1 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:12:30.87 6+vZ5BYFP 1/36


   放課後、軽音部部室

「・・・ふぅ」 ぱたん

「ムギちゃん、何読んでたの?」

「先週出た推理小説の文庫よ」

「ムギはそういうの好きだな。犯人捜しなんて、警察に任せておけばいいだろ」

「まあその辺は、フィクションだからな」

「だから日本海の断崖絶壁がある訳よ」

「いや。そのためじゃないだろ」




元スレ
澪「それか、バンド探偵だな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349176350/

2 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:14:36.25 6+vZ5BYFP 2/36


「私達だと、放課後探偵?」

「それか、バンド探偵だな」

「どんな難事件も、「楽器一つでじゃじゃんと解決」みたいなノリか」

「でも推理物やサスペンス物って、役割分担があるじゃない。それはどうする?」

「私が探偵役なのは決定として」

「たまには、そういう斬新な設定も良いかもな」

「りっちゃん、ちゃんと突っ込んでよー」

「あはは」




4 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:16:34.21 6+vZ5BYFP 3/36


「だったらムギちゃんが探偵で、澪ちゃんが相棒の敏腕刑事かな」

「それっぽい雰囲気だな、確かに」

「律と唯は、何役なんだ?」

「唯は言うまでも無く、うっかり役だろ」

「えー?だったらりっちゃんは?」

「謎の女Tだな」

「それが後々伏線となるって設定も良いわよね。日本海の断崖絶壁で」

「うん。まずは、そこから離れようか」




5 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:18:30.85 6+vZ5BYFP 4/36


   カチャ

「済みません、遅れました」

「犯人は、梓だっ」

「ええっ」 びくっ

「脅かすな」 ぽふ

「ごめん、ごめん。今、放課後ティータイム事件簿のキャストを考えてたんだよね」

「だからって、私が犯人なんですか?」

「5人しかいないから、そこは持ち回りよね」

(だったら最後は、全員捕まるんじゃないの)




7 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:20:36.51 6+vZ5BYFP 5/36


「・・・トンちゃんは見ていた」

「それで」

「喋れないから、何も聞き出せなかった」

「なんですか、それ。大体ここが現場と決まった訳でもないでしょう」

「なるほどな。敢えて証拠をここに残し、私達のミスリードを誘った訳か」

「私、今すぐ日本海行きの切符を押さえるわ」

「ムギ、落ち着け。それと、まだ何も事件は起こってない」




9 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:22:32.39 6+vZ5BYFP 6/36


「・・・いや。事件はこの部室で起きてるよ。だって、さっきまで10個あったマカロンが2つしかない。・・・これは一体どういう事?」

「唯が3つも食べたからだろ」

「私が3つで、りっちゃんが2つ。澪ちゃんとムギちゃんとあずにゃんが1つずつ」

「辻褄は合うな」

「でも待って。1つしか食べていないのが3人なのに、残っているのは2つだけ」

「2つ食べられない人が出てきますね」

「この謎を解ける人は誰かいる?」

「唯が謝れば、全て解決するんじゃないのか」

「なるほど。さすがは、おでこ探偵ね」

「喜べばいいのか、それ」




10 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:24:35.31 6+vZ5BYFP 7/36


「・・・この数式、解ける探偵はいる?」

「こら、唯。宿題は、自分でやれ」

「だって、難しいんだもん」

「勉強はやらされる物じゃない。そしてその結果は、全て自分に返ってくるんだぞ」

「説教探偵だな、こりゃ」

「なんだと?」

「まあまあ。お茶、淹れ直すわね」

「ムギ先輩も大変ですね」

「本当、眠り薬を仕込む暇も無いわ」

(何故、犯人目線)




12 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:26:32.00 6+vZ5BYFP 8/36


「ふー、やっと解けた」

「どれどれ。・・・唯、ここだけ代入の仕方が違うぞ」

「うー。数学って、本当に苦手だな。これって、何のためにあるんだろう」

「それは分からないけど、困難を乗り越える訓練にはなってるさ。・・・うん、今度はOK」

(なんだかんだと言って、澪先輩は優しいな)

「だったら私は、唯の答えを写すとするか」

「こら、律」

「ふふん。では平沢先生が特別に、田井中さんを指導してあげましょう」

「・・・なんかイラッと来るが、取りあえず頼む」

「うふふ♪」

(何か良いよな、こういう雰囲気)




14 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:28:35.84 6+vZ5BYFP 9/36


 30分後

「ひー、疲れた」

「・・・」 ぐー

「思いっきり寝てますね」

「・・・誰かが睡眠薬を仕込んだって事かしら」

「いや。お茶を入れたのムギだし」

「そう見せかけて、犯人はティーカップに薬を仕込んでおいたのよ」

「ティーカップも、ムギが用意したんだろ」

「うーん、なかなか迷宮入りにならないわね」

(うっかり役って、むしろムギ先輩じゃないの)





16 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:30:31.98 6+vZ5BYFP 10/36


   さらに30分後

「それにしても、全然事件が起こらないね」

「起きても困るだろ」

「となると、私達が起こすべき?」

「・・・いや。そういう事でも無いから」

「でも、謎ならありますよ」

「え、何々?」

「非常に簡単な事、私達の根源に関わるミステリーです」

「どういう事だ、梓」

「つまりです。私達は軽音部なのに、何故演奏をしないかって事ですよっ」




17 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:32:30.90 6+vZ5BYFP 11/36


「りっちゃん、分かる?」

「全然分からん。これは思うに、私達が卒業するまで解けない謎だな」

「ふざけるな」 ぽふ

「まあまあ。だったらこの謎は、どうやったら解決するのかしら」

「一に練習二に練習。単純に、それだけだろ」

「はいですっ」

「しゃーない。久し振りに気合い入れるか」

「ふわふわにする?それとも、ぴゅあぴゅあ?」

「カレーも良いんじゃなくて?」

(このタイトルを思い付く人こそ、ミステリーだよな)

「ホッチキスか筆ペンか。・・・やっぱり私は、イチゴパフェが良いな♪」






19 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:34:30.77 6+vZ5BYFP 12/36


   30分後

「・・・切ないね♪」 じゃーん

「結構上手く出来たな」

「練習を積み重ねれば、もっともっと上手くなる」

「はいですっ」

「やっぱりみんなで演奏するのって、楽しいね」

「唯はセンスあるんだから、練習すればもっと楽しくなるぞ」

「ありがとう、澪ちゃん。よーし、今日はバリバリ練習するぞー」

「単純な奴め」

「でも、そこが唯ちゃんの良い所よね」

「はいですっ」




20 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:36:31.56 6+vZ5BYFP 13/36


   夕方、学内廊下

「今日は結構頑張ったな」

「これが普通なんだ」

「うふふ♪」

「私、和ちゃんの所行ってくるね。今日一緒に帰る約束してるから」

「それならみんなで帰ろうぜ」

「私も賛成と言いたいが」

「唯ちゃん、迷惑じゃない?」

「全然平気だよ。私が楽しいって事は、和ちゃんも楽しいって事だからね」

(この人、さらっとこういう事が言えるんだよな)




22 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:38:31.75 6+vZ5BYFP 14/36


   生徒会室

「うーす。和、帰るぞー」

「あら、みんなでどうしたの」

「唯と一緒に帰るって聞いたから、押しかけてきた。迷惑だったか?」

「唯が良いって言ったんでしょ。だったら私が断る理由は無いわ」

「和ちゃーん♪」

「本当に仲が良いのね、唯ちゃん達は」

「まさしく親友って訳だな」

「真鍋先輩が親で、唯先輩は友達って事ですか」

「もう、あずにゃんのいじわる」

「あはは」




23 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:40:31.05 6+vZ5BYFP 15/36


「・・・でもちょっと、困った事があるのよね」

「これはもしかして」

「ミステリーの予感?」

「どしたの、和ちゃん」

「さっきから、消しゴムが見当たらないのよ」

「・・・なんだ、そりゃ」

「待って、りっちゃん。これは大いなる事件への序章。言わば伏線じゃないかしら」

「いや。そんなはずは・・・」

「全員、その場を動くなっ」

(えっ) びくっ




25 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:42:34.15 6+vZ5BYFP 16/36


「み、澪ちゃん、どしたの?」

「足元に落ちているとも限らない。蹴飛ばす前に、自分の周りを確認するんだ」

「その程度の事で、声を張り上げるなよ。・・・特に無いな」

「私も」

「同じくです」

「まずは状況を整理しよう。和、その消しゴムを最後に使ったのはいつだ」

「放課後、生徒会室に来てからね。さっきまで机の上にあったから」

「では、紛失した現場はここと推測出来る。ただ念のためだ、唯は教室に戻って和の机周辺を探してくれ。ゴミ箱の中。唯の机の中もだ」

「・・・なんか色々腑に落ちないけど、見てくるね」 とたとた

「和は一度立ち上がって、服を払ってくれ。どこかに引っかかってるかも知れない」

「分かったわ」 ぱたぱた

「落ちてこないか。では次に、生徒会室に入ってからの行動を再現してもらおう」

「消しゴム一つで、良くそこまで真剣になれるな」






27 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:44:30.84 6+vZ5BYFP 17/36


   10分後

「教室にはなかったよ」

「こちらも手がかり無しだ。だがこの部屋で使っている以上、必ずあるはずなんだが」

「・・・澪ちゃん、ご苦労様。だけど、秀才に出来る事はそこまでね」

「何だと?だったらムギは、この事件をどう解決するつもりだ」

(なんだ、この小芝居)






28 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:46:31.65 6+vZ5BYFP 18/36


「よく考えてみて。無くなったのは何だったかしら」

「・・・はっ。もしかして」

「そう、つまりは」

「消しゴムだけに」

「この世から消えて無くなったという訳なのよっ」

「その盲点には気付かなかったっ」

「お前ら、ボケにボケを被せるな」 ぽふ




30 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:48:39.01 6+vZ5BYFP 19/36


「結局、どこ行ったのかな」

「買えば済む話だから、正直気にもしてないんだけれど」

「冷静な奴め。だったら、そろそろ帰るか」

「窓は閉めたと」

「机の上も片付きました」

「ご苦労様。部屋の鍵を掛けるから、みんな外に出て」 

「はーい」

カチャ

「ミステリーだと、最後に鍵を掛ける奴が犯人だよな」

「そうなんだ。じゃあ私、職員室に鍵を返しに行くね」

(聞いちゃいないし)




31 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:50:43.73 6+vZ5BYFP 20/36


   夜、平沢家リビング

「・・・消しゴムは結局、筆箱の中にあったんだよね」

「一度探した場所は二度探さないって言うし、そういう見落としは良くあると思うよ」

「でも謎を解くのって、ちょっと面白いかな」

「それはみんなと一緒にやってるからじゃない?」

「私もそう思う。あーでもない。こーでもないって、りっちゃん達と騒いでる時が一番楽しいもん」

「その内、本当に日本海の断崖絶壁に行っちゃうのかな」

「その時は、憂も一緒に行こうね」

「ありがとう、お姉ちゃん♪」

「憂ー♪」




32 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:52:33.02 6+vZ5BYFP 21/36


   翌朝 三年生教室

「という訳で昨日は、憂と旅行雑誌を見てました」

「ミステリーと関係無いじゃない。つくづくのんき姉妹ね」

「和ちゃんだって、筆箱をちゃんと見てなかったでしょ」

「昨日も言ったけど、当たり前過ぎて見直す気にならなかったの」

「灯台もと暗しって事?」

「灯台もっと暗し。くらい言うと思ったわ」

「私も、そうそうボケてはいられないよ」

「それ自体が、もうボケじゃないの?」

「もう、和ちゃんはー」

「あはは」




33 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:54:34.43 6+vZ5BYFP 22/36


「うーす」

「和、消しゴムはちゃんと管理しておけよ」

「でも、ちゃんと見つかって良かったわね」

「ええ。ただ昨日も言ったように、文房具くらいなら無くなっても困らないんだけど」

「私達の友情だけは、絶対に無くならないけどね」

「それもそうだな」

「私達の友情は永遠だ」

「一生、友達でいてね♪」

「もう、真面目に返されるとこっちが恥ずかしいよー」

「あはは」

「みんな、そろそろHRが始まるわよ」

「お前は少しくらい乗ってこい」





35 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:56:30.79 6+vZ5BYFP 23/36


   2年生教室

「ミステリー、ね。唯先輩の場合、存在自体がミステリーって気もするけど」

「未確認生物。UMAみたいな?」

「そうそう。軽音部に潜む謎の生物、ゆっしー。みたいな」

「ロッカーとかに潜んでるお姉ちゃんも、なんだか可愛いよね」

「・・・いや、そういう事でも無いから」

「どちらかというと妖怪。座敷童系だよね」

「お姉ちゃんがいると、軽音部が栄えるって事?」

「どこまで前向きな発想なのよ」




36 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 20:58:30.91 6+vZ5BYFP 24/36


   放課後 軽音部部室

「謎はないけど、なぞなぞはどうだ」

「上は大火事、下は洪水。みたいな事か?」

「そうそう。そういう奴」

「答えはお風呂だった?謎というか、とんちの部類ね」

「まあな」

「・・・で、とんちってどういう意味?」

「ほら、そこで泳いでるだろ」

「いや。それトンちゃんだし」

「やんが無いわよね」

「ムギちゃん。やんじゃないよ。ゃんだよ、ゃん」

「聞く限りだと、何も違いは分からんけどな」




37 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:00:34.58 6+vZ5BYFP 25/36


   カチャ

「・・・済みません、遅れました」

「右は大火事、左は洪水。これーなんだ」

「急になんです。・・・ライブ中の軽音部じゃないんですか」

「どういう事?」

「澪先輩が右で照れてて、私が左で冷や汗かいてる構図です」

「上手い事言うな」

「うふふ」

「で、答えはなんなんですか?」

「給湯器付きのお風呂だよ。右の蛇口からお湯が出て、左のバスタブに溜まるの」

(ひねりの欠片もないし、それだと両方火事だし)




40 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:02:31.87 6+vZ5BYFP 26/36


「とんちはもう良いから、練習するぞ」

「へいへい」

カチャ

さわ子「あら珍しい。あなた達、演奏するの?」

「だって私達、軽音部だからね」

「いや。唯先輩が言っても、説得力の欠片もないんですが」

「あずにゃん、しどいよ」

「まあまあ。さわ子先生、今お茶の準備しますね。お菓子の用意もするから、梓ちゃん手伝ってくれる?」

「はいです」

さわ子「ありがとう。・・・そうね。ムギちゃん達がいない間、3人だけで演奏してみたら?」

「大丈夫か?」 ちらっ

「構成としては、特に問題はないが」 ちらっ

「面白そうだし、やってみようよ♪」

(全然分かって無いな、唯先輩)




41 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:04:30.85 6+vZ5BYFP 27/36


   5分後

じゃじゃーん

「・・・あれ?」

さわ子「まあ、予想通りの結果だったわね。華やかさに欠けるとでも言うのかしら」

「ムギと梓が抜ければ、メロディは唯一人だからな」

「はいです」

「へ、下手じゃなかったよね。失敗もしなかったよ」

「それはそうなんだが。結局、普段からムギに頼ってたって訳だ。アレンジもあるし、私達にも言える事なんだが」

「私はこれからも、みんなを頼っていくつもりだよ。それじゃ駄目なの?」

「え?」




42 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:06:30.80 6+vZ5BYFP 28/36


「私の足りない所をムギちゃんが補ったり、りっちゃんや澪ちゃんが補ったり。あずにゃんが助けてくれたり。私は、ずっとそうしたいんだよね」

「まあ、バンドとしてはそれでありなんだが。私もリズム隊として、律を頼る時もあるし」

「はいです」

「なんか、上手く唯に言いくるめられたって感じだな」

「お茶、入りましたー。・・・みんな、どうかしたの?」

「ムギちゃん、ムギちゃん。私、一生ムギちゃんのお世話になるからね」

「大歓迎でーす♪」

「・・・少しは否定しろよ」

「まあ、ムギらしいと言えばムギらしいが」

「唯先輩らしくもありますね」

「あずにゃん、それ褒めてないでしょー」

「あはは」




43 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:08:30.98 6+vZ5BYFP 29/36


「自分に足りない物は、他の仲間が見つけてくれる。つまりバンド探偵とは、そういう意味だったんだよ」

「この野郎、上手くまとめやがって」

さわ子「一体、何の話?」

「昨日から、ミステリーについて色々話し合ってまして」

さわ子「あなた達、そういうの好きね。というか唯ちゃんも助けてもらうばかりじゃなくて、自分もみんなを支えないと駄目でしょ」

「う、うぅ。これから精進しますです」

「でも唯は家で結構練習してるみたいだし、その成果は少しずつ現れると思うぞ」

「私も唯ちゃんと演奏してると、とても楽しいわ」

「澪ちゃん♪、ムギちゃーん♪」

さわ子「全く、二人とも甘いんだから」

「さわちゃんはあれだろ。酸いも甘いも噛み分けた、長い人生の終着点を迎えてるんだろ。だははー」

さわ子「だったらお前には、砂を噛むような思いを味あわせてやろうか、このデコッパチ」



45 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:10:31.19 6+vZ5BYFP 30/36


「あー、ひどい目にあった」

「自業自得だ。ただ他の人を頼るのも良いが、やっぱり各々が自分のスキルを磨いていかないとな」

「真面目な奴め。・・・唯、何してるんだ」

「皆さんの足手まといにならないよう、コードの練習をしてますです。はい」 びびーん、びびーん

「いや、全然押さえられてないんだが。大体、どういうコードなんだ?」

「C7/B♭だよ」

「・・・そのコードは、結構ハードルが高いと思いますよ」

「あずにゃんでも無理?」

「私は手が小さいので、余計無理です」

「私の場合は大きすぎて、逆に難しいけどな・・・」




46 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:12:30.91 6+vZ5BYFP 31/36


「え、えーと、澪先輩。こういう時は、普通簡素化しますよね」

「ああ。それにB♭の部分はベース部分だから、私の担当だ」

「となると残るのは、C7。唯ちゃんも、それなら弾けるわよね」

「うん、大丈夫だよ。みんなありがとー。本当にありがとー」

「いやいや。改まって言われると、ちょっと照れるな」

「お前は何もしてないだろ」 ぽふ




47 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:14:34.99 6+vZ5BYFP 32/36


「やっぱり私達は、バンド探偵。5人揃えば、出来ない事は何も無いよ」

「まあ、そういう事になるのかな。勿論、日々の努力があっての話だけど」

「これで一件落着。日本海へ行くのは、次の機会までお預けね」

(次って、どういう機会?)

「それとバンド探偵として続けていくからには、もっと練習しないとな」

「・・・ちょっと待て。謎はまだ残ってるぞ」

「やっぱり日本海?それとも、安楽椅子かしら?」

「警察犬なんてどうかな。私、可愛いコリー犬をもふもふしてみたいんだよね」

「いや。二人とも、話がずれてるから」

(警察犬の代わりなら、私にお任せあれ♪) くんかくんか




48 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:16:30.46 6+vZ5BYFP 33/36


「それで、一体何が謎なんだ?」

「軽音部が設立された経緯自体がだよ。これって、結構ミステリーだと思わないか?」

「そう言われてみれば。ムギは合唱部志望で、梓もジャズ研に行こうとしてんだよな」

「ええ、まあ」

「そんな時もありましたね」

「唯も、初めはギター弾けなかっただろ」

「そこまで行くとミステリーどころか、殆ど奇跡ですね」

「そんな事無いよ、あずにゃん」

「え?」



50 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:18:31.88 6+vZ5BYFP 34/36


「りっちゃんがいれば澪ちゃんがいるし、ムギちゃんが訪ねてくれば絶対放っておかないよね」

「それは、まあ」

「実際そうだったからな」

「仮に訪ねてこなくてもギターケースを担いでる梓ちゃんを見かけたら、私絶対声を掛ける自信があるわ」

「私もムギ先輩に声を掛けられたら、間違い無く付いていくでしょうね」

「そう言われると、私達が集まったのも必然って気がしてくるな」

「でしょー♪」




51 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:20:32.89 6+vZ5BYFP 35/36


「でも待って下さいよ。音楽もやってなくてギターケースも担いでない唯先輩とは、どこで出会うんですか?」

「ちっ、ちっ、ちっ。あずにゃん助手、それは非常に簡単な話だよ」

「はぁ」

「お茶とお菓子あるところ、平沢唯あり。だから私は、何があろうとここにいるんだよ♪」

「それは軽音部と、何一つ関係無いだろ」 ぽふ

「あはは」



終わり




52 : 以下、名... - 2012/10/02(火) 21:22:22.27 6+vZ5BYFP 36/36


ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

ギターコードの部分に関しては、ネット上の情報をパク・・・。
参考に致しました。
テーマとしては、「何も起きてないし、何も解決していない」ですね。





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