あかり「ちなつちゃんかわいいよぉ」
ちなつ「もぉ恥ずかしいよ、あかりちゃん」
あかり「え~、でもちなつちゃんがかわいすぎるから仕方ないよぉ」
ちなつ「だ、だからやめてってばぁ~」
あかり「だーめ、なんかいでも言っちゃうからね」
ちなつ「うぅ……あかりちゃんのイジワル」
元スレ
あかり「ちなつちゃんかわいいよぉ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349848260/
あかり「むー、心外だよ。あかりはホントのことを言ってるだけなのにな」
ちなつ「それでもだめっ、そんなことされたら頭の中があかりちゃんで一杯になっちゃう」
ちなつ「寝ても覚めてもあかりちゃんのことしか考えられなくなっちゃうの!」
あかり「なるほど、それじゃあちなつちゃんも困っちゃうね」
ちなつ「ね、だからお願い」
あかり「そうだね、考えてみるよ」
ちなつ「やっと分かってくれたんだんね。これで落ちつける」
あかり「でも、このままじゃあかりが損するだけだと思うんだ」
あかり「だからちなつちゃんも、あかりのお願いきいて欲しいなぁ」
ちなつ「えぇ! なんでそうなるのよ」
あかり「嫌ならまたちなつちゃんかわいいっていっちゃうよぉ」
ちなつ「そ、それはダメだって」
あかり「ならあかり分かってるよね?」
ちなつ「あー、しょうがないわねぇ」
ちなつ「わかったよ、どんなお願い?」
あかり「安心して、簡単なことだから」
あかり「キス、して」
ちなつ「ふぇ! キ、キスぅ」
ちなつ「むむむ、無理だよそんなのできないって」
ちなつ「ほら、もっと別のことにしようよ」
あかり「……なんで、練習っていってキスしたよね。ちなつちゃんのほうから」
ちなつ「何度もいってるでしょ、練習と本気じゃ別物だって」
あかり「なんでそれに拘るのか、どうしても分かんないよ」
あかり「恋人になってから3カ月。まだ手をつないだだけだよ」
あかり「そろそろ、その先に進んでもいいころだと思うんだ」
ちなつ「私だってそう思うわよ。でも恥ずかしいんだからしょうがないじゃない」
ちなつ「手を繋ぐのだってすごい勇気がいるんだよ」
ちなつ「キスなんてとても……」
あかり「そっか。ならあかり我慢するね」
あかり「ちなつちゃんがいいって言ってくれるまで」
あかり「あかりは、ちなつちゃんの恋人だから、ちなつちゃんの嫌がることはしたくない」
ちなつ「……ごめんね、私が意気地なしなせいで」
ちなつ「頑張るから、そのときまで迷惑かけちゃうよ」
ちなつ「ほんとにいいの?」
あかり「ふふふ、ちなつちゃんあかりの恋人なんだよ」
あかり「だからあかりのこと信用してくれるはずだよ」
ちなつ「そうだね、ならあかりちゃんに甘えちゃうね」
あかり「うん、そのほうが嬉しいよぉ」
あかり「でも、今は別のことで埋め合わせしてもらうよ!」
ちなつ「もちろんだよ、その位はする」
ちなつ「でも、あかりちゃんのためなんだから埋め合わせなんかじゃ終わらせないよ」
ちなつ「うん、そうだよ」
あかり「なら期待してるからね」
あかり「それじゃあ、まずは今からデートしてもらうよ」
あかり「あかり、駅前に新しくできたクレープ屋さんに行きたいんだぁ」
ちなつ「あ、そのお店なら私も知ってるよ」
あかり「それならよかったよぉ、さっそく行こう」
ちなつ「うん!」
あかり「へー、この時間になっても残ってる人けっこういるんだねぇ」
ちなつ「うん、いつもは下校時間まで娯楽部にいるから分からなかったね」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんが休みじゃなかったら、ずっと気付かなかったかも」
ちなつ「そうかもね。たまにはこんな日があっていいかも」
ちなつ「こうやって放課後もあかりちゃんと二人でいれるし」
あかり「あはは、そういわれると照れちゃうよ」
あかり「ね、手つないでも大丈夫だよね?」
ちなつ「う……ここだとみんなに見られちゃうよ」
あかり「やっぱり、二人きりのときじゃないと無理なんだね」
ちなつ「ホントにごめんね、あかりちゃん」
あかり「ううん、さっき嫌なことはしないって言ったのはあかりだよ」
あかり「だからちなつちゃんは気に病むことないから」
ちなつ(あかりちゃん、悲しそう)
ちなつ(そうだよね、デートなのに手をつなげないなんておかしいよね)
ちなつ(あかりちゃんが悲しいと私も嫌な気分になる)
ちなつ(私のわがままで自分まで傷ついてちゃ意味ないじゃない)
ちなつ(こんな悪循環を帰るには、私が頑張るしかない)
ちなつ(そうだよ、近くにいるのが二人からみんなになるだけじゃない)
ちなつ(そう思えば簡単じゃない!)
ちなつ「あかりちゃん、私頑張るよ」
あかり「あかりは平気だって、並んで歩いてるだけでもデートは楽しいから」
ちなつ「ううん、今やらないと次はいつできるかわからないから」
あかり「そうなんだ。それならあかりは反対しないよ」
あかり「手、出すから繋げてね」
ちなつ「うん……」
ちなつ「すぅー、はぁー」
ちなつ「よし、始めるよ!」
あかり(うぅ、力みすぎじゃないかなぁ)
ちなつ「…………」スッ
あかり「……!」
ちなつ「うぅ」ピタリ
あかり(やっぱり無理なのかな…)
あかり「ちなつちゃんやっぱ━━━━━━━━━━━━━━━」
ちなつ「まだだよ! もう一回」
あかり「う、うん」
ちなつ(落ちつけ落ち着け)
ちなつ(っていうか早くしないと周りの注目が増える)
ちなつ(うぅ~、あっちの二人なんでさっきからこっち見てるのよ)
ちなつ(まったく、見世物じゃないのよ)
ちなつ(もう、こんなことじゃいつまでたっても手すら繋げないわ)
ちなつ(あかりちゃんはこんな恥ずかしがりの私に我慢してくれる)
ちなつ(そんなのはあかりちゃんに負担を押し付けてるだけ)
ちなつ(そうよ、今日だって先輩の二人の休みっていういつもと違うことが起こったから
あかりちゃんと話をしたり、デートできたりした)
ちなつ(いつもと違ってたから、あかりちゃんも私たちの関係を前に進めようとしてくれた)
ちなつ(それを恥ずかしいから、そんな理由で断るなんて)
ちなつ(なさけなくて、あかりちゃんの恋人なんていえない)
ちなつ(でも、恥ずかしいのは事実であり、変えることができない)
ちなつ(なら、発想を逆転しよう)
ちなつ(おもっいきりあかりちゃんに頼ればいいんだ)
ちなつ「あかりちゃん、やっぱり手繋ぐのやめよっか」
あかり「そっか……うん分かったよ」
あかり「なら遅くなったからさ、クレープ屋さんまで競争しようよ」
あかり「買った方がクレープおごりだよぉ」
ちなつ「それもだめ、歩きじゃなきゃ」
ちなつ「だって、そうじゃないと……」
ちなつ「……いくよ」
あかり「え?」
クイ ガシッ
あかり「……こ、これって!」
ちなつ「……腕組みできないじゃない」プシュー
ちなつ「さ、さぁあかりちゃん早く引っ張っていきなさいよ」
あかり「え、なんでなのぉ?」
ちなつ「なんでわかんないの!? 恥ずかしすぎて一歩もあるけないの!」
ちなつ「だからあかりちゃんに全部任せる」
あかり「そんなこと言われても、あかりそんな力強くないよぉ」
ちなつ「うるさい、つべこべいわずに私をリードしてくれないとなんにもできないよ」
あかり「ちなつちゃん、手をつなげないからってこれは極端すぎるよ」
ちなつ「なによ、人がせっかく勇気だしたのに嬉しくないの?」
あかり「ちがうって、嬉しいのは嬉しいよ」
あかり「いきなりすぎてビックリしただけだよぉ」
ちなつ「ふん、嬉しいならそれでいいじゃない」
ちなつ「あかりちゃんが甘えてもいいっていってくれたから、こんなことできるんだよ」
ちなつ「だから、ちゃんと受け止めて。そうじゃないとやめちゃうよ」
あかり「うわ、それはダメ」
あかり「わかったってば」
あかり「ちゃんとするから、だからやめちゃダメだよぉ」
ちなつ「うん……それなら安心できる」
ちなつ「ふふん♪ いってからにはエスコートお願いね」
あかり「うぅ、あかりも覚悟を決めた」
あかり「ちなつちゃんを引っ張っていくよ」
あかり「うんしょ、うんしょ」
ズリズリ
ちなつ「もぉ、ぜんぜん進まないよ。これじゃ夜になっちゃう」
あかり「そんな、こと……いわ、れても」
ズリズリ
あかり「む、むりなものはぁ……むりだよぉ」
ちなつ「クス、あかりちゃん顔赤いよ」
あかり「むぅ、ちなつちゃんだって」
ちなつ「えっ! そんなぁ」
あかり「ちなつちゃんかわいいよぉ」
ちなつ「もう、追い打ちかけないでよぉ////」
あかり「あはは、ちなつちゃんのその顔みてたら気力がわいてきたよ」
あかり「よーし、頑張っちゃうよ~」
ちなつ「ご、ごめんあかりちゃん。もういいって!」
あかり「だって、ちなつちゃんが歩けないって」
ちなつ「あんなの大げさにいっただけだよ、あかりちゃん純粋すぎ」
ちなつ「自分で歩けるって!」
あかり「……はぁ、な~んだそうだったの」
あかり「ちなつちゃんを家まで送っていかなきゃって思ってたよぉ」
ちなつ「はぁ、それなら腕組み終わらせればよかったでしょ:
ちなつ「……でも、そうしないでくれたのは嬉しい」
あかり「そう思ってくれたなら、あかりが苦労した甲斐があったよ」
ちなつ「もぉ、あかりちゃん少しは怒ってもいいんだよ」
あかり「ほぇ、あかりが、どうして?」
あかり「せっかくちなつちゃんが壁を乗り越えてきてくれたのに、怒るなんてできないよ」
あかり「ちなつちゃんのためなら、あかりはなんだってするよぉ」
ちなつ「うう/// なんで笑顔でそんなこといえるのかな」
ちなつ「あかりちゃんがそんなのだから余計に恥ずかしいんじゃない」
あかり「えぇ! なんであかりが怒られてるのぉ?」
ちなつ「と・に・か・く あかりちゃんは反省しておくこと!」
ちなつ「わかった!?」
あかり「ふえぇん……わかったよ。これでいいよね」
ちなつ「うーん、まぁ合格にしといてあげる」
あかり「うわーん、ちなつちゃんが恐いよー」
あかり「……ってあれ? 腕ほどけちゃってるよ」
ちなつ「あ、いつのまに」
ちなつ「そんなぁ、せっかく勇気だしたのに……」
あかり「ふふ、しかたないなぁちなつちゃんは」
あかり「ほら、いこう」グイッ
ちなつ「うわ! あかりちゃんから!?」
ちなつ「だめだめ! 私からしなきゃ意味ないの」
パッ グイッ
あかり「ち、ちなつちゃん?」
ちなつ「ほら、今度はちゃんと私も歩くから」
あかり「だ、大丈夫なの……?」
ちなつ「なにがよ」
あかり「さっきはあんなに恥ずかしがってたのに」
ちなつ「あれ……いわれてみれば、恥ずかしくない」
ちなつ「もしかして、克服できたの?」
あかり「て、手をつなげるか試してみようよ」
ちなつ「うん!やってみる」
スッ
あかり「……」
ちなつ「……」
あかり「これは」
ちなつ「うん、これは」
「やったぁ!」
ちなつ「手……つなげた」
あかり「よかったよぉ。ほんとによかったね」
ちなつ「うんっ! あかりちゃんのおかげだよ」
ちなつ「もう恥ずかしくなんてない」
フラフラ パタ
ちなつ「あ、あかりちゃん? なんで地面に座り込んじゃってるの」
あかり「えへへ、興奮しすぎて気が抜けちゃったみたい」
あかり「もとに戻るまで少しまってて」
ちなつ「ふふ、あかりちゃんたら。しかたないんだから」
数分後
あかり「ふう、なんとかおちついたよぉ」
あかり「ごめんね、ちなつちゃん」
ちなつ「謝らなくたっていいよ」
ちなつ「……もう日が沈んじゃうね」
あかり「ほんとだぁ、これじゃあデートできないね」
ちなつ「そうだね……でも、今日はこれでいいと思う」
ちなつ「あかりちゃんとの仲が進展したしさ」
あかり「そっか、よく考えたら埋め合わせの必要もなくなってたね」
ちなつ「なんか自分でも信じられないや、きょう一日ですっかり解決しちゃうなんて」
あかり「大丈夫、これは夢なんかじゃないってあかりが保障するよ」
あかり「だって、ちなつちゃんが手を繋いでくれたとき、すごく心臓が跳ね上がったんだよ」
あかり「夢なら、それで目が覚めちゃったはずだよ」
ちなつ「なんだ、それなら私も同じだね」
ちなつ「そうなんだ、夢じゃ、ない」
ちなつ「ね、あかりちゃん。別れる場所まででいいから一緒に帰ろうよ」
ちなつ「手を繋いで」
あかり「……いいよ。あかりもそれがいいな」
ちなつ「ほら、手、だして」
あかり「……はい」
スゥ
ギュ
あかり「わっ! これって恋人繋ぎってやつじゃ……」
ちなつ「なにもおかしくなんてないよ、私たち恋人なんだから」
あかり「……腕組みもよかったけど、これもいいかも……暖かいね、ちなつちゃんの手」
ちなつ「あかりちゃんも、だよ」
あかり「……あかりの家、この角を曲がらなきゃならないから」
あかり「ここでお別れだね」
ちなつ「また明日あえるんだよ、そんな寂しそうにしなくてもいいじゃん」
あかり「あはは……そうだね。あかりったら何やってんだろ」
ちなつ「もしかして、あかりちゃんって寂しがりやなのかな?」
あかり「そう、かも。ちなつちゃんと離れなきゃならいと思うと胸がいたい」
あかり「今度はあかりが我儘いっちゃってるね」
ちなつ「ならさ。寂しくなようにおまじないしてあげる」
あかり「おまじない? どんなの」
ちなつ「それはね……」
ちなつ「目、閉じて」
スウ
あかり(あ……ちなつちゃんの顔が近くに)
あかり(これって)
あかり(やっぱり、そういうことだよね)
あかり「うん……閉じるね」
ちなつ(今日までありがとね、あかりちゃん)
ちなつ(これからも)
ちなつ(ずっと、ずーっと)
ちなつ(大好きだよ)
チュ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
おわり