ガヴリール宅
ピンポーン ドンドン
ガヴリール「誰だよ……ったく……」
ガチャッ
サターニャ「……」
ガヴリール「……うわサターニャかよ」
バタンッ
サターニャ「~~!!!」ドンドンドンッ
元スレ
サターニャ「……」 ガヴリール「サターニャが喋られなくなった」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1496841909/
ガチャッ
ガヴリール「あーうるせぇ!!なんだよ!!」
サターニャ「……」
ガヴリール「……黙ってないでなんか言えよ」
サターニャ「……」
ガヴリール「……つまんない嫌がらせに付き合うほど暇じゃないんだよ」
サターニャ「~~!!」ガシッ
ガヴリール「なんなんだよ!!」
サターニャ「……」ウルウル
ガヴリール(涙目……?)
ガヴリール「喋られないってことか?」
サターニャ「……」コクコク
ガヴリール「……まあ、とりあえず上がっていいぞ」
サターニャ「……」パァァァ
ガヴリール(……大方魔界通販関連だろうな)
サターニャ「……」アタフタ
ガヴリール「ほら、紙とペン貸してやるから何があったのか書いてみろ」
サターニャ「……」コクコク
サターニャ「……」カキカキ
「魔界通はんで買った薬を使ったらしゃべれなくなった」
ガヴリール(ああ……やっぱり)
ガヴリール「……ちなみにその薬は本当は何に使う予定だったんだ?」
サターニャ「……!」ギクッ
ガヴリール「……大方私がラフィエルに使おうとして自滅したってところか」
サターニャ「……」
ガヴリール「図星か」
サターニャ「……!!」カキカキ
「わるかったわね!!」
ガヴリール「そうだな。頭がな」
サターニャ「……!」ウガー
ガヴリール「声がないと何も迫力ないぞ」
サターニャ「……」カキカキカキッ
「うがー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガヴリール「!マークを多くすればいいというもんじゃないぞ」
サターニャ「……」カキカキ
「そんなことはどうでもいいの!」
ガヴリール「まあ、だろうな。で、なんで私の家に来たんだ」
サターニャ「……」カキカキ
「ラフィエルは危険だと思った。ヴィネットは怒ると怖いから」
ガヴリール「……私は?」
サターニャ「……」
ガヴリール「私は?」
サターニャ「……」
ガヴリール「なんだよ」
サターニャ「……」カキカキ
「本当に困ったときは助けてくれるから」
ガヴリール「……お前には私がそう見えてるのか」
サターニャ「……」コク
ガヴリール「……」
サターニャ「……」カキカキ
「おねがい」
ガヴリール「……めんどくさいな」
サターニャ「……」シュン
ガヴリール「……でも、放っておいたらもっとややこしくなりそうだしな」
サターニャ「……!」カキカキ
ガヴリール「ま、ちょっと気が向いただけだ。特に深い意味は」
「ありがとう」ニコッ
ガヴリール「……」
ガヴリール(サターニャが静かになっただけでこんなに印象変わるのか……)
ガヴリール(なんか……放っておけない)
サターニャ「……?」
ガヴリール「とりあえず……取説見せてくれ」
サターニャ「……」スッ
ガヴリール「どれ……」
ガヴリール(叫ぶと叫んだ文字が……コエカ○マリンじゃねえか!!)
ガヴリール(声がでなくなるなんて書いてないし……副作用か別の薬が入ってたってことか)
ガヴリール「お前なんでこれ買ったの」
サターニャ「……」カキカキ
「性動買い」
ガヴリール「そうか。ちなみに"衝動"な」
サターニャ「……」カキカキ
「難しそう?」
ガヴリール「まあ、そうだな……。解呪系の術もなくはないが聖属性の術を悪魔に掛けたらそれこそ副作用ありそうだしな……」
サターニャ「……」シュン
ガヴリール「……あー、でも安心しろ。こういう薬は永続するもんじゃないだろ」
ガヴリール「時間が経てばどうせ効果は切れるさ」
サターニャ「……」カキカキ
「ほんと?」
ガヴリール「使ったら二度と声がでなくなるような薬が市場にでるなんて流石にな」
ガヴリール「ちゃんと一定の基準を満たして販売が許されてるはずだ。流石の魔界もそのへんはズボラじゃないだろ」
サターニャ「……」カキカキ
「そうよねっ」
ガヴリール(……元気がある風に書いてるけど……顔は笑ってないな。やっぱり不安か……)
ガヴリール「じゃあ必ず治る方に賭ける。もし治らなかったら……責任取ってやる」
サターニャ「……」カキカキ
「せきにん?」
ガヴリール「まあ、なんだ。色々だよ。喋れないと一人じゃ生きにくいだろ?だから色々支えてやる」
サターニャ「……」カキカキ
「絶対よ?」
ガヴリール「……まあ、やることっつってもお前の事情を話してやることぐらいだろうけどな」
ガヴリール「骨折してるとか手足を失ってるとか、視力を失ったとかそういうのでもあるまいし」
サターニャ「……」カキカキ
「……でも結こう不便なんだから」
ガヴリール「まあ、家にいる間はなんとかなってるだろ」
サターニャ「……」カキカキ
サターニャ「……」
サターニャ「……」クシャッ
ガヴリール「なんて書いたんだ?」
サターニャ「……」カキカキ
「ただ字をまちがえただけよ」
ガヴリール「そうか」
サターニャ「……」カキカキ
「ガヴリールに話してちょっと安心した」
ガヴリール「そうか。ならよかった」
サターニャ「……」カキカキ
「じゃあそろそろかえるわ」
ガヴリール「ん。まあ、なにかあったらメールでもしてくれ」
サターニャ「……」コクッ
……
ガヴリール「さて、ネトゲ再開でもするか」
ガヴリール「……」カタカタ
ガヴリール(声が出なくなる、か)
ガヴリール(家にいる間は別に困ることはないが……でもまあなったらなったで確かに嫌だな)
ガヴリール(筆談とかめんどくさすぎるし)
ガヴリール(書くもの無いときは意思の疎通難しいし)
ガヴリール(それに実際治るかどうか不透明だし)
ガヴリール「……クソヒューマンが……ッ!横殴りとはいい度胸だな……!」
ガヴリール(……こういうのもできないのか)
ガヴリール(魔界通販が杜撰なせいで、もしかしたら本当に治らないかもしれないという可能性がある)
ガヴリール(ん……サターニャがさっき捨てた紙か)
ガヴリール(そういえばアイツ文字を間違えたとか言ってたけど……なんて書いてたんだ?)
「ひとりじゃ怖いからいっしょにい」
ガヴリール「……ったく」
サターニャ宅
サターニャ「……」
サターニャ「……」ゴロン
サターニャ「……」
ピンポーン
サターニャ「……!」
ピンポーンピンポーンピンポーン
サターニャ「……」
ガチャッ
ガヴリール「よっ」
サターニャ「……っ」アタフタ
ガヴリール「ほら、紙とペン」
サターニャ「……」カキカキ
「なにしにきたの」
ガヴリール「こんなものを拾いましてね」
「ひとりじゃ怖いからいっしょにい」
サターニャ「……っ!」
サターニャ「……」カキカキ
「そんなわけないから。声がでないぐらいで怖いとかないから」
ガヴリール「……」
サターニャ「……っ」カキカキ
「別に家で一人にいるぐらい平気に決まってるでしょ。誰かとしゃべるわけじゃないし。何かあってもメールでいいし」
ガヴリール「そういう問題じゃないんじゃないの」
サターニャ「……」
ガヴリール「不安なときに誰かに一緒にいて欲しいってのは別におかしいことじゃないと思うぞ」
サターニャ「……」カキカキ
サターニャ「……」
サターニャ「……」カキカキ
「私が声を出せないからって何かするつもりじゃ
そんなわけないか」
ガヴリール「お前は私をなんだと思ってるんだ」
サターニャ「……」カキカキ
「いじわるで口が悪くてぼう力的なやつ」
サターニャ「……」カキカキ
ガヴリール「……」
「でもいいやつ」
ガヴリール(なんだよ……サターニャらしくないじゃんか……)
ガヴリール(こんなん……見捨てられるわけないだろ)
ガヴリール「まあ、協力するみたいなこと言っちゃたし」
ガヴリール「それに……お前がそんなんだとなんか調子狂うんだよ」
サターニャ「……」カキカキ
「ありがとう」
ガヴリール「だからそれが調子狂うんだっての……」
サターニャ「……」モジモジ
ガヴリール「今更恥ずかしがってんじゃねぇ」
サターニャ「……」カキカキ
「じゃあ……いつも通りしょう負といきましょう」
ガヴリール「別にいつも勝負してたわけじゃ」
ガヴリール(……こいつそんなに勝負したかったのか。ちょっと悪いことしてたな……)
ガヴリール「……勝ちって漢字は書けないのに負けって漢字は書けるのな」
サターニャ「……!」カキカキ
「むきーっ!かくごしなさい!!」
ガヴリール(まだ微妙に無理をしてる感じがある気がする……まあ、仕方ないか)
ガヴリール「で、何で勝負するんだ」
サターニャ「……」カキカキ
ドンッ
「しょうぎ 再戦よ」
ガヴリール「いいぞ。またコテンパンにしてやる」
サターニャ「……」カキカキ
「そうはいかないから」
十分後
サターニャ「……」チャッ
ガヴリール「そうしたらこれで王が取れる」
サターニャ「……」チャッ
ガヴリール「そしたらこうやって……王が取れる」
サターニャ「~~!!」チャッ
ガヴリール「だからもう詰みだって」
サターニャ「……」カキカキ
「もういっかい!!」
ガヴリール「何度やっても同じだっての」
サターニャ「……」カキカキ
「次は負けないから!!」
ガヴリール「……やれやれ。その自信はどこから来るんだか……」
数十分後
サターニャ「……」カキカキ
「かった!!!」
ガヴリール「こっちは飛車角金銀落しだけどな」
サターニャ「……」カキカキ
「でもかちはかちよ」
ガヴリール「まあ……お前がそれでいいなら……いいんじゃないか」
ガヴリール「……でももう将棋は飽きた」
サターニャ「……」カキカキ
「トランプは?」
ガヴリール「何するんだ」
「大ふごうとかババ抜きとか」
ガヴリール(二人でやるゲームじゃないが……)
ガヴリール「別にいいけど」
数時間後
ガヴリール「疲れた……まさかテーブルゲームでここまで遊ぶとは」
サターニャ「……」カキカキ
「もうこんな時間」
ガヴリール「……飯にするか」
サターニャ「……」カキカキ
「帰らないの?」
ガヴリール「……帰ってほしいのか」
サターニャ「……」ブンブンブン
ガヴリール「ご飯どうするよ」
サターニャ「……」カキカキ
「私が作ってもいいわよ」
ガヴリール「いや、それはないわ」
サターニャ「……」カキカキ
「どういう意味よ!!」
ガヴリール「外で食うか」
某ファミレス
ガヴリール「何にするよ」
サターニャ「……」
サターニャ「……?」
サターニャ「……!」アタフタ
ガヴリール「もしかして紙忘れた?」
サターニャ「……」コクコクッ
ガヴリール「まあ、なんとかなるだろ。どれ食べたいか指差せ」
サターニャ「……」
ガヴリール(私も何にするか決めないと)
サターニャ「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」スッ
ガヴリール「ん……さわやかステーキか」
サターニャ「……スッ」
ガヴリール「で、Bセットな」
サターニャ「……」コクコク
ガヴリール「ドリンクとかデザートは?」
サターニャ「……」フルフル
ガヴリール「ん。じゃあ店員呼ぶぞ」
サターニャ「……」コクコク
ポーン
店員「お待たせしました。ご注文お伺いしますー」
ガヴリール「えっと、和風ハンバーグとAセットが一つずつ、セットはライスと珈琲で」
店員「はい」
ガヴリール「あとさわやかステーキとBセットが一つずつ……」
ガヴリール「あ、セットの中身何がいい?」
サターニャ「……」
ガヴリール「ライスかパンか」
サターニャ「……」スッ
ガヴリール「パンで」
店員「かしこまりましたー」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「な?意外となんとかなるもんだろ」
サターニャ「……」コク
ガヴリール(それにサターニャは表情が豊かだから何考えてるかわかりやすいし)
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「それにしてもさー……」
サターニャ「?」
ガヴリール「お前って黙ってたら結構かわいいのな」
サターニャ「っ!?」
ガヴリール「いや、かわいいというかかっこよさもある?」
サターニャ「……!///」
ガヴリール「普段の言動が勿体無いわ」
サターニャ「~~ッ」カァァ
ガヴリール(紙とペンがないからなにもできないって感じか)
ガヴリール(スマホで文字打てばいいのにな)
サターニャ「……」モジモジ
ガヴリール「顔真っ赤でかわいいかわいい」
サターニャ「……っ」プルプル
ガヴリール(面白いな)
ガヴリール「かわいいなー」
サターニャ「……」プイッ
ガヴリール「横顔もかわいい」
サターニャ「……っ!」ドンッ
ガヴリール「おこ顔もかわいい」
店員「お待たせしましたー」
店員(なんだこのバカップルは……)
店員「ではごゆっくりどうぞー」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「くそ、店員が来てたとは……」
サターニャ「……」
ガヴリール「まあ、あんなことは忘れて食べよう。な?」
サターニャ「……」コク
ガヴリール「うん……うまうま」
サターニャ「……」モグモグ
ガヴリール(ナイフとフォークの使い方上手いな……)
ガヴリール(普段は食べてるときもなんだかんだ雑談しながらだから気が付かなかった)
ガヴリール(こうしてみると……こいつ育ちよさそうだな……)
サターニャ「……?」
ガヴリール「そっちのも美味そうだな。一口交換しない?」
ガヴリール「ほら」スッ
サターニャ「……」
ガヴリール「だめ?」
サターニャ「……」パクッ
ガヴリール「そっちのも頂戴」
サターニャ「……」スッ
ガヴリール「ありがと」パクッ
ガヴリール「うん。うまいな」
サターニャ「……」
ガヴリール「……なんのつもりだって顔だな」
サターニャ「……」コク
ガヴリール「別に深い意味はないよ。そっちのも美味そうだなって思っただけ」
ガヴリール「そっちのほうが高いし」
サターニャ「……」ハァ
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「あ、そういえばさ」
サターニャ「……?」
ガヴリール「今日泊まろうと思うんだけどさ」
サターニャ「……」
ガヴリール「いい?」
サターニャ「……」コク
ガヴリール「まあなんて答えても無理やり居座るつもりだったけど」
サターニャ「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「あー食べた食べた」
サターニャ「……」
ガヴリール「そろそろ出るか」
サターニャ「……」コク
道中
サターニャ「……」
ガヴリール「そういえば、今日泊まろうと思ってるんだけどさ」
サターニャ「……」
ガヴリール「着替え忘れたんだよね」
サターニャ「!」
ガヴリール「あー大丈夫。サターニャの服借りるから」
サターニャ「……っ!?///」
ガヴリール「大きい分には構わないし」
サターニャ「……っ」
ガヴリール「嫌?」
サターニャ「……」ブンブン
ガヴリール「そうか。よかった」
サターニャ「……」
ガヴリール「一旦家に帰るのめんどくさいし」
サターニャ「……」
サターニャ宅
サターニャ「……」カキカキ
「ようやくこれで会話ができるわ」
ガヴリール「そんなに私とおしゃべりしたいのか」
サターニャ「……っ!」カキカキ
「ちがう!!私だけ何も言えなくて不公平だったから!!」
ガヴリール「別にスマホで文字打てばよかったと思うけど」
サターニャ「!」
サターニャ「……!」カキカキ
「はやくいいなさいよ!!!!」
ガヴリール「いや、気づいていてあえてそうしなかったのかと」
ガヴリール「サターニャなら気づいてると思ったからさー」
サターニャ「……」カキカキ
「それはそうと……さっきはよくも辱めてくれたわね」
ガヴリール「サターニャって辱めるって漢字書けるんだな」
サターニャ「……」カキカキ
「話をそらさないで!!」
ガヴリール「いつ辱めた?」
サターニャ「……」
サターニャ「……」カキカキ
「かわいいとか……」
ガヴリール「本心だよ。別に辱めようと思ったわけじゃない」
サターニャ「……」カキカキ
「そんなこと言って」
ガヴリール「本当にそう思っただけだしなー……あと仕草も育ちの良さを伺えたし……」
サターニャ「……」プルプル
サターニャ「……っ!」カキカキ
「あんただってかわいいわよ!!」
ガヴリール「ありがとう。サターニャにそう言われると嬉しいな」
サターニャ「……!!」カァァ
サターニャ「……」カキカキ
「そういうんじゃなくて!!!!!!」
ガヴリール(面白い)
ガヴリール「さてと……風呂はいるか」
サターニャ「……」カキカキ
「そうね」
ガヴリール「特別に背中を流せる権利を与えよう」
サターニャ「……」カキカキ
「いらない」
ガヴリール「そうか」
ガヴリール「んじゃあ家主だしサターニャから入りなよ」
サターニャ「……」カキカキ
「わかった。いたずらはしないこと」
ガヴリール「しないって」
サターニャ「……」カキカキ
「じゃあ入ってくる」
ガヴリール「ん」
ガヴリール「……おっ。これ見たかったんだよな。まさかサターニャの家にブルーレイであるとは……」
ガヴリール「見させていただきましょうかね」
ガヴリール「……」
ガヴリール「……」
コソコソ...
ガヴリール「ん……」チラ
サターニャ「……っ!」
ガヴリール「ブッ!!何裸でうろついてんの!?」
サターニャ「……!!」ブンブンブン
サターニャ「……」カキカキカキッ
「きがえわすれた!!!」
ガヴリール「……ああ、そういう」
サターニャ「……!」カキカキカキ
「声が出せなかったからどうしようもなかった!!」
ガヴリール「わかった、わかったから」
ガヴリール「……じゃあ、次は私が」
サターニャ「……!」
サターニャ「……」カキカキ
「その映画!!まだ見てなかったのに!!」
ガヴリール「……それは悪いことしたな。まあまだ途中だしあとで最初から一緒に見よう」
サターニャ「……」コク
ガヴリール「……」
ガヴリール(そういえばサターニャの家の風呂って初めてだな)
ガヴリール(結構広い。バランス釜じゃないし、正方形の浴槽じゃないし)
ガヴリール「……」
ガヴリール(シャンプーやボディソープもなんか高そうだ。石鹸置きもなんかオシャレだし……)
ガヴリール(うちと大違いだな……)
ガヴリール「……お、このシャンプーいい匂い」
ガヴリール「ボディソープも……」
ガヴリール「そういえばあいつ風呂上がり結構いい匂いだったしな」
ガヴリール「……こうしてみると、あいつって立派に女の子してるな」
ガヴリール「スポーツ馬鹿っていう印象しかなかったけど……」
ガヴリール「実はオシャレとかに気を遣う上に育ちもいい……」
ガヴリール「意外な一面だなー……」
ガヴリール「ふぅ……」
ガヴリール(バスタオルもきっと高いんだろうな。肌触りが違う)
ガヴリール「寝間着まで……。普段私はジャージとかTシャツで寝てたからなぁ」
ガヴリール「……」スンスン
ガヴリール(いい匂い……柔軟剤とかも使ってるんだろうな。私はアタックだけだぞ)
ガヴリール「……あがったぞ」
サターニャ「……!」カキカキ
「待ってたわよ!はやくみるわよ!!」
ガヴリール「ん」
ガヴリール「……いい話だな。感動的だな。実に有意義な時間を過ごせた……」
サターニャ「……」カキカキカキカキカキカキ
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
サターニャ「……」クシャッ
サターニャ「……」カキカキ
「いい……」
ガヴリール「うむ」
サターニャ「……」カキカキ
「そろそろねましょうか」
ガヴリール(まだ眠くないけど……)
ガヴリール「わかった」
サターニャ「……」カキカキ
「布団ないんだけど……」
ガヴリール「別にいいよ床で寝るの慣れてるし」
サターニャ「……」
サターニャ「……」カキカキ
「特別に同じベッドでねることを許すわ」
ガヴリール「どういう風の吹き回しだ?」
サターニャ「……」カキカキ
「私のパジャマがいたんじゃうでしょ」
ガヴリール「……そういうことなら」
サターニャ「……」カキカキ
「それにガヴリールは小さいからせまくならないし」
ガヴリール(とは言え……そこそこ狭いな)
サターニャ「……」
サターニャ「……」パクパク
サターニャ「……」
ガヴリール「何言おうとしてるかわかるぞ。……おやすみ、サターニャ」
サターニャ「……」コク
…………
……
翌日 学校
ガヴリール「……というわけだ」
サターニャ「……」コクコク
ヴィーネ「なんというか……」
ラフィエル「流石サターニャさんですね」
サターニャ「……」カキ...
サターニャ「……」クシャッ
ガヴリール「返事を書くのもめんどいみたいだ」
ラフィエル「ひどいですねー」
ガヴリール「とりあえず先生達には喉の炎症で喋るのが辛いって言っておいたけど」
ヴィーネ「色々不便よね」
サターニャ「……」カキカキ
「でも紙とペンがあるから大丈夫」
ラフィエル「私はサターニャさんの声が聞けなくて悲しいです……よよよ」
サターニャ「……」ジトー
ガヴリール「ついにペンを取るのすら面倒になったみたいだな」
ラフィエル「ひどいですねー」
ヴィーネ「うーん……今日買い物行く約束だけどどうしよう?」
サターニャ「……」カキカキ
「別に声がでないだけだから問題ないわよ」
ヴィーネ「そう?」
ガヴリール「まあ大丈夫だろ。私はスピーカーがほしいんだ」
ラフィエル「では予定はそのままで放課後駅前に集合ということで♪」
グラサン「ホームルーム始めるぞ」
ラフィエル「あ、では私は自分のクラスに戻りますね」
昼休み
一般モブA「なんか今日の胡桃沢……よくね」
一般モブB「いい……」
ガヴリール(いつもは廊下に立たされたりしてたけど……喋れないから大人しいまま)
ガヴリール(大人しくしていれば仕草もあって女の子らしさがでる……普段とのギャップが生じる)
ガヴリール(お前らが心を掴まれるのも無理はない)
サターニャ「……」カキカキ
「学食行きましょ」
ラフィエル「もしかしてメロンパンを犬に」
サターニャ「……」ジィ
ラフィエル「たしかに調子狂いますねー……」
放課後 駅前
ヴィーネ「遅い……」
ラフィエル「ガヴちゃんには10分くらい前の時間を教えるのもありかもしれませんね」
サターニャ「……」
サターニャ「……!」
サターニャ「……」アタフタ
ヴィーネ「サターニャ?どうしたの?」
ラフィエル「サターニャさん?」
サターニャ「……」アセアセ
ガヴリール「おまたせー」
ヴィーネ「ガヴ、遅い!」
ガヴリール「いーじゃん電車はすぐ来る」
ヴィーネ「そういう問題じゃ……」
サターニャ「……」アセアセ
ガヴリール「……もしかして紙忘れたのか?」
サターニャ「……」コクコク
ガヴリール「スマホ使えよ……」
サターニャ「……!!」
サターニャ「……」ポチポチ
「忘れてた!」
ガヴリール「昨日も言ったのに。流石サターニャだな」
サターニャ「……」ポチポチ
「なによ!!」
ヴィーネ「まあまあ」
某モール
ヴィーネ「そろそろ新しい服欲しいんだけどー」
ラフィエル「そういえば新しい服屋さん開きましたよね」
ヴィーネ「そう!そこいきたい!」
ガヴリール「いってらー」
ヴィーネ「えっガヴは見ないの?」
ガヴリール「服なんて2,3着あればいいでしょ。私はスピーカーが欲しいんだ」
ヴィーネ「そう……」
ガヴリール「ご飯食べるときには合流するから。じゃ」
サターニャ「……」
ヴィーネ「じゃあ私たちは私達で楽しみましょうか」
ラフィエル「ですね」
サターニャ「……」ポチポチ
「わかったわ」
ヴィーネ「例の服屋さんどこかしら」
ラフィエル「確かこっちだったかと……」
ヴィーネ「ねえねえ。ラフィはこういうの似合うんじゃない?」
ラフィエル「ちょっと色が派手な気も」
サターニャ「……」ポチポチ
「ラフィエルならなんでも似合うと思う」
ラフィエル「えっ///」
サターニャ「……」ポチポチ
「だからこれを奨めるわ」
ラフィエル「……こ、これは破廉恥すぎます!!」
ヴィーネ「でもサターニャって結構オシャレよね」
サターニャ「……」ポチポチ
「流行は常に調べてるの」
ラフィエル「サターニャさんのスナップショットが撮られる日も近そうですね!」
サターニャ「……」ポチポチ
「この街じゃ無理だと思う」
ラフィエル(そんな、マジな返答は求めてませんって……)
ラフィエル「次どこに行きましょう?」
ヴィーネ「そうねー……まだガヴは買い物終わってないみたいだし……ペットショップでもいかない?」
ラフィエル「わかりました~」
サターニャ「……」ポチポチ
「わかった」
ラフィエル「ペットショップは何階でしたっけ」
ヴィーネ「たしか2階だったかしら」
ラフィエル「わ~かわいいですね~」
ヴィーネ「はーっ……かわいい……。実は実家で魔獣の赤ちゃんを飼ってるんだけどその子もかわいくて」
ラフィエル「みたいですっ」
ヴィーネ「今度帰省した時に写真撮っておくわね」
サターニャ「……」
ラフィエル「ワンちゃんも可愛いですね~」
サターニャ「……」ポチポチ
「あの白い犬よりはマシね」
ラフィエル「いつかあの子を飼ったときのために玩具を買っておいては?」
サターニャ「……」ポチポチ
「そんなときは来ない」
フッ...
サターニャ「……!」
ラフィエル「ん、どうしたんですか?」
サターニャ「……」フルフル
ラフィエル「?」
ヴィーネ「はーっ……かわいい……にゃーにゃー?」
ラフィエル「ヴィーネさん」
ヴィーネ「に゛ゃっ!?」
ラフィエル「あ、これは黙ってたほうがよかったですかね……♪」
ヴィーネ「う、うー……またラフィエルに恥ずかしいところを見られちゃった……!」
ラフィエル「まあ猫ちゃんは可愛いですからね」
ヴィーネ「そうよねっ!」
サターニャ「……」アセアセ
ヴィーネ「ふー堪能したわ……♪」
ラフィエル「可愛かったですね~次はどうしましょう?」
ヴィーネ「ガヴから連絡は着てないし……他のお店に寄ってもいい?」
ラフィエル「私は構いませんよ。サターニャさんはどうですか?」
サターニャ「……」コクコク
ヴィーネ「いいってこと?」
サターニャ「……」コクッ
ヴィーネ「じゃあ行きましょっ」
ヴィーネ「最近お菓子作りにハマってて」
ラフィエル「なるほど」
ヴィーネ「それで新しい量りが欲しくなったんだけど……」
ラフィエル「ふむふむ。では今度一緒に作りませんか?タプちゃんも近々下界に来るみたいですし」
ヴィーネ「いいわねっ」
サターニャ「……」
ヴィーネ「サターニャはどう?」
サターニャ「……」コクコク
ヴィーネ「えっと、いいってことでいい?」
サターニャ「……」コク
ラフィエル「でしたらガヴちゃんも呼んでみんなでお菓子作りなんていうのもいいかもしれませんね」
ヴィーネ「たしかにっ」
サターニャ「……」
ヴィーネ「サターニャ……大丈夫?」
サターニャ「……」コクコク
ラフィエル「それならいいんですが……」
ヴィーネ「あ、ガヴから連絡きたわ」
ラフィエル「では合流しましょうか」
サターニャ「……」ホッ
ヴィーネ(安心してる……?ま、まさか……サターニャはガヴと一緒にいたかった……!?)
ラフィエル(ガヴちゃんと合流するとなった途端に元気に……これは……!)
ヴィーネ「……」ニコニコ
ラフィエル「……」ニコニコ
サターニャ「?」
ガヴリール「よっ」
ヴィーネ「いっぱい買ったわねー……」
ガヴリール「まあね」
サターニャ「……!」アセアセ
ガヴリール「ああ……スマホの充電がなくなったのか」
サターニャ「……」コクコク
ガヴリール「まあなんとかなるだろ」
サターニャ「……!!」
ガヴリール「いや、私のスマホは貸さんぞ」
サターニャ「……!」ガシッ
ガヴリール「いや、ロックとかしてるしさ」
ヴィーネ「ガヴ……サターニャの言いたいことわかるの?」
ガヴリール「……なんとなく」
ラフィエル「なるほど……以心伝心ということですね……!」
ガヴリール「いや、そんなんじゃ……サターニャの顔に書いてるから」
ヴィーネ「……」ニヤニヤ
ラフィエル「……」ニヤニヤ
ガヴリール「その顔やめろ」
某フードコート
ガヴリール「ハンバーガー食べるってJKっぽいな」
ヴィーネ「ラフィがこういうファストフードってなんか新鮮かも」
ラフィエル「そうですか?」
サターニャ「……」コクコク
ラフィエル「そうですか~?私も華のJKですからね~?」
ガヴリール「ラフィエルの口に合えばいいが」
ラフィエル「あの、私なか卯とか行きますからね」
ガヴリール「サターニャは何にするんだ?」
サターニャ「……」
ヴィーネ「私は……ワッパーで」
ラフィエル「私は……キングボックス、ビーフでドリンクはカルピスでお願いします」
ガヴリール「……」
ラフィエル「な、なんですか。悪いですか?」
ガヴリール「いや、いっぱい食うから胸も……」
ラフィエル「関係ないですからっ!」
ガヴリール「サターニャはどうする?」
サターニャ「……」ジィ
ガヴリール「サターニャも同じのにするか?」
サターニャ「……」コクコク
ガヴリール「肉とドリンクは?」
サターニャ「……」スッ
ガヴリール「チーズにコーラな」
ガヴリール「えっと、キングボックス、チーズバーガーとドリンクはコーラで。あと私はワッパーチーズで」
ガヴリール「……ラフィエルがハンバーガーかぁ」
ヴィーネ「すごい絵面」
ラフィエル「あの、私はどういう風に思われてるんでしょうか……?」
ガヴリール「ほらお嬢様だからさー」
ラフィエル「心外ですよっ」
バクゥッ
ガヴリール「すげ」
ヴィーネ「豪快……」
ラフィエル「は、ハンバーガーってこう食べるものですよねっ!?」カァァ
ガヴリール「ラフィエルが口を大きく開けてるところが新鮮で」
サターニャ「……」クイックイッ
ガヴリール「ん、なるほど。よし、ラフィ!写真撮るからもう一度……」
ラフィエル「ガヴちゃん!!」
ヴィーネ「怒られちゃったわね」
ラフィエル「ヴィーネさんもですよっ!」
ガヴリール「まあまあ」
サターニャ「……」キュップイ
ガヴリール「意外とハンバーガーで腹膨れるな」
ラフィエル「ですね」
ヴィーネ「まあ、ラフィとサターニャはそれだけ食べればね」
ガヴリール「んじゃあもう暗くなるし帰るか」
ラフィエル「はーい」
ヴィーネ「わかったわ」
道中
ヴィーネ「それにしてもガヴはすごいわね」
ガヴリール「なにが?」
ヴィーネ「筆談なしでサターニャが何を言ってるのかわかってるみたいで」
ガヴリール「別にそこまでじゃないって」
ラフィエル「うふふ、何か波長があっているからかもしれませんね」
サターニャ「……」テレテレ
ガヴリール「だからそこまでじゃ……」
サターニャ「……」ジッ
ガヴリール「……う」
サターニャ「……」
ガヴリール「……///」
サターニャ「……///」
ヴィーネ(ふ、二人だけの世界……!!)
ラフィエル(なるほど……言葉は不要、ということですか……!!)
ヴィーネ「あっ!私ちょっと個人的な用事が」
ラフィエル「!わ、私も!なのでこの辺で失礼しますね!」
ガヴリール「別に付き合ってもいいけど」
サターニャ「……」コクコク
ヴィーネ「いやっラフィとは別の用事だしっ!」
ラフィエル「そうですそうですっ!なのであとはお二人でごゆっくり……♪」
ヴィーネ「そうそうっ♪」
ガヴリール「そうか」
ガヴリール(千里眼対策しておくか)
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「……今日もサターニャの家に泊まっていい?」
サターニャ「……」コクッ
ガヴリール「……デザートある?」
サターニャ「……」フルフル
ガヴリール「じゃあコンビニ寄るか」
サターニャ「……」コク
某コンビニ
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
ガヴリール「文房具?別に家に帰ったらあるんだし買う必要ないだろ」
サターニャ「……」カキカキ
ガヴリール(試し書きのところに……)
「今日はうれしかった」
ガヴリール「嬉しい……?」
サターニャ「……」コク
サターニャ「……」カキカキ
「私の事すぐわかってもらえる」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」カキカキ
「それがうれしかった」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」カキカキ
「本当は直接言いたい。でも」
サターニャ「ありがとう……」ボソッ
サターニャ「……」カキカキ
「言えな」
サターニャ「言えた!?」
ガヴリール「っ!」ビクッ
サターニャ「すぅぅぅぅぅぅっ……!!」
サターニャ「あ・え・い・う・え・お・あお!!」
サターニャ「声でたっ!!やっと……やっと……」
ガヴリール「はぁ……よかった」
サターニャ「うんっ……」
ガヴリール「1日経っても駄目だったからまさかと思ったけど……」
サターニャ「はぁ……声がでるのって気持ちいい……」
ガヴリール「サターニャの声、こうだったな」
サターニャ「これで本調子に戻れるわ……」
サターニャ「今まで騒げなかった分、今から騒ぐわよ!!」
サターニャ「ガヴリール!カラオケに行くわよ!!」
ガヴリール「高校生じゃ今から言っても1時間しか歌えないぞ」
サターニャ「……そうね」
ガヴリール「ま、カラオケじゃなくても家で騒げばいいだろ。隣に少し迷惑かけたほうが悪魔的だしさ」
ガヴリール「それに声は出るようになったけど、別に泊まってもいいでしょ?」
サターニャ「……ええっ!」
ガヴリール「副作用もなさそうだな」
サターニャ宅
サターニャ「ただいまー」
ガヴリール「邪魔するぞー」
ガヴリール「ってことでせっかく声がでるようになったことだし遊ぶか」
サターニャ「ええっ」
ガヴリール「なんでもいいぞ。私の全勝だろうけど」
サターニャ「なにをぅ!!じゃあまずは……!!」
……………
……
ガヴリール「そろそろ寝るか……」
サターニャ「そうね……ふぁぁ……」
ガヴリール「……そういえばこの筆談帳はもういらなくなるのか」
サターニャ「そうねー……でも」
ガヴリール「ん……そうだな」
サターニャ「捨てるのは……ちょっと寂しいわよね」
ガヴリール「……ちょっとした思い出だからな」
サターニャ「サタニキアボックスにしまっておきましょう」
ガヴリール「なんだよそれ」
サターニャ「私の宝箱っ!」
ガヴリール「……そうか。そうだな、それがいい」
サターニャ「……また一緒の布団で寝る?」
ガヴリール「……そうする」
ガヴリール(明日になれば私たちはいつもの毎日に戻るけれど、きっと前とは違って見える)
ガヴリール(あのメモ帳に残されたサターニャの言葉が消えるわけではない)
ガヴリール(その中には……今までは見えなかったサターニャの一面が詰まっている)
ガヴリール(いつもの毎日から乖離された時間の中でそれを知ったから)
ガヴリール「おやすみ、サターニャ……」
サターニャ「おやすみ、ガヴリール……」
END