魔王「世界の半分を貴様にくれてやろう」
勇者「いらない!!勝負だ魔王!!」
勇者「(世界の半分はいらないから、尿意の半分でも消してくれ)」
元スレ
勇者「(も、漏れそうで別れに集中できない……)」
http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1468043345/
魔王「愚かな者達よ……」
戦士「そうだな勇者。世界の半分を勇者が貰っても、俺と魔法使いと僧侶がだだをこねたら、結局世界の8分の1しかもらえないからな」
僧侶「危うく騙されるところでしたね」
魔法使い「はぁー、あんたら緊張感ってものがないわけ。勇者のあの真剣な顔つきを見なさいよ」
勇者「(早く倒さないと尿意に限界が来る……短期決戦で行こう)」
魔王「さあ、勇者よ、今こそ戦いの時だ。愚かな人間どものために着様はここで…」
勇者「かかれえ!!!!!」
戦士・僧侶・魔法使い「うぉおおおおお!!!」
勇者「ギガスラッシュ!!」
魔王「ぐはぁ!!」
戦士「たたかう」
魔王「ぐぉおおおお!!!!!!」
バタリ…
魔王「私は……何度でも……よみが……」
シュゥウウ…
魔法使い「た、倒したの?」
僧侶「消滅しましたね…」
戦士「や、やったのか。ついに、魔王を倒したというのか」
魔法使い「勝ったのよ!!私達ついに、魔王を倒したのよ!!」
僧侶「うぅ……お父様、お母様、ついに私やりました…」
戦士「魔王を打ちとった!!平和は取り戻されたのだ!!」
勇者「…………」
僧侶「ゆ、ゆうしゃさま?」
勇者「…………」
魔法使い「ちょ、ちょっと。戦士、謝りなさいよ」
戦士「どうしてだ」
魔法使い「魔王にあんたがとどめ刺しちゃったじゃない。しかも通常攻撃で」
僧侶「魔王は勇者様が必殺技でとどめを刺すものだと、私も幼き頃から当たり前のように思い込んでいました…」
戦士「し、しかたがないだろ。そんなこといったら貴様らの攻撃の加減があともうちょっとでも違ったら」
魔法使い「なによ、私達のせいだっていうわけ」
僧侶「私たちは勇者様が立てた作戦通りに動いていたわけですし」
戦士「それだったら私を責めるのもおかしいだろ」
勇者「(作戦がよかったおかげで魔王を倒せた…しかしもう尿意が限界だ)」
勇者「(魔法使いと僧侶のMPや魔力回復薬を極力まで節約するために、魔王にたどり着くまでに出会った敵には魔力を使わない)」
勇者「(その代わりに大量買いしたアモールの水でHP回復に注ぎ込む。ここまではよかった)」
勇者「(しかし魔王の命令なのか、魔王城の魔物は俺を集中的に狙ってきた。そのせいで一人でアモールの水を一人でほとんど消費してしまった)」
勇者「(さっさと魔王城を出て、近くの宿に飛んでトイレに駆け込もう)」
戦士「だから言ってるだろ!!倒せなかった時点で必殺ではないと!」
僧侶「いいえー!やっぱり魔王は見栄えの激しい技で倒すものなんです!絵本を読んだこともないんですか?」
魔法使い「もうあんたたちやめなって。勇者もいつまでふてくされてるのよ。魔王を倒せたんだからそれでいいじゃない」
勇者「な、なんの話だ」
戦士「もう我慢の限界だ!」
勇者「べ、別に限界じゃないよ!まだ1時間くらいは耐えられるよ」
僧侶「まだ一時間も喧嘩しろっていうんですか!?」
勇者「(なんか大変なことになってる……)」
勇者「わ、わるかったみんな。色々会ったよな、色々。でも、もういい。魔王は倒した」
戦士「勇者殿…熱くなってすまなかった。今日までの日々を思うと感情が込み上がってしまったのだ…」
僧侶「私もすみませんでした。もう全て、水に流しましょう」
勇者「まだ大丈夫!!まだ全然水に流す必要なんてないよ!何言ってるんだよ僧侶あはははは」
魔法使い「?」
勇者「(まさか戦いの最中からもじもじして尿意の限界だったことがばれていたのか?内股ギガスラッシュに違和感をもたれていたのか?)」
勇者「(魔王との戦いのさなか尿意のことばかり考えてたなんてかっこうがつかない…)」
魔法使い「わかってるわよ、勇者。あなたも勇者という肩書を背負ってここまで来たんだもの。物思いにふけっていたのね」
勇者「(よかったわかられてなかった)」
魔法使い「みんな戦い疲れちゃったのよ。さっさと宿に戻って休憩しましょ」
戦士「……魔法使い殿」
僧侶「うぅ……」
魔法使い「あ、あらいけない。そうね。そうよね」
魔法使い「私達、魔王城を出たらもうお別れなのよね」
勇者「(やばい、また尿意がこみ上げてきた……)」
僧侶「みんなともうお別れなのですね…」
魔法使い「みんなで決めてたことじゃない。魔王を倒しても、私達が倒したことは公表しないって」
僧侶「魔王が消えても魔物は残る。私達が恨みを買わないように。故郷の村に危険が及ばないように」
魔法使い「私達が神格化されてしまい、普通の生活が送れなくなることを避けるために」
戦士「他の冒険者に手柄を取られまんまと故郷に戻ってきた、ただの冒険者一行になって戻る、だったな」
魔法使い「魔王は消え、魔物の統率は乱れたわ。長きにわたって魔王が支配してくれていたおかげで、代わりの統率者はそうすぐには現れないでしょう」
戦士「いずれ魔物の動揺を感じ取った王国が、後始末はしてくれるさ」
戦士「さーて。故郷に帰ったら今度は飲み屋でも経営してくるかな」
僧侶「私は教会に戻り再び主様に司える生活を送ります」
魔法使い「わ、わたしは、えーと…」
勇者「(トイレ いきたい)」
戦士「それにしても、故郷に戻って私達が魔王を倒したとばれやしないだろうか」
魔法使い「そうね。私も爆発呪文なんて以前は使えなかったし」
僧侶「でも」
魔法使い「でも?」
僧侶「私達、どこかの村を助けたとか、そういえばなかったですよね」
魔法使い「…………」
僧侶「コツコツ魔物を倒して、宿屋に泊まって、コツコツ倒してのルーティンでしたね。はぐれメタルの出る洞窟でずっとレベル上げして、メタルキングの出る草原でずっとレベル上げしてましたね」
僧侶「これでいいのかなって、迷う時も正直、ちょっとなくはなかったというか…」
戦士「な、何を言うか!鍛錬に時間を注いだからこそこうやって魔王を…」
魔法使い「まぁまぁ、いいじゃない。無名な私達が倒したなんて、ますます誰も信じないでくれるし」
僧侶「そうですよね、失礼しました。勇者様、不快な気持ちにさせてしまい申し訳ございません!!」
勇者「えぇつ、あ、ああ。別にいいよ」
僧侶「ふふっ、水に流してくださるんですね」
勇者「水とかいうなぁ!!」
僧侶「ひぃいい!!すみません!!!」
魔法使い「それにしても、時が経てば結局他の冒険者が自分たちの手柄だって嘘の主張をしはじめるのよね」
魔法使い「せっかくの手柄を知らないやつらにとられちゃうのも癪だなぁ」
僧侶「悪者が讃えられるのは確かに良くないですね」
戦士「笑ってみてればいいさ。それこそ神様はお見通し、ってやつだろう」
勇者「(神様、どうかこの曲がり角を曲がったところに、男子便所がありますように)」
勇者「な、なあ戦士。魔王城に入ってもう数時間も経ったな」
戦士「そうだな、勇者殿。それが何か」
勇者「なんか我慢してることとかないか?」
戦士「うーむ、肉体的疲労はたまっているが。魔王城も中が複雑に入り組んでおるし、出口まで出るのも一苦労だ」
勇者「『リレミト』」
しかし不思議なちからでかき消された
勇者「(くそっ、かき消すなら尿意をかき消してくれよ)」
魔法使い「魔王の力じゃなくて、魔王城そのものに移動呪文を封じる力が施されているのね。そんなことだろうと思ってたけど」
僧侶「まぁいいじゃないですか。お城を出るまでの道すがら、最後のおしゃべりをしましょうよ」
僧侶「その時に勇者様ったら、混乱呪文にかかってしまって」
魔法使い「戦士に抱きついてたわよね。それ見て私達、戦いの途中に大笑いしちゃって」
僧侶「うふふ」
戦士「はっは。あの時は俺まで混乱しそうになった」
勇者「(やばいな…我慢のし過ぎで変な汗が出てきた…汗は出ても尿は消えないのが癪だ)」
魔法使い「勇者に化けた魔物が戦士に近づいたこともあったわよね。そしたら戦士が、勇者のにおいじゃないって言い出してさ」
僧侶「あの時散々抱きつかれてたおかげで覚えてたんだろうなって、それもまたおかしくって」
勇者「(この雰囲気ならいけそうだ。尿を漏らす恥より尿意の心情を漏らす恥だ。正直に打ち明けてしまおう)」
魔法使い「戦士が宿屋のお姉さんに惚れちゃったこともあったわよね」
勇者「(そうだな、今、あたかも尿意がこみ上げてきたかのように言おう。そしたら笑ってゆるしてくれるさ。便意ならちょっとしゃれにならないが、たかが尿だ)」
戦士「あれは違うと何度も言っておるだろう!」
勇者「(あー、なんかほっとしたら小便したくなっちまったw)」
勇者「(何よ勇者ったら、いつものんきね)」
勇者「(ふふっ、そこが勇者様の良いところです)」
勇者「(そうだな、勇者殿の魅力はそこにあるのかもしれん。勇者殿、最後の連れションをしようじゃないか。ここは元魔王城、今は私達の庭だ)」
勇者「(馬鹿ね、庭でもトイレはしないでしょう)」
勇者「(一同、爆笑)」
勇者「(よし、これでいこう)」
勇者「あー、なんかほっとしたら…」
魔法使い「それで、私達、もうそんな冒険の日々から……」ポrポロ
僧侶「もうみんなで星空の夜を歩くこともないのですね」グスッ…
勇者「(えっ、えっ)」
魔法使い「うぅ……ぐすっ……」
僧侶「ひぐっ……」
戦士「…………」
勇者「(な、なんだこのしみったれた空気は!)」
勇者「(まぁこの中でいちばん染みそうなのも垂れそうなのも俺なわけだが)」
勇者「(トイレに行きたいなんて言える空気じゃない)」
戦士「別れの覚悟は昨日の夜決めていたはずだ。勇者殿、はやくここを出よう」
勇者「そ、そうだな。早く出よう。早く出ないと、俺も出ちまいそうだ。うんなんでもない」
戦士「不気味なほど静かだな」
魔法使い「魔物は魔王にたどり着くまでにほとんど倒しておいたからね。それに、魔王を倒してから城内の瘴気が変わった。その意味を理解できた魔物は逃げ出したんでしょう」
戦士「でも油断ならないな。勇者殿も、ビシっと気を引き締めていこう」
バシッ!
勇者「はぅう!?さっきから引き締めてたのにゆるめるんじゃねぇ!!」
戦士「す、すまない!!」
勇者「そろそろ3Fか」
魔法使い「まだ7Fだと思うんだけど」
勇者「そうか……」
魔法使い「勇者、さっきから浮かない顔してどうしたのよ」
僧侶「体調がすぐれないのですか?」
勇者「いや、なんというか、俺、魔物に集中攻撃されてたじゃんか」
魔法使い「っそうね、明らかに狙われてたわよね」
勇者「それで、ダメージをたくさん負ってさ」
僧侶「なるほど、そういうことですね。言ってくださればよかったのに」
勇者「お、おお!わかってくれたか。すまんな、俺もここまで計算に入れてなかったというか…」
僧侶「『ベホマ』」
ピポッ
勇者「……あ、ありがとう」
僧侶「傷を負ってたんなら言って下さい。魔力も少しだけ残っていますから」ニコッ
勇者「(なんだろう、例えるなら身体が疲れているのに包帯を巻かれているような無駄感)」
勇者「(でも、待てよ。今まで気にもとめなかったが、尿意を封じるのに適切な呪文もあるかもしれない)」
魔法使い「魔物がいなくなったとはいえ油断は禁物よ。魔力は温存して、アモールの水を使うようにしましょう」
勇者「やめろよアモールの水は!!たまには油断したっていいじゃねぇかよ!!魔王倒したんだし!!」
魔法使い「ご、ごめんなさい!でもさっき気を引き締めるって……」
勇者「(俺が覚えてる呪文なんて、魔法使いと僧侶に比べたらごく少数だ。その中でも使えるものはないだろうか)」
僧侶「こうして勇者様を回復させることももうなくなってしまうんですね」
勇者「そうだな。俺も、今まで当たり前のように使ってた呪文も、これからは使わなくなるんだよな」
勇者「なんだか感慨深いよな。例えばこの呪文にもよくお世話になった」
勇者「『バイキルト』」ムキムキ!
勇者「(んんn!?おお!!心なしか、膀胱が強化された気がする!!)」
僧侶「あら、いつみてもたくましいですわね」
魔法使い「勇者のおはこだったわね。たまに僧侶がかけてるのに二重にかけちゃったりして」
戦士「勇者殿は冷静な判断力もある反面、時々戦いに夢中になってしまうところがあったからな」
魔法使い「それで時々私達をおいてけぼりにして、戦士がリーダー失格だって怒ったこともあったわね」
戦士「ふはは。勇者殿を信頼してこその直言だ。旅を始めたばかりの時はよく争ったものだ」
戦士「私が全体としての強さを主張し、勇者は個の力の集まりを主張した。馬鹿げた勇者だと私もよく反論したな」
戦士「そんな時は魔法使いが水掛け論はやめるよう仲裁に入って…」
勇者「何が水漏れ論だ!!!!」
戦士「す、すまん!!何か言葉を間違えたか」
勇者「…………」テクテク
勇者「(やばい、バイキルトの効果が切れそう……ここで切れたら反動がやばいんじゃないか)」
勇者「そうなんだよなぁ」
魔法使い「ん?」
勇者「もうこれで、呪文を使うのも最期なんだろうなぁって」
魔法使い「さっきの話ね。そうね」
勇者「なんか、感慨にふけっちゃうよな」
勇者「『バイキルト』」ムキムキ!
魔法使い「なんでまた同じ呪文なのよ!しかも感慨にふけるような呪文じゃないし!」
戦士「まぁまぁ魔法使い。勇者殿は感慨にふけるだけじゃなくて、いつ魔物が現れてもいいように戦闘準備をしておるのだ」
勇者「そう、そうなの。いいこと言った」
魔法使い「魔物と出会うまでの肉体強化の呪文はMPの無駄遣いになるからタブーってのが冒険者の心得の基本だったと思うんだけど…」
勇者「いいか、魔法使い。時代は変わるんだ。いや、変えていくものなんだ」
勇者「僧侶。俺にスカラをかけてくれ」
僧侶「わかりました。いつだって勇者様は正しいんですもの」
僧侶「『スカラ』」キュピーン
勇者「……んん」
僧侶「『スカラ』」キュピーン
勇者「んーん、あれ、なんか」
僧侶「『スカラ』」キュピーン
勇者「もういいや。あんま効き目ない」
僧侶「 」
戦士「勇者殿は戦いに関することになると厳しくなるな……」
魔法使い「いや、どんだけスクルトにお世話になったと思ってんのよ」
僧侶「勇者様、やはり私の呪文はお役にたてないのでしょうか」
勇者「…………」
僧侶「他の呪文も、本当は全部役立たずだったのを、何も言わずにいてくれただけだったのですか」
勇者「…………」
僧侶「だったら、これはどうですか」
勇者「え、うん、ああ?聞いてるよ?俺もそうだとおm」
僧侶「『ピオリム』!!」シュイイン
勇者「ぐ、ぐぉおおお!!!!(尿意が加速する!!!)」
勇者「あほんだら!!!効き過ぎだわ!!!」
僧侶「勇者様…そんなに大げさに誉めないでくださいよ///」
勇者「魔法使い!いてつくはどう!はやく!」
魔法使い「覚えてないわよそんなの」
勇者「魔王蘇ってくれぇええ!!」
魔法使い「なに、混乱でもしたの?」
戦士「抱きつかれないように気をつけねば」
僧侶「ふふっ。勇者様、やっぱりやさしいです」
戦士「あはは」
僧侶「うふふ」
魔法使い「おほほ」
勇者「(なにこのほんわか雰囲気。こんな中で漏らしたら沈黙の後爆笑間違い無しだ。むしろ、慰められたらさらに地獄だ)」
勇者「(なんとか自然な会話の流れで早く元に戻さないと…)」
勇者「なぁ。呪文って、奥が深いよな」
魔法使い「何よ急に真面目なこと言い出して」
勇者「魔法ってさ、大きく分けて二種類あると思うんだ」
魔法使い「何よ。攻撃呪文と回復呪文とか?戦闘中に使うか戦闘以外で使うかとか」
勇者「敵にかける呪文と味方にかける呪文だよ」
勇者「俺らは魔物の気持ちなんて全然考えてこなかった。その呪文をかけられた魔物が、どんな思いでいるかなんて知らずに」
僧侶「勇者様…魔物にまで慈悲の心をお持ちになるなんて」
魔法使い「まさか、攻撃呪文をかけてくれなんて言い出すんじゃないでしょうね」
勇者「やめてくれよ。痛いだろ」
魔法使い「えっ」
勇者「ボミオスをかけてくれ」
魔法使い「それ、敵にかけられたこと何度かあったわよね」
勇者「初期の頃はな。マホトーンやマホカンタを知らなかった頃の初心を思い出したいんだ」
魔法使い「よくわからないけど…わかったわよ。味方にかけるなんて」
勇者「いいか、時代というものは」
魔法使い「はいはい常識は自分で変えてなんちゃでしょ。『ボミオス』」ボォォン
勇者「…………」
魔法使い「勇者?大丈夫?」
勇者「や、やった!!すごいよ!!効き目バツグンだよ!!魔法使い凄いよ!!」
魔法使い「そ、そうかしら」
僧侶「ふーん……」
勇者「あと百回くらいかけてもらっちゃおうかな。そしたら永久の時を過ごせそうだよ」
魔法使い「あ、あんた、それってどういう意味…」
僧侶「魔力の温存しないといけないんでしたよね。はやく行きましょ」プリプリ
戦士「勇者殿は罪な男だ…」
勇者「(明らかに尿意が遅くなった!ピオリムではやくなるなら、遅くなって当然だ!)」ノロノロ
戦士「…………」スタスタ
勇者「(これならもうしばらく耐えられるぞ。同じ景色の中にずっといられるぞ)」ノロノロ
勇者「(うん。あれ。おかしいな。景色がずっと)」ノロノロ
戦士「なぁ、勇者殿」スタスタ
勇者「……ん?」
戦士「もう少し早く歩けないか」
勇者「(……しまった!ゴールが遠のいた!)」
勇者「やっと元の速度に戻った。効き目が長すぎて冷や汗が出たよ」
戦士「妙だな…」
勇者「尿じゃねーよ!!汗って言ってるだろ!!」
僧侶「確かに妙ですね」
勇者「だーかーらー!!」
魔法使い「瘴気があまりにも晴れないわね。これは魔王城の性質なのか、それともまだ魔物がこの城にとどまっているのか」
戦士「だとしたら相当な数だな。慎重に音を立てずに行こう」
魔法使い「そうね。おしゃべりは禁止しましょう」
僧侶「寂しいです…」
魔法使い「出口にたどり着いたら、ちょっとおしゃべりをすればいいわよ」
戦士「…………」トコトコ
魔法使い「…………」トコトコ
僧侶「…………」トコトコ
勇者「…………」モジモジ
戦士「…………」トコトコ
魔法使い「…………」トコトコ
僧侶「…………」トコトコ
勇者「…………」モジモジ
勇者「(まずい、ますますトイレ行きたいです、なんていいづらい雰囲気になってしまったぞ)」
勇者「(今は4Fくらいか……このフロア階段多いんだよな)」
勇者「(3Fは迷路のような道ばかりで、2Fは確か長い廊下があるんだったな。そしたら1Fの大広間に出て、出口だ)」
勇者「(けっこうもう限界だぞ。耐えられるだろうか)」
勇者「(どうして魔王と戦ってる時より悩んでるんだよ俺。もう、打ち明けてしまおうか)」
勇者「(皆さん申し訳ございません。実は、さっきから排尿を我慢していたので、膀胱から排出させてくださいと)」
勇者「(魔王という主が消えた城で、マーキングさせてくださいと。別れの切なさや、不穏な空気の緊張感をよそに、どうか生理現象を認めてくださいと)」
勇者「(誰が責められるだろうか。誰が私を笑い者にできるだろうか)」
勇者「(幾夜の冒険を共にし、今更何を恥じらうことがあろう)」
勇者「(さんざん野に放出してきた仲なのだ。同じ釜で炊いた飯や水分を同じ野に出してきた仲間だ)」
魔法使い「…………」トコトコ
勇者「(魔法使い、知ってるんだぞ。夜中になるとこそこそぬけていってただろ。一人になると危ないとか普段散々うるさいくせに、夜中に己の無防備な姿を森の中に曝け出していただろ。)」
勇者「(そして、言い訳がましく、水浴び用の石鹸とか持ってたりして。偶然誰かに遭遇しても、あくまで私は水浴びをしようとしてたと主張するために。お前は水を浴びせる側だろいうのに)」
戦士「…………」
勇者「(戦士の野糞場面に後ろから遭遇した時は焦ったな)」
勇者「(あれ以来魔物にいきなり囲まれてもそんなに驚かなくなったけど。戦士はそのことに気づいていないままなんだろうな)」
僧侶「やっと二階にたどり着きましたね。出口はもうすぐです」
戦士「ここにも魔物は結局一匹も見当たらんな。魔王より強い人間が現れれば、逃げ出すか」
魔法使い「はぁー、なんだか肩がこっちゃったわ」
勇者「…………」
魔法使い「勇者、もう喋って大丈夫じゃない?」
勇者「…………」
戦士「勇者殿?」
勇者「何か……何か、嫌な予感がするんだ」
魔法使い「嫌な予感?あとはもう1Fに降りたらすぐに出口よ」
勇者「今、ここで聖水を全身にかけないと、何かすさまじい災厄に襲われる……」
勇者「そんな、神の警告ともいえるような。ロトの血が騒ぐんだ」
魔法使い「あんた別に勇者の血筋じゃなかったでしょ」
戦士「ここは勇者殿を信じよう」
魔法使い「聖水をかけるってこと?聖水で現れなくなる魔物程度なら倒せるわよ」
戦士「思い出してみろ。今までだって、勇者の勘に助けられてきた」
勇者「時間がない。みんな、全身に聖水を!!ほら急いで!!」
僧侶「は、はい!みなさん、袋に入ってるので自分でかけてください!!」
勇者「魔物どころか人間さえよりつかなくなるくらいにかけまくるんだ!!」
どばどばどば!!!!
勇者「魔法使い!!そんなんじゃ駄目だ!!頭からかけろ!!」
どぼどぼどぼ!!
魔法使い「げほっ、げほっ、ちょ、うぇっ」
勇者「(よかった…あと十秒もすれば、俺の膀胱は確実に限界に達する)」
勇者「(ここまで我慢してきたのに、今更小便勇者のイメージを残して別れたくなかった)」
勇者「(下半身に聖水をかければ尿漏れは誤魔化せる。頭からかければ鼻孔の感覚も鈍る)」
勇者「(すまないなみんな。でもこれでしばらく雑魚キャラとはお会いすることもないだろう)」
勇者「(半分。半分だけ出そう。全部とは言わない。半分だけ出してとめよう)」
戦士「勇者殿、こんなんでいいだろうか」
勇者「うん、大丈夫だ。あとはこの扉をあけて急いで外に出るんだ」
戦士「わかった。では、開けるぞ」
ゴオオオオオオオ!!!!
戦士「うぉおおお!?」
魔法使い「くぅ、『フバーハ』!!」ヒュオオオ
僧侶「熱いっ……この火炎は」
勇者「前が、見えない、魔物なのか」チョロ、チョロジョロオオ…
勇者「(やばい、思ったよりも放出してしまった)」
?「クククク…」
戦士「ま、まだ残党が…」
勇者「(ま、まだ残尿が…)」
ドラゴン「におう…におうぞ」
勇者「気のせいだ!急激な加熱によって蒸発した聖水に含まれていたアンモニアの…」
ドラゴン「人間の匂いだ。うまそうな血の匂いだ」
魔法使い「ドラゴン、なの?禁書の中に描かれていた魔物。実在するだなんて…」
僧侶「ドラゴンはその昔、全盛期の魔王によって封印されたと聞いていましたが」
ドラゴン「魔王は消えた。そのことによって、この城に封印されていた俺は復活した」
ドラゴン「そして、魔王との戦いでお前らの体力は枯渇している。ここで余が貴様らを滅ぼせば、私が新たな支配者となろう」
魔法使い「もう魔力の回復薬も残ってないわよ!!」
戦士「なんてことだ……」
勇者「何ほざいてるんだよ。枯渇してねーよ。今にも溢れ出しそうだよ」
戦士「さすが勇者殿、まだそんなに力が残っているとは」
勇者「来いドラゴン!!てめぇーなんか3分で片付けてやる!ぜひ片付けたい!!」
僧侶「頼もしいです勇者様。ただなんか、さっきから異臭がするような…」
勇者「長年の封印によって歯を磨いてなかったドラゴンの口臭さ、気にするな!」
ドラゴン「孤高なる龍を愚弄するか、面白い。地獄で後悔するがよい!」
勇者「はぁ、はぁ」
ドラゴン「ぐはぁ…人間ごときが…」バタリ
僧侶「勇者様!もうアモールの水がなくなりました!」
勇者「も、もういい。ドラゴン倒れてるし…もう見たくもない」
魔法使い「回復アイテムによるゴリ押しでなんとか勝てたわね」
戦士「城に残る瘴気の正体は、こいつだったのか。一体の魔物でこれだけの力を持っていたとは」
僧侶「勇者様の動きが芸術的でした。いつものように激しい戦い方ではなく、着実に急所を仕留めに行くかのように華麗に進んでいましたね」
魔法使い「勇者、あんた、やっぱり凄いのね。ドラゴンの息吹を予知して、今までにない動きで懐にはいって攻撃して」
勇者「うん……ところでもう聖水残ってない?」
僧侶「さっき使ったので全部ですけど」
勇者「そ、そうか…」
戦士「ドラゴンの火炎のおかげで服もだいぶ乾いた。ちょうどよかったな」
勇者「う、うん…」
魔法使い「ぷはぁ、やっと外に出れたぁ」
戦士「長い旅路だったな。これでとうとうお別れか」
僧侶「そうですね。寂しいですけれど、誰も欠けることなく無事に旅を終えられて、本当に幸運でした」
勇者「そうだな。では、解散!」
魔法使い「…………」
戦士「ゆ、勇者殿は、我々との度は退屈しなかったか?」
勇者「本当に君たちと出会えてよかった。そして新たなる人生への冒険へと向けて、解散!!」
勇者「確かキメラのつばさが袋の中に…」ゴソゴソ
魔法使い「ちょっと、あんた」
僧侶「あの、勇者様。冗談で言ってるんですよね」
勇者「(やばい、さっき少し出したとはいえ、もうそんなに我慢できないぞ)」
僧侶「勇者様の目的は、魔王を倒すことだけだったんですか。私たちはそのための手段でしかなかったんですか」
勇者「いや、ご、ごめん。そんなことないよ。最後に惜別の言葉を一人ひとり述べていこう」
戦士「驚いたぞ勇者殿。あまりにあっけなさすぎるからな」
魔法使い「うーん、でも私何から話していけばいいかわかんないや」
戦士「じゃあ俺から話すとするか」
戦士「初めは、復讐心からだった」
勇者「(やばいこれは話長いパターンだ)」
戦士「俺の両親は魔物に殺された。父は武器商人であると同時に、優れた剣の腕を持っていた」
戦士「村に攻め込んできた時に、親父は剣を取って戦った。お袋は微力な回復魔法で親父をサポートしていた。俺は姉貴に手を引かれて安全な場所へと連れて行かれた」
戦士「つらかったさ。でもそんな時に幼い俺が考えていたことは、両親との戦いに加わりたいという思いではなかった。何を考えていたと思う?」
勇者「…………」
戦士「戦いに加わろうという勇ましい気持ちでも、姉の手を振りほどきたいという気持ちでもなかった。何だと思う?」
勇者「…………」
戦士「おい、勇者殿、何だと思う?」
勇者「え、ああ、あ。うーん、武器を売ることで、血が流されるという葛藤は、確かにあるかもな」
僧侶「勇者様ちゃんと話し聞いてました?」
勇者「す、すまん、考え混んでしまって」
僧侶「自分の話す内容考えてたわけじゃありませんよね?戦士さんの話に集中してくださいよね」
勇者「わ、わかった」
戦士「俺は、どうして両親が戦うんだという気持ちでいっぱいだった。俺らを二人ぼっちで残すかもしれないのに、魔物と戦うことを選んだのが理解できなかったんだ」
戦士「そして貴様らと出会って」
勇者「冒険をしていくうちに、両親は村のために戦っていたんじゃなくて、村を守る姿を戦士に見せたかったんだって気づいたんだよな。みんなが自分の大切なものだけ守ろうとしたら結局それらは全て失われてしまう」
勇者「けれどみんながみんなのものを守ろうとした時に、はじめて自分の大切なモノが守られることになる。それから、両親の仇を打つ旅ではなく、魔王を討伐する旅へと動機が変わったんだよな」
勇者「前に何度か聞いてたのとだいたい同じだね。うんうん。復讐心は消えて守ろうとする気持ちに変わっったんだよね。はい次の人」
戦士「おい」
勇者「何か違ってた?」
戦士「いや、別に……」
勇者「次は僧侶の番だ」
僧侶「その時に思ったんですよ。ああ、この星空のもとみんなで浜辺を歩く時間は、使命や重圧から解放してくれる愛しいひとときであると。そんなこと、思ってはいけない身でありながら」
勇者「宴もたけなわではございますが、そろそろ聖水が完全に切れる時間でございますので、終了したいと思います」
僧侶「あ、あの、まだ私言いたいことが…」
魔法使い「私まだ一言も喋ってないんだけど」
勇者「三行で話してくださるようお願いします」
魔法使い「じゃ、じゃあ
みんなとあえてよかった
すてきな旅だった
ひどい別れだった」
勇者「はい、ありがとうございました」
魔法使い「…………」
戦士「なんか、しまらねーな」
僧侶「じゃあ、三本締めでもしますか?」
勇者「いや、一本締めにしよう」
僧侶「はい…」
勇者「お手を拝借。よーお、」
パンッ!チョロ…
勇者「ありがとうございました。それでは各自故郷に飛びましょう。それではお元気で」
僧侶「今拍手に音に紛れて何か聞こえたような…」
勇者「キメラのつばさはたくさん余っているので各自でお使い下さい」
勇者「それでは、さようなら!」
ビューン!
戦士「……行ってしまったな」
僧侶「勇者様、本当は私達との旅、楽しくなかったのでしょうか」
魔法使い「…………」
戦士「魔王との戦いの計画も、全て勇者が練ってくれた。あいつは俺らを守ることに一生懸命で、本気で頼ろうとはしてこなかったのかもしれない」
戦士「今更気づいても遅い話だな。あいつは一人で何かを抱え込んでいたのかもしれない。ここでその暗い気持ちを吐露しないように、早く別れたかったのかもしれない」
僧侶「あんまりです勇者様。1番救われるべきお方に、私は何の癒やしも与えることができませんでした」
戦士「魔法使いもそう肩を落とすな。また時が経てば、あいつが何を抱えて旅をしていたのか教えてくれる時が来るかもしれない」
戦士「では、俺は魔王討伐の噂が流れるまでてきとうな街に宿泊して、それから故郷に帰るとする。途端に帰ったら疑われてしまうからな」
僧侶「私はもう一度あのお花に囲まれた街に行ってきます。教会に植える花を持って帰りたいので」
戦士「魔法使いはどうする?」
魔法使い「私は、私は、故郷に帰るよ。誰も私が討伐したなんて思うこともありえないから」
戦士「はっは、そんなことないと思うがな。では、俺達もお別れといこう」
僧侶「はい。では、さようならです」
魔法使い「う、うん……」
魔法使い「ねえ勇者、もしかしてあなたは、あそこに…」
ビューン…
勇者「ふははは!!自由だ!!これは自由の翼だ!!」
勇者「なんなら今この青空から放尿してやろうか!!降り注いだ雨を顔に浴びて町娘は何を思うだろうか」
勇者「にわか雨だと思うだろうか。それとも、伝説の鳥ラーミアの涙とでも思うだろうか」
勇者「今こそ冒険の全てに決着をつけるとき!!さぁ、いざ脱がん!!」カチャカチャ
魔法使い「ねえ勇者」
勇者「の、ぬのおお!?」
ビューン…
魔法使い「やっぱり。この森の方に来てた。あの夜、二人でここに座っていろんな話をしたよね」
勇者「(あぐぁ…もう…尿意が…)」
魔法使い「私は、この旅で強くなった。爆発呪文も使えるようになった。故郷に戻っても、誰も私がそんなに強くなったとは思わない」
魔法使い「なぜだかわかる?」
勇者「……あぁ…うぅ……」
魔法使い「勇者、なぜだかわかる?」
勇者「あぁ…人間には…それぞれ限界があるから…」
魔法使い「ここが私の故郷だからなの。そう、ここは冒険者が野宿に使うような場所ではなかった。小さな、しかし魔力の強い持ち主が集まる、古くからある集落だったの」
魔法使い「私には帰る場所なんてないのよ。でも、そういうと、やさしいみんなのことだから私を心配しちゃうと思ってさ」
魔法使い「そして、本当に勇者は来てくれた。私が、気づかれてはいけないという思いと、気づいて欲しいという葛藤から、さりげなくこの森や故郷に関する話をしてたからかな」
魔法使い「ありがとう、勇者。見抜いてくれて。もしかしたらここに飛んでくれるんじゃないかって、そんな可能性の少ない願いをしていたの」
魔法使い「私ったら、馬鹿よね。でも、馬鹿でよかった」
勇者「ぶくぶくぶく……」
魔法使い「あのね、勇者、私、あなたに伝えなければいけないことがあるの」
魔法使い「私ね、勇者のこと、ずっとずっと……」
?「『ラリホーマ』」
魔法使い「勇者のことが…………zzz」
エルフ「私らの新しき住居に再び人間が彷徨い込んだか」
エルフ「もう私らの住む場所を奪うような真似はやめてほしいものだ。魔族よりもタチが悪いぞ」
エルフ「そのまま永遠の眠りについてもらうとするわ。あなたたちに呪文を確実にかけられるタイミングをずっと待っていたの」
勇者「ずっと待っていたよ、この時を」ズボッ
エルフ「なっ///きさま///」
エルフ「確実に油断していたはず!何故眠りの魔力を吸い込まなかった!!」
勇者「泡吹いてたからな」
勇者「さあ、エルフよ。残念ながら侵略の時だ。マーキングという名のな」
エルフ「な、なんだと」
勇者「全ての力を開放せし時が来た」
勇者「泉に住まいしアテナイの神よ。自然と共に生きし賢者は土・水・火・空気をこの世の構成元素であると唱えた。」
エルフ「(な、なによ、こんな詠唱聞いたことがないわ…)」
勇者「私は応える。水こそ真なり!」
エルフ「(このおぞましい力は一体…)」
勇者「そなたたちの嘆きの涙は今野に放たれん。耐え難き時間があらばこそ別れは悦びへと変わる」
エルフ「(なのに、魔力を全く感じないのは何故――)」
勇者「『マダンテ!!(物理)』!!」
ジョォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
勇者「すまないな、星となったエルフよ。私はもう去ろう。放たれた水は雨となり、飲み水となり、尿へと変わり、再び雨に戻るであろう」
勇者「あー、今更ながら、魔王を倒した実感が沸いてきた。そうだよな。俺、倒したんだよな。凄いよ俺。世間に後ろめたさを抱えながら、はぐれ系ばかり倒したり、アイテムでゴリ押しする戦法を取ったり」
勇者「いやあー、楽しい旅だったな。最後に少しくらい、戦士と故郷のことや、僧侶と星空の思い出について語りたかったな。いや、語ってたっけ。記憶が曖昧だ」
勇者「尿意までを計算にいれられなかったのはまだまだだな。俺もまだ修行が必要だな。ははは」
魔法使い「んん……勇者?」
勇者「おお、魔法使い!さっきはわるかったな。何が言いたかったんだ?何かいいかけてただろう」
魔法使い「……ねぇ勇者」
勇者「あれ、もしかしてもしかして、告白の言葉だったり、なんちゃってw」
魔法使い「それは何のつもり?」
勇者「ん?」ボロン
勇者「あっ……」
勇者「しまい忘れ……」
魔法使い「私が言いたかったのは、惜別の言葉よ!!!」
魔法使い「『イオナズン』!!!」
完
54 : 名無しさ... - 2016/07/10 22:52:00 g5N 48/49お付き合いくださりありがとうございました。
一方通行「君の瞳にラストオーダー」というSSを書いてから7年が経ってしまいました。自分で面白いと思っていたので、この世で一人くらい未だに覚えてくれてたら嬉しく思います。
下書きを考えこみ過ぎるようになってから、書いては消しの繰り返しで、いつの間にか何も投稿できなくなってしまいました。
今回は下書きを元に書きながら投稿してみたのですが、もっと面白くできたはずだって反省しています。
今はSS速報というところがあるのですね。
ここの人の少なさ具合も落ち着くので、ローカルルールや雰囲気に反していなければまた投稿しにくるかもしれません。
久々に書けて、とても嬉しかったです。
ありがとうございました。
※一方通行「君の瞳にラストオーダー」
http://ayamevip.com/archives/36066983.html