ガヴリール「1年前の今日、初めて出会ったときの私は本当に偽りの私だったんだ」
ヴィーネ「優等生だった頃のガヴが偽りだってのはわかったわよ」
ガヴリール「そうじゃない……そうじゃないだ」
ガヴリール「あの日の私はラフィエルにエイプリルフールをしかけるつもりだったんだ」
元スレ
ガヴリール「すまないヴィーネ。あの私はエイプリルフールだったんだ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1491035865/
―――1年前の4月1日
ガヴリール「今日はエイプリルフールというイベントらしい」
ガヴリール「ここはラフィエルのやつに高校デビューで優等生になるって嘘をしかけてやろう」
ガヴリール「準備万端だラフィエルのところへ行くぞ」
ヴィーネ「多分このへんだと思うんだけど……」
ガヴリール(なんだか道に迷ってるやつがいるぞ)
ガヴリール(いきなりラフィエルに試すのはボロが出るかもしれないから練習相手になってもらうか)
ガヴリール「あのー、何かお困りですか?」
ヴィーネ「あっ……すっごい可愛い子」ボソッ
ガヴリール(おっし見た目は問題なさそうだ)
ヴィーネ「実は少し道に迷っちゃったみたいで……」
ガヴリール「それは大変ですね。もし迷惑でなければ私も探すのをお手伝いさせてもらえませんか?」
――――――
ガヴリール(つい流れで道案内を買って出てしまった)
ガヴリール「ちなみになぜ引っ越してこられたのですか?」
ヴィーネ「春から通う高校がこの近くなので」
ガヴリール「偶然ですね! 私もです! ちなみに舞天高校ってところで」
ヴィーネ「同じ高校!」
ガヴリール「今日出会えたのはきっと運命です! 神様が私たちを引き合わせてくれたに違いありませんね!」
ヴィーネのアパート前
ガヴリール「ちゃんと着いてよかったです」
ヴィーネ「本当に助かりました。これからの学校生活、お互い充実したものになるといいですね」
ガヴリール「ええ。そうですね」
ガヴリール(本当はぐーたらしたりこちらの娯楽を堪能するつもりなんて言えないな)
ガヴリール「あの!」
ガヴリール「実は私もここに引っ越してきたばかりで友達がいなくて」
ガヴリール「私と……友達になってくれませんか?」
ガヴリール(友達がいないというのは嘘だ。ラフィエルがいる)
ガヴリール(でも友達になってほしいのはそれこそ神に誓って本当だ)
――――――
ガヴリール「こうして偽りの私とヴィーネは友達になった」
ガヴリール「その日からヴィーネの幻想に合わせた優等生の私を演じ続けた」
ガヴリール「せっかくできた友達に嫌われたくない一心で」
ガヴリール「でもそれも長くは続かなかった……」
ガヴリール「元から駄天使だった私が頑張ったところで1ヶ月と経たずに元の私になってしまった」
ガヴリール「でもヴィーネはそんな私を見捨てずにずっと友達でいてくれて」
ガヴリール「優等生だった私に戻そうと日々世話を焼いてくれた」
ガヴリール「ずっと言い出せなかったんだ。優等生の私に戻ることを願ってるヴィーネには」
ガヴリール「すまなかったヴィーネ……許してほしい」
ヴィーネ「ガヴ……そういうことだったのね」
ヴィーネ「ガヴが最初から駄天使だろうがいまさら友達やめたりしないわよ」
ガヴリール「ヴィーネぇ……」
ガヴリール(してやったり!)
ガヴリール(これでヴィーネは私に口うるさく言わなくなるはず!)
ガヴリール(姉ちゃんを退けた今の私にはヴィーネおかんを騙すことなんて造作もない!)
ヴィーネ「ガヴがそこまで悩んでくれてたなんて……」
ヴィーネ「こうなったら私も本気出さないとね!」
ガヴリール「ん?」
ヴィーネ「ガヴが私のために優等生になろうとしてくれてたんだから」
ヴィーネ「これからはつきっきりでまっとうな生活を送らせてあげるわね!」
ガヴリール「は?」
ガヴリール「ヴィーネさん? 何もそこまですることはないと思うんですよ」
ヴィーネ「ダメよ、普段の生活から変えていかないと立派な天使になれないわよ」
ヴィーネ「もちろんゲームの時間もしっかり管理するからね」ニッコリ
ガヴリール「どうして……どうしてこうなったー!」
終
36 : 以下、\... - 2017/04/01 19:50:10.302 w4Fpho8cK.net 12/12おまけでラフィエルにエイプリルフールしかけて一瞬で見抜かれてるネタやろうとしてたのに気づいたら全部嘘になってた