ラフィ「サターニャさんが風邪を引くなんて珍しいですね」
ガヴ「あいつ馬鹿だから絶対風邪なんてひかないと思ってたぞ」
ヴィーネ「今流行のインフルエンザじゃない? 私はワクチン打ったけど二人は?」
ラフィ「私は打ちました」
ガヴ「私打ってないな。マスクしてサターニャに会おう」
元スレ
【ガヴドロ】ヴィーネ「サターニャが風邪!?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1499085040/
サターニャの家
ヴィーネ「サターニャ起こしちゃうと悪いから、チャイムは鳴らさずに入りましょう」ガチャ
ガヴ「サターニャの家の鍵まで持ってるのかよ」
ラフィ「私も合鍵作りたいのであとで貸してくれませんか?」
ヴィーネ「サターニャがいいって言ったらね」
ガヴ「サターニャ、からかいに来たぞ」
サターニャ「はぁ……はぁ……。ガヴリール……来てくれたの?」
ヴィーネ「私達も」
ラフィ「いますよ」
サターニャ「はぁ……。嬉しい。一人で寂しかったの」
ヴィーネ「だいぶ辛そうね、体温は測った?」
サターニャ「42度くらいあったわ」
ラフィ「多分インフルエンザですね。サターニャさん、ワクチンは打ったんですか?」
サターニャ「ワクチン?」
ヴィーネ「インフルエンザ確定ね」
ガヴ「うつったら怖いな。」
ヴィーネ「私とラフィはワクチン打ってあるから大丈夫だけど、ガヴは帰った方が良いわ」
ガヴ「そうする。じゃあな、サターニャ」
ヴィーネ「何かして欲しい事はある?」
サターニャ「一緒にいて欲しい」
ラフィ「暗くなるまで一緒にいてあげますね」
ヴィーネ「他にして欲しい事があったら言ってね」
夕方
ラフィ「もうすぐ暗くなりますね」
ヴィーネ「私達帰るけど、辛くなったら言ってね」
サターニャ「元気になったらまた遊びに来てね」
ラフィ「また会いましょうね」
ヴィーネ「ばいばい」
サターニャ「……………………」
サターニャ「苦しいよぉ。辛いよぉ。お腹空いたよぉ……。ヴィネット……ラフィエル……ガヴリール……」ポロポロ
サターニャ「助けてヴィネットォ……」ポロポロ
ドタドタドタ
サターニャ「え?」
ガチャ
ヴィーネ「やっぱり心配だから戻ってきたわよっ!!」
サターニャ「ヴィネット……。あなたどれだけ世話好きな悪魔なのよ」
ヴィーネ「仕方がないでしょ、心配だったんだから」
サターニャ「でも、ヴィネットのそういう悪魔らしくない所私は好きよ」
ヴィーネ「何かして欲しい事はある?」
サターニャ「お腹空いたから何か作って」
ヴィーネ「おかゆ作ってあげるわね。ご飯炊いている間に何かして欲しい事はある?」
サターニャ「汗かいて気持ち悪いから身体拭いて」
ヴィーネ「分かったわ。おかゆ炊いてくるからちょっと待っててね」
ヴィーネ「炊いてきたわ、今拭いてあげるわね」
サターニャ「拭いて」
ヴィーネ「上半身から拭くから服脱がすわね」
サターニャ「うんっ」
パチ パチ パチ パチ パチ
ヴィーネ「拭くわよ」
サターニャ「うんっ」
ヴィーネ「気持ちいい?」ゴシゴシ
サターニャ「冷たくて気持ちいい」
ヴィーネ「良かった。よく拭いてほしい所はある?」
サターニャ「胸と脇お願い」
ヴィーネ「胸と脇ね。分かったわ」
サターニャ「気持ちいい。ずっと気持ち悪かったのよ」
ヴィーネ「拭き終わったら、着替え持って来てあげるからね」
サターニャ「ありがとう」
ヴィーネ「次は下半身ね」
サターニャ「こっちも冷たくて気持ちいい」
ヴィーネ「こっちもよく拭いてほしい所はある?」
サターニャ「太ももをお願い」
ヴィーネ「太ももね」
サターニャ「ベタベタがなくなっていくわ。気持ちいい」
ヴィーネ「はい、お終い。今着替え持って来るからね」
サターニャ「着替え終わって、お粥が炊けるまで手握っててくれる?」
ヴィーネ「分かったわ。サターニャは甘えん坊ね」
ピー
ヴィーネ「お粥炊けたわね」
サターニャ「梅干し乗せて、ふーふーして食べさせてね」
ヴィーネ「分かってるわよ、今持って来るからね」
サターニャ「わくわく。わくわく」
ヴィーネ「持ってきたわよ」
サターニャ「早く食べさせて」
ヴィーネ「慌てん坊ね。ふーふー。はい、あーん」
サターニャ「あーん」モグモグ
ヴィーネ「美味しい?」
サターニャ「美味しい」
ヴィーネ「ふーふー」
サターニャ「あーん」モグモグ
ヴィーネ「食欲はあるようね。良かった」
サターニャ「今まではなかったんだけど、ヴィネットに食べさせてもらったから出てきたのよ」
ヴィーネ「良かった。ふーふー」
サターニャ「あーん」モグモグ
ヴィーネ「食べ終わったわね、お薬飲みましょう」
サターニャ「お薬苦くて嫌い」
ヴィーネ「大丈夫よ、オブラートに包んで飲みやすくしてあげるわ」
サターニャ「飲みたいくない」
ヴィーネ「もうっ、どうしたら飲んでくれるの?」
サターニャ「ヴィネットが口移しとか…………?」
ヴィーネ「サターニャっ」
サターニャ「駄目……よね」
ヴィーネ「風邪のせいかしら、今日のサターニャは甘えん坊ね」
サターニャ「ヴィネットっ…………!!」
ヴィーネ「今日だけよ」パク
サターニャ「ん……」チュウ
ヴィーネ「んん……。れろれえ」チュウ
サターニャ「んんっ!」
ヴィーネ「ろ……。はい、喉の方に押し込んだわ。このお水と一緒に飲み込んで」
サターニャ「…………///」ゴクゴクゴクゴク
ヴィーネ「ちゃんとお薬飲めたわね。えらいえらい」
サターニャ「今日のヴィネット、すごく優しい。私、こんなに甘えていいのかしら?」
ヴィーネ「風邪の時くらい甘えていいのよ」ギュウ
サターニャ「ヴィネットっ///」
ヴィーネ「私はお皿洗ってくるわね、サターニャはテレビ見てて。洗い終わったら、またお手手繋ぎましょうね」
サターニャ「私、待ってるから」
サターニャ「ヴィネットォ」
ヴィーネ「なに?」
サターニャ「何か気持ち悪くなってきちゃった。トイレ行ってくるわ」フラフラ
ヴィーネ「大丈夫? 付き添ってあげるわ」
サターニャ「ありがとう……。うっ……うっ……オウェ」ピチャピチャピチャ
ヴィーネ「大変!!」
サターニャ「せっかくヴィネットに食べさせてもらったお粥が、お薬が。拭くもの、拭くもの」フラフラ
ヴィーネ「サターニャは口漱いでトイレ行ってきて。ここは私が片付けてあげるから」
サターニャ「せっかくヴィネットに食べさせてもらったのに」
ヴィーネ「いいのよ。吐いちゃったものは仕方がないでしょ。サターニャは早くトイレ行ってきなさい」
サターニャ「ヴィネット……」
ヴィーネ「大丈夫だった? まだ気持ち悪い?」
サターニャ「ヴィネットこそ。私が吐いた物気持ち悪かったでしょ?」
ヴィーネ「サターニャのだもの、全然気持ち悪くなんてないわ」
サターニャ「ねぇ、ヴィネット。ヴィネットはどうしてそんなに優しいの? 私が元気になったらどうやって恩返しすればいい?」
ヴィーネ「恩返しなんて考えなくていいわ。でもしいて言えば、他の人にも私に優しくされたように優しくしてあげて」
サターニャ「分かったわ。他の人にも優しくする」
ヴィーネ「偉い偉い」ナデナデ
サターニャ「ねぇ、ヴィネット。私眠くなってきちゃった。おてて握ってて」
ヴィーネ「分かったわ。おやすみサターニャ」
サターニャ「おやすみヴィネット」
サターニャの夢の中
ガヴ「実は私、サターニャのやけた匂いが好きだったんだ」メラメラ
サターニャ「ぎゃあ! ガヴリールやめて! 熱いっ!! 嫌あああああぁぁぁぁ!!!」
ラフィ「サターニャさん、私ずっとサターニャさんの足が綺麗で素敵だと思ってたんです。くれませんか?」ブウィィィィィン
サターニャ「あげられる分けないでしょ!! 止めて! チェーンソウをおろして!!」
タプリス「胡桃沢先輩、ババ抜きではよくも私を負かしてくれましたね。今度は私が胡桃沢先輩を負かす番です」バク
サターニャ「え? 何をする気なの? 私を食べないで!! 噛まないで!!」
ガヴ「いい匂いだなぁ」
ラフィ「サターニャさんの足を貰えたので残りはいりません」
タプリス「胡桃沢先輩、思ったよりおいしいですね」モグモグ
サターニャ「助けてヴィネット!!」
サターニャ「助けてヴィネットっ!! 夢……?」
ヴィーネ「zzz」コクンコクン
サターニャ「ヴィネット……。もう朝の5時じゃない。そんな時間まで手を握っててくれたなんて」
ヴィーネ「zzz」コクンコクン
サターニャ「横になって寝なさい。おやすみヴィネット」
ヴィーネ「昨日より元気になったんじゃない?」
サターニャ「そうね、これなら一人でも大丈夫みたい」
ヴィーネ「駄目よ、今日もまた看病してあげるからね」
サターニャ「今度は吐かないからもっと手の込んだものが食べたいわ」
ヴィーネ「そうねぇ……。焼うどん作ってあげるっ!」
サターニャ「焼うどん!? 食べる! 食べる!!」
ヴィーネ「本当に元気になったわね。なるべく早く帰ってくるから、身体を温かくして待ってるのよ」
サターニャ「分かったっ!」
数十日後
ガヴ「ううう……。頭痛い。間接痛い」
ヴィーネ「41度7分。インフルエンザね」
サターニャ「辛そう。大丈夫?」
ガヴ「相当悪いみたいだ。サターニャが優しくささやく幻聴が聞こえる……」
サターニャ「それどういう意味よ!! 私だって風邪ひいた人には優しくしてあげるのよ」
ガヴ「サターニャが優しい……。ここは天国か」
♪♪♪
ヴィーネ「あ、ガヴの携帯が鳴っているわ」
ガヴ「貸してくれ」
ヴィーネ「はい」
ガヴ「もしもし?」
タプリス『天真先輩、実は私今流行のインフルエンザというものになってしまったようです。一人では死んでしまいそうです。看病してもらえませんか』
ガヴ「残念だったな。私も今インフルだ」
タプリス『え!? では私は誰に看病してもらえばいいのでしょうか? 一人では死んでしまいそうです』
ガヴ「なら、看病慣れしてるヴィーネが」
サターニャ「私がするわっ!!」
ガヴ「え?」
サターニャ「ヴィネットにね、私と同じように困ってる人がいたら助けてあげてって言われたの。だから助けてあげるッ!!」
ガヴ「サターニャが看病してやるって言ってるんだが、どうする?」
タプリス『月乃瀬先輩に訊いてみてからでないと分かりませんね』
ガヴ「ヴィーネ、サターニャが看病したいって言ってるけどどうする?」
ヴィーネ「サターニャ……あなた優しい子になったのねっ」ウルウル
ガヴ「そうじゃなくてさ、サターニャ一人に二人分の看病できるのか、っていう話」
ヴィーネ「サターニャ一人だと心配ね、私がサポートするわ」
タプリス『天使と悪魔が一つ屋根の下に集まる。まるでシェアハウスですね』
ガヴ「とにかく看病頼む。死にそうだ」
タプリス『私もです。早く迎えに来てください』
サターニャ「私がまとめて看病してあげるわっ!」
ヴィーネ「うふふふふ。いい子に育って良かったわ」
完
天使悪魔だからええんか