1 : 以下、名... - 2017/05/03 13:16:58.55 bGKhngeS0 1/82

ほのぼの百合百合しいバスの最後尾に私は座っていた。

いつも通りいちゃいちゃする3組+私+運転手――あれ。

何か、毛色の違う人が。

誰や、あんたと思ったら――。

何と、小学生からの付き合いのヤンキーちゃんだ。

バスに乗って帰るなんて珍しい。

私は、肩までの金髪ヘッドをぽんぽんと叩く。

どうしたのかと聞くと、バイクが壊れてしまったとのこと。

あらあら。



元スレ
甘くてとろける百合バス  私と――。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493785018/

2 : 以下、名... - 2017/05/03 13:29:00.31 bGKhngeS0 2/82

ヤンキーちゃんはカワサキのよく知らないけど、大きなバイクに乗っている。

確か、先生には軽く注意されたらしい。

ただ、ヤンキーちゃんは、学校の中でも悪評高い上に、

素直に言うことを聞かないから先生達も手を焼いている。

そんなヤンキーちゃんがこんな、砂糖みたいな空間に座ってるのだから、驚き。

ヤンキーちゃん、久しぶり。

最近、どう?

ヤンキーちゃんは、まあまあ、と答えた。

まあまあって、良いほう? 悪いほう? と聞くと、

悪いほう、と低い声で言った。

それから、頭さわんな、と腕を払われた。

どいひー。

口を尖らせてそう言うと、へっと笑われた。

私、ヤンキーちゃんを笑わせるのは得意なの。

3 : 以下、名... - 2017/05/03 13:33:38.10 bGKhngeS0 3/82

昔からね。

ヤンキーちゃんは、私のちょっかいをしだいに無視し始める。

どうも、他の何かに気をとられているみたい。

彼女の視線の先、ポニテと天パが座っている席。

え、あそこに座りたかったの?

と、耳元で聞くと、うっせえ! と怒られた。

怒らなくてもいいじゃんかね。

でも、これ以上ヤンキーちゃんを困らせるのもなあと思い、

私は席に大人しく腰掛けた。

4 : 以下、名... - 2017/05/03 13:42:45.97 bGKhngeS0 4/82

私、昔からヤンキーちゃんを怒らせるのも得意なんだよね。

しかし、ヤンキーちゃんのこの様子。

この不機嫌オーラ。

恐らく、ポニテか天パのどちらかに因縁があるんじゃないかしら。

おいおい、どっちが私の親友のお尻に火をつけたんだ。

この女は、なかなかにしつこいよ。

小さい頃、ヤンキーちゃんの煮卵を、

残しているものだと思って勝手に食べた時は、一週間は引きずられたもの。

だって、この子が『大好きなものは後から食べる派』なんて可愛い派閥に所属しているなんて思いもよらなかったから。



5 : 以下、名... - 2017/05/03 13:46:13.74 bGKhngeS0 5/82

それに、ヤンキーちゃんはこう見えて良家のお嬢様だし。

煮卵ごときで、文句言うなんて、当時は考えられなかった。

煮卵だよ、給食の。

笑っちゃうぜ。うん?

ヤンキーちゃんが、こっちを睨んでいる。

え、もしかして声に出てた?

煮卵の下り?

うひゃああ。

怒ったヤンキーちゃんに、頬をめっちゃつねられた。

とほほ。



6 : 以下、名... - 2017/05/03 13:50:59.70 bGKhngeS0 6/82

私は、ヤンキーちゃんの家とはけっこう離れてる。ヤンキーちゃんは、ポニテと同じバス停で降りるはず。

ほら、ポニテちゃんが降りるよ。

ヤンキーちゃんが立ち上がった。

そして、私の腕を掴んだ。

来い。

って、命令されました。

待って、私、ここ、家ちゃうねん。

と、首を振ったら、知ってるわ、ボケと言われました。

どーゆーことー。

どーゆーことー。

私は目を白黒させて、チビちゃんズに、バイバイと送られて――止めてほしかった――、その停留所で降りた。

7 : 以下、名... - 2017/05/03 14:00:59.17 bGKhngeS0 7/82

ポニテは、私たちを見てにっこり笑って、歩いていく。

ヤンキーちゃんは少し経ってから、相変わらず私の腕をがっちり掴み、なんとポニテの後をつけだした。

あのね、ヤンキーちゃん。

ヤンキーちゃん?

おーい。

ヤンキーちゃんは、何か意を決したような顔でしたね。

さすがの私も、ようやくそこで気づいた。

ヤンキーちゃんは、ポニテに――。

ただ、問題がひとつある。

ポニテはすでにお相手がいるのだ。



私は、このままヤンキーちゃんが玉砕するところ見るしかないのである。

見たくないのである。

誰だってそうだろう。

この腕を離して欲しい。

うわああ、いやだ、心が痛過ぎる。

やめて、ヤンキーちゃん、察して。

ヤンキーちゃんの腕を私は掴みなおした。

彼女が、強張った表情で、私を睨んだ。

私ってば、いつも誰かに睨まれてる気がする。

言え、言ってしまえ。

今回に限っては、心の声は漏れ出てくれない。

私は彼女の手のひらを強く掴み、だいじょうぶ、だいじょうぶ、なんて、

心にもないことを言ってしまったのだった。




8 : 以下、名... - 2017/05/03 14:05:09.66 bGKhngeS0 8/82

ポニテが家に入る直前、ヤンキーちゃんが呼び止めた。

私はさすがに、家の塀の影に隠れた。

どうなるのか、どうもならないのか。

我が子を見るような心持ちになってきて、動悸と息切れが。

ポニテちゃんが、天真爛漫なものだから、ヤンキーちゃんは言いにくそう。

こうなったら、言ってしまえ! 

おら、やれ!

そこだ!

右ストレート!

9 : 以下、名... - 2017/05/03 14:14:04.89 bGKhngeS0 9/82

ポニテ!

と、ヤンキーちゃんが叫ぶ。

なに!

と、ポニテが叫ぶ。



私は、自分の手が震えてきたので、目をつむって両手を握り締めた。

ヤンキーちゃんの声が続く。

ポニテは、『私』とはどういう関係なんだ!



――はい?



どうって!

と、ポニテが笑いながら、問い返す。

そして、ヤンキーちゃんの返事を待たずに、こう切り替えした。

『私』とは、友だちだよ! ヤンキーと同じね!



――ふむ?



10 : 以下、名... - 2017/05/03 14:21:23.42 bGKhngeS0 10/82

それだけ聞きたかったんだ。

と、ヤンキーちゃん。

そっか。

と、ポニテ。

金髪をくしゃくしゃとひっかいて、ありがと、と照れくさそうにヤンキーちゃんは笑っていた。

ポニテは、どういたしまして、とはにかんで、親指を突きたてた。

私はというと、今の会話の意図するところを理解して、立ち上がった。

走り出せー、走り出せー。

というどっかのドラマの主題歌の歌詞が脳内に流れてきた。

その指示に従って、私は走り出していた。



後ろから、『私!』と呼ばれた。

聞こえぬ。

聞こえぬぞ。

百合は愛でるもんだ。

交わるもんじゃないもん!

ばかやろおおおお!



11 : 以下、名... - 2017/05/03 14:30:22.38 bGKhngeS0 11/82

ロマンチックなことに、都合のいいことに、海辺が近いもんで。

私は全速前進で、海岸まで走った。

ヤンキーは、よっし、影も形もないわ!

はっはっは!

と、息を切らせて、砂浜に腰を下ろした。

まいてやったわ。

猛ダッシュして汗が噴出してきた。

全身がめちゃくちゃ暑い。

耳の中まで熱い。

これは、うん、走ったのとは関係ないさ。



『私』。

呼ばれて、私はとっさに逃げようとしたけれど、悲しいお約束か、前につんのめった。

砂に顔からいった。

なにやってんだ、バカ。

と、ヤンキーちゃんが、後ろから私を抱き起こしてくれる。

12 : 以下、名... - 2017/05/03 14:39:52.36 bGKhngeS0 12/82

まだ、逃げようとする私の右手を、今度はヤンキーちゃんが掴んだ。

私の煮卵、食べただろ。

と、時効になった罪を持ち出し、私を押しとどめる。

あれは、ごめんて、ほんとに悪かったと思ってるから。

謝罪する口の中に砂が入っていて、じゃりっと音を立てた。

うえ、ぺっぺっ。

きったないなー。と、ヤンキーちゃんが呆れながら、私の顔の砂をはらう。

『私』って、どんくさいよな。

と、言われた。

まあ、はい。

私は、落ち着かない右手のことで頭がいっぱいだった。

生返事。



ヤンキーちゃん、家、帰ろうよ。

と、提案。いや、とヤンキーちゃん。

帰る気はないみたい。

んあああ、帰ろう、オウチ、カエロウ。




13 : 以下、名... - 2017/05/03 14:48:32.82 bGKhngeS0 13/82

返事、聞かせてよ。

ヤンキーちゃんが、私を自分の正面に立たせる。

な、なんのことかな。

はっきり告げられたわけじゃないので、私は言ってやった。

だから、その、とヤンキーちゃんが口ごもる。

さっきの事だって、と半ギレ。

なんで、キレてるのっ。

ここに来て、へたれるんかい!

とは言えない。

私は、だって、言って欲しくない。



あのさ、とヤンキーちゃん。ぽつぽつと弱音? 愚痴? を吐く。

クラス分かれて、あんま話さなくなったの、きつかった。

ポニテとけっこう仲良いから、それも、見ててしんどかった。

私は、素行悪いから、一緒にいたくないと思われてもしょうがないんだけどさ、

『私』にだけは、嫌だった。他の奴らが離れていくのは平気なのに、お前だけは無理だった。




14 : 以下、名... - 2017/05/03 14:57:48.58 bGKhngeS0 14/82

ヤンキーちゃんは、初めて見る、照れくさくて泥くさくて青くさい顔で、どうにもまいる――そんな顔で、

『私』から離れていくな、と抱きしめてきた。

私は、酸欠になりそうだったので、とにかく息をすることに集中した。

別に離れたつもりなんかないし、と私も返す。

これからも、一番の友達だよ、と弱弱しく抱きしめ返した。



それじゃ、嫌だ、とヤンキーちゃん。

お前の中の一番にして欲しい、と耳元で力強く放ってきた。

私はもう一度、酸素を取り込むことに集中した。

今、吐いてるのは主に二酸化炭素です。はい。

ヤンキーちゃんの言葉のほとんどは、二酸化炭素で構成されているのです。はい。



15 : 以下、名... - 2017/05/03 15:07:24.55 bGKhngeS0 15/82

だめだ、頭が混乱してきた。

落ち着いて、ヤンバルクイナの真似をしよう。

ウジュジュジュ。

え、違う、なんか、違う。

アホな事に没頭している間に、ヤンキーちゃんはさらに体を――食い込ませてきた。

その表現が正しいかわからないけど。



とにかく、思っていることをちゃんと伝えないと。

ねえ、ヤンキーちゃん、私、すぐには分からない。

私は、ヤンキーちゃんの体を引き離す。

そういうのは、かやの外だったから。

だから、その、しばらくは一緒に帰ろう、そしたら分かるかもしれないから。

いい?



ヤンキーちゃんは小さく頷いてくれた。

あのバスの百合度がまた上がるみたいです。




おわる

16 : 以下、名... - 2017/05/03 15:08:47.93 bGKhngeS0 16/82

という感じなんだ

17 : 以下、名... - 2017/05/03 15:15:00.03 cxQoSQRMo 17/82

どういう感じかわからないからもっと詳しく書いてもいいのよ!
おつおつ

18 : 以下、名... - 2017/05/03 15:26:31.36 bGKhngeS0 18/82

>>17
ありがと
このままこのスレで続けてみますが、
長く書くのが苦手なので、もっかいシャッフル

安価で、次の話を選びます

>>19(被ったら↓)

1、私とヤンキー
2、ショートとロング
3、ポニテと天パ
4、チビちゃんズ
5、安価とった人にお任せ


19 : 以下、名... - 2017/05/03 15:37:04.42 cxQoSQRMo 19/82

続きが読める幸せ

安価なら4組でバトロワ

20 : 以下、名... - 2017/05/03 15:48:56.99 bGKhngeS0 20/82

甘くてとろける百合 バトロワ的な――。




その日、バスの運転手が別の人になっていた。

聞くと、風邪でお休みですよ、と言われた。

そっか、あの人も人間だもんね。

私は、納得した。

運転手が、笑いながら注射器を取り出した。

疑問が浮かぶ前に、その細長い針は私の首筋にぶっさされた。

21 : 以下、名... - 2017/05/03 15:55:52.23 bGKhngeS0 21/82

死んだのかと思った。

脳みそが沸騰して、弾けとんだくらいの衝撃はあった。

電子レンジでチンされたかと。

ヤンキーちゃんの告白もまともに返事してないのに、と後悔しつつ私は目を覚ました。



私は、誰もいないバスの中にいた。

窓の外から見える景色は、見たこともない。

白い砂浜、南国の木々。

ここは、どこ?

なんだ、夢か。

私は、もう一度席に寝転がった。

コンコン、と窓ガラスに何か当たる音。

だれ?

起き上がると、外に、ヤンキーちゃんが立っていた。

22 : 以下、名... - 2017/05/03 16:00:44.56 bGKhngeS0 22/82

出ろ、と言っている。

なんか、外は暑そうだったので、私は首振った。

ヤンキーちゃんは、いらついた顔で、バスに乗り込んで、

右ポケットからナイフを取り出した。

刃先を、こちらに向ける。

いやああ! 犯される!

と、絶叫すると、するかバカ! と柄の方を向けて私の手に握らせた。

え、なんで? と、私。

お前、説明、聞いてなかったのか?

と、ヤンキーちゃん。



なんの?



23 : 以下、名... - 2017/05/03 16:08:44.30 bGKhngeS0 23/82

ヤンキーちゃんから、短いような長いような説明を受けた。

簡単に言うと、二人組みの内一人に危険なウイルスを注入したので、

2時間以内に、どこかの組が優勝がしないと全員死ぬと言う、たまげた内容だった。

どうやって、優勝を決めるのかと言うと、相手のパートナーを絶命させなければならないらしい。



ヤンキーちゃん、言っていいことと悪いことがあるよ。

と、眉根をひそめた。

冗談でも、そういうことはだめだと思う。

私は、ヤンキーちゃんにナイフを返却した。

その、瞬間――、バスの前方が爆発した。

振動と爆風で、後方にいた私たちは床に体を打ちつけて倒れこんだ。



24 : 以下、名... - 2017/05/03 16:14:38.08 bGKhngeS0 24/82

もうもうと立ち込める煙。

視界が全く見えない。

音も耳にふたをされたようににぶい。

ヤンキーちゃんが、私を庇うように覆いかぶさっていた。

ぐったりとしている。

ヤ、ヤンキーちゃん?!

嘘でしょ。

痛みを感じた。見ると擦りむいた腕から血が出ていた。

それよりも、ヤンキーちゃんだ。

意識がない。

必死に呼ぶ。

小さく返事をしてくれた。

私は、とにかくここを離れないといけないと感じ、ヤンキーちゃんを肩に担いだ。

ヤンキーちゃんも、少しだけ自分の力で動いてくれた。



25 : 以下、名... - 2017/05/03 16:21:47.29 bGKhngeS0 25/82

痛くて、熱くて、これが夢じゃないなら、なんだ。

ここは、地獄か。

燃え上がるバスから離れる。

しばらくすると、バスはガソリンに引火して轟音を放ってバラバラになった。

私は、バカみたいに絶叫した。腰から砕けて座り込む。

恐怖が今さらに涙腺を刺激する。

ヤンキーちゃん、起きて。

一人にしないで。

また、気を失ったヤンキーちゃんを揺り動かす。

砂浜から動けずにいると、後頭部に冷たくて硬いものをあてがわれた。

だ、誰。



私ちゃん。

これは――ロングの声。

26 : 以下、名... - 2017/05/03 16:29:01.16 bGKhngeS0 26/82

バイバイ。

別れの挨拶。

え、え、死ぬ?

瞬きもしない内に、伏せていたヤンキーちゃんが飛び起きた。

同時に起こったそれらの出来事に、私はついていけず、体が固まる。

後方で、悲鳴。

振り返る。

ロングの腕にナイフが刺さっている。

丹精な顔が、鬼のように歪んでいた。

恨みのこもった目。



あの子のために、消えてよ。

あんたが一番とろくさいんだから。

消えたって、誰も困らないわよ。

と、ロングが腕を押さえながら、銃口をこちらに向けた。

ヤンキーちゃんが、砂を引きずりながら、私の前に立った。

やめて、二人とも。やめて。

声に出ない。

心の声は言葉にならない。



27 : 以下、名... - 2017/05/03 16:35:05.72 bGKhngeS0 27/82

私は、砂を握り締めて、とっさにロングの顔面めがけて投げつけた。

顔を抑えて、ロングが声を上げる。

苦しそうに、ひざをついた。

拳銃を取り落とす。

私の足元に落ちたそれを、恐る恐る拾いあげた。



殺しなさいよ!

頭を獣のようにふりしだく、ロング。

ヤンキーちゃんが、私を制す。

腕のナイフを引き抜いた。

血が噴水のように噴出した。

ヤンキーちゃんと、私の顔に飛び散った。

鉄の匂い。

誰が、こんなことを。

どうして、こんなことに。

ロングちゃんは、それから、ショートの名前を呼んだ。

何度も何度も呼んだ。



28 : 以下、名... - 2017/05/03 16:45:50.14 bGKhngeS0 28/82

ショート、もしかして近くに、周りを見回す。

いない。

私がロングから目を離した一瞬。

その一瞬の内に、ヤンキーちゃんのナイフは、ナイフは――。




残り、1時間。

私がもう一度目を覚ましたとき、ヤンキーちゃんがそう告げた。

私は、また気を失ったんだ。

目を強くつむる。

ロングの首に真横から突き刺さったナイフが、瞼の裏に焼きついていた。

ヤンキーちゃん。

私は、ヤンキーちゃんに言った。

なんで、刺したの。

ねえ、なんで、刺した?!



ヤンキーちゃんは、もう一度、1時間しかない! と叫んで、私を抱きしめた。

お前だけは絶対死なせない。絶対に、だ。

お前の未来だけは、私が守る。



この悪夢の中、ヤンキーちゃんの言っていることは狂言にしか聞こえなかった。

ヤンキーちゃんのカサカサの唇が私のと重なった。

血に染まったお互いの服。

あまりにも気持ち悪くて、私は涙を流して、ヤンキーちゃんのキスを受け入れた。




34 : 以下、名... - 2017/05/04 09:58:12.06 exGsfEsoO 29/82

その時の私は、どうしてキスを受け入れたのか分からなかった。経験もなく、求められるまま。もしかしたら、一人では生きていけないから、なんて、身勝手な考え方からだったのかも。



そのキスは、嬉しくもなかった。

気持ち良くもなかった。

そんな些細なことを気にしちゃってる自分は、まだ、この状況で、彼女と歩む未来に思う所があったのかもしれなかった。

でも、ヤンキーちゃんは私に一度しかキスをしなかった。



35 : 以下、名... - 2017/05/04 19:34:41.24 exGsfEsoO 30/82

すぐ近くで物音がした。

葉っぱが重なる音。

私たちはバスから離れて、岩壁に囲まれた場所にいた。

ヤンキーちゃんは、私から離れて立ち上がる。

ナイフについていた血を自分の服の裾でぬぐいとった。刃先を翻して、待ってろ、と言い残し駆け出していく。

いや、やめて!

私は言ったけど、ヤンキーちゃんの耳には届かなかった。



36 : 以下、名... - 2017/05/04 20:03:27.68 exGsfEsoO 31/82

しばらく動けなかった。

でも、小さい悲鳴が聞こえたのだ。

高くて可愛らしい声。誰なのかすぐにわかった。

恐怖に彩られた断末魔。

足がすくんだけれど、私は立ち上がった。

ヤンキーちゃんは、

37 : 以下、名... - 2017/05/04 20:28:59.33 exGsfEsoO 32/82

ショートを殺したんだと思っていた。

でも、今の声は間違いなくショート。

私は極力音がでないように、声がした方に向かった。

人影が見えた。

一人。

ポニテだ。

鎌を右手にかまえている。

泣いている。

顔には血が飛び散っていた。

しゃがみこんで、繁みの隙間から確認した。

誰か二人、倒れている。

ヤンキーちゃんと、折り重なるようにショートがぐったりしていた。




38 : 以下、名... - 2017/05/04 20:59:56.55 exGsfEsoO 33/82

私は、ヤンキーちゃんとショートの名前を呼んだ。

茂みから飛び出す。ポニテがびくりとして、後ずさった。

鎌はその手に握られたままだったけど、私は構わずに二人の体を揺さぶった。

手に生暖かい液体の感触。

ショートの腹部当たりから、真っ赤な血が出ていた。

呼んでも呼んでも、反応がない。



ポニテを振り返る。

彼女が口を開く。

ヤンキーちゃんが、ナイフを掲げてきたので殺されると思った。天パも、ロングに殺された。私は、死にたくなかった。ロングに恨みを晴らすまでは。



39 : 以下、名... - 2017/05/04 21:10:06.55 exGsfEsoO 34/82

私は、ロングはもう死んだことを告げた。

ポニテちゃんは、笑った。

笑って、冗談? と聞いた。

笑って、自分の首に鎌の刃を当てた。

やめて、何やってるの?!

ヤンキーちゃんはさ、とポニテが言った。

ショートのことを殺せなかったんだよ。

ショートが、言ってたよ。

ヤンキーちゃんが、見逃してくれたって。

でもね、私はできなかった。

ショートは、ヤンキーちゃんに助けを求めてさ迷ってた。私は、ロングが許せなかったし、なにもしてくれなかったショートも許せなかった。

あまちょろいよね、ヤンキーちゃんは。



40 : 以下、名... - 2017/05/04 21:39:24.77 exGsfEsoO 35/82

ヤンキーちゃんは、『私』を守らないといけなかったんだよ。それを、正義の味方にでもなったつもりか知らないけど、ショートを生かして、結局は私に殺されるんだから、ほんと、へたれだよね。

最後は、ショートに庇われてさ。



ポニテの笑い声、とまらない。

首に鎌の刃をつけたまま。

笑いながら喋る。

ポニテ、ねえ、もう、死ぬ必要なんてないじゃない。

チビちゃんたちを探して、みんなで生き残る方法を考えよう?





41 : 以下、名... - 2017/05/04 22:20:16.13 exGsfEsoO 36/82

チビちゃんたちは、そう言えば、どうしたの?

自分も狂えるなら狂いたかったし、冷静じゃなかったけど、少しでもポニテの気を逸らしたくて、話しかける。

ポニテは、笑うのをやめて、言った。

あの二人は、最初に死んだよ。

賢いからさ、こうなることを分かってたのかもね。

二人で崖から飛び降りたよ。

仲良く手を繋いでいたね。

私と天パが崖下に行った時には、頭が潰れていた。

その時、私は判断しなくちゃいけなかった。

敵は誰か、を。

ポニテが唇を噛み締めた。



私は、みんなが死んだことをまだ信じられずにいた。分かってはいるけど、本当は夢なんじゃないかと。そういうこと、前にもあったから。

けど、夢でも、もう、ポニテが死ぬ理由はない。

パートナーがいなくなることが、この悪夢を終わらせる唯一の方法だからだ。



42 : 以下、名... - 2017/05/04 22:29:14.68 exGsfEsoO 37/82

ポニテが話しに集中しているのを見計らい、私は彼女に飛びかかった。力一杯、鎌を持っている方の手を叩いた。ポニテは叫んで、無防備な状態を一瞬つくる。

私は押し倒した。

砂ぼこりが舞う。

ポニテ、もう、死ななくていいんだよ。

遠くから、ヘリの音が聞こえた。

ほら、聞いて。

終わったんだよ。

タイムリミットの2時間が経過したんだ。

私たちは、死んじゃダメだよ。

正しいことかどうか分からない。

私は何もできなかったから、少しでも償いたかったにちがいない。






43 : 以下、名... - 2017/05/04 22:41:29.53 exGsfEsoO 38/82

ポニテ?

ねえ、ポニテってば。

彼女は返事をしなかった。

口から泡をどんどん出して、胸を押さえつけて、苦しみを口にも出すことなく、すぐに生き絶えた。

え。

何で。

タイムリミット。

タイムリミットでしょ。

何の?

ゲームの?

いや、私たちに注入されたウイルスの、だ。

力の抜けたポニテから、ゆっくりと離れた。

ヘリが近づいていた。バリバリといううるさい羽音。風が体を揺さぶった。

後ろから、誰かに抱き抱えられた。

私は何の抵抗もできず、いや、その時には、もう、何も考えることができなかったのだ。



足が地面から離れていく。

三人の亡骸から遠ざかっていく。

どんどん、小さくなっていく。

何もかも曖昧な色に染まり、私の世界はホワイトアウトした。






おわる




44 : 以下、名... - 2017/05/04 22:44:18.36 exGsfEsoO 39/82

辛い……んですが

45 : 以下、名... - 2017/05/04 22:47:06.19 LfWYd4VDo 40/82

甘々ので何か書いてください…
なんでバトロワにしたし…

48 : 以下、名... - 2017/05/04 23:04:40.27 exGsfEsoO 41/82

辛い……
次は、夢オチからです(許して)

安価で次話決めます

1私とヤンキー
2ロングとショート
3ポニテと天パ
4チビちゃんズ
5任意の組み合わせ
6新キャラ百合


安価は
>>49(被ったら↓)





49 : 以下、名... - 2017/05/04 23:06:30.08 X9wt9AMbo 42/82

4

55 : 以下、名... - 2017/05/05 10:32:30.02 oVaZ8HimO 43/82

甘くてとろける百合バス チビちゃんズとーー。




目を開けると、爆発で吹き飛んだはずのバスの天井があった。ひゃあああああ!

うわあああ!

ああああーー!? むぐぉ?!

叫んでいたら、口を塞がれた。

うるさいですよ。

チビちゃんズの、主にツッコミ担当がもみじみたいな手で私の顔面を覆っていた。

いき、いき、いぎでる!

ぶわあ、と涙が出てきた。

頬を擦り寄せる。

何、勝手に殺してるんです?

と、私の液体まみれの顔を遠ざける。



ツッコミちゃんの向こう側から、

どうしたの? 大丈夫、『私』ちゃん? 花粉症?

ティッシュを懐から取りだして、1枚をそっと差しのべる。天然ボケ気味のチビちゃん。



56 : 以下、名... - 2017/05/05 10:44:15.89 oVaZ8HimO 44/82

鼻をかんで、ちょっと落ち着いてから、私は運転手さんも確認した。良かった。いつもの人だ。

ほっと一息つく。チビちゃんズが不思議そうに見ていたので、かくかくしかじかとさっきまでの夢の内容を伝えた。



ツッコミちゃんに、マンガの読みすぎですね、と流し目で一蹴された。天然ちゃんは、怖かったねえ、よしよし、と私の頭を撫でてくれた。ありがとう、ありがとう、天然ちゃん。

ツッコミちゃんは、そんな天然ちゃんの頭を撫でる。

『私』に触りすぎると、アホな妄想癖が移ってしまいますよ。私が浄化しておきますね。

と、述べて、天然ちゃんの体を掴んで元の席へ。

どいひ。

57 : 以下、名... - 2017/05/05 10:58:04.72 oVaZ8HimO 45/82

でも、本当に怖かった。

あれは、やばい。辛すぎる。

ねえ、仮にさ、もしそんな状況になったら二人ならどうするの? あ、た、例えばね、例えば!



ツッコミちゃんと、天然ちゃんがキョトンと顔を見合せる。二人、口を揃えて、まずは、トロそうな『私』ちゃんから狩る、と笑顔で言われた。

ひゃっほおお?! あわわわ、ごめんなさいごめんなさい。私、何かしでかしたかな!?



私の反応を見て、声をあげて可愛らしく笑う二人。

からかわれていると分かっていても、怖いよう。

天然ちゃんが、ごめんごめん、思った通りの反応ありがとう、とツボに入ったのか、ツッコミちゃんの胴回りにしがみついて笑っていた。




58 : 以下、名... - 2017/05/05 11:15:21.23 oVaZ8HimO 46/82

天然ちゃんが、『私』ちゃんの顔が可笑しすぎる……、と失礼極まりないことをぷるぷるしながら呟く。ツッコミちゃんは、そんな彼女の背中を撫でて、いざという時には、天然ちゃんと相談します、とマトモな回答を寄越してくれた。



相談して、まず『私』ちゃんを仲間にします。『私』ちゃんは裏切らないでしょうから。なにせ、私たちのことが大好きなロリコンですし。



ギクッ。なんで知ってるのかな。

や、君たち同い年だけどね。



それから、と今度は天然ちゃん。

『私』ちゃんが加わると、必然的にヤンキーちゃんもついてくるよね? え、なんで? 私は聞いた。天然ちゃんが、フフっと笑う。分かってる癖にって言われてしまった。天然ちゃん、なんで、知ってるのかな?!



後ろの方の席から、呼んだ? と声がした。

よ、呼んでない! と返しておいた。しゅんと声のトーンが低くなって、そ、そうかよ、と聞こえた。




59 : 以下、名... - 2017/05/05 11:38:53.25 oVaZ8HimO 47/82

チビちゃんズがにまにましている。

なんでもないから、まだ、なんにもないから!



天然ちゃんは、にやつきながら、ヤンキーちゃんはけっこう情に熱そうだから、きっと私たちのことも守ってくれる。それから、次に、ショートちゃんとコンタクトをとるの。ショートちゃんは、強いものに流されちゃうだろうから、押し気味なヤンキーちゃんとは、相性が良さそうだね、ヤンキーちゃんには、説得役に回ってもらって、上手くいけば、ロングちゃんとも和解できるかな。



にっこり笑う天然ちゃん。

ツッコミちゃんの表情がぎこちない。

そんな、天然ちゃんも、嫌いではありません、と小さく付け加えていた。





60 : 以下、名... - 2017/05/05 11:49:16.08 oVaZ8HimO 48/82

天然ちゃん、恐るべし。



じゃあ、その同盟計画の途中で、ツッコミちゃんが死んじゃったとしたらどうする? と私は聞いた。ツッコミちゃんが、物騒な話ですね、とツッコミが入る。



天然ちゃんは、しばし考える素振りを見せた。

笑っていた顔が、急に涙目に。

それはね、あのね、考えたら泣いちゃうから、考えなくていい? と、両手で口元を押さえた。

わあ! ごめんね! 例えばでも言っちゃダメなことあるよねえええ?! 私はわたわたしつつフォローする。



ツッコミちゃんも、大丈夫です大丈夫です! あなたをおいていったりしません! とすかさず抱き締めてなでなでしていた。 天然ちゃんに悪い気がしてきて、私たちはその夢の話をそこで打ち切った。



ごめんね、天然ちゃん。

ツッコミちゃんと末永くお幸せに。





おわる

61 : 以下、名... - 2017/05/05 11:59:29.75 oVaZ8HimO 49/82

なんか、また辛い……

65 : 以下、名... - 2017/05/06 00:30:49.42 J9CX1/KT0 50/82

世界観変えて書くのも楽しいね

安価で次話決めます

1私とヤンキー
2ロングとショート
3ポニテと天パ
4チビちゃんズ
5任意の組み合わせ
6新キャラ百合


安価は
>>66(被ったら↓)

66 : 以下、名... - 2017/05/06 00:33:36.83 u7LQx1qFo 51/82

3

68 : 以下、名... - 2017/05/06 00:45:48.28 J9CX1/KT0 52/82

甘くてとろける百合バス ポニテと天パとーー。



昨日の悪夢のせいか、今日はポニテに罪悪感しか沸かない。ポニテと天パの席の後ろで、私はもやもやしていた。ポニテがいつも通り、天パとお菓子の食べさせあいをしているのを見て、ほっと一息。



時に、天パはなかなかの人見知りで、ポニテ以外とはあまり話したりはしない。クラスでも天パが自分から話しかけるのはまれだ。

私は天パと仲が良い方なのだけど、いつの間にか、ポニテと天パが一緒に過ごすようになっていてびっくりした。ポニテはいったい、天パをどうやって落としたのだろうか。








70 : 以下、名... - 2017/05/06 01:05:14.29 J9CX1/KT0 53/82

ねえ、ポニテってどうやって天パを落としたの?

席の隙間から聞いた。

ポニテがニヤニヤしながら振り返る。



もしかして、自分の参考にしたい感じ?

と、ポニテが言った。

なんのことかと、一瞬聞き返しそうになったけど、ヤンキーちゃんのことを言ってるんだと分かって、ポニテの口をふさいだ。



天パが睨む。

睨むな、睨むな。

ポニテが、天パの表情を見てけたけた笑う。

あのね、とポニテ。落としたんじゃなくて、落とされたの。私が。自慢げに話す。



え、天パが? 私は聞き返した。

当の天パは何の話しをしているのか分かっていないようで、特に会話に入ろうともせず、私達とは若干距離を取り始める。こういうところが、人見知りっぽいというか、引っ込み思案というか、めんどくさいだけかも知れないけど。




71 : 以下、名... - 2017/05/06 01:17:58.78 J9CX1/KT0 54/82

天パは鞄からイヤホンを取りだし、耳につけた。

嫉妬はしても、会話の邪魔はしないらしい。

そんな天パをポニテが横目で見つめて、苦笑。



私が天パと最初に話しをしたのは、クラスじゃなくて、商店街地下の駐輪場。

ポニテが、人差し指を窓の外に向ける。

ちょうど、あの辺かな。

学校帰り、キーボードの音が聞こえてきて、すぐに可愛らしい歌が始まったの。

なになに? って思って行ってみたら、天パがね、隅っこの方で小さくなって歌ってたんだよ。

何人にも囲まれてて、最初、誰か、分からなかった。



天パって路上ライブしてたんだ。

私は、今日一驚いた。



76 : 以下、名... - 2017/05/07 16:12:51.53 gk+dbIKO0 55/82

天パの歌ってどんなん?

ポニテに聞いてみると、首をひねられる。



一言で言うと、こう、養ってあげなきゃ! って思った。と、ポニテは言った。

か細くて、陰キャラで、あ、リズム感は良い!

声はもっと腹から出せよ! って思った。

キーボードの音に負けてんじゃん! みたいな。

歌は、自作の一曲だけ。

でもね、それの、歌詞がいいんだよ~。

最後の一節に、



『ボクが歌い終える頃、キミは大人になってしまう。子どものボクを置いていく。男になって女になって。それでもいいから、また、明日』



ってあってね、きゅーんと来たんだよー。

語りつつ、ポニテが天パの天パをモジャモジャした。

天パは嫌がって、手を払い除けている。

それから、人になついていないネコみたいに、着ていたパーカーのフードを被った。





77 : 以下、名... - 2017/05/07 17:06:32.47 gk+dbIKO0 56/82

天パが歌い終えても、誰も拍手しないんだよ。

不思議に思って、拍手してみたら、天パに睨まれてさ。

拍手されるような歌じゃないって。

えー、ってなった。

良かったよ、私、好き。

とりあえず、簡単に感想を言ったら、ありがとうって小さい声で返してくれたね。

表情がよく分からないから、嬉しかったのかは、今でも謎。今も、顔だけじゃ分からないんだけどね!

はっはっは!



フードを被っていた天パは、その笑い声がうるさかったらしく、ポニテの唇を人差し指と親指で挟んだ。

なにすんだこら!

とポニテがやり返す。



78 : 以下、名... - 2017/05/07 17:38:18.07 gk+dbIKO0 57/82

何だかんだ、仲が良いんだよね。

私はちょっとだけ羨ましくなった。

イヤホンに二人で絡まり合う。

天パの耳からイヤホンが抜けた。



そう言えば、『また、明日』の歌詞通り、ポニテは天パに会いに行ったの? あー、えっとね、と息の荒いポニテ。じゃれ合うポニテは、嫌がる天パに力づくで抱きついて動きを封じていた。

ポニテは天パの頭の上にあごをのせて、勝ち誇るように鼻で笑う。

もちろん。で、その日に『好き、付き合って』って言ったんじゃよ。



すごっ。



そしたら、天パなんて言ったと思う?



うーん?



私は聞かれたけど、思い付かなかったので答えを要求した。天パは、漸く、自分達の思出話をしていることに気がついたらしく、威嚇している。怖いよう。怖いよう。




なんとね、



『冗談は顔だけにして』



って言うんだよ!? どう思う?!

傷付いたね! 深く刺さったね!

思い出す度に、私は人生をやり直したくなるね。



ポニテが大きなため息を吐いた。

天パは、ポニテのあごの下で、『もう、忘れた』と呟いていた。





おわる



79 : 以下、名... - 2017/05/07 17:42:22.31 gk+dbIKO0 58/82

殺しあっていたとは思えない程度には戻ってきた

80 : 以下、名... - 2017/05/07 17:44:44.99 gk+dbIKO0 59/82

安価で次話決めます

1私とヤンキー
2ロングとショート
3ポニテと天パ
4チビちゃんズ
5任意の組み合わせ
6新キャラ百合


安価は
>>81(被ったら↓)

81 : 以下、名... - 2017/05/07 17:47:13.92 Y0mUUv3Co 60/82

3

82 : 以下、名... - 2017/05/07 21:15:11.54 7WM1kLQpO 61/82

天パとポニテ馴れ初めの続きにしましょうか?
それとも、現在の話しをしましょうか?

83 : 以下、名... - 2017/05/07 21:19:11.51 Y0mUUv3Co 62/82

慣れ始めの続きでお願いいたします

85 : 以下、名... - 2017/05/07 23:13:21.41 uwSc9Rze0 63/82

馴れ初め続きでいきます

86 : 以下、名... - 2017/05/07 23:33:26.39 uwSc9Rze0 64/82

甘くてとろける百合バス ポニテと天パと――。




天パ、酷い!

ポニテが暴れる。

と、ポニテがはたと動きを止めた。

あ、天パ、バス停過ぎた。

ポニテが言った。

天パはがたがたっ、と立ち上がった。

無言で慌てるも、時すでに遅し。

バス停が点になっていく。



87 : 以下、名... - 2017/05/07 23:41:08.10 uwSc9Rze0 65/82

天パは、最悪、とポニテをにらむ。

ポニテは、まあまあ、今日はうちに泊まりなさいな、となだめていた。



じゃあ、ポニテが降りる所まで、続きの話し聞かせてよ。

私は、天パも何かないかと話を振った。

天パは猫背気味に、席に着く。

で、あからさまに嫌そうに、うえーっと言った。

ポニテも興味津々で、天パの話しも聞きたいなあ、と気持ち悪い猫なで声を出した。

天パは私と、ポニテから注がれる視線に負けて、がくりと項垂れた。

88 : 以下、名... - 2017/05/07 23:55:14.63 uwSc9Rze0 66/82

続きねぇ、と天パ。

あご肘で、ポツリポツリと話し始めた。




あー、歌を聞いてくれてた時、ふざけた顔で聞いてたから、告白も素で冗談だと思った。

ふざけた顔っていうのは、感動した顔だったらしいけど。

知るわけないし。

だから、単純に変な奴だと思った。

女子高生より、リーマンの方が聞く人多かったし。

リーマンはたぶん、女子高生目当てだった。

まれに、音楽してそうな人間が来るけど、一曲聞いたら去ってくし。

真面目に聞いてる奴なんていないと思ってた。

だから、初対面のポニテがからかってるとしか思えなかった。




確かに、初対面でいきなり同性から告白されたら、引いてしまうだろうなあ、と私も思った。



89 : 以下、名... - 2017/05/08 00:05:53.68 MiLir1ge0 67/82

とりあえず、警察呼ぼうかとも思った。



え、酷い!

ポニテが叫ぶ。

うっさい。

と、天パ。



時間も時間だったし、付きまとわれてもめんどいし、いったん切り上げた。

で、1週間位やらずに、ついでに場所も変えた。

そしたら、そこにいた。



ストーカーじゃん。

と、私はツッコんだ。

違うよ! クラスの子に聞いたの!

けっこう、知ってる人いたからね?

言い訳気味のポニテ。天パは、それでもこっちは人見知りの陰気人間だったから、と言った。

恐かったし、何より、元気で明るい奴が怖かった。



そっか。大変だったね。私は頷く。

そうだよ。クラスメイトの『私』とかなら、まだ面識と免疫があったけど。ポニテって誰? ってなった。

その上、剣道部だって知って、ますます、無理になった。

住んでる世界が違う。近寄るなって思った。



天パ、お前さん、だいぶ拗らせていたんだね。私は言った。

うるさいよ、と天パは鼻息を漏らした。

 

90 : 以下、名... - 2017/05/08 00:28:33.41 MiLir1ge0 68/82

ポニテは、私が本気で嫌がっているのが分かって、ちょっとだけ距離を置くようになった。

多少は、話が分かる奴なんだって、そこでほんの少し見直した。



へへん。

ポニテが鼻をこする。

全然褒めてない。

天パは冷静に述べ、言葉を続けた。



歌う場所を商店街の裏路地に変えた。

けっこう暗くて、でも、危機感みたいなのがその時はからきしで、

歌えればどこでもいいやって。

で、場所が悪かったのか、ある日初めて、警官に声かけられた。

なんか、乱暴そうな奴でさ、周囲で聞いてた人もヤジとか飛ばしてて。

今思うと、私も危ない事してたんだけど。

やめてって、叫んだ時に、でも、誰も助けてはくれなかった。

助けてくれてもいいじゃん。

そんなに警官が怖いのか、って思った。



そいつに引きずられながら、未成年の保護条例がなんたらかんたらって言われて、親のこととか聞かれたけど、

単身赴任でいなかったから、いないって答えたら、ますます怒って、嘘つけって言われた。

別に悪気があってこのおっさんも怒ってるわけじゃくて、仕事でしょうがないし、

私は子どもだから、さらにしょうがないしって諦めてパトカーに乗ろうとしたら、



と、天パは急に笑い出す。

ポニテがね、どっからやってきたのか、竹刀で警官の頭を思いっきり叩いたんだ。




91 : 以下、名... - 2017/05/08 00:45:34.06 MiLir1ge0 69/82

うわ、青春臭い。ポニテが呟く。

やったのは、あんただけどね。天パが言った。

私は単純だったので、若干ときめいてしまった。



もちろん、警官には怒られた。

ポニテと一緒にパトカーで連行。

ああ、もちろん、ポニテの家にね。

私の家には両親いないって言っておいたし。

車の中でさ、ポニテが私に渡してきたものがあって、何だと思う?



私は聞かれた。

ポニテの問いにも答えられなかったけど、これも全く分からない。

なに? と聞いた。



おにぎり。

おにぎり作ってきたって、歌ったらお腹空くかなって、言ってさ私に渡してきたの。

天パは思い出し過ぎたのか、また笑い始めた。



え、いいじゃん、おにぎり。

剣道した後は美味よ?

ポニテ、そういう事じゃなくてね。

私は、つられて笑ってしまう。



で、警官もそれ聞いて呆れてて。

ポニテの家に行ったら、ポニテの両親も呆れてて。

私も呆れて。なんだ、こいつって。



92 : 以下、名... - 2017/05/08 01:20:01.49 MiLir1ge0 70/82

その日は、いったんそのパトカーで家に帰ったよ。

ポニテが泊まればってうるさかったけど。

泊まるとか無理だし。

人のそばで寝るとか、その時は耐えられなかったから。



今は、一緒に寝れる?

私は聞いた。

まあ、一応。

歯切れ悪く、天パ。

ポニテがニコニコしてる。

あんた、頑張ったね。



それからも、ポニテは私の視界に入らない様にしてた。

でも、いつの間にか、私が探してた。

どこで聞いてるんだろうとか、学校の廊下とか、校庭とか。

自分でも変だなって。誰かを探すことなんて、今までしたことなかったから、自分でもなんでだろうって思った。



そっかー、とポニテ。

天パは、ポニテの気持ち悪い視線が気になったんだろう。フードを被り直す。

で、よく分からない内に、剣道部の練習を見に行ってた。

行ったら、すぐにバレた。

で、近寄って来て、今度は『剣道しようぜ』って言われた。

もう、訳分からないし、でも、その時には――。

こほん。

うん、まあそんな感じ。

そんな感じで、私も剣道部に入ったんだよ。

夜も自分で身を守れるしね。



私は、人の恋バナを生まれて初めて生で聞いた。

砂糖、吐きそう。



『私』も、がんばれ。

や、だから、はい、あの。

ポニテは住む世界が全然違うから、未だに先が読めなくて不安になる。

たぶん、不安が消えることってないと思う。進んだら戻れないしね。

天パは微笑んだ。ああ、もしかしたら、歌ってる時にもこんな表情を見せたんじゃないかな。

私は、『養いたい』と言ったポニテの気持ちを何となく理解した。



でもね、同じ気持ちになれて良かったなって思った。天パはとても素直にそう言った。

ポニテも何か言いたそうにしていたけど、なんとか遠慮して、余韻を潰さないように口を挟まなかったみたい。



そのうちに、バスは停留所に着いた。

揺れながら、二人が立ち上がる。

あ、じゃあね! とポニテ。

天パは、しゃべり過ぎたって顔で、じゃ、と短く切った。

今日は珍しく、二人は手を繋いでバスを降りていった。






おわる

93 : 以下、名... - 2017/05/08 01:22:30.36 MiLir1ge0 71/82

ちなみに、余韻をぶち壊しますが、バトロワ編で最初に天パが狙われたのは、何をするか分からないタイプの人間だったからです。

94 : 以下、名... - 2017/05/08 01:29:22.99 4JiB7CsKo 72/82

ほんとにぶち壊しだよ!

95 : 以下、名... - 2017/05/08 01:33:48.79 MiLir1ge0 73/82

>>94
HAHAHA

96 : 以下、名... - 2017/05/08 01:40:29.27 MiLir1ge0 74/82

さて、天パとポニテが続いたので、安価は一回休みにしますね

安価で次話決めます

1私とヤンキー
2ロングとショート
3チビちゃんズ
4任意の組み合わせ(ポニテ×天パは除く)
5新キャラ百合


安価は
>>97(被ったら↓)

97 : 以下、名... - 2017/05/08 01:40:44.17 4JiB7CsKo 75/82

2

98 : 以下、名... - 2017/05/08 02:11:43.38 MiLir1ge0 76/82

甘くてとろける百合バス ロングとショートと――。




不思議なことが起こった。その日、帰りのバスにいたのはショートと私だけ。

恐る恐る、ロングは? と聞くと、風邪を引いたみたいなの、と細い線が震えたような可愛らしい声でショート。

逆に、ショートには、他のみんなはどうしたのかな、と尋ねられる。

さあ、と私は首を捻った。

ショートと言えば、確か、夢の中でヤンキーちゃんと庇い庇われして――。

ごめんね、ショート。私は本当はショートに一番に謝らなければと思っていた。

変な夢見てごめん。

ショートはキョトンとしていた。

うろ覚えになってきた夢の内容を説明すると、ショートは、ロングちゃん夢の中でもかっこいいね、と漏らした。

え、ええ? というか、怒ってないの? ロングとかショートとか、大変な目に合わせたんだよ?

夢だもん、怒ってないよ。ショートは小さく笑った。

そうなったら、ロングちゃんはやっぱり私の事守ってくれるんだなあー、ってちょっと嬉しいかも。みんなでそういう事はしたくないけど。

私は、ショートって良い子だとは思っていたんだけど、本当に良い子だったので、ちょっと肩透かしを食らった。

103 : 以下、名... - 2017/05/11 22:41:43.41 NVOHfPJx0 77/82

ねえ、ショート、もしかしてこれからお見舞い?

そうだよ、とショート。

私も一緒に行っていいかな。

ショートは一つ返事で了承してくれた。

ロングには夢の話をしないでおこう。

現実でも何されるか分かったものじゃないし。

でも、一応ロングにも罪悪感があるから、お見舞いにくらい行ってやろう。



バスに揺られること十数分で、ロングの住む地域に停車した。

104 : 以下、名... - 2017/05/11 22:48:07.73 NVOHfPJx0 78/82

何か、買って行く?

うーん、連絡送ったんだけど、何もいらないって言われたの。

へえ。

変わりに、ショートがいればいいって言われちゃった。

のろけかい。

私は、ショートの肩に裏拳を入れてしまった。

ち、ちがうよ、と彼女は焦って否定するけどまんざらではない。

妬けるねえ。もちが妬けるよねえ。

と、茶々を入れる私。

あの、ロングちゃん、ちょっと甘えん坊な所があって。

ショートが言い訳のように語る。



甘えん坊?

聞かん坊の間違いじゃないかしら。

105 : 以下、名... - 2017/05/11 22:52:41.54 NVOHfPJx0 79/82

歩くこと数分で、ロングの家に到着。

インターホンを押すショート。

私は、初めて訪れるクラスメイトの家に、少しそわそわ。

何か、言われるかなあ。

と、不安を漏らす。



どうして? ショートが不思議そうに聞く。

だって、私のショートに近づかないで、とか言いそう。

言わないよ、そんなこと。

ショートがそう言ったのも束の間、玄関が開いた。

パジャマ姿で髪をサイドに垂らしたロングが出て来た。



で、開口一番、私のショートに近づかないでくれる? とめっちゃ冷たい目で言われた。

ほら、ほら、ほら! と私はショートの背に隠れて、震えながら叫ぶ。

106 : 以下、名... - 2017/05/11 23:15:13.79 NVOHfPJx0 80/82

ショートの腕を引っ張り、自分の懐に納めるロング。

誤解ですだよ! 違う、無実を主張する!

ショートも、私がロングのお見舞いに来ただけだと弁解してくれた。

ロングも最初こそ訝し気だったけど、ショートになだめられて警戒を解いてくれた。



ショートを引きずりながら、ロングは部屋に案内してくれた。

寒くてしんどいのか、いつものトゲのある顔が、へにょっとなっていてちょっと可愛い。

案の定、部屋にたどり着くと、ベッドイン。

しかも、ショートも道連れだ。二人で、ベッドイン。わお。



107 : 以下、名... - 2017/05/11 23:20:47.60 NVOHfPJx0 81/82

お布団にくるまり、二人仲良く私を見つめてくる。

なんだいこれは。なんの拷問だい。

私は、そんな二人を見ないようにしながら、二人ってさ、凄く仲いいよね、と軽く触れておいた。






おわる

108 : 以下、名... - 2017/05/11 23:22:38.39 NVOHfPJx0 82/82

どうも気力が切れたので、ここで終わります。
また思いついたらよろしく。

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