ラフィエルの夢
ラフィエル「なんだか薄暗いところですねー……」
ゲコッ
ラフィエル「ひぇ……か、蛙……」
ゲコッ
ラフィエル「こっちにも……」
ゲコッ
ラフィエル「あ、あれ……か、囲まれてます……!?」
元スレ
ラフィエル「まさかこの歳になっておねしょをしてしまうなんて……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495736378/
ゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ...
ラフィエル「ひぃっ!?蛙が二足歩行してます!?」
ラフィエル「いやっ……来ないで……来ないでください……!!」
ラフィエル「ひぃぃぃぃいいっ!?たすけっ誰か助けてっ!!嫌あああああああああ!!!!」
――――――――――
ラフィエル「あああああああああああああっ!!!!!」ガバッ
ラフィエル「ああああ……あ?ゆ、夢……あぁ……よかっ……た?」
グッショリ
ラフィエル「」
ラフィエル「いや、ウソです。うそうそうそ」
ラフィエル「この歳になってまでそんなのありえないです」
ラフィエル「ありえな……」チラッ
グッショリ
ラフィエル「……うぅ」
ラフィエル「まさかこの歳になっておねしょをしてしまうなんて……」
登校中
ラフィエル(今日は最悪の一日になりますねー……)ゲッソリ
ラフィエル(もうサラちゃんですらおねしょしなくなったというのに……)
サターニャ「今日という今日はこのメロンパンは……あっ!?ら、ラフィエル!?」
ラフィエル(はぁ……帰る頃には乾いてますかねー……)
サターニャ「あ、れ?ラフィエル?」
ラフィエル「……あ、サターニャさん」
サターニャ「どうしたのよなんか元気ないけど……」
ラフィエル「いえ……ちょっと悪い夢を見てしまいまして……」
サターニャ「そうなの?なんか調子狂うわね」
ラフィエル「ごめんなさい今日は導る余裕がなくて……」
サターニャ「いや別にいじらなくていいんだけど……」
ゲコッ
ラフィエル「ひぃいっ!?」
サターニャ「あら蛙」
ラフィエル「助けてくださいサターニャさん……お願いしますぅ……」プルプル
サターニャ「そういえば帰る苦手だったわね……」
サターニャ「ほら、どっか行きなさい」
ゲロゲロリ
ラフィエル「あ、ありがとうございます……」
サターニャ「ふふん。もっと感謝してもいいのよ」
ラフィエル(まさか蛙のせいでおもらししたなんて……)
学校
ラフィエル「おはようございますー……」
ヴィーネ「おはよう。ラフィ、サターニャ……ってラフィどうしたの?」
ラフィエル「ちょっと悪夢を見てしまいまして……」
ヴィーネ「珍しいわね……ラフィが弱ってるなんて」
ラフィエル(ただの悪夢ならいいんですけどね……まさかそれでおもらししてしまうとは、ですよ)
ガヴリール「家の中に蛙でもでたか?」
ラフィエル「……」
ガヴリール「え。あたり?」
ラフィエル「まあ……5割くらいは……」
ラフィエル(結局授業も今日は頭に入ってきませんでした)
ラフィエル(まあ、それだけショックなんですよね)
ラフィエル(だってもう高校生ですよ。そんな私がおねしょ……)
ラフィエル(はぁ……こんなこと誰かに知られたりしたらもう……死んでしまうかもしれませんね……)
ラフィエル(みなさん心配してくれますが……訳を話すことなどできるはずもなく……)
ラフィエル(心が痛みます……違うベクトルでも……)
体育
サターニャ「今日はラフィエルのクラスとバレーの試合ね!覚悟しなさいラフィエル!」
サターニャ「このサタニキア様が完封勝利してやるわ!」
ラフィエル(元気ですねサターニャさん……うぅーあんなことがなければ今日の試合も楽しめたと思うんですが……)
ラフィエル(うぅ。まさか午後の授業まで引きずることになるとは……)
サターニャ「いくわよっ!ウルトラサタニキアエクストラメテオリックスパイクッ!!!!!」
ヴィーネ「ラフィ!前!前!」
ラフィエル「へ―――?」
ドゴォッ
ラフィエル「……」ポタポタ
ヴィーネ「だ、大丈夫!?」
ガヴリール「綺麗な顔面レシーブ」
ヴィーネ「そんなこと言ってる場合か!!」
サターニャ「あ、あわわわわ……」
ラフィエル(完全に上の空でした……)
サターニャ「ご、ごめんラフィエル……」
ラフィエル「いえ……余計なこと考えていた私が悪いので……」ポタポタ
サターニャ「そ、その……保健室に……」
ラフィエル「ええ……私は大丈夫ですのでサターニャさんは試合の続きをしていてください……」
サターニャ「で、でも」
ラフィエル「うちのクラスの保健委員の人に連れて行ってもらいますので~……」ポタポタ
ヴィーネ「大丈夫かしら……」
ガヴリール「かなり心配になってきたぞ……」
保健室
ラフィエル(はぁ……今日はさんざんですね……)
ラフィエル(鼻血は……もう止まりましたか)
ラフィエル(まったく……サターニャさんのスパイクは強烈すぎますよ)
ラフィエル(今度お返ししないとですね……)
ラフィエル(……)
ラフィエル(これ、私寝ないように意識してますね……)
ラフィエル(それだけトラウマってことですか……)
ラフィエル(またあの悪夢を見ておねしょしてしまうことが怖いんですね……)
ガララッ
サターニャ「ラフィエル!」
ラフィエル「あらサターニャさん。それに皆さん」
ヴィーネ「その、怪我大丈夫?」
ラフィエル「はい。ご心配なく~」
ガヴリール「他にも心配な事は山ほどある。どうしたんだ?」
ラフィエル「どうした、とは?」
ガヴリール「とぼけるなよ。明らかに今日不調だったろ。なにがあったんだ?」
ラフィエル(おねしょしてしまいました。なんて言えるわけないじゃないですかー)
ラフィエル「ちょっと怖い夢を見てしまって~……」
ガヴリール「夢ねぇ……」
ラフィエル「ほんとそれだけなので~……」
ガヴリール「……そうか」
ヴィーネ「何か力になれそうなことがあったらなんでも言ってね?」
ラフィエル「はい。その時はぜひお願いします」
ラフィエル(心が痛みますよー……)
帰宅後
ラフィエル「さて……寝る前にお手洗いにいきましたし……」
ラフィエル「寝る1時間前は水分も取ってません」
ラフィエル「これで大丈夫でしょうっ」
ラフィエル「いざ……就寝ですっ!」
ラフィエル「……」
ラフィエル「…………」
ラフィエル(なかなか寝付けないですね。やはり寝るのが怖いのか……)
ラフィエル(こういうときは……なにかを数えるって言ってましたよね……)
ラフィエル(ええと……)
ラフィエル(たしか動物……)
ラフィエル「サターニャさんが一人……サターニャさんが二人……サターニャさんが三人……」
ラフィエル「サターニャさんが……zzz」
翌朝
ラフィエル「……」
グッショリ
ラフィエル「うぅっ……ひっぐ……ひっぐ……」ヒッグヒッグヒッグス
ラフィエル「なんで……どうしてですかぁ……」
ラフィエル「これはっ……何か蛙の悪霊に取り憑かれているとしかっ……」
ラフィエル「私……なにか罰でも当たったんでしょうか……」ポロポロ
学校
ラフィエル「おはようございますー……」
サターニャ「ラフィエル……」
ラフィエル「あー……今日も悪い夢を見てしまっただけですのでご心配なく……」
サターニャ(そんなこと言われても無理に決まってるでしょ……)
ラフィエル(今日もまた悪夢を見てしまうのでしょうか……)
ラフィエル(気が滅入りますね……)
昼休み
ヴィーネ「今日はラフィこっちの教室に来ないわね……」
ガヴリール「やっぱりなにかあったんだろうな……」
サターニャ「何があったのかしら……」
ガヴリール「悪い夢を見たとは言ってたけど……」
サターニャ「……」
ヴィーネ「悪夢ねー……」
ガヴリール「でも悪夢だけならもっと詳しく話してくれてもいいと思うんだ。なにか言えないことがあるんじゃ……」
サターニャ「……」
就寝前
ラフィエル「サターニャさんが一人……サターニャさんが二人……サターニャさんが三人……」
ラフィエル(今日は悪夢を見ませんように……お願いします……主よ……)
ラフィエル(どうか私に安らぎを……ってこれじゃ私死んじゃうみたいじゃないですか)
ラフィエル(安眠を……お願いします……お願いします……)
ラフィエル(今日は昨日より水の摂取を更に減らしたんですから――)
ラフィエル(どうか……)
…………
……
翌朝
ラフィエル「……」
グッショリ
ラフィエル「そんな……」
ラフィエル「どうして……どうしてっ……」
ラフィエル「3日連続でおねしょなんてっ……どうかしてますっ……こんなっ……」
ラフィエル「はぁ……なんだか布団の処理にも慣れてきましたね……」
ラフィエル「複雑な気持ちですが――」
ガラッ
ラフィエル「!?」
サターニャ「ラフィエル!!」
ラフィエル「なっ……机から……」
サターニャ「さあ、なにがあったのか白状……」
お布団「グッショリ...」
ラフィエル「あっ……」
サターニャ「……え?」
ラフィエル「うっ……うぅぅぅぅ……!!」
ラフィエル「サターニャさんのっ……ばかぁ……!!」ポロポロ
ラフィエル「ひっぐ……えっぐ……」
サターニャ「そ、その……つまり怖い夢を見続けて……その度に……ってことね……?」
ラフィエル「は゛い゛……」
サターニャ「……ごめんなさい。今までラフィエルの気持ち考えてあげられなくて……」
サターニャ「確かにこれじゃ秘密にしたくなるわよね……」
ラフィエル「絶対にお二人には言わないでくださいね……」
サターニャ「言わないっ絶対に言わないわ!」
ラフィエル「本当はサターニャさんにも知られたくなかったんです……」
サターニャ「そう、よね……」
ラフィエル「ですが……ちょっと安心したかもしれません……」
サターニャ「え?」
ラフィエル「その、今までの関係が崩れてしまうのかと思っていたので……」
ラフィエル「高校生になっておねしょしてしまうなんて……友達やめられるかと……」
サターニャ「馬鹿ね……そんなわけないでしょ」ナデナデ
ラフィエル「サターニャさん……」
サターニャ「秘密を知っちゃった以上もう放って置けないわ」
サターニャ「これからは思う存分私を頼りなさい」ナデナデ
ラフィエル「いいんですか……?いつも、いつもサターニャさんにはひどいことをしてるのに……」
サターニャ「あの程度で私をどうこうできると思ってるの?あまり未来の大悪魔を甘く見ないでもらいたいものね」
ラフィエル「サターニャさん……」
学校
ラフィエル(なんだか……サターニャさんに心の中を全て吐き出したらすっきりしました)
ヴィーネ「おはよう、ラフィ」
ガヴリール「ちょっと顔色良くなったな」
ラフィエル「はい」
ヴィーネ「よかった……」
ガヴリール「最近のラフィエルを見てると調子狂っちゃうからな」
ラフィエル(ですが……まだ全部解決したわけじゃないんですよね……)
ラフィエル(そう……サターニャさんに全てを話しただけで悪夢とおねしょの問題が解決したとは限らない)
ラフィエル(もしかしたらまた今夜おねしょしてしまうかもしれない……)
ラフィエル(そう考えると……)
ギュッ
サターニャ「安心しなさい。私がついてるから」
ラフィエル(サターニャ……さん……っ)
放課後
サターニャ「ねえラフィエル。今日家に泊まってもいいかしら」
ラフィエル「家に、ですか?」
サターニャ「ええ。怖い夢が原因なら一人で寝なければいいのよ!」
ラフィエル「そういう問題では……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「そうですね……わかりました。お願いしても……いいですか?」
サターニャ「じゃあ着替えとか諸々もってラフィエルの家にいくわね!」
ラフィエル「はいっ」
ラフィエル宅
ラフィエル(サターニャさんとお泊り……)
ラフィエル(そういえば私がサターニャさんの家に勝手に上がり込んだことはありましたが)
ラフィエル(サターニャさん自ら私の家に、それもお泊りしに来てくれたのは初めてですね)
ラフィエル(なんだか……うれしいです)
ピンポーン
サターニャ「待たせたわね!」
ラフィエル「いえいえ。どうぞどうぞ~っ」
ラフィエル(サターニャさんとのお泊りは……とても心が満たされます。悪夢とトラウマによって荒んだ心が癒やされていきました)
ラフィエル(サターニャさんと一緒に宿題を済ませ、サターニャさんと一緒に晩御飯をつくり、一緒に食べ……)
ラフィエル(そしてサターニャさんと一緒にお風呂にはいり……)
ラフィエル(普段は見せないような姿をいっぱい見ることができました)
ラフィエル(悪魔なのに……本当は優しい素敵な一面も……)
ラフィエル(さて……問題の時間がやってきましたね……)
ラフィエル(ちょっとまだ、怖いです)
ラフィエル「あ、あの。一緒のベッドは」
サターニャ「なによ。あんただってこの前私のベッドに入り込んだじゃない」
ラフィエル「ええと、私おねしょしちゃうかもしれないので……」
サターニャ「大丈夫」
ラフィエル「ええ……」
サターニャ「悪夢なんて私が蹴散らしてあげるから」
ラフィエル「……」
ラフィエル(何を言ってるんですか、といいそうになりましたが……)
ラフィエル(不思議と……この表情を見ていると……本当に私を救ってくれそうな気がします)
ラフィエル(……頼っちゃっていいんですよね。サターニャさん……)ギュッ
ラフィエルの夢の中
ラフィエル「……またこの薄暗い空間」
ラフィエル「私はまた……この世界で……」
ゲコッ ゲコッ
ゲーロゲロゲロ
ラフィエル「ひぃっ……!」
ラフィエル「ま、またっ……」
ゲロゲロリ
ゲロッゲロッゲロッ タカラカニー
ラフィエル(またっ……やっぱり……またっ……!!)
ラフィエル(助けてっ……助けてっ……!)
ラフィエル(サターニャさんっ……!)
「そこをどきなさいボケガエル共ッ!」
ラフィエル「……!」
ゲロォッ!?
サターニャ「天使を屈服させるのは大悪魔サタニキア様の特権よ!」
ラフィエル「サターニャさん……!」
ラフィエル(あなたは……私の脳が作り出した夢の世界のサターニャさん?)
テッタイデアリマス!
サターニャ「なーっはっはっはっ!悪夢も大したことないわね!」
ラフィエル(それとも――――)
…………
……
翌朝
ラフィエル「……」
サターニャ「……zzz」
ラフィエル「……濡れてない」
ラフィエル「サターニャさん……本当に私を悪夢から救ってくれたんですね……」
サターニャ「んん……zzz」
ラフィエル「可愛らしい寝顔……ですが、夢の中のサターニャさんは……とてもかっこよかったですよ」
ラフィエル「……惚れてしまうじゃないですかーっ!」
学校
サターニャ「おはよう」
ラフィエル「おはようございます~///」
ヴィーネ「おはようサターニャ、ラフィ。今日は調子よさそうね!」
ガヴリール「昨日まで顔色悪かったのに今日は逆に良すぎないか?」
ラフィエル「そっ、そんなことないですよぉ~?」
サターニャ「ふふん。私がラフィエルを悪夢の呪縛から解放してやったのよ」
ガヴリール「ふーん……?」
ラフィエル「……///」
ガヴリール「ある意味また別の呪縛に囚われたかもしれないな」クスクス
END
~後日談~
ラフィエル「……」ゲッソリ
サターニャ「ら、ラフィエル……?」
ラフィエル「また……おねしょしてしまいました……」
サターニャ「ええ……」
ラフィエル「……お願いします」
サターニャ「え?」
ラフィエル「これからも私と一緒に寝てくれませんか……」モジモジ
サターニャ「あー……んー……じゃあもう……ルームシェアしちゃう……?」
今度こそEND