波単学園全生徒横一文字に整列して土下座し、小一時間眉間を地面に擦り付けて謝罪の意を示したいと思います」

「今度改めて西住ちゃんのお母さんの謝恩会開くから、皆もその時に一言謝ればいいと思うよ。おケイ、いい会場紹介してくれる?」

ケイ「オッケーベイビー」b

アンチョビ「料理なら任せとけ!絶品イタリアンを振る舞うぞ!」

ミカ「私達も遠慮なく食べさせてもらうよ」

エリカ(・・・隊長・・・みほ・・・どうか無事でいて・・・)

572 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/15 23:47:40.35 oEiwDdH00 207/215


みほ「お姉ちゃん、どこまで行くの?寮の外を散歩するの?」ポテポテ

まほ「ああ、たまにはいいだろう、こういうのも。夜空を眺めながら、歩きながら話をしよう」ポテポテ

みほ「・・・・・・ごめんなさい」

まほ「?・・・なぜ謝る」

みほ「・・・黒森峰から・・・戦車道から逃げて・・・お姉ちゃんに全部押し付けて・・・一人逃げ出して・・・」

まほ「その話はもういい」

みほ「でも・・・」

まほ「そんな話をするためにわざわざ呼び出したわけじゃない。みほ・・・学校は楽しいか?」

みほ「え?・・・うん、とっても」

まほ「そうか・・・私もこの大洗に来て、みほの友人達がどんな人かを知った。皆良い子だな。個性的で、優しくて、楽しい子ばかりだ」

みほ「私もそう思うよ」

まほ「みほの高校生活が楽しそうで良かった。安心したよ。・・・ここが、大洗がみほの居場所だ。もう西住流のことを気にすることはない。みほはみほの道をゆけ」

みほ「お姉ちゃん・・・」

573 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 00:07:35.77 mXhxIoIz0 208/215


しほ「・・・この辺りね。花火が上がっていたのは」ザッ

しほ「あの学生寮か・・・みほの部屋がある寮・・・来るのは初めてだけど・・・」

 <~・・・

しほ「む・・・どこからか話し声が・・・!・・・あの人影は・・・・・・まほとみほ・・・?」


まほ「お母様も・・・初めこそみほの戦車道を邪道だと仰っていたが、今は多少なりともみほのことを認めているよ」

 しほ「!」

みほ「!・・・ほ、本当!?お母さんが私のことを・・・!?」

まほ「ああ。ただ、西住流の家元という立場上、面と向かってみほのことを認める訳にはいかないから、なかなか難しいな」

みほ「・・・そうなんだ・・・お母さん・・・」

まほ「それに、あの人はああ見えて不器用だからな。みほとの仲を直したくても、一度突き放す様な事を言ってしまった手前、引っ込みがつかないようだ」

みほ「でも・・・お母さんの傍から離れて行っちゃったのは私だよ・・・それに・・・お姉ちゃん一人に西住流のことを押し付けるなんて、私・・・」

まほ「押し付けなどではない。私は自分の意志で西住流を継ぐんだ。決して仕方なく受け継ぐのではない。だから・・・みほは好きな様に生きればいい」

みほ「・・・」

まほ「自分に誇りを持て。自分が信じるように生きて、堂々と胸を張って、誇りを持ってつき進め」

まほ「・・・これから先、幾度の困難にぶつかるだろう。西住に生まれながら、西住流とまるで違う戦車道をしていれば、周りの大人達は批難を浴びせてくるだろう」

まほ「みほの進む道の先に、心無い連中が立ち塞がり、馬鹿にしたり唾を吐いたりする者達が現れるかもしれない。みほの戦車道を遮るような者達が・・・」

まほ「だが、そんな連中に・・・みほの戦車道を否定する者達に“そこをどけ”と言われたならば、雨にも風にも負けない力強い戦車の如くに立ち、胸を張ってこう言ってやれ」


まほ「“お前がどけ”」


みほ「・・・お姉ちゃん・・・」


しほ「・・・」

574 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 00:43:06.25 mXhxIoIz0 209/215

まほ「誰にもみほの人生にケチをつける権利などない。西住流であろうとなかろうと、みほが西住しほの娘で、西住まほの妹であることに変わりはない」

みほ「うん・・・ありがとう。でも、私は西住流が嫌いなわけじゃないよ。ただ、私には難しかっただけ」

まほ「ああ、みほのように優しい子には西住流の考えは合わないだろうからな。もっとも、幼い頃のみほなら別だが」

みほ「もー!また昔の話を引っ張り出して!」

まほ「ははは。怒るな」

みほ「・・・ふふふ、怒ってないよ」


まほ「・・・みほ、西住流の“前進あるのみ”という言葉の本当の意味を知っているか?あれは戦車道のことを表しているだけじゃない。あれは、人生においてとても大切な言葉なんだ」

みほ「え?・・・」

まほ「人生はいつもバラ色じゃない。それなりに厳しく辛いこともある。気を抜いていたらどん底まで落ちて、たちまち撃破されてしまう。それが人生だ」

   まほ「人生ほど重く、激しい砲撃は無い」

まほ「だが、どんなに激しい砲撃だろうと、どれだけ打ちのめされようと、前に進み続けろ。挫けそうになっても、倒れそうになっても、ひたすら耐えて前に進むんだ。その先に勝利がある」

まほ「自分と仲間を信じて迷わず前に進め。それが“前進あるのみ”ということだ。・・・人生に負けるんじゃないぞ、みほ」

みほ「・・・うん」グスッ・・・

まほ「もし、撃たれ続けて倒れてしまいそうになったなら、私を頼れ。私も一緒に戦う。この先何があろうと、私はお前のお姉ちゃんだ。私達は姉妹だからな。かけがえのない家族だよ」

みほ「うん・・・うん・・・・・・ありがとう・・・お姉ちゃん・・・ありがとう・・・」ポロポロ

まほ「さっ、屋上に戻ろうか。みんな待っているぞ」

みほ「・・・うん・・・」グスン


しほ「・・・・・・」

しほ「・・・」

しほ「・・・」ザッ・・・

575 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:01:16.51 mXhxIoIz0 210/215


 ―――翌日・・・


みほ「ほんとにもう帰っちゃうの?」

まほ「ああ、世話になったな。楽しかったよ」

「またいつでも遊びにいらしてください。歓迎いたします」

優花里「いつか我々も黒森峰に遊びに行かせてもらいたいです!」

沙織「次来た時にはコイバナ聞かせてねまぽりん!」

麻子「西住さんのことは任せてくれ」b

 妙子「まほさん!またバレーしましょうね!」 忍「いつでも入部お待ちしております!」 あけび「ルール勉強しておきます~」 典子「根性ー!」

 「色々勉強になりました」ペコリ 桂利奈「また遊んでくださ~い!」 あや「次試合の時は御手柔らかにー」

  宇津木「楽しみにまってまぁ~す」フリフリ あゆみ「今度カラオケいきましょー!」 沙希「バイバイ」

 ナカジマ「歯ぁ磨きなよ~」 ホシノ「宿題やれよ~」 スズキ「風邪ひくなよ~」 ツチヤ「また来週~」

 そど子「いい!?一度大洗風紀委員になった者はいつでも風紀委員なんだからね!」 ゴモヨ「黒森峰の風紀を守ってください」 パゾ美「大洗は風紀委員が占領した」

 ねこにゃー「ネット上ではいつでも会えるにゃー」 ぴよたん「我々はいつでも繋がってるぴよ」 ももがー「就活生になったらぜひ西住流に口利きよろしくもも!」

 エルヴィン「姉殿・・・たとえ離れていても我らは盟友です!」 左衛門佐「戦国もいいものでござるよ!」 おりょう「幕末志士達の物語もいいぜよ!」 カエサル「ローマよろしく!」

 柚子「本当に・・・色々ありがとうね」 桃「・・・」ペコリ 「達者でね~」

みほ「お姉ちゃん、本当に色々ありがとう。また来てね」

まほ「こちらこそありがとう。みんな、元気でな」

エリカ「隊長、そろそろ船が出ます」

まほ「ああ。・・・じゃあ、また会おう」

576 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:05:41.32 mXhxIoIz0 211/215


 ――・・・西住邸


菊代「あ、おかえりなさい家元」

しほ「ただいま」ポテポテ

菊代「あらら、その様子じゃみほお嬢様とお話はできなかったようですね。御学友のみなさんに誤解されたんでしょ?勘当言い渡しに来たーとか、まほお嬢様を叱りに来たーとか」

しほ「うっ・・・」

菊代「まほお嬢様が大洗にいると知って、家元とみほお嬢様が仲直りできるように間を取り持ってもらおうと急いで向かったのに、残念でしたね」

しほ「・・・そんなんじゃありません」

菊代「みほお嬢様と仲直りしたいけど、どうすればいいかわかんないんですよね」

しほ「・・・私は別に・・・みほの将来について話をしようと思っただけです。でも、私が言いたかったことは全てまほが代わりに言ってくれたから帰ってきたのです」

菊代「ふーん、へぇー、あっそうなのぉ~」ニヨニヨ

しほ「っ・・・菊代、ニヨニヨ笑うんじゃない」

菊代「はいはい。まったく、頑固で不器用なんだから・・・お嬢様達も大変だな~、しほさんみたいな人が母親で~」ニヨニヨ

しほ「・・・うるさいっ」

577 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:07:45.47 mXhxIoIz0 212/215


 ――・・・黒森峰輸送船舶内

アンチョビ「ふっふっふ・・・上手く潜入できたな!」

カルパッチョ「マルゲリータさんとエリカさんを迎えに来た船に密航し、黒森峰まで連れてってもらおう大作戦、大成功ですね」

ペパロニ「これでくろもりみねのドイツ料理をたらふく食えるぜ!」

 西「黒森峰で学べば、我々もきっと大きく成長できる!この機を逃すわけにはいきますまいて!」

  福田「我々も短期転校するであります!」 玉田「西住が黒森峰でいびられていないか確かめねばな!」 細見「やっこさん、良い子だからそんなことはないだろうが念のためだな」

  \潜入調査であります!かっこいいであります!/ \異国へ渡るのは初めてであります!/ \おん!おん!/

ミカ「そこに船があれば、こっそり乗るのが人情というものだね」ポロロン♪

アキ「っていうかめちゃくちゃ窮屈じゃないコレ!こんな大人数で密航なんて絶対変だよ!」

ミッコ「バレたらシャレになんねーなー」アハハ

 カチューシャ「カチュカチュカチュ・・・黒森峰に着いてからのマホーシャの驚く顔が目に浮かぶわ!」

 クラーラ「ロシアゴ!」

 ノンナ「『楽しみですね』と、クラーラは言っています」

ケイ「黒森峰のソーセージとビールは絶品とリスニングしてるから楽しみね!」HAHAHA!

ナオミ「アリサ、いいの?ソーセージとビールがおいしいんだって」

アリサ「なにがいいたいのよ!食べたらその分痩せりゃいいんでしょ!」

 ダージリン「フフフ、黒森峰のお紅茶、楽しみね。世界の紅茶は全てダージリンのコレクションに・・・」

 オレンジペコ「ダージリン様、悪役になっちゃってますよ」

 ローズヒップ「きゅうくつですの!お外に出て走りまわりたいですのー!」ジタバタ

 ルクリリ「どぅおわ!やめろローズヒップ!暴れるな!ぐえ!蹴るな!足当たったぞ!アゴに!」

 アッサム「ローズヒップ、もうすぐ着くからガマンしなさい」

愛里寿「・・・黒森峰女学園・・・楽しみ」

578 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:15:50.00 mXhxIoIz0 213/215


まほ「大洗への短期転校・・・短いようで長かったな。めちゃくちゃ長かったな」

エリカ「・・・隊長、家元はなんと・・・?」

まほ「えっ?」

エリカ「え?」

まほ「なにが?」

エリカ「あれ?・・・家元とは・・・」

まほ「お母様がどうかしたのか?」

エリカ「・・・・・・家元は怒りに来たわけじゃなかったのね・・・結局、あの子達の言う通りだったのか・・・」

まほ「そんなことよりエリカ、これからのことだが・・・」

エリカ「はい、大洗への短期転校も終わり、これで全高校への短期転校を済ませましたね。やっと・・・やっと終わった・・・」ハァ~

まほ「何を言っている。まだ終わりじゃない」

エリカ「は」

まほ「マジノ、ベルウォール、ボンプル、コアラの森、ヴァイキング、BC自由学園、ヨーグルト学園、ワッフル学院、青師団、盾無、その他まだまだ戦車道のある学校はあるぞ」

エリカ「え」

まほ「真に戦車道を極めるのであれば、全ての学校へ短期転校しなければならない。戦いはまだまだこれからだぞ」

エリカ「」コテン

まほ「もっと強くなり、成長し、みほが困っている時に助けに行ってやらねばならん」


 まほ「私はお姉ちゃんだからな」


   おわり

579 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:16:59.48 mXhxIoIz0 214/215

 ~おまけ~

千代「愛里寿ちゃんが大洗から帰って一週間・・・」

千代「以前よりも感情豊かになって元気な子供らしくなって本当に良かったと思うわ・・・」

千代「だけど・・・」


愛里寿「みんな無理しないでねー」

愛里寿「ボコボコ作戦はじめちゃうよー」

愛里寿「負けたらダンシングボコダンスを大学構内中央の噴水周りでやってもらうよー」


千代「なんか変よ!」ガターン

千代「誰に影響されたのか知らないけどなんか変よ!」ガシャーン

千代「一体大洗でどんな生徒と交流してたのよ!キリっとして冷静で達観した愛里寿ちゃんはどこにいっちゃったのよ!」ガカーン!

千代「それだけならまだしも一緒に『おかあさんといっしょ』見てくれないし一緒にお昼寝もしてくれないし歯磨きもさせてくれなくなっちゃったわよ!」バコーン!

千代「どぉーなってんのよぉ!愛里寿ちゃんが反抗期になっちゃったじゃないのよぉ!あなたのせいよしぽりん!どーしてくれんのよぉ!」

しほ「知るかそんなこと!なぜわざわざ我が家に来てまでそんなイチャモンをつけられねばならないのだ!」

千代「ぜーんぶしぽぽんのせいだからね!私の愛里寿ちゃんを返してよ!あの可愛い純真無垢な愛里寿ちゃんををを!」ワーン!

しほ「ええい!泣くな!いい大人がすることか!ちょっ!ちよすけぇ!手を離せ!いい加減にしろぉ!」

菊代「戦車道の未来は明るいですね」

 ~おわり~

580 : ◆t8EBwAYVrY - 2017/07/16 01:19:30.57 mXhxIoIz0 215/215

これにて完結です。長かった。めちゃんこ長かった。長すぎてごめんなさい
軽い気持ちとノリで一作目を書き、なんやかんやで各校全部書き切れたのも皆さんのリアクションのおかげです。ほんとありがとうございます
各シリーズで取り上げたりしてる映画とかは全部面白いオススメなのでTSUTAYAとかでなんか面白いのないかなーって時に候補の一つとして考えて下さい
長すぎてごめんなさい
それではここまで見てくれた方、ありがとうございました

記事をツイートする 記事をはてブする